JP2002179704A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002179704A
JP2002179704A JP2000382756A JP2000382756A JP2002179704A JP 2002179704 A JP2002179704 A JP 2002179704A JP 2000382756 A JP2000382756 A JP 2000382756A JP 2000382756 A JP2000382756 A JP 2000382756A JP 2002179704 A JP2002179704 A JP 2002179704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
polymerization
dropping
chain transfer
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000382756A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3688581B2 (ja
Inventor
Naotake Shioji
尚武 塩路
Masaru Ishikawa
勝 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000382756A priority Critical patent/JP3688581B2/ja
Publication of JP2002179704A publication Critical patent/JP2002179704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3688581B2 publication Critical patent/JP3688581B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存単量体量を低減することができると共
に、反応液中の単量体濃度をより高濃度にすることがで
き、しかも、得られる重合体の分子量分布を狭くするこ
とができる重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 重合期間中の所定期間、重合開始剤を連
続的に添加して重合体を製造する際に、重合開始剤の添
加速度を少なくとも一回変化させる。または、重合期間
中の所定期間、連鎖移動剤を連続的に添加して重合体を
製造する際に、連鎖移動剤の添加速度を少なくとも一回
変化させる。添加速度を少なくとも一回変化させる方法
としては、具体的には、例えば、(i) 添加速度を段階的
に大きくする方法;(ii)添加速度を連続的に大きくする
方法;(iii) 添加速度を段階的に小さくする方法;(iv)
添加速度を連続的に小さくする方法;等が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、洗剤ビル
ダーや無機顔料分散剤等として好適に用いることができ
る重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、重合体の製造方法において
は、重合期間中(重合反応の進行時)に、重合開始剤や
連鎖移動剤を滴下することが行われている。例えば、特
開平6−287208号公報には、重合期間中に連鎖移
動剤である次亜リン酸(塩)を滴下することによって、
ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系重合体等の重合体を得
る方法が開示されている。特開2000−169654
号公報には、分散剤の製造方法として、重合期間中に重
合開始剤および連鎖移動剤を滴下することによって、不
飽和カルボン酸(塩)系重合体等の重合体を得る方法が
開示されている。また、特開平5−86125号公報に
は、重合期間中に重合開始剤および連鎖移動剤を滴下す
ると共に、重合系内のpHを特定の範囲内に保つために
水酸化ナトリウム等の塩基性化合物を滴下することによ
って、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を得る方
法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、滴下動作
は、各種液体を等速(一定の速度)で滴下することによ
り行われる。そして、上記従来の製造方法は、何れも、
重合開始剤や連鎖移動剤を重合期間中、等速で滴下して
いる。ところが、該滴下動作を行う上記従来の製造方法
においては、各々、以下に示す問題点を有している。即
ち、特開平6−287208号公報に記載の方法では、
残存単量体(モノマー)量が多いという問題点を有して
いる。特開2000−169654号公報に記載の方法
では、重合体の分子量分布が広いので、得られる分散剤
の分散性能が不充分であるという問題点を有している。
また、特開平5−86125号公報に記載の方法では、
重合開始剤および連鎖移動剤と共に塩基性化合物を滴下
するので、重合系の除熱に労力を要すると共に、反応液
が発泡する場合があるので、該反応液中の単量体濃度を
高濃度にすることができず、重合体の生産性が低くなる
という問題点を有している。
【0004】つまり、上記従来の製造方法においては、
残存単量体量を低減することができない;反応液中の単
量体濃度をより高濃度にすることができない;得られる
重合体の分子量分布を狭くすることができない;等の問
題点を有している。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、残存単量体量を低減するこ
とができると共に、反応液中の単量体濃度をより高濃度
にすることができ、しかも、得られる重合体の分子量分
布を狭くすることができる重合体の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の重合体の製造方
法は、上記の課題を解決するために、重合期間中の所定
期間、重合開始剤を連続的に添加する重合体の製造方法
であって、重合開始剤の添加速度を少なくとも一回変化
させることを特徴としている。また、本発明の重合体の
製造方法は、上記の課題を解決するために、該添加速度
を大きくなるように変化させることを特徴としている。
【0007】本発明の重合体の製造方法は、上記の課題
を解決するために、重合期間中の所定期間、連鎖移動剤
を連続的に添加する重合体の製造方法であって、連鎖移
