JP2002164244A - 巻き線装置及び巻き線方法 - Google Patents

巻き線装置及び巻き線方法

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JP2002164244A JP2000356236A JP2000356236A JP2002164244A JP 2002164244 A JP2002164244 A JP 2002164244A JP 2000356236 A JP2000356236 A JP 2000356236A JP 2000356236 A JP2000356236 A JP 2000356236A JP 2002164244 A JP2002164244 A JP 2002164244A
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秀徳 岡田
Minoru Nakajima
稔 中島
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明吉 嶋田
Juichi Saito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は被巻回体に線材を巻回するノズル
体の厚さ寸法を薄くできるようにした巻き線装置を提供
することにある。 【解決手段】 ステータ17に所定間隔で形成されたテ
ィース16に、ノズル体18に形成されたノズル路18
3から導出された線材36を巻回する巻き線装置におい
て、上記ノズル路は上記ノズル体の厚さ方向の一端側に
偏倚して形成されていて、上記ノズル体は、上記ステー
タのティースの周面に対して厚さ方向の他端側の側面が
常に対向するよう自転しながら上記ティースの周囲を相
対的に公転して上記線材を上記ティースに巻回する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はノズル体のノズル
路から導出された線材を被巻回体、たとえばステータに
形成されたティースに巻回するための巻き線装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】モータのステータは円筒状に形成され、
その内周面には周方向に所定間隔でティースが形成され
ている。このティースには巻き線装置によって銅線など
の線材が巻回される。
【0003】このような構造のステータにおいては、モ
ータの性能向上や小型化を図るために、隣り合うティー
スの間隔をできるだけ小さくしてコギングトルクによる
回転むらをなくすことや、各ティースに巻回される線材
量を多くして巻き線の占積率を増大させることなどが要
求される。
【0004】上記巻き線装置は図8に示すように、ノズ
ル体1を有し、このノズル体1を矢印で示すようにステ
ータ6の内周面に形成されたティース2の周面に沿って
時計方向に公転させることで、図9に示すように、この
ノズル体1のノズル路3から導出された線材4を上記テ
ィース2の先端部よりも小径な巻き線部5に巻回すると
いうことが行われている。
【0005】従来の巻き線装置においては、上記ノズル
体1を、図8に示す軌跡で上記ティース2の周囲に沿っ
て公転させ、線材4をティース2の先端部よりも小径な
巻き線部5に巻回するようにしていた。
【0006】そのため、ティース2の一側面2aでは、
この一側面2aにノズル体1の一側面1aが対向し、他
側面2bでは、この他側面2bにノズル体1の他側面1
bが対向する。
【0007】ノズル体1のノズル路3から導出される線
材4は、図9に示すようにノズル路3の先端の曲面3a
に沿ってその導出方向に湾曲される。この曲面3aの曲
率半径は、線材4の構成である線材4の材質や径、表面
に被覆された絶縁部材などによって下限が決定される。
つまり、線材4の導出方向は、ノズル体1がティース2
の周囲を全長にわたって公転するため、ノズル路3の周
方向全体にわたることになる。そのため、ノズル路3の
周囲には全長にわたって曲面3aを形成しなければ、ノ
ズル路3から導出された線材4にテンションが加わるこ
とで、線材4がノズル体1との接触によって損傷すると
いうことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ノズル路3
の周方向全長にわたって曲面3aを形成するようにする
