JP4663098B2 - 水素の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、メタン、天然ガス、ナフサなどの炭化水素とスチーム(水蒸気)を反応させて水素含有ガスを製造する方法に関し、低コストで安定して水素の製造が行えるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、メタン、天然ガス、ナフサ、石油ガス、重油、原油などの炭化水素とスチームとを反応器に送り、改質用触媒の存在下、800〜1000℃の温度で反応(リホーミング反応と言う。)させて、水素と一酸化炭素を主成分とする改質ガスを生成せしめ、ついでこの改質ガス中の水素を分離して水素を製造する方法が知られている。
そして、上記改質用触媒としては、ニッケル/アルミナ触媒、ニッケル/マグネシア/アルミナ触媒などが用いられている。
【0003】
このようにして製造された水素は、脱硫、水素化精製、肥料製造、還元製鉄などの用途に使用されており、その用途における反応条件から圧力が20kg/cm2(本明細書では、圧力は、すべてゲージ圧kg/cm2Gで表記してある。)程度であることが好ましいとされ、水素の使用者(購入者)からは高圧の水素が望まれている事情がある。
【0004】
ところで、このリホーミング反応による水素の製造においては、反応時のエネルギー効率および装置コストの点から、最適の反応条件があるとされている。
通常のリホーミング反応では、温度が600〜1000℃、圧力が5〜30kg/cm2の範囲とされ、標準的な反応は、温度が900℃、圧力が20kg/cm2程度の条件で行われている。
【0005】
一方、リホーミング反応による水素製造プラントでは、その運転コストならびに設備コストに大きな影響を与える因子として、スチーム/カーボン比がある。
このスチーム/カーボン比とは、原料の炭化水素中の炭素1モルに対するスチーム(水)のモル数の比である。このスチーム/カーボン比は、単純には化学等量の1付近であることが好ましいことになる。
【0006】
したがって、温度900℃、圧力20kg/cm2、スチーム/カーボン比1付近の反応条件でリホーミング反応を行えば、最も好ましいことになる。
しかるに、温度900℃、圧力20kg/cm2、スチーム/カーボン比1付近の最適条件で反応を行わせようとすると、従来の改質用触媒では、炭素質が多量に析出し、反応を行わせることは不可能であった。
【0007】
図1は、従来の改質用触媒を用いた場合の反応温度900℃における反応圧力と、スチーム/カーボン比との関係を図示したもので、グラフ中の斜線を付した領域は、炭素質の析出が許容値以下であって実用可能の範囲であり、これ以外の領域は炭素質の析出が許容値を越え実用不可能であることを示している。
このグラフから、従来の改質用触媒を用い、温度900℃、圧力20kg/cm2でスチーム/カーボン比が1近傍の条件では実用上反応を行うことができないことがわかる。
【0008】
このため、従来のリホーミング反応による水素の製法では、スチーム/カーボン比を3以上として運転しており、過剰のスチームを必要とし、製造コストが嵩み、かつ設備コストも高くつく欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、リホーミング反応により温度900℃、圧力20kg/cm2、スチーム/カーボン比1付近の最適条件での水素含有ガスを製造する際に、炭素質の析出がなく、長期間にわたって安定して低コストで製造できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、以下に示す改質用触媒を用いることにより解決できる。また、この触媒を用いることで、圧力が5〜40kg/cm、温度750〜950℃、スチーム/カーボン比1.3〜2.5の広い条件範囲においても、炭素質の析出がなく、経済的な水素の製造が可能となる。この改質用触媒は、下記式で表される組成を有する複合酸化物からなり、CoおよびNiの少なくとも1種が該複合酸化物中で高分散化されているものである。
Co・cNi・dMg・eCa・fO
(式中,b,c,d,eはモル分率であり,b+c+d+e=1,0.001≦(b+c)≦0.3,0≦b≦0.3,0≦c≦0.3,0.6≦(d+e)≦0.999,0<d≦0.999,0≦e≦0.999,f=元素が酸素と電荷均衡を保つのに必要な数である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。まず、本発明の水素の製法に用いられる改質用触媒について説明する。この改質用触媒は、下記式で表される組成を有する複合酸化物からなり、CoおよびNiの少なくとも1種が該複合酸化物中で高分散化されているものである。
