JP2002164033A - 多孔質フィルム - Google Patents

多孔質フィルム

Info

Publication number
JP2002164033A
JP2002164033A JP2000360438A JP2000360438A JP2002164033A JP 2002164033 A JP2002164033 A JP 2002164033A JP 2000360438 A JP2000360438 A JP 2000360438A JP 2000360438 A JP2000360438 A JP 2000360438A JP 2002164033 A JP2002164033 A JP 2002164033A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous film
weight
polyolefin
treatment
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000360438A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshisuke Nomi
俊祐 能見
Kazunari Yamamoto
一成 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000360438A priority Critical patent/JP2002164033A/ja
Publication of JP2002164033A publication Critical patent/JP2002164033A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理にて架橋を斑無く進行させることが
でき、これにより耐熱性が改善された多孔質フィルム、
並びに該多孔質フィルムをセパレータとして用いてなる
電池、及びキャパシターを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィンとポリイソプレンとが架
橋してなる架橋物を含有する多孔質フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンと
ポリイソプレンとが架橋してなる架橋物を含有する多孔
質フィルム、並びに該多孔質フィルムをセパレータとし
て用いてなる電池、及びキャパシターに関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池等を負極とする非水電解液
電池は、高エネルギー密度を有するとともに自己放電が
少ないので、近年、大電流電池として注目されている。
この非水電解液電池は電解液の導電度が低く、大電流を
取出すために正負両極の面積を大きくする必要があり、
このため、正負両極間にポリエチレンやポリプロピレン
からなる不織布をセパレータとして介在せしめ、これら
を渦巻き状に捲回する渦巻式電極を採用している。
【0003】ところで、かような渦巻き式電池のような
大電流が流れる構造の電池にあっては、強制放電等の誤
使用に起因した外部短絡によって異常電流が流れ、これ
に伴って内部温度が急上昇することがある。このような
内部温度の上昇があった場合、不織布製セパレータを用
いていると、セパレータが軟化ないし溶融し、正負両極
が短絡し、温度が更に上昇し、ついには火災、爆発とい
う重大事故に繋がる恐れがある。従って、より高い温度
まで、破膜、破断されないセパレータが切望されてい
る。特に、高容量化された電池や電池内部抵抗の低減が
進むと、発熱が大きくなる要素が増すため、ますます重
要である。
【0004】かかる耐熱性をセパレータに付与する方法
として、例えば特開平10−7831号公報では、ポリ
エチレン微多孔膜に電子線を照射し、架橋点間分子量が
20万以下になるように架橋することにより、高い耐熱
性を付与する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子線
照射を効率よく行なうためには、酸素濃度を低くする必
要があるため、膜厚が薄くかつ多孔質の膜を処理するに
は、従来技術以上の低酸素濃度にすることが要求され
る。さらには、部分的な酸素濃度の差により、架橋密度
の斑が出来る恐れもある。したがって、セパレータの架
橋をさらに簡易な方法で斑無く行なえるような組成を有
する多孔質フィルムが望まれていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、加熱処理にて架
橋を斑無く進行させることができ、これにより耐熱性が
改善された多孔質フィルム、並びに該多孔質フィルムを
セパレータとして用いてなる電池、及びキャパシターを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィンとポリ
イソプレンとが加熱処理による架橋性を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の多孔質フィルムは、ポリオ
レフィンとポリイソプレンとが架橋してなる架橋物を含
有することを特徴とする。
【0009】上記において、前記ポリオレフィンが重量
平均分子量50万以上であることが好ましい。また、前
