JP2000166399A - 農園芸用防虫メッシュシート - Google Patents

農園芸用防虫メッシュシート

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JP2000166399A
JP2000166399A JP10352808A JP35280898A JP2000166399A JP 2000166399 A JP2000166399 A JP 2000166399A JP 10352808 A JP10352808 A JP 10352808A JP 35280898 A JP35280898 A JP 35280898A JP 2000166399 A JP2000166399 A JP 2000166399A
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repellent
agricultural
mesh sheet
woven
resin
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Hisao Maruyama
尚夫 丸山
Mariko Honda
真理子 本多
Kenji Kagoike
謙次 籠池
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農園芸用メッシュシートの本来の目的を損な
うことなく空間率、空隙を維持して、かつ空隙を通過す
る微小害虫についても防虫効果を有するメッシュシート
を提供する。また、環境に悪影響を与えず、生態系を大
きく崩すことなく、無農薬で農作物を育成することが可
能な農園芸用防虫メッシュシートを提供する。 【解決手段】 空間率が80%以上で、1個の空隙の大
きさが0.20〜20mm2である織編物にキク科植物
の抽出成分を主成分とした忌避剤を樹脂を介して固着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、害虫に対して忌避
効果を有する農園芸用防虫メッシュシートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、農園芸用メッシュシートは、過剰
な光線や熱線からの遮光や遮熱、冬季の防寒や防霜、防
風等に用いられており、農作物の育成に必要な太陽光を
得るためにある程度の開口が必要であり、蛾のような大
きい害虫には防虫効果は得られるが、目開きより小さい
害虫は穴を通り抜けるため防虫効果は少なかった。小害
虫の進入を防ぐ方法として、農園芸用メッシュシートの
1個の空隙の大きさを小さくする方法があるが、農作物
の育成に必要な太陽光や通気性を得るため空隙の大きさ
を0.20mm2 以下にすることには問題があった。
【0003】また、農園芸用の害虫駆除方法として一般
に農薬散布がなされている。しかし、薬効の耐久性に欠
けるため、過剰量使用を余儀なくされ、その農作物を食
べることにより、残留した農薬が人体へ蓄積され、健康
への害が心配されている。さらに、無作為に昆虫を駆除
するため生態系を崩し、環境にも悪影響を与えかねなか
った。
【0004】害虫から人間や動物を保護するため、さま
ざまな害虫忌避薬剤が使用されている。害虫の忌避剤に
については、従来から研究がなされ、多くの忌避効果物
質、例えば、ジエチルトルアミド、N−ブチルアセトア
ニリド、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−
ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオール、プロ
ピルマンデレート等が見出されている。これらの忌避剤
の中で、忌避対象が広いこと、安全性が高いこと、人間
が嫌わない匂いであること等の理由で、ジエチルトルア
ミドが最も理想的であるとされている。
【0005】また、古くから除虫菊には、駆虫作用があ
る成分を有することが知られており、蚊取線香等に利用
されていた。キク科の多年草である苦よもぎは、ツヨン
を主成分としており、このツヨンには駆虫作用があり、
除虫菊のピレトリン1<[1R−[1α[S*(Z)],3
β]]−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プ
ロペニル)シクロプロパンカルボン酸2−メチル−4−
オキソ−3−(2,4−ペンタジエニル)−2−シクロ
ペンテン−1−イルエステル>、ピレトリン2<[1R
−[1α[S*(Z)],3β(E)]]−3−(3−メトキ
シ−2−メチル−3−オキソ−1−プロペニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2−メチル−4
−オキソ−3−(2,4−ペンタジエニル)−2−シク
ロペンテン−1−イルエステル>には殺虫成分がある。
これらの物質を基にピレストロイド系農薬が開発され、
その多くには特異的忌避効果があることも知られてい
る。
【0006】忌避剤はある程度の蒸気圧を有し、有効成
分が徐々に揮散することが望ましく、揮散が大きすぎる
