JP2002167597A - 気泡入り石鹸の製造方法 - Google Patents

気泡入り石鹸の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無数の気泡を分散含有する溶融石鹸における
気泡と液体分との分離が防止された気泡入り石鹸の製造
方法を提供すること。 【解決手段】 気泡を分散含有する溶融石鹸4を成形装
置で固化させる気泡入り石鹸5の製造方法において、溶
融石鹸4の貯蔵タンク61には、これを経由するループ
を形成する循環路62が設けられており、循環路62又
は貯蔵タンク61に溶融石鹸4の供給ノズル31が接続
されており、溶融石鹸4を、循環路62内を循環させな
がら供給ノズル31を通じて成形装置へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無数の気泡を含有
する溶融石鹸から気泡入り石鹸を製造する方法に関し、
更に詳しくは該溶融石鹸における気泡と液体分との分離
が防止された気泡入り石鹸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】気泡入
り石鹸の製造方法として、本出願人は先に特開平10−
195494号公報において、無数の気泡を含有する溶
融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させるに際して、
固化工程を、気密状に密閉されたキャビティ内で行うこ
とを提案した。
【0003】前記製造方法によれば、キャビティ内に外
部から空気が入り込むことが阻止できるので、固化され
た石鹸には空洞や凹みが発生しずらい。しかし、気泡入
り石鹸の製造中に何らかのトラブルが発生して作業が停
止すると、溶融石鹸はその供給配管内や貯蔵タンク内で
停滞し、気泡同士が合一してその径が大きくなり、気泡
と液体分とが分離状態となる。この状態から作業を再開
すると、気泡と液体分とが分離した状態のまま溶融石鹸
がキャビティ内に注入されてしまう。その結果、得られ
た石鹸では気泡が不均一に分散した状態となり、使用時
の泡立ちが低下してしまう。最も一般的な撹拌方法であ
る撹拌翼(撹拌羽根)を用いた場合、剪断力が低いと気
泡の合一や気液分離の改良が困難であり、剪断力が強す
ぎると空気を巻き込んで溶融石鹸の比重が変化してしま
う。また、気泡の状態(特に気泡量)の変動に伴い、固
化された石鹸の重量が変動する場合もあった。
【0004】従って、本発明は、無数の気泡を分散含有
する溶融石鹸における気泡と液体分との分離が防止され
た気泡入り石鹸の製造方法を提供することを目的とす
る。また本発明は、固化した石鹸における気泡の分散が
均一で且つ重量変動が少なくなる石鹸の気泡入り石鹸の
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、無数の気泡を
分散含有する溶融石鹸を成形装置で固化させる気泡入り
石鹸の製造方法において、前記溶融石鹸の貯蔵タンクに
は、該貯蔵タンク内を経由するループを形成する循環路
が設けられており、該循環路又は該貯蔵タンクに前記溶
融石鹸の供給部が接続されており、前記溶融石鹸を、前
記循環路内を循環させながら前記供給部を通じて前記成
形装置へ供給する気泡入り石鹸の製造方法を提供するこ
とにより前記目的を達成したものである。
【0006】また本発明は、前記気泡入り石鹸の製造方
法に使用するための製造装置であって、溶融石鹸の貯蔵
タンクと、該貯蔵タンクに接続され且つ該貯蔵タンク内
を経由するループを形成する循環管路と、該循環管路又
は該貯蔵タンクに接続された溶融石鹸の供給部と、該供
給部から供給された溶融石鹸を所定形状に成形固化させ
る成形装置とを備えた気泡入り石鹸の製造装置を提供す
るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態
で用いられる製造装置は、溶融石鹸の循環部、該循環部
に接続された溶融石鹸の供給部、及び該供給部によって
供給された溶融石鹸の成形型を備えた成形部を具備して
いる。図1には、本発明の製造方法の第1の実施形態に
用いられる装置における溶融石鹸の循環部が示されてお
り、図2には溶融石鹸の供給部が示されている。また図
3には溶融石鹸の成形部が示されている。
【0008】図1に示す溶融石鹸の循環部6は、貯蔵タ
ンク61、貯蔵タンク61に接続され且つ貯蔵タンク6
1内を経由するループを形成する循環管路62、循環管
路62の途中に介在された循環ポンプ63を備えてい
る。また貯蔵タンク61には、発泡部(図示せず)にお
いて発泡された溶融石鹸の供給管路64が接続されてい
る。更に貯蔵タンク61内には撹拌翼65が設置されて
いる。撹拌翼65はモータ66によって所定方向に回転
する。貯蔵タンク61の上部には、液面高さ計67が配
