JP2007001214A - レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高いレンズ基板を効率良く製造することができるレンズ基板の製造方法を提供すること、信頼性の高いレンズ基板を提供すること、また、当該レンズ基板を備えた透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供すること。
【解決手段】レンズ基板の製造方法は、レンズ部を有するレンズ基板を製造する方法であって、前記レンズ部に対応する形状の表面形状を有する型に、流動性を有する組成物を供給する組成物供給工程と、前記組成物に対して、前記型と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、前記組成物を硬化させるエネルギ線照射工程とを有し、前記型として、前記エネルギ線の透過性を有する材料で構成されたものを用いることを特徴する。
【選択図】なし

Description

本発明は、レンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンには、フレネルレンズや、レンチキュラレンズ、マイクロレンズ等のレンズ基板を備えている。
フレネルレンズ基板やレンチキュラレンズ基板、マイクロレンズ基板等のように、表面に多数の凹凸形状を有するレンズ基板(レンズシート)を製造する方法としては、一般に、合成樹脂を射出成型する方法、樹脂板と成形型とを当接させ、これを加熱加圧することにより成形型の表面凹凸形状を転写する押圧成型法が用いられてきた。
しかしながら、射出成型法や押圧成形法を用いた場合、大型のレンズ基板(例えば、対角線長が100cm以上のレンズ基板)を製造するのは困難であり、実質的には、比較的小さいものの成型にしか適用できない。また、押圧成型法では、樹脂板および成形型の加熱冷却サイクルに長時間を要するため、レンズ基板の大量生産のためには多数の成形型が必要となり、大型のレンズ基板を製造するためには生産装置に莫大な費用がかかるという問題点があった。
このような問題を解決する目的で、紫外線硬化型樹脂溶液を、成形型と透明な樹脂版またはフィルム(以下、単に、「樹脂フィルム」と言う)との間に注入した後、紫外線を照射して該樹脂溶液を硬化させる方法が行われている(例えば、特許文献1参照)。このような方法では、成形型としては、強度等の観点から、金属材料で構成された金型が用いられている。そして、紫外線硬化型樹脂を充填した後、樹脂フィルムを金型に貼り付けた状態で、樹脂フィルム側から全面露光し、紫外線硬化型樹脂を硬化させている。
このような方法では、比較的大型のレンズ基板(レンズシート)の製造にも対応することができ、また、成形に要する時間を短縮できるという効果は得られるが、以下のような問題点があった。すなわち、照射した紫外線のエネルギを、確実に紫外線硬化型樹脂に与えるために、紫外線の照射時には、樹脂フィルム上に荷重をかけていなかった。このため、紫外線の照射時には、樹脂フィルムの外表面が平坦状態を維持することができず(樹脂フィルムが波打ってしまい)、得られるレンズ基板は、成形型と接触していたのとは反対の面側の平坦度が低いもの、すなわち、不本意な厚さのばらつきを有するものとなってしまう。また、場合によっては、紫外線の照射時に、紫外線硬化型樹脂と樹脂フィルムとの間に気泡が侵入してしまう(空隙を生じてしまう)ことがある。上記のようなことから、得られるレンズ基板は、信頼性が低く、光学特性に劣ったものとなる。
なお、上記のような問題を解決するために、樹脂フィルムとして可撓性の低い板状の部材を用いることも考えられるが、このような場合、紫外線硬化型樹脂を硬化して得られるレンズ基板(レンズシート)は、厚みの大きいものとなってしまう。このようにレンズ基板の厚みが大きくなると、レンズの焦点距離を長くする必要がある等、光学特性の観点から好ましくないとともに、レンズ基板を備える装置(リア型プロジェクタ等)が大型化し、装置の薄型化を図る上でも不利となる。また、紫外線硬化型樹脂を硬化させた後に、前記の板状の部材を研磨すること等により、レンズ基板としての厚さを小さくすることも考えられるが、このような場合、レンズ基板の生産性は著しく低下する。
特開2004−322566号公報(段落番号0017)
本発明の目的は、信頼性の高いレンズ基板を効率良く製造することができるレンズ基板の製造方法を提供すること、信頼性の高いレンズ基板を提供すること、また、当該レンズ基板を備えた透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板の製造方法は、レンズ部を有するレンズ基板を製造する方法であって、
前記レンズ部に対応する形状の表面形状を有する型に、流動性を有する組成物を供給する組成物供給工程と、
前記組成物に対して、前記型と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、前記組成物を硬化させるエネルギ線照射工程とを有し、
前記型として、前記エネルギ線の透過性を有する材料で構成されたものを用いることを特徴する。
これにより、信頼性の高いレンズ基板を効率良く製造することができるレンズ基板の製造方法を提供することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記エネルギ線は、紫外線であることが好ましい。
これにより、簡易な設備で、より容易にレンズ基板を製造することができる。また、組成物の選択の自由度が増すとともに、レンズ基板を製造する際に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記組成物供給工程と、前記エネルギ線照射工程との間に、前記型上に供給された前記組成物を押圧部材で押圧する組成物押圧工程を有することが好ましい。
これにより、製造されるレンズ基板の、型と接触していた側とは反対の側の面を平坦なものとすることができ、レンズ基板の信頼性、光学特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記押圧部材は、エネルギ線の透過を防止、抑制する機能を有する材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、レンズ基板を製造する際に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。また、押圧部材をレンズ基板の構成部材(レンズ基板用基材)として用いる場合、レンズ基板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記押圧部材は、前記エネルギ線の照射により、前記組成物の硬化物と接合することが好ましい。
これにより、レンズ基板を、組成物の硬化物と押圧部材(レンズ基板用基材)との接合体として好適に製造することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記エネルギ線照射工程の後に、前記型を除去する型除去工程を有することが好ましい。
これにより、レンズ基板の製造に、型を繰り返し利用することができ、レンズ基板の生産性の向上、製造コストの低減に寄与することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記型は、ガラス材料で構成されたものであることが好ましい。
ガラス材料は、一般に、各種エネルギ線の透過率に優れるとともに、各種エネルギ線に対して優れた安定性を有している。また、ガラス材料は、機械的強度や形状の安定性等の観点からも優れている。したがって、ガラス材料で構成された型を用いることにより、微細な構造を有するレンズ基板を、優れた寸法精度で生産性良く製造することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記組成物は、主としてアクリル系樹脂で構成されたものであることが好ましい。
これにより、エネルギ線照射工程において、組成物を効率良く硬化させることができるとともに、製造されるレンズ基板の信頼性、光学特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記レンズ基板は、前記レンズ部として多数個のマイクロレンズを備えるものであることが好ましい。
マイクロレンズを備えるレンズ基板は、二次元的に微小な凹凸を有している。このようなレンズ基板を従来の方法で製造すると、型の微細な凹部内に組成物を確実に供給するのが困難であり、マイクロレンズが形成されるべき部位にマイクロレンズが形成されないといった問題が発生し易かった。これに対し、本発明では、このようなレンズ基板(マイクロレンズ基板)であっても、容易かつ確実に、所望の形状を有するものとして製造することができる。すなわち、レンズ基板が多数個のマイクロレンズを有するものである場合、本発明の効果はより顕著なものとして発揮される。また、レンズ基板が多数個のマイクロレンズを有するものであることにより、視野角特性を特に優れたものとする(上下方向および左右方向の視野角特性をいずれも特に優れたものとする)ことができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記マイクロレンズは、レンズ基板を平面視したときの縦幅が横幅よりも小さい扁平形状を有するものであることが好ましい。
これにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、レンズ基板の厚さは、0.5〜5mmであることが好ましい。
このように、比較的薄いレンズ基板であっても、本発明によれば好適に製造することができる。また、レンズ基板の厚さが前記範囲内の値であると、レンズ基板の光学特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高いレンズ基板を提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高いリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のレンズ基板の製造方法、レンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明において、「基板」とは、実質的に可撓性を有さない、比較的肉厚の大きいものから、シート状のものや、フィルム状のもの等を含む概念のことを指す。
本発明のレンズ基板の用途は、特に限定されないが、本実施形態では、レンズ基板を、主に、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材として用いるものとして説明する。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態では、レンズ基板が多数個のマイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板であるものとして説明する。
まず、本実施形態のレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板の平面図、図3は、図1に示すレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。また、本明細書で参照する各図は、マイクロレンズ、着色部等、構成の一部を強調して示したものであり、実際の寸法を反映するものではない。
マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、主として、図1に示すように所定のパターンで配列された複数個のマイクロレンズ(レンズ部)21を備えた基板本体2で構成されたものである。そして、基板本体2の光の入射側(すなわち、マイクロレンズ21の光の入射側)には、着色部(外光吸収部)22が設けられており、それ以外の部位が、非着色部23となっている。着色部22については、後に詳述する。
また、必要に応じて遮光層としてブラックマトリックス3を備えてもよい。図1においては出射側に備えている様子を示している。
基板本体2は、通常、主として透明性を有する材料で構成される。
基板本体2の構成材料は、特に限定されないが、通常、基板本体2は、主として樹脂材料やガラス材料(いずれも、通常、光の屈折率が空気よりも大きい)で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