記ポリオレフィンがポリエチレンであることが好まし
い。
【0010】更に、前記架橋物が延伸配向された状態で
架橋してなるものであることが好ましい。
【0011】一方、本発明の電池は、上記いずれかに記
載の多孔質フィルムをセパレータとして用いてなるもの
である。
【0012】また、本発明のキャパシターは、上記いず
れかに記載の多孔質フィルムをセパレータとして用いて
なるものである。
【0013】[作用効果]本発明の多孔質フィルムによ
ると、実施例の結果が示すように、熱処理後のゲル分率
が上昇しており、ポリオレフィンとポリイソプレンとが
架橋してなる架橋物を含有するため、多孔質フィルムの
耐熱性を改善することができる。また、加熱処理による
架橋では、酸素濃度の影響や加熱の均一性の影響が小さ
いため、斑無く架橋を進行させることができ、均一に架
橋されて耐熱性が改善された多孔質フィルムを得ること
ができる。
【0014】また、前記ポリオレフィンが重量平均分子
量50万以上である場合、ポリオレフィンが高分子量の
ため延伸配向により高強度などの優れた機械特性がより
得られ易くなる。また、ポリオレフィンがポリエチレン
である場合、延伸配向性と架橋性がより優れたものとな
る。
【0015】前記架橋物が延伸配向された状態で架橋し
てなるものである場合、延伸配向により高強度、高弾性
率になると共に、架橋構造により耐熱性が改善されるよ
うになる。
【0016】一方、本発明の電池によると、上記の如き
本発明の多孔質フィルムをセパレータとして用いている
ため、セパレータの耐熱性が高く、電池の安全性を高め
ることができる。
【0017】また、本発明のキャパシターによると、上
記の如き本発明の多孔質フィルムをセパレータとして用
いているため、セパレータの耐熱性が高く、安全性を高
めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】本発明の多孔質フィルムは、ポリオレフィ
ンとポリイソプレンとが架橋してなる架橋物を含有する
が、当該架橋物は、例えばポリオレフィンとポリイソプ
レンとを含有する樹脂組成物よりなる延伸配向多孔質体
を、酸素、オゾン、酸素化合物等の存在下で加熱架橋す
ること等で得ることができる。このため、本発明におけ
る多孔質フィルムには、部分的に残存するポリオレフィ
ンやポリイソプレンなどを同時に含有してもよい。
【0020】用いるポリオレフィンは、好ましくは重量
平均分子量が5×105 以上の高分子量ポリオレフィン
であり、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等を重合した
単独重合体、共重合体、及びこれらのブレンド物等が挙
げられる。中でも機械的強度に優れ、高い結晶性が得ら
れる高分子量ポリエチレンが素材として望ましい。該高
分子量ポリオレフィンの重量平均分子量としては、さら
に1×106 以上の超高分子量のものが好ましく、1.
5×106 以上がより好ましい。
【0021】ポリオレフィン成分の含有量は、多孔質フ
ィルム中に10〜99重量%、より好ましくは20〜9
5重量%である。該含有量の下限は製膜した膜の強度が
十分である観点から、10重量%以上が好ましい。また
ポリイソプレンを1%以上含有する観点から、99重量
%以下が好ましい。
【0022】本発明において用いるポリイソプレンは、
二重結合を有し、特に高い粘度を有するポリイソプレン
が分散性の点からより好ましく用いられる。従って、重
量平均分子量が5×105 以上のものが好ましい。ま
た、前記ポリイソプレンの構造には、シス型ポリイソプ
レン、トランス型ポリイソプレンが挙げられるが、屈曲
性構造を取り易く二重結合の反応が進行しやすいシス型
ポリイソプレン骨格を多く有するポリイソプレンが好ま
しい。かような樹脂として、Nipol IR2200
(日本ゼオン(株)製)、IR2200(JSR(株)
製)等が好適に用いられる。
【0023】ポリイソプレン成分の含有量は多孔質フィ
ルム中に1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、
より好ましくは5〜35重量%である。該含有量は、添
加作用が有効である観点から1重量%以上が好ましく、
また多孔質フィルムの空孔率が高く、高通気性を得る観
点から、50重量%以下が好ましい。
【0024】また、セパレータとしてのシャットダウン
温度を下げ、安全性を高める目的で、5×105 未満の
ポリオレフィン類、熱可塑性エラストマー、グラフトコ
ポリマーが1種類以上含有されてもよい。
【0025】重量平均分子量が5×105 来満のポリオ
レフィン類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン樹脂、エチレン−アクリルモノマー
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の変性ポリ
オレフィン樹脂が挙げられる。
【0026】熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチ
レン系や、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩化ビニ