動剤の添加速度を少なくとも一回変化させることを特徴
としている。また、本発明の重合体の製造方法は、上記
の課題を解決するために、該添加速度を小さくなるよう
に変化させることを特徴としている。
【0008】また、本発明の重合体の製造方法は、上記
の課題を解決するために、用いる単量体成分が不飽和カ
ルボン酸(塩)系単量体を含むことを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、重合開始剤の添加速
度を少なくとも一回変化させるので、或いは、連鎖移動
剤の添加速度を少なくとも一回変化させるので、残存単
量体量を低減することができる。従って、得られる重合
体の安全性を向上させることができる。また、重合開始
剤の添加速度を大きくなるように変化させることによ
り、或いは、連鎖移動剤の添加速度を小さくなるように
変化させることにより、反応液中の単量体濃度をより高
濃度にすることができる。これにより、重合体の生産性
を向上させることができ、従って該重合体を安価に製造
することができる。さらに、得られる重合体の分子量分
布を狭くすることができるので、該重合体を例えば洗剤
ビルダーや無機顔料分散剤等として用いた場合には、優
れた性能(分散性能等)を発揮させることができる。
【0010】即ち、上記の構成によれば、残存単量体量
を低減することができると共に、反応液中の単量体濃度
をより高濃度にすることができ、しかも、得られる重合
体の分子量分布を狭くすることができる重合体の製造方
法を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。尚、本発明において、
「添加速度を少なくとも一回変化させること」には、
「添加速度を0にすること」、即ち、「一定の速度で添
加した後、添加を終了すること」は含まれないものとす
る。また、本発明において、「重合期間」とは、単量体
成分の少なくとも一部と、重合開始剤の少なくとも一部
とが混合されると共に、例えば昇温操作等の重合動作が
開始された時点(重合開始時点)から、例えば冷却操作
等を行うことによって重合動作を終了した時点(重合終
了時点)までの期間を示すこととする。従って、「重合
期間中の所定期間」とは、重合開始時点から重合終了時
点までの期間のうちの、少なくとも一部の期間を指すこ
とになる。
【0012】本発明にかかる製造方法を適用して重合す
るのに好適な単量体成分は、特に限定されるものではな
いが、不飽和カルボン酸(塩)系単量体を含む単量体成
分がより好ましく、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単
量体成分や、マレイン酸(塩)を含む単量体成分がさら
に好ましく、(メタ)アクリル酸(塩)を主成分として
(50重量%以上)含む単量体成分や、マレイン酸
(塩)を主成分として(50重量%以上)含む単量体成
分が特に好ましい。また、単量体成分が(メタ)アクリ
ル酸(塩)やマレイン酸(塩)を主成分として含む場
合、該含有量は60重量%以上であることがより好まし
く、90重量%以上であることがさらに好ましく、10
0重量%であることが特に好ましい。(メタ)アクリル
酸(塩)やマレイン酸(塩)を主成分として含む単量体
成分を重合することにより、水溶性の重合体を得ること
ができる。上記の不飽和カルボン酸(塩)系単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸(塩)やマレイン酸(塩)の
他に、後述する不飽和モノカルボン酸(塩)系単量体や
不飽和ジカルボン酸(塩)系単量体が挙げられる。
【0013】(メタ)アクリル酸(塩)としては、具体
的には、例えば、アクリル酸;アクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム等のアクリル酸一価金属塩;アクリ
ル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル
酸二価金属塩;アクリル酸アンモニウム;等のアクリル
酸(塩)、並びに、メタクリル酸;メタクリル酸ナトリ
ウム、メタクリル酸カリウム等のメタクリル酸一価金属
塩;メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウ
ム等のメタクリル酸二価金属塩;メタクリル酸アンモニ
ウム;等のメタクリル酸(塩)が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら(メタ)アクリル酸
(塩)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以
上を併用してもよい。
【0014】マレイン酸(塩)としては、具体的には、
例えば、マレイン酸、無水マレイン酸;ナトリウムやカ
リウム等の一価金属を含む化合物、マグネシウムやカル
シウム等の二価金属を含む化合物、アンモニア、アミン
等の塩基で、マレイン酸を部分中和または完全中和して
なる中和物;が挙げられる。これらマレイン酸(塩)
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。
【0015】上記(メタ)アクリル酸(塩)およびマレ
イン酸(塩)以外に単量体成分として用いることができ
る単量体としては、具体的には、例えば、クロトン酸
(塩)等の不飽和モノカルボン酸(塩)系単量体;フマ
ル酸(塩)、イタコン酸(塩)、シトラコン酸(塩)等
の不飽和ジカルボン酸(塩)系単量体;(メタ)アクリ
ルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミ
ド系単量体;(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アク
リル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量
体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)
アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、
スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸系単量
体;該不飽和スルホン酸系単量体を、ナトリウムやカリ
ウム等の一価金属を含む化合物、マグネシウムやカルシ
ウム等の二価金属を含む化合物、アンモニア、アミン等
の塩基で部分中和または完全中和してなる中和物;3−
メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、3−
メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、
2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアル
コール)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエー
テル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポ
リプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセロ
ールモノアリルエーテル、α−ヒドロキシアクリル酸、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロール
モノ(メタ)アクリレート、ビニルアルコール等の水酸
基含有不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド等のカチオン性単量体;(メタ)アクリロニトリ
ル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタ
ンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン
酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体;等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。これら単量体
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。
【0016】本発明にかかる製造方法を適用して重合す
る際に好適に用いることができる重合開始剤としては、
具体的には、例えば、過酸化水素;ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム(過硫酸アンモニウム)、ペルオキソ二硫酸
ナトリウム(過硫酸ナトリウム)、ペルオキソ二硫酸カ
リウム(過硫酸カリウム)等のペルオキソ二硫酸塩(過
硫酸塩);2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレ
リン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を併用してもよい。上記例示の重合開始剤のう
ち、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩、有機過酸化物等
の過酸化物がより好ましく、ペルオキソ二硫酸塩がさら
に好ましい。単量体成分1モルに対する重合開始剤の使
用量は、特に限定されるものではないが、0.0001
モル〜0.05モルの範囲内が好適である。尚、重合を
より促進させるために、上記重合開始剤と、(重)亜硫
酸塩や遷移金属塩等の還元剤とを併用することもでき
る。
【0017】本発明にかかる製造方法を適用して重合す
る際に好適に用いることができる連鎖移動剤としては、
具体的には、例えば、チオグリコール酸、チオ酢酸、メ
ルカプトエタノール等の含硫黄化合物;亜リン酸、亜リ
ン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩);次亜リン酸、次亜
リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩);メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等の低級アルコール;等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記例示の連鎖移動剤のうち、次亜リン
酸(塩)がより好ましく、次亜リン酸ナトリウムがさら
に好ましい。単量体成分1モルに対する連鎖移動剤の使
用量は、特に限定されるものではないが、0.005モ
ル〜0.15モルの範囲内が好適である。
【0018】本発明にかかる製造方法を適用して重合す
る際に好適に用いることができる溶媒としては、具体的
には、例えば、水;水と相溶性を有する水性溶媒;水と
水性溶媒との混合溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素等の、非水性溶媒;が挙げられる
が、特に限定されるものではない。該水性溶媒として
は、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール
等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等
の低級ケトン;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
メチルエチルエーテル等の低級エーテル;等が挙げられ
る。上記例示の溶媒のうち、水がより好ましい。また、
溶媒として上記混合溶媒を用いる場合における水の割合
は、特に限定されるものではないが、40重量%以上で
あることがより好ましい。単量体成分1モルに対する溶
媒の使用量は、特に限定されるものではない。尚、溶媒
として低級アルコールを用いた場合には、該低級アルコ
ールは、連鎖移動剤としての機能も兼ねることになる。
【0019】本発明にかかる重合体の製造方法は、重
合期間中の所定期間、重合開始剤を連続的に添加する重
合体の製造方法であって、重合開始剤の添加速度を少な
くとも一回変化させる方法、並びに、重合期間中の所
定期間、連鎖移動剤を連続的に添加する重合体の製造方
法であって、連鎖移動剤の添加速度を少なくとも一回変
化させる方法である。本発明において、「連続的に添加
する」には、文字通り連続的に添加する場合の他に、滴
下等のように、或る所定の(短い)間隔を置いて間欠的
に添加する場合も含まれることとする。また、本発明に
おいて、「添加速度を少なくとも一回変化させる」と
は、具体的には、例えば、添加する方法が滴下である場
合には、滴下速度を少なくとも一回変化させることを示
す。
【0020】重合反応の反応条件は、特に限定されるも
のではないが、反応温度は、50℃〜120℃の範囲内
がより好ましく、60℃〜115℃の範囲内がさらに好
ましく、90℃〜110℃の範囲内が特に好ましい。反
応温度が50℃未満である場合には、超高分子量の重合
体が生成し易くなるので、得られる重合体の耐ゲル化能
が低下するおそれがある。反応温度が120℃を超える