基板本体2の具体的な構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種樹脂材料や、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。中でも、透明性、加工性等の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂が好ましく、特にアクリル系樹脂がより好ましい。アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れ、また、最適な屈折率を有している。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸エステル)を構成モノマーとしたアクリル樹脂、メタクリル酸またはその誘導体(例えば、メタクリル酸エステル)を構成モノマーとしたメタクリル樹脂の他に、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の(メタ)アクリル酸またはその誘導体を構成モノマーとして含む共重合体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板本体2を構成する材料(固化した状態の材料)は、一般に、各種気体(マイクロレンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.45以上であるのが好ましく、1.46〜1.75であるのがより好ましく、1.47〜1.60であるのがさらに好ましく、1.48〜1.55であるのがもっとも好ましい。基板本体2の構成材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、光(入射光)の利用効率を特に優れたものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、基板本体2は、後述する製造方法において、押圧部材として用いられる基材(レンズ基板用基材)24と、エネルギ線の照射で硬化することにより形成された硬化部25とを有している。
基材24は、通常、主として、上述したような材料で構成されたものであるが、それ以外の成分を含むものであってもよい。例えば、基材24は、エネルギ線の透過を防止、抑制する機能を有する成分(エネルギ線透過防止剤。例えば、紫外線吸収剤等)を含むものであってもよい。これにより、マイクロレンズ基板1の使用時において、外光に含まれるエネルギ線(例えば、紫外線)がマイクロレンズ基板1に入射した場合であっても、当該エネルギ線によってマイクロレンズ基板1の構成材料が劣化するのを防止することができる。その結果、マイクロレンズ基板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、基材24が上記のような成分を含むものであると、マイクロレンズ基板1(基板本体2)を製造時において、製造に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。このような成分(エネルギ線透過防止剤)としては、例えば、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、これらのエネルギ線透過防止剤について詳細に説明する。
[1]フェノール系化合物
フェノール系化合物としては、例えば、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、スチレン化されたフェノール、スチレン化されたクレゾール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、2,2’−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフテート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、エチル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)リン酸の金属塩(例えばカルシウム塩)、プロピル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[2]芳香族アミン系化合物
芳香族アミン系化合物としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン(高分子化されたものを含む)、アルドール−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[3]サルファイド系化合物
サルファイド系化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−メチル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]サルファイド、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾールや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[4]リン系化合物
リン系化合物としては、例えば、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、ホスホナスアシッド[1,1−ジフェニル−4,4’−ジイルビステトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−ビスフェノールA ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェート ジエチルエステル、9,10−ジヒドロ−9−エクサ−10−ホスホフェナンスレン−10−オキシド、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、1,3−ビス(ジフェノキシホスホニルオキシ)ベンゼンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[5]サリシレート系化合物
サリシレート系化合物としては、例えば、フェニルサリシレート(サリチル酸フェニル)、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[6]ベンゾフェノン系化合物
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(水和物を含む)、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[7]ベンゾトリアゾール系化合物
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾール金属塩(例えば、カリウム塩)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−sec−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[8]ヒンダートアミン系化合物
ヒンダートアミン系化合物としては、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、コハク酸と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの共重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[9]Ni系化合物
Ni系化合物としては、例えば、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケル−ビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)トリエタノールアミンニッケル(II)や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[10]シアノアクリレート系化合物
シアノアクリレート系化合物としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[11]オキザリックアシッドアニリド系化合物
オキザリックアシッドアニリド系化合物としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[12]シュウ酸誘導体
シュウ酸誘導体としては、例えば、シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[13]サリチル酸誘導体
サリチル酸誘導体としては、例えば、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[14]ヒドラジド誘導体
ヒドラジド誘導体としては、例えば、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸−ビス[2−フェノキシプロピオニルヒドラジド]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[15]その他
その他のエネルギ線透過防止剤としては、例えば、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上説明したものの中でも、エネルギ線透過防止剤としては、フェノール系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物のうち少なくとも1種を含むものが好ましく、フェノール系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、または、シアノアクリレート系化合物を主とするものがより好ましい。エネルギ線透過防止剤としてこのような材料を用いることにより、上述した効果がさらに顕著なものとなる。
また、エネルギ線透過防止剤として、上記のようなもの(特に、ベンゾトリアゾール系化合物を主とするもの)を用いた場合、エネルギ線の透過を防止する機能が向上するとともに、耐熱性も向上し、熱分解反応の発生等も効果的に防止することができる。その結果、マイクロレンズ基板1全体としての安定性がさらに優れたものとなる。
また、上記のようなエネルギ線透過防止剤(特に、ベンゾトリアゾール系化合物を主とするもの)は、基材24の主成分(例えば、アクリル系樹脂等の樹脂材料)との相溶性が特に優れており、また、基材24の主成分との化学反応等を極めて生じ難い。このため、エネルギ線透過防止剤として、上記にようなものを用いることにより、マイクロレンズ基板1自体の安定性を、特に優れたものとすることができる。
また、硬化部25は、後述するエネルギ線の照射で硬化することにより形成されたものである。前述した材料の中でも、エネルギ線(例えば、紫外線)の照射により好適に硬化し得る材料としては、例えば、アクリル系樹脂等が挙げられる。
基板本体2(マイクロレンズ基板1)は、光の入射側に設けられ、着色剤を含む材料で構成された着色部22と、着色部22よりも光の出射側に設けられ、実質的に着色剤を含まない材料で構成された非着色部23とを有している。
着色部22は、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光(例えば、光の出射側等から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを防止する機能を有する。このような着色部22を、非着色部23とともに有することにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。
着色部22の厚さは、特に限定されないが、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.2〜20μmであるのがより好ましく、0.3〜10μmであるのがさらに好ましい。着色部22の厚さが前記範囲内の値であると、光の入射側から入射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。その結果、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、着色部22の厚さが前記下限値未満であると、外光(光の入射側とは反対側から入射する外光)の反射を十分に防止することが困難となり、画像のコントラストを向上させるという効果が十分に得られない可能性がある。また、着色部22の厚さが前記上限値を超えると、入射光の透過率が低下し、得られる画像において十分な輝度が得られず、結果として、画像のコントラストが不十分となる可能性がある。
着色部22の色は、特に限定されないが、青色を基調とし、赤色あるいは茶色あるいは黄色を混色した着色剤を用い、外観としては無彩色で黒色であり、光源の光の三原色のバランスを制御する特定の波長の光を選択的に吸収または透過するものであるのが好ましい。これにより、外光の反射を防止し、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像の色調を正確に表現し、さらに色座標が広く(色調の表現の幅が十分に広く)、より深い黒を表現できることで、結果的にコントラストを特に優れたものとすることができる。
着色部22を構成する着色剤としては、例えば、各種染料、各種顔料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したように、マイクロレンズ基板1は、光の入射する面側に凸面を有する凸レンズとしてのマイクロレンズ21を多数個備えている。
本発明において、レンズ基板を構成するレンズ(レンズ部)は、いかなるものであってもよいが、レンズ基板を構成するレンズがマイクロレンズであると、レンズ基板を、透過型スクリーン、リア型プロジェクタ等に適用した場合における、視野角特性を特に優れたものとする(上下および左右方向の視野角特性をいずれも特に優れたものとする)ことができる。
