JP2002173557A - 樹脂粒子充填ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

樹脂粒子充填ゴム組成物及びその製造方法

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JP2002173557A
JP2002173557A JP2001087102A JP2001087102A JP2002173557A JP 2002173557 A JP2002173557 A JP 2002173557A JP 2001087102 A JP2001087102 A JP 2001087102A JP 2001087102 A JP2001087102 A JP 2001087102A JP 2002173557 A JP2002173557 A JP 2002173557A
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Japan
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polyamide
rubber
particles
rubber composition
porous
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JP2001087102A
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Inventor
Kimio Nakayama
喜美男 中山
Shigeru Yao
滋 八尾
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造的にも力学的にも異方性が少なく、高弾性
を備え、加工性、破断特性、、耐熱性に優れたポリアミ
ド粒子充填ゴム組成物を提供することにある。 【解決手段】ゴム状ポリマー99〜50重量%と多孔質
ポリアミド粒子が1〜50重量%とからなり、ゴム状ポ
リマー中に多孔質ポリアミド粒子が分散されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド多孔質
粒子充填ゴム組成物に関するものである。異方性が小さ
く、破断強度、弾性率が高いなどの優れた特徴があるた
めゴム材料として、自動車工業、電子・電気分野、生化
学分野、化学工業分野、精密機器分野、医療分野、土木
・建築分野に有用な材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ゴム状ポリマーの剛性、強度、寸法
安定性、耐熱性を改良するため無機物あるいは有機物の
粒子、繊維、板状のフィラーが用いられている。また、
ゴム状ポリマーの機能性を発現する目的で各種の機能性
粒子をが広く用いられている。
【0003】例えば、ポリブタジエンゴムに、微細な繊
維状結晶性シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
を分散させたゴムが知られている。これは、高弾性、寸
法安定性に優れ、且つ耐亀裂成長が優れているといった
ミクロ的な強度が優れている特徴を持っている(特公昭
49−17666号公報)。
【0004】また、微細な繊維状ポリアミドとゴムマト
リックスとする繊維補強ゴム材料がある(特開昭59−
199732号公報)。また、さらにポリオレフィン樹
脂を加えた3成分よりなる複合体がある(特開平7−3
30960号公報)。これらは非常に高弾性、高強度、
疲労強度が優れている。また後者はペレット形状であ
り、加工性にも優れる特徴を有している。
【0005】これらは、微細繊維で補強されているか
ら、加工方向に構造的な異方性を有している。これらは
タイヤ用などには優れているが、異方性がより小さいゴ
ム材料が待望されていた。
【0006】ガスケット、パッキンなどの機械工業分
野、デバイス、バッテリー、電子回路基板、ハウジング
のパッドやスペーサーブロックなどのエレクトロニクス
分野などのゴム分野では、異方性が少ないことが好まし
