JP2002161491A - 製紙用パルプの漂白助剤および漂白方法 - Google Patents

製紙用パルプの漂白助剤および漂白方法

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JP2002161491A
JP2002161491A JP2001277556A JP2001277556A JP2002161491A JP 2002161491 A JP2002161491 A JP 2002161491A JP 2001277556 A JP2001277556 A JP 2001277556A JP 2001277556 A JP2001277556 A JP 2001277556A JP 2002161491 A JP2002161491 A JP 2002161491A
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bleaching
acid
carbon atoms
alkyl
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JP2001277556A
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Hitoshi Okada
比斗志 岡田
Shingo Komata
慎吾 小俣
Shin Hasegawa
慎 長谷川
Keigo Yoshiuchi
圭吾 吉内
Michiro Yoshida
理郎 吉田
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New Oji Paper Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漂白効果が高く、かつ環境問題の発生及びス
ケールの発生がない漂白助剤を提供する。 【解決手段】 一般式(1)〜(3)のいずれかで示さ
れる第4級アンモニウム有機酸塩から選ばれる1種以上
の化合物を含有する漂白助剤である。特に製紙用パルプ
の漂白に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用パルプを漂
白する際に用いる漂白助剤および該助剤を用いた漂白方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙用パルプの漂白には過酸化物系およ
び/または還元系漂白剤を主とした漂白が行われてお
り、その漂白効果を高めるために、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリを添加して高pH条件下で
漂白を行うことが知られている。また、漂白剤の無駄な
分解を抑制するため珪酸系漂白助剤が併用されたりす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルカリはC
OD(化学的酸素要求量)増加につながり環境問題を悪
化させ、珪酸系漂白助剤は過酸化物系漂白剤の無駄な分
解を抑制する効果が十分でなく、さらに無機固体物質で
あるため、処理中に存在する重金属イオンとの結合また
は処理液の濃縮によるスケールの発生の原因となり、こ
れが漂白工程中の被漂白物および装置上に付着するとい
う問題が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決しうる製紙用パルプ漂白助剤を鋭意検討した結
果、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式
(1)〜(3)のいずれかで示される第4級アンモニウ
ム有機酸塩(A)から選ばれる1種以上の化合物を含有
する製紙用パルプの漂白助剤、並びに該漂白助剤の存在
下で製紙用パルプを過酸化物系漂白剤または還元剤系漂
白剤で漂白処理することを特徴とする製紙用パルプの漂
白方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において4級アンモニウム
有機酸塩(A)としては、式(1)〜(3)で表される
化合物が挙げられ、これら化合物の1種または2種以上
の混合物が使用できる。
【0006】
【化3】
【0007】(1)〜(3)式中、R1、R2およびR6
は、炭素数が4〜24(好ましくは6〜18)のアルキ
ル基、アルケニル基もしくはヒドロキシアルキル基、エ
ステル結合、アミド結合もしくはエーテル結合で分断さ
れた炭素数が6〜24のアルキル基もしくはアルケニル
基、または炭素数7〜24のアリールアルキル基であ
る。
【0008】具体的には、アルキル基としては、直鎖も
しくは分岐のアルキル基またはシクロアルキル基、例え
ばn−、i−およびsec−ブチル基、n−およびi−
ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、
シクロヘキシル基、n−およびi−ヘプチル基、n−お
よびi−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−およ
びi−ノニル基、n−およびi−デシル基、n−および
i−ウンデシル基、n−およびi−ドデシル基、n−お
よびi−トリデシル基、n−およびi−テトラデシル
基、n−およびi−ヘキサデシル基、ステアリル基、ノ
ナデシル基、エイコシル基、テトラコシル基等が挙げら
れる。
【0009】アルケニル基としてはブテニル基、ヘキセ
ニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウン
デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサ
デセニル基、オクタデセニル基、オレイル基、ガドレイ
ル基等が挙げられる。
【0010】ヒドロキシアルキル基としては1−もしく
は2−の位置にヒドロキシ基を有するヒドロキシブチル
基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒド
ロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシ
ドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシヘ
キサデシル基等が挙げられる。
【0011】エステル結合、アミド結合もしくはエーテ
ル結合で分断されたアルキル基もしくはアルケニル基と
しては炭素数4〜22の脂肪酸と炭素数2〜4のヒドロ
キシアルキル基もしくはアミノアルキル基から誘導され
る基、例えばアシロキシアルキル基[ラウロイロキシエ
チル基、ラウロイロキシプロピル基、ステアロイロキシ
エチル基、ステアロイロキシプロピル基、オレオイロキ
シエチル基、オレオイロキシプロピル基等]、アシルア
ミノアルキル基[ラウラミドエチル基、ラウラミドプロ
ピル基、ステアラミドエチル基、ステアラミドプロピル
基等]およびアルキル(炭素数4〜24)(ポリ)オキ
シアルキレン基(アルキレン基の炭素数1〜4、重合度
n=1〜10)[ラウリルポリ(n=6)オキシエチレ
ン基、ヘキサデシルオキシメチル基など]が挙げられ
る。ここで、(ポリ)オキシアルキレン基はオキシアル
キレン基およびポリオキシアルキレン基を表す。このよ
うに、本明細書においては化合物名中の括弧書きの表現
は「および」の意味で用いる。
【0012】炭素数7〜24のアリールアルキル基とし
てはベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニル
プロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペン
チル基、6−フェニルヘキシル基、7−フェニルヘプチ
ル基、8−フェニルオクチル基、10−フェニルデシル
基、12−フェニルドデシル基等が挙げられる。
【0013】これらのうち、パルプ繊維に対する第4級
アンモニウム有機酸塩の吸着性及び浸透性の点から好ま
しいものは炭素数6〜18のアルキル基およびアルケニ
ル基である。
【0014】また、R3、R4及びR5は、炭素数1〜8
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、フェニル
基、炭素数7〜14のアリールアルキル基または式−
(A1O)n−Zで表される基である。ここで、A1は炭
素数2〜4のアルキレン基(例えば、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等)であり、Zは水素原子または
炭素数1〜8のアルキル基もしくはアシル基であり、n
は1〜50の整数、好ましくは5〜30である。
