JP2002179655A - アリールトリアゾリノン類の製造法 - Google Patents

アリールトリアゾリノン類の製造法

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    • C07D249/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より安価な原料を用いて、より簡単かつ低コス
トで容易に行うことのできるアリールトリアゾリノン類
の新規な製造法を提供すること。さらに、より安全かつ
温和な条件下で、簡便かつ低コストで行うことのできる
アリールトリアゾリノン類の新規な製造法を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 (式(I)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の低
級アルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが2
以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも異
なっていてもよい。)に示すアリールトリアゾリノン類
を製造するに際して、アリールトリアゾリジノン(II)
を、酸化剤で脱水素処理する工程を有するアリールトリ
アゾリノン類(I)の製造法。アリールトリアゾリノン類
(I)を製造するに際して、アリールヒドラゾン(II
I)に、シアン酸アルカリ金属塩および酸を添加し、さ
らに無触媒下あるいは酸化触媒存在下に、酸素を添加す
ることを特徴とするアリールトリアゾリノン類(I)の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリール−1,
2,4−トリアゾリン−5−オン類の製造法に関し、さ
らに詳しくは、医薬及び農薬の合成用原料または中間体
として有用な化合物であるアリール−1,2,4−トリ
アゾリン−5−オン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】アリール−1,2,4−トリアゾリン−
5−オン類(アリールトリアゾリノン類)は、医薬及び
農薬の合成原料または中間体として有用な化合物であ
り、従来より種々の製造法が提案されている。例えば、
:PCT国際公開WO98/38176号公報には、
アリールトリアゾリノンが下記の反応により製造される
ことが記載されている。
【0003】
【化9】
【0004】(式中、nは0または1〜5の整数であ
り、Xは同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、
低級アルキル基、低級ハロアルキル基などを示す。)し
かしながら該公報に記載の方法では、反応工程でアリ
ールヒドラゾン系化合物(3)を単離しなければなら
ず、また、製造時に高価なアジ化ジフェニルホスホリル
(4)を用いており、アリールトリアゾリノン(5)を
製造する上でコスト高となり、工業的に有利な製造方法
とは言い難い。
【0005】そのため、より低コストで容易にアリール
トリアゾリノンを製造しうるようなアリールトリアゾリ
ノンの新規な製造法の出現が望まれていた。なお、:
PCT国際公開WO91/3470号公報に対応する特
公平6−78322号公報には、一般式(AO):
【0006】
【化10】
【0007】(式(AO)中、nは1〜3の整数であ
り、Rはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基な
どを示し、Xは、各々独立に水素、ハロゲン原子(C
l、Br、I)、低級アルキル基などを示す。)で示さ
れるアリールトリアゾリジノンを、次亜ハロゲン酸また
は次亜ハロゲン酸塩で処理する、一般式(A):
【0008】
【化11】
【0009】(式(A)中、nは1〜3の整数であり、
Rはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基などを
示し、Xは、各々独立に水素、ハロゲン原子、低級アル
キル基などを示す。)に示すアリールトリアゾリノンの
製造方法が記載されている。また、:PCT国際公開
WO93/23382号公報に対応する特表平7−50
3253号公報には、一般式(B):
【0010】
【化12】
【0011】(式(B)中、Rは低級アルキル基であ
り、Xは独立してハロゲン、低級アルキル、ニトロ、ヒ
ドロキシ、NHSO2R'、−N(SO2R')2 、−N
(R')SO2R'(但し、R'は低級アルキル)であり、
nは0〜3の整数である。)のアリールトリアゾリノン
を製造する方法において、第三級ブタノール溶媒中で、
式:Xn−Ph−NH・NH2 (Ph:フェニレン、
X、nは同上)で示されるアリールヒドラジンを、(i)
C1〜C3アルデヒド、(ii)シアナート及び弱有機酸、
及び(iii)次亜塩素酸、その塩又はハロゲンにより順次
処理するアリールトリアゾリノンの製造法が開示されて
いる。
【0012】一方、上記公報〜には、式(A)ある
いは式(B)中、Rが水素(H)であるアリールトリア
ゾリノン類およびその製法については、記載も示唆もさ
れていない。また、アリールトリアゾリノン類の製造方
法の脱水素反応に用いられるハロゲン類、次亜ハロゲン
酸またはその塩は、腐食性あるいは刺激性を有してお
り、大量の取り扱いに際し、注意を要するため、これら
を用いないアリールトリアゾリノン類の製造方法が望ま
れていた。
【0013】さらに、次亜ハロゲン酸またはその塩を用
いるアリールトリアゾリノン類の製造方法においては、
次亜ハロゲン酸またはその塩は通常希薄溶液で使用され
るため、反応液量が多くなり、アリールトリアゾリノン
類のバッチ収率が上がりにくく、またハロゲンを含む廃
水が多量にでるという問題点がある。またさらに、アリ
ールヒドラゾン類、シアン酸およびシアン酸塩類は、ハ
ロゲン類、次亜ハロゲン酸またはその塩による脱水素反
応工程においては不安定であるため、アリールトリアゾ
リジノン類の生成反応工程とその脱水素反応工程は並行
して行うことは困難である。
【0014】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、その第1の発
明は、より安価な原料を用いて、より簡単かつ低コスト
でアリールトリアゾリノン類を製造しうるようなアリー
ルトリアゾリノン類の新規な製造法を提供することを目
的としている。
【0015】特に、第2の発明は、ハロゲン類、次亜ハ
ロゲン酸およびその塩を用いることなく、安全にかつ温
和な条件で、より簡便かつ低コストでアリールトリアゾ
リノン類を製造しうるようなアリールトリアゾリノン類
の新規な製造法を提供することを目的としている。
【0016】
【発明の概要】本発明に係るアリールトリアゾリノン類
の第1の製造法では、一般式(I):
【0017】
【化13】
【0018】(式(I)中、Xは、ハロゲン原子、炭素
数1〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5の整数を
示す。nが2以上の整数を示す場合、複数個のXは互い
に同一でも異なっていてもよい。)に示すアリールトリ