場合には、低分子量の重合体が生成し易くなるので、得
られる重合体のキレート能が低下するおそれがある。反
応時間は、重合開始剤や連鎖移動剤の添加速度、単量体
成分の組成、反応温度等に応じて設定すればよく、特に
限定されるものではない。
【0021】上記の方法を採用するに際し、重合開始
剤の一部は、必要に応じて、昇温操作等の重合動作を開
始する前に、反応器に仕込まれていてもよい。また、上
記の方法を採用するに際し、連鎖移動剤の一部は、必
要に応じて、昇温操作等の重合動作を開始する前に、反
応器に仕込まれていてもよい。
【0022】上記の方法を採用するに際し、連鎖移動
剤は用いても用いなくてもよい。そして、連鎖移動剤を
用いる場合において、該連鎖移動剤は、重合動作を開始
する前(重合開始前)に一括して反応器に仕込んでもよ
く、その一部を反応器に仕込み、残りを重合期間中の所
定期間、連続的に反応液(重合系)に添加してもよく、
全量を重合期間中の所定期間、連続的に反応液に添加し
てもよい。また、上記の方法を採用するに際し、重合
開始剤は、重合開始前に一括して反応器に仕込んでもよ
く、その一部を反応器に仕込み、残りを重合期間中の所
定期間、連続的に反応液に添加してもよく、全量を重合
期間中の所定期間、連続的に反応液に添加してもよい。
従って、本発明にかかる製造方法は、上記の方法およ
びの方法を併用することができる。両方法を併用する
場合において、重合開始剤を連続的に反応液に添加して
いる期間と、連鎖移動剤を連続的に反応液に添加してい
る期間とは、互いに少なくともその一部が重複している
ことが特に望ましい。
【0023】上記の方法またはの方法を採用するに
際し、溶媒は、少なくともその一部が重合開始前に反応
器に仕込まれていればよい。また、単量体成分は、重合
開始前に一括して反応器に仕込んでもよく、その一部を
反応器に仕込み、残りを重合期間中の所定期間、連続的
に反応液に添加してもよく、全量を重合期間中の所定期
間、連続的に反応液に添加してもよいが、なかでも、少
なくともその一部を重合期間中の所定期間、連続的に反
応液に添加することがより望ましく、重合開始剤や連鎖
移動剤を連続的に反応液に添加している期間と少なくと
も一部重複する期間、連続的に反応液に添加することが
特に望ましい。また、単量体成分は、重合開始剤や連鎖
移動剤を反応液に添加し終える前に、添加し終えること
がより好ましい。
【0024】上記の方法並びにの方法において、重
合開始剤や連鎖移動剤の添加速度を少なくとも一回変化
させる方法としては、具体的には、添加する方法が滴下
である場合を例に挙げて説明すれば、例えば、(i) 速度
Aで滴下した後、該速度Aよりも大きい速度Bで滴下す
る(速度を段階的に大きくする)方法;(ii)速度Cで滴
下した後、速度を漸次大きくしていき、最終的に速度C
よりも大きい速度Dで滴下する(速度を連続的に大きく
する)方法;(iii) 速度Eで滴下した後、該速度Eより
も小さい速度Fで滴下する(速度を段階的に小さくす
る)方法;(iv)速度Gで滴下した後、速度を漸次小さく
していき、最終的に速度Gよりも小さい速度Hで滴下す
る(速度を連続的に小さくする)方法;が挙げられる。
さらに、(v) 上記(i) を繰り返し行う(速度を段階的に
複数回大きくする)方法;(vi)上記(iii) を繰り返し行
う(速度を段階的に複数回小さくする)方法;(vii) 上
記(i) を少なくとも一回行った後、(iii) を少なくとも
一回行う方法;(viii)上記(iii) を少なくとも一回行っ
た後、(i) を少なくとも一回行う方法;(ix)上記(i)を
少なくとも一回行った後、(iv)を行う方法;(x) 上記(i
ii) を少なくとも一回行った後、(ii)を行う方法;(xi)
上記(ii)を行った後、(iii) を少なくとも一回行う方
法;(xii) 上記(iv)を行った後、(i) を少なくとも一回
行う方法;(xiii)上記(ii)を行った後、(iv)を行う方
法;(xiv) 上記(iv)を行った後、(ii)を行う方法;等、
上記(i) 〜(iv)の方法を適宜組み合わせた方法を採用す
ることもできる。
【0025】上記例示の方法のうち、重合開始剤の添加
速度を少なくとも一回変化させる方法として、例えば、
(i) ,(ii),(v) ,(viii)の方法を採用すると、残存単
量体(モノマー)量を低減することができると共に、得
られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)するこ
とができる。従って、重合体の安全性を向上させること
ができると共に、該重合体を例えば洗剤ビルダーや無機
顔料分散剤等として用いた場合には、優れた性能を発揮
させることができる。また、反応液中の単量体濃度をよ
り高濃度にすることができるので、重合体の生産性を向
上させることができ、従って該重合体を安価に製造する
ことができる。
【0026】一方、上記例示の方法のうち、重合開始剤
の添加速度を少なくとも一回変化させる方法として、例
えば、(iii) ,(iv),(vi),(vii) ,(xi)の方法を採用
すると、同じ量の重合開始剤を等速(一定の速度)で滴
下する場合と比較して、残存単量体量を低減することが
できる。従って、重合体の安全性を向上させることがで
きる。
【0027】そして、本発明にかかる製造方法において
は、重合開始剤の添加速度を少なくとも一回変化させる
方法として、上記(i) ,(ii),(v) の方法、即ち、添加
速度を大きくなるように変化させる方法が特に好まし
い。
【0028】上記例示の方法のうち、連鎖移動剤の添加
速度を少なくとも一回変化させる方法として、例えば、
(iii) ,(iv),(vi),(vii) の方法を採用すると、残存
単量体量を低減することができると共に、得られる重合
体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ
る。従って、重合体の安全性を向上させることができる
と共に、該重合体を例えば洗剤ビルダーや無機顔料分散
剤等として用いた場合には、優れた性能を発揮させるこ
とができる。また、反応液中の単量体濃度をより高濃度
にすることができるので、重合体の生産性を向上させる
ことができ、従って該重合体を安価に製造することがで
きる。
【0029】一方、上記例示の方法のうち、連鎖移動剤
の添加速度を少なくとも一回変化させる方法として、例
えば、(i) ,(ii),(v) ,(viii),(xi)の方法を採用す
ると、同じ量の連鎖移動剤を等速(一定の速度)で滴下
する場合と比較して、残存単量体量を低減することがで
