JP5404518B2 - ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体 - Google Patents
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Description
(1)−CO−R2−COOX
(2)−CH2CH(OH)−R3
(3)−CH2CH(OH)CH2−O−R4
(4)−C(O)−NH−R5
式中、R2は、炭素原子数2〜8のアルキレン基、炭素原子数2〜8のアルケニレン基、炭素原子数6〜14のアリーレン基又は炭素原子数2〜8のスルホアルキレン基を表す。R3は、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基又は炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。R5は、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Xは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。
以下に本発明を詳述する。
オキシアルキレン基は、ポリアルキレンイミン単位に対する平均付加モル数が2以上、200以下であることが好ましく、通常では、付加モル数が分布することになる。すなわちポリアルキレンイミン単位に対する付加モル数は、1又は2以上であり、平均付加モル数が2以上、200以下となることが好ましい。より好ましくは、3以上、100以下であり、更に好ましくは、4以上、80以下であり、特に好ましくは、5以上、50以下である。複数のポリアルキレンイミン単位の中には、オキシアルキレン基が付加した構造を有しないものがあってもよい。
平均付加モル数とは、ポリアルキレンイミン単位1モルあたりに付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値である。
Xにおけるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属が好適であり、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属が好適である。また、有機アンモニウム基(有機アミン基)としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。
R4における炭素原子数2〜8のアルキル基としては、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好適であり、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、アリル基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基等が好適である。炭素原子数2〜6のスルホアルキル基としては、スルホエチル基が好適であり、炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基が好適である。
R5における炭素原子数2〜8のアルキル基としては、ヘキシル基等が好適であり、炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、ブテニル基等が好適であり、炭素原子数6〜14のアリール基としては、フェニル基、トルイル基等が好適である。また、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基としては、スルホエチル基、スルホプロピル基等が好適である。
(1)ポリカルボン酸の分子内環状無水物と反応させる工程。
(2)アリールエポキシエタン又は炭素原子数2〜6のエポキシアルキレンと反応させる工程。
(3)グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル又はアリールグリシジルエーテルと反応させる工程。
(4)アルキルイソシアナート、アルケニルイソシアナート又はアリールイソシアナートと反応させる工程。
(5)工程(1)の後、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩と反応させる工程。
(6)工程(2)、(3)又は(4)の後、ラジカル発生源もしくは酸素の存在下、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩と反応させる工程。
本発明においては、上記(1)〜(4)の工程のうちの少なくとも一つの工程により反応させることができるが、上記(5)の工程により反応させたり、上記(6)の工程により反応させたりすることもできる。すなわち本発明の実施形態としては、上記(1)〜(4)の工程のうちの少なくとも一つの工程により反応させる形態や、上記(5)や(6)の工程のように少なくとも二つの工程により反応させる形態を挙げることができる。
また上記(6)の工程においては、例えば、炭素原子数2〜6のエポキシアルキレン又はアルケニルグリシジルエーテルと反応させた後、亜硫酸塩と反応させる形態とすることもできることになる。
上記(1)〜(6)の工程を行う反応条件は、反応に用いる化合物、目的とする共重合体の末端構造等に応じて適宜設定すればよく、例えば、反応温度としては、0〜200℃で行うことが好ましい。より好ましくは、5℃以上、150℃以下であり、更に好ましくは、10℃以上、120℃以下であり、特に好ましくは、15℃以上、100℃以下であり、最も好ましくは、20℃以上、80℃以下である。また、反応時間としては、1〜100時間が好ましい。より好ましくは、2時間以上、50時間以下であり、更に好ましくは、3時間以上、30時間以下であり、特に好ましくは、4時間以上、25時間以下である。
上記(1)〜(4)の工程は、反応器にポリアルキレンイミンアルキレンオキシドを仕込んでおいて、ポリアルキルイミンアルキレンオキシドと反応させる原料を一括添加してもよいし、逐時添加してもよいが、逐時添加が好ましい。また、反応時に、溶媒を用いないことが好ましいが、溶媒を用いても反応を行うことができる。
上記(5)の工程は、例えば、反応器にアルケニレン基の末端構造を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を仕込んでおいて、亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸塩を一括添加してもよいし、逐次添加してもよいが、逐次添加が好ましい。溶媒は、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の水性溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。反応溶液の25℃におけるpHは、6〜10が好ましく、より好ましくは7〜9である。反応温度としては、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜40℃である。
上記共重合体の好ましい形態を概念的に表すと、下記一般式(1)で表すことができる。
上記一般式(1)において、R1Oとしては、1種であってもよく、2種以上であってもよく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。より好ましくは、エチレンオキシドである。
上記一般式(2)において、Aで表される別のポリアミン鎖は、R6を介して一般式(2)で表される構造に結合することが好ましい。
上記ポリアミンは、R6におけるアルキレン基が1種であってもよく、2種以上であってもよいが、1種であるものが好ましく、エチレン基が好ましい。なお、R6が炭素原子数3〜6の分岐アルキレン基である場合には、1,2−プロピレン基が好適である。
上記一級アミン窒素原子に由来する単位は、例えば、下記式で表される。
(H2−N−R6)−
及び
−NH2
上記二級アミン窒素原子に由来する単位は、例えば、下記式で表される。
ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体においては、これらのアミン窒素原子の一部又は全部において、アミン窒素原子が有する水素原子の一部又は全部がポリアルキレンオキシド単位(ポリオキシアルキレン基)に置換された形態となる。
