JP5404518B2 - ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体に関する。より詳しくは、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤等に好適であり、例えば、洗剤用ビルダーとして活性剤と共に用いると、高い洗浄力を発揮するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体、その製造方法及び用途に関する。
ポリアルキレンイミンを主鎖とし、エチレンオキシド等がポリアルキレンイミン中の窒素原子に付加した重合体は、ポリエチレンイミンエトキシレート変性体とも呼ばれ、例えば、高分子系ビルダーとして作用することができるものである。このような重合体は、液体洗剤中に溶けるという性質を有することから、液体洗剤を構成する成分として欠かすことができないものとなっている。ポリエチレンイミンエトキシレート変性体を活性剤と共に洗剤中に含有させると、洗濯により取り除かれた汚れによる再汚染を防止して、高い洗浄力を発揮することになる。
このようなポリエチレンイミンエトキシレート変性体を含む洗剤に関し、エトキシ化アミン分散/再付着防止剤を含む洗剤ビルダー組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このエトキシ化アミンは、−〔(RO)m(CHCHO)n〕−(RはC〜Cアルキレン又はヒドロキシアルキレン、好ましくはプロピレンである。ポリアミン及びアミン重合体の場合には、mは0〜10であり、nは少なくとも3である。これらのポリオキシアルキレン部分は混合でき、ブロックを形成することができる。)で表されるアルキレンオキシド付加体を有するものであり、アルキレンオキシド付加体の末端構造が相容性ノニオン基、アニオン基、これらの混合となる重合体である。ノニオン基としては、C〜Cアルキル基、ヒドロキシアルキルエステル基、エーテル基、水素、アセテート、メチルエーテルが挙げられ、アニオン基としては、PO 2−、SO が挙げられている。
またコットン汚れ放出効果を発揮する機能性主鎖部分を有した水溶性及び/又は分散性修飾ポリアミンを含む液体洗濯洗剤組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この修飾ポリアミンは、−(RO)mB(RはC−Cアルキレン及びそれらの混合、好ましくはエチレンである。mは4〜約400の値を有する。)で表されるアルキレンオキシド付加体を有するものであり、Bで表されるアルキレンオキシド付加体の末端構造が、水素、C〜Cアルキル、−(CHSOM、−(CHCOM、−(CH(CHSOM)CHSOM、−(CH(CHSOM)CHSOM、−(CHPOM、−POM(Mは水素又は電荷バランスを満たす上で充分な量の水溶性カチオンである。pは1〜6の値を有する。qは0〜6の値を有する。)となる重合体である。
更に、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでなる洗濯洗剤組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。このアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、−(RO)m(RO)nR(Rは1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及びそれらの混合物であり、好ましくは1,2−プロピレンであり、Rはエチレンであり、Rは水素、C〜Cアルキル及びそれらの混合物であり、好ましくは水素又はメチルであり、更に好ましくは水素である。mは約1〜約10であり、nは約10〜約40である。)で表されるアルキレンオキシド付加体を有するものであり、アルキレンオキシド付加体の末端構造が、水素、C〜Cアルキル及びそれらの混合物となる重合体である。
しかしながら、これらの先行技術においては、洗剤用途で用いる場合に、高分子系ビルダーとしてより好適なものとすることにより、再汚染を充分に防止して洗浄力を向上させたり、また、その他の用途における基本性能を向上させたりするために、アルキレンオキシド付加体を有する重合体の構造について工夫の余地があった。
特公平7−116473号公報(第8〜10頁) 特表平11−508318号公報(第46〜55頁) 特表2002−518585号公報(第11〜16頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤等の用途において好適であり、洗浄力等の点で高い基本性能を発揮することができるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体、その製造方法及び用途を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、アルキレンオキシド付加体を有するポリエチレンイミンエトキシレート変性体について種々検討したところ、このような重合体においては、通常では末端構造がアルキレンオキシドの末端構造に由来して水酸基(−OH)となるが、これを他の親水性基としたり、逆に疎水性基としたりすると、従来のものとは異なる作用効果を発揮することに着目した。そして、末端構造の一部又は全部を水酸基以外の特定構造とすると、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。例えば、洗剤分野において用いる場合に、このような重合体はポリエチレンイミンに起因するカチオン性によりコットン等の布の表面に付着するものと考えられる。この場合、アルキレンオキシド付加体の立体構造に起因して泥等の汚れが布に再付着することが防止されることになるが、重合体の末端構造を特定の疎水性基とすると、泥等の汚れが親水性のものであることに起因して布に汚れが付着しにくくなり、これらの作用が相乗的に発揮されて洗浄力等の基本性能が向上することになる。更に、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を特定の化合物と反応させて上記重合体を製造すると、上記作用効果を発揮することを見いだし、また、このような重合体が洗浄用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤等の用途に好適であることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ポリアルキレンオキシドをもつアルキレンイミン単量体単位を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体であって、上記ポリアルキレンオキシドの末端構造は、下記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つを必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体である。
(1)−CO−R−COOX
(2)−CHCH(OH)−R
(3)−CHCH(OH)CH−O−R
(4)−C(O)−NH−R
式中、Rは、炭素原子数2〜8のアルキレン基、炭素原子数2〜8のアルケニレン基、炭素原子数6〜14のアリーレン基又は炭素原子数2〜8のスルホアルキレン基を表す。Rは、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基又は炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基を表す。Rは、水素原子、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Rは、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Xは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、ポリアルキレンオキシドをもつアルキレンイミン単量体単位を必須の繰り返し単位として有する共重合体である。このような共重合体は、アルキレンイミンにより構成されるポリアルキレンイミン単位が有する窒素原子にオキシアルキレン基が付加した構造を有するものである。
オキシアルキレン基は、ポリアルキレンイミン単位に対する平均付加モル数が2以上、200以下であることが好ましく、通常では、付加モル数が分布することになる。すなわちポリアルキレンイミン単位に対する付加モル数は、1又は2以上であり、平均付加モル数が2以上、200以下となることが好ましい。より好ましくは、3以上、100以下であり、更に好ましくは、4以上、80以下であり、特に好ましくは、5以上、50以下である。複数のポリアルキレンイミン単位の中には、オキシアルキレン基が付加した構造を有しないものがあってもよい。
平均付加モル数とは、ポリアルキレンイミン単位1モルあたりに付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値である。
本発明においては、上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、アルキレンイミン単量体単位が有するポリアルキレンオキシドの末端構造が上記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つを必須とすることとなる。すなわちオキシアルキレン基が付加して構成される基の末端に位置する構造の一部又は全部が上記(1)〜(4)の1種又は2種以上の基となる。
