JP2002172335A - 高耐久性有害物質除去エレメント - Google Patents

高耐久性有害物質除去エレメント

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JP2002172335A
JP2002172335A JP2000369915A JP2000369915A JP2002172335A JP 2002172335 A JP2002172335 A JP 2002172335A JP 2000369915 A JP2000369915 A JP 2000369915A JP 2000369915 A JP2000369915 A JP 2000369915A JP 2002172335 A JP2002172335 A JP 2002172335A
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Katsushi Ogami
勝志 大上
Takehiko Yasujima
岳彦 安島
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光反応性半導体の光触媒能および吸着剤の吸着
能によって悪臭や細菌などの有害物質を除去可能であ
り、かつ所定の圧力損失を有する通気性基材を併用する
ことにより、その有害物質除去性能の効果の持続性をも
高めた高耐久性有害物質除去エレメントを提供すること
にある。 【解決手段】少なくとも光反応性半導体および吸着剤を
含有してなるコルゲート構造体の少なくとも一方の開孔
断面に、JIS B 9908に準じて面風速5.3cm
/秒で測定された圧力損失(P)が0.5Pa≦P≦4
0Paの範囲内にある通気性基材を積層してなることを
特徴とする高耐久性有害物質除去エレメント。通気性基
材に抗菌防黴加工や帯電加工を施しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反応性半導体の
光触媒能および吸着剤の吸着能によって悪臭や細菌など
の有害物質を除去可能であり、かつ所定の圧力損失を有
する通気性基材を併用することにより、その有害物質除
去性能の効果の持続性をも高めた高耐久性有害物質除去
エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】工場などにおける工業的に発生する悪臭
や有害化学物質、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテ
ルなどのサービス産業における廃棄物に起因した悪臭な
どによる従来からの環境汚染の問題に加えて、最近のア
メニティ志向の高まりに伴い、一般生活空間、例えば室
内や自動車内の悪臭、有害化学物質などによる室内環境
汚染の問題がクローズアップされており、これら有害物
質の除去に対するニーズが急速に高まっている。
【0003】悪臭や有害化学物質などの有害物質の除去
方法としては、活性炭やゼオライトなどの多孔性物質、
いわゆる吸着剤による吸着除去が一般的である。しかし
ながら、吸着剤は大部分の有害物質に対して吸着作用し
か示さず、一定量の有害物質を吸着すると除去性能が著
しく低下する、あるいは、周囲の温度や有害物質の濃度
如何では一度吸着した有害物質が離脱してしまうなど、
その効果の持続性の点で問題があった。
【0004】係る問題を解決するために、触媒を用いて
有害物質を分解除去する方法が考案されている。有害物
質の分解除去能を有する材料は各種知られているが、中
でも酸化チタンに代表される光反応性半導体が近年大き
な注目を集めている。例えば、Cundallらは、
J.Oil.Chem.Assoc.1978,61,
351において、酸化チタンに紫外線を照射した場合、
水とアルコールの混合系でアルコールが分解されること
を報告している。さらに特開昭61−135669号公
報においては、酸化亜鉛などの光反応性半導体に紫外線
を照射すると、悪臭物質である硫黄化合物が分解される
ことが報告されている。これら光反応性半導体による分
解反応においては、反応の進行に伴って光反応性半導体
が消費されることはなく、光に曝露されている限りその
分解能力は半永久的である。
【0005】以上のような吸着剤と触媒の併用による素
材面からの効果の持続性を高めるアプローチのみなら
ず、該素材を担持した適当な母材をコルゲート構造体の
ような大表面積のフィルタ構造体とすることによって、
構造面からも効果の持続性を高める工夫が施されるのが
一般的である。
【0006】ところが、通常の空気浄化においては、悪
臭や有害化学物質などのガス状の汚染源に加えて、花
粉、塵芥、タバコ煙、オイルミストなどの浮遊粒子が被
浄化空気中に存在しており、浮遊粒子が上記のフィルタ
構造体に付着すると、その有害物質除去性能が急激に低
下してしまうという問題がある。そこで、浮遊粒子によ
るフィルタ構造体の汚染を抑制するために、除塵性基材
のプリーツ構造体をフィルタ構造体と一体化した構造の
空気清浄化ユニットが各種提案されている。
【0007】該空気清浄化ユニットにおいては、除塵性
基材の作用によってフィルタ構造体中の吸着剤や触媒の
汚染が抑制され、フィルタ構造体の有害物質除去性能の