アゾリノン類を製造するに際して、一般式(II):
【0019】
【化14】
【0020】(式(II)中、X、nは前記式(I)中の
ものと同じ。)で示すアリールトリアゾリジノンを、酸
化剤で脱水素処理する工程を有することを特徴としてい
る。上記第1の発明においては、予め、一般式(III):
【0021】
【化15】
【0022】(式(III)中、Xは、ハロゲン原子、炭
素数1〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5の整数
を示す。nが2以上の整数を示す場合、複数個のXは互
いに同一でも異なっていてもよい。)に示すアリールヒ
ドラゾンを、シアン酸アルカリ金属塩および酸好ましく
は有機酸と反応させて前記一般式(II)に示すアリール
トリアゾリジノンを形成させ、その反応液からこのアリ
ールトリアゾリジノン(II)を単離することなく、次い
で、該反応液に、無触媒下または酸化触媒存在下に酸化
剤を添加して、前記したような、アリールトリアゾリジ
ノン(II)の酸化剤による脱水素処理工程を行うことが
好ましい。
【0023】上記第1の発明では、上記酸化剤が、ハロ
ゲン、次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸塩、過マンガン
酸塩、過酸化水素、過酸類、アルキルヒドロパーオキシ
ド、硝酸、ジメチルスルホキシド、酸素のうちの何れか
であることが好ましく、さらには次亜ハロゲン酸塩また
は酸素であることが望ましい。また、第1の発明では、
予め、一般式(IV):
【0024】
【化16】
【0025】(式(IV)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数
1〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5の整数を示
す。nが2以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに
同一でも異なっていてもよい。)に示すアリールヒドラ
ジンを、無触媒下、酸触媒存在下または塩基触媒存在下
にホルムアルデヒドと反応させて、前記一般式(III)に
示すアリールヒドラゾンを形成させ、その反応液から一
般式(III)に示す化合物を単離することなく、得られた
アリールヒドラゾン(III)を含む反応液にシアン酸アル
カリ金属塩および酸(好ましくは有機酸)を添加し、前
記したような、アリールヒドラゾン(III)のシアン酸ア
ルカリ金属塩および酸との反応工程などを行うことが望
ましい。
【0026】第1の発明においては、上記アリールヒド
ラジン(IV)に代えて、アリールヒドラジンの無機酸の塩
を用い、塩基で処理してもよい。第1の発明によれば、
原料として何れも安価に入手可能な材料である、ホルム
アルデヒド、シアン酸のアルカリ金属塩、及び、次亜ハ
ロゲン酸塩または酸素などを用いており、アリールトリ
アゾリノン類(I)を安価に製造できる。また、第1の
発明の好ましい態様においては、上記3工程からなる反
応をワンポット(一つの反応器)で実施でき、その場合
には、反応過程で生成した反応中間体(III)、(II)を
単離精製する必要がなく一容器内で反応を進行させて、
目的のアリールトリアゾリノン類(I)を得ることがで
きるなど、アリールトリアゾリノン類の工業的に有利な
製造法が提供される。このようにして得られたアリール
トリアゾリノン類(I)は、農薬、医薬の合成用原料ま
たは中間体などとして有用である。
【0027】本発明に係るアリールトリアゾリノン類の
第2の製造法では、一般式(I):
【0028】
【化17】
【0029】(式(I)中、Xはハロゲン原子、炭素数1
〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5までの整数を
示す。nが2以上の整数を示す場合、複数個のXは互い
に同一でも異なっていてもよい。)に示すアリールトリ
アゾリノン類を製造するに際して、一般式(III):
【0030】
【化18】
【0031】(式(III)中、X、nは前記式(I)中のもの
と同じ。)に示すアリールヒドラゾンに、シアン酸アル
カリ金属塩および酸を添加し、さらに無触媒下あるいは
酸化触媒存在下に、酸素を添加し、一般式(II):
【0032】
【化19】
【0033】(式(II)中、X、nは前記式(I)中のもの
と同じ。)に示すアリールトリアゾリジノン(II)の生成
反応工程と該反応工程により生成されたアリールトリア
ゾリジノン(II)の脱水素反応工程を並行して行うことを
特徴としている。また、第2の発明では、一般式(IV)
【0034】
【化20】
【0035】(式(IV)中、Xはハロゲン原子、炭素数1
〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5までの整数を
示す。nが2以上の整数を示す場合、複数個のXは互い
に同一でも異なっていてもよい。)に示すアリールヒド
ラジンを、無触媒下、酸触媒存在下または塩基触媒存在
下に、ホルムアルデヒドと反応させて、前記一般式(II
I)に示すアリールヒドラゾンを生成させ、その反応液か
ら該アリールヒドラゾン(III)を単離することなくシ
アン酸アルカリ金属塩および酸を添加し、さらに無触媒
下あるいは酸化触媒存在下に、酸素を添加して、前記一
般式(I)に示すアリールトリアゾリノンの製造を行うこ
とが好ましい。
【0036】またさらに第2の発明においては、前記ア
リールヒドラジン(IV)に代えて、アリールヒドラジン
の無機酸の塩を用い、かつ、該塩をホルムアルデヒドと
塩基に反応させ、前記一般式(III)に示すアリールヒド
ラゾンを生成させ、その反応液からアリールヒドラゾン
(III)を単離することなくシアン酸アルカリ金属塩お
よび酸を添加し、さらに無触媒下あるいは酸化触媒存在
下に、酸素を添加して、前記一般式(I)に示すアリール
トリアゾリノンの製造を行うことも好ましい。
【0037】特に第2の発明によれば、原料として何れ
も安価に入手可能な材料である、ホルムアルデヒド、シ
アン酸のアルカリ金属塩、酸化触媒および酸素などを用
いており、アリールトリアゾリノン類(I)を、安全かつ
温和な条件下で、安価に製造することができる。また、
第2の発明の好ましい態様においては、前記反応をワン
ポット(1つの反応器)で実施でき、その場合には、反応
過程で生成した反応中間体(III)、(II)を単離精製する
必要がない。
【0038】またアリールトリアゾリジノン(II)の生成
工程と、アリールトリアゾリノン類(I)の生成工程であ
るアリールトリアゾリジノン(II)の脱水素反応工程とを
並行して行うことにより反応時間の短縮が図れるなどア
リールトリアゾリノン類の工業的に有利な製造法が提供
される。このようにして得られたアリールトリアゾリノ
ン(I)は、農薬、医薬の合成用原料または中間体などと
して有用である。
【0039】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るアリールトリ
アゾリノン類の製造法について、具体的に説明する。本
発明に係るアリールトリアゾリノン類の第1の製造法で
は、下記一般式(II)で示すアリールトリアゾリジノン