きる。従って、重合体の安全性を向上させることができ
る。
【0030】そして、本発明にかかる製造方法において
は、連鎖移動剤の添加速度を少なくとも一回変化させる
方法として、上記(iii) ,(iv),(vi)の方法、即ち、添
加速度を小さくなるように変化させる方法が特に好まし
い。
【0031】以上のように、本発明にかかる製造方法に
よれば、重合開始剤の添加速度を少なくとも一回変化さ
せるので、或いは、連鎖移動剤の添加速度を少なくとも
一回変化させるので、残存単量体量を低減することがで
きる。従って、得られる重合体の安全性を向上させるこ
とができる。また、重合開始剤の添加速度を大きくなる
ように変化させることにより、或いは、連鎖移動剤の添
加速度を小さくなるように変化させることにより、反応
液中の単量体濃度をより高濃度にすることができる。こ
れにより、重合体の生産性を向上させることができ、従
って該重合体を安価に製造することができる。さらに、
得られる重合体の分子量分布を狭くすることができるの
で、該重合体を例えば洗剤ビルダーや無機顔料分散剤等
として用いた場合には、優れた性能(分散性能等)を発
揮させることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表
す。
【0033】実施例および比較例において、重合体の分
子量(重量平均分子量および数平均分子量)、並びに、
分子量分布は、下記測定条件; ポンプ:L−7110(株式会社日立製作所製) キャリアー液:リン酸水素二ナトリウム・12水和物3
4.5gおよびリン酸二水素ナトリウム・2水和物4
6.2gに超純水を加えて全量を5000gに調節した
水溶液 流速:0.5ml/min カラム:水系GPCカラム TSK−GEL G300
0PWXL(東ソー株式会社製)・1本 検出器:UV検出器 L−7400(株式会社日立製作
所製)・波長214nm 分子量標準サンプル:ポリアクリル酸ナトリウム(創和
科学株式会社製) を採用して測定した。
【0034】〔実施例1〕還流冷却器、温度計、複数の
滴下ロート、および攪拌機を備えた容量5LのSUS3
16製セパラブルフラスコを反応器として用いた。該反
応器に、溶媒としてのイオン交換水287.3部、およ
び、無水マレイン酸717.4部を仕込むと共に、滴下
ロートに、48%水酸化ナトリウム水溶液1037.0
部を仕込んだ。そして、内容物を攪拌しながら、上記水
溶液を60分間かけて等速で滴下した後、該内容物を系
の沸点まで(還流状態となるように)昇温させた。
【0035】次に、それぞれ別個の滴下ロートに、80
%アクリル酸水溶液658.6部(アクリル酸526.
9部およびイオン交換水131.7部)、イオン交換水
650.2部、重合開始剤としての35%過酸化水素水
160.9部(過酸化水素56.32部およびイオン交
換水104.58部)、および、重合開始剤としての1
5%ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液170.6部
(ペルオキソ二硫酸ナトリウム25.59部およびイオ
ン交換水145.01部)を仕込んだ。
【0036】そして、内容物を攪拌しながら、上記アク
リル酸水溶液を120分間かけて等速で滴下すると共
に、過酸化水素水を90分間かけて等速で滴下し、重合
反応を開始した。イオン交換水は、アクリル酸水溶液の
滴下開始時点から50分経過後から、80分間かけて等
速で滴下した。ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液は、
アクリル酸水溶液の滴下開始時点から10分経過後か
ら、60分間かけて24.4部(全体の14%)を等速
で滴下した後、さらに60分間かけて残りの146.2
部を等速で滴下した。つまり、ペルオキソ二硫酸ナトリ
ウム水溶液は、前半の滴下速度よりも後半の滴下速度の
方が大きく(凡そ6倍)なるように、滴下速度を二段階
に変化させた。上記各水溶液等の滴下期間中は、反応温
度を系の沸点(100℃〜110℃)に維持した。
【0037】滴下操作の終了後、即ち、ペルオキソ二硫
酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、同温度でさらに20
分間攪拌して熟成させ、重合反応を終了した。これによ
り、重合体としての水溶性ポリマーを得た。該水溶性ポ
リマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(M
n)、および、分子量分布(D値=Mw/Mn)を上記
測定条件で以て測定した。また、残存単量体量(pp
m)を所定の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0038】〔実施例2〕35%過酸化水素水の滴下方
法を下記方法に変更した以外は、実施例1の方法と同様
の方法で重合反応を行った。即ち、35%過酸化水素水
を、50分間かけて112.6部(全体の70%)を等
速で滴下した後、さらに40分間かけて残りの48.3
部を等速で滴下して、水溶性ポリマーを得た。つまり、
過酸化水素水は、前半の滴下速度よりも後半の滴下速度
の方が小さく(凡そ0.5倍)なるように、滴下速度を
二段階に変化させた。各種測定結果を表1に示す。
【0039】〔実施例3〕実施例1と同様の反応器に、
イオン交換水805.5部を仕込み、攪拌しながら沸点
(100℃)まで昇温させた。次に、それぞれ別個の滴
下ロートに、80%アクリル酸水溶液2126.1部
(アクリル酸1700.9部およびイオン交換水42
5.2部)、15%ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液
112.4部(ペルオキソ二硫酸ナトリウム16.86
部およびイオン交換水95.54部)、および、連鎖移
動剤としての45%次亜リン酸ナトリウム・1水和物水
溶液200.3部(次亜リン酸ナトリウム・1水和物9
0.14部およびイオン交換水110.16部)を仕込
んだ。
【0040】そして、内容物を攪拌しながら、上記アク
リル酸水溶液を180分間かけて等速で滴下すると共
に、ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を185分間か
けて等速で滴下し、重合反応を開始した。次亜リン酸ナ
トリウム・1水和物水溶液は、18分間かけて40.1
部(全体の20%)を等速で滴下した後、さらに162
分間かけて残りの160.2部を等速で滴下した。つま
り、次亜リン酸ナトリウム・1水和物水溶液は、前半の
滴下速度よりも後半の滴下速度の方が小さく(凡そ0.
