以下添付図面に従って本発明に係る電子カメラの好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。同図に示したカメラ10は、被写体の光学像をデジタル画像データに変換して記録媒体に記録するデジタルカメラであり、静止画の記録再生機能及び音声付き動画の記録再生機能を具備している。
カメラ10全体の動作は、カメラ内蔵の中央処理装置(CPU)12によって統括制御される。 CPU12は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算など各種演算を実施する演算手段として機能する。
CPU12はバス14を介してメモリ制御回路16と接続されており、該メモリ制御回路16はバス18を介してROM20及びメモリ(SDRAM)22と接続されている。ROM20にはCPU12が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。メモリ22はプログラムの展開領域及びCPU12の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。なお、不揮発性記憶手段であるROM20は書き換え不能なものであってもよいし、EEPROMのように書き換え可能なものでもよい。
カメラ10にはユーザが各種の指令を入力するための操作手段30が設けられている。操作手段30は、画質モード設定操作部31、記録画素数設定操作部32、動画/静止画モード選択操作部33、シャッターボタン34、連写モード設定操作部35などの各種操作部を含む。
画質モード設定操作部31は、撮影した画像データの記録画質(ここでは、圧縮率)を設定するための操作手段である。本例のカメラ10では、撮影の目的に合わせて、高画質(低圧縮率) の「FINE」, 標準画質の「NORMAL」 ,高圧縮率の「BASIC 」という三種類の画質(記録圧縮率)を選択することができる。
記録画素数設定操作部32は、撮影した画像データの記録画素数(画像サイズ)を設定するための操作手段である。本例のカメラ10では、2832×2128(6M)、2048×1536(3M)、1280× 960(1M)、640 × 480(VGA)の何れかの記録画素数を選択できる。記録画質と記録画素数との組合せによって撮影画像のデータ量(ファイルサイズ)が変化する。
動画/静止画モード選択操作部33は、動画の記録を行う「動画モード」と静止画の記録を行う「静止画モード」とを切り換えるための操作手段である。シャッターボタン34は、撮影開始の指示を入力する操作手段であり、動画撮影においては録画開始(スタート)/停止(ストップ)ボタンとして機能し、静止画撮影においてはレリーズボタンとして機能する。シャッターボタン34は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
連写モード設定操作部35は、1回のシャッターボタン34の押下操作によって静止画の連続撮影(連写)を実行する連写モードと、1回のシャッターボタン34の押下操作によって1回の静止画撮影を実行する通常のモード(単写モード)とを切り換えるための操作手段である。
また、図には示されていないが、操作手段30には、撮影モードと再生モードとを切り換えるためのモード選択手段、撮影倍率や再生倍率を変更するズーム操作手段、液晶モニタ40にメニュー画面を表示させるメニューボタン、メニュー画面から所望の項目を選択する十字キー(カーソル移動操作手段)、選択項目の確定や処理の実行を指令するOKボタン、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の操作状態に戻らせる指令を入力するキャンセルボタンなどの操作手段も含まれる。なお、操作手段30の中には、プッシュ式のスイッチ部材、ダイヤル部材、レバースイッチなどの構成によるものに限らず、メニュー画面から所望の項目を選択するようなユーザインターフェースによって実現されるものも含まれている。
操作手段30からの操作信号はCPU12に入力される。CPU12は操作手段30からの入力信号に基づいてカメラ10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、液晶モニタ40の表示制御などを行う。
液晶モニタ40は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、液晶モニタ40は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。なお、液晶ディスプレイに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いることも可能である。