Co・cNi・dMg・eCa・fO
(式中,b,c,d,eはモル分率であり,b+c+d+e=1,0.001≦(b+c)≦0.3,0≦b≦0.3,0≦c≦0.3,0.6≦(d+e)≦0.999,0<d≦0.999,0≦e≦0.999,f=元素が酸素と電荷均衡を保つのに必要な数である。
【0012】
なお、ここでの周期律表はIUPACによるものとする
【0013】
コバルト含有量(b)は、0≦b≦0.3であり、好ましくは、0≦b≦0.25、さらに好ましくは0≦b≦0.20である。コバルト含有量(b)が0.3を越えると後述する高分散化が阻害され、炭素質析出防止効果が十分得られない。
【0014】
ニッケル含有量(c)は、0≦≦0.3であり、好ましくは、0≦≦0.25、さらに好ましくは0≦≦0.20である。ニッケル含有量(c)が0.3を越えると後述する高分散化が阻害され、炭素質析出防止効果が十分得られない。
【0015】
また、コバルト含有量(b)とニッケル含有量(c)との合計量(b+c)は、0.001≦b+c≦0.3であり、好ましくは、0.001≦b+c≦0.25、さらに好ましくは0.0001≦b+c≦0.20である。合計含有量(b+c)が0.3を越えると後述する高分散化が阻害され、炭素質析出防止効果が十分得られない。0.001未満では反応活性が低い。
【0016】
マグネシウム含有量(d)とカルシウム含有量(e)との合計量(d+e)は、0.6≦(d+e)≦0.9998であり、好ましくは0.70≦(d+e)≦0.9998、さらに好ましくは0.77≦(d+e)≦0.9998である。このうち、マグネシウム含有量(d)は0<d≦0.999であり、好ましくは0.20≦d≦0.9998、さらに好ましくは0.37≦d≦0.9998であり、カルシウム含有量(e)は0≦<0.999、好ましくは0≦≦0.5、さらに好ましくは0≦≦0.3であり、カルシウムを欠くものであってもよい。
【0017】
マグネシウム含有量(d)とカルシウム含有量(e)との合計量(d+e)は、コバルト含有量(b)およびニッケル含有量(c)とのバランスで決められる。(d+e)は上記範囲内であればいかなる割合でもリホーミング反応に優れた効果を発揮するが、カルシウム(e)の含有量が多いと炭素質析出の抑制に効果があるものの、マグネシウム(d)が多い場合に比べて触媒活性が低い。よって、活性を重視するのであれば、カルシウム含有量(e)が0.5を越えると活性が低下するので好ましくない。
【0018】
本発明における複合酸化物とは、MgO、CaOが岩塩型結晶構造をとり、その格子に位置するMgまたはCa原子の一部がCo、Niに置換した一種の固溶体であって、単相をなすものであり、各元素の単独の酸化物の混合物を言うものではない。そして、本発明では、Co、Niの少なくとも1種がこの複合酸化物中で高分散状態となっている。
【0019】
本発明での分散とは、一般に触媒分野で定義されているものであって、例えば「触媒講座 第5巻 触媒設計」第141頁(触媒学会編、講談社刊)などにあるように、担持された金属の全原子数に対する触媒表面に露出している原子数の比として定められるものである。
【0020】
これを、本発明について図2の模式図によって具体的に説明すると、複合酸化物からなる触媒101の表面には活性中心となる半球状などの微小粒子102、102…が無数存在しており、この微小粒子102は、後述する活性化(還元)処理後ではCoの金属元素またはその化合物からなっている。この微小粒子102をなすCo、Niの金属元素またはその化合物の原子数をAとし、これらの原子のうち粒子102の表面に露出している原子の数をBとすると、B/Aが分散度となる。
【0021】
触媒反応に関与するのは、微小粒子102の表面に露出している原子であると考えれば、分散度が1に近いものは多くの原子がその表面に分布することになって、活性中心が増加し、高活性となりうると考えられる。
また、微小粒子102の粒径が限りなく小さくなれば、微小粒子102をなす原子の大部分は、粒子102表面に露出することになって、分散度は1に近づく。したがって、微小粒子102の粒径が分散度を表す指標にもなりうる。
【0022】
本発明で用いられる触媒では、微細粒子102の径は種々の測定法、例えばX線回析法などの測定限界の3.5nm未満であり、このことから分散度が高く、高分散状態であると言うことができる。このため、反応に関与するコバルト、ニッケルの原子数が増加し、高活性となって、反応が化学量論的に進行し、炭素質(カーボン)の析出が防止される。
【0023】
このような改質用触媒を製造する方法としては、上述のコバルト、ニッケルの高分散化状態を得ることができる調製法であれば、いかなる方法でもよいが、特に好ましい調製法としては、含浸担持法、共沈法、ゾルーゲル法(加水分解法)、均一沈澱法などが挙げられ、また本出願人が先に特許出願した特願平6−301645号(特開平8−131835号公報参照)に開示の調製法を用いることもできる。