置されている。液面高さ計67としては、例えば光学
式、超音波式又は差圧式のものが使用できる。循環管路
62には、その途中に比重計68が介在配置されてい
る。比重計68としては、例えば桜エンドレス(株)の
「コリオリ質量流量計」が使用でき、密度測定モードに
より測定することができる。更に循環管路62には、溶
融石鹸の供給部3が、循環管路62と開閉可能に連通す
るように接続されている。供給部3は複数個が直列に接
続されている。貯蔵タンク61及び循環管路62を含む
循環部6並びに供給部3には、何れも温水及びヒータな
どの保温装置が取り付けられており、所定温度に保たれ
ている。
【0009】液面高さ計67で計測された溶融石鹸の液
面高さ、及び比重計68で計測された溶融石鹸の密度
は、それぞれ電気信号に変換されて演算部69へと送ら
れる。演算部69では、溶融石鹸の液面高さ及び溶融石
鹸の密度の値に基づき後述するサーボモータ38の動作
を制御する演算を行い、演算結果を電気信号に変換して
サーボモータ38へ送る。
【0010】以上の構成を有する循環部による溶融石鹸
の循環について説明すると、図示しない発泡部において
発泡されて、無数の気泡が分散含有されている溶融石鹸
は、供給管路64を通じて貯蔵タンク61内に貯えられ
る。貯蔵タンク61内において溶融石鹸は、撹拌翼65
によって撹拌されて、気泡の分散状態が均一に保たれ
る。溶融石鹸の一部は、循環ポンプ63によって循環管
路62内に送り込まれる。その結果、貯蔵タンク61内
に貯えられている溶融石鹸は、貯蔵タンク61を経由し
て循環管路62内を循環する。この循環によって、たと
え何らかのトラブルが発生して気泡入り石鹸製造の作業
が停止しても、溶融石鹸が供給配管系内で停滞すること
がなくなり、溶融石鹸に剪断力が常に加わった状態が維
持され、気泡と液体分とが分離状態となることが防止さ
れる。特に、本実施形態においては、溶融石鹸を循環さ
せることで剪断力を加えるので、例えば溶融石鹸の流速
を制御して溶融石鹸に剪断力を加える時間を制御できる
という利点がある。つまり気泡を含む溶融石鹸のような
保存安定性の低い圧縮性流体に長時間剪断力を加え続け
ることで気泡の状態を変化させることができる。一方、
剪断力を加えないと、気泡の合一や気液の分離が起こる
ことが避けられない。このように、溶融石鹸を循環させ
る場合に、剪断力を加える時間を制御することで、溶融
石鹸に効果的に剪断力を加えることができ、その結果、
貯蔵タンク61内の気泡入り石鹸における気泡の分散状
態を良好にすることができ、且つその良好な状態を長時
間保つことができる。貯蔵タンク61における撹拌翼6
5による撹拌によっても、気泡と液体分との分離はある
程度防止できるが、十分とはいえない。撹拌翼65によ
って気液分離や気泡の合一が発生しないように溶融石鹸
を撹拌すると、溶融石鹸が気泡を巻き込みその比重が変
動してしまう。従って、貯蔵タンク61内では気泡を混
入させない緩やかな撹拌を行い、気泡と液体分との分離
防止は、循環管路62内の循環によって行うことが好ま
しい。
【0011】溶融石鹸の循環の間、その密度が比重計6
8によって計測される。これと同時に貯蔵タンク61に
おける溶融石鹸の液面高さが液面高さ計67によって計
測される。
【0012】無数の気泡を分散含有する溶融石鹸の調製
方法としては、例えば本出願人の先に出願に係る特開平
11−43699号公報の第2欄15行〜第5欄1行に
記載されている方法を用いることができる。溶融石鹸の
発泡には各種気体を用いることができるが、特に不活性
気体、とりわけ窒素ガス等の非酸化性の不活性ガスを用
いることで、溶融石鹸の加熱に起因して、その配合成分
が酸化分解することで発生する異臭等を効果的に防止す
ることができる。発泡に不活性気体を用いることは、気
泡入り石鹸の配合成分として、酸化分解し易い香料成分
が配合されている場合に特に有効である。
【0013】溶融石鹸の循環においては、その温度を5
5〜80℃、特に60〜70℃に保つことが、後述する
供給ノズル先端での溶融石鹸の固化防止、及び石鹸の酸
化や香料の劣化の防止の点から好ましい。
【0014】これに関連し、溶融石鹸の循環において
は、溶融石鹸をその融点よりも1〜20℃、特に2〜5
℃高い温度に加熱し保温した条件下に循環させること
が、同様の理由から好ましい。
【0015】溶融石鹸の循環においては、その循環流量
V(m3/h)に対する、貯蔵タンク61の容量S
(m3)の比S/V(h)が0.01〜5となるように
溶融石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及び気
泡と液体分との分離防止の点から好ましい。
【0016】前記循環流量に関連するが、溶融石鹸は、
その循環管路62内での流速Vdが0.02〜5m/
s、特に0.05〜0.8m/sとなるように循環され