4倍)なるように、滴下速度を二段階に変化させた。上
記各水溶液の滴下期間中は、反応温度を系の沸点(10
0℃〜105℃)に維持した。
【0041】滴下操作の終了後、即ち、ペルオキソ二硫
酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、同温度でさらに5分
間攪拌して熟成させ、重合反応を終了した。これによ
り、水溶性ポリマーを得た。各種測定結果を表1に示
す。
【0042】次いで、得られた水溶性ポリマーを、48
%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHが9.0となる
ように中和することにより、中和物とした。そして、該
中和物の無機顔料分散能(分散性能)の優劣を、下記測
定方法に基づき判定した。即ち、容量450mlのマヨ
ネーズ瓶に、上記の中和物0.6g、イオン交換水12
8.0g、および、無機顔料である炭酸カルシウム(ス
ーパー#2000;丸尾カルシウム株式会社製)300
gを入れ、スパチュラを用いて攪拌し、液状化させた。
次に、該マヨネーズ瓶に、直径3.5mmのガラスビー
ズ150gを投入した後、ペイントシェーカーを用いて
30分間振り混ぜることにより、炭酸カルシウムをイオ
ン交換水に充分に分散させた。これにより、70%炭酸
カルシウム水分散液、つまり、スラリーを得た。
【0043】このスラリーの製造直後の粘度(cP)、
および、50℃で30日間保存した後の粘度(cP)
を、B型粘度計を用いて測定した。中和物の分散性能が
優れている程、製造直後の粘度は小さくなり、かつ、製
造直後の粘度と30日後の粘度との差は小さくなる。従
って、これら粘度を測定することにより、中和物の無機
顔料分散能の優劣を判定することができる。結果を表1
に併せて示す。
【0044】〔実施例4〕反応器へのイオン交換水の仕
込み量を625.4部に減少させて、単量体成分の濃度
がより高濃度の反応液となるように調節した以外は、実
施例3の方法と同様の方法で重合反応を行った。各種測
定結果を表1に示す。
【0045】〔実施例5〕80%アクリル酸水溶液を滴
下する代わりに、80%アクリル酸/メタクリル酸水溶
液2126.1部を滴下した以外は、実施例3の方法と
同様の方法で重合反応を行った。上記水溶液におけるア
クリル酸とメタクリル酸とのモル比(アクリル酸/メタ
クリル酸)は、8/2とした。各種測定結果を表1に示
す。
【0046】〔実施例6〕45%次亜リン酸ナトリウム
・1水和物水溶液の滴下方法を下記方法に変更した以外
は、実施例3の方法と同様の方法で重合反応を行った。
即ち、45%次亜リン酸ナトリウム・1水和物水溶液
を、90分間かけて80.1部(全体の40%)を等速
で滴下した後、さらに90分間かけて残りの120.2
部を等速で滴下して、水溶性ポリマーを得た。つまり、
次亜リン酸ナトリウム・1水和物水溶液は、前半の滴下
速度よりも後半の滴下速度の方が大きく(凡そ1.5
倍)なるように、滴下速度を二段階に変化させた。各種
測定結果を表1に示す。
【0047】〔実施例7〕15%ペルオキソ二硫酸ナト
リウム水溶液の滴下方法を下記方法に変更した以外は、
実施例1の方法と同様の方法で重合反応を行った。即
ち、15%ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を、アク
リル酸水溶液の滴下開始時点から10分経過後から、5
0分間かけて20.3部を滴下速度0.41部/分(等
速)で滴下した。その後、1分刻みで(1分毎に)滴下
速度を0.102部/分ずつ段階的に大きくしていき、
滴下速度を変化させてから20分経過後に2.44部/
分となるように調節した。さらにその後、50分間かけ
て残りの水溶液を滴下速度2.44部/分(等速)で滴
下して、水溶性ポリマーを得た。つまり、ペルオキソ二
硫酸ナトリウム水溶液は、滴下速度が段階的に大きくな
るように、該滴下速度を二十一段階に変化させた。各種
測定結果を表1に示す。
【0048】〔実施例8〕45%次亜リン酸ナトリウム
・1水和物水溶液の滴下方法を下記方法に変更した以外
は、実施例3の方法と同様の方法で重合反応を行った。
即ち、45%次亜リン酸ナトリウム・1水和物水溶液
を、18分間かけて40.1部を滴下速度2.23部/
分(等速)で滴下した。その後、147分間かけて13
0.2部を滴下速度0.89部/分(等速)で滴下し
た。さらにその後、15分間かけて残りの30.0部を
滴下速度2.00部/分(等速)で滴下した。これによ
り、水溶性ポリマーを得た。つまり、次亜リン酸ナトリ
ウム・1水和物水溶液は、途中で滴下速度が小さくなる
ように、滴下速度を三段階に変化させた。各種測定結果
を表1に示す。
【0049】〔比較例1〕15%ペルオキソ二硫酸ナト
リウム水溶液を、アクリル酸水溶液の滴下開始時点から
10分経過後から、120分間かけて等速で滴下した以
外は、実施例1の方法と同様の方法で重合反応を行い、
比較用の水溶性ポリマーを得た。各種測定結果を表1に
示す。
【0050】〔比較例2〕45%次亜リン酸ナトリウム
・1水和物水溶液を、180分間かけて等速で滴下した
以外は、実施例3の方法と同様の方法で重合反応を行
い、比較用の水溶性ポリマーを得た。各種測定結果を表
1に示す。
【0051】次いで、得られた比較用の水溶性ポリマー
を、48%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHが9.
0となるように中和することにより、中和物とした。そ
して、該中和物の無機顔料分散能の優劣を、実施例3の
方法と同様の方法で判定した。つまり、スラリーの製造
直後の粘度、および、50℃で30日間保存した後の粘
度を、B型粘度計を用いて測定した。結果を表1に併せ
て示す。
【0052】〔比較例3〕45%次亜リン酸ナトリウム
・1水和物水溶液の添加方法を下記方法に変更した以外
は、実施例3の方法と同様の方法で重合反応を行った。
即ち、45%次亜リン酸ナトリウム・1水和物水溶液2
00.3部のうち、100.2部を重合開始前に反応器
に仕込み(初期仕込み)、残りの100.1部を180
分間かけて等速で滴下した。これにより、比較用の水溶
性ポリマーを得た。各種測定結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から明らかなように、本発明に
かかる製造方法を採用することにより、残存単量体量を
低減することができること;反応液中の単量体濃度をよ
り高濃度にすることができること;得られる重合体の分
子量分布を狭くすることができること;が判った。さら
に、実施例3と比較例2との対比から、本発明にかかる