また、レンズ基板がマイクロレンズ基板であると、製造時において以下のような効果が得られる。すなわち、マイクロレンズを備えるレンズ基板は、二次元的に微小な凹凸を有している。このようなレンズ基板を従来の方法で製造すると、型の微細な凹部内に組成物を確実に供給するのが困難であり、マイクロレンズが形成されるべき部位にマイクロレンズが形成されないといった問題が発生し易かった。これに対し、本発明では、このようなレンズ基板(マイクロレンズ基板)であっても、容易かつ確実に、所望の形状を有するものとして製造することができる。すなわち、レンズ基板が多数個のマイクロレンズを有するものである場合、本発明の効果はより顕著なものとして発揮される。
本実施形態において、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の横幅が縦幅よりも大きい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ21がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(横方向)の長さをL[μm]としたとき、0.10≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦L/L≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ21の短軸方向についての曲率半径(以下、単に「マイクロレンズ21の曲率半径」とも言う)は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ21の短軸方向についての焦点距離(以下、単に「マイクロレンズ21の焦点距離」とも言う)は、特に限定されないが、20〜400μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、40〜70μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の焦点距離が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、これら複数個のマイクロレンズ21は、千鳥格子状に配列している。このようにマイクロレンズ21が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、マイクロレンズが正方格子状等に配列したものであると、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、マイクロレンズをランダムに配した場合、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
上記のように、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ21で構成される第1の列27と、それに隣接する第2の列28とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式、占有率等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態において、各マイクロレンズ21は、入射側に突出した凸レンズとして形成されており、焦点fが、出射側の基板面の近傍に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板1に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ基板5からの平行光La)は、マイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21によって集光され、出射側の基板面近傍で焦点fを結ぶ。
またこのとき、焦点fの近傍を開口するようにブラックマトリックス3を形成することにより、光の利用効率を優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、マイクロレンズ21の占有率は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましく、97〜99.5%であるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の占有率が90%以上であると、マイクロレンズ21以外を通過する直進光をより少なくすることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。なお、マイクロレンズ21の占有率は、平面視したときのマイクロレンズ21の中心(頂部の中心)211と、当該マイクロレンズ21に隣接する、マイクロレンズ21が形成されていない部位の中心部とを結ぶ線分において、マイクロレンズ21が形成されている部位の長さL[μm]と、前記線分の長さL[μm]との比率(L/L×100[%])として求めることができる(図2参照)。
また、図示のように、マイクロレンズ基板1の光の出射側の面側には、ブラックマトリックス3が設けられていてもよい。この場合、ブラックマトリックス3は、遮光性を有する材料で構成され、層状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス3を有することにより、当該ブラックマトリックス3に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、さらにコントラストに優れたものとすることができる。特に、前述したような着色部22を有するとともに、ブラックマトリックス3を有することにより、マイクロレンズ基板1による画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
このようなブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部31を有しているのが望ましい。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部31を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。
ブラックマトリックス3は、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収する機能を有するものであれば、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、ブラックマトリックス3を構成する材料としては、例えば、各種無機材料、各種有機材料、無機材料と有機材料との複合材料等を用いることができ、より具体的には、酸化クロム、クロム、各種顔料、各種染料等を用いることができる。
また、ブラックマトリックス3は、複数種の材料で構成されたものであってもよく、例えば、主としてクロムで構成された層と、主として酸化クロムで構成された層とを有する積層体であってもよい。ブラックマトリックス3がこのような構成を有するものであると、後述するような方法により、容易かつ確実に開口部31を形成することができるとともに、ブラックマトリックス3の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、ブラックマトリックス3が、各種顔料、各種染料等で構成されたものである場合、得られる画像のコントラストを容易に優れたものとすることができるとともに、後述するような方法により、所望の部位に所望の大きさ、形状の開口部31を、より容易かつ確実に形成することができる。また、ブラックマトリックス3が、各種顔料、各種染料等で構成されたものである場合、ブラックマトリックス3の形成に(ブラックマトリックス形成用材料として)、各種インク等を好適に利用することができ、マイクロレンズ基板1の安定的な製造、生産コストの低減等の観点からも有利である。
また、ブラックマトリックス3は、遮光性を有していない材料を含むものであってもよい。例えば、ブラックマトリックス3は、構成材料として樹脂材料を含むものであってもよい。これにより、最終的に得られるマイクロレンズ基板1におけるブラックマトリックス3の基板本体2に対する密着性を特に優れたものとするとともに、後に詳述する開口部形成工程においては、ブラックマトリックス形成用材料で構成された膜の所定の部位を、容易かつ確実に除去することができ、所望の形状の開口部31を有するブラックマトリックス3を確実に形成することができる。
ブラックマトリックス3を構成する樹脂材料としては、例えば、ダンマル樹脂等が挙げられる。
また、ブラックマトリックス3の厚さ(平均厚さ)は、0.001〜8.0μmであるのが好ましく、0.005〜7.0μmであるのがより好ましく、0.01〜6.0μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス3の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス3の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス3としての機能(すなわち、画像のコントラストを向上させる機能)をより効果的に発揮させることができ、例えば、マイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
ブラックマトリックス3の開口部31は、通常、マイクロレンズ21の形状(平面視した際の形状)に対応する形状(略相似形状)を有し、かつ、マイクロレンズ21より小さいものである。すなわち、本実施形態において、開口部31は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の横幅が縦幅よりも大きい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。開口部31がこのような形状、大きさを有することにより、コントラストを優れたものとしつつ、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止し、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
平面視したときの開口部31の短軸方向の長さは、5〜250μmであるのが好ましく、7〜150μmであるのがより好ましく、10〜100μmであるのがさらに好ましい。開口部31の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部31の短軸方向の長さが前記下限値未満であると、光の利用効率を十分に高くするのが困難となる可能性がある。また、開口部31の短軸方向の長さが前記上限値を越えると、得られる画像のコントラストを十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。
また、平面視したときの開口部31の長軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、12〜200μmであるのがより好ましく、15〜152μmであるのがさらに好ましい。開口部31の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部31の長軸方向の長さが前記下限値未満であると、光の利用効率を十分に高くするのが困難となる可能性がある。また、開口部31の長軸方向の長さが前記上限値を越えると、得られる画像のコントラストを十分に優れたものとするのが困難となる可能性がある。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、開口部31の短軸方向(縦方向)の長さをL’[μm]としたとき、0.10≦L’/L≦0.90の関係を満足するのが好ましく、0.20≦L’/L≦0.80の関係を満足するのがより好ましく、0.30≦L’/L≦0.60の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、開口部31の長軸方向(縦方向)の長さをL’[μm]としたとき、0.10≦L’/L≦0.90の関係を満足するのが好ましく、0.20≦L’/L≦0.80の関係を満足するのがより好ましく、0.30≦L’/L≦0.60の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、光の利用効率を特に優れたものとしつつ、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
なお、マイクロレンズ基板1は、着色部22を有していなくてもよい。このような場合、例えば、ブラックマトリックス3の光の出射側(ブラックマトリックス3の基板本体2に対向する面とは反対の面側)に、形状の安定性を保持する目的等で、基材(第2の基材)を備えていてもよい。
マイクロレンズ基板1の着色部22が設けられた面側(光の入射側)から入射した光の透過率をA[%]、マイクロレンズ基板1の着色部22が設けられた面とは反対の面側(光の出射側)から入射した光の透過率をB[%]としたとき、B/A≦0.8の関係を満足するのが好ましく、B/A≦0.75の関係を満足するのがより好ましく、0.01≦B/A≦0.7の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の利用効率、および、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