と忌避有効期間が短くなり、また、揮散が小さすぎると
忌避効果が発現しない。これらの害虫忌避剤を、人間や
動物に対しては、直接皮膚に溶液状で噴霧する方法や、
塗布する方法等が採用されているが、この方法では、ジ
エチルトルアミド等の害虫忌避剤は速やかに揮発し、忌
避効果に持続性がないという欠点があった。また農作物
に対しては、直接散布しても、忌避剤の残留耐久性が短
く、また効果もさほどなかったため、現在では行われて
いない。害虫忌避剤の忌避効果に持続性を持たせる方法
として、例えば特願平2−22202号公報にはマイク
ロカプセルによって防虫忌避効果を安定して持続させる
防虫製剤および防虫材が記載されている。また、特公平
6−104922号公報には、マイクロカプセルにより
洗濯耐久性に優れた防虫ストッキングが記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行われたもので、農園芸用メッシュシートの
遮光性、遮熱性、防寒性、防霜性、防風性等の目的を損
なうことなく、かつ空隙きを通過するような小害虫にも
忌避効果を有する農園芸用防虫メッシュシートを得るこ
とを目的とするものである。また、環境に悪影響を与え
ず、生態系を大きく崩すことなく、無農薬で農作物を育
成することが可能な農園芸用防虫メッシュシートを得る
ことも目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するもので、次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は、空間率が80%以上で、1個の空隙の大きさ
が0.20〜20mm2 である織編物に忌避剤が樹脂を
介して固着されている農園芸用防虫メッシュシート、忌
避剤がキク科植物の抽出成分であることを特徴とする農
園芸用防虫メッシュシート、および忌避剤が除放性マイ
クロカプセルで包接されていることを特徴とする農園芸
用防虫メッシュシートを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の農園芸用防虫メッシュシートは、空間率が80
%以上で、1個の空隙の大きさが0.20〜20mm2
の織編物である。ここで用いる空間率は、織編物面積に
対する織編物を構成する糸の占める部分を除いた面積の
割合で、スケール入りの拡大写真から、下記の計算方法
を用いて算出する。 A=(B−C)/B×100 A;空間率 B;織編物面積 C;糸の占める面積 空隙の大きさも、スケール入りの拡大写真から算出す
る。空間率が80%未満であると、農作物の育成に必要
な太陽光の遮光率が大きすぎ、通気性乏しく好ましくな
い。また1個の空隙の大きさは0.20〜20mm2
で、0.20mm2 未満であると農作物の育成に必要な
太陽光の遮光率が大きすぎ、通気性乏しく、20mm 2
を超えると害虫が進入しやすくなる。
【0010】本発明の農園業用防虫メッシュシートは、
公知の天然繊維、再生繊維、合成繊維等からなる織編物
で、好ましくはポリオレフィン系、ポリビニルアルコー
ル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニ
トリル系等の繊維形成能を有する合成重合体を使用した
合成繊維を用いるのがよい。ここで用いる繊維は一成分
よりなるものであってもよく、また二成分以上の繊維を
コンジュゲート、混紡、交織交編等の方法にて混用して
もよく、この時の繊維の混用率は任意でよい。
【0011】本発明で用いる忌避剤としては、2−エチ
ル−1,3ヘキサンジオール、インダロン、フタル酸ジ
メチル、或いはN,N−ジエチル−m−トルアミド,N
−ブチルアセトアニリドやプロピルN,N−ジエチルサ
クシナートなどのアミド系忌避剤、ナフタレン、アレス
リン、フレスリン、ユーカリ油の成分であるシネオー
ル、シトロネラール、シトロネロール、ゲラニオール
類、ピプリトン、リモネン、シトラール、ペルメトリ
ン、エトフェンプロックスなどのピレスロイド類等を挙
げることができ、これらの忌避剤を単独で用いてもよ
く、また2種以上の忌避剤を組み合わせて用いてもよ
い。
【0012】より好ましくは、人間や動物に対して安全
性が高く忌避効果の大きいピレストロイド系のテフルト
リン<2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベ
ンジル=(Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロ
ロ−3,3,3−トリフルオロプロペ−1−エニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート>、
ペルメトリン<3−フェノキベンジル=(1RS,3R
S)−(1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラ
ート>、シペルメトリン<(RS)−α−シアノ−3−
フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1RS,
3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシラート>、シハロト
