JP2002179952A - カルシウム系無機質基材用塗工組成物 - Google Patents

カルシウム系無機質基材用塗工組成物

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JP2002179952A
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Yoshiaki Kobayashi
義明 小林
Hisashi Ogawa
久 小川
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ASHFORD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート基材などのカルシウム系無機質
基材を容易に均一に着色することが可能なカルシウム系
無機質基材用塗工組成物を提供すること;および表面が
強化され剥離しにくく耐候性に優れた着色被膜を形成す
ることの可能な着色性塗工用組成物を提供すること。 【解決手段】 水溶性珪酸アルカリ化合物、および水ま
たは有機溶媒に可溶な染料を含有するカルシウム系無機
質基材用塗工組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート基材
などのカルシウム系無機質基材を容易に着色することが
可能で、かつ着色された表面の強化、耐候性の向上など
を目的とする水系の塗工組成物、該組成物を用いた着色
基材の調製方法、および該方法により得られる着色基材
に関する。
【0002】
【従来の技術】建材、建築物などに用いられるカルシウ
ム系無機質製品、例えばコンクリート、セメント、石
膏、石材などでなる製品の表面を保護し、かつ該製品を
着色することが試みられている。一般にこのような無機
質の基材表面の保護・強化のために水ガラス(水溶性珪
酸アルカリ化合物の水溶液)を塗布し、硬化膜を形成す
ることが行なわれている。従来においては、この水ガラ
スに着色された樹脂などを混合して、これを上記基材表
面に塗布していた。しかし、コンクリートなどの無機質
基材と樹脂とはその素材が全く異なるためなじみが悪
く、短期間のうちに剥離するという欠点があった。
【0003】樹脂を使用せず、例えば、上記水ガラスに
無機顔料を含有させると着色用の塗料が得られる。しか
し、この塗料を基材に塗布すると、顔料は不溶性である
ため基材中に浸透せず、表面に数ミクロンから数十ミク
ロンの着色層が基材に付着した状態で形成される。その
ため耐久性に乏しく、摩擦などにより容易に地肌が露出
する。それを防ぐためには塗料を厚く塗布し、厚みにあ
る層を形成する必要がある。さらに1〜5%程度の顔料
が液体に分散している状態の塗料を塗工するため、均一
に塗工するのが難しく、色むらとなりやすい。基材自体
が多孔性の度合いが高く水をよく吸うような素材である
場合には、顔料を固着できず、表面から容易に剥離す
る。
【0004】さらに、このような塗料中の顔料は沈降し
やすいため、塗工中にも頻繁に攪拌する必要がある。塗
料を保存すると該塗料中の顔料が沈降して顔料粒子同士
が固着し、再分散しにくいという欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされ、その目的とするところ
は、コンクリート基材などのカルシウム系無機質基材を
容易に均一に着色することが可能なカルシウム系無機質
基材用塗工組成物を提供することにある。本発明の他の
目的は、表面が強化され剥離しにくく耐候性に優れた着
色被膜を形成することの可能な着色性塗工用組成物を提
供することにある。本発明のさらに他の目的は、多孔性
の度合いの高い基材であっても容易に均一な着色の可能
な塗工用組成物を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、上記優れた性質を有し、かつ保存性に優れ
取り扱いが容易な着色性塗工用組成物を提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、該組成物を用いた着
色カルシウム系無機質基材の調製方法、および該方法に
より得られる着色カルシウム系無機質基材に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のカルシウム系無
機質基材用塗工組成物は、水溶性珪酸アルカリ化合物、