効果の持続性を高めることが可能である。しかしなが
ら、除塵性基材のプリーツ構造体に捕捉された浮遊粒子
や、除塵性基材上に発生した細菌および黴などが原因と
なって、除塵性基材そのものから臭気が発生してしまう
という解決すべき課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の課題を克服した光反応性半導体の光触媒能および吸着
剤の吸着能によって悪臭や細菌などの有害物質を除去可
能であり、かつ所定の圧力損失を有する通気性基材を併
用することにより、その有害物質除去性能の効果の持続
性をも高めた高耐久性有害物質除去エレメントを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、高耐久性有害物
質除去エレメントを発明するに至った。
【0010】1.少なくとも光反応性半導体および吸着
剤を含有してなるコルゲート構造体の少なくとも一方の
開孔断面に、JIS B 9908に準じて面風速5.3
cm/秒で測定された圧力損失(P)が0.5Pa≦P
≦40Paの範囲内にある通気性基材を積層してなるこ
とを特徴とする高耐久性有害物質除去エレメントの発明
である。
【0011】2.上記1の高耐久性有害物質除去エレメ
ントにおいて、通気性基材が、抗菌防黴剤を含有するこ
とを特徴とする高耐久性有害物質除去エレメントの発明
である。
【0012】3.上記2の高耐久性有害物質除去エレメ
ントにおいて、抗菌防黴剤がメルカプトピリジン−N−
オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を主成分とす
ることを特徴とする高耐久性有害物質除去エレメントの
発明である。
【0013】4.上記1〜3の高耐久性有害物質除去エ
レメントにおいて、通気性基材に、帯電加工が施された
ことを特徴とする高耐久性有害物質除去エレメントの発
明である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の高耐久性有害物
質除去エレメントに係わる構成要素を詳細に説明する。
【0015】まず、本発明の高耐久性有害物質除去エレ
メントを構成するコルゲート構造体について、以下に説
明する。本発明に係わるコルゲート構造体は、少なくと
も光反応性半導体および吸着剤を含有してなるコルゲー
ト母材を用いて、JIS Z 1516−1995「外装
用段ボール」に準拠して作製されるものであり、光反応
性半導体の光触媒作用および吸着剤の吸着作用によっ
て、悪臭や有害化学物質などの有害物質を吸着分解除去
することができるものである。
【0016】まず、光反応性半導体について、以下に具
体的に説明する。本発明に係わる光反応性半導体は、有
害物質を分解除去する目的で使用されるものである。こ
こで云う光反応性半導体とは、0.5〜5eV、好まし
くは1〜3eVの禁止帯幅を有する光触媒反応を生ずる
半導体であって、光反応性半導体で生成した正孔、OH
ラジカルなどにより有害物質が分解される。光反応性半
導体の形状としては、粒子状のものが好ましく、比表面
積が10〜500m2/gの粒子を適宜選択して用いる。
【0017】このような光反応性半導体としては、特開
平2−273514号公報に開示されているものを挙げ
ることが可能であり、酸化亜鉛、三酸化タングステン、
酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好まし
く、これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光反
応性半導体としての能力、取り扱い上の安全性などを考
慮した場合、特に好ましい材料である。酸化チタンとし
ては、従来汎用の酸化チタンの他、含水酸化チタン、メ
タチタン酸、オルソチタン酸、水酸化チタンと呼称され
ているチタン酸化物または水酸化物を全て包含する。酸
化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩化チタ
ン、有機チタン化合物などを必要に応じて核形成用種子
の共存下で加水分解する方法(加水分解法)、必要に応
じて核形成用種子を共存させながら、硫酸チタニル、塩
化チタン、有機チタン化合物などにアルカリ剤を添加し
て中和する方法(中和法)、加水分解および中和法で得
られた酸化チタンを焼成する方法(焼成法)などが挙げ
られ、何れの製法によって得られた酸化チタンでも用い
ることができる。
【0018】次に、吸着剤について、以下に具体的に説
明する。本発明に係わる吸着剤は、悪臭や有害化学物質
などの有害物質の除去に係わる効果の即効性や容量を高
めることを目的として、光反応性半導体と共に用いられ
る。吸着剤を併用することによって、一時的に暗所にな
るような使用環境、紫外線量の少ない使用環境、あるい
は吸着過程が律速となる臭気成分が低濃度で存在するよ
うな使用環境においても、吸着剤の吸着作用によって高
度の有害物質除去性能を維持することが可能となる。
【0019】このような吸着剤としては、物理吸着作用
を有するものとして、活性炭、活性白土、ゼオライト、
セピオライト、シリカゲル、セラミック、活性アルミ
ナ、複合フィロケイ酸塩など、化学吸着作用を有するも