マイクロレンズ基板1の光の利用効率(マイクロレンズ基板1の入射面側から入射する光の光量に対する、出射面側から出射する光の光量の割合)は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80〜99%であるのがさらに好ましい。
ところで、レンズ基板の構成材料として拡散剤を含むことにより、視野角特性の向上を図ることができるが、その反面、光の利用効率や得られる画像のコントラストが低下する。したがって、マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、その構成材料として拡散材を含むものであってもよいが、拡散材の含有率が30wt%以下であるのが好ましく、10wt%以下であるのがより好ましく、拡散剤を含まないものであるのがさらに好ましい。このような構成であっても、上記のような構成によれば、十分に視野角特性を優れたものとすることができる。すなわち、上記のような構成によれば、視野角特性とともに、光の利用効率、画像のコントラスト等を、同時に優れたものとすることができる。
また、例えば、図示のように、マイクロレンズ基板1がブラックマトリックス3を有するものである場合等において、マイクロレンズ基板1は、ブラックマトリックス3が設けられている面側に、拡散材を含む材料で構成された拡散板(拡散層)を備えていてもよい。
上記のようなマイクロレンズ基板1の厚さは、0.5〜5mmであるのが好ましく、1〜4mmであるのがより好ましく、2〜3mmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ基板1の厚さが前記範囲内の値であると、光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。また、このように比較的薄いレンズ基板は、従来の方法では、精確に製造するのが困難であったが、後に詳述するような本発明の方法によれば好適に製造することができる。
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ基板5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ基板5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ基板5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ基板5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ基板5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ基板5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1の着色部が形成された面側からに入射し、各マイクロレンズ21によって集光し、ブラックマトリックス(遮光層)3の開口部31を通過する。
このとき、マイクロレンズ基板1に入射した光は、十分な透過率でマイクロレンズ基板1を透過する。開口部31を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
次に、上述したマイクロレンズ基板の製造方法について説明するが、それに先立ち、マイクロレンズ基板の製造に好適に用いることができる型としての凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型)、および、その製造方法について説明する。
図4は、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き基板を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示す凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。なお、凹部付き基板の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成し、マイクロレンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数のマイクロレンズ(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型)6は、後に詳述するエネルギ線を透過し得る材料で構成されたものである。凹部付き基板6として用いることができる材料は、後の工程で用いるエネルギ線の種類等に応じて異なるが、凹部付き基板6の構成材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等のガラス材料等が挙げられる。中でも、凹部付き基板6の構成材料としては、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。このような材料は、各種エネルギ線に対する安定性が特に優れているとともに、たわみを生じ難く、傷つき難い。また、加工が容易で、かつ、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型)6は、マイクロレンズ基板1を構成するマイクロレンズ21に対応する形状を有し、かつ、マイクロレンズ21の配列方式に対応する方式で配列した、複数個の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61を備えており、これらの凹部61は、通常、マイクロレンズ21と、実質的に同一の(マイクロレンズが凸部であるのに対し凹部であり、かつ、転写された形状、位置関係である以外は同一の)形状(寸法)、配列方式を有している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61は、凹部付き基板6を平面視した際の横幅が縦幅よりも大きい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凹部61がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるマイクロレンズ基板1の製造に好適に用いることができる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向(縦方向)の長さをL[μm]、長軸方向(縦方向)の長さをL[μm]としたとき、0.1≦L/L≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.5≦L/L≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.6≦L/L≦0.8の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向の長さは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き基板6)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときの凹部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、75〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き基板6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凹部61の短軸方向についての曲率半径(以下、単に「凹部61の曲率半径」とも言う)は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。凹部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、凹部61の深さは、7〜375μmであるのが好ましく、22〜225μmであるのがより好ましく、37〜75μmであるのがさらに好ましい。凹部61の深さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板1における光の利用効率および視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、凹部61の深さをD[μm]、凹部61の短軸方向の長さをS[μm]としたとき、0.02≦S/D≦50の関係を満足するのが好ましく、0.1≦S/D≦1.40の関係を満足するのがより好ましく、0.5≦S/D≦1.0の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凹部61は、千鳥格子状に配列している。このように凹部61が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凹部が正方格子状等に配列したものであると、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凹部をランダムに配した場合、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
また、上記のように、凹部61は、凹部付き基板6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凹部61で構成される第1の列と、それに隣接する第2の列とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、凹部61が、マイクロレンズ基板1を構成するマイクロレンズ21と、実質的に同一の形状(寸法)、配列方式を有しているものとして説明したが、例えば、マイクロレンズ基板1の基板本体2の構成材料が収縮し易いものである場合(基板本体2を構成する樹脂材料が固化等により収縮する場合)、その収縮率等を考慮し、マイクロレンズ基板1を構成するマイクロレンズ21と、凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型)6を構成する凹部61とについて、これらの間で、形状(寸法)、占有率等が異なるようにしてもよい。
次に、凹部付き基板の製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数のマイクロレンズ形成用の凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、凹部付き基板6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A1>用意した基板7の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板7の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図5(a)、図5(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図5(a)に示すように、用意した基板7の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板7の表面にマスク形成用膜4を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図5(b)に示すように、マスク形成用膜4に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜4および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜4は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜4(マスク8)は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜4(マスク8)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜4(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜4(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜4は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜4を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板7をより確実に保護することができる)。