および水または有機溶媒に可溶な染料を含有する。
【0007】本発明のカルシウム系無機質基材用塗工組
成物は、水溶性珪酸アルカリ化合物、および水または有
機溶媒に可溶な染料を含有する第1液;ならびに硬化剤
およびカチオン性ポリマーのうちの少なくとも一方を含
有する第2液を有する。
【0008】好適な実施態様においては、上記第1液お
よび第2液のうちの少なくとも一方に光安定剤が含有さ
れる。
【0009】好適な実施態様においては、上記硬化剤は
アルカリ土類金属または遷移金属イオンを含む化合物、
アルカリ金属のリン酸塩、および前記水溶性珪酸アルカ
リ化合物を中和し得る酸からなる群より選択される少な
くとも1種である。
【0010】本発明の着色基材の調製方法は、水溶性珪
酸アルカリ化合物、および水または有機溶媒に可溶な染
料を含有する塗工組成物を、カルシウム系無機質基材表
面に塗工する工程を包含する。
【0011】本発明の着色基材の調製方法は、水溶性珪
酸アルカリ化合物および水または有機溶媒に可溶な染料
を含有する第1液をカルシウム系無機質基材表面に付与
する工程;および第1液が塗布された基材表面に、硬化
剤およびカチオン性ポリマーのうちの少なくとも一方を
含有する第2液を付与する工程;を包含する。
【0012】好適な実施態様においては、上記組成物の
第1液および第2液のうちの少なくとも一方に光安定剤
が含有される。
【0013】好適な実施態様においては、 上記硬化剤
はアルカリ土類金属または遷移金属イオンを含む化合
物、アルカリ金属のリン酸塩、および前記水溶性珪酸ア
ルカリ化合物を中和し得る酸からなる群より選択される
少なくとも1種である。
【0014】本発明は、上記いずれかに記載の方法によ
り得られる着色カルシウム系無機質基材を包含する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のカルシウム系無機質基材
用塗工組成物は、水溶性珪酸アルカリ化合物、および水
または有機溶媒に可溶な染料を含有する。
【0016】本発明に用いられる水溶性珪酸アルカリ化
合物としては、水溶性の珪酸アルカリ化合物のいずれを
も用いることが可能である。このような化合物は、一般
にM O・nSiO(Mはアルカリ金属、nは通常2
〜4の整数)で示される。それには例えば、珪酸ナトリ
ウム(オルト珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム、
メタ珪酸ナトリウムなど)、珪酸リチウム、珪酸カリウ
ムなどがある。これらの化合物は、多価金属イオンとの
反応あるいは該化合物のアルカリ成分(M)を該化合物
のシリカネットワーク中から除去することにより、不溶
性の珪酸化合物を形成する。水溶性珪酸アルカリ化合物
の濃厚水溶液は一般に水ガラスと呼ばれ、市販されてい
る。水溶性珪酸アルカリ化合物は、単独で用いられても
2種以上が混合されて用いられても良い。例えば、珪酸
ナトリウム、珪酸リチウム、および珪酸カリウムの組み
合わせが好適に用いられる。
【0017】本発明の組成物に含有される着色料として
は、水または有機溶媒に可溶な染料が用いられる。この
有機溶媒は、好適には水と混合し得る有機溶剤である。
このような染料としては、酸性染料、塩基性染料、カチ
オン染料、直接染料、可溶性建染染料、酸性媒染染料、
酒精浴染料、反応性染料などがある。
【0018】上記酸性染料としては、アシッドイエロー
49、アシッドレッド249、アシッドブルー40(以
上CI No.)、ローセリン、アゾルビン、アシッドオレ
ンジ、メタニルエロー、ブリリアンミリンググリーンB
C、アシッドブラウンR、アシッドブルーブラック10
B、アシッドバイオレット5B、ニグロシンBHLなど
がある。塩基性染料としては、マゼンダ、ローダミン、
サフラニン、クリソイジン、オーラミン、マラカイトグ
リーン、ビスマルクグリーン、メチレンブルー、ビクト
リアブルー、メチルバイオレット、ジャナスブラック、
オレンジIIなどがある。カチオン染料としては、ベー
シックイエロー28、ベーシックレッド46、ベーシッ
クブルー41(以上CI No.)などがある。直接染料と
しては、ダイレクトイエロー86、ダイレクトレッド8
1、ダイレクトブルー86(以上CI No.)、コンゴー
レッド、ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ
R、ダイレクトファーストオレンジWs、クリソフェニ
ンN、ダイレクトダークグリーンB、ダイレクトブラ
ウンKGG、ダイレクトブルーB、ダイレクトブラック
GXなどがある。可溶性建染染料としてはアントラゾー
ルO、酸性媒染染料としてはエリオクロムブラックTな
どがある。酒精浴染料としてはスピリットブルーなどが
ある。反応性染料としては、リアクティブイエロー14
5、リアクティブレッド195、リアクティブブルー2
21(以上CI No.)、プロシオン、ミカシオン、シバ
クロン、ドリマレン、リアクトン、レマゾールなどがあ
る。
【0019】上記着色剤である染料の含有量は、該染料
の種類および使用目的に応じて異なるが、通常、上記水
溶性珪酸アルカリ化合物水溶液(塗工液中の水溶性珪酸
アルカリ化合物および水の合計量)100重量部に対し
て0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部
である。
【0020】本発明の組成物は、好適には、上記水溶性
珪酸アルカリ化合物、および水または有機溶媒に可溶な
染料を含有する第1液に加えて、硬化剤およびカチオン
性ポリマーのうちの少なくとも一方を含有する第2液を
有する。
【0021】この第2液に含有される硬化剤は、水溶性
珪酸アルカリ化合物(MO・nSiO)のアルカリ
金属(M)と置換することの可能な化合物、または該ア
ルカリ金属を除去し、水溶性珪酸アルカリ化合物を不溶
性の珪酸化合物に変化させることの可能な化合物であ
る。硬化剤としては、アルカリ土類金属または遷移金属
イオンを含む化合物、アルカリ金属のリン酸塩、および
上記水溶性珪酸アルカリ化合物を中和し得る酸からなる
群より選択される少なくとも1種が用いられる。2価の
金属イオンを含む化合物が好適である。そのような金属
としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、
マンガン、銅、亜鉛などがあり、該金属を含む化合物と
しては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸第二
銅のアンモニア錯体などが挙げられる。アルカリ金属の
リン酸塩としては、例えば、リン酸カリウム、リン酸一
水素カリウム、リン酸二水素カリウムなどが用いられ
る。水溶性珪酸アルカリ化合物を中和し得る酸として
は、酢酸、塩酸、リン酸などが挙げられる。
【0022】上記硬化剤は、第1液が基材表面に付与さ
れた後、未反応な状態で存在する水溶性珪酸アルカリ化
合物と反応してこれを硬化させる。その結果、塗膜の硬
度がより高くなる。さらに、雨などの水分により未反応
の水溶性珪酸アルカリ化合物が流出するのを防ぎ、これ
と同時に着色料である染料が流出し色落ちするのを防ぐ
ことが可能である。
【0023】第2液中の硬化剤は、通常、第2液中に1
〜10重量%、好ましくは1〜3重量%の割合で含有さ
れる。
【0024】上記第2液に含有されるカチオン性ポリマ
ーとしては、ポリアリルアミン系重合体(アリルアミン
単独重合体あるいはアリルアミンを含む共重合体)、ポ
リジアリルアミン系重合体(ジアリルアミン単独重合体
あるいはジアリルアミンを含む共重合体;例えばジアリ
ルアミン−マレイン酸共重合体)などが挙げられる。こ
れらの重合体の重量平均分子量は、通常、1000〜2
00,000程度である。このカチオン性ポリマーは、
第2液中に好ましくは、1〜20重量%の割合で含有さ
れる。
【0025】このカチオン性ポリマーは、塗工組成物に
より形成された塗膜中の染料を安定化させる働きを有す
る。特に染料がアニオン系染料である場合には、カチオ
ン性ポリマーはこれにイオン結合し、染料を安定化させ
る。そのことにより、塗膜中の染料が水などにより流出
するのが防止される。
【0026】本発明の組成物に含まれる第1液および第
2液のうちの少なくとも一方には、光安定剤が含有され
ていてもよい。この光安定剤は、染料が日光や紫外線に
より退色するのを防止する。光安定剤としては、各種の
紫外線吸収剤(例えばベンゾフェノン誘導体)、二塩基
性亜燐酸鉛などがある。
【0027】上記光安定剤は、通常、染料と同重量か、
やや多い程度の量で含有されるのが好ましい。
【0028】さらに、本発明の組成物には、必要に応じ
て上記第1液および第2液のいずれかあるいは両方に、
反応遅延剤、界面活性剤などが含有される。
【0029】反応遅延剤を含むことにより、組成物中の