のとして、イオン交換樹脂、酸化鉄などの鉄系化合物、
有機酸など、物理化学吸着作用を有するものとして、添
着活性炭、添着ゼオライト、天然無機物などが挙げられ
る。これら従来汎用の吸着剤を各々単独で、あるいは複
数混合して用いることが可能である。
【0020】本発明において、光反応性半導体および吸
着剤は適当な基材に内添または塗工することによって担
持・固定され、コルゲート母材として機能する。なお、
本発明のコルゲート母材は、コルゲート構造体に加工さ
れて高耐久性有害物質除去エレメントとして機能するた
め、本発明に係わる基材は、コルゲート構造体への加工
を可能とするべく、可撓性を有するものであることが好
ましい。
【0021】さらに、光反応性半導体および吸着剤の支
持体となる基材は、上記の可撓性に加えて、臭気成分を
通過させるための通気性、光反応性半導体を活性化させ
るための光透過性を有することが好ましい。このような
基材の形態としては、不織布あるいは多孔質フィルム状
のものが挙げられるが、坪量、通気性を制御し易く、加
工性にも優れている点から不織布が特に好ましい基材で
ある。
【0022】不織布を構成する素材としては、ポリアミ
ド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオ
キシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビ
ニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポ
リ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポ
リオレフィン系繊維、フェノール系繊維などの合成繊
維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、
活性炭素繊維などの無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、
コットンリンターパルプなどの天然繊維、再生繊維、あ
るいはこれらの繊維に親水性や難燃性などの機能を付与
した繊維などを使用することができる。
【0023】不織布の製造方法については特に制限はな
く、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルト
ブローン法、スパンボンド法などで得られたウェブを水
流交絡法、ニードルバンチ法、ステッチボンド法などの
物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方
法、レジンボンドなどの接着剤による方法で強度を発現
させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
【0024】不織布などの基材に光反応性半導体および
吸着剤を内添する場合には、例えば基材の製造時に基材
の素材と共に光反応性半導体および吸着剤を添加して製
造することによって、本発明のコルゲート母材を製造す
ることができる。この時、カチオン性ポリアクリルアマ
イド、ポリ塩化アルミニウムなどのカチオン性高分子凝
集剤や、該凝集剤と複合体を形成し、凝集を強化するよ
うなアニオン性ポリアクリルアマイドなどのアニオン性
高分子凝集剤、コロイダルシリカ、ベントナイトなどの
アニオン性無機微粒子を使用し、光反応性半導体および
吸着剤の凝集体を形成させておくことが好ましい。ある
いは、凝集体に微細繊維を含有せしめることで、凝集体
の機械的強度を一層向上させることも可能である。
【0025】一方、不織布などの基材上に光反応性半導
体および吸着剤を塗工する場合には、光反応性半導体お
よび吸着剤を基材に固定するための結着剤として、熱可
塑性樹脂の水性エマルジョン、皮膜形成性無機物、金属
酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンなどを各々単独
で、あるいは必要に応じて複数組み合わせて光反応性半
導体および吸着剤と混合し、各種ブレードコーター、ロ
ールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロ
ッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、ダ
イコーター、コンマコーター、リバースロールコータ
ー、キスコーター、ディップコーター、カーテンコータ
ー、エクストルージョンコーター、マイクログラビアコ
ーター、サイズプレスなどの各種塗工装置を用いて基材
に塗工することで本発明のコルゲート母材を製造するこ
とができる。
【0026】ここで云う熱可塑性樹脂の水性エマルジョ
ンとしては、水中で分散された熱可塑性高分子のことで
あって、高分子成分としては、アクリル樹脂、スチレン
−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、
フェノール樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0027】ここで云う皮膜形成性無機物としては、サ
ポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメ
クタイト群、バーミキュライト群、カオリナイト、ハロ
イサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、セピオライト
などの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナおよびこれらの変性物、合成無機高分子化合
物などが例示され、該皮膜形成性無機物を各々単独で使
用しても構わないし、複数組み合わせて使用しても構わ
ない。
【0028】上記変性物における変性とは、天然鉱物中
より不純物や特定の原子団を除去したり、天然鉱物構成
元素中の特定の元素を適当な方法で処理して他の元素と
交換したり、別の化合物(特に有機化合物)と共に化学
処理して特に鉱物表面の物性を改変することにより、元
来の天然鉱物固有の特性を伸長したり、あるいは新たな
特性を付与することであり、変性物の具体例としては、
Ca−モンモリロナイトを水の存在下で炭酸ナトリウム
などと処理してイオン交換を行ったNa−モンモリロナ
イトや、カチオン界面活性剤および/またはノニオン界
面活性剤と処理したものなどが挙げられる。
【0029】また、本発明で云う合成無機高分子化合物
とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新た
な特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元素
で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて得
られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基をフ
ッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイトなどが
挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲
母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライトなどが挙げられ
る。
【0030】ここで云う金属酸化物複合熱可塑性高分子
エマルジョンは、熱可塑性高分子エマルジョン表面を金
属酸化物が被覆している形状を有し、皮膜を形成した後
も高分子成分と金属酸化物成分が分離して海島構造を保
つ特性を有するものである。
【0031】熱可塑性高分子エマルジョンとは、主に水
中で分散された熱可塑性高分子のことであって、高分子
成分としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリプロピ
レン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール樹
脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0032】また、ここで云う金属酸化物としては、コ
ロイダルシリカやコロイダルアルミナなどが挙げられ
る。金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン、例え
ばコロイダルシリカ複合熱可塑性高分子エマルジョン
は、特開昭59−71316号公報や、特開昭60−1
27371号公報に開示されているように、共重合性単
量体、分子内に重合性不飽和二重結合およびアルコキシ
シラン基を有する単量体やビニルシラン、コロイダルシ
リカを混合し、高分子成分を乳化重合して製造する過程
において、シリカ成分をエマルジョン表面に固定する方
法によって得られる。その方法としては、例えばInt
ernational Symposiumon Po
lymeric Microspheres Prin
ts,1991,181に記載されているように、オル
ソケイ酸エチルなどの水に相溶しない加水分解性のアル
コキシシランを用いて、あらかじめ形成されているエマ
ルジョンの表面にシリカ成分を析出、固定させる方法が
挙げられる。
【0033】上記の基材への光反応性半導体および吸着
剤の内添または塗工による担持・固定の他に、本発明の
コルゲート母材に要求される可撓性を阻害しない範囲内
において、適当な基材に、メッキ法やゾルゲル法などの
湿式法、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法などの真
空成膜法、陽極酸化法などの従来公知の方法を用いて光
反応性半導体および吸着剤を担持・固定しても何等構わ
ない。
【0034】以上のようにして得られたコルゲート母材
を用いて、JIS Z 1516−1995「外装用段ボ
ール」に準拠して本発明の高耐久性有害物質除去エレメ
ントを構成するコルゲート構造体を作製する。
【0035】次に、通気性基材について、以下に具体的
に説明する。本発明の通気性基材は、JIS B 990
8に準じて面風速5.3cm/秒で測定された圧力損失
(P)が、0.5Pa≦P≦40Paの範囲内にあり、
上記コルゲート構造体の開孔断面の少なくとも一方に積
層して使用される。
【0036】本発明のコルゲート構造体は光反応性半導
体を含有しており、適当な紫外線光源と組み合わせて使