ル系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。
【0027】グラフトコポリマーとしては、主鎖にポリ
オレフィン、側鎖に非相溶性基を有するビニル系ポリマ
ーを側鎖としたグラフトコポリマーが挙げられるが、ポ
リアクリル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、ポリオキシアルキレン類が好まし
い。なお、ここで非相溶性基とは、ポリオレフィンに対
して非相溶性基を意味し、例えば、ビニル系ポリマーに
由来する基などが挙げられる。
【0028】これらの5×105 未満のポリオレフィン
類、熱可塑性エラストマー、グラフトコポリマーの含有
量は、70重量%以下、好ましくは60重量%以下、よ
り好ましくは50重量%以下である。該含有量は、高分
子量ポリオレフィンの架橋点を十分確保し、十分な耐熱
性が得られるという観点から70重量%以下が好まし
い。
【0029】次に、本発明の多孔質フィルムの製造方法
について説明する。当該多孔質フィルムの製造には、乾
式成膜法、湿式成膜法など公知の方法を利用することが
できる。たとえば、ポリオレフィンを含む樹脂成分やポ
リオレフィンと架橋性樹脂のいずれも含む樹脂組成物を
溶媒と混合し、混練、加熱溶解しながらシート状に押出
し、冷却してゲル化(固化)させた後、加熱下で圧延や
延伸により一軸方向以上に延伸し、溶媒を抽出除去する
ことにより製造することができる。混練、加熱溶解の際
には、酸化反応が進行しないように、酸化防止剤を使用
するのが好ましい。
【0030】上記の溶媒としては、各樹脂成分の溶解性
に優れたものであればよく、例えばノナン、デカン、ウ
ンデカン、ドデカン、デカリン、流動パラフィン等の脂
肪族、または環状の炭化水素、あるいは沸点がこれらに
対応する鉱油留分が挙げられるが、流動パラフィンなど
の不揮発性溶媒が好ましい。
【0031】樹脂成分及び溶媒の配合量は、樹脂の種
類、溶解性、混練温度等により異なるため、一概には決
定できないが、得られるスラリー状の混合物を溶融混練
してシート状に成形できる程度であれば特に限定されな
い。例えば、樹脂成分の配合量は混合物中の5〜30重
量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましく、1
0〜25重量%がさらに好ましい。樹脂成分の配合量
は、得られる多孔質フィルムの強度を向上させる観点か
ら、5重量%以上が好ましく、また、ポリオレフィンを
十分に溶媒に溶解させて、伸び切り状態近くまで混練す
ることができ、ポリマー鎖の十分な絡み合いを得られる
観点から、30重量%以下が好ましい。
【0032】混合物中の溶媒の配合量は70〜95重量
%が好ましく、70〜90重量%がより好ましく、75
〜90重量%がさらに好ましい。該配合量は、混練トル
ク、圧延、延伸応力が適度で、生産性に優れる観点か
ら、70重量%以上が好ましく、また、押出す再にダイ
ス出口でネックインが発生せず、成形が容易になる観点
から、95重量%以下が好ましい。
【0033】なお、前記混合物には、必要に応じて、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、染料、造核剤、顔料、帯電防
止剤の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加
することが出来る。
【0034】混合物の溶融混練は、高分子量ポリオレフ
ィンのポリマー鎖の十分な絡み合いを得るために、混合
物に十分なせん断力を作用させて行なうことが好まし
い。従って、本発明における混合物の溶融混練には、通
常、混合物に強いせん断力を与えることが出来るニーダ
や二軸混練機が好ましく用いられる。
【0035】混合物を溶解混練する際の温度は、溶媒が
高分子量ポリオレフィンを溶解開始させる温度(溶融開
始温度)〜+60℃の範囲で行なうことが好ましい。該
温度は、高分子量ポリオレフィンが効率よく分散する観
点から、溶解開始温度以上が好ましい。なお、高分子量
ポリオレフィンの分解を抑制するため、溶解後の混練時
に、膜特性を低下させない程度に温度を下げても差し支
えない。
【0036】溶融混練物をシート状に押出す方法は、特
に限定されず、例えば、Tダイ等を取り付けた押出し機
を用いる方法が挙げられる。
【0037】本発明では、得られたシート状押出し物を
好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下に冷
却した金属板に挟み込み冷部して、シート状に成形する
ことが望ましい。このようにして得られるシート状成形
物の厚みは、通常0.5〜20mmが好ましい。
【0038】次に得られたシート状成形物を延伸処理す
る。延伸処理の方法は特に限定されるものではなく、通
常のテンター法、ロール法、またはこれらの方法の組み
合わせであってもよい。また、一軸延伸、二軸延伸等の
いずれの方法をも適用することができ、二軸延伸の場合
は、縦横同時延伸または逐次延伸のいずれでもよいが、
縦横同時延伸が好ましい。
【0039】延伸処理時の温度は、延伸の均一性が良好
で、十分な膜強度が得られる観点から、高分子量ポリオ
レフィンの融点+5℃以下の温度が好ましい。
【0040】次に延伸処理後のシート状成形物の脱溶媒
処理を行なう。