【0015】具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−およびi−プロピル基、および前記
の炭素数4〜8のアルキル基等;ヒドロキシアルキル基
としては、1−、および2−ヒドロキシエチル基、1
−、2−および3−ヒドロキシプロピル基、および前記
の炭素数4〜8のヒドロキシアルキル基等;アリールア
ルキル基としては、前記のアリールアルキル基のうちの
炭素数7〜14のアリールアルキル基等;式−(A
1O)n−Zで表される基としては、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、(ポリ)オキシエチレン
基、(ポリ)オキシプロピレン基、アルキル(ポリ)オ
キシエチレン基(アルキルとしては、前記のR3、R4
びR5と同じ)、アシル(ポリ)オキシエチレン基およ
びアシル(ポリ)オキシプロピレン基(アシル基として
は、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、バレリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基な
どが挙げられる。
【0016】これらのうち、パルプ繊維に対する第4級
アンモニウム有機酸塩の吸着性及び浸透性の点から好ま
しいものは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基およ
び炭素数7〜9のアリールアルキル基である。
【0017】式(1)の第4級アンモニウムの例として
は、R1、R2がジラウリル、ジセチル、ラウリルステア
リル、ジオクテニル、ジラウロイロキシエチル、ジラウ
リルポリ(n=6)オキシエチレン、ジ2−ヒドキシオ
クチルまたはジ2−フェニルエチルで、R3、R4がジメ
チル、ジエチル、メチルエチル、メチルプロピル、ジヒ
ドロキシエチル、ジフェニル、ジポリオキシエチレンま
たはメチルベンジルのもの;式(2)の第4級アンモニ
ウムの例としてはR1がn−オクチル、ラウリル、ミリ
スチル、セチル、ステアリル、オレアミドエチル、ステ
アラミドエチルまたはステアラミドプロピルで、R3
4、R5がトリメチル、ジメチルエチル、ジメチルプロ
ピル、ジエチルメチル、ジメチルヒドロキシエチル、ト
リヒドロキシエチル、トリn−ブチル、トリベンジル、
トリポリオキシエチレン、ジメチルベンジルまたはジエ
チルベンジルのもの;式(3)の第4級アンモニウムの
例としてはR6がn−オクチル、ミリスチル、ステアロ
イロキシメチル、セチルオキシメチル等のものが挙げら
れる。
【0018】式(1)〜(3)中のfは1〜10、好ま
しくは1〜3の整数であり、Xf-は炭素数3以上のf価
の有機酸アニオンである。アニオンXf-を構成する有機
酸としては1価または2価〜10価もしくはそれ以上の
カルボン酸類、スルホン酸類、硫酸エステル類、リン酸
エステル類およびフェノール類などが含まれる。好まし
い有機酸としては、一般式(4)または(5)で表され
るものが挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】式(4)および(5)中、R7は炭素数4
〜24(好ましくは6〜18)の脂肪族炭化水素基(ア
ルカジエニル基も含む)、A2は炭素数1〜4(好まし
くは1〜3)のアルキレン基、Qは−COOH、−SO
3Hもしくは−OSO3H、pは0または1〜10(好ま
しくは0〜5)の整数、qは1または2の整数であり、
Qが−SO3Hの場合はpは0であり、pが2以上の場
合のA2は同じでも異なっていてもよい。
【0021】R7としては、前記の炭素数4〜24のア
ルキル基、アルケニル基およびアルカジエニル基(リノ
レイル基など)が挙げられる。
【0022】A2としては、メチレン基、エチレン基、
1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2
−ブチレン基、1,4−ブチレン基などが挙げられる。
【0023】式(4)で表される有機酸のうち、好まし
いものは、Qが−COOHでpが0の化合物(高級脂肪
酸、たとえばカプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナ
ン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸等)、Qが−COOHでpが1以上でかつQと
結合するA2がメチレン基で残りの(p−1)個のA2
炭素数2〜3のアルキレン基の化合物(アルキルもしく
はアルケニルエーテルカルボン酸、たとえばポリオキシ
エチレンオクチルエーテルカルボキシメチルエーテルな
ど)、Qが−OSO3Hでpが0〜5でA2が炭素数2〜
3のアルキレン基の化合物(アルキルもしくはアルケニ
ル硫酸エステル、たとえばオクチル硫酸エステル、2−
エチルヘキシル硫酸エステル、デシル硫酸エステル、ド
デシル硫酸エステル、テトラデシル硫酸エステル、ステ
アリル硫酸エステル、オレイル硫酸エステル等;および
(ポリ)オキシアルキレンアルキルもしくはアルケニル
エーテル硫酸エステル、たとえばポリオキシエチレンオ
クチルエーテル硫酸エステル等)である。
【0024】式(5)で表される有機酸のうち、好まし
いものは、A2が炭素数2もしくは3のアルキレン基、
pが0〜5の整数、qが1で表されるものである。qが
1の場合、(A)はモノ4級アンモニウム塩でもジ4級
アンモニウム塩でもよい。具体例としては、アルキルも
しくはアルケニル燐酸エステル、たとえばオクチル燐酸
エステル、2−エチルヘキシル燐酸エステル、デシル燐
酸エステル、ドデシル燐酸エステル、ステアリル燐酸エ
ステル、オレイル燐酸エステル等;および(ポリ)オキ
シアルキレンアルキルもしくはアルケニルエーテル燐酸
エステル、たとえばポリオキシエチレンオクチルエーテ
ル燐酸エステル等が挙げられる。
【0025】Xf-を構成する有機酸としては、式(4)
または式(5)で表される有機酸以外に、芳香環含有有
機酸、脂環基含有有機酸、ヘテロ環含有有機酸、エステ
ル基含有有機酸、アミド基含有有機酸、水酸基含有有機
酸、および有機酸基含有ビニル単量体のオリゴマー(2
〜10量体)などが挙げられる。芳香環含有有機酸とし
ては、芳香族カルボン酸(安息香酸、エチル安息香酸、
桂皮酸およびt−ブチル安息香酸などのo,p,m−各
異性体を含む芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、トリメリット酸およびピロメリ
ット酸などの芳香族多価カルボン酸)、芳香族スルホン
酸(p−トルエンスルホン酸およびドデシルベンゼンス
ルホン酸などの炭素数1〜18のアルキル基を有するア
ルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およ
びp−フェノールスルホン酸など)およびフェノール類
(フェノール、p−クロロフェノール、β−ナフトー
ル、o−およびp−ニトロフェノール、p−アミノフェ
ノール、カテコールおよびレゾルシンなど)が挙げられ
る。脂環基含有有機酸としては、シクロヘキサンモノお
よびジカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸などが挙
げられる。エステル基含有有機酸としては、ジカルボン
酸のモノアルキル(アルキル基の炭素数1〜8)エステ
ル(シュウ酸モノメチルエステル、コハク酸モノエチル
エステル、マレイン酸モノメチルエステル、アジピン酸
モノメチルエステル、フタル酸モノメチルエステルな
ど)、トリカルボン酸のモノもしくはジアルキル(炭素
数1〜6)エステル(トリメリット酸モノメチルエステ
ル、トリメリット酸モノブチルエステルなど)、および
スルホコハク酸モノもしくはジアルキル(アルキル基の
炭素数1〜24)エステル(スルホコハク酸ジ2−エチ
ルヘキシルエステルなど)が挙げられる。アミド基含有
有機酸としては、ジカルボン酸のモノアルキル(アルキ
ル基の炭素数1〜8)アミド(コハク酸モノエチルアミ
ド、マレイン酸モノメチルアミド、アジピン酸モノメチ
ルアミド、フタル酸モノメチルアミドなど)、トリカル
ボン酸のモノもしくはジアルキル(炭素数1〜6)アミ
ド(トリメリット酸モノメチルアミド、トリメリット酸
モノブチルアミドなど)、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合
物(オレイルザルコシンなど)、高級脂肪酸アミドのア
ルキル化スルホン酸(ラウリン酸メチルタウライド、オ
レイン酸N−メチルタウライドなど)および高級脂肪酸
アミドのアルキロール化硫酸エステル(ラウリルエタノ
