JP2002173303A - 合成ガスの製法 - Google Patents
合成ガスの製法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
20kg/cm2 、(二酸化炭素+スチーム)/カーボ
ン比1付近の最適条件での合成ガスを製造する際に、炭
素質の析出がなく、長期間にわたって安定して製造でき
るようにすることにある。 【解決手段】下記式で表される組成を有する複合酸化物
からなり,M,CoおよびNiの少なくとも1種が該複
合酸化物中で高分散化されている改質用触媒を使う。 aM・bCo・cNi・dMg・eCa・fO (式中、Mは、マンガン、モリブデン、ロジウムなどで
ある。)
Description
ス、ナフサなどの炭化水素と、二酸化炭素とスチーム
(水蒸気)とを反応させて、合成ガスを製造する方法に
関し、低コストで安定して合成ガスの製造が行えるよう
にしたものである。
石油ガス、重油、原油などの炭化水素と二酸化炭素とス
チームとを反応器に送り、改質用触媒の存在下、800
〜1000℃の温度で反応(リホーミング反応と言
う。)させて、合成ガスを製造する方法が知られてい
る。そして、上記改質用触媒としては、ニッケル/アル
ミナ触媒、ニッケル/マグネシア/アルミナ触媒などが
用いられている。
ME(ジメチルエーテル)合成、FT(Fischer
−Tropsch)合成、メタノール合成などの用途に
使用されており、その用途における反応条件から、この
合成ガスの圧力が20kg/cm2(本明細書では、圧
力は、すべてゲージ圧kg/cm2Gで表記してあ
る。)程度であることが好ましいとされ、合成ガスの使
用者(購入者)からは高圧の合成ガスが望まれている事
情がある。
成ガスの製造においては、反応時のエネルギー効率およ
び装置コストの点から、最適の反応条件があるとされて
いる。通常のリホーミング反応では、温度が600〜1
000℃、圧力が5〜30kg/cm2 の範囲とされ、
標準的な反応は、温度が900℃、圧力が20kg/c
m2 の条件で行われている。
造プラントでは、その運転コストならびに設備コストに
大きな影響を与える因子として、(二酸化炭素+スチー
ム)/カーボン比がある。この(二酸化炭素+スチー
ム)/カーボン比とは、原料の炭化水素中の炭素1モル
に対する二酸化炭素とスチーム(水)の合計モル数の比
である。この(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比
は、単純には化学等量の1付近であることが好ましいこ
とになる。
/cm2、(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比1付
近の反応条件でリホーミング反応を行えば、最も好まし
いことになる。しかるに、温度900℃、圧力20kg
/cm2、(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比1付
近の最適条件で反応を行わせようとすると、従来の改質
用触媒では、炭素質が多量に析出し、反応を行わせるこ
とは不可能であった。
反応温度900℃における反応圧力と、(二酸化炭素+
スチーム)/カーボン比との関係を図示したもので、グ
ラフ中の斜線を付した領域は、炭素質の析出が許容値以
下であって実用可能の範囲であり、これ以外の領域は炭
素質の析出が許容値を越え実用不可能であることを示し
ている。このグラフから、従来の改質用触媒を用い、温
度900℃、圧力20kg/cm2 で(二酸化炭素+ス
チーム)/カーボン比が1近傍の条件では実用上反応を
行うことができないことがわかる。
合成ガスの製法では、(二酸化炭素+スチーム)/カー
ボン比を3以上として運転しており、過剰の二酸化炭素
とスチームを必要とし、製造コストが嵩み、かつ設備コ
ストも高くつく欠点があった。
る課題は、リホーミング反応により温度900℃、圧力
20kg/cm2 、(二酸化炭素+スチーム)/カーボ
ン比1付近の最適条件で合成ガスを製造する際に、炭素
質の析出がなく、長期間にわたって安定して低コストで
製造できるようにすることにある。
す改質用触媒を用いることにより解決できる。また、こ
の触媒を用いることで、圧力が5〜40kg/cm2、
温度750〜950℃、(二酸化炭素+スチーム)/カ
ーボン比1.3〜2.5の広い条件範囲においても、炭
素質の析出がなく、経済的な合成ガスの製造が可能とな
る。この改質用触媒は、下記式で表される組成を有する
複合酸化物からなり、M、CoおよびNiの少なくとも
1種が該複合酸化物中で高分散化されているものであ
る。 aM・bCo・cNi・dMg・eCa・fO (式中、a,b,c,d,eはモル分率であり、a+b
+c+d+e=1、0≦a≦0.1、 0.001≦
(b+c)≦0.3、0≦b≦0.3、0≦c≦0.