【0024】
例えば、共沈法によって調製するには、まずコバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウムの酢酸塩などの有機塩や、硝酸塩などの無機塩といった水溶性塩類を水に溶解した完全な水溶液とする。この水溶液を撹拌しながら20〜120℃、好ましくは40〜100℃で沈でん剤を加えて沈でん物を生成させる。触媒成分を高度に分散させるには、沈でんを生成させる際に撹拌するのが好ましく、沈でん物生成後も10分間以上撹拌して沈でんの生成を完結させるのが好ましい。
【0025】
沈でん剤には、ナトリウムおよび/またはカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、シュウ酸塩、水酸化物が好ましい。また、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、アンモニア(アンモニア水)なども沈でん剤として使用できる。
沈でん剤の添加によってpHが上昇し、上記の成分からなる化合物が熱分解性水酸化物の形態で沈でんする。混合物の最終pHは6以上であるのが好ましく、pHが8〜11の範囲がさらに好ましい。沈でん物が得られたら、沈でん物をろ過後、水や炭酸アンモニウム水溶液で洗浄を繰り返し、次にそれを100℃以上の温度で乾燥する。次に、乾燥した沈でん物を、空気中、500〜1500℃、好ましくは1000〜1300℃で20時間焼成して熱分解性水酸化物の熱分解を行い、目的の改質用触媒を得る。
また、沈殿物を400〜600℃で一次焼結し、これを成形した後さらに1000〜1300℃で二次焼成して改質用触媒としてもよい。
【0026】
このようにして得られた触媒は、比表面積が0.2〜5m2/gである。
また、得られた触媒を粉砕して、粉末として用いることもできるが、必要に応じて圧縮成型機により成型して、タブレット状として用いることもできる。また、これらの触媒を石英砂、アルミナ、マグネシア、カルシア、その他の希釈剤と合わせて用いることもできる。
【0027】
つぎに、本発明の水素の製造方法について詳しく説明する。まず、予め改質用触媒の活性化処理を行う。この活性化処理は触媒を水素ガスなどの還元性気体の存在下で、500〜1000℃、好ましくは600〜1000℃、さらに好ましくは650〜1000℃の温度範囲で0.5〜30時間程度加熱することによって行われる。還元性気体は窒素ガスなどの不活性ガスで希釈されていてもよい。この活性化処理をリホーミング反応を行う反応器内で行うこともできる。この活性化処理により、図2での触媒101表面の微小粒子102、102…が還元されてCo、Niの少なくとも1種が金属元素またはその化合物となり、触媒活性が発現する。ここでの活性化処理は、従来のCo酸化物系触媒の活性化よりも高温で行う。従来のCo酸化物系触媒ではすべて500℃未満で行われており、このような高温での活性化処理が上述の高分散化に寄与している可能性がある。
【0028】
図3は、本発明の製法の一例を実施するための製造装置を示すものである。この例では、炭化水素としてメタンを主成分とする天然ガスを用いたもので説明を進める。
原料ガスとしての天然ガスが、管1から予熱炉2に送り込まれ、ここで300〜500℃に加熱され、管3を通り、脱硫器4に送られる。脱硫器4では、別途導入された水素によって天然ガスに随伴される硫黄分が除去され、脱硫された天然ガスは、管5を通り、別途管6から供給されるスチームと合流して再度予熱炉2に導入され、500〜600℃に加熱されて反応器7に送り込まれる。反応器7の入口でのスチーム/カーボン比は1.3〜2.5とされる。
【0029】
反応器7の底部には、バーナ8、8が取り付けられており、このバーナ8、8には空気が管9から、燃料(天然ガス)が管10からそれぞれ供給され、反応器7内が反応に必要な温度に保たれるようになっている。
反応器7には、上述の改質用触媒が充填された触媒床7aが設けられている。
この触媒床7aの形態は、固定床、移動床、流動床などの任意の形態を選択できる。また、原料ガスの空間速度は、500〜200000/Hr、好ましくは1000〜100000/Hr、さらに好ましくは1000〜70000/Hrの範囲とされる。
反応器7の出口の温度は、750〜950℃、好ましくは850〜900℃、圧力は、5〜40kg/cm2、好ましくは15〜25kg/cm2とされる。
【0030】