ることが好ましい。下限値未満であると、溶融石鹸の供
給部3への分注時に圧力低下が発生し易くなる。上限値
を超えると、設備が大掛かりになる上、循環中に気泡を
巻き込む可能性が高くなる。またこれに関連して、循環
管路62は、その断面積が10〜200cm2、特に2
0〜180cm2であることが、同様の理由から好まし
い。
【0017】溶融石鹸の循環においては、その剪断速度
が0.2〜500s-1、特に0.3〜100s-1、とり
わけ0.3〜20s-1となるように溶融石鹸を循環させ
ることが、気泡の合一防止、及びと気泡と液体分との分
離防止の点から好ましい。剪断速度DはD=2Vd/d
から算出される。ここでVdは溶融石鹸の循環流速(m
/s)を示し、dは循環管路62の径(m)を示す。循
環管路内には、前記剪断速度の範囲の剪断を加えること
ができるスタティックミキサー(静止混合器)を適宜設
けることが好ましい。
【0018】循環管路62を循環する溶融石鹸は、その
一部が循環管路62に接続されている供給部3へ送り込
まれる。図2に示すように、供給部3は、その一端が循
環管路62に接続されている接続管路35、接続管路3
5の他端に接続されている切り替えバルブ32、切り替
えバルブ32の一端に接続されている供給ノズル31、
切り替えバルブ32の他端に接続されているシリンダ3
3、及びシリンダ33内に配されたピストン34を備え
ている。この切り替えバルブ32によって、循環管路6
2と供給ノズル31とが開閉可能に連通する。ピストン
34におけるロッドの先端にはリニアガイド36が取り
付けられている。リニアガイド36は、リンク機構37
を介してサーボモータ38に接続されている。サーボモ
ータ38の作動によってリニアガイド36は直線往復運
動をするようになされている。この運動によって、ピス
トン32はシリンダ33内を摺動自在になっている。そ
して、ピストン34の引き込み距離又は押し込み距離に
よって、溶融石鹸の注出体積が決定される。具体的に
は、吸引前のピストンの位置を原点としてピストンの
引き込み距離で供給体積を決定する方法、又は吸引後
のピストンの位置を原点としてピストンの押し込み距離
で供給体積を決定する方法がある。計量する溶融石鹸は
圧縮性の流体であるので、前記のの方法において、ピ
ストンの原点の位置でシリンダー内に溶融石鹸ができる
だけ残さないように原点を決めることが、測定重量の精
度を高める点から好ましい。前述の通り、サーボモータ
38は、演算部69における演算結果に基づき制御され
る。制御の詳細については後述する。
【0019】供給部3における溶融石鹸の流れについて
説明すると、循環管路62内を循環する溶融石鹸は、そ
の一部が、切り替えバルブ32による流路の切り替えに
よって、接続管路35及び循環管路62を通じてシリン
ダ33内に送り込まれる。この場合、ピストン34は、
リニアガイド36によって予め所定の位置まで引き戻さ
れた状態になっていてもよい。或いは溶融石鹸のシリン
ダ33内への送り込みと共に、ピストン34を漸次引き
戻してもよい。
【0020】所定量の溶融石鹸がシリンダ33内に送り
込まれたら、切り替えバルブ32によって流路を切り替
え、シリンダ33と供給ノズル31とが接続されるよう
にする。次いで、リニアガイド36によってピストン3
4を所定距離押し込んで、シリンダ33内の溶融石鹸を
押し出す。これによって溶融石鹸は供給ノズル31を通
じて成形装置としての成形部7へ注入される。成形部7
は、供給ノズル31の個数と同数用いられる。以上の一
連の操作がすべての供給部3において行われる。
【0021】ピストン34の移動距離は、比重計68に
よって計測された溶融石鹸の密度、及び液面高さ計67
によって計測された貯蔵タンク61における溶融石鹸の
液面高さを基に演算部69において演算された結果に基
づき、サーボモータ38を制御することで決定される。
具体的には以下の操作が行われる。
【0022】先ず、溶融石鹸の密度に関しては、成形部
7への溶融石鹸の注入重量Aと、溶融石鹸の密度ρとの
相関関係を予め求めておく。両者は右上がりの直線関係
となることが本発明者らの検討により判明している。こ
の直線関係から求められた係数をCρとする。溶融石鹸
の液面高さについても同様に、成形部7への溶融石鹸の
注入重量Aと、溶融石鹸の液面高さLとの相関関係を予
め求めておく。両者も右上がりの直線関係となることが
本発明者らの検討により判明している。この直線関係か
ら求められた係数をCLとする。また、成形部7へ注入
すべき溶融石鹸の重量A0を設定しておく。またこの設
定重量A0に対応する溶融石鹸の密度ρ0及び液面高さL
0を前述の直線関係から予め求めておく。これらCρ、
L、A0、ρ0及びL0の値は初期値として演算部69に
入力しておく。
【0023】次に、予め求められたρ0及びL0の値、並
