JP2002171830A - 蘚苔類植生シートおよびその製造方法 - Google Patents
蘚苔類植生シートおよびその製造方法Info
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- JP2002171830A JP2002171830A JP2000404010A JP2000404010A JP2002171830A JP 2002171830 A JP2002171830 A JP 2002171830A JP 2000404010 A JP2000404010 A JP 2000404010A JP 2000404010 A JP2000404010 A JP 2000404010A JP 2002171830 A JP2002171830 A JP 2002171830A
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- moss
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- vegetation sheet
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Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 蘚苔類植物を所定の密度で均一に播種するこ
とができ、むらの無い発芽・育苗が可能な植生シートお
よび化学薬品の使用や加熱による乾燥工程を必要としな
い蘚苔類植物植生シート製造方法の提供。 【解決手段】 編織物もしくは不織布からなる繊維上に
蘚苔類の再生可能部分を所定の密度で均一に散布し、そ
の上面を編織物もしくは不織布にて挟み込み、ニードル
パンチ法を用い上下繊維同士を絡ませることによって蘚
苔類植生シートを製造する。
とができ、むらの無い発芽・育苗が可能な植生シートお
よび化学薬品の使用や加熱による乾燥工程を必要としな
い蘚苔類植物植生シート製造方法の提供。 【解決手段】 編織物もしくは不織布からなる繊維上に
蘚苔類の再生可能部分を所定の密度で均一に散布し、そ
の上面を編織物もしくは不織布にて挟み込み、ニードル
パンチ法を用い上下繊維同士を絡ませることによって蘚
苔類植生シートを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意の場所及び対
象物に対する蘚苔類植物の均一かつ簡易な播種・育苗を
行うことが可能な蘚苔類植生シートおよびその製造方法
に関する。さらに詳細には、ニードルパンチ法による繊
維同士の絡み合いを蘚苔再生可能部分の固定手段として
用い、化学薬品の使用や熱による乾燥工程を必要としな
い製造方法に関する。
象物に対する蘚苔類植物の均一かつ簡易な播種・育苗を
行うことが可能な蘚苔類植生シートおよびその製造方法
に関する。さらに詳細には、ニードルパンチ法による繊
維同士の絡み合いを蘚苔再生可能部分の固定手段として
用い、化学薬品の使用や熱による乾燥工程を必要としな
い製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術においては、蘚苔類植物を播種
する場合そのほとんどが手作業によるばら播きにて行わ
れており、均一な播種が困難であると共に降雨による蘚
苔類再生可能部分の流出が発生し、むらの無いターフの
形成が非常に困難であった。また蘚苔類植物をターフ状
に生育させ、施工部分へ移植する方法も行われている
が、施工面積が大規模になるほどその搬入および施工に
手間がかかり問題となっていた。さらに、蘚苔類再生可
能部分に対してその生育を妨げること無く固定すること
が困難であったため、傾斜の大きい法面および壁面等斜
面への施工までには至っていなかった。
する場合そのほとんどが手作業によるばら播きにて行わ
れており、均一な播種が困難であると共に降雨による蘚
苔類再生可能部分の流出が発生し、むらの無いターフの
形成が非常に困難であった。また蘚苔類植物をターフ状
に生育させ、施工部分へ移植する方法も行われている
が、施工面積が大規模になるほどその搬入および施工に
手間がかかり問題となっていた。さらに、蘚苔類再生可
能部分に対してその生育を妨げること無く固定すること
が困難であったため、傾斜の大きい法面および壁面等斜
面への施工までには至っていなかった。
【0003】一方、製造方法については、水溶性ゲル形
成高分子物質に蘚苔類再生可能部分を分散・硬化させる
