JP3636315B2 - 気泡入り石鹸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡入り石鹸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
圧縮性流体の一種としての含気泡溶融石鹸を原料とした一定重量の製品を製造する方法として、本出願人は先に特開平10−195494号公報において、無数の気泡を含有する溶融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させて気泡入り石鹸を製造するに際して、固化工程を、気密状に密閉されたキャビティ内で行うことを提案した。
【0003】
前記製造方法によれば、キャビティ内に外部から空気が入り込むことが阻止できるので、固化された石鹸に空洞や凹みが発生することが防止される。しかし、前記製造方法では、一定体積の溶融石鹸をキャビティ内に供給するので、溶融石鹸の発泡の程度が変動したり、或いは溶融石鹸が貯えられている貯蔵タンクの液面高さが変動すると、溶融石鹸の密度が変動してしまう。その結果、一定体積の溶融石鹸を供給できたとしても、得られる気泡入り石鹸の重量にばらつきが生じてしまう。
【0004】
従って、本発明は、気泡入り石鹸を、一定の重量で製造し得る方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無数の気泡を分散含有する溶融石鹸を所定の収容部内へ供給しこれを冷却固化させて、該溶融石鹸を原料とする気泡入り石鹸を製造する方法であって、前記収容部に供給される前記溶融石鹸の比重の変動に応じて、該溶融石鹸の該収容部への供給体積を増減させ、該溶融石鹸の供給量を一定重量にする気泡入り石鹸の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。以下に述べる実施形態は、無数の気泡を分散含有する溶融石鹸を用い、気泡入り石鹸を製造する例である。本実施形態で用いられる製造装置は、溶融石鹸の循環部、該循環部に接続された溶融石鹸の供給部、及び該供給部によって供給された溶融石鹸の収容部を備えた成形部を具備している。図1には、気泡入り石鹸の製造に用いられる装置における溶融石鹸の循環部が示されており、図2には溶融石鹸の供給部が示されている。また図3には溶融石鹸の成形部が示されている。
【0008】
図1に示す溶融石鹸の循環部6は、貯蔵タンク61、貯蔵タンク61に接続され且つ貯蔵タンク61内を経由するループを形成する循環管路62、循環管路62の途中に介在された循環ポンプ63を備えている。また貯蔵タンク61には、発泡部(図示せず)において発泡された溶融石鹸の供給管路64が接続されている。更に貯蔵タンク61内には撹拌翼65が設置されている。撹拌翼65はモータ66によって所定方向に回転する。貯蔵タンク61の上部には、液面高さ計67が配置されている。液面高さ計67としては、例えば光学式、超音波式又は差圧式のものが使用できる。循環管路62には、その途中に比重計68が介在配置されている。比重計68としては、例えば桜エンドレス(株)の「コリオリ質量流量計」が使用でき、密度測定モードにより測定することができる。更に循環管路62には、溶融石鹸の供給部3が、循環管路62と開閉可能に連通するように接続されている。貯蔵タンク61及び循環管路62を含む循環部6並びに供給部3には、何れも温水及びヒータなどの保温装置が取り付けられており、所定温度に保たれている。
【0009】
液面高さ計67で計測された溶融石鹸の液面高さ、及び比重計68で計測された溶融石鹸の密度は、それぞれ電気信号に変換されて演算部69へと送られる。演算部69では、溶融石鹸の液面高さ及び溶融石鹸の密度の値に基づき後述するサーボモータ38の動作を制御する演算を行い、演算結果を電気信号に変換してサーボモータ38へ送る。
【0010】
以上の構成を有する循環部による溶融石鹸の循環について説明すると、図示しない発泡部において発泡されて、無数の気泡が分散含有されている溶融石鹸は、供給管路64を通じて貯蔵タンク61内に貯えられる。貯蔵タンク61内において溶融石鹸は、撹拌翼65によって撹拌されて、気泡の分散状態が均一に保たれる。溶融石鹸の一部は、循環ポンプ63によって循環管路62内に送り込まれる。その結果、貯蔵タンク61内に貯えられている溶融石鹸は、貯蔵タンク61を経由して循環管路62内を循環する。この循環によって、何らかのトラブルが発生して気泡入り石鹸製造の作業が停止しても、溶融石鹸が供給配管系内で停滞することがなくなり、気泡と液体分とが分離状態となることが防止される。貯蔵タンク61における撹拌翼65による撹拌によっても、気泡と液体分との分離はある程度防止できるが、十分とはいえない。