−(R1O)aH (3)
(式中、R1Oは、上述したことと同じである。aは、2以上の整数を表す。)で表されるものであることが好ましい。上記一般式(3)のポリアルキレンオキシド単位を有するポリアミン主鎖は、末端構造に水酸基を有することになる。このような水酸基未修飾ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、上記(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも一つの工程により反応させることにより、アルキレンオキシドに由来する末端の水酸基を変えることができる。
上記ポリアルキレンアミン(PAA)としては、ポリエチレンアミン(PEA)、テトラブチレンペンタミンが挙げられる。PEAは、アンモニア及びエチレンジクロリドを反応させ、その後、分別蒸留することにより得ることができる。このような方法により得られるPEAとしては、トリエチレンテトラミン(TETA)及びテトラエチレンペンタミン(TEPA)である。
またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等を重合して得られるものであってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に3級アミノ基の他、1級アミノ基や2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
上記「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体の洗浄力が低下するおそれがある。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上である。
上記アルキレンオキシド単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが好ましい。より好ましくは、エチレンオキシドである。
上記一般式で表される共重合体は、PEI主鎖のアミン窒素原子にポリエチレンオキシドが付加して形成されるポリオキシエチレン基−(CH2CH2O)aHを複数有し、上記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つの末端構造を有する共重合体である。
上記洗剤用ビルダーは、洗浄中の衣類等に汚れが再付着するのを防止するための作用を発揮するものである。ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が汚れの再付着を防止する場合、ポリアルキレンオキシド鎖の立体構造に起因する作用と共に、疎水性の末端構造を有するときには汚れとの親和性を低下させる作用、又は、親水性の末端構造を有するときには、汚れの分散作用が充分に発揮されるようにすることが好ましい。
上記洗剤用ビルダーは、界面活性剤との相溶性に優れ、得られる洗剤が高濃縮の液体洗剤となる点から、液体洗剤用ビルダーとして好適に用いることができる。界面活性剤との相溶性に優れることにより、液体洗剤に用いた場合の透明性が良好となり、濁りが原因として起こる液体洗剤の分離の問題を防ぐことができる。また、相溶性が優れることにより、高濃縮の液体洗剤とすることができ、液体洗剤の洗浄能力を向上することができる。
上記洗剤ビルダーは、再汚染防止能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤ビルダーとすることができる。
(洗浄率)
試料として人工汚染布を用いる。人工汚染布として、Scientific Service社より入手した布(STC GC C「クレイ汚れ」、EMPA164「草汚れ」、EMPA106「カーボンブラック/鉱油汚れ)を用い、予め白色度を反射率で測定する。反射率測定には、測色色差計ND−1001DP型(日本電色工業社製)等を用いることができる。
塩化カルシウム2水和物1.47g(試料としてEMPA106を用いる場合には、0.74g)に純水を加えて10kgとし、硬水を調製する。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオシキエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとする。水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製する。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.50%(試料としてEMPA106を用いる場合には、濃度0.60%))5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布5.4gと白布5.4gあるいは人工汚染布のみ10.8gをポットに入れ、100rpmで10分間攪拌する。
人工汚染布及び白布をポットから取り出し、水分を手で絞る。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布及び白布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌する。人工汚染布及び白布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させる。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定する。
以下の方法により測定された値と下記式により洗浄率(%)を求める。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
上記洗剤に用いる場合、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、洗剤100質量%に対して0.1〜20質量%添加することが好ましい。0.1質量%未満であると、洗剤の洗浄力が不充分になるおそれがあり、20質量%を超えると、不経済になるおそれがある。
なお、上記洗剤は、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含む。
上記アニオン系界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。
上記両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。
上記カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記液体洗剤用ビルダーの配合割合は、通常、液体洗剤100質量%に対して0.1〜20質量%が好ましい。より好ましくは、0.2質量%以上、15質量%以下であり、より好ましくは、0.3質量%以上、10質量%以下であり、更に好ましくは、0.4質量%以上、8質量%以下であり、特に好ましくは、0.5質量%以上、5質量%以下である。液体洗剤用ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがあり、20質量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。
また、本発明のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を液体洗剤に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、500mg/L以下が好ましい。より好ましくは、400mg/L以下であり、更に好ましくは、300mg/L以下であり、特に好ましくは、200mg/L以下であり、最も好ましくは、100mg/L以下である。カオリン濁度は、例えば、下記の方法により測定することができる。
(カオリン濁度の測定方法)
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTurbidity(カオリン濁度 :mg/L)を測定する。
上記酵素の添加量は、洗剤100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記分散剤は、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体が本来有する極めて優れた分散能を発現することができる。また、長期間保存しても性能低下や低温保持時の不純物析出なども生じることのない極めて高品質高性能で安定性に優れた分散剤とすることができる。