上記(1)の式において、Rにおける炭素原子数2〜8のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、ヘキサメチレン基等が好適であり、炭素原子数2〜8のアルケニレン基としては、エテニレン(ビニレン)基、プロペニレン基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基等が好適である。また、炭素原子数2〜8のスルホアルキレン基としては、スルホエチレン基、1−メチルスルホエチレン基等が好適である。
Xにおけるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属が好適であり、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属が好適である。また、有機アンモニウム基(有機アミン基)としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。
上記(2)〜(4)の式において、Rにおける炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基等が好適である。炭素原子数2〜6のスルホアルキル基としては、スルホエチル基が好適であり、炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基が好適である。
における炭素原子数2〜8のアルキル基としては、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好適であり、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、アリル基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基等が好適である。炭素原子数2〜6のスルホアルキル基としては、スルホエチル基が好適であり、炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基が好適である。
における炭素原子数2〜8のアルキル基としては、ヘキシル基等が好適であり、炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、ブテニル基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基等が好適である。また、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基としては、スルホエチル基、スルホプロピル基等が好適である。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、ポリアルキレンオキシドのすべての末端構造100モル%に対して、上記(1)〜(4)からなる群より選択される末端構造が5モル%以上、100モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、10モル%以上、99モル%以下であり、更に好ましくは、20モル%以上、98モル%以下であり、特に好ましくは、30モル%以上、97モル%以下であり、最も好ましくは、40モル%以上、95モル%以下である。5モル%未満であると、例えば、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を洗剤分野で用いる場合の洗浄力等の基本性能を充分に向上できないおそれがある。末端構造のモル%は、H−NMRや共重合体の精製後の収量により測定することができる。
本発明はまた、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を下記(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも一つの工程により反応させるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の製造方法でもある。
(1)ポリカルボン酸の分子内環状無水物と反応させる工程。
(2)アリールエポキシエタン又は炭素原子数2〜6のエポキシアルキレンと反応させる工程。
(3)グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル又はアリールグリシジルエーテルと反応させる工程。
(4)アルキルイソシアナート、アルケニルイソシアナート又はアリールイソシアナートと反応させる工程。
(5)工程(1)の後、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩と反応させる工程。
(6)工程(2)、(3)又は(4)の後、ラジカル発生源もしくは酸素の存在下、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩と反応させる工程。
本発明においては、上記(1)〜(4)の工程のうちの少なくとも一つの工程により反応させることができるが、上記(5)の工程により反応させたり、上記(6)の工程により反応させたりすることもできる。すなわち本発明の実施形態としては、上記(1)〜(4)の工程のうちの少なくとも一つの工程により反応させる形態や、上記(5)や(6)の工程のように少なくとも二つの工程により反応させる形態を挙げることができる。
上記工程においては、アルキレンオキシドに由来する水酸基(−OH)を末端に有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を上記(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも一つの工程により反応させることにより、上述した本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることが好ましい。この場合には、共重合体がポリアルキレンオキシドの末端に有する水酸基の一部又は全部を上記末端構造に変化させることになる。反応に用いる前のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を、以下、水酸基未修飾ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体ともいう。
上記(1)の工程においては、ポリカルボン酸の分子内環状無水物の1種又は2種以上を用いて反応させることができる。ポリカルボン酸の分子内環状無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、cis−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物、イタコン酸無水物等が好適である。上記(1)の工程を含む製造方法により、上記(1)の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
上記(2)の工程においては、アリールエポキシエタン及び炭素原子数2〜6のエポキシアルキレンの1種又は2種以上を用いて反応させることができる。アリールエポキシエタンとしては、スチレンオキシド等が好適である。炭素原子数2〜6のエポキシアルキレンとしては、3,4−エポキシ−1−ブテン等が好適である。上記(2)の工程を含む製造方法により、上記(2)の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
上記(3)の工程においては、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル及びアリールグリシジルエーテルの1種又は2種以上を用いて反応させることができる。アルキルグリシジルエーテルとしては、ブチルグリシジルエーテル等が好適であり、アルケニルグリシジルエーテルとしては、アリルグリシジルエーテル等が好適であり、アリールグリシジルエーテルとしては、フェニルグリシジルエーテル等が好適である。上記(3)の工程を含む製造方法により、上記(3)の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
上記(4)の工程においては、アルキルイソシアナート、アルケニルイソシアナート及びアリールイソシアナートの1種又は2種以上を用いて反応させることができる。アルキルイソシアナートとしては、ヘキシルイソシアナート等が好適であり、アリールイソシアナートとしては、フェニルイソシアナート等が好適である。上記(4)の工程を含む製造方法により、上記(4)の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
上記(5)の工程においては、上記(1)の工程で得られた、上記(1)のアルケニレン基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体に対して、亜硫酸水素塩及び亜硫酸塩の1種又は2種を用いて反応させることができる。上記(1)のアルケニレン基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体としては、無水マレイン酸とポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体との反応物が好適である。上記(5)の工程を含む製造方法により、上記(1)のスルホアルキレン基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