水溶性珪酸アルカリ化合物が基材中に含まれるカルシウ
ムや後述の硬化剤と反応し硬化する速度が遅くなる。そ
の結果、珪酸アルカリ化合物を含む塗工液が基材中に深
く浸透し、より厚い塗膜が形成される。その結果、より
耐久性に優れた塗膜となる。界面活性剤は、塗工液が基
材中に浸透するのを助ける働きを有する。
【0030】上記反応遅延剤としては、ホウ酸化合物、
フッ素化合物などが用いられる。ホウ酸化合物として
は、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂などが挙げられ
る。界面活性剤としては非イオン系の界面活性剤が好ま
しい。その例としては、アセチレングリコール、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0031】本発明の組成物が塗工されるべきカルシウ
ム系無機質基材としては、例えばコンクリート、セメン
ト、石膏、石材(カルシウム成分を含有する石材)など
のカルシウム系無機質素材でなる基材のいずれもが用い
られる。
【0032】本発明により、上記カルシウム系無機質基
材上に塗膜を形成するには、例えば、上記水溶性珪酸ア
ルカリ化合物、染料、および必要に応じて上記光安定
剤、反応遅延剤、界面活性剤などを水性媒体中に含有す
る塗工液(第1液)を該基材上に塗工すればよい。本発
明の組成物に含有される着色剤は染料であるため上記第
1液中に溶解しており、従って基材の多孔性部分に浸透
し、該基材を染色する。形成された塗膜中の珪酸アルカ
リ化合物は、該化合物が接触する基材中のカルシウム化
合物(主として水酸化カルシウム)と反応して不溶性の
珪酸カルシウムを形成する。このことにより基材表面に
硬化膜が形成される。
【0033】さらに、必要に応じて、第1液の塗工表面
に、硬化剤およびカチオン性ポリマーのうちの少なくと
も一方を含有し、さらに必要に応じて光安定剤などを含
有する第2液が付与される。第2液中の硬化剤は、上記
のように、塗膜の硬度を高め、染料の流出を防止する。
カチオン性ポリマーは染料を安定化し、該染料の流出を
防止する。さらに光安定剤により、染料の退色が防止さ
れる。
【0034】上記第1液および第2液またはその混合液
は、当該分野で一般に用いられている方法により、基材
表面に付与される。例えば、刷毛、ロールコーターなど
による塗工、噴霧によるコーティングなどの方法が採用
される。
【0035】
【作用】このように、コンクリートなどのカルシウム系
無機質素材でなる基材上に、着色硬化膜を容易に形成す
ることが可能な塗工組成物が得られる。この組成物に含
有される着色料は水系媒体に溶解している染料である。
組成物は、顔料のような不溶性成分を含まないため、均
一な塗工が容易であり、色むらのない着色塗膜が得られ
る。この組成物においては、着色料が染料であるため基
材が充分に染色され、顔料の場合のように容易に脱離す
ることがない。塗工液は長時間保存しても不均一化せ
ず、安定に保存することが可能である。本発明の組成物
は、水系の塗工液として使用されるため、臭気がなく作
業環境が良好であり、低コストである。
【0036】第1液で塗膜を形成した後、第2液を付与
することにより、塗膜の硬度がより高くなる。さらに染
料が安定化し、染料の流出および退色が阻止され、耐久
性がより高くなる。従って、着色基材を屋外に長期間保
持するような場合には、第2液による処理が好ましい。
【0037】本発明の組成物により形成された着色塗膜
は不溶性の珪酸化合物を主成分とし、その表面は平滑な
ガラス質の膜となる。従って、表面硬度が高く耐候性に
優れ、さらに防汚性能に優れる。本発明の組成物をカル
シウム系無機基材に付与して得られる着色基材は、上記
優れた性質を有するため、建築材料をはじめとする多く
の分野に利用される。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。
【0039】(実施例1)珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ
3号;日本化学工業株式会社製)50.0g、珪酸リチ
ウム水溶液(珪酸リチウム35;日本化学工業株式会社
製)410.0g、および珪酸カリウム水溶液(珪酸カ
リウム2K;日本化学工業株式会社製)10.0.0g
に水を加えて1000gとし、これに黄色染料(CI No.