方法(例えば特開平10−150846号公報参照)
や、蘚苔類再生可能部分の固定に粘着剤などの化学物質
を使用する方法(例えば特開平9−187113号公報
参照)があり、蘚苔類再生可能部分が化学物質と直接接
触する事から生育に対する悪影響が懸念される。また、
蘚苔類再生可能部分を基材にて挟み込んだ後専用ミシン
によって縫製する方法(例えば特開平7−227143
号公報参照)もあるが、高速駆動するミシン針による蘚
苔類再生可能部分への損傷は避けられず、この方法も蘚
苔類再生可能部分に対するダメージとなる可能性が大き
い。その他、水に分散させた蘚苔類再生可能部分を基材
に散布・塗布した後、乾燥工程にて蘚苔類を高温雰囲気
下にさらしたりする等、蘚苔類植物の発芽・生育に対し
て悪影響を及ぼすと考えられる方法が多く用いられてい
た。一方、天日にて乾燥させる場合においても天候に左
右されるため、生産量・品質の安定性に欠くと共に生産
効率が非常に悪いという問題があった。
成高分子物質に蘚苔類再生可能部分を分散・硬化させる
方法(例えば特開平10−150846号公報参照)
や、蘚苔類再生可能部分の固定に粘着剤などの化学物質
を使用する方法(例えば特開平9−187113号公報
参照)があり、蘚苔類再生可能部分が化学物質と直接接
触する事から生育に対する悪影響が懸念される。また、
蘚苔類再生可能部分を基材にて挟み込んだ後専用ミシン
によって縫製する方法(例えば特開平7−227143
号公報参照)もあるが、高速駆動するミシン針による蘚
苔類再生可能部分への損傷は避けられず、この方法も蘚
苔類再生可能部分に対するダメージとなる可能性が大き
い。その他、水に分散させた蘚苔類再生可能部分を基材
に散布・塗布した後、乾燥工程にて蘚苔類を高温雰囲気
下にさらしたりする等、蘚苔類植物の発芽・生育に対し
て悪影響を及ぼすと考えられる方法が多く用いられてい
た。一方、天日にて乾燥させる場合においても天候に左
右されるため、生産量・品質の安定性に欠くと共に生産
効率が非常に悪いという問題があった。
【0004】本発明は(1)均一かつむらの無い蘚苔類
の発芽・育苗を可能とすること、(2)大規模面積およ
び壁面等傾斜地への施工に対する簡易な施工方法を提供
すること、(3)製造工程中にて蘚苔類再生可能部分に
ダメージを与えない大量安定生産可能な方法を提供する
ことを目的としている。
の発芽・育苗を可能とすること、(2)大規模面積およ
び壁面等傾斜地への施工に対する簡易な施工方法を提供
すること、(3)製造工程中にて蘚苔類再生可能部分に
ダメージを与えない大量安定生産可能な方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下本発明について詳細
に説明する。本発明における蘚苔類植生シートは、栽培
育成された蘚苔類を解し機にて適当な長さに解した後、
編織物もしくは不織布からなる繊維上に均一に散布し、
次いで必要に応じて保水剤・成長促進剤・殺菌剤・除草
剤などの薬剤を散布し、その上面から編織物もしくは不
織布にて蘚苔類を挟み込みニードルパンチを行うことに
よって製造することができる。
に説明する。本発明における蘚苔類植生シートは、栽培
育成された蘚苔類を解し機にて適当な長さに解した後、
編織物もしくは不織布からなる繊維上に均一に散布し、
次いで必要に応じて保水剤・成長促進剤・殺菌剤・除草
剤などの薬剤を散布し、その上面から編織物もしくは不
織布にて蘚苔類を挟み込みニードルパンチを行うことに
よって製造することができる。
【0006】本発明にて使用することができる蘚苔類と
しては、例えばスナゴケ、オオシッポゴケ、シッポゴ
ケ、シノブゴケ、ハイゴケ、ヒノキゴケ等が栽培種の入
手が容易である事、再生能力が非常に高い事等の優位性
からとくに好ましい。また、蘚苔類の再生可能部分とし
て好ましくは蘚苔類の配偶体、胞子体、原糸体または胞
子が使用されるが、本発明では接着剤等の化学薬品の使
用、熱による乾燥工程を全く行わないため蘚苔類に対し
てダメージを与えること無く製造することができる。よ
って、従来方法では品種による性質の違いから比較的再
生能力の低いものは使用できず、使用可能種類が制限さ
れていたが、本発明での蘚苔類植物の種類、蘚苔類再生
可能部分はとくに限定されない。
しては、例えばスナゴケ、オオシッポゴケ、シッポゴ
ケ、シノブゴケ、ハイゴケ、ヒノキゴケ等が栽培種の入
手が容易である事、再生能力が非常に高い事等の優位性
からとくに好ましい。また、蘚苔類の再生可能部分とし