【0011】
溶融石鹸の循環の間、その密度が比重計68によって計測される。これと同時に貯蔵タンク61における溶融石鹸の液面高さが液面高さ計67によって計測される。
【0012】
無数の気泡を分散含有する溶融石鹸の調製方法としては、例えば本出願人の先に出願に係る特開平11−43699号公報の第2欄15行〜第5欄1行に記載されている方法を用いることができる。溶融石鹸の発泡には各種気体を用いることができるが、特に不活性気体、とりわけ窒素ガス等の非酸化性の不活性ガスを用いることで、溶融石鹸の加熱に起因して、その配合成分が酸化分解することで発生する異臭等を効果的に防止することができる。発泡に不活性気体を用いることは、気泡入り石鹸の配合成分として、酸化分解し易い香料成分が配合されている場合に特に有効である。
【0013】
溶融石鹸の循環においては、その温度を55〜80℃、特に60〜70℃に保つことが、後述する供給ノズル先端での溶融石鹸の固化防止、及び石鹸の酸化や香料の劣化の防止の点から好ましい。
【0014】
これに関連し、溶融石鹸の循環においては、溶融石鹸をその融点よりも1〜20℃、特に2〜5℃高い温度に加熱し保温した条件下に循環させることが、同様の理由から好ましい。
【0015】
溶融石鹸の循環においては、その循環流量V(m3/h)に対する、貯蔵タンク61の容量S(m3)の比S/V(h)が0.01〜5となるように溶融石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及び気泡と液体分との分離防止の点から好ましい。
【0016】
前記循環流量に関連するが、溶融石鹸は、その循環管路62内での流速Vdが0.02〜5m/s、特に0.05〜0.8m/sとなるように循環されることが好ましい。下限値未満であると、溶融石鹸の供給部3への分注時に圧力低下が発生し易くなる。上限値を超えると、設備が大掛かりになる上、循環中に気泡を巻き込む可能性が高くなる。またこれに関連して、循環管路62は、その断面積が10〜200cm2、特に20〜180cm2であることが、同様の理由から好ましい。
【0017】
溶融石鹸の循環においては、その剪断速度が0.2〜500s-1、特に0.3〜100s-1、とりわけ0.3〜20s-1となるように溶融石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及びと気泡と液体分との分離防止の点から好ましい。剪断速度DはD=2Vd/dから算出される。ここでVdは溶融石鹸の循環流速(m/s)を示し、dは循環管路62の径(m)を示す。循環管路内には、前記剪断速度の範囲の剪断を加えることができるスタティックミキサー(静止混合器)を適宜設けることが好ましい。
【0018】
循環管路62を循環する溶融石鹸は、その一部が循環管路62に接続されている供給部3へ送り込まれる。供給部3は、成形部に供給すべき溶融石鹸の体積を計量する計量手段を備えている。そして、溶融石鹸は、その所定体積が該計量手段で計量され、その後成形部に供給される。具体的には図2に示すように、供給部3は、その一端が循環管路62に接続されている接続管路35、接続管路35の他端に接続されている切り替えバルブ32、切り替えバルブ32の一端に接続されている注出ノズル31、切り替えバルブ32の他端に接続されているシリンダ33、及びシリンダ33内に配されたピストン34を備えている。このシリンダ33及びピストン34によって前述の計量手段が構成されている。切り替えバルブ32は、循環管路62と注出ノズル31とを開閉可能に連通させるものである。ピストン34におけるロッドの先端にはリニアガイド36が取り付けられている。リニアガイド36は、リンク機構37を介してサーボモータ38に接続されている。サーボモータ38の作動によってリニアガイド36は直線往復運動をするようになされている。この運動によって、ピストン32はシリンダ33内を摺動自在になっている。そして、ピストン34の移動距離、例えば引き込み距離又は押し込み距離に基づき、溶融石鹸の供給体積が計量される。具体的には、(1)吸引前のピストンの位置を原点としてピストンの引き込み距離で供給体積を計量する方法、又は(2)吸引後のピストンの位置を原点としてピストンの押し込み距離で供給体積を計量する方法がある。計量する溶融石鹸は圧縮性の流体であるので、前記の(1)の方法において、ピストンの原点の位置でシリンダー内に溶融石鹸ができるだけ残さないように原点を決めることが、測定重量の測定精度を高める点から好ましい。前述の通り、サーボモータ38は、演算部69における演算結果に基づき制御される。制御の詳細については後述する。