反応後の水素含有ガス(以下、改質ガスとも言う。)は、その温度が750〜950℃、圧力が5〜40kg/cm2であり、一酸化炭素と水素が約80vol%を占め、残りが二酸化炭素、水蒸気、未反応のメタンの組成を有しており、この改質ガスは、反応器7から管11を経て第1熱交換器12に送られ、その熱が回収される。
【0031】
第1熱交換器12で350〜450℃に冷却された改質ガスは、つぎに高温シフトコンバータ13に送られ、ここで触媒の存在下、ガス中の一酸化炭素が水蒸気と反応して、水素と二酸化炭素に転換され、一酸化炭素が0.5vol%以下、温度400〜500℃のガスとなって、管14から第2熱交換器15に送られ、ここでさらに熱が回収され、冷却されて分離槽16に送られる。分離槽16では、ガス中の水分が凝縮、除去される。
【0032】
水分が除去されたガスは、管17を通り、PSA装置18に送られ、ここで水素が分離、濃縮されて、純度99〜99.99%、圧力5〜40kg/cm2、温度30〜40℃の水素が製品として取り出される。
PSA装置18は、周知の吸着剤、分離膜を用いた圧力変動吸着法(プレッシャスイングアプソープション)によるもので、ここからの排出ガス(オフガス)は、一酸化炭素、水素、メタン、二酸化炭素などを含み、管19から燃料として反応器7のバーナ8、8に送られる。
【0033】
一方、第2熱交換器15には、管20から純水が送られ、ここで高温シフトコンバータ13からの改質ガスと熱交換して加熱されたうえ、スチームドラム21に送られ、ここで第1熱交換器12で回収された熱によってさらに加熱されて、温度180〜310℃、圧力10〜100kg/cm2のスチームとなって、管6を経て管5に流れる原料の天然ガスと混合されて予熱炉2に送られる。なお、過剰のスチームは、管22から分岐されて系外に排出される。
【0034】
図4は、本発明の水素の製法の第2の例を実施するための装置を示すものである。
この例のものは、原料の炭化水素として、油田随伴ガス、ナフサ、重油などの主成分が炭素数3から8の炭化水素およびその混合物(本発明では、重質炭化水素と言う。)を用いる場合のもので、この例ではナフサを用いた例で説明を進める。
この例の製法は、ナフサを予めプレコンバータに導入して予備転換して炭素数が2以下の軽質炭化水素に転換したのち反応器に送るようになっている。このため、図4において、図3に示したものと同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
原料のナフサが管1から予熱炉2に送られ、加熱されて、気体状となって、管3から脱硫器4に送られ、ここで随伴される硫黄分が脱硫される。脱硫器4からのナフサは管5から再び予熱炉2に送られるがこのとき管6からのスチームがこれに混合される。予熱炉2で温度400〜550℃に加熱されたナフサとスチームとの混合物は、プレコンバータ22に送り込まれる。
【0036】
プレコンバータ22には、公知のニッケル系触媒が充填されており、温度400〜550℃、圧力5.5〜55kg/cm2、スチーム/カーボン比1〜4の条件で転換反応が進行するようになっており、ここでナフサが低質炭化水素のメタンに転換される。プレコンバータ22から導出された低質炭化水素は、管23から再度予熱炉2に送られるが、このとき管6から分岐した管24からのスチームがこれに混合される。低質炭化水素とスチームとの混合ガスは予熱炉2で再度加熱されて反応器7に供給される。
反応器7以降の処理操作は、先の天然ガスの例と同様である。
【0037】
このような水素の製法にあっては、リホーミング反応に際して、上述の高活性の改質用触媒を用いているので、反応条件として低コストの運転が可能で、かつ設備コストも低くできるスチーム/カーボン比が1.5近傍で、温度900℃程度、圧力20kg/cm2程度の反応条件においても、炭素質の析出がなく、長期間安定して水素の製造を行うことができる。
【0038】
また、上記改質用触媒の活性が高いので、スチーム/カーボン比1.3〜2.5、温度750〜950℃、圧力5〜40kg/cm2の広い範囲の条件下においても、炭素質の析出を招くことなく、良好にリホーミング反応を進行させることができる。 このため、本発明の水素の製法によれば、運転コスト、設備コストの低減が可能となる。
【0039】
また、水素含有ガスからの水素の精製には、PSA法以外にパラジウム膜などの分離膜を用いた膜分離法を用いても良い。
【0040】
以下、具体例を示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
(1)改質用触媒の調製例
硝酸コバルト六水和物1.62kg、硝酸マグネシウム六水和物27.1kgを水50Lに溶解した。ついで、溶液温度を50℃に保ちながら、2mo1/L炭酸カルシウム水溶液59Lを加えることによってpH9にし、コバルト,マグネシウムの2成分からなる沈殿物を生成させた。沈殿物をろ過し、洗浄を行なった。空気中120℃で12時間以上乾燥した。ついで、空気中、450℃で4時間焼成して一次焼成物を得た。これを成型し、その後空気中、1180℃で5時間焼成して触媒を得た。