びに計測によって求められた溶融石鹸の密度ρm及び液
面高さLmの値に基づき、ρmとρ0との差Δρ(=ρm
ρ0)、及びLmとL0との差ΔL(=Lm−L0)を演算
部69で算出する。算出されたΔρ及びΔLの値に、そ
れぞれ初期値として入力されているCρ及びCLの値を
乗じ、設定重量A0からの補正重量、即ち(CρΔρ+
LΔL)の値を求める。この値を計測された密度ρm
除すことで補正体積を求める。シリンダ33の断面積は
予め判っているので、補正体積を断面積で除すことで、
ピストン34の移動の補正距離が算出される。算出され
た補正距離をサーボモータ38の回転ステップに換算
し、換算された値をサーボモータ38に送り、ピストン
34の移動距離を調整する。
【0024】この一連の操作によって、溶融石鹸の密度
が何らかの原因で変動しても、一定重量の溶融石鹸が成
形部7に注入される。更に、溶融石鹸を循環させておく
ことで、たとえ作業が停止しても、溶融石鹸の発泡から
注入迄の間で、溶融石鹸が停滞することはなく、気泡と
液体分とが分離状態となることが防止される。その結
果、得られる気泡入り石鹸においては、気泡が均一に分
散した状態となり、使用時の泡立ちが良好となる。
【0025】次に、成形部7へ注入された溶融石鹸の成
形について図3(a)〜(c)を参照しながら説明す
る。図3(a)に示すように、成形部7は、成形型とし
ての下型1及び上型2を備えている。下型1は金属等の
剛体からなり、上部に向けて開口したキャビティ11を
有している。キャビティ11は、製品である気泡入り石
鹸の底部及び各側部の形状に合致した凹状形状となって
いる。キャビティ11の底部には、キャビティ11と下
型1の外部とを互いに連通させる連通孔12が複数個穿
設されている。下型1の側面には、下型1と上型2とを
固定させるためのロック機構13が取り付けられてい
る。
【0026】一方、上型2も金属等の剛体からなってい
る。上型2は、蓋体21、蓋体21の下面に取り付けら
れ且つその下面が気泡入り石鹸の上部の形状に合致して
いる圧縮部22、蓋体21の上面に取り付けられた加圧
部23、及び加圧部23に遊嵌され且つ下型1のロック
機構13に係合する係合部24を備えている。
【0027】図3(a)に示すように、供給ノズル31
から注出された溶融石鹸4は、下型1のキャビティ11
内に注入される。このとき、前述の演算部69による制
御で注入される溶融石鹸4の体積が、製品である気泡入
り石鹸の目標設定体積の好ましくは1.05倍以上、更
に好ましくは1.1倍以上であることが、後述する溶融
石鹸の圧縮と相俟って、溶融石鹸の冷却に起因する収縮
やひけの発生が効果的に防止される。このような関係が
成立するように溶融石鹸を注入するには、溶融石鹸の密
度を適宜調整すればよい。溶融石鹸の注入体積の上限値
は、溶融石鹸に含まれている気泡の体積の割合に応じて
適宜決定される。例えば溶融石鹸の体積に占める気泡の
全体積が比較的大きい場合には、冷却に起因する収縮の
度合いが大きくなるので、注入体積の上限値は比較的大
きくすることができる。一方、溶融石鹸の体積に占める
気泡の全体積が比較的小さい場合には、冷却に起因する
収縮の度合いはそれほど大きくないので、注入体積の上
限値は比較的小さくなる。本実施形態における溶融石鹸
の体積に占める気泡の全体積が5〜70%程度であるこ
とを考慮すると、注入体積の上限値は、気泡入り石鹸の
体積の3倍、特に2倍であることが好ましい。溶融石鹸
の体積は、圧力及び温度によって変化するが、本明細書
において、溶融石鹸の体積とは、1気圧下、25℃にお
ける体積をいう。
【0028】溶融石鹸のキャビティ11内への注入温度
は、循環管路62内を循環する溶融石鹸の温度とほぼ同
一となっている。
【0029】溶融石鹸4の注入が完了したら、下型1の
上面を上型2で閉塞させ、下型1に取り付けられている
ロック機構13によって上型2に取り付けられている係
合部24を係合させる。これにより、両型を固定し、キ
ャビティ11内を気密状態にする。次いで、図3(b)
に示すように、上型2に取り付けられている加圧部を、
加圧シリンダ等の所定の加圧手段(図示せず)によって
押圧し、キャビティ11内に注入された溶融石鹸4を、
製品である気泡入り石鹸の目標設定体積まで圧縮する。
そして、その圧縮状態下に溶融石鹸を固化させる。この
操作によって、溶融石鹸の冷却に起因する収縮やひけの
発生が効果的に防止され、良好な外観を呈する気泡入り
石鹸が得られる。
【0030】溶融石鹸の圧縮の圧力は、溶融石鹸の注入
体積が、気泡入り石鹸の目標設定体積の何倍位かによっ
ても異なるが、一般に0.005〜0.3MPa、特に
0.05〜0.2MPa程度となる。
【0031】また、溶融石鹸の圧縮比、つまり、溶融石
鹸に含まれている気体成分の圧縮比(圧縮前の気体成分
の体積/圧縮後の気体成分の体積)は、1.08〜2.