【0019】
供給部3における溶融石鹸の流れについて説明すると、循環管路62内を循環する溶融石鹸は、その一部が、切り替えバルブ32による流路の切り替えによって、接続管路35及び循環管路62を通じてシリンダ33内に送り込まれる。この場合、ピストン34は、リニアガイド36によって予め所定の位置まで引き戻された状態になっていてもよい。或いは溶融石鹸のシリンダ33内への送り込みと共に、ピストン34を漸次引き戻してもよい。
【0020】
所定量の溶融石鹸がシリンダ33内に送り込まれたら、切り替えバルブ32によって流路を切り替え、シリンダ33と注出ノズル31とが接続されるようにする。次いで、リニアガイド36によってピストン34を所定距離押し込んで、シリンダ33内の溶融石鹸を押し出す。これによって溶融石鹸は注出ノズル31を通じて成形部7へ供給される。成形部7は、注出ノズル31の個数と同数用いられる。以上の一連の操作がすべての供給部3において行われる。
【0021】
ピストン34の移動距離は、比重計68によって計測された溶融石鹸の密度、及び液面高さ計67によって計測された貯蔵タンク61における溶融石鹸の液面高さを基に演算部69において演算された結果に基づき、サーボモータ38を制御することで決定される。具体的には以下の操作が行われる。
【0022】
先ず、溶融石鹸の密度に関しては、成形部7への溶融石鹸の供給重量Aと、溶融石鹸の密度ρとの相関関係を予め求めておく。両者は右上がりの直線関係となることが本発明者らの検討により判明している。この直線関係から求められた係数をCρとする。溶融石鹸の液面高さについても同様に、成形部7への溶融石鹸の供給重量Aと、溶融石鹸の液面高さLとの相関関係を予め求めておく。両者も右上がりの直線関係となることが本発明者らの検討により判明している。この直線関係から求められた係数をCLとする。また、成形部7へ供給すべき溶融石鹸の重量A0を設定しておく。またこの設定重量A0に対応する溶融石鹸の密度ρ0及び液面高さL0を前述の直線関係から予め求めておく。これらCρ、CL、A0、ρ0及びL0の値は初期値として演算部69に入力しておく。
【0023】
次に、予め求められたρ0及びL0の値、並びに計測によって求められた溶融石鹸の密度ρm及び液面高さLmの値に基づき、ρmとρ0との差Δρ(=ρm−ρ0)、及びLmとL0との差ΔL(=Lm−L0)を演算部69で算出する。算出されたΔρ及びΔLの値に、それぞれ初期値として入力されているCρ及びCLの値を乗じ、設定重量A0からの補正重量、即ち(CρΔρ+CLΔL)の値を求める。この値を計測された密度ρmで除すことで補正体積を求める。シリンダ33の断面積は予め判っているので、補正体積を断面積で除すことで、ピストン34の移動の補正距離が算出される。算出された補正距離をサーボモータ38の回転ステップに換算し、換算された値をサーボモータ38に送り、ピストン34の移動距離を調整する。
【0024】
この一連の操作によって、溶融石鹸の密度が何らかの原因で変動しても、一定重量の溶融石鹸が成形部7に供給される。更に、溶融石鹸を循環させておくことで、作業が停止しても、溶融石鹸の発泡から供給迄の間で、溶融石鹸が停滞することはなく、気泡と液体分とが分離状態となることが防止される。その結果、得られる気泡入り石鹸においては、気泡が均一に分散した状態となり、使用時の泡立ちが良好となる。
【0025】
次に、成形部7へ供給された溶融石鹸の成形について図3(a)〜(c)を参照しながら説明する。図3(a)に示すように、成形部7は、成形型としての下型1及び上型2を備えている。下型1は金属等の剛体からなり、上部に向けて開口したキャビティ11を有している。キャビティ11は溶融石鹸の収容部であり、製品である気泡入り石鹸の底部及び各側部の形状に合致した凹状形状となっている。キャビティ11の底部には、キャビティ11と下型1の外部とを互いに連通させる連通孔12が複数個穿設されている。下型1の側面には、下型1と上型2とを固定させるためのロック機構13が取り付けられている。