上記(6)の工程においては、上記(2)、(3)又は(4)の工程で得られた、上記(2)、(3)又は(4)のアルケニル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体に対して、亜硫酸水素塩及び亜硫酸塩の1種又は2種を用いて反応させることができる。上記(2)のアルケニル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体としては、3,4−エポキシ−1−ブテンとポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体との反応物が好適であり、上記(3)のアルケニル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体としては、アリルグリシジルエーテルとポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体との反応物が好適であり、上記(4)のアルケニル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体としては、アリルイソシアナートとポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体との反応物が好適である。上記(6)の工程を含む製造方法により、上記(2)、(3)又は(4)のスルホアルキル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得ることができる。
また上記(6)の工程においては、例えば、炭素原子数2〜6のエポキシアルキレン又はアルケニルグリシジルエーテルと反応させた後、亜硫酸塩と反応させる形態とすることもできることになる。
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の製造方法としては、アルキレンイミンを重合してポリアミン主鎖を有するポリアルキレンイミンを得る工程、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して、アルキレンオキシドに由来する水酸基を末端に有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得る工程、及び、該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を上記(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも一つの工程により反応させることによりポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を得る工程を含む製造方法が好ましい。
上記(1)〜(6)の工程を行う反応条件は、反応に用いる化合物、目的とする共重合体の末端構造等に応じて適宜設定すればよく、例えば、反応温度としては、0〜200℃で行うことが好ましい。より好ましくは、5℃以上、150℃以下であり、更に好ましくは、10℃以上、120℃以下であり、特に好ましくは、15℃以上、100℃以下であり、最も好ましくは、20℃以上、80℃以下である。また、反応時間としては、1〜100時間が好ましい。より好ましくは、2時間以上、50時間以下であり、更に好ましくは、3時間以上、30時間以下であり、特に好ましくは、4時間以上、25時間以下である。
上記(1)〜(6)の工程において、反応に用いるポリアルキルイミンアルキレンオキシドと、ポリアルキルイミンアルキレンオキシドと反応させる原料とのモル比としては、(ポリアルキルイミンアルキレンオキシド)/(ポリアルキルイミンアルキレンオキシドと反応させる原料)=50/1〜1/50であることが好ましい。上記モル比としては、より好ましくは、40/1〜1/40であり、更に好ましくは、30/1〜1/30であり、特に好ましくは、20/1〜1/20であり、最も好ましくは、15/1〜1/15である。
上記(1)〜(6)の工程は、空気雰囲気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。ただし、上記(6)の工程の場合は、空気雰囲気下で行うことがより好ましい。
上記(1)〜(4)の工程は、反応器にポリアルキレンイミンアルキレンオキシドを仕込んでおいて、ポリアルキルイミンアルキレンオキシドと反応させる原料を一括添加してもよいし、逐時添加してもよいが、逐時添加が好ましい。また、反応時に、溶媒を用いないことが好ましいが、溶媒を用いても反応を行うことができる。
上記(5)の工程は、例えば、反応器にアルケニレン基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を仕込んでおいて、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩を一括添加してもよいし、逐次添加してもよいが、逐次添加が好ましい。溶媒は、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の水性溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。反応溶液の25℃におけるpHは、6〜10が好ましく、より好ましくは7〜9である。反応温度としては、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜40℃である。
上記(6)の工程は、例えば、反応器にアルケニル基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を仕込んでおいて、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩を一括添加してもよいし、逐次添加してもよいが、逐次添加が好ましい。ラジカル発生源としては、過硫酸塩が好ましい。これは一括して添加してもよいし、逐次添加してもよいが、逐次添加が好ましい。酸素の場合は、空気又は酸素をバブリングしてもよいし、反応を空気雰囲気下で行うだけでもよい。溶媒は、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の水性溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。反応溶液の25℃におけるpHは、4〜10が好ましく、より好ましくは6〜10である。更に好ましくは、7〜10である。反応温度としては、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜40℃である。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の好ましい形態について説明する。
上記共重合体の好ましい形態を概念的に表すと、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 0005404518
式中、ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜6のアルキレンオキシドを表す。AIは、アルキレンイミン単量体単位を表すが、(AI)は、ポリアミン主鎖を表し、アルキレンイミン単量体単位が直鎖状、環状、分岐状又はこれらの複合状態で結合した構造となったものである。上記一般式は、一部又は全部のポリアルキレンイミン重合体がQ−(RO)x−又は−(RO)z−Qで表されるポリアルキレンオキシド単位を有することを概念的に表している。該ポリアルキレンオキシド単位の末端構造であるQ及びQは、同一若しくは異なって、水素原子及び上記(1)〜(4)の末端構造のいずれかであり、少なくとも1つは、上記(1)〜(4)の末端構造のいずれかである。x、y及びzは、同一又は異なって、2以上の整数を表す。
上記一般式(1)において、ROとしては、1種であってもよく、2種以上であってもよく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。より好ましくは、エチレンオキシドである。
上記一般式(1)で表される共重合体としては、下記一般式(2)で表される構造を有するポリアミンのアミン窒素原子に結合する水素原子をポリアルキレンオキシド単位で置換することにより得られる共重合体、すなわち一般式(2)で表される構造を有するポリアミンのアミン窒素原子にアルキレンオキシドが付加して得られる共重合体が好適である。
Figure 0005404518
式中、Rは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜6の直鎖アルキレン基、又は、炭素原子数3〜6の分岐アルキレン基を表す。Aは、分岐による別のポリアミン鎖を表す。l、m及びnは、同一又は異なって、0又は1以上の整数を表す。なお、ポリアミン中に少なくとも2以上の−N−R−単位が存在することになる。
上記一般式(2)において、Aで表される別のポリアミン鎖は、Rを介して一般式(2)で表される構造に結合することが好ましい。
上記ポリアミンは、Rにおけるアルキレン基が1種であってもよく、2種以上であってもよいが、1種であるものが好ましく、エチレン基が好ましい。なお、Rが炭素原子数3〜6の分岐アルキレン基である場合には、1,2−プロピレン基が好適である。
上記ポリアミンは、一級アミン窒素原子に由来する単位、二級アミン窒素原子に由来する単位及び三級アミン窒素原子に由来する単位からなる群より選択される少なくとも一種を有するものである。
上記一級アミン窒素原子に由来する単位は、例えば、下記式で表される。
(H−N−R)−
及び
−NH
上記二級アミン窒素原子に由来する単位は、例えば、下記式で表される。
Figure 0005404518
上記三級アミン窒素原子に由来する単位は、例えば、下記式で表される。