【0041】脱溶媒処理は、シート状成形物から溶媒を
除去して多孔質構造を形成させる工程であり、例えば、
シート状成形物を溶剤で洗浄して残留する溶媒を除去す
ることにより行なことが出来る。溶剤は、樹脂組成物の
調製に用いた溶媒に応じて適宜選択することが出来る
が、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素
化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテ
ル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類などの易揮発性
溶剤があげられ、これらは単独、または2種以上を混合
して用いることが出来る。かかる溶剤を用いた洗浄方法
は特に限定されず、例えば、シート状成形物を溶剤中に
浸漬して溶媒を抽出する方法、溶剤をシート状成形物に
シャワーする方法等が挙げられる。脱溶媒処理は延伸前
に行なってもよい。例えば、シート状成形物を脱溶媒処
理してから延伸処理してもよく、あるいは延伸処理前に
脱溶媒処理を行ない、延伸処理後に再度脱溶媒処理を行
なってもよい。
【0042】なお、本発明では、延伸及び脱溶媒処理の
前後に、さらに圧延処理を行なってもよい。例えば、前
記シート状成形物を延伸処理と脱溶媒処理(延伸と脱溶
媒の順序はいずれが先でもよい)を行なってから圧延処
理に供してもよく、またシート状成形物をそのまま圧延
処理してから延伸処理と脱溶媒処理(延伸と脱溶媒の順
序はいずれが先でもよい)を行ってもよい。あるいは、
延伸処理と脱溶媒処理の間に圧延処理を行なってもよ
く、例えば、圧延処理前に脱溶媒処理を行ない、圧延処
理後に再度延伸処理と脱溶媒処理(延伸と脱溶媒の順序
はいずれが先でもよい)を行って残存溶媒を除去する様
態であってもよい。
【0043】なお、乾式成膜法としては、非晶質部分を
有するフィルムを所定の温度で加熱しつつ、延伸して多
孔質化させる方法等が挙げられる。
【0044】これらの方法によって多孔質フィルムを得
た後、好ましくは、多孔質フィルムを熱、紫外線、電子
線、可視光線からなる群より選ばれる1種以上を用いる
架橋処理を施すことにより、ポリイソプレンの二重結合
を全部または一部消失させる。これらの架橋処理を施す
ことによって、上記多孔質フィルムのゲル分率が上が
り、耐熱性が向上する。
【0045】二重結合を消失させる割合は所望の耐熱性
を考慮して適宜選択されるが、80〜100%(FT−
IR測定による二重結合由来ピークの人大きさに基づき
算出)の消失率が好ましい。
【0046】前記架橋処理の方法として熱を用いる場
合、一回で熱処理する一段式熱処理法でも、最初に低温
でまず熱処理し、その後さらに高温での熱処理を行なう
多段式の熱処理法でもよく、あるいは昇温しながら熱処
理する昇温式熱処理法でもよいが、通気度等の多孔質フ
ィルムの元の諸特性を損なうことなく処理することが望
ましい。一段式熱処理の場合には、多孔質フィルムの組
成にもよるが40〜140℃が好ましい。また、低温か
ら熱処理を開始し、その後、処理温度を上げてゆくと、
多孔質フィルムの硬化とともに耐熱性が次第に向上して
ゆくので、加熱によって通気度等の元の諸特性を損なう
こと高温に曝露することが出来るようになる。そのた
め、諸特性を損なわずに、短時間で熱処理を完了するた
めには、多段式あるいは昇温式熱処理法が好ましい。こ
の場合の熱処理時間は、温度により二重結合の消失速度
が異なるため、一概には決められないが、例えば115
℃であれば30分以上であることが好ましい。
【0047】多段式の熱処理法の最初の熱処理温度とし
ては、多孔質フィルムの組成にもよるが、好ましくは4
0〜90℃、2段目の熱処理温度としては、多孔質フィ
ルムの組成にもよるが、好ましくは90〜140℃であ
る。また、必要に応じてさらに高温で、さらに短時間の
3段目以降の熱処理を行なってもよい。
【0048】具体的な熱処理方法として、多孔質フィル
ムの四隅を固定してオーブンに投入する、ロールに捲回
してオーブンに投入する、テンターで面積固定して連続
的にオーブンに通す等の公知の方法が用いられる。
【0049】紫外線を用いる場合、例えば、製膜後の多
孔質フィルムをそのまま空気中で、あるいは重合開始剤
を含むメタノール溶液等に含浸させ溶媒乾燥後に、この
多孔質フィルムを水銀ランプにて照射することにより、
架橋処理を施すことが出来る。また、照射時の熱コント
ロールのため、水中で紫外線照射を行なってもよい。
【0050】多孔質フィルムの厚みとしては、1〜60
μm、好ましくは5〜50μmが望ましい。その通気度
としては、100〜1000秒/100cc、好ましく
は100〜900秒/100ccが望ましい。架橋度は
高温に曝された際の形状保持性、耐破膜性の観点から、
ゲル分率が10%以上が好ましい。なお好ましくは15
〜70%である。
【0051】このようにして得られた多孔質フィルム
は、均一に分散したポリイソプレンにより架橋反応が開
始されるため、架橋が均一に起こり、耐熱性に斑が無
く、電池の様々な大きさや用途に対して安全性を向上さ
せることが期待出来る。
【0052】本発明の多孔質フィルムは従来のセパレー
タと同様に、正極と負極の間に介在せしめた状態で用い
て電池を組み立てることが出来る。この際の正極、負
