JP2000086637A - ピラゾール化合物及びその製造法 - Google Patents

ピラゾール化合物及びその製造法

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Abstract

(57)【要約】 ピラゾール化合物及びその製造法 【課題】 医薬および農薬の製造中間体及びその製
造法を提供する。 【解決手段】 式: 【化1】 〔式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはハロゲン原子、
OCOCF3またはORを表し、R及びR1はC1〜C4
ルキル基を表し、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル
基を表す。〕で表わされるピラゾール化合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬等の生
理活性物質の製造中間体として有用なピラゾール化合物
の新規製造法及び新規なピラゾール化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
【0003】
【化16】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
Xはハロゲン原子を表わす〕で表わされるピラゾール化
合物は、WO97/40009に、殺虫殺ダニ活性化合
物の製造中間体として有用であることが記載されてい
る。
【0004】5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオ
ロメチル−4−ピラゾールカルボン酸の製造法として
は、J.Heterocyclic Chem.,2
7,243(1990)に5−ピラゾロン化合物をビル
スマイヤー反応に付した後、過マンガン酸カリで酸化す
る方法が記載されている。しかし、工業的な製造を考慮
した場合、ビルスマイヤー反応は、リン酸を含んだ排水
の処理等問題が多い。
【0005】1−アルキル−5−ハロ−3−トリフルオ
ロメチル−4−メチルピラゾール類は従来知られておら
ず、従って、その合成法も知られていない。
【0006】5−アミノ−3−トリフルオロメチル−4
−メチルピラゾールは従来知られておらず、従って、そ
の合成法も知られていない。
【0007】1−アルキル−5−アミノ−3−トリフル
オロメチル−4−メチルピラゾール類の合成法として
は、J.Chem.Res.,Synop.198(1
995)に3−オキソ−4、4、4−トリフルオロ−2
−メチルブタンニトリルと、メチルヒドラジンを反応さ
せる方法が記載されている。しかし、この方法は高価な
メチルヒドラジンを使用している。
【0008】トリフルオロ酢酸誘導体とプロピオニトリ
ルから3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2−メ
チルブタンニトリルを得る方法としては、例えば、
(1)J.Chem.Res.,Synop.476
(1995)には、トリフルオロ酢酸エチルとプロピオ
ニトリルを水素化ナトリウム存在下に反応させる方法
が、また、(2)特開昭62−96479及び特開昭6
3−264448にはトリフルオロ酢酸メチルとプロピ
オニトリルをリチウムジイソプロピルアミド存在下に反
応させる方法が記載されている。しかし、工業的な製造
を考慮した場合、水素化ナトリウムやリチウムジイソプ
ロピルアミドの使用は経済面及び安全性の面から問題が
多く、他の工業的製造法が求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は以下の〔1〕乃至
〔5〕記載の製造法並びに〔6〕及び〔7〕記載の新規
化合物に関するものである。 〔1〕 塩基としてt−ブトキシカリウムを用いて、式
(1): CF3COY 〔式中、Yはハロゲン原子、OCOCF3またはOR
(RはC1〜C4のアルキル基を表わす。)を表す。〕で
表わされるトリフルオロ酢酸誘導体と、式(2): CH3CH2CN で表わされるプロピオニトリルを反応させることを特徴
とする、式(3):
【0011】
【化17】 で表わされる化合物の製造法(以下、A工程と称す
る。)。 〔2〕 式(3):
【0012】
【化18】 で表される化合物と、ヒドラジンを反応させることを特
徴とする、式(4):
【0013】
【化19】 で表されるピラゾール化合物の製造法(以下、B工程と
称する。)。 〔3〕 式(4):
【0014】
【化20】 で表されるピラゾール化合物を、塩基の存在下でアルキ
ル化剤と反応させ、アルキル化することを特徴とする、
式(5):
【0015】
【化21】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表わされる
ピラゾール化合物の製造法(以下、C工程と称す
る。)。 〔4〕 式(4):
【0016】
【化22】 または式(5):
【0017】
【化23】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表されるピ
ラゾール化合物を、鉱酸または有機酸の存在下亜硝酸供
給源を用いてジアゾニウム塩とし、次いで触媒作用のあ
るハロゲン供給源の存在下、または触媒及びハロゲン供
給源の存在下でジアゾ分解することを特徴とする式
(7):
【0018】
【化24】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合
物の製造法(以下、D工程と称する。また、R2がC1〜C4
アルキル基の場合はD1工程と称し、R2が水素原子の場
合はD2工程と称する。)。 〔5〕 式(7):
【0019】
【化25】 〔式中、R2水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、X
はハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物
を酸化することを特徴とする、式(8):
【0020】
【化26】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
Xはハロゲン原子を表す。〕で表わされるピラゾール化