実施例及び比較例における洗浄率の測定方法を以下に示す。
(洗浄率(1)親水汚れ)
人工汚染布として、Scientific Service社より入手した布(STC GC C「クレイ汚れ」を4.5cm×7.0cmに裁断したもの、EMPA164「草汚れ」を5.0cm×5.0cmに裁断したもの)を用いた。人工汚染布は、予め測色色差計SE2000(日本電色工業社製)を用いて、白色度を反射率で測定した。
塩化カルシウム2水和物1.47gに純水を加えて10kgとし、硬水を調製した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとした。水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製した。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.55%)5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布(STC GC C布:10枚、EMPA布:5枚)をポットに入れ、100rpmで10分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、人工汚染布の水分を手で絞った。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定した。
以上の方法により測定された値と下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
人工汚染布として、EMPA106(「カーボンブラック/鉱油汚れ」を5.0cm×5.0cmに裁断したもの)を用いた。白布として、JIS L0803綿布を5.0cm×5.0cmに裁断したものを用いた。人工汚染布は、予め測色色差計SE2000(日本電色工業社製)を用いて、白色度を反射率で測定した。
塩化カルシウム2水和物0.74gに純水を加えて10kgとし、硬水を調製した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオシキエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとした。水酸化ナトリウム水溶液でpH8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製した。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、重合体水溶液(濃度0.60%)5mL、界面活性剤水溶液10mL、人工汚染布7枚、白布7枚をポットに入れ、100rpmで10分間攪拌した。
人工汚染布及び白布をポットから取り出し、水分を手で絞った。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布及び白布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。人工汚染布及び白布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定した。
以下の方法により測定された値と下記式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
重合体(1)として、ポリエチレンイミン(PEI)(平均分子量600、日本触媒社製)に、窒素原子1モル当り20モルに相当するエチレンオキシドをエトキシ化して得られたポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体を用いた。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状の無水マレイン酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して6時間反応させ、水溶性重合体(1)を得た。水溶性重合体(1)の生成は以下のようにして確認した。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
透析前後の乾燥サンプルの重量変化は、未反応の無水マレイン酸によるものと考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、86%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したマレイン酸の二重結合由来のシグナルが5.90ppm、6.48ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(1)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がマレイン酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(1)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応容器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら粉末状の無水こはく酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(2)を得た。水溶性重合体(2)の生成は以下のようにして確認した。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の無水こはく酸の重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、81%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したこはく酸のエチレン由来のシグナルが2.42ppm、2.48ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(2)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がこはく酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(2)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状の無水フタル酸2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(3)を得た。水溶性重合体(3)の生成は以下のようにして確認した。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の無水フタル酸の重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、84%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したフタル酸の芳香環由来のシグナルが7.38ppm、7.45ppm、7.68ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(3)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がフタル酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