5、特に1.1〜2であることが、冷却に起因する収縮
やひけの発生の防止、並びに冷却時間の短縮化及び生産
効率の向上の点から好ましい。溶融石鹸に含まれている
気体成分には、溶融石鹸の発泡に用いられる気体及び溶
融石鹸に含有されている水蒸気等が含まれる。
【0032】溶融石鹸の固化に際しては、下型1を所定
の冷却手段、例えば水等の冷媒によって冷却させて、溶
融石鹸の固化時間を短縮化させてもよい。勿論、自然冷
却でもよい。水によって冷却する場合、水温は5〜25
℃程度とすることが、冷却時に気泡が不均一に分散する
ことを防止する点から好ましい。
【0033】溶融石鹸の固化は、得られる気泡入り石鹸
の見掛け密度が0.4〜0.85g/cm3、特に0.
6〜0.8g/cm3となるように行われることが、溶
融石鹸の流動性の確保及び冷却効率の向上、並びに気泡
入り石鹸のキャビティ11からの離型性の向上及び外観
の向上の点から好ましい。このような状態となるように
溶融石鹸を固化させるには、例えば大気圧下55mlの
窒素ガスと90mlの石鹸組成物とからなる気泡入り溶
融石鹸を、64℃にてキャビティ11内に注入後、12
0mlまで圧縮した状態下に固化させればよい。気泡入
り石鹸の見掛け密度の測定方法は、後述する実施例にお
いて説明する。
【0034】また溶融石鹸の固化は、得られる気泡入り
石鹸における全気泡の体積に占める径1〜300μmの
気泡の体積の割合(以下、気泡体積分率という)が80
%以上となるように行われることが、石鹸の泡立ちの向
上及びふやけ防止の点から好ましい。このような状態と
なるように溶融石鹸を固化させるには、例えば(株)荏
原製作所製ユーロミックスMDFO型エアレーション装
置を用い、ロータ−を1000kPa(500rpm)
の条件で回転させながらエアレーションし、キャビティ
内で圧縮保持したまま冷却固化させればよい。気泡入り
石鹸の気泡体積分率の測定方法は、後述する実施例にお
いて説明する。
【0035】溶融石鹸の固化が完了したら、下型1に取
り付けられているロック機構13と、上型2に取り付け
られている係合部24との係合を解除し、次いで図3
(c)に示すように上型2を取り外す。更に、所定の把
持手段、例えば真空チャックを用いて、下型1のキャビ
ティ11内から気泡入り石鹸5を取り出す。取り出しに
際しては、キャビティ11の底部に穿設された連通孔1
2を通じてキャビティ11内に空気等の気体を吹き込ん
で、気泡入り石鹸5の離型を促進させるようにしてもよ
い。
【0036】このようにして得られた気泡入り石鹸は、
気泡が全体に亘って均一に分散したものとなる。従っ
て、該気泡入り石鹸は泡立ちの良好なものとなる。ま
た、該気泡入り石鹸には、溶融石鹸の冷却に起因する収
縮やひけが観察されず、良好な外観を呈するものとな
る。更に、気泡入り石鹸の重量は、設定された重量にほ
ぼ一致する。
【0037】気泡入り石鹸を構成する配合成分として
は、脂肪酸石鹸、非イオン系界面活性剤、無機塩、ポリ
オール類、非石鹸系のアニオン界面活性剤、遊離脂肪
酸、香料、水等が挙げられる。更に、抗菌剤、顔料、染
料、油剤、植物エキス等の添加物を必要に応じて適宜配
合してもよい。
【0038】次に本発明の第2及び第3の実施形態につ
いて図4及び図5を参照しながら説明する。これらの実
施形態については、第1の実施形態と異なる点について
のみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施
形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図
4及び図5において、図1〜図3と同じ部材に同じ符号
を付してある。尚、図4及び図5においては、図1に示
されている液面高さ計67、比重計68及び演算部69
が省略されている。
【0039】図4に示す第2の実施形態においては、気
泡入り石鹸の製造装置における貯蔵タンク61と供給部
3との間に循環管路62を循環する溶融石鹸の冷却用の
冷却装置81が取り付けられている。具体的には、供給
部3が循環管路62に接続されている接続位置と貯蔵タ
ンク61との間において、循環管路62に冷却装置81
が取り付けられている。冷却装置81は、供給部3が循
環管路62に接続されている位置の直ぐ上流側(直前)
に取り付けられている。また、循環管路62には、該循
環管路62を循環する溶融石鹸の加熱用の加熱装置80
も取り付けられている。加熱装置80の取り付け位置
は、供給部3が循環管路62に接続されている接続位置
よりも下流側になっている。つまり、循環管路62に
は、溶融石鹸の循環方向に関して、上流側に冷却装置8
1が取り付けられており、それよりも下流側に加熱装置
80が取り付けられている。そして、循環管路62に取
り付けられた冷却装置81と加熱装置80との間に、溶
融石鹸の供給部3が接続されている。加熱装置80にお
ける加熱温度は、循環管路62から貯蔵タンク61に戻
る溶融石鹸の温度を、貯蔵タンク61内の溶融石鹸の温
度(保温温度)と同温度とするため、循環管路62の温
度よりも高温度に設定されている。一方、冷却装置81
における冷却温度は、循環管路62を保温する保温装置
の保温温度よりも低温度に設定されている。これにより
溶融石鹸は、その保温温度よりも例えば0.5〜10℃
程度低く冷却される。勿論、冷却温度は石鹸の溶融温度
以上となっている。加熱装置80としては、熱交換器な
どを用いることができる。冷却装置81としては、水冷