また、マスク形成用膜4(マスク8)のが上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜4(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板7との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜4(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部61を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜4の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜4(マスク8)をクロム(Cr)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜4は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜4(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜4は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜4(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜4(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.001〜2.0μm程度が好ましく、0.003〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜4の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜4の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜4(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜4(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜4(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜4の形成と同時に、マスク形成用膜4と同様に設けることができる。
次に、図5(b)に示すように、マスク形成用膜4に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部61の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、凹部付き基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのばらつきの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜4に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
マスク形成用膜4に初期孔81を形成するとき、図5(b)に示すように、マスク形成用膜4だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、凹部61の深さ(レンズの最大厚さ)を調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのばらつきをより確実に小さくすることができる。これにより、凹部付き基板6を構成する各凹部61の深さのばらつきも小さくなり、最終的に得られるマイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21の大きさ、形状のばらつきも小さくなる。その結果、各マイクロレンズ21の直径、焦点距離、レンズ厚さのばらつきを特に小さくさせることができる。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.9〜30μmであるのが好ましく、1.5〜15μmであるのがより好ましく、2.0〜6μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61をより確実に形成することができる。
また、マスク形成用膜4に対してレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク形成用膜4を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク形成用膜4を形成することでマスク形成用膜4に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
<A2>次に、図5(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図5(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部61は、基板7の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、本実施形態では、前記工程<A1>でマスク形成用膜4に初期孔81を形成した際(マスク8を形成した際)に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜4)が主としてクロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板6を提供することができる。
<A3>次に、図5(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去することにより、凹部付き基板6が得られる。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
また、例えば、凹部付き基板6の凹部61が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、基板本体2が有するマイクロレンズ21にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、凹部付き基板6を容易に取り外すことができる。離型処理としては、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上により、図5(d)および図4に示すように、基板7上に多数の凹部61が千鳥状に形成された凹部付き基板6が得られる。
基板7上に千鳥状に配された複数個の凹部61を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜4に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜4に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の凹部付き基板(マイクロレンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
次に、上述した凹部付き基板6を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
図6、図7は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6、図7中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
<B1>まず、図6(a)に示すように、凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の組成物26(未重合(未硬化)の組成物26)を付与する(組成物供給工程)。この組成物26は、通常、主として、後に詳述するエネルギ線により硬化し得る材料で構成されたものである。
なお、本工程においては、組成物26としてスペーサー29を含むものを用いてもよい。これにより、後述する工程において組成物26を基材24で押圧する際に、組成物26で構成された層の不本意な厚さのばらつきが生じるのを防止することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板1での、マイクロレンズ21の焦点の位置をより確実に制御することができ、色ムラ等の不都合の発生をより効果的に防止することができる。
本実施形態のように、スペーサー29を用いる場合、スペーサー29の形状は特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー29がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、組成物26の付与に先立ち、凹部付き基板6の凹部61が形成されている側の面に離型剤を塗布しておいてもよい。これにより、後述する工程において、凹部付き基板6から、基板本体2を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
<B2>次に、図6(b)に示すように、組成物26上に基材24を設置する。すなわち、被せる(設置工程)。そして、組成物26上に設置した基材24により、組成物26を押圧する(組成物押圧工程)。これにより、基材24と組成物26とを確実に密着させることができ、後述する工程(エネルギ線照射工程)において、基材24と、組成物26の硬化物で構成される硬化部25とを確実に接合することができ、これらの密着性を特に優れたものとすることができる。
基材24は、通常、上述したような材料(基板本体2の材料)で構成されたものである。また、基材24としては、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基材24は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。また、基材24は、可撓性を有するものであっても、実質的に可撓性を結う差異ないものであってもよい。
基材24の厚さは、特に限定されないが、0.5〜5mmであるのが好ましく、1〜4mmであるのがより好ましく、2〜3mmであるのがさらに好ましい。なお、マイクロレンズ基板1を、ブラックマトリックス3の光の出射側に第2の基材を有するものとして製造する場合、基材(第1の基材)24の厚さは、40〜100μmであるのが好ましい。また、このような場合、第2の基材は、製造するマイクロレンズ基板1の厚さが、前述した範囲内の値となるような厚さであるのが好ましい。
また、組成物押圧工程においては、例えば、押圧手段を用いて、基材24の全面(組成物26に接触するのとは反対の面側の全面)または凹部付き基板6の凹部が設けられた領域に対応する部位の全体を、押圧してもよい。これにより、組成物26に加えられる圧力をより均一なものとすることができる。そして、この基材24により、組成物26を均一な圧力で押圧することができ、その結果、最終的に得られるマイクロレンズ基板1(基板本体2)において、厚さの不本意なばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。また、押圧手段を用いることにより、容易かつ確実に、比較的大きな圧力で、基材24により組成物26を押圧することができる。その結果、マイクロレンズ基板1(基板本体2)の厚さをより薄いものとすることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の設計上、レンズの焦点距離を短くすることができ、光学特性の観点から有利である。また、マイクロレンズ基板を備える装置(リア型プロジェクタ等)の薄型化を図る上でも有利である。
上記のような押圧手段としては、いかなるものを用いてもよいが、ステンレス鋼等の金属材料で構成されたものを用いるのが好ましい。このような材料は、高硬度であり、かつ、形状の安定性にも優れているため、基材24を所望の圧力(特に、比較的高い圧力)で好適に押圧することができる。また、上記のような材料は、一般に、後述するようなエネルギ線の反射効率にも優れている。このため、押圧手段が上記のような材料で構成されたものであると、後に詳述する工程(エネルギ線照射工程)において、組成物26の硬化に、エネルギ線のエネルギをより効率良く利用することができる。また、押圧手段は、例えば、その表面付近に、各種樹脂材料(ポリパラキシリレン等を含む)、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素等の炭素系材料等で構成された被膜を有するものであってもよい。
<B3>次に、図6(c)に示すように、凹部付き基板6を介して、組成物26にエネルギ線(図中、Eで示す。)を照射する。言い換えると、組成物26に対して、型としての凹部付き基板6と接触する面側からエネルギ線を照射する。これにより、組成物26が硬化し、硬化部25が形成され、基板本体2(着色部22を有していない基板本体2)が得られる(図6(d)参照)。このように、凹部付き基板6を介して、組成物26にエネルギ線を照射することにより、基材24により組成物26を好適に押圧した状態で(例えば、上述したような押圧手段により基材24を押圧し、当該基材24により組成物26を押圧した状態で)、エネルギ線の照射を行うことができる。その結果、最終的に得られるマイクロレンズ基板1(基板本体2)において、基材24と硬化部25との間に気泡が侵入したり、厚さの不本意なばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られるマイクロレンズ基板を、信頼性が高く、光学特性に優れたものとすることができる。