【0026】
一方、上型2も金属等の剛体からなっている。上型2は、蓋体21、蓋体21の下面に取り付けられ且つその下面が気泡入り石鹸の上部の形状に合致している圧縮部22、蓋体21の上面に取り付けられた加圧部23、及び加圧部23に遊嵌され且つ下型1のロック機構13に係合する係合部24を備えている。
【0027】
図3(a)に示すように、注出ノズル31から注出された溶融石鹸4は、下型1のキャビティ11内に供給される。このとき、前述の演算部69による制御で供給される溶融石鹸4の体積が、製品である気泡入り石鹸の目標設定体積の1.05倍以上、特に1.1倍以上であることが、後述する溶融石鹸の圧縮と相俟って、溶融石鹸の冷却に起因する収縮やひけの発生が効果的に防止される点から好ましい。このような関係が成立するように溶融石鹸を供給するには、溶融石鹸の密度を適宜調整すればよい。溶融石鹸の供給体積の上限値は、溶融石鹸に含まれている気泡の体積の割合に応じて適宜決定される。例えば溶融石鹸の体積に占める気泡の全体積が比較的大きい場合には、冷却に起因する収縮の度合いが大きくなるので、供給体積の上限値は比較的大きくすることができる。一方、溶融石鹸の体積に占める気泡の全体積が比較的小さい場合には、冷却に起因する収縮の度合いはそれほど大きくないので、供給体積の上限値は比較的小さくなる。本実施形態における溶融石鹸の体積に占める気泡の全体積が5〜70%程度であることを考慮すると、供給体積の上限値は、気泡入り石鹸の体積の3倍、特に2倍であることが好ましい。溶融石鹸の体積は、圧力及び温度によって変化するが、本明細書において、溶融石鹸の体積とは、1気圧下、25℃における体積をいう。
【0028】
溶融石鹸のキャビティ11内への供給温度は、循環管路62内を循環する溶融石鹸の温度とほぼ同一となっている。
【0029】
溶融石鹸4の供給が完了したら、下型1の上面を上型2で閉塞させ、下型1に取り付けられているロック機構13によって上型2に取り付けられている係合部24を係合させる。これにより、両型を固定し、キャビティ11内を気密状態にする。次いで、図3(b)に示すように、上型2に取り付けられている加圧部を、加圧シリンダ等の所定の加圧手段(図示せず)によって押圧し、キャビティ11内に供給された溶融石鹸4を、製品である気泡入り石鹸の目標設定体積まで圧縮する。そして、その圧縮状態下に溶融石鹸を固化させる。この操作によって、溶融石鹸の冷却に起因する収縮やひけの発生が効果的に防止され、良好な外観を呈する気泡入り石鹸が得られる。
【0030】
溶融石鹸の圧縮の圧力は、溶融石鹸の供給体積が、気泡入り石鹸の目標設定体積の何倍位かによっても異なるが、一般に0.005〜0.3MPa、特に0.05〜0.2MPa程度となる。
【0031】
また、溶融石鹸の圧縮比、つまり、溶融石鹸に含まれている気体成分の圧縮比(圧縮前の気体成分の体積/圧縮後の気体成分の体積)は、1.08〜2.5、特に1.1〜2であることが、冷却に起因する収縮やひけの発生の防止、並びに冷却時間の短縮化及び生産効率の向上の点から好ましい。溶融石鹸に含まれている気体成分には、溶融石鹸の発泡に用いられる気体及び溶融石鹸に含有されている水蒸気等が含まれる。
【0032】
溶融石鹸の固化に際しては、下型1を所定の冷却手段、例えば水等の冷媒によって冷却させて、溶融石鹸の固化時間を短縮化させてもよい。勿論、自然冷却でもよい。水によって冷却する場合、水温は5〜25℃程度とすることが、冷却時に気泡が不均一に分散することを防止する点から好ましい。
【0033】
溶融石鹸の固化は、得られる気泡入り石鹸の見掛け密度が0.4〜0.85g/cm3、特に0.6〜0.8g/cm3となるように行われることが、溶融石鹸の流動性の確保及び冷却効率の向上、並びに気泡入り石鹸のキャビティ11からの離型性の向上及び外観の向上の点から好ましい。このような状態となるように溶融石鹸の固化させるには、例えば大気圧下55mlの窒素ガスと90mlの石鹸組成物とからなる気泡入り溶融石鹸を、64℃にてキャビティ11内に供給後、120mlまで圧縮した状態下に固化させればよい。気泡入り石鹸の見掛け密度の測定方法は、後述する実施例において説明する。
【0034】