管などを用いることができる。
【0040】本実施形態の製造方法においては、溶融石
鹸が、成形部7のキャビティ11内に注入される前に、
循環中の温度(保温温度)よりも低い温度に冷却される
ので、キャビティ11内での冷却固化時間が第1の実施
形態の場合よりも短縮されるという利点がある。特に、
溶融石鹸をキャビティ11内に供給する直前で、保温温
度よりも0.5〜10℃低い温度に冷却することで、撹
拌や剪断が加わっていないキャビティ11内での静置時
間を短縮できるので、固化するまでに発生する気泡の合
一や分離が低減できるので好ましい。但し、冷却装置8
1によって溶融石鹸を冷却すると、循環管路62内にお
ける溶融石鹸の流動性が低下して円滑な循環を行えない
おそれがあることから、循環管路62における、該循環
管路62と供給部3との接続位置よりも下流の位置に、
該循環管路62の保温装置とは別に、溶融石鹸の加熱用
の加熱装置80を取り付け、該加熱装置80による加熱
で溶融石鹸の円滑な循環を確保している。
【0041】図5に示す第3の実施形態においては、気
泡入り石鹸の製造装置における循環部6に取り付けられ
ている循環管路62に供給部3が接続されていない。ま
た、加熱装置及び冷却装置も取り付けられていない。こ
れに代えて、循環管路62とは別に貯蔵タンク61に接
続された接続管路35を介して、供給部3が貯蔵タンク
61に接続されている。そして貯蔵タンク61と供給部
3とを接続する接続管路35には冷却装置81が取り付
けられている。つまり、貯蔵タンク61と供給部3との
間に冷却装置81が取り付けられている。尚、図5にお
いては、供給部3が一つしか図示されていないが、複数
の供給部を貯蔵タンク61に接続してもよい。その場合
には、各供給部と貯蔵タンク61とを接続する管路に冷
却装置をそれぞれ取り付ける。何れの場合においても、
冷却装置81による冷却温度は、貯蔵タンク61を保温
する保温装置の保温温度よりも低温度に設定されてい
る。これにより溶融石鹸は、その保温温度よりも例えば
0.5〜10℃程度低く冷却される。
【0042】本実施形態の製造方法においても、第2の
実施形態と同様に、溶融石鹸が、成形部7のキャビティ
11内に注入される前に、循環中の温度よりも低い温度
に冷却されるので、キャビティ11内での冷却固化時間
が第1の実施形態の場合よりも短縮されるという利点が
ある。その上、第2の実施形態と異なり循環管路62を
冷却していないので、第2の実施形態で用いた加熱装置
を用いなくても良いとい利点もある。その分、製造装置
の構成を簡単にすることができる。
【0043】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば、第1及び第2の実施形態においては、一本のルー
プ状の循環管路62に複数個の供給部3を直列に接続し
たが、これに代えて貯蔵タンク61にループ状の循環管
路を複数設け、各循環管路にそれぞれ一個又はそれ以上
の供給部3を接続してもよい。即ち、各循環管路にそれ
ぞれ一個又はそれ以上の供給ノズルを設け、各供給ノズ
ルに対応した個数の下型を用いてよい。この方式によれ
ば(特に供給ノズルを一個のみ設ける場合)、直列に接
続する場合に比して、ポンプ回転数をそれぞれ独立に調
整でき、更に、注入重量の精度を向上出来るという利点
がある。
【0044】また前記実施形態においては下型1及び上
型2を用いて気泡入り石鹸を製造したが、気泡入り石鹸
の形状によっては、下型1を複数の割型から構成しても
よい。
【0045】また前記実施形態においては、溶融石鹸の
密度の変動、及び貯蔵タンク61内における溶融石鹸の
液面高さの変動に基づいて、溶融石鹸の注入体積を増減
させたが、これに代えて、溶融石鹸の密度の変動のみに
基づいても、十分に一定重量の気泡入り石鹸を製造でき
る。この理由は、溶融石鹸の体積の変動に及ぼす要因と
しては、貯蔵タンク61内における溶融石鹸の液面高さ
の変動よりも、溶融石鹸の密度の変動の方が大きいから
である。しかし、勿論、両者に基づいて溶融石鹸の注入
体積を増減させることが、重量を精密に制御する点から
好ましい。
【0046】また前記実施形態においては、溶融石鹸の
密度を、貯蔵タンク61と供給部3との間の位置である
循環管路62において計測したが、計測位置はこれに限
られず、貯蔵タンク61と供給ノズル31との間であれ
ば他の位置でもよい。しかし、前記位置で測定すること
が、溶融石鹸の流量が安定し、注入量のばらつきがなく
なる点から好ましい。
【0047】また前記実施形態においては気泡入り石鹸
の成形装置が、下型1及び上型2を備えた成形型を有し
ていたが、これに代えて、他の形状及び/又は構造を有
する成形装置を用いてもよい。例えば、前記実施形態に
用いられる成形型に代えて、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリエステルなどの合成樹
脂;可撓性を有する薄板状金属;可撓性を有するゴム材
料などからなる中空体を、成形型として用いてもよい。
この場合には、該中空体内に溶融石鹸を供給し固化させ
れば、該中空体がそのまま、得られた気泡入り石鹸の包
装容器となるという利点がある。
【0048】また前記実施形態においては成形型が凹部
を有する下型1と該凹部を閉塞する上型2とから構成さ
れていたが、これに代えて複数の割型からなり且つ各割
型を組み付けることで、目的とする気泡入り石鹸の形状