3、0.6≦(d+e)≦0.999、0<d≦0.9
99、0≦e≦0.999、f=元素が酸素と電荷均衡
を保つのに必要な数であり、Mは周期律表第6A族元
素、第7A族元素、Coおよび/またはNiを除く第8
族遷移元素、第1B族元素、第2B族元素、第4B族元
素、およびランタノイド元素の少なくとも1種類の元素
である。)
まず、本発明の合成ガスの製法に用いられる改質用触媒
について説明する。この改質用触媒は、下記式で表され
る組成を有する複合酸化物からなり、M、CoおよびN
iの少なくとも1種が該複合酸化物中で高分散化されて
いるものである。 aM・bCo・cNi・dMg・eCa・fO (式中、a,b,c,d,eはモル分率であり、a+b
+c+d+e=1、0≦a≦0.1、 0.001≦
(b+c)≦0.3、0≦b≦0.3、0≦c≦0.
3、0.6≦(d+e)≦0.999、0<d≦0.9
99、0≦e≦0.999、f=元素が酸素と電荷均衡
を保つのに必要な数であり、Mは周期律表第6A族元
素、第7A族元素、Coおよび/またはNiを除く第8
族遷移元素、第1B族元素、第2B族元素、第4B族元
素、およびランタノイド元素の少なくとも1種類の元素
である。)
るものとする。ここでMは、マンガン、モリブデン、ロ
ジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、銅、銀、亜
鉛、錫、鉛、ランタン、セリウムから選ばれる少なくと
も1種であることが好ましい。また、この組成におい
て、Mの含有量(a)は、0≦a≦0.10であり、好
ましくは0≦a≦0.05、さらに好ましくは0≦a≦
0.03である。Mの含有量(a)が0.10を越える
とリホーミング反応の活性を低下させ不都合である。
であり、好ましくは、0≦b≦0.25、さらに好まし
くは0≦b≦0.20である。コバルト含有量(b)が
0.3を越えると後述する高分散化が阻害され、炭素質
析出防止効果が十分得られない。
であり、好ましくは、0≦c≦0.25、さらに好まし
くは0≦c≦0.20である。ニッケル含有量(c)が
0.3を越えると後述する高分散化が阻害され、炭素質
析出防止効果が十分得られない。
有量(c)との合計量(b+c)は、0.001≦b+
c≦0.3であり、好ましくは、0.001≦b+c≦
0.25、さらに好ましくは0.0001≦b+c≦
0.20である。合計含有量(b+c)が0.3を越え
ると後述する高分散化が阻害され、炭素質析出防止効果
が十分得られない。0.001未満では反応活性が低
い。
有量(e)との合計量(d+e)は、0.6≦(d+
e)≦0.9998であり、好ましくは0.70≦(d
+e)≦0.9998、さらに好ましくは0.77≦
(d+e)≦0.9998である。このうち、マグネシ
ウム含有量(d)は0<d≦0.999であり、好まし
くは0.20≦d≦0.9998、さらに好ましくは
0.37≦d≦0.9998であり、カルシウム含有量
(e)は0≦e<0.999、好ましくは0≦e≦0.