製造方法を採用することにより、分散性能に優れた重合
体を得ることができることが判った。
【0055】
【発明の効果】本発明の重合体の製造方法は、以上のよ
うに、重合開始剤の添加速度を少なくとも一回変化させ
る構成である。また、本発明の重合体の製造方法は、以
上のように、該添加速度を大きくなるように変化させる
構成である。
【0056】本発明の重合体の製造方法は、以上のよう
に、連鎖移動剤の添加速度を少なくとも一回変化させる
構成である。また、本発明の重合体の製造方法は、以上
のように、該添加速度を小さくなるように変化させる構
成である。
【0057】また、本発明の重合体の製造方法は、以上
のように、用いる単量体成分が不飽和カルボン酸(塩)
系単量体を含む構成である。
【0058】これにより、残存単量体量を低減すること
ができるので、得られる重合体の安全性を向上させるこ
とができる。また、反応液中の単量体濃度をより高濃度
にすることができるので、重合体の生産性を向上させる
ことができ、従って該重合体を安価に製造することがで
きる。さらに、得られる重合体の分子量分布を狭くする
ことができるので、該重合体を例えば洗剤ビルダーや無
機顔料分散剤等として用いた場合には、優れた性能(分
散性能等)を発揮させることができる。
【0059】即ち、上記の構成によれば、残存単量体量
を低減することができると共に、反応液中の単量体濃度
をより高濃度にすることができ、しかも、得られる重合
体の分子量分布を狭くすることができる重合体の製造方
法を提供することができるという効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合期間中の所定期間、重合開始剤を連続
    的に添加する重合体の製造方法であって、重合開始剤の
    添加速度を少なくとも一回変化させることを特徴とする
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】該添加速度を大きくなるように変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】重合期間中の所定期間、連鎖移動剤を連続
    的に添加する重合体の製造方法であって、連鎖移動剤の
    添加速度を少なくとも一回変化させることを特徴とする
    重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】該添加速度を小さくなるように変化させる
    ことを特徴とする請求項3記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】用いる単量体成分が不飽和カルボン酸
    (塩)系単量体を含むことを特徴とする請求項1ないし
    4の何れか1項に記載の重合体の製造方法。
JP2000382756A 2000-12-15 2000-12-15 重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3688581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000382756A JP3688581B2 (ja) 2000-12-15 2000-12-15 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000382756A JP3688581B2 (ja) 2000-12-15 2000-12-15 重合体の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005044819A Division JP3910616B2 (ja) 2005-02-21 2005-02-21 重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002179704A true JP2002179704A (ja) 2002-06-26
JP3688581B2 JP3688581B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=18850526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000382756A Expired - Fee Related JP3688581B2 (ja) 2000-12-15 2000-12-15 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3688581B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282853A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤用ポリカルボン酸系ポリマーの製造方法
JP2008508410A (ja) * 2004-08-04 2008-03-21 エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法
JP2010084030A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
WO2012086716A1 (ja) 2010-12-21 2012-06-28 株式会社日本触媒 ポリ(メタ)アクリル酸(塩)水溶液及びその製造方法
JP2013139351A (ja) * 2011-12-29 2013-07-18 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤用共重合体、その製造方法および当該共重合体を含むセメント混和剤
JP2014505753A (ja) * 2010-12-17 2014-03-06 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 安定なポリアクリル酸、その製造およびその使用
JP2015168734A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
US9234094B2 (en) 2010-06-18 2016-01-12 Nippon Shokubai Co, Ltd Aqueous poly(meth)acrylic acid-based polymer solution

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008508410A (ja) * 2004-08-04 2008-03-21 エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法