カメラ10は、2つのメディアソケット(メディア装着部)42、44を有し、それぞれのメディアソケット42、44に異種の記録媒体46、48を装着することができる。記録媒体46、48の形態は特に限定されず、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、マイクロドライブ(商標)に代表される可搬型の小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど種々の媒体を用いることができる。本発明の実施に際しては、メディアソケットの個数は特に限定されない。また、画像データを記録する手段はリムーバブルメディア(カメラ10に対して着脱自在な構造の可搬型記録媒体)に限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
本例では、第1のメディアソケット42に装着される記録媒体46として半導体メモリカードを用い、第2のメディアソケット44に装着される記録媒体48として可搬型の小型ハードディスクを用いるものとする。半導体メモリカードは小型ハードディスクと比較すると記録容量は少ないが、記録速度が速いという特徴がある。一方、可搬型の小型ハードディスクは記録容量が大きい反面、記録速度は遅い。
このような記録媒体46、48の特性を生かすように、本カメラ10においては、記録に用いる記録媒体46又は48を自動的に選択する機能を備えている。カメラ10のメディア選択機能については後述する。
2つのメディアソケット42、44はバス50を介してメディアインターフェース(I/F)回路52に接続されている。メディアI/F回路52は、バス14経由でCPU12と接続されており、CPU12の指令に従い記録媒体46、48の読み書きに適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
各メディアソケット42、44は、記録媒体46、48の装着の有無を検出するためのメディア検知端子(不図示)を有しており、記録媒体46、48の装着状態/未装着状態を示す検知信号はメディアI/F回路52を経由してCPU12に入力される。
また、カメラ10はパソコンその他の外部機器と接続するための通信手段としてUSB通信回路54を備えている。図示せぬUSBケーブルを用いてカメラ10と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、IEEE1394やBluetooth その他の通信方式を適用してもよい。外部機器との間で通信を行う通信モードについては、カメラ10が外部機器と通信接続されることにより、自動的に他のモード(静止画撮影モード/再生モード/動画モード)に優先して設定される。
次に、カメラ10の撮影機能について説明する。
カメラ10は、撮影レンズ56とCCD固体撮像素子(以下、CCDという。)58を備えている。撮影レンズ56は単焦点レンズであってもよいし、ズームレンズのような焦点距離可変のものでもよい。
撮影モードが選択されるとCCD58を含む撮像部に不図示の電源部から電力が供給され、撮影可能な状態になる。撮影レンズ56を通過した光は、不図示の絞り機構によって光量が調節された後、CCD58の受光面に結像される。CCD58の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配置されている。また、CCD58は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。
CPU12は、パラレル入出力回路60を介してドライバ回路62に指令を送り、CCD58の電荷蓄積時間や電荷転送を制御する。なお、CCD58に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
CCD58の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU12の指令に従いドライバ回路62から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
CCD58から出力された信号はアナログ処理部64に送られ、ここで各画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器66に送られる。A/D変換器66は、順次入力するR、G、B信号をデジタル信号に変換して信号処理回路68に出力する。
信号処理回路68は、A/D変換されたデジタル形式の画像データをCPU12の指令に従って処理する。すなわち、信号処理回路50は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む画像処理手段として機能するとともに音声処理手段として機能し、CPU12からのコマンドに従ってメモリ22を活用しながら画像信号及び音声信号を処理する。
信号処理回路68に入力されたRGBの画像データは、信号処理回路68において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。信号処理回路68で処理された画像データはメモリ22に格納される。
撮像中の映像を液晶モニタ40に出力する場合、メモリ22から画像データが読み出され、バス14を介して表示制御回路70に送られる。表示制御回路70は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ40に出力する。