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、構造
的にも力学的にも異方性が少なく、高弾性を備え、加工
性、破断特性、、耐熱性に優れたポリアミド粒子充填ゴ
ム組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム状ポリマ
ー99〜50重量%と多孔質ポリアミド粒子が1〜50
重量%とからなり、ゴム状ポリマー中に多孔質ポリアミ
ド粒子が分散されていることを特徴とするポリアミド粒
子充填ゴム組成物に関する。
【0009】また、本発明のポリアミド粒子充填ゴム組
成物においては、上記該ゴム状ポリマーと多孔質ポリア
ミド粒子からなる組成物100重量部あたり、相溶化剤
が0.1〜20重量部含有されていることが好ましい。
【0010】また、本発明のポリアミド粒子充填ゴム組
成物においては、上記多孔質ポリアミド粒子が、平均粒
子径1〜20μm、BET吸着法による比表面積が1〜
30m2/gであることが好ましい。
【0011】また、本発明のポリアミド粒子充填ゴム組
成物においては、多孔質ポリアミド粒子の数平均粒子径
に対する体積平均粒子径の比が1.0〜1.3である均
一な粒子径分布であることが好ましい。
【0012】また、本発明は、上記ゴム状ポリマーに、
上記ポリアミド多孔質粒子を添加することを特徴とする
上記のポリアミド粒子充填ゴム組成物の製造方法に関す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のゴム状ポリマーとして
は、特に限定しないが、フッ素含有ゴム、シリコン系ゴ
ム、ニトリル系ゴム、ポリエステル系ゴム、ポリアミド
系ゴム、天然ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレン系ゴ
ム、スチレン系ゴム、それらの共重合体、ブロック共重
合体、ポリエーテル系ゴム、飽和ポリオレフィン系ゴ
ム、オレフィン・ジエン系ゴム、ポリアミド系エラスト
マー、ポリエステル系エラストマーが挙げられる。
【0014】さらに、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム
(NR)、ハイシスブタジエンゴム(BR)、イソプレ
ンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、エチレン−プロビレン−ジエンゴム(EPD
M)、クロロプレンゴム(CR)アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、またはその水素添加物(H−
NBR)などが挙げられる。また、それらを2種類以上
ブレンドしてもよい。これらの加硫物であってもよい。
【0015】また、熱可塑性ゴムとしては、ポリアミド
エーテルエラストマー(PAEE)、ポリエステル系エ
ラストマー(PEE)、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS)またはそれらの
水素添加物(SEBS、SEPS)、シンジオタクチッ
ク−1.2−ポリブタジエン(SPBR)、また、飽和
オレフィン共重合体、例えばエチレン−プロピレン共重
合体(EPM)、エチレン−ブチレン共重合体(EB
M)、エチレン−ヘキセン共重合体(EHM)、エチレ
ン−オクテン共重合体(EOM)等が好ましい。
【0016】本発明のポリアミドは、結晶性で、融点が
好ましくは110〜320℃、さらに好ましくは140
から280℃である。本発明で用いられるポリアミドと
しては、公知の種々のものを挙げることができる。例え
ば、ε−カプロラクタム、ε−アミノカプロン酸、ω−
ラウロラクタム、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウ
ンデカン酸等の環状アミドモノマーを重合して得られる
結晶性ポリアミド、また蓚酸、アジピン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキ
シルジカルボン酸などのジカルボン酸と、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシ
ルジアミン、m−キシリレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンとを重
縮合して得られる結晶性ポリアミドなどが挙げられる。
【0017】本発明の結晶性ポリアミドには、具体的に
は、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11,
ポリアミド12,ポリアミド610、ポリアミド66/
6T(Tはテレフタル酸成分を表す)などである。また
上記ポリアミドの混合物であってもよい。特に好ましく
は, ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11,
ポリアミド12である。
【0018】本発明のポリアミドの分子量は、2,00
0〜100,000が好ましい。さらに好ましくは5,
000〜40,000である。
【0019】本発明のポリアミド粒子充填ゴム組成物に
おける配合割合は、ゴム状ポリマーが99〜50重量
%、好ましくは98〜55重量%であり、多孔質ポリア
ミド粒子が1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%
である。ゴム組成物100重量%中で、多孔性ポリアミ
ド粒子の配合割合が1重量%より少ないと、ポリアミド
粒子添加の効果が少なくなる。また、50重量%より大
きければゴムがマトリックスを十分形成できなくなるか
ら、均一なシート、成形体ができない。
【0020】たとえば、多孔質ポリアミド粒子が1〜1
0重量%含んだゴム組成物としては、異方性の少ない高
弾性のポリアミド粒子充填ゴム組成物として好ましい。
例えば縦方向と横方向の弾性率が同等であるという特徴
がある。これは、多孔質粒子に方向性がないことに起因
している。また、高弾性は多孔質粒子の形状を呈するこ
とにより補強率が高くなる。
【0021】また、この範囲のポリアミド粒子充填ゴム
組成物は、ミクロ破断特性にも優れたゴム組成物とな
る。例えば、耐亀裂成長性、引裂強度に優れたゴム組成
物を提供できる。
【0022】本発明のポリアミド粒子充填ゴム組成物
は、ポリアミド粒子とゴム状ポリマーの合計100重量
部に対して、相溶化剤を0.1〜20重量部を含有する
ことが好ましい。さらに好ましくは1〜10重量部であ
る。相溶化剤が0.1重量部より少ないと、ポリアミド
粒子とゴム状ポリマーの接着が弱すぎる。また、相溶化
剤20重量部より多ければゴム組成物の加工性、物性が
悪くなったりする。
【0023】ここで相溶化剤とは、ポリアミド多孔質粒
子とゴム状ポリマーマトリックスの界面に作用するもの
で、粒子分散をよくする役目、お互いの界面を化学結合
により結合する役目、あるいは界面張力の差を近づけて
密着性をよくする役目を持っているもののことを言う。
ポリアミド粒子充填ゴム組成物は、多孔質粒子であっ
て、表面に凹凸を有しているので、ゴムマトリックスと
の境界はアンカー効果で接着は優れているが、力学的に
大きな力を受けると破壊開始点となるから好ましくな
い。そのために、相溶化剤を添加するのが好ましい。
【0024】本発明の相溶化剤としては、反応性を有す
る重合体、例えば酸変性重合体、エポキシ変性重合体、
オキサゾリン変性重合体、あるいは、シランカップリン
グ剤などである。このうち、無水マレイン酸変性ゴム状
ポリマーなどの酸変性重合体が好ましい。
【0025】該変性ポリマーとしては、ジエン、あるい
はそれらの共重合体、シリコーン系ポリマー、フッ素系
ポリマーなど本発明のマトリックスに用いられるような
ポリマーをベースにした変性ポリマーが好ましい。
【0026】本発明の相溶化剤として、具体的には、マ
レイン酸無水物変性ポリエチレン、マレイン酸無水物変
性ポリプロピレン、マレイン酸無水物変性エチレンプロ
ピレン、マレイン酸変性エチレン・プロピレン・ジエン
共重合体等のマレイン酸変性ポリオレフィン、さらにマ
レイン酸無水物変性ポリブタジエン、マレイン酸無水物
変性スチレン・ブタジエン共重合体などのマレイン酸無