と、その曲面3aを形成するために、ノズル路3の外側
に最低限でもその曲面3aの曲率半径に相当する肉厚を
確保しなければならない。
【0009】そのため、図9にTで示すノズル体1の厚
さ寸法が大きくなるから、その厚さ寸法Tに応じて隣り
合うティース2の先端の側面間の間隔dを大きくとらな
ければならなくなる。それによって、モータはコギング
トルクの発生が大きくなり、回転むらによる性能低下を
招き易くなるということがあった。
【0010】さらに、ノズル体1の厚さTが厚くなる
と、各ティース2の巻き線部に線材4を巻回する際、隣
り合うティース2間にノズル体1の厚さTに応じた空間
部を残して線材4の巻回を終了しなければならない。
【0011】そのため、ノズル体1の厚さ寸法が厚くな
れば、その分、一対のティース2間における線材4の占
積率が低下するから、所望する出力のモータを得るため
にはステータ6を大型化しなければならないということ
もあった。
【0012】この発明は、線材を損傷させることなくテ
ィースに巻回でき、しかもノズル体の厚さ寸法を小さく
できる巻き線装置及び方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被巻
回体に、ノズル体に設けられたノズル路から導出された
線材を巻回する巻き線装置において、上記ノズル路は上
記ノズル体の厚さ方向の一端側に偏倚して形成されてい
て、上記ノズル体は、上記被巻回体の周面に対して厚さ
方向の他端側の側面が常に対向するよう自転しながら上
記被巻回体の周囲を相対的に公転して上記線材を上記テ
ィースに巻回することを特徴とする巻き線装置にある。
【0014】請求項2の発明は、被巻回体に線材を巻回
する巻き線装置において、所定の厚さ寸法を有し、その
厚さ方向の一端側に偏倚したノズル路が形成されこのノ
ズル路から上記線材が導出されるノズル体とこのノズル
体を自転させるノズル回転手段と、このノズル体と対向
するように上記被巻回体を保持するテーブルと、上記ノ
ズル体をその厚さ方向の他端側の側面が上記被巻回体の
周面に対応するように上記ノズル体を自転させると共
に、このノズル体が上記被巻回体の周面に沿って相対的
に公転するように、上記ノズル体と上記被巻回体を保持
したテーブルの少なくとも一方を駆動して上記ノズル路
から導出された線材を上記被巻回体に巻回させる駆動手
段とを具備したことを特徴とする巻き線装置にある。
【0015】請求項3の発明は、上記ノズル路は、上記
ノズル体の厚さ方向一端側の側面に一部を開放している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の巻き線装
置。
【0016】請求項4の発明は、上記被巻回体の断面形
状は対向平面を有する形状であり、対向平面の一側から
対向する他側に移行する際の上記ノズル体の軌跡は円弧
状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
巻き線装置にある。
【0017】請求項5の発明は、モータのステータに所
定の間隔で形成されたティースに線材を巻回する巻き線
方法において、厚さ方向の一端側に偏倚して形成された
線材を案内するノズル路を有するノズル体を、巻回すべ
きティースの一側に対して他端側を対向させた状態で隣
接するティースとの間隔を通過させて第1の所定の位置
で停止させる工程と、前記巻回すべきティースの他側へ
前記ノズル体を円弧状の軌跡で移行させるとともに、前
記ノズル体の他端側が前記巻回すべきティースの他側と
対向する状態となるように前記ノズル体を回転する工程
と、前記巻回すべきティースの他側に対して前記ノズル
体の他端側を対向させた状態で隣接するティースとの間
隔を通過させて第2の所定位置で停止させる工程と、前
記巻回すべきティースの一側へ前記ノズル体を円弧状の
軌跡で移行させるとともに、前記ノズル体の他端側が前
記巻回すべきティースの一側と対向する状態となるよう
に前記ノズル体を回転させる工程とを有することを特徴
とする巻き線方法にある。
【0018】この発明によれば、ノズル体をティースの
周囲を相対的に公転させながら所定の公転位置で自転さ
せるようにしたため、ノズル体の厚さ方向一端側に偏倚
したノズル路からの線材の導出方向を、ノズル体の厚さ
方向においては他端側だけからにすることができる。
【0019】そのため、厚さ方向一端側においては、導
出される線材を所定の曲率で湾曲させるための曲面を確