Figure 0005404518
上記ポリアミンにおいて、上記単位の存在形態としては特に限定されず、例えば、上記単位をランダムに有することになる。なお、上記アミン窒素原子は、四級化又は酸化されていてもよい。
ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体においては、これらのアミン窒素原子の一部又は全部において、アミン窒素原子が有する水素原子の一部又は全部がポリアルキレンオキシド単位(ポリオキシアルキレン基)に置換された形態となる。
上記ポリアルキレンオキシド単位は、下記一般式(3);
−(RO)H (3)
(式中、ROは、上述したことと同じである。aは、2以上の整数を表す。)で表されるものであることが好ましい。上記一般式(3)のポリアルキレンオキシド単位を有するポリアミン主鎖は、末端構造に水酸基を有することになる。このような水酸基未修飾ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、上記(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも一つの工程により反応させることにより、アルキレンオキシドに由来する末端の水酸基を変えることができる。
上記ポリアミン主鎖を形成することができるポリアミンとしては、ポリアルキレンアミン(PAA)、ポリアルキレンイミン(PAI)が好適である。
上記ポリアルキレンアミン(PAA)としては、ポリエチレンアミン(PEA)、テトラブチレンペンタミンが挙げられる。PEAは、アンモニア及びエチレンジクロリドを反応させ、その後、分別蒸留することにより得ることができる。このような方法により得られるPEAとしては、トリエチレンテトラミン(TETA)及びテトラエチレンペンタミン(TEPA)である。
上記ポリアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素原子数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる、これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。より好ましくは、エチレンイミンの単独重合体(ポリエチレンイミン;PEI)である。これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体においては、ポリアルキレンイミン鎖が形成されることになり、該ポリアルキレンイミン鎖は、分岐状の構造を必須とすることになる。PEIとしては、少なくとも中度の分岐を有しているもの、即ち、mとnとの比率がm/n=4/1〜1/4であるものが好ましい。より好ましくは、mとnとの比率が約3/1〜1/3であり、更に好ましくは、2/1〜1/2である。
またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等を重合して得られるものであってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に3級アミノ基の他、1級アミノ基や2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
本発明においては、ポリアミン主鎖がエチレンイミンを主体として形成されるものであることが好ましい。この場合、「主体」とは、ポリアミン主鎖が2種以上のアルキレンイミンにより形成されるときに、全アルキレンイミンのモル数において、大半を占めるものであることを意味する。
上記「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の洗浄力が低下するおそれがある。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上である。
上記ポリアミン主鎖における一級、二級及び三級アミン窒素原子に由来する単位の相対割合は、特にPEIの場合で、製法に応じて適宜選択することができる。PEIは、二酸化炭素、重亜硫酸ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸等の触媒の存在下でエチレンイミンを重合させることにより製造できる。
上記水酸基未修飾ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、上述したように、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドが付加して得られるものが好ましく、この場合、ポリアルキレンイミンの平均分子量としては、200〜20000であることが好ましい。より好ましくは、300以上、10000以下であり、更に好ましくは、400以上、5000以下であり、特に好ましくは、500以上、2000以下である。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数としては、2以上、200以下が好ましい。より好ましくは、3以上、100以下であり、更に好ましくは、4以上、80以下であり、特に好ましくは、5以上、50以下である。
上記アルキレンオキシド単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが好ましい。より好ましくは、エチレンオキシドである。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の好ましい形態を一般式で表すと、下記のようになる。
Figure 0005404518
式中、EOは、エチレンオキシドを表す。Qは、同一若しくは異なって、水素原子又は上記(1)〜(4)の末端構造を表す。aは、2以上の整数である。なお、式中の「・・・」の記号は、重合鎖が同様に続いていくことを表している。
上記一般式で表される共重合体は、PEI主鎖のアミン窒素原子にポリエチレンオキシドが付加して形成されるポリオキシエチレン基−(CHCHO)Hを複数有し、上記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つの末端構造を有する共重合体である。
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤、繊維処理剤、スケール防止剤(スケール抑制剤)、セメント添加剤、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー等に好適に用いることができる。中でも、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤に好適に用いることができる。
本発明は更に、本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体、又は、本発明の製造方法により製造されてなるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とする洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤又は分散剤でもある。
上記洗剤用ビルダーは、洗浄中の衣類等に汚れが再付着するのを防止するための作用を発揮するものである。ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が汚れの再付着を防止する場合、ポリアルキレンオキシド鎖の立体構造に起因する作用と共に、疎水性の末端構造を有するときには汚れとの親和性を低下させる作用、又は、親水性の末端構造を有するときには、汚れの分散作用が充分に発揮されるようにすることが好ましい。
上記洗剤用ビルダーは、界面活性剤との相溶性に優れ、得られる洗剤が高濃縮の液体洗剤となる点から、液体洗剤用ビルダーとして好適に用いることができる。界面活性剤との相溶性に優れることにより、液体洗剤に用いた場合の透明性が良好となり、濁りが原因として起こる液体洗剤の分離の問題を防ぐことができる。また、相溶性が優れることにより、高濃縮の液体洗剤とすることができ、液体洗剤の洗浄能力を向上することができる。
上記洗剤ビルダーは、再汚染防止能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤ビルダーとすることができる。
上記洗浄能力は、洗浄率によって判断することができる。洗浄率は、以下の方法により求めることができる。
(洗浄率)
試料として人工汚染布を用いる。人工汚染布として、Scientific Service社より入手した布(STC GC C「クレイ汚れ」、EMPA164「草汚れ」、EMPA106「カーボンブラック/鉱油汚れ)を用い、予め白色度を反射率で測定する。反射率測定には、測色色差計ND−1001DP型(日本電色工業社製)等を用いることができる。
塩化カルシウム2水和物1.47g(試料としてEMPA106を用いる場合には、0.74g)に純水を加えて10kgとし、硬水を調製する。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオシキエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとする。水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製する。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.50%(試料としてEMPA106を用いる場合には、濃度0.60%))5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布5.4gと白布5.4gあるいは人工汚染布のみ10.8gをポットに入れ、100rpmで10分間攪拌する。
