JP2002176863A - 農業用ネット - Google Patents

農業用ネット

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JP2002176863A
JP2002176863A JP2000382726A JP2000382726A JP2002176863A JP 2002176863 A JP2002176863 A JP 2002176863A JP 2000382726 A JP2000382726 A JP 2000382726A JP 2000382726 A JP2000382726 A JP 2000382726A JP 2002176863 A JP2002176863 A JP 2002176863A
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polylactic acid
agricultural
insect
agricultural net
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Hiroshi Ono
啓 小野
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
Koji Kodera
孝治 小寺
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易であり、必要な強度と伸度と
を有し、防虫、保温などの目的とする機能を効果的に達
成し、かつ使用後は生分解性に優れた農業用ネットを提
供すること。 【解決手段】 ポリ乳酸を主成分とするマルチフィラメ
ントで主として構成された編物でなる農業用ネット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸を主成分
とする生分解性に優れた農業用ネット、特に取り扱いが
容易であり、種々の用途に用いられる農業用ネットに関
する。本発明はまた、このようなネットであって、効果
的に害虫の被害を防ぐことの可能な防虫ネットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農作物の促成栽培、防虫、遮光な
どの目的で種々の農業用ネットが使用されている。特に
最近では無農薬あるいは減農薬栽培における野菜類、特
に葉菜類の害虫による食害を避けるため、防虫ネットが
利用されている。無農薬栽培は農作業時の作業環境を改
善し、人体に影響を与える農薬が残留しない野菜を供給
するという点から有意義であり、このようなネットが利
用される頻度も高くなる。このような防虫ネットとして
は、日よけ、防寒、防虫などに一般的に用いられる寒冷
紗やネット類が利用されている。
【0003】しかし、このような寒冷紗やネット類は一
般に硬く取り扱いに不便であり、かつ必ずしも目的とし
た害虫を防除するために適切な大きさの開口部を有する
製品が市販されているわけではない。
【0004】また、上記寒冷紗やネット類は、通常、ビ
ニロン、塩化ビニル、ポリエステルなどのほとんど生分
解しない高分子材料で形成されている。このような素材
の農業用資材は、使用後に放置されると環境汚染の原因
となる。これを回収・焼却するためには処理費用がかか
り、かつダイオキシンの発生などの問題が生じる。環境
問題を考慮するとこのような農業用資材は、使用後屋外
に放置あるいは土中に埋設することにより分解する生分
解性の素材で構成されていることが好ましい。しかし、
一般に生分解性の素材は高価であり、かつ強度などの必
要とされる物性を有していないことが多いなどの問題が
ある。
【0005】このように、目的に応じ所定の好適な性質
を有する農業用ネット、例えば、効果的に防虫が可能で
あり、取り扱いに便利であり、環境を考慮した生分解性
の素材でなる農業用ネットは、得られていないのが現状
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされ、その目的とするところ
は、取り扱いが容易であり、目的に応じ所定の好適な性
質を有する農業用ネットを提供することにある。本発明
の他の目的は、必要な強度と伸度とを有し、かつ使用後
は生分解性に優れるため処理の容易な農業用ネットを提
供することにある。本発明の他の目的は、上記優れた性
質を有し、使用時に目ずれや毛羽立ちを起こさず、しか
も洗濯収縮率の小さい農業用ネットを提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、上記優れた性質を有す
る農業用ネットであって、防虫ネットとして好適に用い
られるネットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の農業用ネット
は、ポリ乳酸を主成分とするマルチフィラメントで主と
して構成された編物でなる。
【0008】好適な実施態様においては、上記ポリ乳酸
のモノマー含有量は0.5重量%以下である。
【0009】好適な実施態様においては、上記編物はマ
ーキゼット構造を有する編目を含む。
【0010】好適な実施態様においては、上記編物の目
の数は1インチあたり12個以上である。
【0011】好適な実施態様においては、上記編物は熱
融着されていない。
【0012】本発明は、上記農業用ネットからなる防虫
ネットを包含する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の農業用ネットは、ポリ乳
酸を主成分とするマルチフィラメントで主として構成さ
れた編物でなる。
【0014】上記ネットに用いられるポリ乳酸の種類
は、特に限定されない。乳酸の重合体であるポリ乳酸の
いずれもが使用される。
【0015】このポリ乳酸は、好適には該ポリ乳酸を構
成する乳酸の95%以上がL体である、実質的に直鎖状
のポリマーである。このポリ乳酸の相対粘度は、好適に
は2.7〜3.9であり、あるいは重量平均分子量(M
w)が120,000〜220,000、数平均分子量
(Mn)が60,000〜110,000である。好適
には、このポリ乳酸中のモノマー量は0.5重量%以下
であり、錫(Sn)の含有量は30ppm以下である。
【0016】上記のようにポリ乳酸を構成する乳酸の9
5%以上、さらに好適には98%以上がL体であること
により、ポリ乳酸の結晶性が高くなる。その結果、紡糸
・延伸工程で配向度が高くなり、引っ張り強度が高く、
しかも沸水収縮率が小さいポリ乳酸のフィラメントが得
られる。
【0017】上記ポリ乳酸が直鎖状のポリマーであるこ
とにより、紡糸操業性が良好であり、高い引っ張り強度
が得られるという利点がある。
【0018】本発明に用いるポリ乳酸は、その重量平均
分子量(Mw)が上記のように、120,000〜22
0,000であり、数平均分子量(Mn)が60,00
0〜110,000であることが好ましい。分子量がこ
の範囲にあることにより優れた紡糸性および十分な引っ
張り強度が得られる。この範囲内であると紡糸時の分子
量の低下もなく、十分な引っ張り強度が得られるからで
ある。
【0019】本発明に用いるポリ乳酸は、上記のように
その相対粘度(ηrel)が2.7〜3.9であること
が好ましい。相対粘度が2.7以上であるとポリマーの
耐熱性が良好であり、十分な引っ張り強度が得られるか
らであり、3.9以下であると紡糸温度をあまり上げな
くてもよいため、熱劣化を生じるおそれがないからであ
る。
【0020】ポリ乳酸の相対粘度は、紡糸による低下率
が低い程良く、粘度低下率は7%以下であることが好ま
しい。このような場合には紡糸時のポリマーの分解がほ
とんど起こらず、紡糸時の糸切れの発生もないため紡糸
性が良く、延伸工程での引っ張り強度も特に強くなる。
【0021】本発明に用いるポリ乳酸は、ポリマー中の
Snの含有量が30ppm以下であることが好適があ
り、さらに好適には20ppm以下である。このSn
は、ポリ乳酸の製造時のSn系重合触媒に起因する。S
nの含有量が30ppm以下であると、紡糸時に解重合
が起きず、口金濾過圧の上昇もないため、紡糸操業性が
良いからである。Snの量を少なくする為には、重合時
に使用する触媒の量を少なくしたり、重合により得られ
るポリマーのチップを適当な液体で洗浄すればよい。
【0022】本発明に用いられるポリ乳酸は、好ましく
はモノマーの含有量が0.5重量%以下、さらに好まし
くは0.3重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以
下である。モノマー量が0.5重量%以下であると操業
性が良好であるからである。本発明に言うモノマーとは
後述するGPC分析により算出される分子量1000以
下の成分である。モノマー成分が熱により分解する為、
モノマー量が少ない程ポリ乳酸の耐熱性が向上すると考
えられるからである。
【0023】ポリ乳酸中のモノマー量を少なくする為に
は、重合反応の完了間際に反応槽を真空吸引して未反応
のモノマーを取り除く、重合により得られるポリマーの
チップを適当な液体で洗浄する、固相重合を行うなどの
方法が採用される。
【0024】本発明の農業用ネットに使用されるポリ乳
酸を主成分とするマルチフィラメントは、ポリ乳酸以外
の成分がブレンドされていてもよい。そのような成分と
しては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサク
シネートアジピン酸などのポリマーが挙げられる。ある
いは、ポリエチレングリコールなどの単量体と乳酸ある
いはラクチドとを共重合させて得られるポリ乳酸共重合
体を使用することも可能である。
【0025】上記ポリ乳酸、ポリ乳酸共重合体、あるい
はこれらと他のポリマーとの混合物は、通常の溶融紡糸
法などにより紡糸され、マルチフィラメントとされる。
このマルチフィラメントはまた、上記ポリ乳酸またはポ
リ乳酸共重合体を含む、異なる種類のフィラメントの集
合体であってもよい。
【0026】マルチフィラメントの構成も特に限定され
ないが、通常、6〜48本程度のマルチフィラメントと
され、該マルチフィラメントの太さは33〜167デシ
テックス(dtex)(30〜150デニール)である。得
られたマルチフィラメントの引っ張り強度は、3.5c
N/dtex(4g/d)以上であることが、実生産上
好ましい。マルチフィラメントとすることで通常問題と
なる単糸切れによる毛羽の発生がほとんど起こらない。
【0027】本発明の農業用ネットは、上記マルチフィ
ラメントで構成された編物でなる。編構造は特に限定さ
れない。本発明の農業用ネットは、マーキゼット構造、
チュール構造などのネット調編目を有する編物でなる。
好適にはマーキゼット構造を有する編目を含む編物でな
る。マーキゼット構造の編目を有することにより、使用
時に目ずれや伸縮によるオープニングの変形が極めて少
ない。
【0028】この編物の目の数は、好適には経緯方向と
も1インチあたり12個以上、さらに好適には25個以
上(目合いは好適には約2〜0.5mm、さらに好適に
は1mm以下、特に好適には0.7mm以下)である。
このような目の数(目合い)を有することにより、この
ネットを防虫ネットとして利用した場合に、一般に農作
物に食害を引き起こす害虫の侵入を阻止することが可能
である。特に、目合いを1mm以下、好適には0.7m
m以下とすることにより、アブラナ科野菜(コマツナ、
ハクサイ、チンゲンサイ、ダイコン、カブ)等の葉菜類
を食害するキスジノミハムシ、ハダニ、アブラムシ、コ
ナガ、ハイマダラノメイガなどを好適に排除することが
可能である。
【0029】本発明の農業用ネットは、好適には熱融着
されていない上記編物でなる。このことにより、やわら
かな風合いを有し、取り扱いがより容易となる。このネ
ットは、好適には、JIS1096、6.19.7のG
法によるドレープ係数が1.0以下であり、さらに好適
には0.8以下、特に好ましくは0.6以下である。
【0030】本発明の農業用ネットは、広く農業用に使
用される。例えば、このネットを用いて畑地にトンネル
栽培により葉菜類を好適に栽培することが行なわれる。
【0031】本発明の農業用ネットを用いると農作物を
食害する害虫の侵入を効果的に阻止できるため、防虫用
ネットとして利用することが可能であり、無農薬あるい
は減農薬栽培が容易である。また、播種した種子などを
食害する鳥類の侵入を阻止することができるため防鳥用
のネットとして用いることができる。このネットはマル
チフィラメントで主として構成された編物でなるため、
柔らかく、取り扱いの利便性に優れる。広い面積を有す
るネットも嵩高くならない。マルチフィラメントで構成
されているため毛羽が発生せず、そのため通気性および
雨水の通過性に優れる。さらに、繊維間の空隙に水分を
毛細管現象により保持することができ、保水性に優れ
る。
【0032】このネットの主成分であるポリ乳酸は、紫
外線透過性に優れ、かつ遠赤外線の透過率が低い。その
ため、日中は太陽光を透過し、ネット内の気温を高める
機能を有し、かつ、夜間および曇天の日には地温が低下
するのを防ぐ効果を有する。そのため、農作物の成長を
促進することが可能である。適切な物性を有するポリ乳
酸を選択することにより、例えば、ポリエステルやナイ
ロンと同等の強度および伸度を有するネットが得られ
る。ポリ乳酸は生分解性の素材であるため、使用後は土
中に埋設することにより容易に炭酸ガスと水とに分解さ
れ、環境を汚染することがない。
【0033】マーキゼット構造を有する編目を有するネ
ットは目寄れが発生しない。そのため使用中に目寄れに
よる編目の拡大により害虫が侵入することがない。目合
いを目的に応じて適切に設定することにより、高い防虫
効果が得られる。編物であるため、幅広いネット、例え
ば4m幅程度のネットの調製が容易であり、目的に応じ
た製品が得られる。
【0034】このように、本発明の農業用ネットは、広
く農業用に使用され、各種の農作物の生産に利用され得
る。特に農作物の防虫用ネットとして好適であり、さら
に防鳥用ネット、保温用ネット、防風用ネットなどとし
て使用することができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。