合物の製造法(以下、E工程と称する。)。 〔6〕 式(4):
【0021】
【化27】 で表わされるピラゾール化合物。 〔7〕 式(7):
【0022】
【化28】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合
物。
【0023】なお、式(3):
【0024】
【化29】 で表される化合物と式(6): R1−NHNH2 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表わされる
アルキルヒドラジンを反応させることにより式(5):
【0025】
【化30】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕のピラゾール
化合物を製造する方法を、以下、F工程と称する。
【0026】各工程の関係は、式
【0027】
【化31】 として表すことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明では、上記A工程〜F工程
を複数連続して実施してもよく、例えば、A工程→B工
程(A工程を実施後、次いでB工程を実施することを意
味する。以下、同様に記載する。)、B工程→C工程、
A工程→B工程→C工程、A工程→F工程、C工程→D
1工程、B工程→C工程→D1工程、A工程→B工程→
C工程→D1工程、F工程→D1工程、A工程→F工程
→D1工程、B工程→D2工程、A工程→B工程→D2
工程、D工程→E工程、C工程→D1工程→E工程、B
工程→C工程→D1工程→E工程、A工程→B工程→C
工程→D1工程→E工程、F工程→D1工程→E工程、
A工程→F工程→D1工程→E工程、B工程→D2工程
→E工程及びA工程→B工程→D2工程→E工程が挙げ
られる。
【0029】式(1)、(5)、(6)、(7)及び
(8)におけるR、R1、R2、X及びYの例を説明す
る。R、R1及びR2の定義におけるC1〜C4のアルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
so−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、
sec−ブチル基及びtert−ブチル基があげられ
る。X及びYの定義におけるハロゲン原子としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子があげら
れる。
【0030】(A工程)A工程における式(3)の化合
物は、は式
【0031】
【化32】 で表わされる互変異性形で存在しうる。また、式(3)
の化合物は式
【0032】
【化33】 で表わされる水和物としても存在する。
【0033】A工程における式(2)のプロピオニトリ
ルの使用量は、式(1)のトリフルオロ酢酸誘導体1モ
ルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.9
〜5モルを用いる。反応に用いるt−ブトキシカリウム
の使用量は、式(1)のトリフルオロ酢酸誘導体1モル
に対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜3モル
を用いる。
【0034】A工程は、反応に不活性な溶媒中で行うこ
とができ、溶媒としてはベンゼン及びトルエン等の芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン及
び1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジ
メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等
のアミド類、 t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、
スルホラン並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反
応温度は、通常−30℃〜150℃、好ましくは0℃か
ら100℃の範囲で行う。反応終了後は、反応液を塩酸
等で酸性にした後、適当な有機溶媒で抽出することで、
目的物を得ることができる。また必要に応じて反応溶媒
を減圧留去等で除去後に同様の操作を行い、目的物を得
ることもできる。また、この物は、蒸留、カラムクロマ
トグラフィー等の精製法によって精製することができ
る。
【0035】(B工程)B工程における無置換ヒドラジ
ンは、水和物、水溶液及び塩酸塩や硫酸塩のような無機
塩の形でも使用できる。無置換ヒドラジンの使用量は、
基質1モルに対して通常0.5〜10モル、好ましくは
0.8〜5モルの範囲で使用できる。反応温度は通常−
10〜200℃、好ましくは10〜150℃の範囲で行
われる。
【0036】(C工程)C工程におけるアルキル化剤と
しては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化
エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化プロピル、臭
化プロピル、ヨウ化プロピル、塩化イソプロピル、臭化
イソプロピル、ヨウ化イソプロピル、塩化ブチル、臭化
ブチル、ヨウ化ブチル、塩化イソブチル、臭化イソブチ
ル、ヨウ化イソブチル、塩化sec−ブチル、臭化se
c−ブチル及びヨウ化sec−ブチル等のハロゲン化ア
ルキル類、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、炭酸ジメチル
及びギ酸メチル等のエステル類が挙げられる。アルキル
化剤の使用量は基質1モルに対して、通常、0.5〜2
0の範囲、好ましくは0.5〜5モルの範囲が良い。
【0037】C工程における塩基としては水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、水素化リチウム、金属ナトリウ
ム、金属カリウム、金属リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシ
ウム等の無機塩基並びにナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキ
シド、t−ブトキシカリウム、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ブチルリチウム及びリチウム
ジイソプロピルアミド等の有機塩基が挙げられる。塩基
の使用量は基質1モルに対して、通常0.5〜20モル
の範囲が良い。C工程における反応温度は、通常−10
〜200℃の範囲が採用される。
【0038】(F工程)F工程における式(6)のアル
キルヒドラジンは、水溶液及び塩酸塩や硫酸塩のような
無機塩の形でも使用できる。式(6)のアルキルヒドラ
ジンの使用量は、基質1モルに対して通常0.5〜10
モル、好ましくは0.8〜5モルの範囲で使用できる。
反応温度は通常−10〜200℃、好ましくは10〜1
50℃の範囲で行われる。
【0039】(B、C及びF工程)B工程、C工程及び
F工程における反応は、無溶媒でも可能であるが、溶媒
も使用できる。溶媒としては、ヘキサン及びヘプタン等
の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン及び1,1,1−ト
リクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、
トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン及び3,4−ジクロロトルエ
ン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類、アニソール及び
1,2−ジメトキシベンゼン等のアルコキシ置換芳香族
炭化水素類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、
メチルターシャリーブチルエーテル、エチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテ
ル類、メタノール、エタノール、ブタノール及びアミル
アルコール等のアルコール類並びにN,N−ジメチルホル
ムアミド及びアセトニトリル等の非プロトン極性溶媒が
挙げられる。上記溶媒の2種以上を混合または分散して
も使用できる。また、場合によっては水との2層系で反
応を行うこともできる。
【0040】反応終了後は必要に応じて溶媒を減圧留去
後、反応混合物中に水を加え、有機溶媒で抽出すること
で目的物を得ることができる。また、この物は、再結晶
及びカラムクロマトグラフィー等の精製法によって精製
することができる。
【0041】(D工程)D工程は式(4)または式
(5)のアミノピラゾール化合物をジアゾニウム塩に誘
導するジアゾ化工程、及び生成したジアゾニウム塩を分
解して式(7)のピラゾール化合物を得る分解工程から
なっている。
【0042】
【化34】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
Xはハロゲン原子を表す。〕 ジアゾ化工程で用いられる酸としては、例えば、塩酸、
臭化水素酸、硫酸及びリン酸等の鉱酸並びに酢酸等の有
機酸を用いることができるが、鉱酸を用いるのが好まし
い。またこれらの混合物を用いてもよい。
【0043】ジアゾ化工程の温度は通常−30〜50
℃、好ましくは−10℃〜室温の範囲で行われる。
【0044】亜硝酸供給源としては、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸カルシウム等の亜硝酸
塩、塩化ニトロシル、三二酸化窒素及び一酸化窒素等の
無機化合物、亜硝酸アミル、亜硝酸t−ブチル及び亜硝
酸メチル等の亜硝酸エステルを用いることができるが、
亜硝酸塩を用いるのが好ましい。
【0045】亜硝酸供給源の使用量は、基質1モルに対
して0.5〜10モル、好ましくは0.8〜3モルの範
囲が良い。
【0046】分解工程では塩化銅、酢酸銅、銅粉及び硫
酸銅と食塩との混合物等の銅系触媒並びに二酸化イオウ
をジアゾ分解触媒として用いて分解を行う。ジアゾ分解
触媒として塩化銅のようなハロゲン供給源を用いない場
合は、塩酸、臭化水素酸及びヨウ化カリウム等のハロゲ
ン供給源を添加するか、ジアゾニウム塩の合成時に塩酸
及び臭化水素酸、HBF4等の存在下で行う。
【0047】分解工程の温度は通常−30〜80℃、ジ
アゾニウムテトラフルオロボラートの熱分解(Schi
emann反応)の場合は室温〜200℃の範囲で行わ
れる。
【0048】(E工程)E工程における酸化方法として
は、1)過マンガン酸カリウム、2)活性二酸化マンガ
ン、3)二クロム酸塩、4)酸化クロム(VI)、5)酸
化鉛(IV)、6)硝酸酸化及び7)触媒存在下での酸素
酸化等が挙げられる。以下にそれぞれについて、詳しく
述べる。
【0049】1)過マンガン酸カリウムの使用量は、式
(7)のピラゾール1モルに対して、通常0.5〜10
モル、好ましくは1.0〜5モルの範囲が良い。反応温
度は室温〜150℃、好ましくは50℃〜120℃の範
囲が良い。反応は無溶媒でも可能であるが、溶媒を用い
ることもできる。溶媒としては、水が一般的であるが反
応に対して安定なものであれば用いることができる。例
としてアセトン、酢酸及びピリジンなどが挙げられる。
また、それらと水との混合溶媒を用いることもできる。
反応は中性条件以外に、塩酸及び硫酸等の鉱酸並びに酢
酸を添加した酸性条件や、水酸化ナトリウム及び水酸化
カリウム等の無機塩基並びにピリジン等の有機塩基を添
加した塩基性条件下でも行うことができる。
【0050】2)活性二酸化マンガンの使用量は、式
(7)のピラゾール1モルに対して、通常1〜30モ
ル、好ましくは2〜20モルの範囲が良い。反応温度は
0℃〜150℃、好ましくは室温〜120℃の範囲が良
い。反応は無溶媒でも可能であるが、溶媒を用いること
もできる。溶媒としては、反応に対して安定なものであ
れば用いることができる。一般的にはヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素及び1,1,1−トリクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン及びキシレ
ン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン及び3,4−ジクロロトルエン等のハロゲン置換
芳香族炭化水素類、アニソール及び1,2−ジメトキシ
ベンゼン等のアルコキシ置換芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルターシャリー
ブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン及びジオキサン等のエーテル類及び酢酸エチ
ル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及び
メチルイソブチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド並びに硫酸等が挙
げられる。上記溶媒の2種以上を混合または分散しても
使用できる。
【0051】3)二クロム酸塩としては、二クロム酸カ
リウム(K2Cr27)と二クロム酸ナトリウム(Na2
Cr27)が挙げられる。二クロム酸塩の使用量は、式
(7)のピラゾール1モルに対して、通常0.8〜10
モル、好ましくは1〜5モルの範囲が良い。反応温度は
0℃〜300℃の範囲が良い。反応は無溶媒でも可能で
あるが、溶媒を用いることもできる。溶媒としては、反
応に対して安定なものであれば用いることができる。一
般的には、水、硫酸及び酢酸等が用いられる。上記溶媒
の2種以上を混合または分散しても使用できる。濃硫酸
を使用する場合、用いる量は、二クロム酸塩に対して通
常1〜10モル倍、好ましくは1〜6モル倍の範囲が良
い。
【0052】4)酸化クロム(VI)の使用量は、式
(7)のピラゾール1モルに対して、通常0.8〜10
モルの範囲が良い。反応温度は0℃〜150℃の範囲が
良い。反応は無溶媒でも可能であるが、溶媒を用いるこ
ともできる。溶媒としては、反応に対して安定なもので
あれば用いることができる。一般的には、水、硫酸、酢
酸及び無水酢酸等が用いられる。上記溶媒の2種以上を
混合または分散しても使用できる。
【0053】5)酸化鉛(IV)の使用量は、式(7)の
ピラゾール1モルに対して、通常0.8〜20モルの範
囲が良い。反応温度は0℃〜300℃の範囲が良い。反
応は無溶媒でも可能であるが、溶媒を用いることもでき
る。溶媒としては、反応に対して安定なものであれば用
いることができる。一般的には、水及び酢酸等の低級脂
肪酸が用いられる。上記溶媒の2種以上を混合または分
散しても使用できる。また、水を溶媒として用いる場
合、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等を添加
して反応をおこなうこともできる。
【0054】6)硝酸酸化では、通常希硝酸あるいは濃
硝酸の形で、溶媒も兼ねて反応が行われる。希硝酸ある
いは濃硝酸の使用量は、式(7)のピラゾール1重量部
に対して、通常1〜30重量部の範囲が良い。反応温度
は0℃〜300℃の範囲が良い。反応は加圧条件下で行
うこともできる。圧力の範囲としては、常圧〜50MP
aが良い。
【0055】7)触媒存在下での酸素酸化に使用される
金属化合物触媒としては、ギ酸コバルト、酢酸コバル
ト、オクチル酸コバルト及びナフテン酸コバルト等の有
機酸コバルト塩、コバルトアセチルアセトナト等のキレ
ート化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバ
ルト及び炭酸コバルト等のコバルト塩、ギ酸マンガン、
酢酸マンガン、オクチル酸マンガン及びナフテン酸マン
ガン等の有機酸マンガン塩、マンガンアセチルアセトナ
ト等のキレート化合物、塩化マンガン、臭化マンガン、
ヨウ化マンガン及び炭酸マンガン等のマンガン塩、ギ酸
セリウム、酢酸セリウム、オクチル酸セリウム及びナフ
テン酸セリウム等の有機酸セリウム塩、セリウムアセチ
ルアセトナト等のキレート化合物、塩化セリウム、臭化
セリウム、ヨウ化セリウム、炭酸セリウム等のセリウム
塩、ギ酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オクチル酸
ジルコニウム及びナフテン酸ジルコニウム等の有機酸ジ
ルコニウム塩、ジルコニウムアセチルアセトナト等のキ
レート化合物並びに塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウ
ム、ヨウ化ジルコニウム及び炭酸ジルコニウム等のジル
コニウム塩等が挙げられ、これらの化合物が単独に、ま
たは組み合せて触媒として使用されるが、反応性、経済
性等を考慮すると、コバルトおよび/またはマンガンの
化合物を用いることが好ましい。
【0056】またもう一方の触媒成分である臭素化合物
としては、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化アンモニウム、臭素、臭化水素、四臭化炭素、
ブロモホルム、二臭化エチレン、臭化メチル及び臭化エ
チル等の無機、有機の臭素化合物を用いることができ
る。汎用性、経済性及び反応性等を考慮すると臭化ナト
リウム、臭化カリウム及び臭化アンモニウム等の塩類ま
たは臭化水素を用いることが好ましい。また前述の金属
成分との塩として、臭化コバルト、臭化マンガン及び臭
化セリウム等を用いることも好ましい。これら金属およ
び臭素の触媒としての使用量は、式(7)のピラゾール
化合物に対して、各々0.001〜20モル%の範囲で
選択するが、特に0.01〜10モル%が好ましい。実
際にはこの濃度範囲の中で、最適な反応活性が得られる
ように、各成分の触媒組成を調整することが、経済的に
も好ましい。例えば、ピラゾール化合物に対して、酢酸
コバルト0.5〜5モル%、酢酸マンガン0.01〜1モ
ル%、臭化ナトリウム0.5〜10モル%である触媒組
成、酢酸セリウム0.5〜5モル%、酢酸マンガン0.0
1〜1モル%、臭化ナトリウム0.5〜10モル%であ
る触媒組成及び臭化コバルト0.5〜5モル%、臭化マ
ンガン0.01〜1モル%である触媒組成等は、極めて
優れた反応の活性と選択性を有している。
【0057】また、前記の金属触媒及び臭素化合物を用
いない系として、t−BuOK/DMSOを使用するも
のがある。反応に用いる酸素含有ガスとしては、純酸素
ガスでも、純酸素または空気を反応に不活性なガスで希
釈した酸素含有ガスのいずれも用いることができる。反
応に不活性な希釈ガスとしては、窒素、アルゴン及び炭
酸ガス等が挙げられるが、汎用性から窒素ガスを用いる
ことが好ましく、一般には空気または空気に酸素または
窒素を添加して、所望の酸素ガス濃度としたものを用い
ることが好ましい。
【0058】反応中のガス全圧としては、通常常圧〜2
0Mpa、操作性、安全性等を考慮すると常圧〜10M
paの範囲から選択することが好ましい。また酸素ガス
分圧としては、0.01〜10Mpaの範囲で選択する
が、一般には常圧〜5Mpaが好ましい。反応温度は8
0〜300℃、生産性、安全性等を考慮すると、100
〜250℃で行なうことが好ましい。反応は、無溶媒で
も可能であるが、操作性、安全性の点から、溶媒を用い
て希釈条件下で行なうことが好ましい。溶媒としては、
反応に対して安定であるものであれば、用いることがで
きるが、一般には酢酸、プロピオン酸及び酪酸等の低級
脂肪酸類、特に酢酸が好ましい。
【0059】なお、上記A〜Fの各工程毎に目的物を精
製、単離せずに、任意の一連の工程を連続して実施する
こともできる。
【0060】
【実施例】以下、実施例をあげ本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】(A工程) 実施例1)t−ブトキシカリウム86.73gを乾燥THF
500mlに溶解し、充分に窒素置換した後、50℃に加
熱した中に、トリフルオロ酢酸エチル50.0g、プロ
ピオニトリル21.30g及び乾燥THF50mlの混合
溶液を1.5時間で滴下した。同じ温度を保ちながらさ
らに5時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。溶媒留去
後の反応液に、35%塩酸70ml及び水500mlを加え
酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。水層から酢酸エ
チルで2回抽出後、先の有機層と合わせて水で洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽出液704.43
gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的の
3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブ
タンニトリルが37.05g含まれていた。これはトリ
フルオロ酢酸エチルを基準にして収率70%であった。
この抽出液を減圧溶媒留去した後、減圧蒸留を行い、7
1.5〜75.5℃/20mmHgの留分25.55g
(GC分析値95.4%)及び76〜80℃/20mm
Hgの留分11.13g(GC分析値90.0%)を得
た。
【0062】実施例2)t−ブトキシカリウム8.67
gを乾燥THF50mlに溶解し、充分に窒素置換した後、
50℃に加熱した中に、トリフルオロ酢酸メチル4.5
1g、プロピオニトリル4.26g及び乾燥THF5ml
の混合溶液を1.5時間で滴下した。同じ温度を保ちな
がらさらに5時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。溶
媒留去後の反応液に、35%塩酸5ml及び水100mlを
加え酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。水層から酢
酸エチルで2回抽出後、先の有機層と合わせて水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽出液をガスクロ
マトグラフィーで分析したところ、目的の3−オキソ−
4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブタンニトリル
が3.67g含まれていた。これはトリフルオロ酢酸メ
チルを基準にして収率69%であった。
【0063】実施例3)t−ブトキシカリウム5.13
gを乾燥トルエン100mlに溶解し、充分に窒素置換し
た後、50℃に加熱した中に、トリフルオロ酢酸エチル
5g、プロピオニトリル4.26g及び乾燥トルエン5
mlの混合溶液を1時間で滴下した。同じ温度を保ちな
がらさらに5時間撹拌した後、反応液に35%塩酸5ml
及び水100mlを加え酸性にした後、有機層を分離し
た。水層から酢酸エチルで2回抽出後、先の有機層と合
わせて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽
出液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的
の3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル
ブタンニトリルが2.55g含まれていた。これはトリ
フルオロ酢酸エチルを基準にして収率48%であった。
【0064】実施例4)t−ブトキシカリウム8.67
gをt−ブタノール50mlに溶解し、充分に窒素置換し
た後、プロピオニトリル2.13gを加えた。 上記の
混合液を50℃に加熱した中に、トリフルオロ酢酸エチ
ル5g及びt−ブタノール5mlの混合溶液を1時間で
滴下した。同じ温度を保ちながらさらに5時間撹拌した
後、溶媒を減圧留去した。溶媒留去後の反応液に35%
塩酸7ml及び水100mlを加え酸性にした後、酢酸エチ
ルで抽出した。水層から酢酸エチルで2回抽出後、先の
有機層と合わせて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、抽出液をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、目的の3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−
2−メチルブタンニトリルが3.57g含まれていた。
これはトリフルオロ酢酸エチルを基準にして収率67%
であった。
【0065】実施例5)t−ブトキシカリウム8.67
gを乾燥THF50mlに溶解し、充分に窒素置換した後、
室温でトリフルオロ酢酸エチル5g、プロピオニトリル
2.13g及び乾燥THF5mlの混合溶液を1時間で滴
下した。その後、室温で3日間撹拌した後、溶媒を減圧
留去した。溶媒留去後の反応液に、35%塩酸5ml及び
水100mlを加え酸性にした後、酢酸エチルで抽出し
た。水層から酢酸エチルで2回抽出後、先の有機層と合
わせて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽
出液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的
の3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル
ブタンニトリルが3.27g含まれていた。これはトリ
フルオロ酢酸エチルを基準にして収率62%であった。
【0066】実施例6)乾燥THF25mlにトリフルオロ
酢酸クロリド4.73gを室温で吹き込み、溶解させた
ところに、プロピオニトリル2.13gを加えた。 t−
ブトキシカリウム8.67gを乾燥THF30mlに溶解し
た中に上記の混合液を、30℃以下になるように冷却し
ながら2時間で滴下した。室温で1時間撹拌後、溶媒を
減圧留去した。溶媒留去後の反応液に、1N塩酸水溶液
70mlと水30mlを加え酸性にした後、酢酸エチルで抽
出した。水層から酢酸エチルで2回抽出後、先の有機層
と合わせて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、抽出液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、目的の3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2
−メチルブタンニトリルが5.24g含まれていた。こ
れはトリフルオロ酢酸クロリドを基準にして収率97%
であった。
【0067】実施例7)t−ブトキシカリウム8.67
gを乾燥THF30mlに溶解し、充分に窒素置換した後、
室温で無水トリフルオロ酢酸7.39g、プロピオニト
リル2.13g及び乾燥THF25mlの混合溶液を2時
間で滴下した。室温で1.5時間撹拌した後、溶媒を減
圧留去した。溶媒留去後の反応液に、35%塩酸7ml及
び水100mlを加え酸性にした後、酢酸エチルで抽出し
た。水層から酢酸エチルで2回抽出後、先の有機層と合
わせて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽
出液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的
の3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル
ブタンニトリルが1.06g含まれていた。これは無水
トリフルオロ酢酸を基準にして収率20%であった。
【0068】(B工程) 実施例8)3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−2
−メチルブタンニトリル5.0g(0.0331mo
l)をエタノール50mlに溶解した中に、ヒドラジン
水和物1.99gを加え、加熱還流下で4時間反応させ
た。室温にもどした後、水を加え、減圧で溶媒を留去し
た。酢酸エチルで抽出した後、水層から酢酸エチルで抽
出し、先の有機層と合わせて水で洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、析出した黄色結
晶をイソプロピルエーテルとn−ヘキサンの混合溶媒で
洗浄することにより、目的の5−アミノ−3−トリフル
オロメチル−4−メチルピラゾールを収率83%で得
た。このものは、融点125℃の結晶で、60MHzの
1H−NMR(測定溶媒:CDCl3、内部標準物質:T
MS)を測定したところ、δ1.98にメチル基、δ
4.0〜δ4.5付近にアミノ基のシグナルが観測され
た。
【0069】(C工程)実施例9) 5−アミノ−3−トリフルオロメチル−4−メチルピラ
ゾール0.5g(3.03mmol)をTHF5mlに溶
解した中に、t−ブトキシカリウム0.37gを室温で
加え、5分間撹拌した。混合溶液中に、ヨウ化メチル
0.52gを室温で加えた後、同じ温度で一晩撹拌し
た。反応液を水に注いだ後、クロロホルムで抽出した。
水層からクロロホルムで抽出した後、先の有機層と合わ
せて水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽出
液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目
的の5−アミノ−1,4−ジメチル−3−トリフルオロ
メチルピラゾールが49%の収率で得られていた。
【0070】実施例10)5−アミノ−3−トリフルオ
ロメチル−4−メチルピラゾール0.5g(3.03m
mol)をTHF5mlに溶解した中に、60%水素化ナ
トリウム0.13gを室温で加え、15分間撹拌した。
混合溶液中に、ジメチル硫酸0.46gを室温で加えた
後、同じ温度で一晩撹拌した。反応液を水に注いだ後、
クロロホルムで抽出した。水層からクロロホルムで抽出
した後、先の有機層と合わせて水で洗浄した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、抽出液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、目的の5−アミノ−1,4−ジ
メチル−3−トリフルオロメチルピラゾールが39%の
収率で得られていた。
【0071】(F工程) 実施例11)3−オキソ−4,4,4−トリフルオロ−
2−メチルブタンニトリル20.0g(0.1325m
ol)をエタノール200mlに溶解した中に、98%
メチルヒドラジン7.70gを加え、加熱還流下で4時
間反応させた。室温にもどした後、水を加え、減圧で溶
媒を留去した。酢酸エチルで抽出した後、水層から酢酸
エチルで抽出し、先の有機層と合わせて水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、析出
した結晶をn−ヘキサンで洗浄することにより、目的の
5−アミノ−1,4−ジメチルー3−トリフルオロメチ
ルピラゾールを収率82%で得た。このものは、融点7
0.7℃の白色結晶であった。
【0072】(D工程)実施例12)5−アミノ−1,
4−ジメチル−3−トリフルオロメチルピラゾール5.
0g(0.0279mol)を35%塩酸水溶液25ml
に溶解した中に、亜硝酸ナトリウム2.5gを水5mlに
溶解した液を、10℃以下で滴下した。同じ温度で30
分撹拌後、尿素0.33gを加え、過剰の亜硝酸ナトリ
ウムを分解した。その後、スラリー状態のジアゾニウム
液を、SO2ガス0.9gを1、2−ジクロルエタン4
0mlに溶解した中に10℃以下で分注した。室温まで徐
々に昇温した後、1時間撹拌した。反応液を水で希釈
後、1、2−ジクロルエタンで抽出した。水層から1、
2−ジクロルエタンで2回抽出し、先の有機層と合わ
せ、水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽出
液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目
的の5−クロル−1,4−ジメチル−3−トリフルオロ
メチルピラゾールが85%の収率で得られていた。溶媒
を減圧留去した後、減圧蒸留を行った。105〜106
℃/80mmHgの留分が、目的の5−クロル−1,4
−ジメチル−3−トリフルオロメチルピラゾールであっ
た。60MHzの1H−NMR(測定溶媒:CDCl3
内部標準物質:TMS)を測定したところ、δ2.10
とδ3.83にメチル基のシグナルが観測された。
【0073】実施例13)5−アミノ−1,4−ジメチ
ル−3−トリフルオロメチルピラゾール1.0g(5.
59mmol)を35%塩酸水溶液5mlに溶解した中
に、亜硝酸ナトリウム0.5gを水3mlに溶解した液
を、10℃以下で滴下した。同じ温度で30分撹拌し
た。塩化第一銅0.55gを35%塩酸水溶液3mlと
1,2−ジクロルエタン8mlに溶解した中に、先のスラ
リー状態のジアゾニウム液を30〜35℃で分注した。
同じ温度で1時間撹拌後、水で希釈し、酢酸エチルで抽
出した。水層から酢酸エチルで抽出し、先の有機層と合
わせ、水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、抽
出液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、
目的の5−クロル−1,4−ジメチル−3−トリフルオ
ロメチルピラゾールが59%の収率で得られていた。
【0074】(E工程) 実施例14)内容量100mlのチタン製オートクレー
ブに、5−クロル−1,4−ジメチル−3−トリフルオ
ロメチルピラゾール1.99g(10mmol)、酢酸
コバルト・2水塩63.9mg(3.0mol%)、酢酸
セリウム・1水塩25.1mg(0.75mol%)、臭
化ナトリウム61.7mg(6.0mol%)及び酢酸4
0mlを仕込み、空気を2Mpa圧入し、撹拌しながら
昇温して、温度175℃に達した時点で純酸素により、
全圧を3.5Mpaに調整した。その後、圧力を保つよ
うに酸素を供給し、合計6時間反応を行なった。冷却
後、反応液を取り出して、高速液体クロマトグラフィー
で分析を行なった結果、原料の5−クロル−1,4−ジ
メチル−3−トリフルオロメチルピラゾールの転化率は
96.7%であり、生成物として5−クロル−1−メチ
ル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾールカルボン
酸が95.5%の収率で得られていた。
【0075】実施例15)内容量100mlのチタン製
オートクレーブを用いて、臭化ナトリウム61.7mg
(6.0mol%)の代わりに臭化水素酸(47%)1
03.3mg(6.0mol%)を用いた以外は、実施例
14)と全く同様に反応を行なった。高速液体クロマト
グラフィーでの分析の結果、原料の5−クロル−1,4
−ジメチル−3−トリフルオロメチルピラゾールの転化
率は99.1%であり、生成物として5−クロル−1−
メチル−3−トリフルオロメチル−4−ピラゾールカル
ボン酸が97.0%の収率で得られていた。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基としてt−ブトキシカリウムを用い
    て、式(1): CF3COY 〔式中、Yはハロゲン原子、OCOCF3またはOR
    (RはC1〜C4のアルキル基を表わす。)を表す。〕で
    表されるトリフルオロ酢酸誘導体と、式(2): CH3CH2CN で表されるプロピオニトリルを反応させることを特徴と
    する、式(3): 【化1】 で表わされる化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 式(3): 【化2】 で表される化合物と、ヒドラジンを反応させることを特
    徴とする、式(4): 【化3】 で表されるピラゾール化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造法により得られる式
    (3)で表される化合物を用いる請求項2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】 式(4): 【化4】 で表されるピラゾール化合物を、塩基の存在下でアルキ
    ル化剤と反応させ、アルキル化することを特徴とする、
    式(5): 【化5】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表わされる
    ピラゾール化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の製造法により得られる式
    (4)で表されるピラゾール化合物を用いる請求項4記
    載の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の製造法により得られる式
    (4)で表されるピラゾール化合物を用いる請求項4記
    載の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の製造法により得られる式
    (3)で表される化合物と、式(6): R1−NHNH2 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表わされる
    アルキルヒドラジンを反応させることを特徴とする、式
    (5): 【化6】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表されるピ
    ラゾール化合物の製造法。
  8. 【請求項8】 式(4): 【化7】 または式(5): 【化8】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表されるピ
    ラゾール化合物を、鉱酸または有機酸の存在下亜硝酸供
    給源を用いてジアゾニウム塩とし、次いで触媒作用のあ
    るハロゲン供給源の存在下、または触媒及びハロゲン供
    給源の存在下でジアゾ分解することを特徴とする、式
    (7): 【化9】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
    Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合
    物の製造法。
  9. 【請求項9】 式(4)または式(5)で表されるピラ
    ゾール化合物として、請求項4記載の製造法により得ら
    れる式(5)〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕
    で表される化合物を用いる請求項8記載の製造法。
  10. 【請求項10】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、請求項5記載の製造法により得
    られる式(5)〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表
    す。〕で表される化合物を用いる請求項8記載の製造
    法。
  11. 【請求項11】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、請求項6記載の製造法により得
    られる式(5)〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表
    す。〕で表される化合物を用いる請求項8記載の製造
    法。
  12. 【請求項12】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、式(3): 【化10】 で表される化合物と、式(6): R1−NHNH2 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表されるア
    ルキルヒドラジンを反応させて得られる、式(5): 【化11】 〔式中、R1はC1〜C4アルキル基を表す。〕で表されるピ
    ラゾール化合物を用いる請求項8記載の製造法。
  13. 【請求項13】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、請求項7記載の製造法により得
    られる式(5)の化合物を用いる請求項8記載の製造
    法。
  14. 【請求項14】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、請求項2記載の製造法により得
    られる式(4)の化合物を用いる請求項8記載の製造
    法。
  15. 【請求項15】 式(4)または式(5)で表されるピ
    ラゾール化合物として、請求項3記載の製造法により得
    られる式(4)の化合物を用いる請求項8記載の製造
    法。
  16. 【請求項16】 式(7): 【化12】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
    Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合
    物を酸化することを特徴とする、式(8): 【化13】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
    Xはハロゲン原子を表す。〕で表わされるピラゾール化
    合物の製造法。
  17. 【請求項17】 請求項8記載の製造法により得られる
    式(7)〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基
    を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾ
    ール化合物を用いる請求項16記載の製造法。
  18. 【請求項18】 請求項9記載の製造法により得られる
    式(7)〔式中、R2はC1〜C4アルキル基を表し、Xはハ
    ロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を用
    いる請求項16記載の製造法。
  19. 【請求項19】 請求項10記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2はC1〜C4アルキル基を表し、Xは
    ハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を
    用いる請求項16記載の製造法。
  20. 【請求項20】 請求項11記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2はC1〜C4アルキル基を表し、Xは
    ハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を
    用いる請求項16記載の製造法。
  21. 【請求項21】 請求項12記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2はC1〜C4アルキル基を表し、Xは
    ハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を
    用いる請求項16記載の製造法。
  22. 【請求項22】 請求項13記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2はC1〜C4アルキル基を表し、Xは
    ハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を
    用いる請求項16記載の製造法。
  23. 【請求項23】 請求項14記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2は水素原子を表し、Xはハロゲン
    原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を用いる請
    求項16記載の製造法。
  24. 【請求項24】 請求項15記載の製造法により得られ
    る式(7)〔式中、R2は水素原子を表し、Xはハロゲン
    原子を表す。〕で表されるピラゾール化合物を用いる請
    求項16記載の製造法。
  25. 【請求項25】 R1及びR2がメチル基であり、Xが塩素
    原子である請求項4乃至13または16乃至22記載の
    ピラゾール化合物の製造法。
  26. 【請求項26】 式(4): 【化14】 で表わされるピラゾール化合物。
  27. 【請求項27】 式(7): 【化15】 〔式中、R2は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、
    Xはハロゲン原子を表す。〕で表されるピラゾール化合
    物。
  28. 【請求項28】 R2メチル基であり、Xが塩素原子であ
    る請求項27記載のピラゾール化合物
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