保せずにすむから、その分、ノズル体の厚さ寸法を薄く
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図6を参照しなが
らこの発明の一実施の形態を説明する。
【0021】図1乃至図3はこの発明の巻き線装置を示
し、この巻き線装置は矩形状のベース11を有する。こ
のベース11の一端部には支柱12が立設され、この支
柱12の上端には円弧状のガイド部材13が水平に設け
られている。このガイド部材13にはテーブル14が設
けられている。このテーブル14の下面の両端部には上
記ガイド部材13の側面に転接するそれぞれ一対のロー
ラ14aが設けられている。それによって、テーブル1
4は上記ガイド部材13に沿って円弧状に移動(揺動)
可能に設けられている。
【0022】テーブル14の上面にはホルダ15が設け
られ、このホルダ15には図中鎖線で示すステータ(被
巻回体)17が着脱可能に設けられている。このステー
タ17は、図5と図6に示すように内面にティース16
が周方向に所定ピッチPで設けられている。さらに、ス
テータ17はリング状に一体形成されたものであって
も、複数のティースを一体に有する分割型のものであっ
てもよい。なお、ステータ17の内面の曲率半径と、上
記ガイド部材13の曲率半径は一致している。
【0023】ベース11上の上記テーブル14に保持さ
れたステータ17の内周面に対向する位置には、後述す
るノズル体18を自転させるための自転機構19及び上
記ノズル体18を上記ステータ17に対して接離する方
向にピッチ送りするための送り機構21が設けられてい
る。
【0024】上記送り機構21は図1と図2に示すよう
に上記ベース11に固定された送り用サーボモータ22
を有する。この送り用サーボモータ22の出力軸には、
上記ベース11に回転可能に支持されたボールねじ24
がカップリング23によって連結されている。
【0025】上記ボールねじ24には、上記ベース11
に移動可能に設けられた前後可動体25が螺合されてい
る。この前後可動体25はボールねじ24が回転するこ
とで図2に矢印で示す方向、つまり上記テーブル14に
対して接離するX(図2に示す)方向に駆動されるよう
になっている。
【0026】上記可動体25には上下ガイド体26が下
端部を固着しガイド方向をほぼ垂直にして立設されてい
る。この上下ガイド体26には上下可動体27がスライ
ド可能に支持されている。この上下可動体27の上端に
は上記自転機構19を構成する主軸28(図1に示す)
が軸線を上記前後可動体25の移動方向に沿わせて回転
可能に支持されている。
【0027】上記主軸28の中途部には従動プーリ29
が嵌着されている。図1に示すように、上記上下可動体
27には自転用サーボモータ31が設けられている。こ
の自転用サーボモータ31によって回転駆動される駆動
プーリ32と、上記従動プーリ29とにはタイミングベ
ルト33が張設されている。したがって、上記主軸28
は上記自転用サーボモータ31によって回転駆動される
ようになっている。
【0028】上記主軸28の先端部にはホルダ34が設
けられ、このホルダ34には上記ノズル体18が着脱可
能に保持されている。つまり、ノズル体18は、図4
(a)〜(c)に示すように円盤状の基部181と、こ
の基部181の一側面に設けられた所定の厚さを有する
断面形状が矩形状の板状部182とを有する。
【0029】上記基部181と板状部182とにはノズ
ル路183が形成されている。このノズル路183は基
部181においてはその中心部に穿設され、板状部18
2においては厚さ方向の一側面に一部を露出させて形成
されている。つまり、ノズル路183は、板状部182
においてはその厚さ方向の中心から一側面18a側に偏
倚して形成されている。
【0030】さらに、図6に示すようにノズル体18の
ノズル路183から導出されて上記ステータ17のティ
ース16に巻回される線材36は、巻回時に上記ノズル
体18を上記自転機構19によって自転させることで、
板状部182の厚さ方向においては、図4(c)に鎖線
で示すように他側面18b側だけから導出されるように
なっている。
【0031】そのため、板状部182の厚さ方向におい
ては、その他側面18bにだけ線材36を損傷させるこ
となく所定の曲率で湾曲させて導出させるための曲面部
184を形成する肉厚を確保すればよく、一側面18a