【0036】以下の実施例および比較例において、樹脂
の評価は以下のように行なった。
【0037】1.分子量およびモノマー量 樹脂試料を10mg/mLの濃度となるようにクロロホ
ルムに溶解させ、クロロホルムを溶媒としてGPC分析
を行なった。これにより重量平均分子量(Mw)および
数平均分子量(Mn)を算出した。検出器には示差屈折
計(RI)を用い、分子量の標準物質としてはポリスチ
レンを用いた。
【0038】分子量1000以下の成分量を測定し、そ
のポリマー中の割合をモノマー量とした。
【0039】2.相対粘度ηrel フェノール/テトラクロロエタン=60/40の混合溶
媒に試料を1g/dlの濃度になるよう溶解させ、20
℃でウべローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
【0040】3.Sn含有量 0.5gの試料を硫酸/硝酸により湿式灰化した。これ
を水で希釈して50ml溶液とし、ICP発光分析法に
より測定した。
【0041】4.引っ張り強度および破断伸度 島津製作所製の引っ張り試験機を用い、得られたマルチ
フィラメントの試料長20cm、引っ張り速度20cm
/分で引っ張り試験を行なった。試料が破断した強度を
引っ張り強度、破断したときの伸度を破断伸度とした。
【0042】5.マルチフィラメントの沸水収縮率 初期値50cmのマルチフィラメントの試料に200g
重の荷重をかけて、沸騰水中に15分間浸漬した。これ
を5分間風乾した後、試料長を測定した。次式により、
沸水収縮率を算出した。
【0043】沸水収縮率={(初期試料長−風乾後の試
料長)/初期試料長}×100
【0044】6.ネットの洗濯収縮率 JIS L 1042 G法により測定を行なった。
【0045】7.ネットの引っ張り強さ JIS L 1096 6.12.1 B法(グラブ
法)に準じて測定を行なった。
【0046】8.ネットの透光率 照度計としてトプコン1M−3(トプコン社製)を使用
し、ネットの透光率を測定した。測定は、照度が50,
000Lx以上の晴天時に行なった。ブランクおよびサ
ンプル装着時の測定値(XおよびS)を測定し、次式に
より透光率を算出した。
【0047】透光率(%)=S/X ×100
【0048】9.ネットの空隙率 スキャナーを用いて防虫ネットを直接画像データにした
後、画像解析ソフト(三谷商事(株)製MacSCOP
E)を用いて面積を計算することにより算出した。
【0049】(実施例1)表1の物性を有するポリ乳酸
A〜Dを準備した。
【0050】
【表1】
【0051】上記ポリ乳酸の各々を孔径0.25mmで
所定の孔数を有する紡糸ノズルより、空中に押出した。
3500m/分で巻き取った複数本のフィラメントを、
95℃にて2倍に延伸した後、140℃でセットし、各
々マルチフィラメントA、B、CおよびDとした。
【0052】得られたマルチフィラメントに含まれるフ
ィラメントの太さおよび数、マルチフィラメントの強
度、伸度、および沸水収縮率を表2に示す。表2におい
て、Tは、デシテックス(dtex)を示す(33T、56
T、および84Tは、各々30デニール、50デニー
ル、および75デニールに相当する)。
【0053】
【表2】
【0054】上記マルチフィラメントA〜Dを使用し
て、表3に示すマーキゼット構造の編目を有する防虫ネ
ット1〜7を作製した。これらのうち防虫ネット2のド
レープ係数(JIS1096、6.19.7のG法によ
る)を調べたところ、0.576であった。
【0055】
【表3】
【0056】上記防虫ネット1〜7のそれぞれを用い
て、下記のように、無農薬栽培試験を行なった。
【0057】夏季に、1区画約6mの畑地(日当たり
の良い露地)にコマツナをクリーンシーダーにより播種
した。直ちに防虫ネットを用いてトンネルがけを行な
い、農薬を全く使用せずに栽培を行なった。対照とし
て、防虫ネットを用いないこと以外は同様の条件で無農
薬栽培試験を行なった。
【0058】防虫ネット1〜7は、ゴワゴワした手触り
がなく柔らかであり、取り扱いが容易であった。尚、ポ
リ乳酸のモノマー含有率以外はほとんど同じ条件である
マルチフィラメントBとCとでは、繊維強度、伸度、お
よび沸水収縮率の点で、モノマー含有率の低いマルチフ
ィラメントBが勝っていた。そして、これらのマルチフ
ィラメントを使用し同条件で作製された防虫ネット2
(マルチフィラメントB使用)および防虫ネット7(マ
ルチフィラメントC使用)について比較すると、繊維強
度の高いマルチフィラメントBを使用した防虫ネット2
の方が、ネットの引っ張り強さの点で勝っていた。
【0059】17日後にコマツナを収穫し、その重量を