リン<(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
=(Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−
3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシラート>、フェンプロパ
トリン<(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカル
ボキシラート>、トラロメトリン<(S)−α−シアノ
−3−フェノキシベンジル=(1R,3S)−2,2−
ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチ
ル)シクロプロパンカルボキシラート>、フェンバレレ
ート<(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
=(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチル
ブタノアート>、フルバリネート<(RS)−α−シア
ノ−3−フェノキシベンジル=N−(2−クロロ−α,
α,α−トリフルオロ−P−トリル)D−バリナート
>、エトフェンプロックス<2−(4−エトキシフェニ
ル)−2−メチルプロピル=3−フェノキシベンジル=
エーテル>を主成分とする薬剤を用いるのがよい。
【0013】さらにより好ましくは、キク科植物の抽出
成分の忌避剤を使用するのがよい。キク科の植物として
は、ヨモギ属、キク属の植物が適しており、ヨモギ属と
しては、具体的にはアルテミシア・アブロタヌム(Arte
misia abrotanum L.)、ニガヨモギ(Artemisia absin
thium L.)、クソニンジン(バカニンジン)(Artemisi
a annua L.)、アルテミシア・アノマラ(Artemisia an
omala S.Moore)、カワラニンジン(ニンジン)(Artem
isia apiacea Hance)、カワラヨモギ(ネズミヨモギ、
カトリグサ)(Artemisia capillaris Thunb.)、セメ
ンシナ(Artemisia cina Berg.)、オトコヨモギ(Arte
misia japonica Thunb.)、ヨモギナ(Artemisia lacti
flora Wall.)、オオヨモギ(ヤマヨモギ、エゾヨモ
ギ)(Artemisia montana (Nakai) Pampan.)、ミブヨ
モギ(Artemisia maritima L.)、ヨモギ(カズザキヨ
モギ、モチグサ)(Artemisia princeps Pampan.)、ハ
マヨモギ(Artemesia scoparia Waldst.et Kit.)等を
挙げることができ、キク属として具体的には、シロバナ
ムシヨケギク(ダルマチャジョチュウギク)(Chrysant
hemum cinerariaefolium Bocc.)、アカバナムシヨケギ
ク(Chrysanthemum coccineum Willd.)、アブラギク
(シマカンギク、ハマカンギク)(Chrysanthemum indi
cum L.)等を挙げることができる。
【0014】上述のキク科植物からの薬効成分の抽出
は、一般的に行われている方法を用いればよく、具体的
には、水で煮出す湯煎やアルコールなどの溶剤やその水
溶液での浸漬抽出法、水蒸気蒸留法、ソックスレー抽出
器を用いた抽出法等を挙げることができる。
【0015】本発明において織編物に忌避剤を固着する
樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール系、
シリコン系、ウレタン系、酢酸ビニル系、アクリル系、
ポリエステル系、フェノール系、塩化ビニル系の樹脂、
澱粉等の糊剤等を挙げることができ、いずれの樹脂を用
いてもかわまない。より好ましくは耐久性の点から、ゴ
ム状皮膜を形成するポリビニルアルコール系、シリコン
系、ウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系の樹脂を用
いるのががよい。さらにより好ましくは、耐久性のある
接着効果を奏するシリコン系樹脂を用いるのがよく、中
でも水への分散性に優れ、水で容易に希釈可能な水性エ
マルジョン型のシリコン系樹脂、具体的にはオルガノポ
リシロキサンを主成分とし乳化剤で乳化したシリコン系
樹脂を用いるのがよい。
【0016】本発明では、忌避剤が除放性マイクロカプ
セルで包接されていることが好ましく、用いるマイクロ
カプセルとしては、適宜の摩擦によってマイクロカプセ
ルが壊れ、忌避剤が露呈する(好ましくは防虫剤の臭い
を発散する)ものや、多孔性壁膜より徐々に気散するも
のであればよく、その組成等は特に限定されないが、低
ホルマリンマイクロカプセルや、シリカゲルによるマイ
クロカプセル等が好ましい。
【0017】マイクロカプセルの壁膜としては、例えば
主成分がホルマリン系樹脂のものを挙げることができ、