5、さらに好ましくは0≦e≦0.3であり、カルシウ
ムを欠くものであってもよい。
有量(e)との合計量(d+e)は、M含有量(a)、
コバルト含有量(b)およびニッケル含有量(c)との
バランスで決められる。(d+e)は上記範囲内であれ
ばいかなる割合でもリホーミング反応に優れた効果を発
揮するが、カルシウム(e)とM(a)の含有量が多い
と炭素質析出の抑制に効果があるものの、マグネシウム
(d)が多い場合に比べて触媒活性が低い。よって、活
性を重視するのであれば、カルシウム含有量(e)が
0.5を越え、M含有量(a)が0.1を越えると活性
が低下するので好ましくない。
CaOが岩塩型結晶構造をとり、その格子に位置するM
gまたはCa原子の一部がCo、NiあるいはMに置換
した一種の固溶体であって、単相をなすものであり、各
元素の単独の酸化物の混合物を言うものではない。そし
て、本発明では、Co、NiおよびMの少なくとも1種
がこの複合酸化物中で高分散状態となっている。
義されているものであって、例えば「触媒講座 第5巻
触媒設計」第141頁(触媒学会編、講談社刊)など
にあるように、担持された金属の全原子数に対する触媒
表面に露出している原子数の比として定められるもので
ある。
って具体的に説明すると、複合酸化物からなる触媒10
1の表面には活性中心となる半球状などの微小粒子10
2、102…が無数存在しており、この微小粒子102
は、後述する活性化(還元)処理後ではCoおよびMの
金属元素またはその化合物からなっている。この微小粒
子102をなすCo、NiあるいはMの金属元素または
その化合物の原子数をAとし、これらの原子のうち粒子
102の表面に露出している原子の数をBとすると、B
/Aが分散度となる。
の表面に露出している原子であると考えれば、分散度が
1に近いものは多くの原子がその表面に分布することに
なって、活性中心が増加し、高活性となりうると考えら
れる。また、微小粒子102の粒径が限りなく小さくな
れば、微小粒子102をなす原子の大部分は、粒子10
2表面に露出することになって、分散度は1に近づく。
したがって、微小粒子102の粒径が分散度を表す指標
にもなりうる。
02の径は種々の測定法、例えばX線回析法などの測定
限界の3.5nm未満であり、このことから分散度が高
く、高分散状態であると言うことができる。このため、
反応に関与するコバルト、ニッケルあるいはMの原子数
が増加し、高活性となって、反応が化学量論的に進行
し、炭素質(カーボン)の析出が防止される。
ては、上述のコバルト、ニッケルあるいはMの高分散化
状態を得ることができる調製法であれば、いかなる方法
でもよいが、特に好ましい調製法としては、含浸担持
法、共沈法、ゾルーゲル法(加水分解法)、均一沈澱法
などが挙げられ、また本出願人が先に特許出願した特願
平6−301645号(特開平8−131835号公報
参照)に開示の調製法を用いることもできる。
ずコバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、周
期律表第6A族元素、第7A族元素、Coおよび/また
はNiを除く第8族遷移元素、第1B族元素、第2B族
元素、第4B族元素およびランタノイド元素の酢酸塩な
どの有機塩や、硝酸塩などの無機塩といった水溶性塩類
を水に溶解した完全な水溶液とする。この水溶液を撹拌
しながら20〜120℃、好ましくは40〜100℃で
沈でん剤を加えて沈でん物を生成させる。触媒成分を高
度に分散させるには、沈でんを生成させる際に撹拌する
のが好ましく、沈でん物生成後も10分間以上撹拌して
沈でんの生成を完結させるのが好ましい。
カリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、シュウ酸塩、水酸化物
が好ましい。また、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニ
ウム、アンモニア(アンモニア水)なども沈でん剤とし
て使用できる。沈でん剤の添加によってpHが上昇し、
上記の成分からなる化合物が熱分解性水酸化物の形態で
沈でんする。混合物の最終pHは6以上であるのが好ま
しく、pHが8〜11の範囲がさらに好ましい。沈でん