CCD58から出力される画像信号によってメモリ22内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ40に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに液晶モニタ40に表示される。撮影者は、液晶モニタ40に映出される映像(スルームービー画)によって撮影画角を確認できる。
静止画撮影モードにおいてシャッターボタン34が押され、S1 スイッチがONすると、CPU12はこれを検知してAE及びAF制御を行い、シャッターボタン34の全押し(S2=ON)を検知すると、記録用の画像を取り込むためのCCD露光及び読み出し制御を開始する。
すなわち、CPU12は、S1 =ONに応動して取り込まれた画像データから焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算結果に基づいて不図示のレンズ駆動用のモータを制御して撮影レンズ56を合焦位置に移動させるとともに、図示せぬ絞り機構を制御する。そして、S2 =ONに応動して、画像取得時の電荷蓄積時間を制御する。
こうして、取り込まれた画像データは、信号処理回路68において輝度・色差信号変換処理(YC処理)その他の所定の信号処理を経た後、圧縮伸張回路72に送られ、ここで所定の圧縮フォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮される。圧縮された画像データは、メディアI/F回路52を介して記録媒体46又は48に記録される。
動画/静止画モード選択操作部33によって動画モードが選択されると、当該カメラ10によって音声付き動画の記録が可能となる。シャッターボタン34の押下(S2 =ON)によって録画動作がスタートし、もう一度シャッターボタン34を押下(S1 =ON)すると動画記録作が停止する。なお、シャッターボタン34を押下継続している期間中録画動作を行い、押下解除により録画を停止するようにしてもよい。
動画撮影時の音声は、カメラ10に内蔵されたマイク74によって検出され、その検出信号(音声信号)は、アンプ76を介して増幅され、A/D変換器77によってデジタル信号に変換された後、信号処理回路68に送られる。信号処理回路68は入力された音声データを所定の信号形式に変換する。こうして生成された音声データは、画像データと共に圧縮伸張回路72において圧縮処理され、メディアI/F回路52を介して記録媒体46又は48に記録される。動画データは、例えば、モーション JPEG 形式に従って記録される。
モーションJPEG方式では、CCD58から取得した画像データを一旦、内部のメモリ22に記憶した後、信号処理回路68において輝度/色差信号に変換し、1画像内でJPEG圧縮しながら、外部の記録媒体46又は48に一定のフレームレート(予め設定されているフレームレート)で静止画を連続的に保存していく。なお、動画のファイル形式はモーションJPEGに限定されず、MPEGなど他のファイル形式を適用してもよい。MPEG方式の場合は、フレーム内圧縮及びフレーム間圧縮を行いながら外部の記録媒体46又は48に連続的に記録する。
操作手段30によって再生モードが選択されると、記録媒体46又は48に記録されている最後の画像ファイル(最後に記録されたファイル)のデータが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸張回路72を介して非圧縮のYC信号に伸張され、信号処理回路68及び表示制御回路70を介して表示用の信号に変換された後、液晶モニタ40に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ40上に表示される。
再生対象ファイルが動画ファイルの場合には、動画の先頭フレームが代表画像として液晶モニタ40に表示され、動画再生開始の指示を受け付ける画面になる。動画の先頭フレームが表示されている状態で操作手段30から所定の操作を行い、動画再生を開始させると、動画ファイルの再生処理がスタートし、液晶モニタ40に動画が表示されるとともに、信号処理回路68において再生処理された音声データがD/A変換器80、アンプ82を介してスピーカ84に出力され、動画と同時に記録した音声も再生される。
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム表示中も含む。)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順送り/逆送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録媒体46又は48から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ40に再生表示される。
次に、上記の如く構成されたカメラ10におけるメディア選択機能について説明する。