KR101238589B1 (ko) * 2004-08-04 2013-03-04 에보니크 오일 아디티페스 게엠베하 에틸렌 불포화 화합물의 유리 라디칼 중합 방법
JP2006282853A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤用ポリカルボン酸系ポリマーの製造方法
JP4540525B2 (ja) * 2005-03-31 2010-09-08 株式会社日本触媒 セメント混和剤用ポリカルボン酸系ポリマーの製造方法
JP2010084030A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
US9234094B2 (en) 2010-06-18 2016-01-12 Nippon Shokubai Co, Ltd Aqueous poly(meth)acrylic acid-based polymer solution
JP2014505753A (ja) * 2010-12-17 2014-03-06 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 安定なポリアクリル酸、その製造およびその使用
US10889661B2 (en) 2010-12-17 2021-01-12 Basf Se Stable polyacrylic acids, their manufacture and their use
WO2012086716A1 (ja) 2010-12-21 2012-06-28 株式会社日本触媒 ポリ(メタ)アクリル酸(塩)水溶液及びその製造方法
US9315645B2 (en) 2010-12-21 2016-04-19 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aqueous poly(meth)acrylic acid (salt) solution and process for preparing same
JP2013139351A (ja) * 2011-12-29 2013-07-18 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤用共重合体、その製造方法および当該共重合体を含むセメント混和剤
JP2015168734A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3688581B2 (ja) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100309221B1 (ko) 하이포포스포러스산혹은그염을사슬전달제로사용한에틸렌계불포화단량체로부터유도된중합체제조방법
JP5178008B2 (ja) アミノ基含有水溶性共重合体
JP4137445B2 (ja) (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
JP3910616B2 (ja) 重合体の製造方法
JP2012126916A (ja) (メタ)アクリル酸系重合体および不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体、およびこれらの製造方法、並びにこれらを用いてなる洗剤
JP4185382B2 (ja) (メタ)アクリル酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の共重合体組成物およびその製造方法
JP2002179704A (ja) 重合体の製造方法
CN1086521A (zh) 链结合的聚合物组合物
JP2007084831A (ja) (メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法並びに用途
JP5506175B2 (ja) (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
JP7076443B2 (ja) イソプロパノールおよび水中での溶液重合
JP4756983B2 (ja) (メタ)アクリル酸系共重合体、その製造方法及びその用途
JP5478831B2 (ja) (メタ)アクリル酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の共重合体組成物およびその製造方法
JP2002201221A (ja) (メタ)アクリル酸(塩)系重合体およびその製造方法
JP4010921B2 (ja) (メタ)アクリル酸系重合体および不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体、およびこれらの製造方法、並びにこれらを用いてなる洗剤
JP6014372B2 (ja) ポリカルボン酸系重合体およびその製造方法
JP3980496B2 (ja) (メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法並びに用途
JP4372335B2 (ja) 重合体の製造方法および製造装置
JP4710153B2 (ja) 水溶性重合体の製造方法
JP6397633B2 (ja) ポリ(メタ)アクリル酸系重合体およびその製造方法
JP5398694B2 (ja) (メタ)アクリル酸系共重合体、その製造方法及びその用途
JP7076894B2 (ja) カルボキシル基含有共重合体の製造方法
JP3773036B2 (ja) 重合体の製造方法
JP2005350516A (ja) 水溶性共重合体およびその製造方法と用途
JP6413771B2 (ja) 重合体水溶液の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050221

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3688581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120617

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120617

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130617

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees