JP2002178464A - 緩衝機能性フィルムおよびそれを用いた包装容器 - Google Patents

緩衝機能性フィルムおよびそれを用いた包装容器

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JP2002178464A
JP2002178464A JP2000380997A JP2000380997A JP2002178464A JP 2002178464 A JP2002178464 A JP 2002178464A JP 2000380997 A JP2000380997 A JP 2000380997A JP 2000380997 A JP2000380997 A JP 2000380997A JP 2002178464 A JP2002178464 A JP 2002178464A
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Senzo Yoshida
千蔵 吉田
Toshihiro Fukuda
利弘 福田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、弾力性のほかアンチブロッキング性
にも優れ、緩衝機能性と共に取り扱い性にも優れた緩衝
機能性フィルムとそれを用いてなる緩衝機能を備えた包
装容器を提供する。 【解決手段】 緩衝機能性フィルム10を、シングルサイ
ト系触媒による密度0.860 〜0.900 g/cm3 のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体層1を中心層として、少な
くともその一方の面に密度0.910 〜0.930 g/cm3
線状低密度ポリエチレン層2を積層して構成し、その総
厚みに対する該エチレン・α−オレフィン共重合体層1
の厚み比率を75〜95%の範囲とし、総厚みは20〜300 μ
mの範囲とする。また、上記緩衝機能性フィルム10を、
例えば窓貼り状に貼り付けた中枠体を内容物の上下に用
いて、容器内で内容物を中吊り状態に保持するような形
状として緩衝機能を備えた包装容器を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩衝機能性フィル
ムおよびそれを用いた包装容器に関し、更に詳しくは、
柔軟性、弾力性、アンチブロッキング性に優れ、緩衝機
能性と共に取り扱い性にも優れ、包装容器に緩衝機能を
付与するために好適に使用できる緩衝機能性フィルム
と、それを用いてなる緩衝機能を備えた包装容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、包装容器に緩衝機能を付与するた
めに用いるフィルムとしては、強靱で且つ柔軟性、弾力
性に優れた熱可塑性ポリウレタン系エラストマーフィル
ムが主に使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性ポリウレタン系エラストマーフィルムは、特に、柔軟
性、弾力性に優れ、緩衝機能を付与する点では優れてい
るが、フィルム同士が密着してブロッキングしやすく、
また、伸びやすいため、単体での製膜および巻き取りな
どの取り扱いが難しい問題があった。
【0004】従って、対策として、熱可塑性ポリウレタ
ン系エラストマーを、例えばポリエチレンなどと共押し
出しして製膜し、巻き取る方法、或いは、製膜時にセパ
レート紙を重ねて巻き取る方法などが採られ、使用時に
前者の場合はポリエチレンなどのセパレートフィルムを
剥がし、また、後者の場合はセパレート紙を剥がして使
用されていた。
【0005】このようなセパレートフィルムまたはセパ
レート紙は、剥がした後廃棄されており、材料の損失で
あると同時に緩衝機能性フィルムのコストアップの要因
でもあり、経済性の面でも問題があった。本発明はこの
ような問題点を解決するためになされたものであり、そ
の目的とするところは、適度の強度を有し、柔軟性、弾
力性に優れると共に、アンチブロッキング性にも優れ、
セパレートフィルムやセパレート紙を用いる必要がな
く、単独で問題なく製膜し、巻き取ることができ、取り
扱いが容易で、緩衝機能性と共に経済性にも優れた緩衝
機能性フィルムと、それを用いた緩衝機能を備えた包装
容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、シングルサイト系触媒を用いて重合され
た密度が0.860〜0.900g/cm3 のエチレン
・α−オレフィン共重合体層の少なくとも一方の面に、
密度が0.910〜0.930g/cm3 の線状低密度
ポリエチレン層が積層された総厚みが20〜300μm
の積層フィルムであって、且つ、総厚みに対する前記エ
チレン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率が75〜
95%であることを特徴とする緩衝機能性フィルムから
なる。
【0007】上記において、シングルサイト系触媒を用
いて重合された密度が0.860〜0.900g/cm
3 のエチレン・α−オレフィン共重合体層は、柔軟性と
弾力性に優れており、積層フィルムに優れた緩衝機能性
を付与することができる。只、前記エチレン・α−オレ
フィン共重合体層単独ではアンチブロッキング性に劣る
ため、この欠点をカバーするために、少なくともその一
方の面に、密度が0.910〜0.930g/cm3
線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)層を積層した
ものである。
【0008】尚、前記密度が0.910〜0.930g
/cm3 の線状低密度ポリエチレン(L・LDPE)
は、比較的弾力性があり、且つ、アンチブロッキング性
に優れているので、前記エチレン・α−オレフィン共重
合体層の一方の面に積層するだけでも、その積層フィル
ムを巻き取った際、前記エチレン・α−オレフィン共重
合体層同士の接触がなくなり、ブロッキング防止の効果
はある程度得られるが、両方の面に積層することが、ブ
ロッキング防止の効果を一層向上でき、また、両面の滑
り性も向上できるので更に好ましい。
【0009】前記エチレン・α−オレフィン共重合体の
密度は、0.860〜0.900g/cm3 の範囲が好
ましく、密度が0.860g/cm3 未満の場合は、樹
脂が柔らかくなり過ぎ、強度が低下すると同時に製膜が
難しくなるため好ましくない。また、密度が0.900
g/cm3 を超える場合は、樹脂が硬くなり柔軟性、弾
力性が低下し、緩衝機能性が低下するため好ましくな
い。
【0010】また、前記線状低密度ポリエチレン(L・
LDPE)の密度は、0.910〜0.930g/cm
3 の範囲が好ましく、密度が0.910g/cm3 未満
の場合は、樹脂が柔らかくなり、アンチブロッキング性
が得られず、更に滑り性も悪くなりハンドリング適性に
劣るため好ましくない。また、密度が0.930g/c
3 を超える場合は、樹脂が硬くなり柔軟性、弾力性が
低下し、緩衝機能性に悪影響を及ぼすため好ましくな
い。
【0011】そして、前記エチレン・α−オレフィン共
重合体層と前記線状低密度ポリエチレン層の厚み比率
は、両者の総厚みに対する前記エチレン・α−オレフィ
ン共重合体層の占める厚み比率が75〜95%の範囲で
あることが好ましい。この厚み比率が75%未満の場合
は、緩衝機能性フィルムの柔軟性、弾力性が低下する結
果、包装する内容物に対するフィット性が低下し、十分
な緩衝機能性を得にくくなるため好ましくなく、また、
厚み比率が95%を超える場合は、前記線状低密度ポリ
エチレン層の厚みが薄くなりすぎ、安定した製膜が困難
になるため好ましくない。
【0012】このような緩衝機能性フィルムの厚みは、
20〜300μmの範囲が適当である。厚みが20μm
未満の場合は強度が不足し、ハンドリング適性にも劣る
ため好ましくなく、300μmを超える厚みは、強度が
強くなりすぎて緩衝機能性が損なわれ、また、包装容器
への取り付けなどの加工性も低下するため好ましくな
い。
【0013】従って、前記のような構成を採ることによ
り、柔軟性と弾力性に優れた前記エチレン・α−オレフ
ィン共重合体層により、主に緩衝機能性が付与され、前
記線状低密度ポリエチレン層により、適度の強度とアン
チブロッキング性が付与される。そして、総厚みに対す
るエチレン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率を7
5〜95%の範囲とすることにより、良好な緩衝機能性
と必要な強度を有し、且つ、アンチブロッキング性にも
優れ、セパレートフィルムやセパレート紙を用いること
なく、単独で良好に製膜し、巻き取り、使用することの
できる緩衝機能性フィルムを経済性よく提供することが
できる。
【0014】請求項2に記載した発明は、前記積層フィ
ルムが、共押し出しインフレーション成形法で製膜され
た積層フィルムであって、該積層フィルムの製膜時の流
れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向(TD)
の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び率)が0.
8〜1.2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載
の緩衝機能性フィルムからなる。
【0015】このような構成を採ることにより、前記請
求項1に記載した発明の作用効果に加えて、先ず、前記
積層フィルムを共押し出しインフレーション成形法で製
膜することにより、製造工程を短縮できると共に、上記
MDとTDの伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び
率)を0.8〜1.2の範囲に調整することも容易にな
り、緩衝機能性フィルムの生産性を向上させることがで
きる。また、前記積層フィルムのMDとTDの伸び率の
比率(MDの伸び率/TDの伸び率)を0.8〜1.2
の範囲とすることにより、積層フィルムの縦横の伸び率
のバランスがよくなり、形状の異なる内容物に対しても
フィット性、適応性がよくなるので安定して固定でき、
緩衝機能性フィルムの緩衝機能性を一層向上させること
ができる。
【0016】請求項3に記載した発明は、請求項1また
は2に記載の緩衝機能性フィルムを用いてなる包装容器
である。
【0017】上記の包装容器は、緩衝機能性を付与でき
る形態であればどのような形式でもよく、例えば、身蓋
形式などの段ボール製または板紙製などの箱状容器で、
内部に一対の本発明の緩衝機能性フィルムが窓貼り状に
取り付けられた中枠体を備え、収納される内容物を例え
ば上下から挟み込むように保持できるようにした形式、
或いは、下側には、段ボール製または発泡プラスチック
製などの中仕切り体を用い、上側のみに前記緩衝機能性
フィルムが窓貼り状に取り付けられた中枠体を用いて、
収納された内容物を上から押さえ付けて保持できるよう
にした形式などで緩衝機能を付与した包装容器とするこ
とができる。
【0018】従って、前記のような構成を採ることによ
り、前記請求項1または2に記載した発明の緩衝機能性
に優れると共に、使用時にセパレートフィルムなどを剥
がす必要もなく取り扱いが容易で経済性にも優れた緩衝
機能性フィルムを用いて包装容器を製造することができ
るので、緩衝機能性と経済性に優れた包装容器を生産性
よく提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1、図2は、それぞれ
本発明の緩衝機能性フィルムの一実施例の構成を示す模
式断面図である。また、図3は、本発明の緩衝機能性フ
ィルムを用いて製造された包装容器の一実施例の構成を
説明する模式断面図である。
【0020】図1は、本発明の緩衝機能性フィルムの一
実施例の構成を示す模式断面図であり、図1に示した緩
衝機能性フィルム10は、シングルサイト系触媒を用い
て重合した密度が0.860〜0.900g/cm3
エチレン・α−オレフィン共重合体層1の一方の面(図
では上側の面)に、密度が0.910〜0.930g/
cm3 の線状低密度ポリエチレン層2が積層された積層
フィルムで構成されている。
【0021】上記の積層フィルム、即ち、緩衝機能性フ
ィルム10の総厚みは、20〜300μmの範囲が適当
である。そして、その総厚みに対して前記エチレン・α
−オレフィン共重合体層1の占める厚み比率は75〜9
5%の範囲であることが、その柔軟性、弾力性を維持
し、緩衝機能性フィルム10に良好な緩衝機能性を付与
できる点で好ましい。
【0022】また、前記積層フィルム、即ち、緩衝機能
性フィルム10は、その製膜時の流れ方向(MD)と、
該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(M
Dの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲で
両者のバランスのよいこと、即ち、伸び率の比率が1に
近いことが、形状の異なる内容物に対してもフィットし
やすく内容物を安定して固定できる点で好ましい。この
ような緩衝機能性フィルム10は、多層(少なくとも2
層)共押し出しインフレーション成形法により容易に製
造することができる。
【0023】前記のような構成を採ることにより、緩衝
機能性フィルム10は、主体層である柔軟性と弾力性に
優れた前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1によ
り、主に緩衝機能性が付与され、その一方の面に積層さ
れた表面層の前記線状低密度ポリエチレン層2により、
アンチブロッキング性、滑り性などが付与される。従っ
て、セパレートフィルムなどを用いることなく、単独で
良好に製膜し、巻き取ることができ、取り扱いも容易
で、形状の異なる内容物に対しても適応性がよく、内容
物を安定して固定することができ、緩衝機能性および経
済性に優れた緩衝機能性フィルムを生産性よく提供する
ことができる。
【0024】尚、前記線状低密度ポリエチレン層2によ
る表面層は、先にも説明したように、前記エチレン・α
−オレフィン共重合体層1の一方の面に積層するだけで
も、例えば、緩衝機能性フィルム10を巻き取った時、
前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1同士が接触
することがなくなるので、そのブロッキングを防止する
ことができるが、更に、アンチブロッキング性と滑り性
を向上させて緩衝機能性フィルム10のハンドリング適
性を向上させるためには、前記エチレン・α−オレフィ
ン共重合体層1の両方の面に前記線状低密度ポリエチレ
ン層2を積層することが好ましい。
【0025】図2は、本発明の緩衝機能性フィルムの別
の一実施例の構成を示す模式断面図であり、図2に示し
た緩衝機能性フィルム20は、前記図1に示した緩衝機
能性フィルム10の構成において、シングルサイト系触
媒を用いて重合した密度が0.860〜0.900g/
cm3 のエチレン・α−オレフィン共重合体層1の一方
の面に積層した密度が0.910〜0.930g/cm
3 の線状低密度ポリエチレン層2を、もう一方の面にも
同じ密度が0.910〜0.930g/cm3の線状低
密度ポリエチレン層2′を追加して積層して構成したも
のである。
【0026】この場合も、上記の積層フィルム、即ち、
緩衝機能性フィルム20は、その総厚みが20〜300
μmの範囲であることが適当であり、また、その総厚み
に対して前記エチレン・α−オレフィン共重合体層1の
占める厚み比率は、75〜95%の範囲であることが前
記と同じ意味で好ましい。
【0027】また、前記積層フィルム、即ち、緩衝機能
性フィルム20は、その製膜時の流れ方向(MD)と、
該流れ方向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(M
Dの伸び率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲で
1に近く、両者のバランスのよいことが形状の異なる内
容物に対してもフィットしやすく内容物を安定して固定
できる点で好ましい。このような緩衝機能性フィルム2
0は、多層(少なくとも3層)共押し出しインフレーシ
ョン成形法により容易に製造することができる。
【0028】前記のような構成を採ることにより、緩衝
機能性フィルム20は、シングルサイト系触媒を用いて
重合した密度が0.860〜0.900g/cm3 のエ
チレン・α−オレフィン共重合体層1を主体層として、
その両方の面に密度が0.910〜0.930g/cm
3 の線状低密度ポリエチレン層2、2′が積層されてい
るので、その両方の面がアンチブロッキング性と滑り性
に優れたものとなる。従って、前記図1に示した緩衝機
能性フィルム10で説明した作用効果に加えて、その製
膜が一層容易で、且つ、ハンドリング適性にも一層優れ
た緩衝機能性フィルムを提供することができる。
【0029】図3は、本発明の緩衝機能性フィルムを用
いて製造された緩衝機能を備えた包装容器の一実施例の
構成を説明する模式断面図である。但し、包装容器は、
内部に内容物が収納された状態で示した。図3に示した
包装容器50は、身蓋形式の箱状容器の内部の中段に、
本発明の緩衝機能性フィルムが上下に対向するように固
定して取り付けられた構成であり、収納される内容物
は、上下の緩衝機能性フィルムの間に挟まれて中吊り状
態で保持され、衝撃から保護されるようにしたものであ
る。
【0030】即ち、包装容器50は、身蓋形式の段ボー
ル製または板紙などの箱状容器であって、身3と、それ
に被せるようにスライドさせて嵌合される蓋4からな
り、身3には、その中段に本発明の緩衝機能性フィルム
Fが窓貼り状に取り付けられた下側中枠体5が固定する
ように設けられ、また、蓋4には、その中段に本発明の
緩衝機能性フィルムFが窓貼り状に取り付けられた上側
中枠体6が固定するように設けられて構成されている。
【0031】そして、包装容器50に内容物Aを収納す
る際には、身3の下側中枠体5に窓貼り状に取り付けら
れた緩衝機能性フィルムFの中央部に内容物Aを置き、
その上から前記中段に緩衝機能性フィルムFが窓貼り状
に取り付けられた上側中枠体6が固定するように取り付
けられている蓋4を被せるようにスライドさせて嵌合さ
せることにより、内容物Aは上下から緩衝機能性フィル
ムF、Fで挟まれて中吊り状態で保持され、衝撃から保
護されるものである。上記緩衝機能性フィルムFの厚み
は、収納する内容物Aの寸法、形状、重量などに応じ
て、前記20〜300μmの範囲で適宜に決定すること
ができる。また、このような包装容器50は内容物を収
納し蓋4を被せた際、緩衝機能性フィルムFの反発力に
より、蓋4に、完全に嵌合させた位置から開こうとする
力が加わるため、図には示していないが、必要に応じて
包装容器全体をゴムバンドや紐で囲うか、別に用意した
筒状スリーブを被せるなどの手段で蓋4の戻りを防ぐこ
とが好ましい。
【0032】上記本発明の緩衝機能性フィルムFには、
図1、図2に示した構成の緩衝機能性フィルム10、2
0のいずれを用いてもよい。例えば、上下の緩衝機能性
フィルムF、Fに、緩衝機能性フィルム10または緩衝
機能性フィルム20を共通に用いてもよく、両者を組み
合わせて用いてもよい。また、図1に示した構成の緩衝
機能性フィルム10を用いる場合は、その線状低密度ポ
リエチレン層2面を外側に向け、アンチブロッキング
性、滑り性が改善されていないエチレン・α−オレフィ
ン共重合体層1面が内容物Aと接するように用いること
により、内容物Aの固定性が高められ緩衝機能性を向上
できる利点も得られる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。 (実施例1)緩衝機能性フィルムとして、密度が0.8
75g/cm3 のシングルサイト系触媒を用いて重合し
たエチレン・α−オレフィン共重合体層を中心層とし、
その両側の面に密度が0.917g/cm3 の線状低密
度ポリエチレン層が積層された3層構成の積層フィルム
を、共押し出しインフレーション成形法により、総厚み
が50μmで、中心層の厚みが40μm、両側の線状低
密度ポリエチレン層の厚みが各5μmとなるように製膜
して実施例1の緩衝機能性フィルムを作製した。
【0034】上記の緩衝機能性フィルムは、その総厚み
(50μm)に対する前記エチレン・α−オレフィン共
重合体層(厚み40μm)の厚み比率は80%であり、
柔軟性、弾力性に優れ、また、製膜時そのまま巻き取っ
てもブロッキングは生じなかった。また、製膜時のフィ
ルムの流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交する方向
(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの伸び
率)は0.9で両者のバランスはよかった。上記実施例
1の緩衝機能性フィルムを用いて、図3に示した構成の
包装容器を作製し、種々の形状の内容物を収納したとこ
ろ、内容物に対する緩衝機能性フィルムのフィット性は
よく、外観、緩衝機能性とも良好な包装が可能であっ
た。
【0035】(比較例1)前記実施例1の緩衝機能性フ
ィルムの構成において、中心層と両側の線状低密度ポリ
エチレン層の厚み比率のみを、中心層の前記エチレン・
α−オレフィン共重合体層の厚みが30μm、両側の線
状低密度ポリエチレン層の厚みが各10μmとなるよう
に変更したほかは、総て実施例1と同様に加工して比較
例1の緩衝機能性フィルムを作製した。上記緩衝機能性
フィルムの総厚み(50μm)に対する前記エチレン・
α−オレフィン共重合体層(厚み30μm)の厚み比率
は60%である。次いで、上記比較例1の緩衝機能性フ
ィルムを用いて、実施例1と同様に、図3に示した構成
の包装容器を作製し、種々の形状の内容物を収納したと
ころ、緩衝機能性フィルムが弾力性に欠け、内容物に対
するフィット性が悪く、緩衝機能性にも劣るため好まし
くなかった。
【0036】(比較例2)前記実施例1の緩衝機能性フ
ィルムの構成において、中心層に用いた前記エチレン・
α−オレフィン共重合体のみを、密度が0.915g/
cm3 の線状低密度ポリエチレンに変更したほかは、総
て実施例1と同様に加工して比較例2の緩衝機能性フィ
ルムを作製した。尚、上記緩衝機能性フィルムの製膜時
のフィルムの流れ方向(MD)と、該流れ方向に直交す
る方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び率/TDの
伸び率)は0.7であった。上記比較例2の緩衝機能性
フィルムを用いて、実施例1と同様に、図3に示した構
成の包装容器を作製し、種々の形状の内容物を収納した
ところ、緩衝機能性フィルムが弾力性に欠けるため、内
容物に対するフィット性が悪く、緩衝機能性にも劣り好
ましくなかった。
【0037】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、適度の強度を有し、柔軟性、弾力性に優れると
共に、アンチブロッキング性にも優れ、セパレートフィ
ルムやセパレート紙を用いる必要がなく、単独で問題な
く製膜し、巻き取ることができ、取り扱いも容易で、且
つ、緩衝機能性および経済性にも優れた緩衝機能性フィ
ルムと、それを用いた緩衝機能性および経済性に優れた
包装容器を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩衝機能性フィルムの一実施例の構成
を示す模式断面図である。
【図2】本発明の緩衝機能性フィルムの別の一実施例の
構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の緩衝機能性フィルムを用いた包装容器
の一実施例の構成を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 シングルサイト系触媒を用いて重合した密度が0.
86〜0.900g/cm3 のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体層 2、2′ 密度が0.910〜0.930g/cm3
線状低密度ポリエチレン層 3 身 4 蓋 5 下側中枠体 6 上側中枠体 A 内容物 F 緩衝機能性フィルム 10、20 緩衝機能性フィルム 50 包装容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E066 AA38 CA01 4F100 AK62A AK63B AK63C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA22 BA25 DA01 EH20 GB15 JA13A JA13B JA13C JK07 JK08A JK08B JK08C JK09 JK11 JL00 JL05 YY00A YY00B YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シングルサイト系触媒を用いて重合された
    密度が0.860〜0.900g/cm3 のエチレン・
    α−オレフィン共重合体層の少なくとも一方の面に、密
    度が0.910〜0.930g/cm3 の線状低密度ポ
    リエチレン層が積層された総厚みが20〜300μmの
    積層フィルムであって、且つ、総厚みに対する前記エチ
    レン・α−オレフィン共重合体層の厚み比率が75〜9
    5%であることを特徴とする緩衝機能性フィルム。
  2. 【請求項2】前記積層フィルムが、共押し出しインフレ
    ーション成形法で製膜された積層フィルムであって、該
    積層フィルムの製膜時の流れ方向(MD)と、該流れ方
    向に直交する方向(TD)の伸び率の比率(MDの伸び
    率/TDの伸び率)が0.8〜1.2の範囲にあること
    を特徴とする請求項1記載の緩衝機能性フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の緩衝機能性フィ
    ルムを用いてなる包装容器。
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