JP2002172571A - ダブルアームおよびそれを備えたロボット - Google Patents

ダブルアームおよびそれを備えたロボット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの取り扱いに必要とされるエンドエフ
ェクタの長手方向寸法に拘わらず可能な限り旋回動作専
有面積を小さくすることができるダブルアームおよびそ
れを備えたロボットを提供する。 【解決手段】 第1アーム20と第2アーム30とから
なるダブルアームであって、前記第1アーム20および
第2アーム30が少なくとも第1リンクおよび第2リン
ク21B,31Bを有し、前記第1アーム20の第1リ
ンクと前記第2アーム30の第1リンクとが一体化され
て旋回部材72を形成し、前記第1アーム20の第2リ
ンク21Bと前記第2アーム30の第2リンク31Bと
が互いに干渉しないような位置関係でそれぞれの第1リ
ンクに旋回自在に装着されるとともに、待機状態で各第
2リンク21B,31Bとそれぞれの第1リンクとがな
す角度が、前記第1アーム20および第2アーム30に
それぞれ装着されるエンドエフェクタの前記旋回軸回り
の旋回動作専有面積を最小とする角度に調整されてなる
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダブルアームおよび
それを備えてなるロボットに関する。さらに詳しくは、
1つのベース部に2つのアームがもうけられてなるダブ
ルアームおよびそれを備えたロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1つのベース部に2つのアームが
設けられてなるダブルアーム式ロボットとして、例えば
特開平10−163296号公報(図3参照)には、基
台100上端にくの字状の第1アームユニット110が
旋回自在に装着され、この第1アームユニット111の
両先端部に各支軸111、112を設けて、この各支軸
111,112により第2アームユニット113および
第3アームユニット114を支持させるとともに、この
第2アームユニット113および第3アームユニット1
14が初めの待機状態で第1アームユニット110と対
称形状をなす長さ寸法になされ、さらにこの第2アーム
ユニット113および第3アームユニット114のそれ
ぞれにワークW´を把持するハンド121,122が装
着されてなるロボットR1が提案されている。
【0003】ところが、ロボットR1においては、第1
アームユニット110と第2アームユニット113およ
び第3アームユニット114とが待機状態で対称形状を
なすものとされているので、この状態で第1アームユニ
ット110を旋回させたときのハンド121,122の
旋回半径が大きくなり、径の大きなワークWを取り扱う
場合などハンド121,122に長さ寸法のより大きな
ものを用いる必要が生じた場合は、旋回動作専有面積が
必要以上に大きなものになってしまうという問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、ワークの取り扱
いに必要とされるエンドエフェクタの長手方向寸法に拘
わらず可能な限り旋回動作専有面積を小さくすることが
できるダブルアームおよびそれを備えたロボットを提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のダブルアーム
は、第1アームと第2アームとからなるダブルアームで
あって、前記第1アームおよび第2アームが少なくとも
第1リンクおよび第2リンクを有し、前記第1アームの
第1リンクと前記第2アームの第1リンクとが一体化さ
れて旋回部材を形成し、前記第1アームの第2リンクと
前記第2アームの第2リンクとが互いに干渉しないよう
な位置関係でそれぞれの第1リンクに旋回自在に装着さ
れるとともに、待機状態で各第2リンクとそれぞれの第
1リンクとがなす角度が、前記第1アームおよび第2ア
ームにそれぞれ装着されるエンドエフェクタの前記旋回
軸回りの旋回動作専有面積を最小とする角度に調整され
てなることを特徴とする。
【0006】本発明のダブルアームにおいては、第2ア
ームの第2リンクが、第1アームの第2リンクより前記