を、酸化剤で脱水素処理して、下記一般式(I)で示す
アリールトリアゾリノン類を製造しているが、その好ま
しい態様においては、下記式(I)で示されるアリール
トリアゾリノン類は、下記一連の反応工程すなわち下記
第一段階〜第三段階を経て製造される(以下、第1の製
造法ともいう。)。
【0040】
【化21】
【0041】一般式(I)〜(IV)中、Xは、ハロゲン原
子、炭素数1〜6の低級アルキル基を示し、nは0〜5
の整数を示す。nが2以上の整数を示す場合、複数個の
Xは互いに同一でも異なっていてもよい。なお、「ハロ
ゲン原子」としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素原子
が挙げられる。
【0042】前記一般式(I)〜(IV)において、Xが
「低級アルキル」の場合、該低級アルキル基として、炭
素数1〜6のアルキル基が挙げられ、直鎖状でも分岐状
でもよく、具体的には、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、
2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−
メチルペンチル−2,3−ジメチルブチル、1−エチル
ブチル、1−エチル−2−メチル−プロピル、1−メチ
ル−1−エチルプロピル、1−メチル−2−エチルプロ
ピル、2−メチル−1−エチルプロピル、2−メチル−
1−エチルプロピルまたは2−メチル−2−エチルプロ
ピル基などが挙げられる。
【0043】また、本発明に係るアリールトリアゾリノ
ン類の第2の製造法では、下記一般式(II)で示すアリー
ルトリアゾリジノンを、酸素酸化による脱水素反応工程
を経て、下記一般式(I)で示すアリールトリアゾリノ
ン類を製造しているが、その好ましい態様においては、
下記式(I)で示されるアリールトリアゾリノン類は、一
般式(III)に示すアリールヒドラゾンから、下記一般
式(II)に示すアリールトリアゾリジノンを生成する工
程を行なうと同時に、該工程により生成したアリールト
リアゾリジノン(II)の脱水素反応させて下記一般式
(I)で示すアリールトリアゾリノン類を生成させる工
程を並行して行っている(以下、第2の製造法ともい
う。)。
【0044】
【化22】
【0045】一般式(I)〜(IV)で表される化合物とし
ては、アリールトリアゾリノン類(I)の第1の製造法
に記載のものと同様の化合物が用いられる。まず、第1
の発明である「アリールトリアゾリノン類(I)の第1
の製造法」について説明する。<アリールトリアゾリノン類(I)の第1の製造法>
なわち、本発明のアリールトリアゾリノン類(I)の第
1の製造法では、上記「第三段階」で、上記一般式(I
I)で示すアリールトリアゾリジノンを、酸化剤で脱水
素処理して、上記一般式(I)で示すアリールトリアゾ
リノン類を製造する。
【0046】この際用いられる、一般式(II)に示され
るアリールトリアゾリジノンは、上記反応式に示すよう
に、まず「第一段階」で、上記一般式(IV)に示されるア
リールヒドラジン(またはその無機酸の塩)をホルムア
ルデヒド(HCHO)と反応させて、一般式(III)に示
されるアリールヒドラゾンを形成させた後、上記「第二
段階」で、シアン酸アルカリ金属塩(アルカリ金属シア
ナート)および酸と反応させて合成することが好まし
い。
【0047】このような連続したワンポットでの反応の
各段階では、中間体生成物であるアリールヒドラゾン(I
II)あるいは、中間体生成物であるアリールトリアゾリ
ジノン(II)を単離または精製する必要はなく、アリー
ルヒドラゾン(III)を含有する反応液にシアン酸アルカ
リ金属塩および酸好ましくは有機酸を加え、次いで、該
反応により生成したアリールトリアゾリジノン(II)を
含有する反応液に、無触媒下または酸化触媒存在下に酸
化剤を順次加えることにより、単一の反応器内でいわゆ
るバッチ式で、目的のアリールトリアゾリノン類(I)
の合成を効率よく行うことができる。
【0048】本発明の第1の製造法の酸化反応である、
アリールトリアゾリジノン(II)と酸化剤との反応にお
いても、アリールヒドラゾン(III)をシアン酸アルカリ
金属塩および酸で処理して得られるアリールトリアゾリ
ジノン(II)を含有する反応混合液に、無触媒下または
酸化触媒存在下に酸化剤を直接加えて第三段階の反応を
行えばよい。
【0049】本発明の第1の製造法ではこれら一連の反
応は、溶媒の存在下に行われる。溶媒としては、反応に
悪影響を与えず、しかも、好ましくはアリールヒドラゾ
ン(III)及びアリールトリアゾリジノン(II)が少な
くとも部分的に溶解可能であるような後述する溶媒が用
いられる。本発明の第1の製造法では、上記第一段階〜
第三段階からなる一連の反応は、比較的低温で進行し、
短い時間で完結し、高収率で目的化合物(アリールトリ
アゾリノン類(I))を得ることができる。
【0050】<アリールヒドラゾン(III)の合成(第一
段階)>以下、上記反応工程に沿ってさらに詳説する。
すなわち、本発明のアリールトリアゾリノン類(I)の
第1の製造法で好ましく用いられる反応の第一段階で
は、アリールヒドラジン(IV)(またはその無機酸の
塩)とホルムアルデヒドとを、無触媒下、酸触媒存在下
または塩基触媒存在下に、溶媒中で反応させて、対応す
るアリールヒドラゾン(III)を生成させている。
【0051】なお、アリールヒドラジン(IV)に代え
て、アリールヒドラジンの無機酸の塩を用いることがで
き、水酸化ナトリウムなどの塩基およびホルムアルデヒ
ドと、無触媒下、酸触媒存在下または塩基触媒存在下に
反応させればよい。このような第一段階の反応は、通
常、−10℃から「使用する溶媒の沸点」までの温度範
囲、好ましくは、約0℃〜+40℃の温度で、10分〜
24時間、好ましくは、30分〜5時間、常圧下に行わ
れる。反応の際には、アリールヒドラジン(IV)とホル
ムアルデヒドとは理論的には等モル量で使用(反応)す
ればよいが、通常、アリールヒドラジン(IV)1モルに
対してホルムアルデヒドは1.0〜2.0モル、好まし
くは1.0〜1.2モル量で用いられ、通常、このよう
な量のホルムアルデヒドを含有するホルムアルデヒド水
溶液が使用される。
【0052】なお、出発原料として用いられる一般式(I
V)で示されるアリールヒドラジンまたはその無機酸の塩
は、広く一般に市販されているかまたは、公知の方法、
例えば、「オーガニック シンセシス(Organic Synthe
ses)コレクティブボリューム(Collective Volume)
I,第442頁〜第445頁(1956年)に記載の方
法に従って容易に合成される。
【0053】上記「アリールヒドラジンの無機酸の塩」
を塩基処理する際に用いられる塩基としては、具体的に
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸
化バリウムなどが挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどが使用される。これらの塩基は
「アリールヒドラジンの無機酸の塩」と理論的には等モ
ル量で使用すればよいが、通常、「アリールヒドラジン
の無機酸の塩」1モルに対して、該塩基は1.0〜2.