水溶性重合体(3)の洗浄力を測定した。結果を表1に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらアリルグリシジルエーテル2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(4)を得た。水溶性重合体(4)の生成は以下のようにして確認した。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のアリルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、90%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合由来のシグナルが5.20ppm、5.80ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(4)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(4)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらアリルグリシジルエーテル1.25gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(5)を得た。水溶性重合体(5)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(5)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のアリルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、96%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合由来のシグナルが5.20ppm、5.80ppm付近に検出された。
以上の結果により、水溶性重合体(5)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらフェニルグリシジルエーテル2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(6)を得た。水溶性重合体(6)の生成は以下のようにして確認した。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のフェニルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、93%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したフェニルグリシジルエーテルの芳香環由来のシグナルが6.88ppm、7.22ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(6)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にフェニルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(6)の洗浄力を測定した。結果を表1及び表2に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながらフェニルグリシジルエーテル1.25gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して24時間反応させ、水溶性重合体(7)を得た。水溶性重合体(7)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(7)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応のフェニルグリシジルエーテルの重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、97%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したフェニルグリシジルエーテルの芳香環由来のシグナルが6.88ppm、7.22ppm付近に検出された。
以上の結果により、水溶性重合体(7)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にフェニルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加した共重合体であると確認された。
水溶性重合体(7)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例4において合成した水溶性重合体(4)を22g、純水を35.7g仕込み、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム1.8gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密閉せずに開放した状態で、室温で5時間反応させ、水溶性重合体(8)を得た。水溶性重合体(8)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(8)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエバポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエバポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとアリルグリシジルエーテル、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、90%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.85ppm、2.78ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(8)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加し、更にその二重結合部にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(8)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例5において合成した水溶性重合体(5)を21g、純水を32.8g仕込み、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム0.9gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密閉せずに開放した状態で、室温で5時間反応させ、水溶性重合体(9)を得た。水溶性重合体(9)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(9)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として、透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとアリルグリシジルエーテル、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、93%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、エポキシ環で付加したアリルグリシジルエーテルの二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.85ppm、2.78ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(9)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体にアリルグリシジルエーテルのエポキシ環が付加し、更にその二重結合部にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に実施例1において合成した水溶性重合体(1)を22g、純水を36.9g仕込み、攪拌しながら、亜硫酸ナトリウム2.6gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、室温で1時間反応させ、水溶性重合体(10)を得た。