旋回部材に接近させられているのが好ましく、各アーム
に装着されるエンドエフェクタが前記旋回軸方向で隣接
するようにされてなるのがさらに好ましい。
【0007】しかして、本発明のダブルアームはロボッ
トに搭載される。
【0008】
【作用】本発明のダブルアームは、待機状態における第
1アームおよび第2アームの各第2リンクとそれぞれの
第1リンクとのなす角度が、第1アームおよび第2アー
ムに装着されるエンドエフェクタの旋回動作専有面積を
最小とする角度に調整されるので、ワークの取り扱いに
必要とされるエンドエフェクタの長さ寸法に拘わらず旋
回動作専有面積を可能な限り小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施形態】以下、添付図面を参照しながら本発
明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実
施形態のみに限定されるものではない。
【0010】本発明の一実施形態に係るダブルアームを
備えたロボットの概略構成を図1に示し、ロボットR
は、円筒体形状のベース部10と、このベース部10の
上端部分に支持される、それぞれが3自由度の旋回機構
からなる第1および第2の各アーム20、30と、半導
体ウェハなどの円盤形状のワークWを把持可能に構成さ
れる、第1アーム20により支持される第1ハンド40
および第2アーム30により支持される第2ハンド50
と、各アーム20、30を駆動するサーボモータ機構6
0とを備えてなる。
【0011】各アーム20、30は、ベース部10に直
接設けられる共通の第1旋回機構70を有している。こ
の第1旋回機構70は軸心がベース部10のセンタと一
致するように設けられる第1旋回支軸71と、この第1
旋回支軸71により水平面内で旋回自在に支持される旋
回部材72とから構成されている。旋回部材72は、例
えば各角が丸められた3角形形状を有する平板状部材と
され、1つの頂点にあたる部分が第1旋回支軸71によ
り支持される回転中心部とされ、他の2つの頂点にあた
る部分がそれぞれ各アーム20、30の第2旋回機構2
1、31を支持する駆動端部とされる。なお、図示例に
おいては、旋回部材72は不等辺3角形とされ、第1ア
ーム20が不等辺の長い方に形成され、第2アーム30
が不等辺の短い方に形成されている。つまり、不等辺の
長い方が第1アーム20の第1リンクとして機能し、不
等辺の短い方が第2アーム30の第1リンクとして機能
している。
【0012】また、旋回部材72をこのような3角形形
状を有する平板状部材とすることによって、駆動力伝達
系をギアトレインで構成する場合に、旋回部材72内部
で各ギアを自由にレイアウトすることが可能となる。
【0013】第1アーム20の第2旋回機構21は、旋
回部材72の一方の駆動端部に設けられる第2旋回支軸
21Aと、この第2旋回支軸21Aにより水平面内で旋
回自在に支持される第2リンク21Bとからなる。第2
旋回支軸21Aは、第2リンク21Bを旋回させたとき
に、この第2リンク21Bが第2アーム30および第2
ハンド50と干渉しないように、第2リンク21Bを旋
回部材72から旋回面に対して垂直な方向に所定距離L
隔てた位置で支持するようにされる。
【0014】また、第1アーム20の第2リンク21B
がロボットRの待機状態で第1リンクに対してなす角度
θ1は、旋回部材72を第1旋回支軸71回りに旋回さ
せたときの第1ハンド40の旋回動作専有面積が最小と
なる角度となるように調整される。なお、この角度θ1
は、本実施形態では、第1旋回支軸71と第2旋回支軸
21Aとを結ぶ線分と、第2旋回支軸21Aと後出の第
3旋回支軸22Aとを結ぶ線分とがなす角度とされる。
また、このとき、第1ハンド40は後で説明するように
長手方向の中心線L1が第1旋回支軸71を通るように
後出の第3旋回支軸22Aにより支持される。
【0015】第1アーム20の第3旋回機構22は、第
2リンク21Bの駆動端部に設けられ、第1ハンド40
を水平面内で旋回自在に支持する第3旋回支軸22Aか
ら構成されている。
【0016】一方、第2アーム30の第2旋回機構31
は、旋回部材72の他方の駆動端部に設けられる第2旋
回支軸31Aと、この第2旋回支軸31Aにより水平面