側には曲面部184を形成するための肉厚を確保する必
要がなくなるから、その分、ノズル体18の板状部18
2の厚さ寸法を小さくすることができる。
【0032】なお、板状部182の厚さ方向中心部から
ノズル路183を一側面18a側に偏倚させる方法は、
ノズル路183を予め板状部182の厚さ方向中心部か
ら一側面18a側にずらして形成してもよいが、ノズル
路183を板状部182の厚さ方向中心部に形成してか
ら、その板状部182の厚さ方向一側面18a側を削る
ことで、ノズル路183を偏倚させるようにしてもよ
い。
【0033】なお、ノズル路183の板状部182の一
側面18aからの露出度合は、ノズル路183から線材
36が容易に外れないようにするため、ノズル路183
の半径以上が好ましい。また、上記線材36は上記主軸
28に形成された通孔(図示せず)を通じて上記ノズル
体18のノズル路183に挿通されるようになってい
る。
【0034】上記テーブル14及び上記上下可動体27
の側方には、これらを駆動する駆動機構41が配設され
ている。この駆動機構41は、図2に示すように動力軸
43を有する。この動力軸43は軸線を上記前後可動体
25の移動方向に沿わせて配置され、3つの軸受42に
より回転可能に支持されている。
【0035】上記動力軸43の一端には駆動用サーボモ
ータ44が連結され、このサーボモータ44によって回
転駆動されるようになっている。動力軸43の中途部に
は左右用カム盤45と上下用カム盤46とが嵌着固定さ
れている。図2に示すように、各カム盤45、46の対
向する一側面にはそれぞれカム溝45a,46aが形成
されている。
【0036】図3に示すように、テーブル14の下方に
は第1の支持部材47が設けられている。この第1の支
持部材47にはL字状の左右揺動レバー48の中途部が
枢着されている。この左右揺動レバー48の一端には上
記左右用カム盤45のカム溝45aに係合する左右用カ
ムフォロア49が回転自在に設けられている。この左右
揺動レバー48の他端には、図3に示すようにこのレバ
ー48の板面に対して垂直方向に一対の係合ピン51が
所定間隔で突設されている。これら一対の係合ピン51
間には上記テーブル14の下面に垂設された従動ピン5
2が挿入係止されている。
【0037】上記駆動用サーボモータ44によって動力
軸43が回転駆動され、その回転に左右用カム盤45が
連動すると、左右揺動レバー48の他端部が図3に矢印
で示す左右方向に揺動する。それによって、テーブル1
4が円弧状のガイド部材13に沿って左右方向に円弧運
動することになる。このときの左右方向のストロークは
図5に示すようにステータ17のティース16のピッチ
Pとほぼ同じになるよう設定されている。
【0038】図3に示すように、上記動力軸43の軸線
を中心にして上記第1の支持部材47と径方向の反対側
には、第2の支持部材50が立設されている。この第2
の支持部材50の上端部には上下動レバー53の基端部
が回転可能に連結されている。
【0039】上記上下動レバー53の中途部には、上記
上下用カム盤46のカム溝46aに係合する上下用カム
フォロア55が回転可能に設けられている。この上下用
レバー53の先端部にはU字状の係合溝56が形成さ
れ、この係合溝56は上記上下可動体27の上記テーブ
ル14と対向する側面に突設された連動ピン57に係合
している。
【0040】したがって、上記動力軸43が回転駆動さ
れて上下用カムフォロア55が連動すると、上記上下用
レバー53が基端部を支点として図3に矢印で示す上下
方向に揺動するから、この上下用レバー54の係合溝5
6に係合した連動ピン57を介して上記上下可動体27
及びこの上下可動体27に設けられたノズル体18が上
下方向に駆動されるようになっている。
【0041】上記動力軸43の他端部には、図1と図2
に示すようにこの動力軸43の回転角度を検出するエン
コーダ61が設けられている。このエンコーダ61は上
記動力軸43の回転角度を検出し、その検出信号を図2
に示す制御装置62に入力する。この制御装置62は動
力軸43が1回転(360度回転)したことを検出する
と、送り用サーボモータ22に駆動信号を出力し、ボー
ルねじ24を所定角度回転駆動して前後可動体25をテ
ーブル14に対して進退方向(X方向)へ所定のピッチ
で送るようになっている。
【0042】つまり、動力軸43が1回転することで、
前後可動体25と共にノズル体18がテーブル14に保