人工汚染布及び白布をポットから取り出し、水分を手で絞る。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布及び白布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌する。人工汚染布及び白布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させる。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定する。
以下の方法により測定された値と下記式により洗浄率(%)を求める。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
上記洗浄率に関し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド構造を有する共重合体を含む組成物により構成される洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤又は分散剤であって、洗浄率が、EMPA164を用いた場合に7.3%以上、又は、EMPA106を用いた場合に17.4%以上であるものもまた、本発明の1つである。このようなポリアルキレンイミンアルキレンオキシド構造を有する共重合体を含む組成物、すなわち、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤又は分散剤の中でも、これら2つの特性、すなわちEMPA164を用いた場合の洗浄率、及び、EMPA106を用いた場合の洗浄率の両方を満たすものが好ましい。また、EMPA164を用いた場合の洗浄率としては、7.4%以上であることが好ましい。EMPA106を用いた場合の洗浄率としては、17.5%以上であることが好ましい。より好ましくは、17.6%以上である。なお、上記洗浄率の測定に用いる人工汚染布EMPA164及び106とは、布に一定の汚れを付着させた汚れ試験用の標準試料であり、EMPA164は、綿の白布(EMPA221)に草の汚れを付着させたものであり、EMPA106は、綿の白布(EMPA221)にカーボンブラックと鉱油の汚れを付着させたものである。
上記洗剤ビルダーにおけるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体以外の他の組成成分や配合比率としては、従来公知の洗剤ビルダーに用いることができる各種成分、及び、その配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
上記洗剤は、粉末洗剤であってもよいし、液体洗剤であってもよいが、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が液体洗剤との溶解性に優れる点から、液体洗剤が好ましい。上記洗剤には、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体以外に、通常、洗剤に用いられる添加剤を用いることができる。上記添加剤としては、例えば、界面活性剤、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗剤に用いる場合、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、洗剤100質量%に対して0.1〜20質量%添加することが好ましい。0.1質量%未満であると、洗剤の洗浄力が不充分になるおそれがあり、20質量%を超えると、不経済になるおそれがある。
上記洗剤におけるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の配合形態は、液状、固形状等のいずれであってもよく、洗剤の販売時の形態(例えば、液状物又は固形物)に応じて決定することができる。重合後の水溶液の形態で配合してもよいし、水溶液の水分をある程度減少させて濃縮した状態で配合してもよいし、乾燥固化した状態で配合してもよい。
なお、上記洗剤は、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含む。
上記界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種であり、これらの界面活性剤は1種又は2種以上を使用することができる。2種以上使用する場合、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを合わせた使用量は、全界面活性剤100質量%に対して50質量%以上が好ましい。より好ましくは、60質量%以上であり、更に好ましくは、70質量%以上であり、特に好ましくは、80質量%以上である。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。
上記アニオン系界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。上記ノニオン系界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。
上記両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。
上記カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、液体洗剤100質量%に対して10〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは、15質量%以上、50質量%以下であり、更に好ましくは、20質量%以上、45質量%以下であり、特に好ましくは、25質量%以上、40質量%以下である。界面活性剤の配合割合が10質量%未満であると、充分な洗浄力を発揮できなくなるおそれがあり、60質量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。
上記液体洗剤用ビルダーの配合割合は、通常、液体洗剤100質量%に対して0.1〜20質量%が好ましい。より好ましくは、0.2質量%以上、15質量%以下であり、より好ましくは、0.3質量%以上、10質量%以下であり、更に好ましくは、0.4質量%以上、8質量%以下であり、特に好ましくは、0.5質量%以上、5質量%以下である。液体洗剤用ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがあり、20質量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。
上記液体洗剤に含まれる水分量は、通常、液体洗剤100質量%に対して0.1〜75質量%が好ましい。より好ましくは、0.2質量%以上、70質量%以下であり、更に好ましくは、0.5質量%以上、65質量%以下であり、特に好ましくは、0.7質量%以上、60質量%以下であり、より特に好ましくは、1質量%以上、55質量%以下であり、最も好ましくは、1.5質量%以上、50質量%以下である。
上記液体洗剤は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましい。より好ましくは、150mg/L以下であり、更に好ましくは、120mg/L以下であり、特に好ましくは、100mg/L以下であり、最も好ましくは、50mg/L以下である。
また、本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を液体洗剤に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、500mg/L以下が好ましい。より好ましくは、400mg/L以下であり、更に好ましくは、300mg/L以下であり、特に好ましくは、200mg/L以下であり、最も好ましくは、100mg/L以下である。カオリン濁度は、例えば、下記の方法により測定することができる。
(カオリン濁度の測定方法)
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTurbidity(カオリン濁度 :mg/L)を測定する。
本発明の洗剤に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗剤100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が好適である。上記キレートビルダーとしては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、クエン酸等が好適である。水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを用いてもよい。
上記洗剤は、分散能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤とすることができる。
上記水処理剤は、例えば、冷却水系、ボイラー水系等の水系に添加されることになる。この場合、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体をそのまま添加してもよく、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体以外のその他の成分を含むものを添加してもよい。