用することによって、光反応性半導体の光触媒作用によ
り有害物質除去性能の効果の持続性を高めることができ
る。あるいは、使用時には紫外線光源を併用せずに吸着
剤の吸着作用によってのみ有害物質を吸着除去し、吸着
剤の吸着作用が低下した段階で天日干しや紫外線光源の
照射などにより光反応性半導体を作用させ、吸着剤の吸
着作用を再生するような使い方も可能である。
【0037】しかしながら、被浄化空気中には花粉、塵
芥、タバコ煙、オイルミストなどの浮遊粒子が通常存在
しており、これら浮遊粒子がコルゲート構造体中の光反
応性半導体や吸着剤に付着すると、その光触媒作用や吸
着作用が著しく低下し、上記のような有害物質除去性能
の効果の持続性は期待できなくなる。
【0038】そこで、コルゲート構造体の開孔断面に通
気性基材を積層し、空気浄化に際しては通気性基材側よ
り被浄化空気を導入し、通気性基材で被浄化空気中に存
在する花粉、塵芥、タバコ煙、オイルミストなどの浮遊
粒子を捕捉除去することによって、浮遊粒子によるコル
ゲート構造体中の光反応性半導体および吸着剤の汚染を
抑制し、コルゲート構造体の有害物質除去性能の効果の
持続性を高めることができる。
【0039】通気性基材の圧力損失が0.5Pa未満の
場合、通気性には優れるが、浮遊粒子の除塵性能に劣
り、コルゲート構造体の汚染抑制効果が小さいので好ま
しくない。一方、40Paを越えて大きい場合、コルゲ
ート構造体の汚染抑制効果には優れるが、高耐久性有害
物質除去エレメントとしての通気性が低下し、空気清浄
化ユニットとして有効に機能しないので好ましくない。
【0040】このような通気性基材の形態としては、不
織布あるいは多孔質フィルム状のものが挙げられるが、
坪量、通気性を制御し易く、加工性にも優れている点か
ら不織布が特に好ましく、先に述べた各種手段を用いて
製造することができる。
【0041】なお、本発明と同様の目的で除塵性基材を
併用する場合、その除塵効果を高めるべく除塵性基材を
プリーツ構造体に加工して、コルゲート構造体と一体使
用するのが一般的である。このような構造とした場合、
その除塵効果は極めて高く、コルゲート構造体の有害物
質除去性能の効果の持続性を大いに高めることができ
る。しかしながら、このような空気清浄化ユニットの場
合、その構造上、除塵性基材のプリーツ構造体の折り山
頂部を除いて、除塵性基材とコルゲート構造体との間に
一定のクリアランスが生じてしまうためか除塵性基材上
に捕捉された浮遊粒子や、除塵性基材上に発生した細菌
および黴などが原因と思われる臭気が経時で強く感じら
れるという問題があった。
【0042】ところが、本発明の高耐久性有害物質除去
エレメントにおいては、通気性基材がコルゲート構造体
の開孔断面と接している構造であることが幸いしてか、
驚いたことに係る臭気の問題を極めて低レベルに抑制で
きることが判った。但し、通気性基材をシート状態で使
用するために、その使用面積や適用可能な圧力損失に相
応の制約が生ずることは避けられないが、上記の圧力損
失の範疇であれば、コルゲート構造体の有害物質除去性
能の効果の持続性を高めつつ、通気性基材から発生する
臭気の問題をも抑制できることを見出した。
【0043】なお、通気性基材上には細菌、黴の胞子、
ウィルスなども捕捉されるため、これらが通気性基材上
で繁殖・高密度化し、臭気や種々のアレルギー性疾患の
原因となる恐れがあり、通気性基材には抗菌防黴剤が含
有されていることがより好ましい。
【0044】本発明に係わる抗菌防黴剤とは、細菌類に
対して有効な抗菌作用と黴類に対して有効な防黴作用を
併せ持ち、好ましくは抗ウィルス性を有する薬剤であ
り、例えば細菌類の繁殖を抑制または死滅させ、かつ黴
類の繁殖または発芽を抑制するなどの効果を発現するも
のである。具体的には、ベンゾイミダゾール系、イソチ
アゾリン系、ピリチオン系、有機ヒ素系、有機銅系、有
機ヨード系などの抗菌防黴剤が挙げられる。
【0045】本発明に係わる抗菌防黴剤は、メルカプト
ピリジン−N−オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛
塩を主成分とすることが特に好ましい。該抗菌防黴剤
は、主に金属塩に由来する細菌類に対する抗菌性および
主にメルカプトピリジン−N−オキシド化合物に由来す
る黴類に対する防黴性を併せ持つため、広範囲の細菌
類、黴類に対して有効な抗菌防黴作用が得られ、さらに
高速度かつ大容量で有効期間が長く、非常に優れた抗菌
防黴性能を付与することができる。
【0046】上記の抗菌防黴剤の他に、ヒドロキシアパ
タイトなどのリン酸カルシウム類などを主成分とする無
機系抗菌剤、ゼオライトやシリカゲルなどの担体に銀な
どの抗菌性金属イオンなどを担持した複合型抗菌剤、キ
チン、キトサンなどの高分子系抗菌剤、酸化チタンなど
の光反応性半導体、カテキンやヒノキチオール、リモネ
ン、ピネンなどの天然物に由来する抗菌剤およびこれら
を複合したハイブリッド抗菌剤などを併用しても良く、
また防ダニ剤などの防虫剤や害虫忌避剤などを含有して
も良い。
【0047】さらに、通気性基材に帯電加工の施された
基材を使用することによって、高耐久性有害物質除去エ
レメントの通気性を阻害することなく、通気性基材の集