0モル、好ましくは1.0〜1.2モル量で使用され
る。
【0054】また、上記アリールヒドラジン(IV)とホル
ムアルデヒドとを反応させる際に用いられる酸触媒とし
ては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸;ギ
酸、酢酸などの有機酸;パラトルエンスルフォン酸など
のスルフォン酸類;ホスフォン酸、燐酸、ピロリン酸な
どの燐酸類;ホスフォン酸ナトリウム、ホスフォン酸カ
リウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムなどの
酸性の燐酸塩類などが挙げられる。
【0055】また、塩基触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基;
トリエチルアミン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデ-7-エンなどのアミン類が挙げられる。これ
ら触媒は、アリールヒドラジンに対して、通常、0.0
1〜10モル%の量で使用される。またさらに、上記溶
媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、メトキシエチルアルコール、n-ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t
-ブチルアルコールなどのアルコール類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリ
ル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ギ酸、酢酸な
どの有機酸類等が挙げられ、さらにこれらと水の混合溶
媒が使用可能で、好ましくは、t-ブチルアルコールと
水の混合溶媒が使用される。これら溶媒は、アリールヒ
ドラジン(IV)1モル当たり、例えば、100〜400
0mlの量で用いられる。
【0056】なお、溶媒量は、下記アリールヒドラゾン
(III)とシアン酸アルカリ金属塩との反応段階である第
二段階、あるいは下記アリールトリアゾリジノン(II)
と酸化剤との反応段階である第三段階など、個々の反応
物及び反応条件などに応じて適宜変化させることがで
き、一概に決定されない。<アリールトリアゾリジノン
(II)の合成(第二段階)>次に、本発明のアリールト
リアゾリノン類(I)の第1の製造法で好ましく用いら
れる「第二段階」においては、上記アリールヒドラゾン
(III)と、シアン酸アルカリ金属塩(アルカリ金属シア
ナート)及びプロトン源としての酸好ましくは有機酸と
を、溶媒中で反応させて、アリールトリアゾリジノン
(II)を形成させている。このような反応は、第一段階
で得られたアリールヒドラゾン(III)を含有する反応液
に、シアン酸アルカリ金属塩及びプロトン源としての有
機酸などを添加してバッチ式にて効率的に行うことがで
きる。
【0057】この第二段階の反応は、約−10℃〜+6
0℃、好ましくは、約0℃〜+40℃の温度で、1〜2
4時間、好ましくは、約1〜5時間、常圧下に行われ
る。上記アリールヒドラゾン(III)とシアン酸アルカリ
金属塩とは、理論的には、等モル量で使用すればよい
が、通常、アリールヒドラゾン(III)1モルに対してシ
アン酸アルカリ金属塩は、1.0〜3.0モル、好まし
くは、1.0〜1.5モル量で使用される。
【0058】シアン酸アルカリ金属塩としては、例え
ば、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸
カルシウム等が挙げられ、シアン酸ナトリウム(ナトリ
ウムシアナート)が好ましい。プロトン源としての酸と
しては、例えば、ホスフォン酸、燐酸、ピロリン酸、な
どの燐酸類;ホスフォン酸ナトリウム、ホスフォン酸カ
リウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムなどの
酸性の燐酸塩類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸又は酪酸な
どの有機酸類等が挙げられ、有機酸類が好ましい。
【0059】これら有機酸などの酸は、シアン酸アルカ
リ金属塩と同当量で使用すればよいが、シアン酸アルカ
リ金属塩1当量に対して、酸好ましくは有機酸は、通
常、1〜1.2当量(約20%までの当量過剰)、好ま
しくは1.00〜1.10当量で使用される。溶媒とし
ては、上記第一段階で用いたと同様のものが使用され
る。有機溶媒と水の混合溶媒が使用される場合、有機溶
媒と水との混合比率は体積比で、有機溶媒:水=10
0:1〜500の範囲で使用でき、好ましくは、有機溶
媒:水=100:20〜200の範囲で使用される。ま
た、これら溶媒はアリールヒドラゾン(III)1モル当
たり、100ml〜5000mlの量で使用される。
【0060】<アリールトリアゾリノン類(I)の合成
(第三段階)>次に、本発明のアリールトリアゾリノン
類(I)の第1の製造法では、上記「第三段階」におい
て、上記アリールトリアゾリジノン(II)と、酸化剤と
を、無触媒下または酸化触媒存在下に溶媒中で反応させ
て、目的のアリールトリアゾリノン類(I)を形成させ
ている。
【0061】反応は、通常、約−10〜60℃、好まし
くは、約0℃〜40℃の温度で、通常1〜24時間、好
ましくは、2〜8時間、常圧下に行われる。上記酸化剤
としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸
塩、過マンガン酸塩、過酸化水素、過酸類、アルキルヒ
ドロパーオキシド、硝酸、ジメチルスルホキシド、酸素
が挙げられ、必要に応じて酸化触媒の存在下に使用する
こともできる。ハロゲンとしては、塩素、臭素、沃素、
フッ素が挙げられる。これら酸化剤のうちでは、次亜ハ
ロゲン酸塩のうちの次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0062】上記酸化剤として過酸化水素、過酸類、ア
リキルヒドロバーオキシド類を使用する場合、用いられ
る酸化触媒としては、塩化第一鉄、臭化第一鉄、硫酸第
一鉄、塩化コバルト、臭化コバルト、硫酸コバルト、硝
酸コバルト、酢酸コバルトなどの鉄族の塩;塩化銅
(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、
硫酸銅、酢酸銅などの銅塩;五酸化二バナジウム、酸化
オスミウム、酸化セレン、酸化タングステン、タングス
テン酸ナトリウム、酸化モリブデン、モリブデン酸ナト
リウム、四塩化チタン、酸化クロムなどを挙げることが
できる。
【0063】また、上記酸化剤として酸素を使用する場
合、用いられる酸化触媒としては、塩化第一鉄、塩化第
二鉄、臭化第一鉄、臭化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、塩化コバルト、臭化コバルト、硫酸コバルト、硝酸
コバルト、酢酸コバルト、塩化ニッケルなどの鉄族の
塩;鉄(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)ア