測定した。その結果を図1に示す。図1において白抜き
の表示は虫害があったことを示す。コマツナの草丈を測
定し、葉色を緑葉素計で測定した。その結果を図2に示
す。コマツナについた害虫の有無、およびその種類を表
4に示す。
【0060】上記害虫による食害の発生状況(虫害発生
度)を次の6段階で評価し、その結果を図3に示す。一
般に評価が3〜5では市場性がない。
【0061】 0:食害が全く認められない(市場性あり) 1:食害の割合が全葉面積の5%以下である(市場性あ
り) 2:食害の割合が全葉面積の5%を超え10%以下であ
る(市場性問題あり) 3:食害の割合が全葉面積の10%を超え20%以下で
ある(市場性なし) 4:食害の割合が全葉面積の20%を超え50%以下で
ある(市場性なし) 5:全葉面積の50%を超える部分が食害されている
(市場性なし)
【0062】(比較例)綿番手20番の単糸のビニロン
紡績糸で製造された寒冷紗(#クレモナ300;クラレ
(株)社製)を準備し、これを織物1とした。その物性
を表3に示す。織物1のドレープ係数(JIS109
6、6.19.7のG法による)は、1.016であっ
た。
【0063】織物1を用いて実施例1と同様の条件で無
農薬栽培試験を行なった。織物1は、ゴワゴワとした手
触りで取り扱いにくく、畑地への取り付けに手間がかか
った。また、使用後に折り畳んだ際にかさばり、収納性
が悪いものであった。
【0064】無農薬栽培の結果を図1〜3および表4に
示す。
【0065】
【表4】
【0066】上記のように、本発明のポリ乳酸を主成分
とするマルチフィラメントで主として構成された編物で
なる防虫ネットは、素材が柔らかであり取り扱いの利便
性に優れる。目的に応じた物性を有するポリ乳酸を選択
し、かつ適切な編目構造と目合いとを選択することによ
り、効果的に葉菜を食害する虫を排除することが可能で
ある。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、このように、素材が柔
らかであり毛羽立ちを起こさず、取り扱いの利便性に優
れ、かつ使用後は生分解性に優れるため廃棄が容易であ
る農業用ネットが得られる。目的に応じた物性を有する
ポリ乳酸を選択してこのネットを調製することにより、
ポリエステル、ナイロン繊維と同等の強度と伸度とを有
するネットが得られる。このネットを、目的に応じた編
目の種類および開口径を有するように調製することによ
り、防虫ネットとして好適に利用することが可能であ
る。このような防虫ネットは使用時に目ずれが起こら
ず、害虫の侵入を効果的に防止することができる。
【0068】本発明の農業用ネットは、防虫ネット、保
温用ネット、防鳥用ネット、防風ネットなどとして、特
に防虫ネットとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防虫ネットおよび従来の農業用寒冷紗
を用いて、コマツナの無農薬栽培を行なった際の該コマ
ツナの収穫量を比較するグラフである。
【図2】本発明の防虫ネットおよび従来の農業用寒冷紗
を用いて、コマツナの無農薬栽培を行なった際の該コマ
ツナの草丈および葉色を比較するグラフである
【図3】本発明の防虫ネットおよび従来の農業用寒冷紗
を用いて、コマツナの無農薬栽培を行なった際の虫害発
生度を比較するグラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2B024 DA04 DB04 2B121 AA12 BB27 EA26 FA05 FA12 FA16 4L002 AA07 AB02 AC00 CB02 EA00 EA02 FA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸を主成分とするマルチフィラメ
    ントで主として構成された編物でなる農業用ネット。
  2. 【請求項2】 前記ポリ乳酸のモノマー含有量が0.5
    重量%以下である、請求項1に記載の農業用ネット。
  3. 【請求項3】 前記編物がマーキゼット構造を有する編
    目を含む、請求項1または2に記載の農業用ネット。
  4. 【請求項4】 前記編物の目の数が1インチあたり12
    個以上である、請求項1から3のいずれかに記載の農業
    用ネット。
  5. 【請求項5】 前記編物が熱融着されていない、請求項
    1から4のいずれかに記載の農業用ネット。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の農業
    用ネットからなる防虫ネット。
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