より好ましくは尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホ
ルマリン系樹脂のものが、耐熱性、耐圧性および耐水性
に優れているのでよい。マイクロカプセルの大きさは通
常1〜300μの範囲であり、繊維に付着させる場合に
は単繊維の直径より小さい5〜15μの範囲が好まし
い。また、マイクロカプセル中の忌避剤の含有量は、マ
イクロカプセルの重量の3〜50重量%であり、繊維に
付着させる場合には5〜25重量%の範囲が好ましい。
【0018】忌避剤を除放性マイクロカプセルで包接す
る方法は、公知の方法を用いればよく、例えば、ホルマ
リン系樹脂を壁膜とする忌避剤入り除放性マイクロカプ
セルは、害虫防除剤を配合した芯物質と尿素又はメラミ
ンとを水中に乳化させ(水温40℃で、乳化剤はポリエ
チレンスルホン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコールなど必要に
よりpH調整を行う。)、ホルマリン水溶液を加えた
後、攪拌下で70℃に昇温して重宿合反応させる。次い
で生成したマイクロカプセルを濾過・乾燥すると得るこ
とができる。忌避剤入りマイクロカプセルの大きさは、
主として攪拌の強弱と乳化剤の濃度により、壁膜の含有
量は主として油滴中の尿素又はメラミンの濃度により、
また壁膜の多孔性は主としてホルマリンの濃度によりコ
ントロールする(緻密にするためには高濃度のホルマリ
ンを使う)。また、例えば、二酸化ケイ素のコロイド溶
液の中に忌避剤を分散させ、雰霧しながら乾燥してシリ
カゲルの多孔質カプセルを製造する方法も挙げることが
できる。
【0019】忌避剤を内包する除放性マイクロカプセル
と樹脂の配合割合およびその使用量は、特に制限はない
が、忌避剤の薬効と所望する耐久性、持続性により決定
することが好ましい。例えばアブラムシ、葉ダニ、蟻等
の害虫に対して長期に亘って忌避を必要とする場合に
は、忌避剤成分を1〜100g/m2 、好ましくは3〜
25g/m2 含有するとともに、除放性マイクロカプセ
ルと樹脂とを、それぞれ固形分換算で、除放性マイクロ
カプセル:樹脂が1:0.05〜1:1、好ましくは
1:0.1〜1:0.6として用いるとよい。この比率
より樹脂が少ないと、結着力が弱くなってマイクロカプ
セルを基材に安定に保持するのが困難となり、一方、マ
イクロカプセルあるいは樹脂量がこれより多くなると、
経済的に不利である。本発明は、以上の構成よりなるも
のである。
【0020】
【作用】忌避剤の効能には摂食忌避、産卵抑制、寄生阻
害などがあるが、いずれもその作用は接触による苦味に
ある。農園芸用メッシュシートに忌避剤を塗布しておく
と、目合を通過しようとする害虫がその接触忌避作用で
通過できず、害虫による食害や、産卵による増殖を防
ぎ、また害虫により介在される疾病からも防御され、農
作物がストレスを受けなくなり、育成が増幅される。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。実施例における農園芸用メッシュシートの性能評
価は以下の2つの方法で行った。 評価方法1 完全隔離条件下でキャベツを接種し、発芽させた。発芽
後1週間のキャベツの苗を40cm間隔に25本/列で1
000本移植した。その内無作為に選んだキャベツの苗
2列毎に支持枠を建て、それぞれ農園芸用メッシュシー
トで完全に覆い、キャベツを栽培した。60日間栽培後
キャベツの葉に5ヶ所以上虫に喰われた穴が空いている
キャベツの数を数え、キャベツ50個に対する比率を算
出して虫喰い率とした。また、虫喰いが発生しているキ
ャベツの中の、アオムシ類、ヨトウムシ類の数を数え
た。また、キャベツの成長度合いを比較するため無作為
に10個のキャベツを収穫し、その平均重量を測定し
た。
【0022】評価方法2 W30cm×L50cm×H40cmのプランターにコマツナ
の種を50ヶを直蒔きして、それぞれ農園芸用メッシュ
シートで完全に覆い、コマツナを20日間栽培した。2
0日間栽培後コマツナの葉にアブラムシ類の付いている
株の数を数え、アブラムシの付いている株数率を虫喰い
率とし、算出した。また、コマツナの成長度合いを比較
するために、全株平均丈も測定した。
【0023】実施例1 忌避剤入りマイクロカプセルを下記忌避剤製造例1の方
法にて製造した。次にビニロン30番単糸を用いた平組
織の農園芸用メッシュシートに、下記処方1の防虫加工
処理液を浸漬し、マングルで絞液率100%にて圧搾絞
液後、ピンテンターを用いて130℃で2分の乾熱処理
を行い、経糸密度および緯糸密度ともに22本/吋、空
間率97.8%で1個の空隙の大きさが1.33mm2
である実施例1の農園芸用防虫メッシュシートを得た。
【0024】忌避剤製造例1 水300gに、忌避剤として除虫菊の殺虫成分であるピ
レトリン1gとエトフェンプロックス10g、ユーカリ
油9gを用い、これにポリスチレンスルホン酸ソーダ6
g、尿素4gを加え、pHを4.0に調整し、攪拌下4
0℃に昇温して乳化した。次いで30%ホルマリン水溶
液10gを加え、ラボスターラー1000rpmで攪拌