て好ましくは蘚苔類の配偶体、胞子体、原糸体または胞
子が使用されるが、本発明では接着剤等の化学薬品の使
用、熱による乾燥工程を全く行わないため蘚苔類に対し
てダメージを与えること無く製造することができる。よ
って、従来方法では品種による性質の違いから比較的再
生能力の低いものは使用できず、使用可能種類が制限さ
れていたが、本発明での蘚苔類植物の種類、蘚苔類再生
可能部分はとくに限定されない。
【0007】本発明では、蘚苔類再生可能部分を固定す
る方法として針を繊維に打ち込んで繊維同士を絡み合わ
せることで固定するニードルパンチ法を用いるが、針を
打ち込む面は上下面単独または両面打ちも可能であり、
針を打ち込む回数(パンチ数)としては、蘚苔類植物の
散布量や使用する繊維素材っても異なるが、通常20〜
100パンチ/平方インチとする事が好ましい。上記ニ
ードルパンチ法を用いる事により、蘚苔類再生可能部分
にダメージを与える事なく繊維間に固定する事ができ、
壁面・屋上・屋根・壁面等の傾斜地においても蘚苔類再
生可能部分が流出・移動する事が無い、十分な強度を持
った植生シートを製造する事が可能である。
る方法として針を繊維に打ち込んで繊維同士を絡み合わ
せることで固定するニードルパンチ法を用いるが、針を
打ち込む面は上下面単独または両面打ちも可能であり、
針を打ち込む回数(パンチ数)としては、蘚苔類植物の
散布量や使用する繊維素材っても異なるが、通常20〜
100パンチ/平方インチとする事が好ましい。上記ニ
ードルパンチ法を用いる事により、蘚苔類再生可能部分
にダメージを与える事なく繊維間に固定する事ができ、
壁面・屋上・屋根・壁面等の傾斜地においても蘚苔類再
生可能部分が流出・移動する事が無い、十分な強度を持
った植生シートを製造する事が可能である。
【0008】本発明における繊維素材としては、綿・麻
等の天然繊維、レーヨン等の化学繊維、ポリエステル等
の合成繊維等が用いられる。繊維形態としてはラッセル
や寒冷紗などの編織物もしくは不織布が用いられ、繊維
の目開きとしては散布した蘚苔類植物再生可能部分の固
定に充分な目開きでかつ、蘚苔類植物の生育を妨げない
程度の目開きが好ましく、繊維間に挟み込む蘚苔類植物
の長さによっても異なるが、通常0.5〜5mm程度と
することが好ましい。
等の天然繊維、レーヨン等の化学繊維、ポリエステル等
の合成繊維等が用いられる。繊維形態としてはラッセル
や寒冷紗などの編織物もしくは不織布が用いられ、繊維
の目開きとしては散布した蘚苔類植物再生可能部分の固
定に充分な目開きでかつ、蘚苔類植物の生育を妨げない
程度の目開きが好ましく、繊維間に挟み込む蘚苔類植物
の長さによっても異なるが、通常0.5〜5mm程度と
することが好ましい。
【0009】その他、傾斜地に対する施工について、従
来法では蘚苔類植物の生育を阻害する事なく傾斜地にお
いても流出等が無いように十分固定する事ができなかっ
た為、特に法面・屋上・屋根・壁面等の傾斜地への施工
が困難であったが、本発明では繊維素材として環境中で
の分解を受けない合成繊維間に蘚苔類再生可能部分を挟
み込み、ニードルパンチ法によって蘚苔類再生可能部分
を固定する事により、岩やコンクリート等が存在する法
面・屋上・屋根・壁面等傾斜地への施工が可能となっ
た。また、蘚苔類再生可能部分を固定している繊維が施
工後の蘚苔類植物生育及び施工部材への定着により必要
が無くなると考えられる場合、もしくは管理・景観上繊
維シートが無くなり、蘚苔類植物のみが残る方が良いと
考えられる場合には、繊維素材として天然繊維(例えば
小泉製網(株)製・ヘッシャンクロス)もしくは化学繊
維(例えば旭化成工業(株)製・ベンネット)を使用す
ることにより、繊維シート部分が環境中の微生物によっ
て分解されて消失し、施工した部分には成長した蘚苔類
植物のみが残る状態とする事が可能である。その他、施
工場所が壁面・屋上・屋根のように散水等の管理が十分
行えないような場所である場合には繊維素材として吸水
性能を有するもの(例えば東洋紡績(株)製ランシー
ル)を用いることによって自然降雨のみでの緑化を行う
事ができる。上記のように本発明では、施工場所・施工
目的によって天然繊維・化学繊維・合成繊維の中から最
適と考えられる素材を選択して使用できるが、繊維を蘚
苔類植物の上下に1枚づつ使用する必要はなく、同様の
素材もしくは異なる素材を複数枚積層し、適当枚数使用
しても良い。
来法では蘚苔類植物の生育を阻害する事なく傾斜地にお