水物変性ジエン系ゴム、あるいはそれらの水素添加物が
好ましい。
【0027】また、相溶化剤としては、ポリアミドとゴ
ム状ポリマーとに相溶性があるポリマーが好ましい。例
えば、ゴム状ポリマーのセグメントとポリアミドセグメ
ントを有する共重合体でも好ましく用いることができ
る。具体的には、例えばポリアミド系エラストマーなど
が好ましく用いることができる。
【0028】本発明の多孔質粒子とは、表面が円滑な同
じ粒子径の比表面積より、その比表面積が大きいもので
あって、粒子表面に凹凸がある粒子である。該多孔質ポ
リアミド粒子の平均粒子径は1〜20μmであることが
好ましく、さらに好ましくは2〜15μmである。平均
粒子径が1μmより小さいと、取り扱いが悪くなる。ま
た平均粒子径が20μmより大きいと補強効果が悪くな
る。BET吸着法による比表面積は、1〜30m2/g
がこのましく、さらに好ましくは2〜20m2/gであ
る。比表面積が1m2/gより小さいと補強効果が悪く
なるし、また比表面積が30m2/gであると、扱いに
くくてハンドリングが悪くなる。多孔性ポリアミドの粒
子径と比表面積は上記の範囲が好ましい。
【0029】本発明の該多孔質ポリアミド粒子は、その
体積平均粒子径と数平均粒子径の比(PDI)が好まし
くは1.0〜1.3である均一な粒子径分布である。さ
らに好ましくは、その比が1.0〜1.2である。体積
平均粒子径と数平均粒子径の比が1.3より大きいと、
粒子径の分布が大きすぎて、ゴム組成物の表面特性、機
能性、加工性などが損なわれる場合があり、均一な粒径
の方が好ましい。
【0030】また、通常ゴムの力学的な寸法安定性は小
さいが、多孔性樹脂粒子が充填されていることにより、
寸法安定性は大きくなる、と同時に熱的寸法安定性にも
優れている。
【0031】本発明の多孔質粒子充填ゴム組成物は、力
学的機械的特性、および力学的及び熱的異方性が小さい
こと、さらに高弾性、ミクロ破断特性、加工性に優れて
いるから、に優れていることより、機械分野、生化学分
野、化学工業分野、医療分野、建築分野、またエレクト
ロニクス分野のパッキン、ガスケット、ハウジング、パ
ッド、ボード、コネクター、アダプターなどの用途に適
したゴム材料を提供できる。
【0032】次に、本発明のポリアミド多孔質粒子充填
ゴム組成物の製造方法について述べる。まず、ポリアミ
ド多孔質粒子は、ポリアミド溶液と、ポリアミドの非溶
媒、および水を混合することにより、一時的に均一な溶
液を形成した後、ポリマーを析出することにより得るこ
とができる。
【0033】ポリアミド溶液の溶媒としては、芳香族ア
ルコール系溶媒、蟻酸が挙げられる。芳香族アルコール
系溶媒として、0−クレゾール、m−クレゾール、p−
クレゾール、クロロフェノール等が好ましい。
【0034】ポリアミド溶液は、ポリアミドが0.1〜
30重量%と溶媒が99.9〜70重量%であって、合
計100重量%である。好ましくは、ポリアミドが0.
2〜25重量%、溶媒が99.8〜75重量%である。
ポリアミドの割合が30重量%を越えると溶解しにくく
なったり、均一な溶液にならないことがある。また、溶
解しても溶液の粘度が高くなり、扱いにくくなるので好
ましくない。ポリアミドの割合が0.1重量%より低く
なると、ポリマー濃度が低く、製品の生産性が低くなる
から好ましくない。
【0035】ポリアミドの非溶媒は、溶媒と水が少なく
とも部分的に相溶するものが好ましい。脂肪族アルコー
ル、ケトンなどが好ましい。また、水とは相溶すること
が重要である。例えば、メタノール、エタノール、プロ
パノール、アセトンなどが好ましい。
【0036】ポリマーの非溶媒の添加割合は、非溶媒と
水の合計の割合が、ポリマー溶液の添加割合より大きい
ことが好ましい。ポリアミドの非溶媒と水の添加割合
が、ポリマー溶液の割合より小さければ、ポリマーが十
分析出しないことがあるので好ましくない。また極端に
多すぎる時は、仕上げ工程の溶媒量が増えすぎて経済的
でない。
【0037】ポリアミドの非溶媒と水の重量%は、合計
100重量%に対して、水の割合が2〜90重量%であ
る。好ましくは、5〜85重量%である。水の割合が2