上記水処理剤におけるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体以外の他の組成成分や配合比率としては、従来公知の水処理剤に用いることができる各種成分、及び、その配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
上記分散剤は、水系の分散剤であればよく、例えば、顔料分散剤、セメント分散剤、炭酸カルシウムの分散剤、カオリンの分散剤等が好適である。
上記分散剤は、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が本来有する極めて優れた分散能を発現することができる。また、長期間保存しても性能低下や低温保持時の不純物析出なども生じることのない極めて高品質高性能で安定性に優れた分散剤とすることができる。
上記分散剤におけるポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体以外の他の組成成分や配合比率としては、従来公知の分散剤に用いることができる各種成分、及び、その配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、このように、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤又は分散剤の用途において好適なものであるが、その他の用途においても、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が用いられる用途において、該共重合体が発揮する各種の特性を向上して好適に用いることができるものである。
本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、上述の構成よりなり、アルキレンオキシドの末端構造を他の親水性基及び/又は疎水性基とすることにより、洗浄力等の点で高い基本性能を発揮することができるものである。このようなポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤等の用途において好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、「%」は「質量%」を示す。
実施例及び比較例における洗浄率の測定方法を以下に示す。
(洗浄率(1)親水汚れ)
人工汚染布として、Scientific Service社より入手した布(STC GC C「クレイ汚れ」を4.5cm×7.0cmに裁断したもの、EMPA164「草汚れ」を5.0cm×5.0cmに裁断したもの)を用いた。人工汚染布は、予め測色色差計SE2000(日本電色工業社製)を用いて、白色度を反射率で測定した。
塩化カルシウム2水和物1.47gに純水を加えて10kgとし、硬水を調製した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとした。水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製した。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.55%)5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布(STC GC C布:10枚、EMPA布:5枚)をポットに入れ、100rpmで10分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、人工汚染布の水分を手で絞った。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定した。
以上の方法により測定された値と下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
(洗浄率(2)疎水汚れ)
人工汚染布として、EMPA106(「カーボンブラック/鉱油汚れ」を5.0cm×5.0cmに裁断したもの)を用いた。白布として、JIS L0803綿布を5.0cm×5.0cmに裁断したものを用いた。人工汚染布は、予め測色色差計SE2000(日本電色工業社製)を用いて、白色度を反射率で測定した。
塩化カルシウム2水和物0.74gに純水を加えて10kgとし、硬水を調製した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオシキエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとした。水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製した。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.60%)5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布7枚、白布7枚をポットに入れ、100rpmで10分間攪拌した。
人工汚染布及び白布をポットから取り出し、水分を手で絞った。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布及び白布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。人工汚染布及び白布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定した。
以下の方法により測定された値と下記式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
重合体(1)
重合体(1)として、ポリエチレンイミン(PEI)(平均分子量600、日本触媒社製)に、窒素原子1モル当り20モルに相当するエチレンオキシドをエトキシ化して得られたポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体を用いた。
実施例1
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状の無水マレイン酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して6時間反応させ、水溶性重合体(1)を得た。水溶性重合体(1)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(1)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
透析前後の乾燥サンプルの重量変化は、未反応の無水マレイン酸によるものと考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、86%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したマレイン酸の二重結合由来のシグナルが5.90ppm、6.48ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(1)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がマレイン酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(1)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
実施例2
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応容器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら粉末状の無水こはく酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(2)を得た。水溶性重合体(2)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(2)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の無水こはく酸の重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、81%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したこはく酸のエチレン由来のシグナルが2.42ppm、2.48ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(2)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がこはく酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(2)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
実施例3
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状の無水フタル酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(3)を得た。水溶性重合体(3)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(3)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の無水フタル酸の重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、84%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したフタル酸の芳香環由来のシグナルが7.38ppm、7.45ppm、7.68ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(3)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がフタル酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(3)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