に合致した形状のキャビティが形成される成形型を用い
てもよい。このような成形型を用いる場合には、プラス
チックの射出成形と同様の方法で該成形型に溶融石鹸を
注入すればよい。
【0049】
【実施例】〔実施例1〜6及び比較例1〕以下の表1に
示す配合成分を用いて、前述した特開平11−4369
9号公報に記載の方法に従い無数の気泡が分散含有され
た溶融石鹸を調製した。発泡には窒素ガスを用いた。
【0050】
【表1】
【0051】調製された溶融石鹸を用い、実施例1〜6
においては、図1〜図3に示す工程に従い気泡入り石鹸
を製造した。気泡入り石鹸の重量は90gに設定した。
溶融石鹸の貯蔵タンク61の容積は0.2m3で、循環
管路62の断面積は78.5cm2であった。溶融石鹸
の循環温度、循環流量V、循環流速Vd、タンク容積S
と循環流量Vとの比S/V、及び剪断速度Dは表2に示
す通りであった。比較例1においては、貯蔵タンク61
の出口を直接成形部3に接続させて、溶融石鹸の循環を
行わないようにした。実施例及び比較例の何れにおいて
も、石鹸製造の過程において、製造ラインを2時間停止
した後に、以下の手順で作業を再開した。
【0052】溶融石鹸を、供給ノズル31を通じて下型
2のキャビティ11に注入した。次いで、下型1の上面
を上型2で閉塞させ、キャビティ11内を気密状態にし
た後、上型2の圧縮部22によって溶融石鹸を気泡入り
石鹸の目標設定体積(120cm3)まで圧縮した。溶
融石鹸の圧縮比は表2に示す通りであった。この圧縮状
態下に下型1を5〜15℃の冷却水で3〜15分冷却
し、溶融石鹸を固化させた。
【0053】溶融石鹸の固化完了後、上型2を取り外
し、更にキャビティ11の底部に穿設された連通孔12
を通じてキャビティ11内に圧縮空気を吹き込むと共に
真空チャックを用いて気泡入り石鹸を把持しキャビティ
11内から取り出し、最終製品である気泡入り石鹸を得
た。
【0054】このようにして得られた気泡入り石鹸につ
いて、以下の方法で見掛け密度、及び気泡体積分率を測
定すると共に、その重量を測定した。また以下の基準で
気泡の分散性及び外観の良否を評価した。これらの結果
を表2に示す。
【0055】〔見掛け密度の測定〕得られた気泡入り石
鹸から三辺の長さが既知(例えば10〜50mm長とす
る)の直方体状の測定片を切り出し、その重量を測定
し、重量値を体積値で除して求めた。体積値は直方体の
三辺の値から計算したものを用いた。重量測定は電子天
秤により行った。なお、本測定は、25℃±3℃、相対
湿度40〜70%環境下で行った。
【0056】〔気泡体積分率の測定〕−196℃で急冷
した気泡入り石鹸を−150℃で切断し、−150℃真
空下にて切断面を電子顕微鏡観察した。電子顕微鏡とし
てJEOL HIGHTECH CO.LTD.社製、
クライオSEM JSM−5410/CRUを用いた。
加速電圧は2kV、検出信号として二次電子像を用い
た。得られた500倍の顕微鏡写真から気泡の径を測定
し、測定された径から気泡体積分率を算出した。
【0057】〔気泡の分散性の評価〕得られた石鹸を半
分に切断し、切断面を以下の基準で目視評価した。 ○・・・切断面の各部に濃淡差が観察されない。 △・・・切断面の各部に濃淡の違いにより筋が観察され
る。 ×・・・切断面の各部に濃淡の違いにより筋又は面が複
数観察される。
【0058】〔外観の良否の評価〕目視により外観の良
否を以下の基準で評価した。 ◎・・・キャビティ形状と同等の外観形状が得られた。 ○・・・キャビティ形状とほぼ同等の外観形状が得られ
た。 ×・・・キャビティ形状と比較して、ひけが見られた。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示す結果から明らかなように、各実
施例で得られた気泡入り石鹸では、気泡が均一に分散し
ていた。また、冷却に起因する収縮やひけが観察され
ず、良好な外観を呈していた。更に、各実施例で得られ
た気泡入り石鹸では、その重量は、設定重量とほぼ同じ
であった。表には示していないが、各実施例で得られた
気泡入り石鹸では、溶融石鹸の加熱に起因する異臭等は
観察されなかった。これに対して、比較例1で得られた
気泡入り石鹸では、気泡の分散が不均一であった。
【0061】
【発明の効果】本発明の気泡入り石鹸の製造方法によれ
ば、無数の気泡を分散含有する溶融石鹸における気泡と
液体分との分離が防止される。また本発明の気泡入り石
鹸の製造方法によれば、気泡が均一に分散し、泡立ちの
良好な気泡入り石鹸が得られる。特に、溶融石鹸の注入
量を、気泡入り石鹸の目標設定体積よりも大きくするこ
とで、該溶融石鹸を固化させるに際して、冷却に起因す
る収縮やひけの発生が効果的に防止される。更に、溶融
石鹸の発泡に不活性ガスを用いると、溶融石鹸の加熱に
起因する異臭等の発生が効果的に防止される。また、成
形装置に供給される溶融石鹸の比重の変動に応じて、該
溶融石鹸の該成形装置への供給体積を増減させること
で、重量にばらつきを生じさせることなく気泡入り石鹸
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第1の実施形態に用いられ
る装置における溶融石鹸の循環部を示す模式図である。
【図2】本発明の製造方法の一実施形態に用いられる装
置における溶融石鹸の供給部を示す模式図である。
【図3】本発明の製造方法の一実施形態に用いられる装