持されたステータ17に対して接離する方向へ所定のピ
ッチで駆動されるようになっている。このピッチはステ
ータ17に巻回する線材36の直径とほぼ同じに設定さ
れる。
【0043】上記動力軸43が1回転すると、ノズル体
18に対してテーブル14に保持されたステータ17
は、左右カム盤45に形成されたカム溝45aの形状に
よって左右方向(Y方向)にステータ17のティース1
6のピッチPとほぼ同じ距離で往復駆動される。
【0044】また、上記動力軸43が1回転すること
で、ノズル体18はティース16の上下方向の高さ寸法
よりも大きな距離で上下方向に1往復する。ノズル体1
8の上下方向の動きと、ステータ17の左右方向の動き
とが合成されることで、動力軸43が360度回転する
ことで、ノズル体18はティース16の周囲を1回転
(1周)することになる。つまり、ノズル体18はティ
ース16の周囲を公転する。
【0045】さらに、上記ノズル体18は、ティース1
6の周囲を1回転する途中の、矩形状のティース16の
一側から他側に移行する際、図5に示すように半径Rの
曲率で円弧運動する。
【0046】上記ノズル体18が一対のティース16間
に位置するとき、このノズル体18は、図5に示すよう
にノズル路183の径方向の一部が露出した一側面18
aを線材36が巻回されるティース16の外周面と逆方
向(反対側)に向けて上下方向に移動する。その状態で
ノズル体18が図5にA及びBで示す、一対のティース
16間のギャップの上方向或いは下方向に突出すると、
矢印で示す時計方向に90度回転(自転)した後、半径
Rの曲率で円弧運動しながらさらに時計方向に90度回
転(自転)する。
【0047】すなわち、上記エンコーダ61により動力
軸43の回転角度が検出され、その角度が所定の角度、
つまりノズル体18が図5にA,Bに示す一対のティー
ス16間のギャップから上方向或いは下方向の位置に突
出したときに、上記制御装置62から自転用サーボモー
タ31に駆動信号が出力される。それによって、ノズル
体18は90度自転し、さらに半径Rの曲率で公転しな
がらさらに時計方向に90度自転する。
【0048】上記ノズル体18が公転しながら180度
自転することで、ノズル体18はノズル路183が露出
した一側面18aを常にティース16の外周面と反対側
に向けてこのティース16の周囲を回転(公転)するこ
とになる。
【0049】なお、ノズル体18は、図5にA,Bで示
す位置に達し半径Rの曲率で公転を開始する前に、公転
した際に線材4がノズル路183から外れない程度、或
いはノズル路183の一側が開放されていない場合は、
他側の薄い壁で支えることができる程度のテンション以
内にまで自転していれば、90度まで回転させる必要は
ない。
【0050】つぎに、上記構成の巻き線装置によってス
テータ17のティース16に線材36を巻回する場合に
ついて説明する。
【0051】上記線材36をノズル体18のノズル路1
83から導出したならば、この線材36の端部を線材3
6を巻回するステータ17もしくはその近傍に固定し、
制御装置62によって巻回動作を開始する。巻回動作が
開始されることで、駆動用サーボモータ44によって動
力軸43が回転駆動される。それによって、左右用カム
盤45と上下用カム盤46とが一体的に回転するから、
ノズル体18の上下運動とステータ17の左右方向の揺
動運動とが合成されることで、このノズル体18はティ
ース16の周囲を相対的に公転することになる。
【0052】ノズル体18は公転の途中、つまりノズル
体18はティース16の一側から他側に移行するときに
180度自転するため、その自転によってノズル路18
3が露出した一側面18aを、線材36を巻回するティ
ース16の外周面に対して常に反対側に向けて公転する
ことになる。
【0053】そのため、ノズル路183のノズル体18
の先端面から導出される線材36の導出方向は、図4
(c)に示すように他側面18b及び厚さ方向と交差す
る幅方向からのみ導出されることになる。
【0054】すなわち、ノズル体18には、図4(c)
に示すようにその厚さ方向において、ノズル路183か
ら導出される線材36を所定以上の曲率半径で湾曲させ
るための曲面184を他側面18b側だけに確保し、一
側面18a側には確保せずにすむ。そのため、ノズル路
183をノズル体18の厚さ方向の一側面18a側に偏
倚させることができるから、その偏倚に応じてノズル体