また、組成物26に対して、型としての凹部付き基板6と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、基材24の組成物26と接触する面とは反対の面側を、前述したような、エネルギ線の反射率の高い材料(金属材料)で構成された押圧手段により基材24を押圧した状態で、エネルギ線を照射することができる。これにより、エネルギ線の利用効率を特に優れたものとすることができる。すなわち、凹部付き基板6側から照射されたエネルギ線は、組成物26に吸収され、組成物26の硬化に利用されるが、照射されたエネルギ線の一部は、通常、組成物26の硬化に利用されることなく透過してしまう。しかしながら、上述したような材料で構成された押圧手段を用いることにより、組成物26中を透過してしまったエネルギ線を、反射させることができ、この反射したエネルギ線を再び組成物26に照射することができる。その結果、エネルギ線が組成物26に対して硬化反応に必要な活性化エネルギを与える可能性が高くなり、したがって、組成物26の硬化反応をより効率良く進行させることができる。
なお、組成物26は、入射したエネルギ線を拡散させる機能を有する拡散材を含むものであってもよい。これにより、組成物26を効率良く硬化させることができる。拡散材としては、例えば、ポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマー等を用いることができる。拡散材が、上記のような材料で構成されたものであると、マイクロレンズ基板1の視野角特性を特に優れたものとすることができる。ここで拡散材は、組成物26全体に含まれるものであってもよいし、一部にのみ含まれるものであってもよい。拡散材の量は特に限定するものではないが、視野角特性と光の利用効率との両立の観点から、Haze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が、例えば30〜99%になるようにすることが望ましい。
本工程で用いるエネルギ線としては、例えば、紫外線、電子線等が挙げられるが、この中でも紫外線が好ましい。エネルギ線として紫外線を用いた場合、例えば、簡易な設備で、より容易にマイクロレンズ基板1を製造することができる。また、組成物26の選択の自由度が増すとともに、マイクロレンズ基板1を製造する際に用いる装置等の部材に対する悪影響の発生をより効果的に防止することができる。また、エネルギ線の照射に際しては、加熱を行ってもよい。これにより、組成物26の硬化を促進することができる。
本工程で形成される硬化部25の厚さは、特に限定されないが、40〜80μmであるのが好ましい。このように、本発明においては、硬化部をその厚さが十分に小さいものとして好適に形成することができる。
<B4>次に、図7(e)に示すように、基板本体2の出射側表面に、有色のブラックマトリックス形成用材料(遮光膜形成用材料)を付与し、ブラックマトリックス形成用材料で構成された膜32を形成する(遮光膜形成用材料付与工程)。
基板本体2表面へのブラックマトリックス形成用材料の付与方法は、特に限定されないが、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法等を適用することができる。特に、ブラックマトリックス3を、主としてクロムで構成された層と、主として酸化クロムで構成された層とを有する積層体として形成する場合、膜32は、気相成膜法により形成するのが好ましい。また、ブラックマトリックス3を、顔料または染料を含む材料で構成されたもの(特に、顔料、染料に加えて、樹脂材料を含む材料で構成されたもの)して形成する場合、塗布法により形成するのが好ましい。これにより、均一な厚さの膜32を、容易に形成することができる。
また、ブラックマトリックス3を、顔料または染料を含む材料で構成されたものとして形成する場合、ブラックマトリックス形成用材料は、顔料、染料に加えて、樹脂材料および液性媒体(例えば、溶媒、分散媒として機能する液体)を含むものであるのが好ましい。これにより、均一な厚さの膜32を、容易かつ確実に形成することができるとともに、形成される膜32(ブラックマトリックス3)の基板本体2に対する密着性を特に優れたものとすることができる。また、ブラックマトリックス形成用材料が、顔料、染料に加えて、樹脂材料および液性媒体を含む材料で構成されたものであると、後に詳述する開口部形成工程において、膜32の所定の部位を、容易かつ確実に除去することができ、所望の形状の開口部31を有するブラックマトリックス3をより確実に形成することができる。
なお、本工程では、後の工程に際して、ブラックマトリックス形成用材料を構成する成分の一部を除去するための処理を施してもよい。例えば、ブラックマトリックス形成用材料が、例えば、液性媒体を含む材料で構成される場合、ブラックマトリックス形成用材料で構成された膜32から、液性媒体を除去するための処理(例えば、加熱処理、減圧処理等)を施してもよい。
本工程で形成される膜32の厚さは、通常、また、ブラックマトリックス3の厚さと実質的に同一である。したがって、膜32の厚さ(平均厚さ)は、0.3〜8.0μmであるのが好ましく、0.8〜7.0μmであるのがより好ましく、1.4〜6.0μmであるのがさらに好ましい。
<B5>次に、図7(f)に示すように、基板本体2を、凹部付き基板6から取り外す(型除去工程)。このように、凹部付き基板6を基板本体2から取り外すことにより、取り外された凹部付き基板6を、基板本体2(マイクロレンズ基板1)の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造される基板本体2(マイクロレンズ基板1)の品質の安定性を高める上で有利である。
<B6>その後、図7(g)に示すように、凹部付き基板6から取り外された基板本体2に対して着色液を付与することにより、着色部22を形成し、それ以外の部位を非着色部23とする(着色部形成工程)。
着色液は、いかなるものであってもよいが、本実施形態では、着色剤とベンジルアルコールとを含むものである。このような着色液を用いることにより、基板本体2の着色を容易かつ確実に行うことができる。特に、アクリル系樹脂のように、従来の着色方法では着色が困難であった材料で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色を施すことができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、ベンジルアルコールを含む着色液を用いることにより、着色液中のベンジルアルコールが基板本体中に深く侵入、拡散し、基板本体を構成する分子の結合(分子間結合)を緩め、着色剤が侵入するための空間を確保する。そして、ベンジルアルコールにより確保された空間に着色剤が容易に、深く入りこむことにより、前記空間(着色剤のための座席(着色座席)に例えることができる)に着色剤が保持され、基板本体が着色され、また容易に脱離しない。
また、上記のような着色液を用いることにより、均一な濃度の着色部を容易かつ確実に形成することができる。特に、着色に供される基板本体(ワーク)が、その表面にマイクロレンズのような微細な構造を有するもの(二次元方向への凹凸の周期がいずれも小さいもの)、また、着色されるべき領域が大面積のものであっても、ベンジルアルコールが樹脂の分子の結合そのものを緩めることができるため、均一な濃度で(透過率のムラなく)着色部を形成することができる。
なお、ここで、アクリル系樹脂に対して、ベンジルアルコールは特に前述の着色座席を確保する働きが強い。このために着色剤をより効率的に基板本体に取りこむことが可能となる。
着色液の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、捺染等の各種塗布法や、基板本体2を着色液中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられるが、中でも、ディッピング(特に、浸染)が好ましい。これにより、容易かつ確実に着色部22(特に、均一な濃度の着色部22)を形成することができる。また、特に、着色液の付与を浸染により行う場合、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、ベンジルアルコールと浸染に用いることができる染料が溶液中に十二分に存在しているため、ベンジルアルコールが十分に着色座席を確保し、着色が容易に、且つ、大面積においても均一に行うことができるためである。
着色液を付与する工程は、着色液および/または基板本体2を、60〜100℃とした状態で行うのが好ましい。これにより、大面積でも均一にベンジルアルコールの着色座席の確保を促進させ、さらには着色速度を上げ、効率良く着色部22を形成することができる。
また、着色液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、着色液の基板本体内部への侵入を促進することができ、結果として、着色部22を短時間で効率良く形成することができる。
なお、着色液の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべき着色部22の濃度を濃くしたい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
また、着色液の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の加圧、減圧等の処理を施してもよい。これにより、着色部22の定着(安定化)を促進することができる。
以下、本工程で用いる着色液についてより詳細に説明する。
着色液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.01〜10.0wt%であるのが好ましく、0.05〜8.0wt%であるのがより好ましく、0.1〜5.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、着色部22を形成すべき基板本体2に対する悪影響の発生(例えば、基板本体2の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な着色部22を形成することができる。
着色液中に含まれる着色剤は、各種染料、各種顔料等、いかなるものであってもよいが、染料であるのが好ましく、分散染料および/またはカチオン系染料であるのがより好ましく、分散染料であるのがさらに好ましい。これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。特に、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、上記のような着色剤が、アクリル系樹脂等が有するエステル基(エステル結合)を染着座席とするために、より着色しやすいためであると考えられる。
また、着色液は、さらに界面活性剤を含むものであるのが好ましい。これにより、着色剤をベンジルアルコールの存在下においても、安定的に、均一に分散させることができ、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。界面活性剤としては、例えば、非イオン系(ノニオン系)、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン系(ノニオン系)界面活性剤としては、例えば、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤、エーテルエステル系界面活性剤、含窒素系界面活性剤等が挙げられ、より具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、各種ロジン、各種カルボン酸塩、各種硫酸エステル塩、各種スルホン酸塩、各種リン酸エステル塩等が挙げられ、より具体的には、ガムロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、マレイン化ロジン、フマール化ロジン、マレイン化ロジンペンタエステル、マレイン化ロジングリセリンエステル、トリステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩等の金属塩等)、ジステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等の金属塩等)、ステアリン酸塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、リノレン酸塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、オクタン酸塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、オレイン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、パルミチン酸塩(例えば、亜鉛塩等の金属塩等)、ナフテン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、レジン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、ポリアクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリメタクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリマレイン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、セルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、1級アンモニウム塩、2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩等の各種アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、(モノ)アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン等の各種ベタイン、各種アミノカルボン酸、各種リン酸エステル塩等が挙げられる。