2つの記録媒体46、48を同時に装着し得るデュアルスロット式のカメラ10は、装着されている記録媒体46、48の特性と記録データの特徴とに応じて自動的に保存先の記録媒体46、48を切り換えるメディア選択機能を備えている。
図2にメディア選択機能を実現する第1の制御例に係るフローチャートを示す。CPU12は、まず、メディア検知信号を読み込み(ステップS110)、メディアスロット42、44に記録媒体46、48が装着されているか否かを確認する(ステップS112)。2つのメディアスロット42、44の何れにも記録媒体46、48が装着されていない場合には、記録媒体46、48が未装着であることを示すエラーメッセージを液晶モニタ40に表示させる(ステップS114)。
ステップS112において、少なくとも1つの記録媒体46、48が装着されていると判定した場合には、ステップS116に進み、装着されている記録媒体の種別を認識する。
次いで、2種類の記録媒体46、48が同時に装着されているか否かを判定し(ステップS118)、2種類同時に装着されている場合には、それぞれの記録媒体46、48の記録容量を確認する(ステップS120)。CPU12は、メディアI/F回路を介して各記録媒体46、48にアクセスし、それぞれの空き容量を検出する。
その後、CPU12は記録モードの判別を行い(ステップS130)、選択されている記録モードに応じてデータ記録用の記録媒体46又は48を切り換える制御を行う(ステップS140、S142)。すなわち、動画/静止画モード選択操作部33によって「動画モード」が選択されている場合には、2つの記録媒体46、48のうち記録容量の大きい媒体(本例では符号48)にデータ(この場合、動画データ)を記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS140)。
その一方、ステップS130のモード判別において、「静止画モード」が選択されている場合には、2つの記録媒体46、48のうち記録容量の小さい媒体(本例では符号46)にデータ(この場合、静止画データ)を記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS142)。
また、ステップS118において1種類の記録媒体46又は48のみが装着されていると判定した場合には、保存先を選択する余地がないため、装着されている記録媒体46又は48にデータを記録することになる(ステップS150)。
こうしてデータ保存先のメディアが自動決定された後は、シャッターボタン34の押下に応動して撮影動作が実行され、取得した静止画データ又は動画データを自動決定された記録媒体46又は48に記録する処理が行われる。
図2で示した制御例によれば、動画を記録する際に空き容量の多い記録媒体48を自動選択して記録するようにしたので、長時間の動画を記録することが可能となる。
図3は、動画撮影処理の流れを示したフローチャートである。動画モードに設定されている場合、CPU12はシャッターボタン34からの信号入力を監視し、S1 スイッチがONしたか否かの判定を行う(ステップS210)。ステップS210でS1 =ONの指令が入力していないときには、ステップS210に戻り、ユーザからの撮影指示の入力を待機する。
ユーザによってシャッターボタン34が押され、ステップS210においてS1 スイッチがONすると、AE及びAF処理を実施して(ステップS212)、S2 =ONの入力を判定する(ステップS214)。ステップS214でシャッターボタン34のS2 スイッチがONしていない場合は、S1 が解除されたか否かを判定する(ステップS216)。
ステップS216でS1 が解除されていれば、ステップS210に戻り、撮影指示の入力受け付け状態になる。ステップS216でS1が解除されていなければステップS214に戻り、S2 =ONの入力を待機する。ステップS214でS2 =ONの入力が検出されると、記録用の動画撮影が実行される(ステップS218)。すなわち、CCD58の露光及び読み出し処理が実施され、取得された画像信号の処理が行われる(ステップS218)。
動画撮影中、CPU12はデータ保存先として選択されている記録媒体(例えば、図1の符号48)の記録容量(空き容量)を監視しており、記録媒体48の空き容量がなくなった状態(メディアフルの状態)に至ったか否かを判定する(ステップS220)。
録画開始直後は空き容量が存在しているので、ステップS220においてNO判定となり、ステップS222に進む。ステップS222では、選択されている記録媒体48に動画データを書き込む処理を実施する。
ステップS222の後は、ステップS230に進み、録画停止の指令であるS1スイッチの信号入力を判定する。ステップS230においてS1 スイッチからの信号入力がない場合には、ステップS218に戻り、動画記録を継続する。
やがて記録先の記録媒体48の空き容量がなくなり、それ以上記録することができない状態に至ると、ステップS220においてYES判定となり、ステップS224に進む。ステップS224では、別の記録媒体46がカメラ10に装着されているか否かを判定する。2つの記録媒体46、48が同時に装着されている場合には、残りの記録媒体46に動画データを継続して記録することとし(ステップS226)、動画撮影を続ける。