セチルアセトナート、コバルト(II)ビス(サリシリデ
ン)エチレンジアミン、ヘキサアンミンニッケル(II)
塩化物などの鉄族の錯体;白金、パラジウムなどの白金
族;塩化パラジウム、酢酸パラジウム、酸化白金などの
白金族の塩;クロロ(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ムなどの白金族の錯体;塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩
化銅(II)、臭化銅(II)、硫酸銅、酢酸銅などの銅
塩;銅(II)アセチルアセトナート、ビスエチレンジア
ミン銅などの銅錯体;塩化亜鉛などの亜鉛塩;トリス
(エチレンジアミン)亜鉛などの亜鉛錯体;五酸化二バ
ナジウムなどのバナジウム塩;酸化バナジウムアセチル
アセトナートなどのバナジウム錯体;塩化セリウム、ヨ
ウ化サマリウムなどの希土類の塩などを挙げることがで
きる。これらの触媒は1種または2種以上組み合わせて
用いられる。
【0064】反応の際には、上記アリールトリアゾリジ
ノン(II)と酸化剤とは、理論的には、等モル量で使用
すればよいが、通常、アリールトリアゾリジノン(II)
1モルに対して酸化剤は、通常、1.00〜1.40モ
ル、好ましくは、1.00〜1.10モル量で使用され
る。具体的には、例えば、約5〜25%(重量/重
量)、好ましくは、約5〜15%濃度の次亜塩素酸ナト
リウムの水溶液が使用できる。また、必要に応じて用い
られる上記酸化触媒は、アリールトリアゾリジノン(I
I)100モル%に対し、通常、0.01〜10モル
%、好ましくは0.1〜1モル%の量で使用される。
【0065】溶媒としては、前記第一段階、第二段階で
用いたと同様のものが用いられ、有機溶媒と水の混合溶
媒の場合においても、同様の混合比率で用いられる。ま
た、このような溶媒は、アリールトリアゾリジノン(I
I)1モル当たり、100〜6000mlの量で使用さ
れる。本発明のアリールトリアゾリノン類(I)の第1
の製造法では、上記第一〜第三段階のうちの各段階で上
記反応液は、好ましくは少なくとも温和に攪拌すること
が好ましい。また、すべての反応工程が、同一の反応器
に各反応段階で必要な成分を順次添加することにより、
単一の反応器を用いて、いわゆるバッチ式にて行われる
ことが望ましい。
【0066】反応完了後、用いられた上記混合溶媒(有
機溶媒と水との混合溶媒)中の有機溶媒は、反応混合物
から留去され、次のアリールトリアゾリノン類(I)の製
造に再使用可能である。目的のアリールトリアゾリノン
類(I)は、通常の抽出分液操作を経て単離されるか、あ
るいは有機溶媒留去後、目的物を水中に沈殿させ、濾過
によって分取される。また、目的物の別の単離精製方法
としては、反応混合物中の有機溶媒を留去した後、目的
のアリールトリアゾリノン類(I)を水酸化ナトリウムな
どの塩基の水溶液に溶解させて塩を形成し、これを有機
溶媒で洗浄する。その後、塩酸などの鉱酸を加えて中和
することにより目的物のアリールトリアゾリノン類(I)
が析出する。析出した結晶を濾過および水洗することに
より高純度のアリールトリアゾリノン類(I)を得ること
ができる。得られた目的物は、必要により、さらに有機
溶媒での洗浄、カラムクロマトグラフィーや再結晶など
の手段を利用して精製してもよい。
【0067】このようにして得られた、アリールトリア
ゾリノン類(I)は、農薬、医薬の製造用原料などとし
て、好適に使用される。<アリールトリアゾリノン類(I)の第2の製造法>
に本発明に係るアリールトリアゾリノン類(I)の第2の
製造法について概説する。すなわち本発明の第2の製造
法では、前記一般式(III)に示すアリールヒドラゾン
から、前記一般式(II)に示すアリールトリアゾリジノ
ンを生成する工程(以下、アリールトリアゾリジノン
(II)を生成する工程ともいう。)を行なうと同時に、
無触媒下または酸化触媒下に、酸素を添加し、酸素酸化
によるアリールトリアゾリジノン(II)の脱水素反応工
程を行い、前記一般式(I)で示すアリールトリアゾリ
ノン類を製造する。
【0068】一般式(II)に示されるアリールトリアゾ
リジノンの生成工程は、前記反応式に示すように、まず
前記一般式(IV)に示されるアリールヒドラジン(又は
その無機酸の塩)をホルムアルデヒドと反応させて、一
般式(III)に示されるアリールヒドラゾンを形成させ
た後、シアン酸アルカリ金属塩(アルカリ金属シアナー
ト)および酸と反応させることにより行われる。
【0069】また、上記アリールトリアゾリジノン(I
I)の脱水素反応工程は、一般式(III)で示されるアリ
ールヒドラゾンにシアン酸アルカリ金属塩および酸の添
加と同時に、無触媒下または酸化触媒を添加し、反応液
に酸素を導入することにより行われる。このような連続
したワンポットの反応では、中間体生成物であるアリー
ルヒドラゾン(III)あるいは、中間体生成物であるア
リールトリアゾリジノン(II)を単離または精製する必
要はなく、アリールヒドラゾン(III)を含有する反応
液にシアン酸アルカリ金属塩と、酸好ましくは有機酸と
を添加してアリールトリアゾリジノン(II)の生成工程
を行い、さらに無触媒下または酸化触媒存在下に酸素を
添加し、並行して酸素酸化による脱水素反応工程を行
い、単一の反応器内でしかも2段階の反応工程を同時に
進行させることにより、目的のアリールトリアゾリノン
類(I)の合成を効率よく行うことができる。
【0070】本発明の第2の製造法では、これら一連の
反応は、通常、溶媒の存在下に行われる。溶媒として
は、反応に悪影響を与えず、しかも、好ましくはアリー
ルヒドラゾン(III)及びアリールトリアゾリジノン(I
I)が少なくとも部分的に溶解するような溶媒中で行わ
れる。本発明の第2の製造法では、前記一連の反応は、
比較的短い時間で完結し、高収率でアリールトリアゾリ
ノン類(I)を得ることができる。
【0071】以下、このような本発明に係る、アリール
トリアゾリノン類(I)の第2の製造法について、前記
アリールトリアゾリノン類(I)の第1の製造法との相
違点を中心に、出発原料の製法などについて順次詳説す
る。 <アリールヒドラゾン(III)の合成>本発明に係るアリ
ールトリアゾリノン類(I)の第2の製造法において、
アリールトリアゾリジノン(II)の生成に用いられるア
リールヒドラゾン(III)は、前述の本発明に係る第1の
製造法におけるアリールヒドラゾン(III)と同様にして
合成される。
【0072】すなわち、アリールヒドラジン(IV)(また
は、その無機酸の塩)とホルムアルデヒドとを、無触媒
下、酸触媒存在下または塩基触媒存在下に、溶媒中で反
応させてアリールヒドラゾン(III)を合成している。
また、本発明に係る第2の製造法においても、前記第1
の製造法と同様、アリールヒドラゾン(III)製造用原
料のアリールヒドラジン(IV)に代えて、「アリールヒド
ラジンの無機酸の塩」を用いることができるが、この場
合、第2の製造法においては、塩基とホルムアルデヒド
と「アリールヒドラジンの無機酸の塩」とを反応させ
る。そして得られたアリールヒドラゾン(III)を含む