18の厚さ寸法を薄くすることができる。
【0055】ノズル体18の厚さ寸法を薄くできれば、
隣り合うティース16間のギャップを小さくできるか
ら、その分、モータのコギングトルクを減少させること
が可能となるばかりか、各ティース16への巻き線量を
増大させ、占積率を大きくすることができる。
【0056】ノズル体18がティース16の一側から上
方或いは下方に突出して他側へ移行する際、上記ノズル
体18を予め90度自転させてから、半径Rの曲率で円
弧運動させながらさらに90度自転させるようにした。
【0057】そのため、ノズル体18がティース16の
一側から他側に移行する際、ノズル体18が円弧運動す
ることで、線材36に緩みが生じるのが防止されるか
ら、線材36をティース16の先端部よりも小径な巻き
線部16aにたるみなく巻回することが可能となる。
【0058】しかも、ノズル体18を予め90度自転さ
せてから半径Rの曲率で公転させるため、公転時には図
5に示すように線材36の導出方向がノズル体18の厚
さ方向の他側面18b側になる。そのため、そのときに
線材36がノズル路183から外れ難いということもあ
る。
【0059】ノズル体18が相対的にティース16の周
囲を1回転し、そのことがエンコーダ61によって検出
されると、その検出信号に基づいて制御装置62から送
り用サーボモータ22へ駆動信号が出力される。それに
よって、ノズル体18が設けられた上下可動体27がス
テータ17に対して接離する方向に線材36の直径に応
じた距離だけピッチ送りされる。
【0060】このように、ノズル体18の公転と自転及
びピッチ送りとが繰り返されることで、上記ティース1
6の巻き線部16aには線材36が整列巻されることに
なる。
【0061】図7(a)〜(c)はこの発明のノズル体
の変形例を示す。この変形例におけるノズル体18A
は、その板状部182の先端部に厚さ方向に貫通する凹
部191が幅方向に所定の長さで形成されている。この
凹部191にはローラ192が板状部182の幅方向に
沿って向けられている。このローラ192には板状部1
82に回転可能或いは固定的のいずれの状態で設けても
よい。
【0062】このように、ノズル体18Aの先端部にロ
ーラ192を設ければ、ノズル路183から導出される
線材36はローラ192に沿って湾曲する。そのため、
線材36は円滑に湾曲されるから、損傷するのを防止で
きる。上記ローラ192を板状部182の先端部に回転
可能に設ければ、固定的に設けた場合に比べてより一
層、線材36が損傷するのを確実に防止することができ
る。
【0063】なお、上記一実施の形態ではノズル体をテ
ィースの周囲に公転させるために、ステータを左右方向
に駆動し、ノズル体を上下方向に駆動するようにした
が、ノズル体だけを駆動したり、ステータだけを駆動す
るようにしてもよく、さらにノズル体を左右方向に揺動
させ、ステータを上下方向に駆動することで、ノズル体
がティースの周囲を相対的に公転するようにしてもよ
い。
【0064】また、上記実施の形態では、被巻回体の形
状をほぼ長方形のもので説明したが、ほぼ正方形、楕円
形、円形などであってもよく、その形状は限定されるも
のでない。
【0065】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、ノズル
体の厚さ寸法を薄くすることことが可能となる。そのた
め、ステータの内周面に周方向に沿って形成されるティ
ースの間隔を上記ノズル体の厚さ寸法に応じて小さくす
ることができるから、コギングトルクや占積率などにお
いて従来よりも性能の高いモータを提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る巻き線装置の一
部省略した正面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく側面図。
【図4】(a)はノズル体の斜視図、(b)は断面図、
(c)は平面図。
【図5】同じくティースに線材を巻回するときのノズル
体の動きの説明図。
【図6】ステータの一部を示す平面図。
【図7】(a)はこの発明のノズル体の変形例を示す平
面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図8】従来の巻き線時におけるノズル体の動きを説明
する説明図。
【図9】従来のノズル体の一部分の断面図。