重量%より少ない場合は、球状粒子にならない。また水
の割合が90重量%より大きいならば、芳香族アルコー
ルを溶媒に使った場合には、水が相分離するから好まし
くない。
【0038】溶液の添加順序は、ポリアミド溶液に、ポ
リアミド非溶媒を添加し、次に水を加えてもよい。また
は、ポリアミド非溶媒と水を混合した後、ポリマー溶液
を加えてもよい。また、ポリマー溶液に水を混合した後
でポリマー非溶媒を加えてもよい。ポリマー非溶媒と水
を混合した後、ポリマー溶液を加えるのが好ましい。ポ
リマー溶液系の均一性が保たれればいずれの方法でもよ
い。
【0039】ポリアミド溶液、ポリアミド非溶媒および
水のそれぞれの割合は、3者が相溶系になることが重要
である。均一な溶液を形成させて、時間的な経過を得
て、ポリマー粒子を析出させる。均一な溶液を形成する
時間は、たとえば、0.1秒〜120分程度の時間であ
る。一時的にも、均一な溶液を形成することが重要であ
る。必要ならば、適当な撹拌を加えてもよい。
【0040】均一な溶液になるまでの溶液において均一
になるまでの撹拌方法は、混合溶液が迅速に均一になる
ような方法がよい。思いがけなく、撹拌の方法に依存し
て得られる多孔質球状粒子の大きさが変わることが見ら
れる。例えば、マグネチックスターラーのような回転式
撹拌機の場合、粒径が5〜15μmの多孔質球状粒子が
生成する。
【0041】この撹拌方法の異なるものでも、均一な粒
径分布は均一であって、PDIは1〜1.2さらに1〜
1.1程度まで小さくなるのである。溶液が均一になる
までの期間の撹拌方法の違いで多孔質球状粒子の大きさ
に依存するものであって、肉眼で見て、析出が始まった
以降は撹拌の方法には依存しない。
【0042】均一な溶液を形成したならば、撹拌の必要
はなく、ポリアミド粒子が析出し始める時以降は、静置
しておくことが好ましい。撹拌してもよいがポリアミド
粒子の形状、大きさには影響がないと思われる。
【0043】前記の均一な溶液からポリマー粒子を析出
させる温度は、5〜70℃が好ましい。温度によって
は、溶液が均一になる組成範囲が広くなることがある。
温度が5℃より低いと、均一になる領域が狭くなる溶媒
組成の範囲が場合がある。温度が70℃より高いと、溶
媒の蒸気圧が高くなり好ましくない。
【0044】析出したポリアミド粒子は、溶液からデカ
ンテーション、遠心分離、濾過などの通常の方法で単離
することができる。例えば、ポリアミド粒子を縣濁した
液を、さらに、メタノールで希釈して、遠心分離しても
よい。また数回メタノールで洗浄して遠心分離を繰り返
してもよい。次に熱風乾燥、真空乾燥に供してもよい。
【0045】このようにして製造されたポリマー粒子
は、均一な粒径の多孔質ポリアミド粒子である。たとえ
ば、粒径1〜20μmの均一な粒子径で、かさ密度0.
1〜0.4g/cm3、好ましくは0.2〜0.3g/cm3であ
る。BET比表面積1〜30m2/g、好ましくは2〜20
m2/gとなる。好ましくは粒子径2〜15μmである。
【0046】本発明のポリアミド多孔質粒子充填ゴム組
成物は、上記のようにして得られたポリアミド多孔質粒
子を、ゴム状ポリマーに分散する。その混合方法として
は、ゴム状ポリマーの溶液に、ポリアミド粒子を投入す
る方法、あるいはバルクゴム状ポリマーを必要ならば加
温して、ポリアミド粒子を混練することによって混合し
てもよい。また、ゴム状ポリマーに親和性のある液体の
助けを借りて混合してもよい。本発明の加工中の異方性
が少なくするためには、低粘度のゴム状ポリマー溶液に
ポリアミド粒子を添加混合する方法が好ましい。
【0047】本発明のゴム組成物は、ゴム状ポリマーの
マトリックスに、多孔質のポリアミド粒子が分散されて
いるものである。多孔質ポリアミドの粒子形態が、粒子
径に対して、比表面積が大きく、表面に凹凸があること
により、結晶性ポリアミド粒子によって微細な空隙によ
り、ゴムマトリックスの一部空間的に拘束されるため粒
子による弾性率の補強効果が高くなる。また、配合物の
段階では、加工中のダイスウェルなどの寸法安定性が高
くなるという特徴を持つ。