ステップS226の後は、ステップS230に進み、ユーザからの動画記録停止の指示の入力を判定する。ステップS230においてS1 =ONの信号入力がない場合には、ステップS218に戻り、動画撮影が継続される。
ステップS230においてS1=ONの信号が検出されると、動画撮影を終了する(ステップS232)。また、ステップS224において、別の記録媒体46が装着されていない場合にも、ステップS232に進んで動画撮影を終了する。
撮影終了後は、ステップS234に進み、2つの記録媒体46、48に分かれて動画が記録されたか否かを判断する。分割記録が行われていなければ、本シーケンスを終了する(ステップS250)。
ステップS234において、分割記録が行われていると判断した場合には、これら2つの記録媒体46、48に分かれて記録されている動画データを再処理して一方の記録媒体(例えば、48)に統合するか否かをユーザに問い合わせるメッセージを液晶モニタ40に表示させる処理を行う(ステップS236)。動画データの統合(連結)処理の際には、圧縮率を高くしてデータ量を削減する処理が行われることになるため、その旨をユーザに告知するメッセージを表示し、処理の可否をユーザの判断に委ねるようになっている。
その後、メッセージの表示中にユーザからの入力操作を受け付け、入力された指示に応じて処理が分岐する。ユーザは、所定の操作手順に従い、(1)連結記録の実行を容認するOK入力を行うか、(2)一方の記録媒体48に記録された途中までの動画データのみを保存する指令を入力するか、或いは(3)分割記録された動画データを全て削除する指令を入力するか、の何れかの入力操作を行うことができる。
すなわち、CPU12は、ユーザからのOK入力の有無を判定し(ステップS238)、OK入力を検出した場合には、2つの記録媒体46、48に分割記録されている動画データについて圧縮率を高くして再処理を行い、一連の動画撮影で取得されたデータを1つの動画ファイルにまとめて一方の記録媒体48に記録し直す処理を実行する(ステップS240)。
また、ステップS238においてNO判定を得た場合には、ステップS242に進み、途中までの動画を記録する指令が入力されたか否かを判定する。ステップS242においてYES判定を得た場合には、当初選択されていた記録媒体48に記録された動画データ(動画の前半部分)をそのまま(圧縮率の変更なく)保存することとし、その記録媒体48のメディアフル後に継続して別の記録媒体46に記録した動画データ(動画の後半部分)を削除する処理を行う(ステップS244)。
ステップS242においてNO判定を得た場合には、ステップS246に進み、分割記録された動画データの全削除の指令が入力されたか否かを判定する。ステップS246でYES判定を得た場合には、両方の記録媒体46、48に分割記録されたデータをともに削除する処理を行う(ステップS248)。ステップS246でNO判定を得た場合には、ステップS238に戻り、ユーザからの入力操作を待機する。
ユーザの選択に応じた処理(ステップS240、S244、又はS248)を実行した後は、本シーケンスを終了する(ステップS250)。
図3で説明したように、動画記録中に一方の記録媒体48の空き容量がなくなったときに、別の記録媒体46に継続して動画記録を行い、記録後に1つの動画データにまとめて1つの記録媒体48に保存できるようにしたので、メディアフルに伴う動画撮影の中断を回避でき、貴重な撮影チャンスを逃さずに撮影することが可能である。
図3は動画の記録について述べたが、連写モードによる静止画の連続記録についても図3と同様の制御を適用できる。すなわち、連写撮影中に一方の記録媒体の空き容量がなくなったときに、別の記録媒体に継続して記録を行い、記録後に一連の連写撮影に係るデータを高圧縮率で再処理して1つの記録媒体48にまとめて保存することが可能である。
図4はメディア選択機能を実現する第2の制御例に係るフローチャートである。図4中図2と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図4の例では、ステップS120で各記録媒体46、48の記録容量を確認した後に、ステップS131に進み、画質モードの判別を行う。カメラ10は、ユーザの撮影目的に合わせて記録画質(圧縮率)と記録画素数(画像サイズ)の組合せを選択することができる。指定される記録画質と記録画素数の条件に応じて記録データのファイルサイズが変化するため、ファイルサイズの大きい条件(高画素かつ低圧縮率)が選択されている場合には、空き容量の多いメディアを選択して記録するようになっている。
つまり、ステップS131で高画質モード(本例において「FINE」)が選択されている場合には、ステップS132に進んで記録画素数が高画素に設定されているか否かの判定を行う。「高画素」の判定基準は適宜設定可能であるが、本実施形態では、例えば、2048×1536(3M)ピクセル以上の画像サイズが選択されているときに「高画素」であると判定される。
ステップS131において、YES判定を得た場合には、ステップS140に進み、2つの記録媒体46、48のうち記録容量の大きい媒体(本例では符号48)に撮影したデータを記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS140)。
その一方、ステップS131で相対的に低い画質モード(本例において、「NORMAL」又は「BASIC 」) が選択されている場合、及びステップS132においてNO判定を得た場合には、ステップS142に進み、2つの記録媒体46、48のうち記録容量の小さい媒体(本例では符号46)にデータを記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS142)。
図4で示した制御例によれば、ファイルサイズの大きな画像データ(低圧縮かつ高画素のデータ)を記録する際に空き容量の多い記録媒体48を自動選択して記録するようにしたので、小容量の記録媒体46に記録する場合と比較して、数多くの高品質画像を記録することが可能となる。
図5はメディア選択機能を実現する第3の制御例に係るフローチャートである。図5中図2と共通する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図5の例では、ステップS118において2種類の記録媒体46、48が同時に装着されていると判定した場合に、ステップS122に進み、それぞれの記録媒体46、48の記録速度を確認する。記録速度は、記録媒体46、48の種類よって異なるため、記録媒体46、48の種別認識(ステップS116)の結果に基づいて判断できる。
ステップS122の後、CPU12は記録モードの判別を行い(ステップS134)、選択されている記録モードに応じてデータ記録用の記録媒体46又は48を切り換える制御を行う(ステップS160、S162)。すなわち、ステップS134のモード判別において、「動画モード」或いは「連写モード」などの高速性を要求されるモードが選択されているときには、2つの記録媒体46、48のうち、より高速なデータ書き込みが可能な記録媒体(本例では、半導体メモリカードである符号46)に画像データを記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS160)。
その一方、ステップS134において、「単写モード」など高速性を要求されないモードが選択されているときには、2つの記録媒体46、48のうち比較的記録速度の遅い記録媒体(本例では、小型ハードディスクである符号48)に画像データを記録するように保存先メディアを設定する処理を行う(ステップS162)。
図6はメディア選択機能を実現する第4の制御例に係るフローチャートである。図6は、図5で説明した第3の制御例の変形例であり、図5のステップS134からステップS160に至るまでの間にステップS152〜ステップS158(図6参照)を付加したものとなっている。なお、図6中図5と共通の部分には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図6によれば、ステップS134のモード判別において「動画モード」或いは「連写モード」などの高速性を要求されるモードが選択されているときには、ステップS152に進み、記録速度の速い記録媒体46に記録されている内容を別の大容量かつ記録速度の遅い記録媒体48に転送する処理を行う。こうして、撮影前に高速記録可能な記録媒体46の空き容量を確保し、動画や連写などの撮影に備える。
この場合、転送処理中にユーザが記録媒体46、48の着脱を行わないように、警告を表示させる(ステップS154)。警告表示手段としては、例えば、液晶モニタ40に警告メッセージや警告マークなどを表示させる態様、不図示の警告ランプを点灯又は点滅させる態様などがある。
CPU12は、転送処理の進捗状況を監視し、転送処理が完了したか否かを判定する(ステップS156)。ステップS156において転送未了と判定した場合にはステップS154に戻り、警告表示の状態を継続する。
ステップS156において転送完了が確認されると、警告表示を解除して撮影を許可する(ステップS158)。こうして、記録速度の速い記録媒体48に画像データを記録するように保存先メディアが設定される(ステップS160)。
なお、図2乃至図6で説明した制御例を適宜組み合わせる態様も可能であるし、何れかの制御方式をユーザが選択できる構成にしてもよい。
本発明の適用範囲は上述した実施の形態に限定されず、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルパソコンなど、電子撮像機能を備えた他の情報機器についても本発明を適用できる。この場合、撮像部は携帯電話機等の本体から分離可能な着脱式(外付けタイプ)のものであってもよい。
〔付記〕
また、本明細書は、複数の記録媒体のそれぞれの特徴を生かせるように、状況に応じて保存メディアを自動選択して撮影画像データを記録することができる電子カメラを提供することを目的として、以下の発明(1)〜(6)を開示する。