ールアミド硫酸エステルなど)が挙げられる。水酸基含
有有機酸としては、ヒドロキシカルボン酸(乳酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、グルタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸
など)が挙げられる。有機酸基含有ビニル単量体のオリ
ゴマー(2〜10量体)を構成する単量体としては、
(メタ)アクリル酸およびマレイン酸などのカルボキシ
ル基含有ビニル単量体、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびアルキル
(炭素数1〜18)アリルスルホコハク酸エステルなど
のスルホン酸基含有ビニル単量体などが挙げられる。こ
れらの有機酸の当量(酸基当たりの分子量)は、好まし
くは58〜600、特に58〜300である。これらの
有機酸のうち、パルプ繊維に対する吸着性および浸透性
などの点で好ましいものは式(4)で表されるもの、特
に炭素数6〜18のアルキルまたはアルケニル基を有す
るカルボン酸である。f価の有機酸アニオンには、f価
の有機酸のf価のアニオン、およびf価より高い[(f
+α)価の]有機酸のf価のアニオン(部分塩)が含ま
れる。例えば、有機酸が2塩基酸の場合、(A)にはモ
ノ塩およびジ塩が含まれる。
【0026】式(1)〜(3)で表される第4級アンモ
ニウム有機酸塩(A)の具体例としては、式(4)また
は(5)で表される有機酸と、脂肪族テトラアルキル4
級アンモニウム、脂肪族トリアルキルベンジル4級アン
モニウム、サパミン型第4級アンモニウム(N,N−ジ
エチルエチレンジアミンと脂肪酸の縮合物の4級アンモ
ニウムなど)およびアルキルピリジニウム[これらの4
級アンモニウムの具体例としては米国特許第4,33
1,447号およびフランス特許第1,427,133
号明細書に記載のものが挙げられる]などとの塩が挙げ
られる。
【0027】本発明の第4級アンモニウム有機酸塩
(A)は、通常、3級アミンを4級化剤と反応させて4
級アンモニウム塩とし、有機酸とアニオン交換すること
により製造することができる。4級化剤としては、ジア
ルキルカーボネート(アルキル基は炭素数1〜4、たと
えばメチル基、エチル基など)、ハロゲン化アルキルも
しくはハロゲン化アルケニル等の前記R1〜R6で表され
る基のハロゲン化物(ハロゲンとしては、塩素、臭素、
ヨウ素もしくはフッ素)、ジアルキル硫酸(アルキル基
は炭素数1〜4、たとえばメチル基、エチル基など)が
挙げられる。
【0028】R3〜R5が低級アルキル基の場合は、以下
の合成方法に従い製造することができる。有機溶媒(メ
タノール、エタノールなど)中、3級アミン(たとえ
ば、ジメチルオクチルアミンなど)とジアルキルカーボ
ネート(ジメチルカーボネートなど;3級アミンに対し
て通常1.05〜2当量)をオートクレーブ中にて加圧
下、加熱(110〜120℃)して2〜3時間反応させ
ることにより、4級アンモニウムカーボネートの有機溶
媒溶液を得る。これに前記式(4)または(5)で表さ
れる有機酸(オクタン酸、オクチル硫酸エステル、モノ
オクチルリン酸エステルなど;4級アンモニウム塩に対
して通常0.9〜1.2当量、好ましくは0.99〜
1.02当量)を加え、加熱下(80〜90℃)で二酸
化炭素、有機溶媒および未反応のジアルキルカーボネー
トを留去しながらアニオン交換反応を行い、水で希釈す
ることで、目的物(例えばトリメチルオクチルアンモニ
ウム・オクタン酸塩、トリメチルオクチルアンモニウム
・オクチル硫酸エステル塩など)の水性液を得る。
【0029】また、R3〜R5が−(A1O)n−Zの場合
は、3級アミンの有機酸塩にアルキレンオキサイドを反
応させ(ZがHの場合)、必要によりハロゲン化アルキ
ルもしくはカルボン酸ハロゲン化物を反応させてアルキ
ルエーテル化またはエステル化する(Zがアルキルまた
はアシルの場合)ことにより製造することができる。
【0030】本発明において、(A)は単独でも、2種
以上[例えば式(1)で表される化合物と式(2)で表
される化合物および/または式(3)で表される化合
物]を併用しても使用することができる。
【0031】(A)は、さらに水溶性アニオン系有機ポ
リマー(B−1)および水溶性非イオン系有機ポリマー
(B−2)からなる群より選ばれる1種以上のポリマー
(B)と併用することによって、製紙用パルプの漂白効
果を相乗的に高めることができる。ここで、水溶性と
は、水に対する溶解度が25℃で20(g/水100
g)以上であることであり、好ましくは30以上であ
る。
【0032】本発明におけるポリマー(B−1)、およ
び(B−2)の重量平均分子量は通常2,000〜2
0,000,000であり、好ましくは、5,000〜
2,000,000である。重量平均分子量はGPC
(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)を用い
て求めたものである。重量平均分子量がこの範囲にある
と、重金属イオンの捕捉効果がよくなるため、製紙用パ
ルプの漂白性能が効率良く発現できるようになり、又、
漂白助剤自身の取扱いも容易となる。
【0033】(B−1)としては、ラジカル重合系の水
溶性アニオン系有機ポリマー、非ラジカル重合系の水溶
性アニオン系ポリマー、および水溶性アニオン系天然物
ポリマー等が挙げられる。
【0034】ラジカル重合系の水溶性アニオン系有機ポ
リマーを構成するアニオン性ビニル系単量体(a1)と
しては、以下のものが挙げられる。
【0035】(a11)カルボキシル基含有ビニル系単
量体 不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチ
ル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不
飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エス
テル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノ
アルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルな
ど];不飽和ジカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
【0036】(a12)スルホン酸基含有ビニル系単量
体 例えば、炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルス
ルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6
〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[スチレンスル
ホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホ
ン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[スルホ
プロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエタンスルホン酸など]、スルホン酸基含有
(メタ)アクリルアミド系単量体[2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メ
タ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸など]、水酸基含有ビニル系スルホン酸[3−アリロ
キシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)(メタ)ア
リルスルホコハク酸エステル[ドデシル(メタ)アリル
スルホコハク酸エステルなど]などが挙げられる。
【0037】(a13)硫酸エステル基含有ビニル系単
量体 例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチ
レン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロッ
クでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステ
ル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレ
ン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロック
でもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレート
の硫酸エステルなどが挙げられる。
【0038】(a14)燐酸基含有ビニル系単量体 具体的には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
(炭素数2〜6)燐酸モノエステル(例えば、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェートな
ど)、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類(例え
ば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸など)な
どが挙げられる。
【0039】ラジカル重合系の水溶性アニオン系有機ポ
リマーを構成する単量体としてはアニオン性ビニル系単
量体以外に、さらに非イオン性のビニル系単量体から構
成されていてもよい。非イオン性ビニル系単量体として
は、水溶性〜親水性非イオン性ビニル単量体(n1)お
よび疎水性非イオン性ビニル単量体(n2)が挙げら
れ、具体的には以下のものが例示される。
【0040】(n1)水溶性〜親水性非イオン性ビニル
単量体; (n11)アミド基含有ビニル系単量体;非置換、また
はモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリル
アミド[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−お
よびi−ブチル(メタ)アクリルアミドなど];ジアル
キル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド
[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル,N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メ
タ)アクリルアミドなど];ヒドロキシアルキル(炭素
数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N−ヒドロキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドな
ど];N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−お
よびi−プロパンアミド、N−ビニル−n−およびi−
ブタンアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド、N
−ビニル−2−ヒドロキシプロパンアミドなど]等が挙
げられる。
【0041】(n12)ヒドロキシル基含有ビニル系単
量体;ヒドロキシル基含有芳香族ビニル系単量体[ヒド
ロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数2
〜6)(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートなど]、炭素数3〜12のアルケノール[(メ
タ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロ
チルアルコール、オクテノール、ウンデセノールな
ど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[1−ブテン
−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−
1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数
1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−
ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなど]、多価(3
〜8価)アルコールのアルケニル(炭素数3〜10)エ
ーテル[蔗糖(メタ)アリルエーテルなど]等が挙げら
れる。
【0042】(n13)ポリアルキレングリコール鎖含
有ビニル系単量体;ポリアルキレングリコール(アルキ
レン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)またはそのア
ルキル(炭素数1〜6)エーテルの(メタ)アクリレー
ト[ポリエチレングリコール(分子量100〜300)
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
(分子量130〜500)モノアクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(分子量110〜310)(メ
タ)アクリレート、ラウリルアルコールEO(エチレン
オキシド)付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレー
トなど]等が挙げられる。
【0043】(n2)疎水性非イオン性ビニル単量体; (n21)エポキシ基含有ビニル系単量体;グルシジル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエー
テル等が挙げられる。
【0044】(n22)ハロゲン含有ビニル系モノマ
ー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化
(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロルスチレ
ンなど)等が挙げられる。
【0045】(n23)ビニルエステル、ビニルエーテ
ル、ビニルケトン類;炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビ
ニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、オクタン酸ビニルなど];炭素数1〜12のア
ルキル、アリールもしくはアルコキシアルキルのビニル
エーテル[ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、
ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエ
ーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、ビニル2
−ブトキシエチルエーテルなど];炭素数1〜8のアル
キルもしくはアリールのビニルケトン[ビニルメチルケ
トン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトンな
ど]等が挙げられる。
【0046】(n24)不飽和カルボン酸のエステル;
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン
酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキル
もしくはアラルキルエステル、例えば炭素数1〜30の
アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n
−,i−およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレートなど]、不飽和
ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
ど)の炭素数1〜8のアルキルジエステル[ジメチルマ
レエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート、
ジオクチルマレエートなど]等が挙げられる。
【0047】(n25)その他のビニル系単量体;脂肪
族ビニル系炭化水素、例えば、炭素数2〜20のアルケ
ン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペ
ンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセ
ン、オクタデセンなど]、炭素数4〜12のアルカジエ
ン[ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、
1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなど]な
ど、脂環式ビニル系炭化水素[シクロヘキセン、(ジ)
シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビ
ニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテンな
ど]、芳香族ビニル系炭化水素[スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルス
チレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、
ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレ
ンなど]、ニトリル基含有ビニル系単量体[(メタ)ア
クリロニトリル、シアノスチレンなど]、ニトロ基含有
ビニル系単量体[ニトロスチレンなど]、その他のビニ
ル系単量体[アセトキシスチレンなど]等が挙げられ
る。
【0048】アニオン性ビニル系単量体(a1)と非イ
オン性ビニル系単量体(n1)〜(n2)の割合(質量
%)は、ポリマーが水溶性である範囲であればいずれで
もよいが、通常、非イオン性ビニル系単量体が(n1)
のみの場合、(a1)/(n1)=100/0〜10/
90であり、非イオン性ビニル系単量体が(n2)のみ
の場合は、(a1)/(n2)=100/0〜60/4
0である。また、(n1)と(n2)を併用する場合
は、通常、(a1)の割合(質量%)は10〜100、
(n1)は0〜90、(n2)は0〜40である。好ま
しいものは、重金属イオンの捕捉効果および漂白促進効
果の点からアニオン性ビニル系単量体(a1)が10〜
95質量%と、非イオン性ビニル系単量体(n11)〜
(n12)が5〜90質量%の共重合体であり、特に好
ましいものは、カルボキシル基含有ビニル系単量体(a
11)、スルホン酸基含有ビニル系単量体(a12)お
よび硫酸エステル基含有ビニル単量体(a13)から選
ばれる少なくとも1種の単量体を構成単量体とする共重
合体であり、これらの単量体を使用すると、(B)の重
金属イオンの捕捉効果がさらによくなる。また、アニオ
ン性基1個当たりのポリマーの数平均分子量(GPC測
定による)は、通常20,000を越えず、好ましくは
5,000以下である。
【0049】非ラジカル重合系の水溶性アニオン系有機
ポリマーとしては、アニオン性ホルマリン縮合物、アニ
オン性基含有ポリウレタン樹脂およびアニオン性基含有
ポリエステル樹脂などが含まれる。アニオン性ホルマリ
ン縮合物としては、例えば、ナフタレンスルホン酸
(塩)ホルマリン縮合物(縮合度2〜20)およびフェ
ノールスルホン酸(塩)ホルマリン縮合物(縮合度2〜
20)などが挙げられる。アニオン性基含有ポリウレタ
ン樹脂のアニオン性基を構成する成分としては、スルホ
ン酸基、スルファミン酸基、カルボキシル基またはこれ
らの塩と活性水素を含有する化合物が挙げられる。これ
らのうちスルホン酸基を有する化合物としては、スルホ
ン酸ジオール[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキ
シ)−1−プロパンスルホン酸など]、およびアミノス
ルホン酸[2−アミノエタンスルホン酸および3−アミ
ノプロパンスルホン酸など]が挙げられる。スルファミ
ン酸基を有する化合物としては、スルファミン酸ジオー
ル[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファ
ミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)またはそのAO付
加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モ
ル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など]が
あげられる。カルボキシル基を有する化合物としては、
ジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブ
タン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジ
メチロールオクタン酸など]およびアミノ酸(2-アミノ
エタン酸等)が挙げられる。アニオン性基含有ポリウレ
タン樹脂の具体例としては、特公昭42−24192号
公報および特公昭43−9076号公報に記載のものが
挙げられる。アニオン性基含有ポリエステル樹脂には、
上記のスルホン酸ジオール、スルファミン酸ジオール、
ジアルキロールアルカン酸などのアニオン性基含有ジオ
ールとポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸)もし
くはその低級アルキル(炭素数1〜4)エステルとの縮
合物、およびスルホン酸(塩)基含有ポリカルボン酸も
しくはその低級アルキルエステルとポリオールとの縮合
物が挙げられる。アニオン性基含有ポリエステル樹脂の
具体例としては、特公昭45−107949号公報およ
び特公昭46−11480号公報に記載のものが挙げら
れる。
【0050】天然物系アニオン系有機ポリマーとして
は、アルギン酸(塩)、リグニンスルホン酸(塩)、硫
酸化キトサン、カルボキシメチルキチン、コンドロイチ
ン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、燐酸デンプン、セル
ロースの無機酸エステル(硝酸セルロース、硫酸セルロ
ースなど)およびカルボキシメチルセルロース等が挙げ
られる。その他、「高分子凝集剤」(大森英三著、高分
子刊行会昭和50年1月10日発行)の60〜90頁記
載のアニオン性凝集剤が使用できる。
【0051】(B−1)が塩である場合の塩の種類は、
アルカリ金属(Na、K、Liなど)塩、アルカリ土類
金属(Ca、Mgなど)塩、アミン(トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなど)
塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩[前述の
(A)を構成する第4級アンモニウムカチオンによる
塩、およびテトラアルキル(アルキル基の炭素数1〜
3)第4級アンモニウム塩など]およびこれらの2種以
上の混合塩などが挙げられる。塩の場合の中和度は、通
常50〜100モル%であり、好ましくは70〜100
モル%である。
【0052】本発明の水溶性非イオン系有機ポリマー
(B−2)としては、ラジカル重合系の水溶性非イオン
系有機ポリマー、非ラジカル重合系の水溶性非イオン系
有機ポリマーおよび天然物系の水溶性非イオン系有機ポ
リマーがあげられる。これらのうち、ラジカル重合系の
水溶性非イオン系有機ポリマーは、前述の非イオン性ビ
ニル系単量体(n1)および(n2)のうち、水溶性の
ポリマーが得られる(n1)のビニル系単量体より選ば
れる1種以上の単量体から構成されることが好ましい
が、水溶性を保つ範囲で、疎水性非イオン性ビニル系単
量体(n2)から構成されていてもよい。(n1)と
(n2)の割合(質量%)は通常、(n1)/(n2)
=30/70〜100/0である。
【0053】非ラジカル重合系の水溶性非イオン系有機
ポリマーとしては、ポリエーテルおよびポリアルキレン
イミンなどが使用できる。ポリエーテルとしては、EO
を主体とするAO付加物であって、重量平均分子量2,
000〜1,000,000のモノオールおよびポリオ
ール、並びにこれらの末端アルキルエーテル化物および
末端アシル化物などが挙げられ、AO付加の出発物質と
しては1価および多価アルコール、多価フェノール(ビ
スフェノールAなど)、アミン類(モノアミン、ジアミ
ンなど)が使用できる。ポリアルキレンイミンとして
は、アルキレン基の炭素数2〜6のアルキレンイミンの
重合体で重量平均分子量が2,000〜2,000,0
00のもの等があげられる。
【0054】天然物系の水溶性非イオン系有機ポリマー
としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等のセルロース誘導体などがあげられる。
【0055】本発明における(B)のうち、好ましいも
のは、水溶性アニオン系有機ポリマー(B−1)であ
り、さらに好ましいものは、ラジカル重合系水溶性アニ
オン系ポリマーである。
【0056】本発明の水溶性有機ポリマー(B−1)お
よび(B−2)のうち、ラジカル重合系ポリマーは、通
常行われているラジカル重合法により製造することがで
きる。ラジカル重合の方法としては、塊状重合、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法も用いることが
できる。単量体[例えば、前記の(a1)および/また