塵性能を一層高めることができるので、本発明の高耐久
性有害物質除去エレメントの有害物質除去性能の効果の
持続性を一層向上させることが可能となる。
【0048】本発明に係わる帯電加工の施された基材と
は、半永久的に電気分極を保持し、外部に対して電気力
を及ぼす基材であって、その静電気力によって被浄化空
気中の浮遊粒子を捕捉するものである。帯電方法として
は、エレクトロエレクトレット、熱エレクトレット、ラ
ジオエレクトレット、メカノエレクトレット、フォトエ
レクトレット、マグネットエレクトレットなどが挙げら
れるが、工業的に不織布基材で用いられているのは、主
にエレクトロエレクトレットおよび熱エレクトロエレク
トレットであり、基材材料としてはポリプロピレンが用
いられることが多い。
【0049】本発明の高耐久性有害物質除去エレメント
に要求される通気性を阻害しない範囲内において、いか
なる手段を用いてコルゲート構造体の開孔断面に通気性
基材を積層一体化しても構わない。例えば、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、フェ
ノキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂などの熱
可塑性樹脂を用いて接着する方法が挙げられる。あるい
は、天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、ポリイソブ
チレン系、イソプレン系などのゴム系粘着剤、アクリル
系粘着剤、シリコーン系粘着剤に代表される溶剤型粘着
剤、アクリルエマルジョン系、天然ゴムラテックス系、
スチレンーブタジエンラテックス系などのエマルジョン
型粘着剤、スチレン−イソプレンブロック共重合体系、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体系、スチレン−
エチレン−ブチレンブロック共重合体系、エチレン−酢
酸ビニル熱可塑性エラストマー系などのホットメルト型
粘着剤、天然ゴム系、再生ゴム系、ブチルゴム系などの
カレンダー法型粘着剤、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリ
ル酸含有ポリマー、デキストリン、ポリビニルピロリド
ンなどを原料とする水溶性型粘着剤、無溶剤の液状粘着
剤を電子線、紫外線、過酸化物、熱などによって硬化さ
せる液状硬化型粘着剤などに代表される無溶剤型粘着剤
などの粘着剤を用いて接着しても良く、必要に応じてロ
ジン系、テルペン系、合成石油樹脂系、フェノール樹脂
系、キシレン樹脂系、脂環族系石油樹脂、クマロンイン
デン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂
などの粘着付与剤を併用しても良く、さらには使用目的
に応じて強粘着タイプの粘着剤、再剥離タイプの粘着剤
を適宜使い分ければ良い。この他にも、両面テープを用
いて接着したり、適当な枠材を用いてコルゲート開孔断
面に通気性基材を固定するなど、様々な積層一体化方法
を用いることができる。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0051】実施例1 光反応性半導体として酸化チタン、吸着剤として活性炭
およびゼオライトを含有してなる三菱製紙社製ラジット
光触媒シート(品名:PM−C18A)を中芯およびラ
イナに用いて、JIS Z 1516−1995「外装用
段ボール」に準拠して、ピッチ4.5mm、高さ2.1
mmで片面段ボールを形成し、該片面段ボールを積層接
着して200mm幅×200mm高×10mm厚の積層
体を成形し、コルゲート構造体を作製した。
【0052】市販のポリエステル繊維製スパンボンド不
織布(圧損0.6Pa)を通気性基材として用い、該不
織布を200mm角に断裁、両面テープ(5mm幅)で
該不織布の4辺部を接着固定してコルゲート構造体の一
方の開孔断面に積層一体化して実施例1の高耐久性有害
物質除去エレメントを作製した。
【0053】実施例2 通気性基材として市販のポリエステル繊維/レーヨン繊
維製ケミカルボンド不織布(圧損12Pa)を使用した
点を除いて、実施例1と同様の方法で実施例2の高耐久
性有害物質除去エレメントを作製した。
【0054】実施例3 通気性基材として市販のポリプロピレン繊維製メルトブ
ロウン不織布(圧損36Pa)を使用した点を除いて、
実施例1と同様の方法で実施例3の高耐久性有害物質除
去エレメントを作製した。
【0055】実施例4 硝酸銀をイオン交換水に溶解した水溶液に、等モル相当
量の2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム
液を撹拌しながら添加混合し、銀/2−メルカプトピリ
ジン−N−オキシドの微粒子分散液を調製した。該分散
液に等量のスチレンアクリルエマルジョンを加えて抗菌
防黴剤塗液とし、実施例2の通気性基材に有効成分換算
で2g/m2含浸担持し、抗菌防黴剤を含有する通気性基
材とした(圧損13Pa)。該通気性基材を用いた点を
除いて、実施例1と同様の方法で実施例4の高耐久性有
害物質除去エレメントを作製した。
【0056】実施例5 市販の帯電加工不織布(三井化学社製、シンテックスE