<B7>次に、図7(h)に示すように、基板本体2(着色部22を有する基板本体2)に、入射側表面(着色部22が形成された面側)に対して垂直方向のレーザ光Lbを照射する。照射されたレーザ光Lbはマイクロレンズ21に入射することにより屈折し、集光する。そして、集光されることにより高エネルギになったレーザ光が照射された部位の膜(遮光膜形成用材料で構成された膜)32が除去され、開口部31が形成される(開口部形成工程。図7(i)参照)。これにより、ブラックマトリックス(遮光膜)3を有するマイクロレンズ基板1が得られる。
このように、本実施形態では、遮光膜形成用膜材料で構成された膜の一部を、集光されたレーザ光のエネルギにより除去し、開口部を形成する。このように、基板本体を構成するレンズで集光した光(特に、周波数、位相の揃ったレーザ光)を利用することにより、有色の遮光膜形成用材料で構成された膜の所定の部位のみを選択的に除去することができる。言い換えると、開口部の形成に、レンズにより集光されたレーザ光を用いることにより、エネルギ密度の高い光を特定の部位のみに選択的に与えることができ、遮光膜形成用材料で構成された膜の開口部を形成すべき部位に選択的に除去し、それ以外の部位に悪影響が及ぶのを効果的に防止することができる。また、工程数が少なく、簡便な方法で、所望の部位に所望の形状の開口部を有する遮光膜を確実に形成することができる。その結果、レンズ基板を用いて得られる画像を、光の利用効率に優れたものとするとともに、コントラストに優れたものとすることができる。
また、レーザ光は、一般に、周波数、位相が揃った光であるため、遮光膜形成用材料で構成された膜、レンズ基板の構成材料に応じて、レーザ光の種類を選択することにより、容易に、基板本体や遮光膜形成用材料で構成された膜の残存させるべき部位に対する悪影響の発生を、より確実に防止することができる。
本工程で用いるレーザ光の種類は、特に限定されないが、例えば、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
基板本体2に入射させるレーザ光Lbのエネルギ密度は、特に限定されないが、0.3〜5.0mJ/cmであるのが好ましく、0.5〜2.0mJ/cmであるのがより好ましく、0.8〜1.2mJ/cmであるのがさらに好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとして発揮される。
なお、上記のような遮光膜形成用材料の付与、レーザ光の照射の一連の処理を、繰り返し行ってもよい。これにより、遮光膜(ブラックマトリックス)をより厚いものとして形成することができ、コントラストの更なる向上を図ることができる。
また、上記では、本発明のレンズ基板の製造方法の一例として、マイクロレンズ基板の製造方法について説明したが、本発明の製造方法は、例えば、上述した透過型スクリーン10を構成するフレネルレンズ基板5の製造にも好適に適用することができる。すなわち、製造すべきフレネルレンズ基板のフレネルレンズに対応する形状の表面形状を有する型に、流動性を有する組成物を供給する組成物供給工程と、型上に付与された組成物に対して、型と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、組成物を硬化させるエネルギ線照射工程とを有し、型として、エネルギ線の透過性を有する材料で構成されたものを用いる方法により、好適にフレネルレンズ基板を製造することができる。
以下、前記透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタについて説明する。
図8は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、信頼性の高い画像を得ることができる。さらに、本実施形態では、上記のような構成を有しているので、視野角特性、光利用効率等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ21が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
以上、本発明について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板として、多数個のマイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板について説明したが、本発明において、レンズ基板はいかなるものであってもよく、例えば、レンチキュラレンズ基板、フレネルレンズ基板等であってもよい。また、本発明において、レンズ基板は、両方の主面にレンズ部を備えたもの(例えば、一方の主面にマイクロレンズを備え、かつ、他方の主面にフレネルレンズを備えたレンズ基板等)であってもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、硬化部と基材とを有するものとして説明したが、レンズ基板は、基材を有していなくてもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き基板の表面に組成物を付与するものとして説明したが、例えば、基材の表面に樹脂を付与し、これを凹部付き基板(型)で押圧することにより、レンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き基板(型)上に供給された組成物を押圧し、その後、エネルギ線の照射を行うものとして説明したが、組成物の押圧は行わなくてもよい。例えば、型(凹部付き基板)と基材(板状部材)とを所定距離だけ離間するように保持した状態で、これらの間の空隙に組成物を供給(充填)し、その後、エネルギ線の照射を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、着色部は、基板本体の凹部付き基板と接触していた面側に着色剤を含む着色液を付与することにより形成するものとして説明したが、着色部の形成方法はこのような方法に限定されない。例えば、組成物として着色剤を含む材料で構成されたものを用いることにより形成してもよい。硬化部形成用の組成物として着色剤を含むものを用いることにより、着色部を形成してもよい。これにより、硬化部は着色剤を含む材料で構成され、かつ、基材は着色剤を実質的に含まない材料で構成されたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、着色部は、硬化部の一部に形成されるものとして説明したが、基材の少なくとも一部に形成されていてもよい。また、着色部はなくてもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き基板の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギ強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板の製造において、凹部付き基板を除去するものとして、凹部付き基板は必ずしも除去しなくてもよい。言い換えると、凹部付き基板は、レンズ基板の一部を構成するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、開口部の形成を、基板本体から凹部付き基板を取り除いた後に行うものとして説明したが、開口部の形成(レーザ光の照射)は、凹部付き基板を取り除く前に行ってもよい。また、遮光膜形成用材料の付与は、凹部付き基板を除去した後に行ってもよい。
また、前述した実施形態では、遮光膜の開口部をレーザ光の照射により行うものとして説明したが、開口部は、いかなる方法で形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板(レンズ基板)は、ブラックマトリックス(遮光部)を有するものとして説明したが、必ずしもブラックマトリックスを有していなくてもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板とフレネルレンズ基板とを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズ基板を備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、上述したようなマイクロレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、本発明のレンズ基板、透過型スクリーンは、基板本体を透過した光を拡散させる機能を有する拡散部、拡散板を有するものであってもよい。このような構成であると、例えば、透過型スクリーン、リア型プロジェクタの視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板の用途は、前記のようなものに限定されず、いかなるものであってもよい。例えば、本発明のレンズ基板は、拡散板、ブラックマトリックススクリーン、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)のスクリーン(フロントプロジェクションスクリーン)、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材等に適用されるものであってもよい。
[レンズ基板、透過型スクリーンの作製]
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ形成用の凹部を備えた凹部付き基板を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたのマスク形成用膜および裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスク形成用膜に対してレーザ加工を行い、マスク形成用膜の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成し、マスクを得た。
なお、レーザ加工は、エキシマレーザを用いて、エネルギ強度1mW、ビーム径3μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、所定の長さを有する初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の平均幅は2μmであり、平均長さは2μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ50Åの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の形状を有していた。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は54μm、長軸方向の長さは72μm、曲率半径は36μm、深さは36μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は100%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
これにより、図4に示すような、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ形成用の多数の凹部が千鳥状に配列された凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。
次に、凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))と、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成されたスペーサー(直径:10μm)との混合物で構成された組成物を付与した。