いても流出等が無いように十分固定する事ができなかっ
た為、特に法面・屋上・屋根・壁面等の傾斜地への施工
が困難であったが、本発明では繊維素材として環境中で
の分解を受けない合成繊維間に蘚苔類再生可能部分を挟
み込み、ニードルパンチ法によって蘚苔類再生可能部分
を固定する事により、岩やコンクリート等が存在する法
面・屋上・屋根・壁面等傾斜地への施工が可能となっ
た。また、蘚苔類再生可能部分を固定している繊維が施
工後の蘚苔類植物生育及び施工部材への定着により必要
が無くなると考えられる場合、もしくは管理・景観上繊
維シートが無くなり、蘚苔類植物のみが残る方が良いと
考えられる場合には、繊維素材として天然繊維(例えば
小泉製網(株)製・ヘッシャンクロス)もしくは化学繊
維(例えば旭化成工業(株)製・ベンネット)を使用す
ることにより、繊維シート部分が環境中の微生物によっ
て分解されて消失し、施工した部分には成長した蘚苔類
植物のみが残る状態とする事が可能である。その他、施
工場所が壁面・屋上・屋根のように散水等の管理が十分
行えないような場所である場合には繊維素材として吸水
性能を有するもの(例えば東洋紡績(株)製ランシー
ル)を用いることによって自然降雨のみでの緑化を行う
事ができる。上記のように本発明では、施工場所・施工
目的によって天然繊維・化学繊維・合成繊維の中から最
適と考えられる素材を選択して使用できるが、繊維を蘚
苔類植物の上下に1枚づつ使用する必要はなく、同様の
素材もしくは異なる素材を複数枚積層し、適当枚数使用
しても良い。
【0010】本発明の蘚苔類植物植生シートは上記繊維
素材を用いる事により特殊工具を用いる事なく、一般の
鋏やカッターにて容易に任意の形状とする事ができるた
め小規模・複雑な形状の施工場所に対してもその形に合
わせた施工を行う事が可能である。また、製品形態とし
て適当な長さのロール状として製造するため運搬も容易
であり施工に際しても巻き戻すだけである為大規模面積
に対する施工についても非常に有利である。例えば幅5
0cm〜2m、長さ50〜100m程度のロールとする
と良い。
素材を用いる事により特殊工具を用いる事なく、一般の
鋏やカッターにて容易に任意の形状とする事ができるた
め小規模・複雑な形状の施工場所に対してもその形に合
わせた施工を行う事が可能である。また、製品形態とし
て適当な長さのロール状として製造するため運搬も容易
であり施工に際しても巻き戻すだけである為大規模面積
に対する施工についても非常に有利である。例えば幅5
0cm〜2m、長さ50〜100m程度のロールとする
と良い。
【0011】保水剤としては、自重の数百〜数千倍の水
を吸収する事ができる吸水性高分子物質(例えば昭和電
工(株)製N010)やピートモス・腐葉土等の吸水性
有機物質、パーライト・バーミキュライト・珪藻土のよ
うな吸水性無機物質を使用する事ができ、その他必要に
応じて成長促進剤、殺菌剤、除草剤などの薬剤を蘚苔類
植物再生可能部分と共に散布し繊維間に固定する事がで
きる。上記薬剤の粒径としては0.5〜3mm程度が好
ましい。
を吸収する事ができる吸水性高分子物質(例えば昭和電
工(株)製N010)やピートモス・腐葉土等の吸水性
有機物質、パーライト・バーミキュライト・珪藻土のよ
うな吸水性無機物質を使用する事ができ、その他必要に
応じて成長促進剤、殺菌剤、除草剤などの薬剤を蘚苔類
植物再生可能部分と共に散布し繊維間に固定する事がで
きる。上記薬剤の粒径としては0.5〜3mm程度が好
ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例に基き図
面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。 (実施例1)第1図は本発明の蘚苔類植物植生シート構
成を説明するための断面図で、1は蘚苔類再生可能部分
を示し、2及び3は蘚苔類再生可能部分を固定するため
の繊維で、2は植生シートを施工したときの設置面とな
る繊維である。
面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。 (実施例1)第1図は本発明の蘚苔類植物植生シート構
成を説明するための断面図で、1は蘚苔類再生可能部分
を示し、2及び3は蘚苔類再生可能部分を固定するため
の繊維で、2は植生シートを施工したときの設置面とな
る繊維である。
【0013】次に本発明蘚苔類植物植生シートの製造方
法の一例を図2にしたがって説明する。一般的な栽培に