すなわち、発明(1)は、撮影によって取得した画像のデータを記録する媒体として、特性の異なる複数の記録媒体を使用できる電子カメラであって、当該電子カメラに同時搭載される前記複数の記録媒体の特性を認識する特性認識手段と、前記データの記録条件を設定する設定操作手段と、前記特性認識手段で認識された各記録媒体の特性及び前記設定操作手段で設定された記録条件に基づいて前記複数の記録媒体のうち前記データを記録すべき記録媒体を自動選択する媒体選択手段と、前記媒体選択手段によって選択された記録媒体に前記データを記録する処理を行う記録処理手段と、を備えたことを特徴とする電子カメラを提供する。
発明(1)の電子カメラは、特性の異なる複数の記録媒体を同時に搭載し、これら複数の記録媒体に撮影画像のデータを選択的に記録することができる。記録媒体は、カメラに内蔵された固定媒体(内部メモリなど)であってもよいし、カメラに着脱可能な可搬型媒体(リムーバブルメディア)であってもよく、複数の記録媒体のうち一方を固定媒体、他方を可搬型媒体とする態様も可能である。記録媒体の特性には、例えば、記録速度、容量、書き換え可能(リライタブル)であるか書き換え不能(ライトワンス)であるか、などが含まれる。
発明(1)では、カメラに取り付けられた記録媒体についてそれぞれの特性を特性認識手段によって把握する一方、設定操作手段から指定されるデータの記録条件を参照し、媒体の特性や記録データの特徴に応じて媒体選択手段が記録媒体を自動的に切り換えるようになっている。そして、設定操作手段によって指定された記録条件に従って生成された撮影画像のデータは媒体選択手段により自動選択された記録媒体に書き込まれる。
このように、本発明によれば、記録媒体の特性や記録データの特徴に応じて記録媒体が自動的に選択される構成にしたので、ユーザが意識することなく、各記録媒体のメリットを生かしてデータを記録することが可能となる。
発明(2)は、動画と静止画を記録可能な電子カメラであって、前記特性認識手段は、前記複数の記録媒体の空き容量を検出する容量検出手段を含み、前記設定操作手段は、動画記録を行う動画モードと静止画記録を行う静止画モードとを切り換えるモード選択手段を含み、前記媒体選択手段は、前記複数の記録媒体のうち空き容量の大きい記録媒体に動画データを記録するように記録媒体を選択することを特徴とする発明(1)記載の電子カメラを提供する。
動画データは静止画データに比べて相対的にデータ量が大きくなる傾向があるので、動画データは大容量の記録媒体に記録し、静止画などの比較的データ容量の少ないデータは小容量の記録媒体に記録することが好ましい。
発明(3)は、発明(1)記載の電子カメラの一態様であり、前記特性認識手段は、前記複数の記録媒体の空き容量を検出する容量検出手段を含み、前記設定操作手段は、記録画素数及び圧縮率のうち少なくとも1つの条件を設定する手段を含み、前記媒体選択手段は、前記設定操作手段で設定される記録条件に従って生成されるデータのサイズに応じて、前記複数の記録媒体のうち空き容量の大きい記録媒体に比較的大きなサイズのデータを記録するように記録媒体を選択することを特徴とする発明(1)記載の電子カメラを提供する。
記録画素数や圧縮率は、記録画像の再現品質に影響を与えるパラメータであり、記録画素数が大きいほど、また圧縮率が低いほどデータサイズは大きくなるが、高品質な画像を得ることができる。設定操作手段によって、記録画素数及び圧縮率のうち少なくとも1つの条件を可変設定できる構成においては、記録データのデータサイズを判断して、データサイズが比較的に大きなデータについては大容量の記録媒体に記録する一方、データサイズが比較的に小さいデータについては小容量の記録媒体に記録するように記録媒体を選択する態様が好ましい。
発明(4)は、発明(1)記載の電子カメラの他の態様であり、前記特性認識手段は、前記複数の記録媒体の記録速度を認識する手段を含み、前記設定操作手段は、動画記録を行う動画モード及び静止画の連続記録を行う連写モードのうち少なくとも1つのモードを選択できるモード選択手段を含み、前記媒体選択手段は、前記設定操作手段によって前記動画モード又は前記連写モードが選択されると、前記複数の記録媒体のうち記録速度の速い記録媒体にデータを記録するように記録媒体を選択することを特徴とする発明(1)記載の電子カメラを提供する。
動画記録や連写など高速性が要求されるモードが選択された場合には、高速書き込みが可能な記録媒体を選択して、これにデータを記録する態様が好ましい。
[発明(1)乃至(4)の効果]
以上説明したように本発明の電子カメラによれば、カメラに同時搭載される複数の記録媒体の特性及び記録データの特徴に応じて、記録媒体を自動選択する構成にしたので、ユーザが意識することなく、各記録媒体のメリットを生かしてデータを記録することが可能となる。これにより、カメラの性能を十分に引き出すことができる。
10…カメラ、12…CPU、31…画質モード設定操作部、32…記録画素数設定操作部、33…動画/静止画モード選択操作部、44…シャッターボタン、35…連写モード設定操作部、40…液晶モニタ、42,44…メディアソケット、46,48…記録媒体、52…メディアI/F回路、58…CCD