は(n1)および必要により(n2)]を有機溶剤(メ
チルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、トルエ
ン、イソプロパノール等)および/または水中で、重合
開始剤を用い、常圧又は加圧下において、200℃以下
の温度で重合を行い、必要により中和剤を用いて、水溶
性有機ポリマーを得る方法がある。ラジカル重合の開始
剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化−t−ジブチ
ル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロ
ペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミ
ルペルオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、4,4'−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)、アゾ
ビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸
メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、アゾビス
シアノ吉草酸等の有機アゾ化合物、クメンヒドロペルオ
キシドとアミン、過酸化水素と過硫酸アンモニウム、過
酸化水素と過硫酸ナトリウム、過酸化水素と塩化第二
鉄、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリン、過硫酸アン
モニウムと亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ等のレド
ックス系開始剤等が挙げられる。また、重合後に変性し
てアニオン性基を導入してもよい。例えば、(メタ)ア
クリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル系の重合
体を加水分解してカルボン酸基を導入することができ
る。
【0057】本発明の漂白方法に使用される漂白剤とし
ては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸[過酢酸、
過炭酸(塩)、過硝酸(塩)など]およびオゾンなどの
過酸化物漂白剤、並びに二酸化チオ尿素およびハイドロ
サルファイト等の還元性漂白剤が挙げられる。このう
ち、好ましいものは過酸化物漂白剤であり、さらに好ま
しいものは過酸化水素である。
【0058】本発明の漂白助剤が使用される対象となる
パルプには、化学パルプ[CGP(ケミグラウンドパル
プ)、SCP(セミケミカルパルプ)、SP(サルファ
イトパルプ)、KP(クラフトパルプ)、AP(アルカ
リパルプ)等];機械パルプ[GP(砕木パルプ)、R
MP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サー
モメカニカルパルプ)等]、古紙パルプ等が含まれ、木
材(針葉樹、広葉樹)、非木材(草本類)パルプ等が挙
げられる。特に古紙パルプを対象とした場合に優れた漂
白効果を発揮する。
【0059】本発明の製紙用パルプ漂白助剤は、製紙用
パルプを製造する工程において使用することができる
が、好ましくは古紙パルプを脱墨、漂白して製紙用パル
プを製造する工程において使用する。古紙パルプの製造
には、脱墨工程−漂白工程があり、更に詳しく言うと、
脱墨工程の中に離解工程−スクリーン処理工程−熟成工
程−フローテーション工程−洗浄工程がある。本発明の
漂白助剤は、古紙パルプを製造する工程のいずれの工程
で添加してもよいが、好ましくは脱墨工程のいずれかで
添加する。さらに好ましくは脱墨工程中における離解工
程および/または熟成工程で添加する。
【0060】また、さらに漂白効果を発揮するために
は、(A)と(B)を併用することが好ましい。(A)
と(B)は同じ工程で添加してもよいが、特に好ましく
は、(A)を脱墨工程中における離解工程および熟成工
程で添加し、(B)を脱墨工程中における熟成工程で使
用することである。また、(A)と(B)を同じ工程で
添加する場合は、添加の直前に(A)と(B)を混合す
る、または予め一剤化した形態にして添加してもよい。
【0061】本発明の漂白助剤(A)および(B)の形
態は、溶液状、粉末状(粒径0.1〜100μm)、粒
状(粒径0.1〜2mm)、板状、顆粒状(粒径1〜1
0mm)、および分散液等の何れでも良いが、好ましく
は溶液状(濃度20〜70質量%)、および粉末状であ
る。溶液状にする場合に使用できる希釈剤には、水、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、ポリエチレングリコール等の炭素数1〜
36のアルコールまたはグリコール、40℃における動
粘度1〜100cStの鉱物油、牛脂、菜種油、ヤシ
油、ヒマシ油、パーム油等の動植物油等が挙げられる。
それぞれの形態は、例えば次のような方法で調製するこ
とができる。 水溶液状:第4級アンモニウム塩の水溶液、または水溶
性有機ポリマーの水溶液をそれぞれ調製する。一剤化す
る場合は、両者を混合した後、十分に攪拌することによ
り、水溶液状の漂白助剤を得る。 粉末状及び粒状:溶液状に調製した漂白助剤を、スプレ
ードライヤーを用いて、150℃以下の温度で粉末状も
しくは粒状の漂白助剤を得る。一剤化する場合は、予め
溶液状の2液を混合し、混合液を同様にしてスプレード
ライヤーにかける。 顆粒状:溶液状に調製した漂白助剤を、押出造粒機を用
いて造粒乾燥させる。その後ふるい分けを行い、顆粒状
の漂白助剤を得る。
【0062】本発明の(A)の添加量(有効成分)は、
パルプの絶乾重量に基づいて、通常0.005〜5質量
%であり、好ましくは0.01〜1質量%である。ま
た、(B)を併用する場合、(B)の添加量(有効成
分)はパルプの絶乾重量に基づいて、通常5質量%以
下、好ましくは0.005〜3質量%、特に0.01〜
1.0質量%である。併用する場合の(A)と(B)の
比率は特に限定されないが、優れた漂白性能を維持する
ためには、重量で(A)/(B)=30/70〜70/
30が好ましく、40/60〜60/40がより好まし
く、45/55〜55/45が更に好ましい。これらの
条件で使用すると、優れた漂白性能を発揮するのみなら
ず、排水CODを低減できるという利点がある。
【0063】本発明の漂白助剤は、本発明の第4級アン
モニウム有機酸塩以外の界面活性剤と共に使用すること
ができ、脱墨剤として使用される界面活性剤も含まれて
いてよい。使用できる界面活性剤としては、非イオン界
面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、およ
びポリオキシエチレンアルキルエステル等のポリエチレ
ングリコール型非イオン界面活性剤、グリセロール脂肪
酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、お
よびソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール型非
イオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型非イオ
ン界面活性剤等;アニオン界面活性剤、例えば、オレイ
ン酸ナトリウム、およびステアリン酸ナトリウム等の脂
肪酸塩系アニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エス
テル、硫酸化オレフィン、および硫酸化脂肪酸エステル
等の硫酸エステル型アニオン界面活性剤、アルキルスル
ホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルスルホン酸塩等のスルホン酸型アニオン界面活
性剤、高級アルコール燐酸エステル塩、ポリオキシエチ
レン高級アルコール燐酸エステル塩等の燐酸エステル塩
型アニオン界面活性剤等;両性界面活性剤、例えば、ア
ミノ酸型両性活性剤、ベタイン型両性活性剤等が挙げら
れる。これらのうち、脱墨剤としてはポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンエーテル、およびポリオキシエチレンアルキルエステ
ル等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、
グリセロール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂
肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステル等の多
価アルコール型非イオン界面活性剤、オレイン酸ナトリ
ウム、およびステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩系ア
ニオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル、硫酸
化オレフィン、および硫酸化脂肪酸エステル等の硫酸エ
ステル型アニオン界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、
α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシ
ネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルス
ルホン酸塩等のスルホン酸型アニオン界面活性剤等が使
用される。これらの界面活性剤の添加量は通常、5質量
%以下、好ましくは0.01〜3質量%(対絶乾パル
プ)である。界面活性剤は、化学パルプ、機械パルプ、
古紙パルプ等を漂白して製紙用パルプを製造するいずれ
かの工程で、または2つ以上の工程で添加してもよい。
また、アニオン界面活性剤の場合、(A)の製造(有機
酸とのアニオン交換)の際に用いた有機酸(塩)がその
まま残存しているものでもよい。
【0064】本発明の漂白助剤以外に他の添加剤とし
て、消泡剤、泡安定剤等をパルプスラリーに添加するこ
とができる。製紙用パルプが古紙パルプの場合は、添加
する工程は、通常、消泡剤は脱墨工程中における洗浄工
程、漂白工程、泡安定剤は脱墨工程中におけるフローテ
ーション工程である。消泡剤としては、メタノール、エ
タノール等の低級アルコール、ジイソブチルカルビトー
ル、アミルアルコール、オレイン酸等の有機極性化合
物、鉱物油類、シリコーン樹脂系等;泡安定剤として
は、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これら他
の添加剤の使用量は、漂白助剤の全重量に基づいて、8
0質量%以下、好ましくは5〜75質量%である。
【0065】本発明の漂白助剤は、天然色素、着色物と
漂白剤との反応を促進すると共に、漂白剤の分解を抑制
することにより、パルプの漂白を効率よく行うことがで
きる。従って、漂白剤の使用量を低減することができ
る、または、古紙パルプの場合には、脱墨工程で通常使
用される脱墨剤の使用量を低減することが可能である。
【0066】
【実施例】以下、製造例及び実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれら製造例および実施例に
何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例中、
百分率(%)は白色度以外は全て質量%を意味し、各薬
品添加量は、純分換算の対絶乾パルプ当たりの質量%で
示す。使用した薬品を以下に示す。 脱墨剤 :脂肪酸系ノニオン界面活性剤 (花王(株)製「DI−1020」) 還元性漂白剤 :二酸化チオ尿素(東海電化(株)
製) 過酸化物漂白剤 :過酸化水素水(濃度1.5%) 珪酸ソーダ :濃度3%(3号珪酸ソーダを希釈) 白色度はパルプ−拡散青色光反射率(ISO白色度)の
測定方法(JIS−P−8212)に従って測定した。
GPCによる重量平均分子量の測定は次のとおり。重量
平均分子量は水酸化ナトリウムで完全中和したときの値
である。 <GPC測定条件> 機 種 :Waters510(日本ウォーターズ・リミテッド製) カラム :TSK gel G5000pwXL TSK gel G3000pwXL (いずれも東ソー株式会社製) カラム温度:40℃ 検出器 :RI 溶 媒 :0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30) 流 速 :1.0ml/分 試料濃度 :0.25質量% 注入量 :200μl 標 準 :ポリオキシエチレングリコール (東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE) データ処理装置:SC−8010(東ソー株式会社製)
【0067】製造例1 <第4級アンモニウム有機酸塩
(A)の製造> 耐圧容器にメタノール191部とジメチルカーボネート
350部を仕込み、窒素置換後密閉し、120℃に昇温
した。攪拌下、ジn−オクチルメチルアミン765部を
滴下し、120℃で3時間攪拌し、ジn−オクチルジメ
チルアンモニウムメチルカーボネートのメタノール溶液
を得た。次に、40℃に冷却した後、カプリル酸431
部を発熱に注意しながら徐々に滴下した。その後、メタ
ノール、およびジメチルカーボネートを常圧下、100
℃で留去して、固体状のジn−オクチルジメチルアンモ
ニウムカプリレート(1a)を得た。
【0068】製造例2〜22 製造例1と同様の製造法にて、下記の第4級アンモニウ
ム有機酸塩(A)[(1b)〜(3a)]を得た。 (1b):ジラウリルジメチルアンモニウム・カプリレ
ート (1c):ジセチルジメチルアンモニウム・カプリレー
ト (1d):ジオクテニルジメチルアンモニウム・カプリ
レート (1e):ジ−(2−ヒドロキシオクチル)ジメチルア
ンモニウム・カプリレート (1f):ジラウロイロキシエチルジメチルアンモニウ
ム・カプリレート (1g):ジ2−フェニルエチルジメチルアンモニウム
・カプリレート (1h):ジラウリルジヒドロキシエチルアンモニウム
・カプリレート (1i):ジラウリルジフェニルアンモニウム・カプリ
レート (1j):ジポリ(n=6)オキシエチレンラウリルジ
メチルアンモニウム・カプリレート (1k):ジラウリルジメチルアンモニウム・ステアレ
ート (1l):ジラウリルジメチルアンモニウム・ラウリル
サルフェート (1m):ジラウリルジメチルアンモニウム・オクチル
ホスフェート (2a):ステアリルトリメチルアンモニウム・カプリ
レート (2b):オレイルトリメチルアンモニウム・カプリレ
ート (2c):ラウリルトリ−n−ブチルアンモニウム・カ
プリレート (2d):ステアリルトリヒドロキシエチルアンモニウ
ム・カプリレート (2e):n−オクチルトリベンジルアンモニウム・カ
プリレート (2f):セチルトリポリ(n=6)オキシエチレンア
ンモニウム・カプリレート (2g):ステアリルトリメチルアンモニウム・ヘキシ
ルサルフェート (2h):ステアリルトリメチルアンモニウム・オクチ
ルホスフェート (3a):N−オクチルピリジニウム・カプリレート
【0069】製造例23<水溶性アニオン系有機ポリマ
ー(B−1)の製法(1)> 耐圧反応容器中にアクリルアミド99部およびアクリル
酸25部を仕込んだ後、イオン交換水830部を加え、
均一になるまで攪拌し溶解させた。窒素置換後密閉し、
その後40℃以下に保ちながら30%苛性ソーダ水溶液
46部を加え、アクリル酸を完全に中和(中和度100
%)した。重合触媒として4,4'−アゾビス−(4−
シアノ吉草酸)を、未中和モノマーあたり0.15%添
加して、80℃で8時間撹拌し重合させた。得られた重
合液(ゲル)を凍結乾燥して、アクリルアミド/アクリ
ル酸ナトリウム(モル比8/2)の水溶性共重合体
(イ)を粉末として単離した。(イ)の重量平均分子量
はGPCを用いて求め、その値は2,000,000で
あった。
【0070】製造例24〜32 製造例23と同様の製造法にて、下記モノマー組成(モ
ル比)および重量平均分子量の水溶性アニオン系有機ポ
リマー(B−1)[(ロ)〜(ヌ)]を粉末として得
た。 ポリマーの品名 モノマー組成(モル比) 重量平均分子量 (ロ):アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム(5/5) 2,000,000 (ハ):アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム(2/8) 1,800,000 (ニ):アクリル酸ナトリウム 1,700,000 (ホ):メタクリルアミド/アクリル酸ナトリウム(2/8) 1,800,000 (ヘ):アクリルアミド/メタアクリル酸ナトリウム(2/8) 1,800,000 (ト):ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム(2/8) 1,400,000 (チ):アクリル酸エチル/アクリル酸ナトリウム(2/8) 1,800,000 (リ):スチレンスルホン酸ナトリウム 50,000 (ヌ):無水マレイン酸/スチレンスルホン酸ナトリウム(2/8) 30,000