物が得られたら、沈でん物をろ過後、水や炭酸アンモニ
ウム水溶液で洗浄を繰り返し、次にそれを100℃以上
の温度で乾燥する。次に、乾燥した沈でん物を、空気
中、500〜1500℃、好ましくは1000〜130
0℃で20時間焼成して熱分解性水酸化物の熱分解を行
い、目的の改質用触媒を得る。また、沈殿物を400〜
600℃で一次焼結し、これを成形した後さらに100
0〜1300℃で二次焼成して改質用触媒としてもよ
い。
が0.2〜5m2/gである。また、得られた触媒を粉
砕して、粉末として用いることもできるが、必要に応じ
て圧縮成型機により成型して、タブレット状として用い
ることもできる。また、これらの触媒を石英砂、アルミ
ナ、マグネシア、カルシア、その他の希釈剤と合わせて
用いることもできる。
いて詳しく説明する。まず、予め改質用触媒の活性化処
理を行う。この活性化処理は触媒を水素ガスなどの還元
性気体の存在下で、500〜1000℃、好ましくは6
00〜1000℃、さらに好ましくは650〜1000
℃の温度範囲で0.5〜30時間程度加熱することによ
って行われる。還元性気体は窒素ガスなどの不活性ガス
で希釈されていてもよい。この活性化処理をリホーミン
グ反応を行う反応器内で行うこともできる。この活性化
処理により、図2での触媒101表面の微小粒子10
2、102…が還元されてCo、NiおよびMの少なく
とも1種が金属元素またはその化合物となり、触媒活性
が発現する。ここでの活性化処理は、従来のCo酸化物
系触媒の活性化よりも高温で行う。従来のCo酸化物系
触媒ではすべて500℃未満で行われており、このよう
な高温での活性化処理が上述の高分散化に寄与している
可能性がある。
めの製造装置を示すものである。この例では、炭化水素
としてメタンを主成分とする天然ガスを用いたもので説
明を進める。原料ガスとしての天然ガスが、管1から予
熱炉2に送り込まれ、ここで300〜500℃に加熱さ
れ、管3を通り、脱硫器4に送られる。脱硫器4では、
別途導入された水素によって天然ガスに随伴される硫黄
分が除去され、脱硫された天然ガスは、管5を通り、別
途管6、13から供給されるスチームおよび二酸化炭素
と合流して再度予熱炉2に導入され、500〜600℃
に加熱されて反応器7に送り込まれる。反応器7の入口
での(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比は1.3〜
2.5とされる。
付けられており、このバーナ8、8には空気が管9か
ら、燃料(天然ガス)が管10からそれぞれ供給され、
反応器7内が反応に必要な温度に保たれるようになって
いる。反応器7には、上述の改質用触媒が充填された触
媒床7aが設けられている。この触媒床7aの形態は、
固定床、移動床、流動床などの任意の形態を選択でき
る。また、原料ガスの空間速度は、500〜20000
0/Hr、好ましくは1000〜100000/Hr、
さらに好ましくは1000〜70000/Hrの範囲と
される。反応器7の出口の温度は、750〜950℃、
好ましくは850〜900℃、圧力は、5〜40kg/
cm2、好ましくは15〜25kg/cm2とされる。
下、改質ガスとも言う。)は、その温度が750〜95
0℃、圧力が5〜40kg/cm2であり、一酸化炭素
と水素、すなわち合成ガスが約80vol%を占め、残
りが未反応または副生した二酸化炭素、水蒸気、メタン
であり、この改質ガスは、反応器7から管11を経て第
1熱交換器12に送られ、その熱が回収される。
却された改質ガスは、ついで、管14から第2熱交換器
15に送られ、ここでさらに熱が回収され、冷却されて
分離槽16に送られる。分離槽16では、ガス中の水分
が凝縮、除去される。
成ガスを原料とするDME合成、FT合成、メタノール
合成などの製造プロセスに供給される。ここで、ガスが
供給される製造プロセスの種類に応じて、反応器7への
二酸化炭素とスチームの供給比を(二酸化炭素+スチー
ム)/カーボン比が1.3〜2.5の範囲内で調節し
て、反応器7から導出された合成ガス含有ガスの組成を
調節することが好ましい。
成装置に供給される場合には、反応器7の入口での(二
酸化炭素+スチーム)/カーボン比を1.3〜1.8程
度に調節して、改質ガス中の水素/一酸化炭素比を0.