【0048】本発明のゴム組成物に、通常の充填材、補
強材を本発明の効果を損なわない程度に添加しても構わ
ない。例えば、カーボンブラック、シリカ、粘度、雲
母、ガラスビーズなどの粒子状充填材、炭素繊維、ガラ
ス繊維、金属繊維などの繊維状充填材、無機物の板状充
填材でもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、そ
の他の添加剤、酸化防止剤、顔料、発泡剤、紫外線吸収
剤、架橋剤、架橋助剤、加工助剤、分散剤などその他の
添加剤を含んでもよい。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例、比較例における試験・評価方法、判定基
準、及びサンプルは次に示すとおりである。
【0050】(平均粒子径)走査型電子顕微鏡で観察し
て、粒子形状と大きさと観察した。球形粒子は粒径を読
みとった。いずれも100個の粒子について、数平均粒
子径と体積平均粒子径を算出した。次の式を用いた。
【0051】数平均粒子径 :
【数1】
【0052】体積平均粒子径:
【数2】
【0053】粒度分布指数:
【数3】 ここで、Xi;個々の粒子径、nは測定数である。
【0054】(比表面積)窒素吸着によるBET比表面
積を1点法で測定した。
【0055】(ゴム組成物の物性)引張強度(TB)、
引張応力(M25,M100)、引裂強度(TR)、硬さ(H
s)、亀裂成長回数:JIS K6301に準じて測定
した。
【0056】(異方性の尺度)加硫ゴム組成物について
は、列理方向(p)と反列理方向(ap)の100%引
張応力の比(M100p/M100ap)で表した。ま
た熱可塑性エラストマー組成物は、ASTM−D696
に準じた線膨張係数の比で表した。温度範囲は−40〜
+70℃とした。
【0057】(配合物のダイスエル)100℃、せん断
速度;10sec-1で測定した。ダイ直径に対する押出
物の直径の比で表した。
【0058】(配合物の表面外観)目視で判定した。
【0059】(サンプル): BR;ポリ−1,4−ブタジエン、ML1+430 MPB;マレイン化ポリブタジエン、マレイン化率1
%、ML1+4 29 SBR; スチレン・ブタジエンゴム、JSR製、
#1500 ML1+452、結合スチレン23.5% EPDM; エチレン−プロピレン−ジエンゴム、J
SR製、EP22,ML1+4 42,ヨウ素価15 M−EPDM;マレイン化EPDM、マレイン化率
1.0%、ML1+4 40 NBR; アクリロニトリル−ブタジエンゴム、J
SR製N230SL、ML1+4 42,結合AN35%、 SBR; スチレン−ブタジエンゴム、JSR製、
ML1+4 52 結合スチレン23.5%、 H−NBR;水添アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
バイエル製、サーバン1706S、ML1+4 71,AN
%34、水添化率96% SEBS;水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、シェル製クレイトンG1650、スチレン
/ゴム(wt%)29/71 M−SEBS;マレイン化SEBS、シェル製、マレイ
ン化度1% PAEE;ポリアミドエーテルブロック共重合体、宇部
興産製、PAE1200 融点154℃
【0060】参考例1 (ポリアミド多孔質粒子の製造)ポリアミド6(分子量
13,000)を、濃度5.0重量%m−クレゾール溶
液14.3重量%とし、メタノール71.4重量%と水
14.3重量%を混合し、ポリアミド溶液に、撹拌しな
がら添加した。1分攪拌後、溶液は均一になった。撹拌
下2分後に、ポリマーが析出してきた。24時間静置し
て、析出を終了させた。その後遠心分離でポリマーを単
離した。数回メタノールで洗浄し、乾燥した。
【0061】走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平
均粒子径7.81μm、体積平均粒子径8.44μm、
PDIは1.08の比較的粒度分布が狭い、均一な球形
粒子であった。また、ポリマー粒子のかさ密度は、0.