L/EB16N、圧損10Pa)を使用した点を除い
て、実施例1と同様の方法で実施例3の高耐久性有害物
質除去エレメントを作製した。
【0057】実施例6 カルボキシメチル基置換度0.22の変性NBKPの分
散液に硝酸銀を加え、pHを5.5に調整して30分間
撹拌した後に、硝酸銀と等モル相当量の2−メルカプト
ピリジン−N−オキシドナトリウム液を添加した。30
分間撹拌した後、硫酸でpHを4に調整して一旦脱水
し、さらに水を加えて撹拌水洗し、再度脱水して抗菌防
黴性NBKPを作製した。
【0058】実施例5の帯電加工不織布上に、抗菌防黴
性NBKPが2g/m2となるように均一に散布した後、
ニードルパンチ装置を用いて該帯電加工不織布中に抗菌
防黴性NBKPを担持し、抗菌防黴剤を含有する帯電加
工された通気性基材とした(圧損12Pa)。該通気性
基材を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法で実施
例6の高耐久性有害物質除去エレメントを作製した。
【0059】比較例1 圧力損失0.3Paの市販のポリエステル繊維製スパン
ボンド不織布を通気性基材として用いた点を除いて、実
施例1と同様の方法で比較例1のエレメントを作製し
た。
【0060】比較例2 圧力損失48Paの市販のポリプロピレン繊維製メルト
ブロウン製不織布を通気性基材として用いた点を除い
て、実施例1と同様の方法で比較例2のエレメントを作
製した。
【0061】比較例3 実施例2の通気性基材を折り山ピッチ5mmでプリーツ
構造体に加工した点を除いて、実施例1と同様の方法で
比較例3のエレメントを作製した。
【0062】以上、実施例1〜6および比較例1〜3で
得られたエレメントを下記性能試験に従って評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0063】[有害物質除去性能]アクリル樹脂製の筐
体に1m3/分のシロッコファン(試験時運転)および6
Wのブラックライトを2本(試験時点灯)取り付けた簡
易空気清浄化装置に、実施例および比較例のエレメント
を装着し、日本電機工業会規格JEM1467「家庭用
空気清浄機」に準じて脱臭性能試験を実施した。5サイ
クル目(タバコ燃焼本数=5本/サイクル×5サイクル
=25本:耐久本数1000本に相当)のタバコ臭除去
率が80%以上のものを有害物質除去性能が「優」、6
0%以上〜80%未満のものを有害物質除去性能が
「良」、50%以上〜60%未満のものを有害物質除去
性能が「並」、50%未満のものを有害物質除去性能が
「劣」として判定した。なお、タバコ臭除去率は、(A
+2B+C)/4で求めた。ここで、Aはアンモニアの
除去率、Bはアセトアルデヒドの除去率、Cは酢酸の除
去率である。
【0064】[フィルタ臭気]上記の有害物質除去性能
試験を実施した後、実施例および比較例のエレメントが
装着された状態の簡易空気清浄化装置を取り出して再度
ファンを運転し、ファン排気口から吐出する空気の臭気
を20人による官能試験で評価した。臭気を感知し得な
い場合を0点、何らかの臭気を感知し得る場合を1点、
タバコ臭であると感知し得る場合を2点、タバコ臭を楽
に感知し得る場合を3点、タバコ臭を強く感知し得る場
合を4点とし、20人の合計点を求めた。合計点が30
点未満のものをフィルタ臭気が「小」、合計点が30点
以上〜50点未満のものをフィルタ臭気が「中」、50
点以上のものをフィルタ臭気が「大」として判定した。
【0065】[ファンの運転音]上記の簡易空気清浄化
装置に実施例および比較例のエレメントを装着し、ファ
ンを運転した際の運転音を20人による官能試験で評価
した。ファンの運転音が気にならない場合を0点、多少
気になる場合を1点、かなり気になる場合を2点、耐え
難い運転音の場合を3点とし、20人の合計点を求め
た。合計点が20点未満のものをファンの運転音が
「小」、合計点が20点以上〜30点未満のものをファ
ンの運転音が「中」、30点以上のものをファンの運転
音が「大」として判定した。
【0066】[抗菌性]大腸菌(E−coli IFO
3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で24時
間培養し、希釈して2×108セル/mlの試験液を調
製した。試験片として実施例および比較例の通気性基材
を2cm角に断裁し、ペトリ皿上に配置し、パスツール
ピペットで上記菌液を約0.1ml滴下し、乾燥しない
ようにカバーして38℃で24時間培養した後、試験片
の各々をNutrient Broth寒天培地上に押
し当て、試験片上の菌を転写させて剥離し、再度38℃
で24時間培養して菌の生育状況を観察した。抗菌性
は、菌の生育が認められないものを「優」、試験片転写
面に1コロニー以上で10コロニー以下のものを
「良」、試験片転写面に11コロニー以上で100コロ
ニー以下のものを「並」、試験片転写面に101コロニ
ー以上のものを「劣」とした。
【0067】[防黴性]JIS Z 2911「かび抵抗
性試験方法」の繊維製品の試験に準拠して、5cm角に
断裁した実施例および比較例の通気性基材を試験片と
し、混合胞子懸濁液の黴の種類をアスペルギウス・テレ