9〜2.2とすることが好ましい。また、水分が除去さ
れたガスがFT合成装置に供給される場合には、(二酸
化炭素+スチーム)/カーボン比を1.3〜2.2程度
に調節して、水素/一酸化炭素比を0.9〜2.2とす
ることが好ましい。さらに、水分が除去されたガスがメ
タノール合成装置に供給される場合には、(二酸化炭素
+スチーム)/カーボン比を1.4〜2.5程度に調節
して、(水素−二酸化炭素)/(一酸化炭素+二酸化炭
素)比を1.8〜2.2とすることが好ましい。
純水が送られ、ここで加熱されたうえ、スチームドラム
21に送られる。そして、スチームドラム21において
第1熱交換器12で回収された熱によってさらに加熱さ
れて、温度180〜310℃、圧力10〜100kg/
cm2のスチームとなって、管6を経て、管5、13に
流れる原料の天然ガスと二酸化炭素と混合されて予熱炉
2に送られる。なお、過剰のスチームは、管22から分
岐されて系外に排出される。
例を実施するための装置を示すものである。この例のも
のは、原料の炭化水素として、油田随伴ガス、ナフサ、
重油などの主成分が炭素数3から8の炭化水素およびそ
の混合物(本発明では、重質炭化水素と言う。)を用い
る場合のもので、この例ではナフサを用いた例で説明を
進める。この例の製法は、ナフサを予めプレコンバータ
に導入して予備転換して炭素数が2以下の軽質炭化水素
に転換したのち反応器に送るようになっている。このた
め、図4において、図3に示したものと同一構成部分に
は同一符号を付してその説明を省略する。
れ、加熱されて、気体状となって、管3から脱硫器4に
送られ、ここで別途導入された水素によって随伴される
硫黄分が脱硫される。脱硫器4からのナフサは管5から
再び予熱炉2に送られるがこのとき管6からのスチーム
がこれに混合される。予熱炉2で温度400〜550℃
に加熱されたナフサとスチームとの混合物は、プレコン
バーター25に送り込まれる。
ル系触媒が充填されており、温度400〜550℃、圧
力5.5〜55kg/cm2 、スチーム/カーボン比1
〜4の条件で転換反応が進行するようになっており、こ
こでナフサが低質炭化水素のメタンに転換される。プレ
コンバーター25から導出された低質炭化水素は、管2
3から再度予熱炉2に送られるが、このとき管6から分
岐した管24からのスチームおよび管13からの二酸化
炭素がこれに混合される。低質炭化水素とスチームおよ
び二酸化炭素との混合ガスは予熱炉2で再度加熱されて
反応器7に供給される。反応器7以降の処理操作は、先
の天然ガスの例と同様である。
ホーミング反応に際して、上述の高活性の改質用触媒を
用いているので、反応条件として低コストの運転が可能
で、かつ設備コストも低くできる(二酸化炭素+スチー
ム)/カーボン比が1.5近傍で、温度900℃程度、
圧力20kg/cm2程度の反応条件においても、炭素
質の析出がなく、長期間安定して合成ガスを製造でき
る。
(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比1.3〜2.
5、温度750〜950℃、圧力5〜40kg/cm2
の広い範囲の条件下においても、炭素質の析出を招くこ
となく、良好にリホーミング反応を進行させることがで
きる。 このため、本発明の合成ガスの製法によれば、
運転コスト、設備コストの低減が可能となる。
体例に限定されるものではない。 (1)改質用触媒の調製例 硝酸コバルト六水和物1.62kg、硝酸マグネシウム
六水和物27.1kgを水50Lに溶解した。ついで、
溶液温度を50℃に保ちながら、2mo1/L炭酸カル
シウム水溶液59Lを加えることによってpH9にし、
コバルト,マグネシウムの2成分からなる沈殿物を生成
させた。沈殿物をろ過し、洗浄を行なった。空気中12
0℃で12時間以上乾燥した。ついで、空気中、450
℃で4時間焼成して一次焼成物を得た。これを成型し、
その後空気中、1180℃で5時間焼成して触媒を得
た。
m、有効長さ2000mmの流通式反応管に充填して反
応器とした。この反応器に、予め水素を温度700℃で
流して触媒の活性化を行った後、メタンと二酸化炭素と
スチームとを以下の条件で送り込んだ。なお、反応器出
口の温度を900℃、圧力を20kg/cm2とした。 ・スチーム/カーボン比=0.72 ・二酸化炭素/カーボン比=0.2 ・(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比=0.92 ・メタン供給量=5Nm3/時間 ・スチーム供給量=3.6Nm3/時間 ・二酸化炭素供給量=1.0Nm3/時間 ・反応器入口温度=550℃
「熱量原単位」とは、原料用メタンと燃料用メタンの合