【0071】製造例33<水溶性アニオン系有機ポリマ
ー(B−1)の製法(2)> 耐圧反応容器にイソプロピルアルコール420部および
水120部を仕込み、窒素置換後密閉し、100℃に昇
温した。攪拌下アクリル酸62部、アクリルアミド24
3部、過硫酸ナトリウム4%水溶液80部とを、別々の
容器からそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了後、
35%過酸化水素水溶液3部を投入し同温度で1時間保
持した。イソプロピルアルコールを留去した後、水酸化
ナトリウム30%水溶液115部で中和した(中和度1
00%)。その後スプレードライヤーを用いて150℃
の温度条件下で粉末状とし、水溶性共重合体(ル)を粉
末として単離した。(ル)の重量平均分子量はGPCを
用いて求め、その値は10,000であった。
【0072】製造例34〜39 製造例33と同様の製造法にて、下記モノマー組成(モ
ル比)および重量平均分子量の水溶性アニオン系有機ポ
リマー(B−1)および水溶性非イオン系有機ポリマー
(B−2)[(ヲ)〜(レ)]を粉末として得た。 ポリマーの品名 モノマー組成(モル比) 重量平均分子量 (ヲ): アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム(5/5) 10,000 (ワ): アクリル酸ナトリウム 8,000 (カ): メタアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム(2/8) 9,000 (ヨ): スチレンスルホン酸ナトリウム 5,000 (タ): 無水マレイン酸/スチレンスルホン酸ナトリウム(2/8) 4,000 (レ): アクリルアミド 8,000
【0073】実施例1〜10 オフセット印刷新聞古紙に水を加え、Tappi標準離
解機で以下の条件で離解した。 パルプ濃度:2% 苛性ソーダ添加量:0.5% 処理温度:40℃ 処理時間:30分 その後ブフナー漏斗にてパルプを濃度20%になるまで
脱水し、古紙パルプスラリーとした。表1に示す処方
(パルプの絶乾重量に対する質量%)に従って、古紙パ
ルプに漂白助剤として(1a)、(イ)および(C1)
[(C1)はオレイルアルコールエチレンオキシド12
モル付加物]を添加し、さらに脱墨剤を添加し、さらに
過酸化水素水、珪酸ソーダ、苛性ソーダを添加した後、
ポリエチレン袋中でパルプを十分にもみほぐし、70℃
に調節したウォーターバス中に60分間静置した。漂白
後速やかに室温まで冷却し、水洗した後ブフナー漏斗で
シートを形成し、白色度を測定した。
【0074】実施例11および12 パルプの種類を未晒GP(砕木パルプ)に代え、表1に
示す処方に従って実施例1と同様の処理、評価を行っ
た。
【0075】比較例1および2 第4級アンモニウム塩(1a)を添加せず、その他の薬
品を表1に示す割合で添加して行ったこと以外は、実施
例1と同様の処理、評価を行った。
【0076】比較例3 第4級アンモニウム塩(1a)および水溶性アニオン系
有機ポリマー(イ)を添加せずに行ったこと以外は、実
施例11と同様の処理、評価を行った。これらの結果を
表1に示す。
【表1】
【0077】実施例13〜33 (1a)に代えて表2に記載の(A)を用いたこと以外
は、実施例3と同様に処理した。これらの評価結果を表
2に示す。
【表2】
【0078】実施例34〜49 (イ)に代えて表3に記載の(B−1)または(B−
2)を用いたこと以外は、実施例3と同様に処理した。
これらの評価結果を表3に示す。
【表3】 表1〜表3の結果から明らかなごとく、本発明の漂白助
剤を漂白工程に添加することによって、得られるパルプ
の白色度が向上することがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明の漂白助剤は、製紙用パルプ、特
に古紙パルプの漂白工程に添加することによって、過酸
化物系漂白剤の分解抑制効果が発揮でき、白色度の優れ
たパルプを得ることができる。従って、漂白剤の使用量
を低減することができ、古紙パルプの場合には、脱墨工
程で通常使用される脱墨剤の使用量を低減することも可
能である。さらに本発明の漂白助剤はCODの増加にな
りにくく、かつスケール発生原因とならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小俣 慎吾 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 長谷川 慎 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 吉内 圭吾 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 吉田 理郎 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AC09 AD10 AD11 AD20 BB20 BB21 EA30 FA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〜(3)のいずれかで示さ
    れる第4級アンモニウム有機酸塩(A)から選ばれる1
    種以上の化合物を含有する製紙用パルプの漂白助剤。 【化1】 [(1)〜(3)式中、R1、R2およびR6は炭素数が
    4〜24のアルキル基、アルケニル基もしくはヒドロキ
    シアルキル基、エステル結合、アミド結合もしくはエー
    テル結合で分断された炭素数が6〜24のアルキル基も
    しくはアルケニル基、または炭素数7〜24のアリール
    アルキル基であり、R3、R4およびR5は炭素数1〜8
    のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、フェニル
    基、炭素数7〜14のアリールアルキル基または式:−
    (A1O)n−Zで表される基(なお、A1は炭素数2〜
    4のアルキレン基、Zは水素原子または炭素数1〜8の
    アルキル基もしくはアシル基、nは1〜50の整数であ
    る)であり、fは1〜10の整数であり、Xf-は炭素数
    3以上のf価の有機酸アニオンを表す。]
  2. 【請求項2】 Xf-が、下記一般式(4)または(5)
    で表される有機酸からなる群から選ばれる1種以上の有
    機酸イオンである請求項1項記載の漂白助剤。 【化2】 [(4)および(5)式中、R7は炭素数4〜24の脂
    肪族炭化水素基(アルカジエニル基も含む)、A2は炭
    素数1〜4のアルキレン基、Qは−COOH、−SO3
    Hもしくは−OSO3H、pは0または1〜10の整
    数、qは1または2の整数であり、Qが−SO3Hの場
    合はpは0である。]
  3. 【請求項3】 さらに水溶性アニオン系有機ポリマー
    (B−1)および水溶性非イオン系有機ポリマー(B−
    2)からなる群より選ばれる1種以上のポリマー(B)
    および/または(A)以外の界面活性剤(C)を一液と
    してまたは多液として同一工程もしくは別の工程で併用
    してなる請求項1または2記載の漂白助剤。
  4. 【請求項4】 (B−1)が、アニオン性ビニル系単量
    体10〜100モル%および非イオン性ビニル系単量体
    0〜90モル%から構成される(共)重合体である請求
    項3記載の漂白助剤。
  5. 【請求項5】 (B−1)が、不飽和モノカルボン酸
    (塩)、不飽和ジカルボン酸(塩)、不飽和スルホン酸
    (塩)、不飽和硫酸エステル(塩)および不飽和燐酸エ
    ステル(塩)からなる群より選ばれる1種以上の単量体
    からなる(共)重合体である請求項3または4記載の漂
    白助剤。
  6. 【請求項6】 過酸化物系漂白用である請求項1〜5の
    いずれか記載の漂白助剤。
  7. 【請求項7】 製紙用パルプが古紙パルプである請求項
    1〜6のいずれか記載の漂白助剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の漂白助剤
    の存在下で製紙用パルプを過酸化物系漂白剤または還元
    剤系漂白剤で漂白処理することを特徴とする製紙用パル
    プの漂白方法。
  9. 【請求項9】 該漂白助剤を脱墨工程のうちの離解工程
    および/または熟成工程で古紙パルプスラリーに添加す
    る請求項8記載の漂白方法。
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