ウス FERM S−3、ペニシリウム・フニクロスム
FERM S−6、ケトミウム・グロボスム FER
M S−11、ミロテシウム・ベルカリア FERM
S−13として黴抵抗性試験を実施した。黴抵抗性は、
試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められないもの
を「優」、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発
育部分の面積が全面積の1/3を越えないものを
「並」、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育
部分の面積が全面積の1/3を越えるものを「劣」と判
定した。
【0068】以上の試験項目の結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】実施例1〜6の高耐久性有害物質除去エレ
メントは、有害物質除去性能の効果の持続性に優れ、フ
ィルタ臭気、ファンの運転音も実用上問題ないレベルに
あった。特に、実施例4および6の高耐久性有害物質除
去エレメントは、抗菌防黴性を有する通気性基材が用い
られており、細菌や黴に起因したフィルタからの臭気発
生をも抑制できるものである。
【0071】比較例1のエレメントは、通気性基材の粒
子捕捉能が不十分であり、有害物質除去性能の効果の持
続性に幾分劣るものであった。また、比較例2のエレメ
ントは、通気性基材の圧力損失が高いことに起因してフ
ァンの運転音に不快を感ずる人が多く、実用上の問題が
ある。比較例3のエレメントは、プリーツ状の通気性基
材とコルゲート構造体との間に構造上のクリアランスが
生ずるためと思われるが、フィルタ臭気を強く感ずる人
が多かった。
【0072】
【発明の効果】以上、本発明の高耐久性有害物質除去エ
レメントは、光反応性半導体の光触媒能および吸着剤の
吸着能によって悪臭や細菌などの有害物質を除去可能な
コルゲート構造体の少なくとも一方の開孔断面に、所定
の圧力損失を有する通気性基材を積層一体化することに
よって、その有害物質除去性能の効果の持続性をも高め
たものである。
【0073】また、通気性基材がコルゲート構造体の開
孔断面と接している構造を有していることに起因するも
のと思われるが、通気性基材上に捕捉された浮遊粒子
や、通気性基材上に発生した細菌および黴などが原因と
思われる臭気の問題を極めて低レベルに抑制できる予想
外の効果があることが判った。
【0074】さらに、通気性基材に帯電加工や抗菌防黴
加工を施すことによって、有害物質除去性能の効果の持
続性や、フィルタ臭気の抑制効果を一層高めることが可
能である。
【0075】従って、本発明の高耐久性有害物質除去エ
レメントは、空気清浄機、エアコン、換気扇などの様々
な空調機器おいて、有害物質除去エレメントとして極め
て有効に活用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61L 9/00 A61L 9/16 D 9/16 B01D 53/36 J Fターム(参考) 4C080 AA07 AA10 BB02 BB05 MM02 NN04 NN05 QQ03 4D048 AA21 AA22 AB03 BA07X BA13X BA16Y BA19Y BA27Y BA41X BB02 CC21 CC63 DA03 DA20 EA01 EA04 4G066 AA15B AA18B AB30B AC26C BA05 CA02 CA20 FA12 FA33 4G069 AA03 BA04A BA04B BA07A BA07B BA08A BA08B BA29A BA29B BA48A BB04A BC35A BC43A BC60A CA01 CA11 CA17 EA10 EA23 EA27 EB14Y EB17Y EE02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光反応性半導体および吸着剤
    を含有してなるコルゲート構造体の少なくとも一方の開
    孔断面に、JIS B 9908に準じて面風速5.3c
    m/秒で測定された圧力損失(P)が0.5Pa≦P≦
    40Paの範囲内にある通気性基材を積層してなること
    を特徴とする高耐久性有害物質除去エレメント。
  2. 【請求項2】 通気性基材が、抗菌防黴剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高耐久性有害物質除去エ
    レメント。
  3. 【請求項3】 抗菌防黴剤が、メルカプトピリジン−N
    −オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を主成分と
    することを特徴とする請求項2記載の高耐久性有害物質
    除去エレメント。
  4. 【請求項4】 通気性基材に、帯電加工が施されたこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高耐久
    性有害物質除去エレメント。
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