計量に発熱量を乗じこれを合成ガス(水素+一酸化炭
素)発生量で除したものである。また、「熱回収系設備
容量」とは、熱回収系(スチーム発生器)設備容量を同
じく合成ガス発生量で除したものである。
化させて、(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比を変
化させ、その他の条件は同一にして反応を行った。その
結果を表1に示す。
1.08、二酸化炭素/カーボン比が0.42、すなわ
ち(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比が1.5にお
いて、熱量原単位、熱回収系設備容量が最小になり、最
も経済的な合成ガスの製造が可能であることが判明し
た。また、炭素質の析出が、(二酸化炭素+スチーム)
/カーボン比3以下でも生じないことも明らかである。
の製法によれば、CoO、NiOおよびMOxの少なく
とも1種をMgOまたはMgO/CaOと複合酸化物化
し、Co、NiおよびMの少なくとも1種を高分散化し
た改質用触媒を用いて、炭化水素と二酸化炭素およびス
チームとからリホーミング反応により合成ガスを得るよ
うにしているので、運転コスト、設備コストが最も安く
なる反応条件においても、炭素質の析出がなく、長期間
安定して製造を行うことができる。
などの重質炭化水素をメタンなどの軽質炭化水素に転換
してこれとスチームとを反応させれば、重質炭化水素も
問題なく原料とすることができる。さらに、反応器から
の合成ガス含有ガスの熱を回収してスチームの熱源とす
れば、運転コストを低減できる。また、反応器への二酸
化炭素とスチームの供給比を調節して、反応器から導出
された合成ガス含有ガスの組成を、合成ガスを使用する
後段のプロセスの種類に応じて調節すると、後段のプロ
セスも含めたプロセス全体の製造コストを低減できる。
(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比との関係を示す
図表である。
示す説明図である。
置の概略構成図である。
装置の概略構成図である。
ム、25…プレコンバータ
Claims (6)
- 【請求項1】 炭化水素と二酸化炭素とスチームを、反
応器内で改質用触媒の存在下、反応させて合成ガスを製
造する方法であって、 反応器入口での(二酸化炭素+スチーム)/カーボン比
が1.3〜2.5であり、反応器出口での温度が750
〜950℃、圧力が5〜40kg/cm2であり、 改質用触媒が、下記式で表される組成を有する複合酸化
物からなり、M、CoおよびNiの少なくとも1種が該
複合酸化物中で高分散化されているものであることを特
徴とする合成ガスの製法。 aM・bCo・cNi・dMg・eCa・fO (式中、a,b,c,d,eはモル分率であり、a+b
+c+d+e=1、0≦a≦0.1、 0.001≦
(b+c)≦0.3、0≦b≦0.3、0≦c≦0.
3、0.6≦(d+e)≦0.999、0<d≦0.9
99、0≦e≦0.999、f=元素が酸素と電荷均衡
を保つのに必要な数であり、Mは周期律表第6A族元
素、第7A族元素、Coおよび/またはNiを除く第8
族遷移元素、第1B族元素、第2B族元素、第4B族元
素、およびランタノイド元素の少なくとも1種類の元素
である。) - 【請求項2】 炭化水素が、炭素数3〜8の重質炭化水
素である場合には、前段に予備改質工程を設けて、予め
重質炭化水素を炭素数2以下の軽質炭化水素に転換し
て、反応器に送ることを特徴とする請求項1に記載の合
成ガスの製法。 - 【請求項3】 反応器から導出された合成ガス含有ガス
の熱を回収し、この熱でスチームを発生せしめ、反応器
に送ることを特徴とする請求項1または2に記載の合成
ガスの製法。 - 【請求項4】 反応器への二酸化炭素とスチームの供給
比を調節して、反応器から導出された合成ガス含有ガス
の組成を調節することを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載の合成ガスの製法。 - 【請求項5】 反応器から導出された合成ガス含有ガス
における水素/一酸化炭素比が0.9〜2.2となるよ
うに、反応器への二酸化炭素とスチームの供給比を調節
すること特徴とする請求項4に記載の合成ガスの製法。 - 【請求項6】 反応器から導出された合成ガス含有ガス
における(水素−二酸化炭素)/(一酸化炭素+二酸化
炭素)比が1.8〜2.2となるように、反応器への二
酸化炭素とスチームの供給比を調節すること特徴とする
請求項4に記載の合成ガスの製法。
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