水溶性重合体(10)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(10)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸ナトリウムとマレイン酸、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、89%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したマレイン酸の二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが2.88ppm、3.85ppm、4.15ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(10)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がマレイン酸によってエステル化され、更にその二重結合にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(10)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に重合体(1)を25g仕込み、攪拌しながら、粉末状のcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物2.5gを加えた。この重合体混合物を攪拌下80℃に昇温して3時間反応させ、水溶性重合体(11)を得た。水溶性重合体(11)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(11)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を50g程度調製し、そのうち20gを長さ40cmの透析膜中に入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
透析前後の乾燥サンプルの重量変化は、未反応のcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物によるものと考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、96%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸の由来のシグナルが2.26ppm、2.90ppm、5.58ppm付近に検出された。
以上の結果より、水溶性重合体(11)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸によってエステル化された共重合体であると確認された。
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に水溶性重合体(11)を22g、純水を35.1g仕込み、攪拌しながら、亜硫酸水素ナトリウム1.4gを加えた。この重合体水溶液を攪拌下、反応器を密封せずに開放した状態で、室温で8時間反応させ、水溶性重合体(12)を得た。水溶性重合体(12)の生成は以下のようにして確認した。
得られた水溶性重合体(12)について、適量の水を加えて、濃度30質量%の重合体水溶液を調製し、これを長さ40cmの透析膜中に20g入れ、密閉した。透析膜には、Spectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC社製)を用いた。(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)
これを2リットルのビーカーに入った2000gの水に浸し、スターラーで攪拌した。3時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。取り出した中身をエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、完全に乾燥させた。
また、比較として透析前の30質量%の重合体水溶液20gをエヴァポレータで濃縮した後、減圧にしたデシケータ内で12時間静置して、乾燥させた。
仕込みの重合体の重量に対する透析後の重量減少は、未反応の亜硫酸水素ナトリウムとcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸、或いは、これらの物質に由来する低分子量化合物の総重量と考えられるので、この値から反応生成物の収率を計算したところ、92%であった。
また、透析後の乾燥サンプルをD2Oに溶解させ、1H−NMRスペクトルを測定したところ、ハーフエステル化したcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸の二重結合がスルホン化された構造由来のシグナルが1.35ppm、1.68ppm、3.20ppm付近に検出された。
また、透析前後のサンプルの硫黄分を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって比較したところ、90%の硫黄分が透析後のサンプルに含まれていた。
以上の結果により、水溶性重合体(12)はポリエチレンイミンエチレンオキシド共重合体がcis−Δ4−テトラヒドロフタル酸によってエステル化され、更にその二重結合にスルホン酸基が付加した構造であると確認された。
水溶性重合体(12)の洗浄力を測定した。結果を表2に示した。
Claims (8)
- ポリアルキレンオキシドをもつアルキレンイミン単量体単位を有するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体であって、
該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、ポリアルキレンイミン単位に対するオキシアルキレン基の平均付加モル数が5以上、50以下であり、アルキレンオキシド単位として、エチレンオキシド単位を有し、
該ポリアルキレンオキシドの末端構造は、下記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一つを必須とし、
該ポリアルキレンオキシドの末端構造100モル%に対する下記(1)〜(4)からなる群より選択される末端構造の割合が20モル%以上、98モル%以下である
ことを特徴とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
(1)−CO−R2−COOX
(2)−CH2CH(OH)−R3
(3)−CH2CH(OH)CH2−O−R4
(4)−C(O)−NH−R5
式中、R2は、炭素原子数2〜8のアルキレン基、炭素原子数2〜8のアルケニレン基、炭素原子数6〜14のアリーレン基又は炭素原子数2〜8のスルホアルキレン基を表す。R3は、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数2〜6のスルホアルキル基又は炭素原子数2〜6のヒドロキシアルキル基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。R5は、炭素原子数2〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数2〜6のスルホアルキル基を表す。Xは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。 - 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、下記一般式(2)
- 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、全アルキレンイミン100モル%中、エチレンイミンが50〜100モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
- 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体は、平均分子量が200〜20000のポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドが付加して得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする洗剤用ビルダー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする洗剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする水処理剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド共重合体を必須成分とすることを特徴とする分散剤。
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