【符号の説明】
14…テーブル 16…ティース 17…ステータ 18…ノズル体 183…ノズル路 31…自転用サーボモータ(ノズル回転手段) 36…線材 45…左右用カム(駆動手段) 46…上下用カム(駆動手段)
フロントページの続き (72)発明者 岡田 秀徳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中島 稔 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 嶋田 明吉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 齋藤 重一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5E002 AB02 AB07 5H603 AA09 BB01 BB12 CA01 CB01 CC11 CD21 CD31 CE01 5H615 AA01 BB01 BB14 PP01 PP12 QQ02 QQ19 QQ25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被巻回体に、ノズル体に設けられたノズ
    ル路から導出された線材を巻回する巻き線装置におい
    て、 上記ノズル路は上記ノズル体の厚さ方向の一端側に偏倚
    して形成されていて、 上記ノズル体は、上記被巻回体の周面に対して厚さ方向
    の他端側の側面が常に対向するよう自転しながら上記被
    巻回体の周囲を相対的に公転して上記線材を上記ティー
    スに巻回することを特徴とする巻き線装置。
  2. 【請求項2】 被巻回体に線材を巻回する巻き線装置に
    おいて、 所定の厚さ寸法を有し、その厚さ方向の一端側に偏倚し
    たノズル路が形成されこのノズル路から上記線材が導出
    されるノズル体とこのノズル体を自転させるノズル回転
    手段と、 このノズル体と対向するように上記被巻回体を保持する
    テーブルと、 上記ノズル体をその厚さ方向の他端側の側面が上記被巻
    回体の周面に対応するように上記ノズル体を自転させる
    と共に、このノズル体が上記被巻回体の周面に沿って相
    対的に公転するように、上記ノズル体と上記被巻回体を
    保持したテーブルの少なくとも一方を駆動して上記ノズ
    ル路から導出された線材を上記被巻回体に巻回させる駆
    動手段とを具備したことを特徴とする巻き線装置。
  3. 【請求項3】 上記ノズル路は、上記ノズル体の厚さ方
    向一端側の側面に一部を開放していることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の巻き線装置。
  4. 【請求項4】 上記被巻回体の断面形状は対向平面を有
    する形状であり、対向平面の一側から対向する他側に移
    行する際の上記ノズル体の軌跡は円弧状であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の巻き線装置。
  5. 【請求項5】 モータのステータに所定の間隔で形成さ
    れたティースに線材を巻回する巻き線方法において、 厚さ方向の一端側に偏倚して形成された線材を案内する
    ノズル路を有するノズル体を、巻回すべきティースの一
    側に対して他端側を対向させた状態で隣接するティース
    との間隔を通過させて第1の所定の位置で停止させる工
    程と、 前記巻回すべきティースの他側へ前記ノズル体を円弧状
    の軌跡で移行させるとともに、前記ノズル体の他端側が
    前記巻回すべきティースの他側と対向する状態となるよ
    うに前記ノズル体を回転する工程と、 前記巻回すべきティースの他側に対して前記ノズル体の
    他端側を対向させた状態で隣接するティースとの間隔を
    通過させて第2の所定位置で停止させる工程と、 前記巻回すべきティースの一側へ前記ノズル体を円弧状
    の軌跡で移行させるとともに、前記ノズル体の他端側が
    前記巻回すべきティースの一側と対向する状態となるよ
    うに前記ノズル体を回転させる工程とを有することを特
    徴とする巻き線方法。
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