実施例4
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらアリルグリシジルエーテル2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(4)を得た。水溶性重合体(4)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(4)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のアリルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、90%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合由来のシグナルが5.20ppm、5.80ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(4)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(4)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
実施例5
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらアリルグリシジルエーテル1.25gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(5)を得た。水溶性重合体(5)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(5)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のアリルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、96%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合由来のシグナルが5.20ppm、5.80ppm付近に検出された。
以上の結果により、水溶性重合体(5)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
実施例6
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらフェニルグリシジルエーテル2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(6)を得た。水溶性重合体(6)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(6)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のフェニルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、93%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したフェニルグリシジルエーテルの芳香環由来のシグナルが6.88ppm、7.22ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(6)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にフェニルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(6)の洗浄力を測定した。結果を表1及び表2に示した。
実施例7
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらフェニルグリシジルエーテル1.25gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(7)を得た。水溶性重合体(7)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(7)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のフェニルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、97%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したフェニルグリシジルエーテルの芳香環由来のシグナルが6.88ppm、7.22ppm付近に検出された。
以上の結果により、水溶性重合体(7)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にフェニルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(7)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
実施例8
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例4において合成した水溶性重合体(4)を22g、純水を35.7g仕込み、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム1.8gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密閉せずに開放した状態で、室温で5時間反応させ、水溶性重合体(8)を得た。水溶性重合体(8)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(8)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエバポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエバポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとアリルグリシジルエーテル、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、90%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.85ppm、2.78ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(8)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加し、更にその二重結合部にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(8)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
実施例9
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例5において合成した水溶性重合体(5)を21g、純水を32.8g仕込み、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム0.9gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密閉せずに開放した状態で、室温で5時間反応させ、水溶性重合体(9)を得た。水溶性重合体(9)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(9)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとアリルグリシジルエーテル、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、93%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.85ppm、2.78ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(9)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加し、更にその二重結合部にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
実施例10
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例1において合成した水溶性重合体(1)を22g、純水を36.9g仕込み、攪拌しながら、亜硫酸ナトリウム2.6gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、室温で1時間反応させ、水溶性重合体(10)を得た。水溶性重合体(10)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(10)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸ナトリウムとマレイン酸、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、89%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したマレイン酸の二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが2.88ppm、3.85ppm、4.15ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(10)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がマレイン酸によってエステル化され、更にその二重結合にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(10)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
実施例11
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状のcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下80℃に昇温して3時間反応させ、水溶性重合体(11)を得た。水溶性重合体(11)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(11)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
透析前後の乾燥サンプルの重量変化は、未反応のcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物によるものと考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、96%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸の由来のシグナルが2.26ppm、2.90ppm、5.58ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(11)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
実施例12
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に水溶性重合体(11)を22g、純水を35.1g仕込み、攪拌しながら、亜硫酸水素ナトリウム1.4gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密封せずに開放した状態で、室温で8時間反応させ、水溶性重合体(12)を得た。水溶性重合体(12)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(12)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、92%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをDOに溶解させ、H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸の二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.35ppm、1.68ppm、3.20ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(12)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸によってエステル化され、更にその二重結合にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(12)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
Figure 0005404518
Figure 0005404518
なお、表1は、洗浄率(1)親水汚れについて、表2は、洗浄率(2)疎水汚れについての結果を表す。また、表1及び表2において、「重合体1」とは、重合体(1)を用いて洗浄力を測定した結果を表す。「ブランク」とは、洗浄率の測定方法において、重合体水溶液の代わりに硬水を添加した以外は同様にして測定を行った結果を表す。
表1及び表2の結果より、実施例1、2、3、4、6、7、8、10及び12のポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体は、末端構造が変化していない重合体(1)に比べて、洗浄率が向上していた。

Claims (8)

  1. ポリアルキレンオキシドをもつアルキレンイミン単量体単位を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体であって、
    該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、ポリアルキレンイミン単位に対するオキシアルキレン基の平均付加モル数が5以上、50以下であり、アルキレンオキシド単位として、エチレンオキシド単位を有し、
    該ポリアルキレンオキシドの末端構造は、下記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つを必須とし、
    該ポリアルキレンオキシドの末端構造100モル%に対する下記(1)〜(4)からなる群より選択される末端構造の割合が20モル%以上、98モル%以下である
    ことを特徴とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
    (1)−CO−R−COOX
    (2)−CHCH(OH)−R
    (3)−CHCH(OH)CH−O−R
    (4)−C(O)−NH−R
    式中、Rは、炭素原子数2〜8のアルキレン基、炭素原子数2〜8のアルケニレン基、炭素原子数6〜14のアリーレン基又は炭素原子数2〜8のスルホアルキレン基を表す。Rは、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基又は炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基を表す。Rは、水素原子、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Rは、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Xは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。
  2. 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、下記一般式(2)
    Figure 0005404518
    (式中、Rは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜6の直鎖アルキレン基、又は、炭素原子数3〜6の分岐アルキレン基を表す。Aは、分岐による別のポリアミン鎖を表す。l、m及びnは、同一又は異なって、0又は1以上の整数を表す。なお、ポリアミン中に少なくとも2以上の−N−R−単位が存在することになる。)で表される構造を有するポリアミンのアミン窒素原子にアルキレンオキシドが付加して得られる共重合体であって、上記一般式(2)において、m/n=4/1〜1/4であることを特徴とする請求項1に記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
  3. 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、全アルキレンイミン100モル%中、エチレンイミンが50〜100モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
  4. 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、平均分子量が200〜20000のポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドが付加して得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする洗剤用ビルダー。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする洗剤。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする水処理剤。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする分散剤。
JP2010101252A 2003-09-24 2010-04-26 ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体 Active JP5404518B2 (ja)

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