【0041】
(2)製造例 1
上述の調製例で得られた改質用触媒4Lを内径50mm、有効長さ2000mmの流通式反応管に充填して反応器とした。この反応器に、予め水素を温度700℃で流して活性化した後、メタンとスチームとを、スチーム/カーボン比を0.9、メタン供給量を5Nm3/時間、スチーム供給量を4.5Nm3/時間、反応器入口温度を550℃として送り込んだ。反応器出口の温度を900℃、圧力を20kg/cm2とした。
【0042】
反応の結果を表1に示す。表1において、「熱量原単位」とは、原料用メタンと燃料用メタンの合計量に発熱量を乗じこれを水素発生量で除したものである。また、「熱回収系設備容量」とは、熱回収系(スチーム発生器)設備容量を水素発生量で除したものである。
【0043】
(3)製造例 2〜4
製造例1において、スチームの供給量を変化させて、スチーム/カーボン比を変化させ、その他の条件は同一にして反応を行った。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004663098
【0045】
表1の結果から、スチーム/カーボン比が1.5において、熱量原単位、熱回収系設備容量が最小になり、最も経済的な水素の製造が可能であることが判明した。また、炭素質の析出が、スチーム/カーボン比3以下でも生じないことも明らかである。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水素の製法によれば、CoO、NiOの少なくとも1種をMgOまたはMgO/CaOと複合酸化物化し、Co、Niの少なくとも1種を高分散化した改質用触媒を用いて、炭化水素とスチームとからリホーミング反応により水素含有ガスを得るようにしているので、運転コスト、設備コストが最も安くなる反応条件においても、炭素質の析出がなく、長期間安定して製造を行うことができる。
【0047】
また、前段に予備転換工程を設けてナフサなどの重質炭化水素をメタンなどの軽質炭化水素に転換してこれとスチームとを反応させれば、重質炭化水素も問題なく原料とすることができる。
さらに、水素分離工程から排出されるオフガスを反応用熱源とするか、あるいは反応器からの水素含有ガスの熱を回収してスチームの熱源とすれば、運転コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の改質用触媒を用いた場合の反応圧力とスチーム/カーボン比との関係を示す図表である。
【図2】本発明で用いられる触媒の表面状態を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の水素の製法の一例に用いられる装置の概略構成図である。
【図4】本発明の水素の製法の他の例に用いられる装置の概略構成図である。
【符号の説明】
7…反応器、12…第1熱交換器、18…PSA装置、21…スチームドラム、22…プレコンバータ

Claims (4)

  1. 炭化水素とスチームを、反応器内で改質用触媒の存在下、反応させて水素含有ガスを製造する方法であって、反応器入口でのスチーム/カーボン比が1.3〜2.5であり、反応器出口での温度が750〜950℃、圧力が5〜40kg/cmであり、改質用触媒が、下記式で表される組成を有する複合酸化物からなり,CoおよびNiの少なくとも1種が該複合酸化物中で高分散化されているものであることを特徴とする水素の製法。
    Co・cNi・dMg・eCa・fO
    (式中,b,c,d,eはモル分率であり,b+c+d+e=1,0.001≦(b+c)≦0.3,0≦b≦0.3,0≦c≦0.3,0.6≦(d+e)≦0.999,0<d≦0.999,0≦e≦0.999,f=元素が酸素と電荷均衡を保つのに必要な数である。
  2. 炭化水素が、炭素数3〜8の重質炭化水素である場合には、前段に予備改質工程を設けて、予め重質炭化水素を炭素数2以下の軽質炭化水素に転換して、反応器に送ることを特徴とする請求項1に記載の水素の製法。
  3. 反応器から導出される水素含有ガスを水素分離工程に送り、水素を濃縮するとともに水素分離工程から排出されるオフガスを反応用熱源とすることを特徴とする請求項1または2に記載の水素の製法。
  4. 反応器から導出された水素含有ガスの熱を回収し、この熱でスチームを発生せしめ、反応器に送ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水素の製法。
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