内で旋回自在に支持される第2リンク31Bとからな
る。この第2アーム30の第2リンク31Bは、図示例
では第1アーム20の第2リンク21Bよりも短く形成
されている。このことおよび第2アーム30の第1リン
クが第1アーム20の第1リンクより短くされているこ
とにより、第2アーム30の動作範囲が第1アーム20
のそれより小さくなる。これにより、ダブルアームとし
てもシングルアームと同一の動作範囲とすることができ
る。
【0017】また、第2アーム30の第2リンク31B
がロボットRの待機状態で第1リンクに対してなす角度
θ2は、旋回部材72を第1旋回支軸71回りに旋回さ
せたときの第2ハンド50の旋回半径が最小となる角度
となるように調整される。なお、この角度θ2は、本実
施形態では、第1旋回支軸71と第2旋回支軸31Aと
を結ぶ線分と、第2旋回支軸31Aと後出の第3旋回支
軸32Aとを結ぶ線分とがなす角度とされる。また、こ
のとき、第2ハンド50は後で説明するように長手方向
の中心線L2が第1旋回支軸71を通るように第3旋回
支軸32Aにより支持される。
【0018】第2アーム30の第3旋回機構32は、第
2リンク31Bの駆動端部に設けられ第2ハンド50を
水平面内で旋回自在に支持する第3旋回支軸32Aから
構成されている。
【0019】第1ハンド40は、第1アーム20の第2
リンク21Bにおける旋回部材72側の面、つまり図1
(a)で第2リンク21Bにおける下側の面で第3旋回
支軸22Aにより支持されている。すなわち、第1ハン
ド40を通常通り第2リンク21Bの反旋回部材72
側、つまり第2リンク21Bの上側に設けると第2ハン
ド50との間の旋回軸方向の距離が大きくなり、ワーク
取り扱い上不都合が生じる場合があるため、本実施形態
のロボットRにおいては、第1ハンド40と第2ハンド
50とを旋回軸方向で隣接させるために、第1ハンド4
0を第2リンク21Bの下側に設けるようにしている。
【0020】一方、第2ハンド50は、第2アーム20
の第2リンク31Bにおける反旋回部材72側の面、つ
まり図1(a)で第2リンク31Bにおける上側の面で
第3旋回支軸22Aにより支持されている。なお、図1
(b)中、点線で示した円C内部の領域は、待機状態に
おける各アーム20,30および各ハンド40,50を
第1旋回支軸71を回転中心として旋回させた場合の旋
回領域を示す。
【0021】また、第1ハンド40および第2ハンド5
0はそれぞれ長手方向中心線L1,L2が第1旋回支軸7
1を通るように第2リンク21B、31Bにより支持さ
れる。これは、ダブルアーム式ロボットの場合、いずれ
のワークWをも第1旋回支軸71を通る同一の直線を軌
跡として搬送するように設定されるのが通常だからであ
る。
【0022】図2に各ハンドの動作態様を示す。例え
ば、第2ハンド50を前記中心線L2(図1参照)上に
あるフルアウトポイントPまで移動させる場合(同図
(b)参照)は、ロボットRの待機状態(図1参照)か
ら旋回部材72を矢印Aの方向に旋回させつつ、第2ハ
ンド50がフルアウトポイントPに向かって直線的に動
くように、第2旋回機構31および第3旋回機構32に
おける旋回角度位置を調節する。
【0023】また、第1ハンド40を前記フルアウトポ
イントPまで移動させる場合は、ロボットRの待機状態
から旋回部材72を矢印Aの方向に各中心線L1,L2
なす角θ3(図1参照)旋回させた後、旋回部材72を
矢印Aの逆方向に旋回させつつ、第1ハンド40がフル
アウトポイントPに向かって直線的に動くように、第2
旋回機構21および第3旋回機構22における旋回角度
位置を調節する。
【0024】このように、本実施形態のロボットRは、
待機状態で各第2リンク21B,31Bとそれぞれの第
1リンクとがなす角度θ1,θ2が、各ハンド40,50
の第1旋回支軸71回りの旋回動作専有面積を最小とす
る角度に調整されるので、取り扱うべきワークWの径に
より決まる各ハンド40,50の長手方向寸法に拘わら
ず旋回動作専有面積を最小とすることができる。
【0025】また、第1アーム20と第2アーム30の
第1旋回機構を共通の旋回機構70から構成するととも
に、第2アーム30の動作範囲を第1アーム20の動作