を続けながら液温を40℃から70℃まで15分間昇温
し、70℃で60分間維持して重縮合反応させた。生成
した微粒子をガラスフィルターにて母液から分離した後
水で洗浄し、風乾した後105℃で1分間処理した。得
られたマイクロカプセルは、大きさが7〜15μ(平均
10μ)であり、忌避剤の含有量は18重量%であっ
た。
【0025】処方1 忌避剤入りマイクロカプセル 10g/リットル (忌避剤製造例1) UF050−G 12g/リットル (ユニチカケミカル株式会社製、水溶性ポバール)
【0026】比較例1 比較例として、実施例1において忌避剤が付着していな
い農園芸用メッシュシートを、比較例1の農園芸用メッ
シュシートとした。
【0027】実施例2 忌避剤として、乾燥したヨモギ(新潟県産)1kgをエ
タノール/水の50%溶液でソックスレー抽出装置を用
いて還流濃縮抽出し、有効成分23.7%のヨモギ抽出
エキスを得た。次に実施例1と全く同一の農園芸用メッ
シュシートを用い、下記処方2の防虫加工処理液を浸漬
し、実施例1と全く同一の方法にて、実施例2の農園芸
用防虫メッシュシートを得た。 処方2 ヨモギ抽出エキス 10g/リットル UF050−G 12g/リットル (ユニチカケミカル株式会社製、水溶性ポバール)
【0028】実施例3 実施例1の忌避剤製造例1の殺虫成分であるピレトリン
1gを実施例2で用いたヨモギ抽出エキス10gに変更
する以外は、忌避剤製造例1と全く同一の方法にて忌避
剤入りマイクロカプセルを製造した。次に実施例1のビ
ニロンをポリエステルに代える以外は実施例1と全く同
一の農園芸用メッシュシートを用い、実施例1と全く同
一の方法にて忌避剤入りマイクロカプセルを付着させ、
実施例3の農園芸用防虫メッシュシートを得た。
【0029】実施例4 実施例1のビニロンを木綿に代える以外は実施例1と全
く同一の農園業用メッシュシートを用い、下記製造例2
で得られた忌避剤入りマイクロカプセルを実施例1と全
く同一の方法にて付着させ、実施例4の農園芸用防虫メ
ッシュシートを得た。
【0030】忌避剤製造例2 福島県産のカワラヨモギの葉と茎の乾燥物1.5kgと
愛媛県産シロバナムシヨケギクの頭花1.0kgを5リ
ットルのエタノールを用い抽出し、この抽出成分を忌避
剤として用い、蒸留濃縮して100ミリリットルとして
薬効成分40%の液を作成した。これに水100ミリリ
ットルを添加して成分20%とした後、5%のコロイダ
ルシリカ溶液800ミリリットルに混合して−30℃、
250Pa.の環境下に雰霧乾燥させて平均端径15μ
mの除放性マイクロカプセルを製造した。
【0031】実施例1〜4および比較例1の農園芸用メ
ッシュシートの性能を測定評価し、評価方法1の結果を
表1に評価方法2の結果を表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、実施例1〜4の農園芸
用防虫メッシュシートは比較例1の農園芸用メッシュシ
ートよりも虫喰い率は少なく、アオムシ類、ヨトウムシ
類の存在数も少なく、青々と重量のある成長度合いの良
いキャベツを得ることができた。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示すように、実施例1〜4の農園芸
用防虫メッシュシートは比較例1の農園芸用メッシュシ
ートよりも虫喰い率は少なく、アブラムシ類の存在数も
少なく、青々と成長度合いの良いコマツナを得ることが
できた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、農園芸用メッシュシー
トの本来の目的を損なうことなく空間率、空隙を維持し
て、かつ空隙を通過する微小害虫についても防虫効果を
有する農園芸用防虫メッシュシートを得ることができ
る。また、忌避剤として、キク科植物の抽出物を使用す
ることにより、環境に悪影響を与えず、生態系を大きく
崩すことなく、無農薬で農作物を育成することが可能な
農園芸用防虫メッシュシート得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間率が80%以上で、1個の空隙の大
    きさが0.20〜20mm2 である織編物に、忌避剤が
    樹脂を介して固着されていることを特徴とする農園芸用
    防虫メッシュシート。
  2. 【請求項2】 忌避剤がキク科植物の抽出成分であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の農園芸用防虫メッシュシ
    ート。
  3. 【請求項3】 忌避剤が除放性マイクロカプセルで包接
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の農
    園芸用防虫メッシュシート。
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Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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