次に、凹部付き基板上の組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))中に、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールが分散してなる基材(平板状部材)を設置した。基材(第1の基材)の厚さは、50μmであった。その後、押圧手段により基材を押圧し、この基材により、前記組成物を押圧した。押圧手段としては、基材を押圧する押圧部が、平坦でステンレス鋼で構成されたものを用いた。
その後、押圧手段による押圧を行いつつ、組成物に対して凹部付き基板側からエネルギ線としての紫外線を照射することにより、組成物を硬化させた。これにより、組成物が硬化することにより形成された硬化部が、基材に接合してなる基板本体が得られた。
次に、基板本体の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)で構成される膜(遮光膜形成用材料で構成された膜)を、スパッタリング法により形成した(遮光膜形成用材料付与工程)。この膜を構成するクロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
その後、基板本体に付与された遮光膜形成用材料からキシレンを除去することにより、基板本体の出射側の全面を被覆する膜を形成した。形成された膜の平均厚さは、5μmであった。
次に、基板本体のマイクロレンズが形成されている側の面から、基板本体の入射側表面に対して垂直方向のレーザ光を照射した(開口部形成工程)。これにより、レーザ光は、マイクロレンズにより集光され、前記膜のうち、マイクロレンズの焦点付近の部位のみが選択的に除去され、多数個の開口部を有するブラックマトリックスが形成された。
次に、基板本体を、凹部付き基板から取り外した。
その後、ブラックマトリックスの表面に、接着剤を介して、厚さ2mmの基板(第2の基材)を接合した。第2の基材としては、アクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))中に拡散材が分散したものを用いた。
その後、凹部付き基板から取り外された基板本体(第2の基材が接合された基板本体)を、80℃の着色液中に浸漬することにより、着色部を形成し、図1、図2に示すような(ただし、図示しない第2の基材を有する)、ブラックマトリックスを有するレンズ基板(マイクロレンズ基板)を得た。着色液としては、着色剤(染料のBlue(双葉産業製)、Red(双葉産業製)およびYellow(双葉産業製))と、ベンジルアルコールと、界面活性剤とを含む液体を用いた。着色液中におけるベンジルアルコールの含有率は、2.0wt%であった。
その後、上記のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ基板とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2)
第1の基材として厚さが2mmのものを用い、凹部付き基板から取り外された基板本体に対して、第2の基材を接着しなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例3)
ブラックマトリックスを形成しなかった以外(遮光膜形成用材料付与工程および開口部形成工程を省略した以外)は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例4)
第1の基材として厚さが2mmのものを用い、凹部付き基板から取り外された基板本体に対して、第2の基材を接着しなかった以外は、前記実施例3と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例1)
凹部付き基板として、銅で構成され、前記実施例1で用いたのと同様の形状を有するものを用意した。
次に、凹部付き基板上の組成物の表面に、硬化した(重合済)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))で構成された基材(平板状部材)を設置した。基材の厚さは、50μmであった。その後、押圧手段により基材を押圧し、この基材により、前記組成物を押圧した。押圧手段としては、基材を押圧する押圧部が、平坦でステンレス鋼で構成されたものを用いた。
その後、押圧手段による押圧を解除し、組成物に対して基材側からエネルギ線としての紫外線を照射することにより、組成物を硬化させた。これにより、組成物が硬化することにより形成された硬化部が、基材に接合してなる基板本体が得られた。
その後、前記実施例1と同様な処理を施すことにより、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例2)
基材として、厚さが2mmのものを用いた以外は、前記比較例1と同様にして、基板本体を製造した。
その後、研磨により、基板本体が有する基材を、その厚さが50μmになるまで研磨した。
その後、前記実施例1と同様な処理を施すことにより、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
前記各実施例および各比較例について、レンズ基板の製造条件、レンズ基板の構成等を表1にまとめて示す。なお、表中、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールを「A」、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾールを「B」、メタクリル樹脂を「PMMA」で示した。また、エネルギ線の照射方向については、凹部付き基板側からの照射を「正」、それとは反対側からの照射を「逆」として示した。
Figure 2007001214
[光の利用効率の評価]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンについて、光の利用効率の評価を行った。
光の利用効率の評価は、A(=300)[cd/m]の白色光を入射させた際、透過型スクリーンの光の出射面側で測定される光の輝度B[cd/m]の比率(B/A)を求めることにより行った。B/Aの値が大きいほど、光の利用効率が優れているといえる。
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図8に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
[輝点、ドット抜けの発生状況]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像(動画)を表示させた。表示された画像について、輝点、ドット抜けの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:輝点、ドット抜けが全く認められない。
○:輝点、ドット抜けがほとんど認められない。
△:輝点、ドット抜けのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:輝点、ドット抜けのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタについて、コントラストの評価を行った。
コントラスト(CNT)として、暗室において413lxの全白光が入射した時の白表示の正面輝度(白輝度)LW[cd/m]と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB[cd/m]との比LW/LBを求めた。なお、黒輝度増加量は、暗室の黒表示の輝度に対する増加量をいう。また、明室での測定は、外光照度が約185lxの環境下で行った。暗室での測定は、外光照度が0.1lx以下の環境下で行った。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
[回折光、モアレ、色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた。表示された画像について、回折光、モアレ、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:回折光、モアレ、色ムラが全く認められない。
○:回折光、モアレ、色ムラがほとんど認められない。
△:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007001214
表2から明らかなように、本発明では、いずれも、光の利用効率に優れるとともに、優れたコントラストが得られ、輝点、ドット抜け等の発生も効果的に防止されていた。また、本発明では、視野角特性にも優れ、回折光、モアレ、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を安定的に表示することができた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、比較例においては、エネルギ線による組成物の硬化を行う際に、凹部付き基板、組成物、押圧部材等を好適な状態で密着させることができず、組成物と凹部付き基板との間や、組成物と押圧部材(基材)との間等に気泡が侵入、残留したり、組成物の表面に設置された基板の表面が平坦にならない等の問題が発生したためであると考えられる。
本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板の平面図である。 図1に示すレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 レンズ基板の製造に用いる凹部付き基板(型)を示す模式的な縦断面図である。 図4に示す凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板(レンズ基板) 2…基板本体 21…マイクロレンズ(レンズ部) 211…中心 22…着色部 23…非着色部 24…基材(レンズ基板用基材) 25…硬化部 26…組成物 27…第1の列 28…第2の列 29…スペーサー 3…ブラックマトリックス(遮光膜) 31…開口部 32…膜(遮光膜形成用材料で構成された膜) 4…マスク形成用膜 5…フレネルレンズ基板 51…フレネルレンズ 6…凹部付き基板(マイクロレンズ形成用型) 61…凹部(マイクロレンズ形成用凹部) 7…基板 71…初期凹部 8…マスク 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 10…透過型スクリーン 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体

Claims (14)

  1. レンズ部を有するレンズ基板を製造する方法であって、
    前記レンズ部に対応する形状の表面形状を有する型に、流動性を有する組成物を供給する組成物供給工程と、
    前記組成物に対して、前記型と接触する面側からエネルギ線を照射することにより、前記組成物を硬化させるエネルギ線照射工程とを有し、
    前記型として、前記エネルギ線の透過性を有する材料で構成されたものを用いることを特徴するレンズ基板の製造方法。
  2. 前記エネルギ線は、紫外線である請求項1に記載のレンズ基板の製造方法。
  3. 前記組成物供給工程と、前記エネルギ線照射工程との間に、前記型上に供給された前記組成物を押圧部材で押圧する組成物押圧工程を有する請求項1または2に記載のレンズ基板の製造方法。
  4. 前記押圧部材は、エネルギ線の透過を防止、抑制する機能を有する材料で構成されたものである請求項3に記載のレンズ基板の製造方法。
  5. 前記押圧部材は、前記エネルギ線の照射により、前記組成物の硬化物と接合する請求項3または4に記載のレンズ基板の製造方法。
  6. 前記エネルギ線照射工程の後に、前記型を除去する型除去工程を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  7. 前記型は、ガラス材料で構成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  8. 前記組成物は、主としてアクリル系樹脂で構成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  9. 前記レンズ基板は、前記レンズ部として多数個のマイクロレンズを備えるものである請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  10. 前記マイクロレンズは、レンズ基板を平面視したときの縦幅が横幅よりも小さい扁平形状を有するものである請求項9に記載のレンズ基板の製造方法。
  11. レンズ基板の厚さは、0.5〜5mmである請求項1ないし10のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の方法を用いて製造されたことを特徴とするレンズ基板。
  13. 請求項12に記載のレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  14. 請求項13に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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