置における溶融石鹸の成形部を示す模式図である。
【図4】本発明の製造方法の第2の実施形態に用いられ
る装置における溶融石鹸の循環部を示す模式図である
(図1相当図)。
【図5】本発明の製造方法の第2の実施形態に用いられ
る装置における溶融石鹸の循環部を示す模式図である
(図1相当図)。
【符号の説明】
1 下型 2 上型 3 供給部 31 供給ノズル 4 溶融石鹸 5 気泡入り石鹸 6 循環部 61 貯蔵タンク 62 循環管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 忠夫 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 秦野 耕一 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4H003 BA06 CA09 DA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無数の気泡を分散含有する溶融石鹸を成
    形装置で固化させる気泡入り石鹸の製造方法において、 前記溶融石鹸の貯蔵タンクには、該貯蔵タンク内を経由
    するループを形成する循環路が設けられており、該循環
    路又は該貯蔵タンクに前記溶融石鹸の供給部が接続され
    ており、 前記溶融石鹸を、前記循環路内を循環させながら前記供
    給部を通じて前記成形装置へ供給する気泡入り石鹸の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形装置に供給される前記溶融石鹸
    の比重の変動に応じて、該溶融石鹸の該成形装置への供
    給体積を増減させ、該溶融石鹸の供給量を一定重量にす
    る請求項1記載の気泡入り石鹸の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記貯蔵タンクに貯えられた前記溶融石
    鹸を前記成形装置へ供給するに際し、該貯蔵タンク内の
    前記溶融石鹸の液面高さの変動に応じて、該溶融石鹸の
    前記成形装置への供給体積を増減させる請求項2記載の
    気泡入り石鹸の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記貯蔵タンクと前記成形装置との間の
    位置において前記溶融石鹸の比重を測定する請求項2又
    は3記載の気泡入り石鹸の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶融石鹸を、55〜80℃に保温し
    て循環させる請求項1〜4の何れかに記載の気泡入り石
    鹸の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溶融石鹸を、保温温度よりも低い温
    度に冷却して前記成形装置へ供給する請求項5記載の気
    泡入り石鹸の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶融石鹸の循環流量V(m3/h)
    に対する、前記貯蔵タンクの容量S(m3)の比S/V
    (h)が0.01〜5となるように前記溶融石鹸を循環
    させる請求項1〜6の何れかに記載の気泡入り石鹸の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶融石鹸をその剪断速度が0.2〜
    500s-1となるように循環させる請求項1〜7の何れ
    かに記載の気泡入り石鹸の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記循環路又は前記貯蔵タンクには、前
    記供給部が複数個接続されており、各供給部に対応した
    個数の前記成形装置が用いられる請求項1〜8の何れか
    に記載の気泡入り石鹸の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記貯蔵タンクには前記循環路が複数
    設けられており、各循環路に前記供給部が設けられてお
    り、各供給部に対応した個数の前記成形装置が用いられ
    る請求項1〜8の何れかに記載の気泡入り石鹸の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の気泡入り石鹸の製造方
    法に使用するための製造装置であって、溶融石鹸の貯蔵
    タンクと、該貯蔵タンクに接続され且つ該貯蔵タンク内
    を経由するループを形成する循環管路と、該循環管路又
    は該貯蔵タンクに接続された溶融石鹸の供給部と、該供
    給部から供給された溶融石鹸を所定形状に成形固化させ
    る成形装置とを備えた気泡入り石鹸の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記循環管路内を循環する前記溶融石
    鹸を所定の温度に保つための保温装置が該循環管路及び
    前記貯蔵タンクに取り付けられていると共に、前記貯蔵
    タンクと前記供給部との間に、前記溶融石鹸をその保温
    温度よりも低い温度に冷却するための冷却装置が取り付
    けられている請求項11記載の気泡入り石鹸の製造装
    置。
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