また溶融石鹸の固化は、得られる気泡入り石鹸における全気泡の体積に占める径1〜300μmの気泡の体積の割合(以下、気泡体積分率という)が80%以上となるように行われることが、石鹸の泡立ちの向上及びふやけ防止の点から好ましい。このような状態となるように溶融石鹸を固化させるには、例えば(株)荏原製作所製ユーロミックスMDFO型エアレーション装置を用い、ロータ−を1000kPa(500rpm)の条件で回転させながらエアレーションし、キャビティ内で圧縮保持したまま冷却固化させればよい。気泡入り石鹸の気泡体積分率の測定方法は、後述する実施例において説明する。
【0035】
溶融石鹸の固化が完了したら、下型1に取り付けられているロック機構13と、上型2に取り付けられている係合部24との係合を解除し、次いで図3(c)に示すように上型2を取り外す。更に、所定の把持手段、例えば真空チャックを用いて、下型1のキャビティ11内から気泡入り石鹸5を取り出す。取り出しに際しては、キャビティ11の底部に穿設された連通孔12を通じてキャビティ11内に空気等の気体を吹き込んで、気泡入り石鹸5の離型を促進させるようにしてもよい。
【0036】
このようにして得られた気泡入り石鹸の重量は、設定された重量にほぼ一致する。また、気泡が全体に亘って均一に分散したものとなる。従って、該気泡入り石鹸は泡立ちの良好なものとなる。更に、該気泡入り石鹸には、溶融石鹸の冷却に起因する収縮やひけが観察されず、良好な外観を呈するものとなる。
【0037】
気泡入り石鹸を構成する配合成分としては、脂肪酸石鹸、非イオン系界面活性剤、無機塩、ポリオール類、非石鹸系のアニオン界面活性剤、遊離脂肪酸、香料、水等が挙げられる。更に、抗菌剤、顔料、染料、油剤、植物エキス等の添加物を必要に応じて適宜配合してもよい。
【0038】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては、溶融石鹸の密度の変動、及び貯蔵タンク61内における溶融石鹸の液面高さの変動に基づいて、溶融石鹸の供給体積を増減させたが、これに代えて、溶融石鹸の密度の変動のみに基づいても、十分に一定重量の気泡入り石鹸を製造できる。この理由は、溶融石鹸の体積の変動に及ぼす要因としては、貯蔵タンク61内における溶融石鹸の液面高さの変動よりも、溶融石鹸の密度の変動の方が大きいからである。しかし、勿論、両者に基づいて溶融石鹸の供給体積を増減させることが、重量を精密に制御する点から好ましい。
【0039】
また、前記実施形態においては、溶融石鹸の密度を、貯蔵タンク61と成形部3との間の位置である循環管路62において計測したが、計測位置はこれに限られず、貯蔵タンク61と注出ノズル31との間であれば他の位置でもよい。しかし、前記位置で測定することが、溶融石鹸の流量が安定し、供給量のばらつきがなくなる点から好ましい。
【0040】
また前記実施形態においては、一本のループ状の循環管路62に複数個の成形部3を直列に接続したが、これに代えて貯蔵タンク61にループ状の循環管路を複数設け、各循環管路にそれぞれ一個又はそれ以上の成形部3を接続してもよい。即ち、各循環管路にそれぞれ一個又はそれ以上の注出ノズルを設け、各注出ノズルに対応した個数の下型を用いてよい。この方式によれば(特に注出ノズルを一個のみ設ける場合)、直列に接続する場合に比して、ポンプ回転数をそれぞれ独立に調整でき、更に、供給重量の精度を向上出来るという利点がある。
【0041】
また前記実施形態においては、溶融石鹸を循環部6において循環させながら成形部3に供給したが、これに代えて、貯蔵タンク61の出口を直接成形部3に接続させて、溶融石鹸の循環を行わないようにしてもよい。
【0042】
また前記実施形態においては下型1及び上型2を用いて気泡入り石鹸を製造したが、気泡入り石鹸の形状によっては、下型1を複数の割型から構成してもよい。
【0044】
【実施例】
〔実施例1及び比較例1〕
以下の表1に示す配合成分を用いて、前述した特開平11−43699号公報に記載の方法に従い無数の気泡が分散含有された溶融石鹸を調製した。発泡には窒素ガスを用いた。
【0045】
【表1】
Figure 0003636315
【0046】
調製された溶融石鹸を用い、実施例1においては、図1〜図3に示す工程に従い気泡入り石鹸を製造した。気泡入り石鹸の重量は、90gに設定した。溶融石鹸の貯蔵タンク61の容積は0.2m3で、循環管路62の断面積は78.5cm2であった。溶融石鹸の供給体積は、ピストンの押し込み距離に基づいて計量した。溶融石鹸の循環温度、循環流量、循環流速及び剪断速度は表2に示す通りであった。比較例1においては、溶融石鹸の比重測定及び液面高さ測定に基づくフィードバック制御を行わなかった。
【0047】