よって得られたターフ状のスナゴケを解し機4にて解
し、約5mmの長さに解した後、供給ホッパー5へ投入
する。供給ホッパー5より繊維2(東洋紡績(株)製・
吸水性不織布「ランシール」)に200g/m2の密度
で均一に散布された後、薬剤ホッパー6の下を通過し、
必要に応じて保水剤、成長促進剤、殺菌剤、除草剤等の
薬剤が散布される。次いで、繊維3(旭化成工業(株)
製「ベンネット」)をその上面へと供給し、蘚苔類再生
可能部分を挟み込んだ後、ニードルパンチ装置7へと導
入される。ニードルパンチ装置7にて、繊維2面または
繊維3面方向、もしくは両面から針を打ち込み、反対面
へと繊維を飛び出させて絡み合わせることで蘚苔類再生
可能部分を繊維間に固定する。その後必要に応じて押え
ロール8にて適当に押さえ、巻き取りロール9にて巻き
取ることで本発明の蘚苔類植物植生シートを製造する事
ができる。
法の一例を図2にしたがって説明する。一般的な栽培に
よって得られたターフ状のスナゴケを解し機4にて解
し、約5mmの長さに解した後、供給ホッパー5へ投入
する。供給ホッパー5より繊維2(東洋紡績(株)製・
吸水性不織布「ランシール」)に200g/m2の密度
で均一に散布された後、薬剤ホッパー6の下を通過し、
必要に応じて保水剤、成長促進剤、殺菌剤、除草剤等の
薬剤が散布される。次いで、繊維3(旭化成工業(株)
製「ベンネット」)をその上面へと供給し、蘚苔類再生
可能部分を挟み込んだ後、ニードルパンチ装置7へと導
入される。ニードルパンチ装置7にて、繊維2面または
繊維3面方向、もしくは両面から針を打ち込み、反対面
へと繊維を飛び出させて絡み合わせることで蘚苔類再生
可能部分を繊維間に固定する。その後必要に応じて押え
ロール8にて適当に押さえ、巻き取りロール9にて巻き
取ることで本発明の蘚苔類植物植生シートを製造する事
ができる。
【0014】(実施例2)上記、実施例1にて製造した
蘚苔類植物植生シートを用いてコンクリート壁面の緑化
を行った。本実施例における施工部材としては施工から
少なくとも3年が経過した、水平面に対する角度が90
度となっているコンクリート壁(約5m2)を使用し、
表面を水洗して埃を除去した後、ブラシ等で擦って汚れ
を除去した。その後、コンクリート壁面に粘着剤(東都
化学工業(株)製・ベストンPG)を塗布し、蘚苔類植
物植生シートを貼り付け固定した。水分は自然降雨のみ
として屋外に放置し、人工的な水分の補給・散水は全く
行わなかった。その後、約1ヶ月にて発芽が認められ、
5ヶ月後にはコンクリート壁面をスナゴケが完全に覆う
形となり、一般的栽培によって得られたターフ状のもの
と全く変わらない状態にまで生育した。上記期間中にお
いて、水分や自重によるスナゴケの移動・剥がれ等は全
く認められなかった。
蘚苔類植物植生シートを用いてコンクリート壁面の緑化
を行った。本実施例における施工部材としては施工から
少なくとも3年が経過した、水平面に対する角度が90
度となっているコンクリート壁(約5m2)を使用し、
表面を水洗して埃を除去した後、ブラシ等で擦って汚れ
を除去した。その後、コンクリート壁面に粘着剤(東都
化学工業(株)製・ベストンPG)を塗布し、蘚苔類植
物植生シートを貼り付け固定した。水分は自然降雨のみ
として屋外に放置し、人工的な水分の補給・散水は全く
行わなかった。その後、約1ヶ月にて発芽が認められ、
5ヶ月後にはコンクリート壁面をスナゴケが完全に覆う
形となり、一般的栽培によって得られたターフ状のもの
と全く変わらない状態にまで生育した。上記期間中にお
いて、水分や自重によるスナゴケの移動・剥がれ等は全
く認められなかった。
【発明の効果】本発明における蘚苔類植物植生シート
は、任意の場所及び対象物に対して任意の大きさ及び形
状にて容易に蘚苔類植物を施工・育成することができる
と共に、蘚苔類再生可能部分の固定方法としてニードル
パンチ法を用いる事によって接着剤等の化学薬品の使用
や熱処理を行う事なく蘚苔類再生可能部分を固定する事
ができる。
は、任意の場所及び対象物に対して任意の大きさ及び形
状にて容易に蘚苔類植物を施工・育成することができる
と共に、蘚苔類再生可能部分の固定方法としてニードル
パンチ法を用いる事によって接着剤等の化学薬品の使用
や熱処理を行う事なく蘚苔類再生可能部分を固定する事
ができる。
【図1】本発明の蘚苔類植物植生シート構成を示す断面
図
図
【図2】本発明の蘚苔類植物植生シート製法を示す工程
図
図