極、電池ケース、電解液等の材質やこれら構成要素の配
置構造も何ら格別なことは要求されず、従来と同様で良
く、例えば特開昭63−205048号公報に示される
通りであってよい。
【0053】また、本発明の多孔質フィルムは従来のセ
パレータと同様に、一対の電極の間に介在せしめた状態
で用いてキャパシターを組み立てることが出来る。この
際の電極、電解液、ケース等の材質やこれらの構成要素
の配置構造も何ら格別なことは要求されず、従来と同様
で良い。例えば、電気二重層キャパシターでは、電極に
はPTFEをバインダーとして形成した活性炭電極、電
解液には炭酸プロピレンに0.5MEt4 PBF4 を添
加した溶液を用いることが出来る。
【0054】本発明の多孔質フィルムは、その他、精密
濾過膜、限外濾過膜等の分離膜、分離膜用の多孔質基
材、配線基板等の絶縁層、電気絶縁被覆材などとして使
用できる。
【0055】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。なお、各種特性については、下記要領
にて測定を行なう。
【0056】(融点)セイコー電子工業社製の示差走査
熱量計「DSC‐200」を使用し、室温から200℃
まで10℃/minの割合で昇温させ、この昇温過程で
吸熱ピークのオンセット温度を融点とする。また、同時
にピーク面積をコンピュータ計算することにより吸熱量
を求めた。
【0057】(重量平均分子量)ウォーターズ社製のゲ
ル浸透クロマトグラフ[GPC−150C〕を用い、溶
媒にo−ジクロロベンゼンを、また、カラムとして昭和
電工(株)製の[Shodex−80M〕を用いて13
5℃で測定する。データ処理は、TRC社製デ−タ収集
システムを用いて行なう。分子量はポリスチレンを基準
として算出する。(フィルム厚)1/10000シック
ネスゲージにより測定。
【0058】(空孔率)測定対象の多孔質フィルムを直
径6cmの円状に切り抜き、その体積と重量を求め、得
られる結果から次式を用いて計算する。
【0059】空孔率(体積%)=100×(体積(cm
3 )−重量(g)樹脂及び無機物の平均密度(g/cm
3 ))/体積(cm3 ) (通気度(ガーレ値)) JIS P8117に準拠して測定した(単位:sec
/100cc)。
【0060】(ゲル分率)試料を秤量(重量W1)して
80メッシュのステンレスメツシュ(重量W2)に挟み
込んでフラスコに入れ、これにp−キシレン(W1の約
1000倍)を加え沸膜還流させて約5時間保持し、未
架橋分を溶解せしめ、ステンレスメッシュ毎1日風乾さ
せてメッシュ毎秤量(W3)し、下記の式により算出し
た。
【0061】ゲル分率(%)=(W3−W2)/W1×
100 〔実施例1〕重量平均分子量200万の超高分子量ポリ
エチレン90重量%と、細かく裁断した重量平均分子量
120万のポリイソプレン(nipolIR2200、
日本ゼオン(株)製)10重量%からなるポリオレフィ
ン組成物15重量%と流動パラフィン85重量%とをス
ラリー状に均一に混合し、160℃の温度で二軸混練り
機を用い溶解混練りした。その後これらの混練物を0℃
に冷却された金属板に挟み込み5mmのシート状に急冷
した。これらの急冷シートを115℃の温度でシート厚
が0.7mmなるまでヒートプレスし、120℃の温度
で3×3倍に縦横同時二軸延伸し、アセトンを使用して
脱溶媒処理を行なった。その後、得られた多孔質フィル
ムを空気中で85℃×6時間熱処理し、ついで115℃
×3時間熱処理して、本発明の多孔質フィルムを得た。
【0062】〔比較例1〕ポリオレフィン組成物として
重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン10
0重量%を用いた以外は、実施例1と同様にして製膜
し、多孔質フィルムを得た。
【0063】以上の実施例、比較例で得られた多孔質フ
ィルムについて、前述のように評価した結果を表1に示
す。
【0064】
【表1】 表1の結果が示すように、ポリイソプレンを含有する実
施例の多孔質フィルムでは、ゲル分率が上昇しており、
しかも、ゲル分率が原料ポリイソプレンから換算した量
より多いため、加熱処理によりポリエチレンとの架橋が
生じていることが判った。これに対して、ポリイソプレ
ンを含有しない比較例の多孔質フィルムでは、ゲル分率
が殆ど上昇しておらず、実質的に架橋が生じていないこ
とが判明した。
【0065】また、115℃×3時間熱処理の前後の多
孔質フィルムについて、前述のようにして融点及び融点
における吸熱量を測定を行ったところ、熱処理前の吸熱
量が177J/g、熱処理後の吸熱量が165J/gで
あり、熱処理の前後でポリエチレンの融点付近での吸熱
量が小さくなっており、融解成分の減少により耐熱性が
改善されていることが判った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/02 301 C08L 23:26 // C08L 23:26 H01G 9/00 301C Fターム(参考) 4F074 AA08N AA16N AA17N AB01 AB03 CB34 CB43 CC02X CC04X CC04Y CC05X CC06X DA02 DA04 DA49 4J031 AA12 AA13 AA14 AA17 AA20 AA29 AA36 AA49 AB01 AB02 AC01 AC04 AC05 AD01 AD03 AE13 AF23 5H021 BB05 BB09 HH07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンとポリイソプレンとが架