ReactiveYellow 167)20gを加えて混合し、本発明
の組成物を得た。
【0040】この組成物でなる塗料を、1辺が10cm
の正方形板状のコンクリート基材表面に塗工した。これ
を1日間放置し、基材表面に黄色の着色硬化膜が形成さ
れた基材を得た。
【0041】上記塗料は、顔料などの固形物を含有しな
いため基材上に塗工するのが容易であった。この塗料を
60日間常温に放置したが、沈降物などは認められず、
性能に変化はなかった。上記得られた着色基材をサンド
ペーパーでこすったが、基材の色落ちは認められなかっ
た。
【0042】(実施例2)実施例1で得られた組成物を
第1液とした。塩化カルシウムの5重量%水溶液を調製
し、これを第2液とした。
【0043】上記第1液を、1辺が10cmの正方形板
状のコンクリート基材表面に塗工し、次いで上記第2液
をその表面に噴霧した。これを1日間放置し、基材表面
に黄色の着色硬化膜が形成された基材を得た。
【0044】上記得られた着色基材につき、フェードメ
ーターを用いて70時間の加速試験を行なった。着色基
材を目視観察すると、わずかに退色が認められた。
【0045】(実施例3)第2液にさらにポリアリルア
ミン(日東紡(株)製PAA−15)が10重量%とな
るように含有させたこと以外は実施例2と同様である。
得られた着色基材を1週間水に浸漬したが、色落ちはご
くわずかであった。
【0046】(実施例4)第1液にさらに光安定剤とし
てチノファストRSC(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)を1重量%となるように加えたこと以外
は実施例2と同様である。
【0047】(比較例1)上記染料の代わりに無機顔料
として、バイフェロックス920C(バイエル社製)を
使用したこと以外は、実施例1と同様である。得られた
着色基材をサンドペーパーでこすったところ色落ちが認
められた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、このように、コンクリ
ートなどのカルシウム系無機質素材でなる基材表面に、
着色硬化膜を容易に形成することが可能な塗工組成物が
得られる。この組成物は均一な塗工が容易であり、色む
らのない着色塗膜が得られる。この組成物は、水系の塗
工液として使用されるため、臭気がなく作業環境が良好
であり、低コストである。塗工液は長時間保存しても不
均一化せず、安定に保存することが可能である。この組
成物により得られる着色塗膜は耐候性に優れ、長期間鮮
やかな色を保持することが可能である。得られた塗膜の
表面硬度も高く、さらに防汚性能に優れる。
【0049】本発明の組成物をカルシウム系無機基材に
付与して得られる着色基材は上記優れた性質を有するた
め、建築材料をはじめとする多くの分野に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G028 DA01 DB06 DB14 4J038 AA011 CR072 HA181 HA186 HA211 HA216 HA411 HA416 HA451 KA03 KA08 KA12 NA03 NA11 PB05 PC04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性珪酸アルカリ化合物、および水ま
    たは有機溶媒に可溶な染料を含有するカルシウム系無機
    質基材用塗工組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性珪酸アルカリ化合物、および水ま
    たは有機溶媒に可溶な染料を含有する第1液;ならびに
    硬化剤およびカチオン性ポリマーのうちの少なくとも一
    方を含有する第2液を有するカルシウム系無機質基材用
    塗工組成物。
  3. 【請求項3】 前記第1液および第2液のうちの少なく
    とも一方に光安定剤が含有される、請求項2に記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記硬化剤がアルカリ土類金属または遷
    移金属イオンを含む化合物、アルカリ金属のリン酸塩、
    および前記水溶性珪酸アルカリ化合物を中和し得る酸か
    らなる群より選択される少なくとも1種である、請求項
    2または3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 水溶性珪酸アルカリ化合物、および水ま
    たは有機溶媒に可溶な染料を含有する塗工組成物を、カ
    ルシウム系無機質基材表面に塗工する工程を包含する、
    着色基材の調製方法。
  6. 【請求項6】 水溶性珪酸アルカリ化合物および水また
    は有機溶媒に可溶な染料を含有する第1液をカルシウム
    系無機質基材表面に付与する工程;および第1液が塗布
    された基材表面に、硬化剤およびカチオン性ポリマーの
    うちの少なくとも一方を含有する第2液を付与する工
    程;を包含する、着色基材の調製方法。
  7. 【請求項7】 前記組成物の第1液および第2液のうち
    の少なくとも一方に光安定剤が含有される、請求項6に
    記載の着色基材の調製方法。
  8. 【請求項8】 前記硬化剤がアルカリ土類金属または遷
    移金属イオンを含む化合物、アルカリ金属のリン酸塩、
    および前記水溶性珪酸アルカリ化合物を中和し得る酸か
    らなる群より選択される少なくとも1種である、請求項
    6または7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項5から8のいずれかに記載の方法
    により得られる着色カルシウム系無機質基材。
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