範囲より小さくしているので、ダブルアームとしてもシ
ングルアームと同一の動作範囲に納めることができる。
【0026】また、第1アーム20の第2リンク21B
を旋回させたときに、この第2リンク21Bおよび第2
ハンド50が第2アーム30および第2ハンド40と干
渉しないように、第2リンク21Bを旋回軸方向に旋回
部材72と所定距離L隔てた位置で第2旋回支軸21A
により支持するようにしているので、各アーム20、3
0の動作自由度を大きくすることができる。
【0027】さらに、第1ハンド40を第2リンク21
Bの旋回部材72側の面で支持することによって、第1
ハンド40と第2ハンド50とが旋回軸方向で隣接する
ようにしているので、ワークWの取り扱い上不都合が生
じる事態を回避することができる。
【0028】なお、前記実施形態では、旋回部材72を
角が丸められた不等長3角形形状の平板としたがこれに
限られるものではなく、2等辺3角形形状の平板とし、
第1アーム20および第2アーム30の各第1リンクを
等長とするとともに、第2リンク21B、31Bも各第
1リンクと等長としてよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダブルア
ームは、待機状態における第1アームおよび第2アーム
の各第2リンクとそれぞれの第1リンクとのなす角度
が、第1アームおよび第2アームに装着されるエンドエ
フェクタの旋回動作専有面積を最小とする角度となるよ
うに調節されるので、ワークの取り扱いに必要とされる
エンドエフェクタの長手方向寸法に拘わらず旋回動作専
有面積を可能な限り小さくすることができるという優れ
た効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るロボットの概略構成
を示す模式図であって、同(a)は該ロボットの一側面
図、同(b)は上面図、同(c)は同(a)におけるの
と90°異なる方向から見たときのロボット上部を示す
側面図である。
【図2】同ロボットアームの動作態様を示す模式図であ
る。
【図3】特開平10−163296号公報の提案に係る
ダブルアーム式ロボットの外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ベース部 20 第1アーム 21 第2旋回機構 21B 第2リンク 22 第3旋回機構 30 第2アーム 31 第2旋回機構 31B 第2リンク 32 第3旋回機構 40 第1ハンド 50 第2ハンド 70 第1旋回機構 71 第1旋回支軸 72 旋回部材 R ロボット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1アームと第2アームとからなるダブ
    ルアームであって、 前記第1アームおよび第2アームが少なくとも第1リン
    クおよび第2リンクを有し、 前記第1アームの第1リンクと前記第2アームの第1リ
    ンクとが一体化されて旋回部材を形成し、 前記第1アームの第2リンクと前記第2アームの第2リ
    ンクとが互いに干渉しないような位置関係でそれぞれの
    第1リンクに旋回自在に装着されるとともに、待機状態
    で各第2リンクとそれぞれの第1リンクとがなす角度
    が、前記第1アームおよび第2アームにそれぞれ装着さ
    れるエンドエフェクタの前記旋回軸回りの旋回動作専有
    面積を最小とする角度に調整されてなることを特徴とす
    るダブルアーム。
  2. 【請求項2】 第2アームの第2リンクが第1アームの
    第2リンクより前記旋回部材に接近させられていること
    を特徴とする請求項1記載のダブルアーム。
  3. 【請求項3】 各アームに装着されるエンドエフェクタ
    が前記旋回軸方向で隣接するようにされてなることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のダブルアーム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のダブルアームを
    備えてなることを特徴とするロボット。
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