25g/cm3,比表面積9.8m 2/gの多孔質粒子であっ
た。
【0062】実施例1 (ゴム組成物の調製)ゴム状ポリマーとして、ハイシス
ポリブタジエン(BR、ML1+430)85gをキシレ
ン溶液1000mlに溶解し、その溶液に参考例1で得
られたポリアミド多孔質粒子15gを投入し、さらに相
溶化剤としてマレイン化ポリブタジエン5g(5重量
部)を添加した。均一状態になるまで撹拌してスチーム
で溶媒を留去させた。クラム状のポリアミド粒子分散ポ
リブタジエンを80℃ロールに掛けて乾燥した。ポリア
ミド粒子充填ゴム(充填率15重量%)を得た。さら
に、カーボンブラックほかを配合加硫して樹脂充填加硫
物を得た。配合処方、加硫条件は表5に示す。配合物の
ダイスウェル、加硫物の引張弾性率、引張応力の異方
性、強度、引裂強度などを表1に示す。
【0063】実施例2〜4 ポリアミド粒子充填率が30〜3.5重量%の異なるポ
リアミド粒子充填ポリブタジエンを実施例1と同様に調
製した。カーボンブラックほかの配合剤を配合し、樹脂
粒子充填加硫物を得た。配合処方、加硫条件は表5に示
す。物性を表1に示す。
【0064】比較例1 ポリアミド粒子充填率60重量%、ブタジエンゴム40
重量%、および相溶化剤8重量部の割合で配合したほか
は実施例1と同じようにして、ポリアミド充填ポリブタ
ジエンを得た。ポリアミド粒子が均一に分散しない箇所
が見られた。配合して加硫物を得た。物性を表1に示
す。配合処方、加硫条件は表5に示す。
【0065】比較例2 ポリアミド粒子を加えなかったほかは、実施例1と同様
にしてポリアミド粒子無添加のポリブタジエンを得て、
同様に配合物を得た。配合処方、加硫条件は表5に示
す。物性を表1に示す。
【0066】実施例5〜8 表2のように、ゴム状ポリマー及び相溶化剤の種類を代
えたほかは、実施例1と同様にして加硫物を得た。配合
処方、加硫条件は表6〜9に示す。物性を表2に示す。
【0067】比較例3〜6 実施例5〜8において、ポリアミド粒子を加えなかった
ほかは、実施例と同じようにして配合加硫をし、物性を
測定した。配合処方、加硫条件は表6〜9に示す。物性
を表3に示す。
【0068】表4に示すように、ゴム状ポリマー70重
量%、多孔質ポリアミド粒子30重量%及び相溶化剤
を、二軸押出機で混練押出し、シート状に押出し、熱プ
レス成形して、ポリアミド粒子分散熱可塑性エラストマ
ー組成物を得た。弾性率、強度、線膨張率を測定した。
また、ポリアミド粒子を添加しなかった熱可塑性エラス
トマーも同じように物性を測定した。配合処方、加硫条
件は表6〜9に示す。物性を表4に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【表9】
【0078】
【発明の効果】本発明は、均一なポリアミド多孔質粒子
をゴム状ポリマーに分散させた粒子充填組成物に関する
ものであり、加工性に優れ、異方性が少なく、高弾性
で、ミクロ破断強度が優れたゴム組成物であり、電子・
電気分野、機械分野、医療分野、生化学分野、化学工業
分野、建築分野の用途などに好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC01W AC03W AC06W AC07W AC08W BB05W BB15W BC05W BD12W BG10W BP01W CF00W CL00W CL01X CL03X CL05X CL08W CP03W FA08X FA09X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム状ポリマー99〜50重量%と多孔質
    ポリアミド粒子が1〜50重量%とからなり、ゴム状ポ
    リマー中に多孔質ポリアミド粒子が分散されていること
    を特徴とするポリアミド粒子充填ゴム組成物。
  2. 【請求項2】該ゴム状ポリマーと該多孔質ポリアミド粒
    子からなる組成物100重量部あたり、相溶化剤が0.
    1〜20重量部含有されていることを特徴とする請求項
    1記載のポリアミド粒子充填ゴム組成物。
  3. 【請求項3】該多孔質ポリアミド粒子が、平均粒子径1
    〜20μm、BET吸着法による比表面積が1〜30m
    2/gであることを特徴とする請求項1〜2に記載のポ
    リアミド粒子充填ゴム組成物。
  4. 【請求項4】該多孔質ポリアミド粒子の数平均粒子径に
    対する体積平均粒子径の比が1.0〜1.3である粒子
    径分布であることを特徴とする請求項1〜3に記載のポ
    リアミド粒子充填ゴム組成物。
  5. 【請求項5】該ゴム状ポリマーに、該ポリアミド多孔質
    粒子を添加することを特徴とする請求項1記載のポリア
    ミド粒子充填ゴム組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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