    橋してなる架橋物を含有する多孔質フィルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィンが重量平均分子量5
    0万以上である請求項1記載の多孔質フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィンがポリエチレンであ
    る請求項1又は2に記載の多孔質フィルム。
  4. 【請求項4】 前記架橋物が延伸配向された状態で架橋
    してなるものである請求項1〜3いずれかに記載の多孔
    質フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の多孔質フ
    ィルムをセパレータとして用いてなる電池。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4いずれかに記載の多孔質フ
    ィルムをセパレータとして用いてなるキャパシター。
JP2000360438A 2000-11-28 2000-11-28 多孔質フィルム Pending JP2002164033A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360438A JP2002164033A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 多孔質フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360438A JP2002164033A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 多孔質フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002164033A true JP2002164033A (ja) 2002-06-07

Family

ID=18832039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000360438A Pending JP2002164033A (ja) 2000-11-28 2000-11-28 多孔質フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002164033A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5220477B2 (ja) 多孔質フィルムの製造方法及び多孔質フィルム、並びに非水電解質電池用セパレータ及びこれを用いた非水電解質電池
KR19980702737A (ko) 폴리에틸렌 미세다공막 및 그의 제조 방법
JP4206182B2 (ja) 微多孔フィルム
JP4703076B2 (ja) 微多孔フィルム
JP2002128943A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JPH10298325A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP2002105235A (ja) ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法
JP3983660B2 (ja) 電池用セパレータ
JP2008066193A (ja) 架橋微多孔質膜
JPH1067870A (ja) ポリエチレン製微多孔膜および製造方法
JP2002047372A (ja) 多孔質フィルムとその製造方法および電池
JPH0820659A (ja) 微多孔膜及びその製造方法並びに非水電解液電池用セパレータ
JP2003119313A (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP3983656B2 (ja) 非水電解液電池用セパレータ
JP4338164B2 (ja) 多孔質フィルム及びその製造方法
JP4507334B2 (ja) ポリマーブレンド微多孔膜
JP2002164033A (ja) 多孔質フィルム
JP2001059036A (ja) 多孔質フィルム
JP4916236B2 (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP2002121313A (ja) 多孔質フィルム
JPH09259858A (ja) セパレーター用ポリエチレン微多孔膜及びその製造方法
JP4248071B2 (ja) 多孔質フィルム及びその製造方法
JPH06163023A (ja) 電池セパレータ
JP2002200670A (ja) 多孔性フィルムの製造方法
JP2002161165A (ja) 多孔質フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061225