溶融石鹸を、注出ノズル31を通じて下型2のキャビティ11に供給した。次いで、下型1の上面を上型2で閉塞させ、キャビティ11内を気密状態にした後、上型2の圧縮部22によって溶融石鹸を気泡入り石鹸の目標設定体積(120cm3)まで圧縮した。この圧縮状態下に下型1を5〜15℃の冷却水で3〜15分冷却し、溶融石鹸を固化させた。
【0048】
溶融石鹸の固化完了後、上型2を取り外し、更にキャビティ11の底部に穿設された連通孔12を通じてキャビティ11内に圧縮空気を吹き込むと共に真空チャックを用いて気泡入り石鹸を把持しキャビティ11内から取り出し、最終製品である気泡入り石鹸を得た。
【0049】
このようにして得られた気泡入り石鹸について、以下の方法で見掛け密度を測定すると共に、その重量を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0050】
〔見掛け密度の測定〕
得られた気泡入り石鹸から三辺の長さが既知(例えば10〜50mm長とする)の直方体状の測定片を切り出し、その重量を測定し、重量値を体積値で除して求めた。体積値は直方体の三辺の値から計算したものを用いた。重量測定は電子天秤により行った。なお、本測定は、25℃±3℃、相対湿度40〜70%環境下で行った。
【0051】
【表2】
Figure 0003636315
【0052】
表2に示す結果から明らかなように、実施例1で得られた気泡入り石鹸では、その重量は、設定重量とほぼ同じであった。更に表には示していないが、実施例1で得られた気泡入り石鹸では、溶融石鹸の加熱に起因する異臭等は観察されなかった。これに対して、比較例1で得られた気泡入り石鹸では、設定重量からのずれが大きかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、気泡を含有する溶融石鹸を原料とする気泡入り石鹸を、その重量にばらつきを生じさせることなく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態に用いられる装置における溶融石鹸の循環部を示す模式図である。
【図2】本発明の製造方法の一実施形態に用いられる装置における溶融石鹸の供給部を示す模式図である。
【図3】本発明の製造方法の一実施形態に用いられる装置における溶融石鹸の成形部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 下型
2 上型
3 供給部
4 溶融石鹸
5 気泡入り石鹸
6 循環部
61 貯蔵タンク
62 循環管路
67 液面高さ計
68 比重計

Claims (4)

  1. 無数の気泡を分散含有する溶融石鹸を所定の収容部内へ供給しこれを冷却固化させて、該溶融石鹸を原料とする気泡入り石鹸を製造する方法であって、前記収容部に供給される前記溶融石鹸の比重の変動に応じて、該溶融石鹸の該収容部への供給体積を増減させ、該溶融石鹸の供給量を一定重量にする気泡入り石鹸の製造方法。
  2. 貯蔵タンクに貯えられた前記溶融石鹸を前記収容部内へ供給するに際し、該貯蔵タンク内の前記溶融石鹸の液面高さを m 前記溶融石鹸の比重をρ m としたとき、該溶融石鹸の前記収容部への供給体積を以下の式で表される量だけ変化させる請求項1記載の製造方法。
    〔Cρ(ρ m −ρ 0 )+C L (L m −L 0 )〕÷ρ m
    式中、Cρは、予め求めておいた、収容部への溶融石鹸の供給重量と、溶融石鹸の比重との直線関係の係数を表し、
    L は、予め求めておいた、収容部への溶融石鹸の供給重量と、溶融石鹸の溶融石鹸の液面高との直線関係の係数を表し、
    ρ 0 は、収容部へ供給すべき溶融石鹸の設定重量A 0 に対応する溶融石鹸の比重を表し、
    0 は、収容部へ供給すべき溶融石鹸の設定重量A 0 に対応する溶融石鹸の液面高さを表す。
  3. 前記溶融石鹸の比重に基づき決定された、前記収容部に供給すべき該溶融石鹸の体積を、計量手段で計量し、計量された該溶融石鹸を該収容部に供給する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記計量手段が、シリンダと該シリンダ内に配されたピストンとを備え、該ピストンの移動距離に基づき、前記収容部に供給すべき前記溶融石鹸の体積を計量する請求項記載の製造方法。
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