反応液からアリールヒドラゾン(III)を単離すること
なく、該反応液を下記アリールトリアゾリノン類(I)
の合成に用いることが好ましい。
【0073】なお、このアリールヒドラジン(IV)または
その無機酸の塩、塩基、酸触媒、ならびに溶媒としては
前述の第1の製造法の「アリールヒドラゾン(III)の合
成」に記載のものを同様の条件で用いることができる。
ただし、これら反応溶媒はアリールヒドラジン(IV)1モ
ル当たり、300〜3000mlの範囲で使用されるこ
とが好ましい。
【0074】<アリールトリアゾリノン類(I)の合成>
本発明に係るアリールトリアゾリノン類(I)の第1の製
造法で好ましく用いられるアリールトリアゾリノン類
(I)の生成工程では、上記のようにして得られたアリー
ルヒドラゾン(III)を含む反応液に、シアン酸アルカリ
金属塩(アルカリ金属シアナート)と、プロトン源とし
ての酸好ましくは有機酸とを添加し、さらに、無触媒下
または脱水素反応工程のための酸化触媒存在下に、反応
液に酸素を導入(添加)することにより、目的とするア
リールトリアゾリノン類(I)を生成させている。
【0075】このアリールトリアゾリノン類(I)の生成
工程は、約−10℃〜+100℃、好ましくは、約0℃
〜+60℃の温度、1〜24時間、好ましくは、約1〜
10時間で実施すればよい。上記アリールヒドラゾン(I
II)と上記シアン酸アルカリ金属塩とは、理論的には等
モルで使用すればよいが、アリールヒドラゾン(III)1モ
ルに対してシアン酸アルカリ金属塩は、通常、1〜5モ
ル、好ましくは、1〜3モル量で使用される。
【0076】上記シアン酸アルカリ金属塩としては、上
記第1の製造法のアリールトリアゾリジノン(II)の合
成工程で用いたと同様のものが挙げられ、好ましくは、
シアン酸ナトリウム(ナトリウムシアナート)およびシ
アン酸カリウム(カリウムシアナート)が望ましい。上記
プロトン源としての酸としては、上記第1の製造法のア
リールトリアゾリジノン(II)の合成工程で用いたと同
様のものが挙げられる。これら酸類は、シアン酸アルカ
リ金属塩と理論的には同じ当量で使用すればよいが、シ
アン酸アルカリ金属塩1モルに対して、通常、0.5〜
3.0モル、好ましくは0.5〜1.1モル量で用いら
れる。
【0077】また、上記酸化触媒としては、具体的に
は、例えば、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第一鉄、臭
化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コバルト、臭
化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバル
ト、塩化ニッケルなどの鉄族の塩;鉄(III)アセチル
アセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート、コ
バルト(II)ビス(サリシリデン)エチレンジアミン、ヘキ
サアンミンニッケル(II)塩化物などの鉄族の錯体;白
金、パラジウムなどの白金族;塩化パラジウム、酢酸パ
ラジウム、酸化白金などの白金族の塩;クロロ(トリフ
ェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウムなどの白金族の錯体;塩化
銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、硫酸
銅、酢酸銅などの銅塩;銅(II)アセチルアセトナート、
ビスエチレンジアミン銅などの銅錯体;塩化亜鉛などの
亜鉛塩;トリス(エチレンジアミン)亜鉛などの亜鉛錯
体;五酸化二バナジウムなどのバナジウム塩;酸化バナ
ジウムアセチルアセトナートなどのバナジウム錯体;塩
化セリウム、ヨウ化サマリウムなどの希土類の塩などが
挙げられる。これらの触媒は1種または2種以上組み合
わせて用いられる。本発明では、これらの酸化触媒のう
ちでは、2価の銅塩すなわち硫酸銅、酢酸銅などが好ま
しい。これら酸化触媒は、アリールヒドラゾン(III)1
00モル%に対し、0.01〜10モル%、好ましくは
0.1〜1モル%の量で使用される。
【0078】上記脱水素反応工程における酸素の導入
(添加)は、反応系を酸素雰囲気下に置換するか、ある
いは酸素を反応液中に吹き込むか、あるいは空気を反応
溶液中に吹き込むことにより行われる。また、酸素添加
時の反応系の圧力としては、通常、1〜10気圧(1×
103〜1×104hPa)、好ましくは1〜3気圧(1×
103〜3×103hPa)である。
【0079】上記溶媒としては、上記第1の製造法のア
リールトリアゾリジノン(II)の合成工程で用いた溶媒と
同様のものが使用でき、例えば、有機溶媒と水との同様
の混合溶媒が使用される。またこれら溶媒はアリールヒ
ドラゾン(III)1モル当たり、100〜5000ml、好
ましくは300〜4000mlの量で使用される。この
ようなアリールトリアゾリノン類(I)の生成工程は、同
一の反応器に各反応段階で必要な成分を順次添加するこ
とにより、いわゆるバッチ式で行われることが望まし
い。
【0080】反応完了後、用いられた混合溶媒中の有機
溶媒は、反応混合物から留去され、次のアリールトリア
ゾリノン類(I)の製造に再使用可能である。目的のアリ
ールトリアゾリノン類(I)は、通常の分液操作を経て単
離されるか、あるいは有機溶媒留去後、目的物(I)を水
中に沈殿させ、濾過にて分取される。得られた目的物
(I)は、必要により、さらにカラムクロマトグラフィー
や再結晶などの手段を利用して精製してもよい。
【0081】また、目的物(I)の別の単離精製方法とし
ては、上記のようにして反応液から有機溶媒を留去した
後、無機塩基の水溶液を加え、アリールトリアゾリノン
類(I)を水に溶解させた後、これを有機溶媒で洗浄す
る。その後、塩酸などの鉱酸を加えアリールトリアゾリ
ノン類(I)の塩を中和することにより、目的物(I)が析
出する。析出した結晶を濾過および水洗することにより
高純度のアリールトリアゾリノン類(I)を得ることがで
きる。
【0082】このようにして得られた、アリールトリア
ゾリノン類(I)は、農薬、医薬の製造用原料などとし
て、好適に使用される。
【0083】
【発明の効果】本発明に係るアリールトリアゾリノン類
(I)の第1の製造法では、反応は比較的低温で進行し
て短時間で完結し、高収率で目的化合物のアリールトリ
アゾリノン類(I)を得ることができる。最終目的生成
物であるアリールトリアゾリノン類(I)の単離は、例
えば、溶媒を留去することにより容易に行われる。
【0084】本発明の好ましい態様において、上記全工
程(第一〜第三段階)をワンポットで実施する場合に
は、少量のエネルギーを使用して進行させることがで
き、その結果、低コストで、精製された目的化合物であ
るアリールトリアゾリノン類を提供できる。また本発明
のアリールトリアゾリノン類の製造法は、大規模な工業
的実施に好適であり、工業的に有利な方法である。
【0085】特に、本発明に係るアリールトリアゾリノ
ン類(I)の第2の製造法は、前記脱水素工程において
酸素酸化反応を用いることにより、従来の次亜ハロゲン
酸塩、ハロゲン類などによる酸化反応を用いる合成法に
比べて、より安全かつ温和な条件下で、簡便かつ低コス
トで目的化合物であるアリールトリアゾリノン類(I)を
得ることができる。
【0086】本発明の好ましい態様において、酸素酸化
による脱水素反応工程は目的化合物中間体のアリールト
リアゾリジノン(II)の生成工程と同一容器中で並行して
行えるため、反応時間の短縮となり、大規模な工業的実
施に好適であり、工業的に有利な方法である。
【0087】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により
何ら制限されるものではない。
【0088】
【実施例1】<1−フェニル−1,2,4−トリアゾー
ル−5−オンの製造>2L容量の4つ口フラスコ中で、
第三級ブタノール250mlとフェニルヒドラジン54
gを攪拌し、得られた溶液を氷水浴にて5℃に冷却し、
酢酸0.1gを加え、そして36%ホルムアルデヒド水
溶液43.8gを20分間かけて滴下した。滴下後、氷
水冷下に反応混合物を15分間攪拌した。その後、水1
00ml中に入れられたナトリウムシアナート35.8
gのスラリーを一度に添加した。添加によって反応混合
物の温度は10℃上昇した。
【0089】ナトリウムシアナートの添加完了後、反応
混合物を5℃に冷却し、そして酢酸39gを10分かけ
て滴下した。滴下後、氷水冷浴をはずし、室温(24
℃)下に反応混合物を約2時間攪拌した。2時間の攪拌
後、反応混合物を約10℃に冷却し、塩素ガス39gと
水酸化ナトリウム44.3gの水溶液から調製した次亜
塩素酸ナトリウムの12%溶液335gを、50分かけ
て滴下した。滴下後、氷水冷のまま反応混合物を60分
間攪拌し、さらに室温で5時間攪拌した。
【0090】攪拌中に褐色の結晶が析出し、析出した結
晶を濾過によって集め、300mlの水で洗った。結晶
を風乾し、標記の目的化合物68.5g(収率85%)
を得た。融点182〜183℃であった。
【0091】
【実施例2】<1−(2,4−ジクロロフェニル)−
1,2,4−トリアゾール−5−オンの製造>2L容量
の4つ口フラスコに第三級ブタノール250mlと2,
4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩50gを加え窒
素置換した。25℃ において、水酸化ナトリウム9.
8gを水49mlに溶解させた水酸化ナトリウム水溶液
を加えた。10分ほど攪拌した後、氷水冷し10℃にお
いて36%ホルムアルデヒド水溶液20.5gを10分
間かけて滴下した。滴下後、30分間氷水冷下に攪拌し
た。
【0092】10℃で、水80ml中に懸濁したナトリ
ウムシアナート20.1gを滴下ロートを用いて、一度
に加えた。水10mlを用いて、滴下ロートに付着して
いるナトリウムシアナートを洗い、洗液をフラスコ内に
流し込んだ。次いで、ナトリウムシアナートを加えた
後、直ちに酢酸18.4gを10分かけて滴下した。
【0093】次いで、氷水冷浴をはずし、室温下に2時
間攪拌した。この間に反応温度は5℃程度上昇し、ゆっ
くりと室温(25℃)に戻った。再び、氷水冷し10℃
下に5%次亜塩素酸ソーダ水溶液357gを40分間か
けて滴下した。滴下後、氷水冷のまま1時間攪拌し、さ
らに室温で4時間攪拌した。攪拌中に褐色の結晶が析出
し、析出結晶を濾過して水洗した。結晶を、風乾し、標
記の目的化合物46.8g(収率87%)を得た。融点
188〜189℃であった。
【0094】
【実施例3】<1−(2−メチルフェニル)−1,2,
4−トリアゾール−5−オンの製造>5L容量の4つ口
フラスコ中で、第三級ブタノール1000mlと2−メ
チルフェニルヒドラジン塩酸塩238gを攪拌し、得ら
れた溶液に、20℃において、水酸化ナトリウム63g
を水300mlに溶解させた水酸化ナトリウム水溶液
を、加えた。15分ほど攪拌した後、氷水浴にて5℃に
冷却し、そして36%ホルムアルデヒド水溶液131g
を45分間かけて滴下した。滴下後、氷水冷下に反応混
合物を20分間攪拌した。その後、水600ml中に入
れられたナトリウムシアナート117gのスラリーを1
度に加えた。添加によって反応混合物の温度は15℃上
昇した。ナトリウムシアナート添加後、反応混合物を5
℃に冷却し、そして酢酸110gを20分かけて滴下し
た。滴下後、氷水冷浴をはずし、室温下に反応混合物を
約3時間攪拌した。
【0095】3時間の攪拌後、反応混合物を約10℃に
冷却し、次亜塩素酸ナトリウムの12%溶液1000g
を、90分かけて滴下した。滴下後、氷水冷のまま反応
混合物を60分間攪拌し、さらに室温で5時間攪拌し
た。次に、攪拌下に、反応混合物を約100℃に徐々に
加熱することにより反応混合物から第三級ブタノールを
留去し、濃縮した。しばらくして固化した残留物を濾過
により集め、1000mlの水で洗った。得られた粗結
晶を乾燥し、さらに500mlのジイソプロピルエーテ
ルで洗って、標記の目的化合物207g(収率79%)
を得た。融点148〜149℃であった。
【0096】
【実施例4】<1−(2,4−ジクロロフェニル)−
1,2,4−トリアゾール−5−オンの製造>2Lの4つ
口フラスコに、水酸化ナトリウム30gを水170ml
で溶解し、t-ブチルアルコール700mlを加えた。水
冷し20℃において36%ホルムアルデヒド水溶液59
gを添加後、2,4-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1
37gを10分かけて加えた。添加後、2時間20℃で
撹拌した。氷水冷浴で10℃としカリウムシアナート1
44gと水150mlおよび酢酸銅(II)・1水和物37
0mgを一度に加えた。反応容器内を酸素で置換し、直
ちに酢酸109gと水100mlの混合物を20分かけ
て滴下した。滴下終了後、酸素雰囲気下10℃で5時間
撹拌し、さらに55℃で3時間攪拌した。
【0097】反応混合物からt-ブチルアルコールを減圧
下に留去し、濃縮した。これに、トルエン200mlを
加え、40%水酸化ナトリウム水溶液60mlで3回抽
出、水層をトルエン200mlで2回洗い、濃塩酸20
0mlを添加、析出した結晶を濾過し、水200mlで
2回洗い、乾燥した。標記の目的化合物130g(収率
88%)を得た。融点188〜189℃であった。
【0098】
【実施例5】<1−(2,4−ジクロロフェニル)−
1,2,4−トリアゾール−5−オンの製造>2Lの4つ
口フラスコに20℃においてt-ブチルアルコール700
mlと水170ml中に36%ホルムアルデヒド水溶液
59gと酢酸0.1gを添加後、2,4-ジクロロフェニル
ヒドラジン113gを10分かけて加え、添加後2時間
撹拌した。氷水冷浴で10℃としカリウムシアナート1
44gと水150mlおよび酢酸銅(II) ・1水和物37
0mgを一度に加えた。反応溶液に空気を吹き込み、直
ちに酢酸109gと水100mlの混合物を20分かけ
て滴下した。滴下終了後、空気を吹き込みながら10℃
で8時間撹拌し、さらに55℃で3時間攪拌した。
【0099】反応混合物からt-ブチルアルコールを減圧
下に留去し、濃縮した。固体化した残存物を濾過により
集め、400mlの水で洗った。粗結晶を乾燥し、標記
の目的化合物137g (収率93%)を得た。トルエン
で再結晶すると、融点188〜189℃を示した。
【0100】
【実施例6〜31】実施例4、実施例5と同様にして、
置換基の異なるアリールトリアゾリノン類を合成した。
そのアリールトリアゾリノン類の構造と融点を表1に示
す。
【0101】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 田 健 神奈川県平塚市出縄222番地の4 (72)発明者 楠 雅 幸 神奈川県厚木市戸田1417−15 ベルメゾン 103 (72)発明者 保 原 智 神奈川県厚木市妻田南一丁目21番41−411 号 Fターム(参考) 4H039 CA42 CC60 CH40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): 【化1】 (式(I)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の低
    級アルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが2
    以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも異
    なっていてもよい。)に示すアリールトリアゾリノン類
    を製造するに際して、一般式(II): 【化2】 (式(II)中、X、nは、式(I)中のものと同じ。)
    で示すアリールトリアゾリジノンを、酸化剤で脱水素処
    理する工程を有することを特徴とするアリールトリアゾ
    リノン類の製造法。
  2. 【請求項2】予め、一般式(III): 【化3】 (式(III)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の
    低級アルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが
    2以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも
    異なっていてもよい。)に示すアリールヒドラゾンを、
    シアン酸アルカリ金属塩および酸と反応させて前記一般
    式(II)に示すアリールトリアゾリジノンを形成させ、
    その反応液からこのアリールトリアゾリジノンを単離す
    ることなく、次いで、該反応液に、無触媒下または酸化
    触媒存在下に酸化剤を添加して、請求項1に記載の、ア
    リールトリアゾリジノンの酸化剤での脱水素処理工程を
    行う請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】上記酸化剤が、ハロゲン、次亜ハロゲン
    酸、次亜ハロゲン酸塩、過マンガン酸塩、過酸化水素、
    過酸類、アルキルヒドロパーオキシド、硝酸、ジメチル
    スルホキシド、酸素のうちの何れかである請求項1また
    は2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】予め、一般式(IV): 【化4】 (式(IV)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の低級
    アルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが2以
    上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも異な
    っていてもよい。)に示すアリールヒドラジンを、無触
    媒下、酸触媒存在下または塩基触媒存在下にホルムアル
    デヒドと反応させて、前記一般式(III)に示すアリール
    ヒドラゾンを形成させ、その反応液から該アリールヒド
    ラゾン(III)を単離することなく、得られた反応液にシ
    アン酸アルカリ金属塩および酸を添加して、請求項2に
    記載の、アリールヒドラゾン(III)のシアン酸アルカリ
    金属塩および酸との反応工程を行う請求項2に記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】上記アリールヒドラジン(IV)に代えて、ア
    リールヒドラジンの無機酸の塩を用い、塩基で処理する
    請求項4に記載の製造法。
  6. 【請求項6】一般式(I): 【化5】 (式(I)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の低級
    アルキル基を示し、nは0〜5までの整数を示す。nが
    2以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも
    異なっていてもよい。)に示すアリールトリアゾリノン
    類を製造するに際して、一般式(III): 【化6】 (式(III)中、X、nは、式(I)中のものと同じ)に
    示すアリールヒドラゾンに、シアン酸アルカリ金属塩お
    よび酸を添加し、さらに無触媒下あるいは酸化触媒存在
    下に、酸素を添加し、一般式(II): 【化7】 (式(II)中、X、nは、式(I)中のものと同じ。)に示
    すアリールトリアゾリジノン(II)の生成反応工程と、該
    反応工程により生成したアリールトリアゾリジノン(II)
    の脱水素反応工程を並行して行うことを特徴とするアリ
    ールトリアゾリノン類(I)の製造法。
  7. 【請求項7】一般式(IV): 【化8】 (式(IV)中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6の低級
    アルキル基を示し、nは0〜5までの整数を示す。nが
    2以上の整数を示す場合、複数個のXは互いに同一でも
    異なっていてもよい。)に示すアリールヒドラジンを、
    無触媒下、酸触媒存在下または塩基触媒存在下で、ホル
    ムアルデヒドと反応させて、前記一般式(III)に示す
    アリールヒドラゾンを形成させ、その反応液から該アリ
    ールヒドラゾン(III)を単離することなくシアン酸ア
    ルカリ金属塩および酸を添加し、さらに無触媒下あるい
    は酸化触媒存在下に、酸素を添加する請求項6に記載の
    アリールトリアゾリノン類(I)の製造法。
  8. 【請求項8】前記アリールヒドラジン(IV)に代えて、ア
    リールヒドラジンの無機酸の塩を用い、かつ、該塩をホ
    ルムアルデヒドと塩基と反応させ、前記一般式(III)
    に示すアリールヒドラゾンを形成させ、その反応液から
    該アリールヒドラゾン(III)を単離することなくシア
    ン酸アルカリ金属塩および酸を添加し、さらに無触媒下
    あるいは酸化触媒存在下に、酸素を添加する請求項6に
    記載のアリールトリアゾリノン類(I)の製造法。
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