1…蘚苔類再生可能部分 2、3…繊維シート 4…解し機 5…供給ホッパー 6…薬剤ホッパー 7…ニードルパンチ装置 8…押えロール 9…巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AB02 BA12 BA23 BB03 2B051 AB07 AC02 BA04 BA07 BA09 BA16 CB08 CB23 CB24 CB26 CB34
Claims (6)
- 【請求項1】蘚苔類植物の再生可能部分を繊維と繊維の
間に固定しシート状とすることを特徴とする蘚苔類植生
シート - 【請求項2】請求項1記載の固定方法として、蘚苔類再
生可能部分に対するダメージの少ない、繊維の絡み合い
によって繊維同士を固定させるニードルパンチ法を用い
る蘚苔類植生シート。 - 【請求項3】請求項1記載の繊維として天然繊維・化学
繊維・合成繊維からなる編織物もしくは不織布を使用す
る蘚苔類植生シート。 - 【請求項4】請求項1記載の繊維目開きが散布した蘚苔
類植物の再生可能部分の固定に充分な目開きであり、か
つ蘚苔類が地表面方向へと成長することを妨げない目開
きである事を特徴とする蘚苔類植生シート。 - 【請求項5】請求項1記載の蘚苔類植物再生可能部分と
共に必要に応じて保水剤・成長促進剤・殺菌剤・除草剤
を散布することが可能な蘚苔類植生シート - 【請求項6】請求項1記載の植生シートが適当な長さに
巻き取られたロール状であることを特徴とする蘚苔類植
生シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000404010A JP2002171830A (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | 蘚苔類植生シートおよびその製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002171830A true JP2002171830A (ja) | 2002-06-18 |
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ID=18868030
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---|---|---|---|
JP2000404010A Pending JP2002171830A (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | 蘚苔類植生シートおよびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006101742A (ja) * | 2004-10-04 | 2006-04-20 | Shinichiro Hayashi | 緑化用マット |
JP2014090702A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Mos Yamagata Co Ltd | コケ植物養生基板、及び、その生産方法 |
JP2014183846A (ja) * | 2008-07-17 | 2014-10-02 | Iej:Kk | 植物マット |
CN104472263A (zh) * | 2014-12-16 | 2015-04-01 | 康莱德国际环保植被(北京)有限公司 | 带营养土的植被毯结构及其编织方法 |
USRE46035E1 (en) | 2005-09-15 | 2016-06-21 | Samsung Display Co., Ltd. | Liquid crystal display having a reduced number of data driving circuit chips |
CN109089485A (zh) * | 2018-07-10 | 2018-12-28 | 周齐铭 | 膜播机 |
JP7558561B2 (ja) | 2020-12-28 | 2024-10-01 | 株式会社ジャパンモスファクトリー | ペーパー、フィルタ部材、金属回収装置、金属回収方法 |
-
2000
- 2000-12-08 JP JP2000404010A patent/JP2002171830A/ja active Pending
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