JP2002161047A - ヘモグロビン溶液およびヘモグロビン含有リポソーム - Google Patents

ヘモグロビン溶液およびヘモグロビン含有リポソーム

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JP2002161047A
JP2002161047A JP2000361082A JP2000361082A JP2002161047A JP 2002161047 A JP2002161047 A JP 2002161047A JP 2000361082 A JP2000361082 A JP 2000361082A JP 2000361082 A JP2000361082 A JP 2000361082A JP 2002161047 A JP2002161047 A JP 2002161047A
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Tetsuhiro Kimura
哲寛 木村
Shinichi Kaneda
伸一 金田
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウイルス感染リスクが低減され、安全性が高
く、かつヘモグロビンのメト化進行の抑制作用を有し、
人工赤血球および人工酸素運搬体として有用なヘモグロ
ビン溶液およびヘモグロビン含有リポソームの提供。 【解決手段】ウイルス除去処理されたストローマフリー
ヘモグロビン溶液と、(A)酸化型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(NAD)および/または還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)と、
(B)イノシン、イノシン酸、グアノシンおよびリボー
ス-1- リン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つと
からなるヘモグロビン溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工赤血球または
人工酸素運搬体として生体内に投与するためのウイルス
除去処理されたヘモグロビン溶液およびヘモグロビン溶
液含有リポソームに関する。
【0002】
【従来の技術】外科手術、出血性ショック等の輸血を必
要とする病態あるいは脳、心筋等の虚血性疾患のような
局所への酸素供給を必要とする病態における血液代替物
もしくは治療薬として、安全でかつ効果的な酸素供給源
であるヘモグロビン(Hb)の利用が検討されている。
動物あるいはヒトの赤血球から赤血球膜を除去して得ら
れるストローマフリーヘモグロビン(SFH)は、この
遊離ヘモグロビンを化学的に修飾して架橋型ヘモグロビ
ンおよび重合ヘモグロビンなどのいわゆる人工赤血球と
して、さらにはこれらのようなヘモグロビン溶液を脂質
リポソームに内包させカプセル化したヘモグロビン含有
リポソーム(人工酸素運搬体)とすることが検討されて
きた。特にリポソームに内包されたヘモグロビンは変性
が少なく、生体内半減期が遊離ヘモグロビンに比して長
く、かつ末梢への酸素運搬能に優れることから、開発の
主流となりつつある。
【0003】上記ヘモグロビンの酸素運搬能は、ヘモグ
ロビンと酸素分子との可逆的結合によるものである。ヘ
モグロビンはヘム鉄(Fe2+)が2価で保たれる場合に
酸素結合能を有しているが、その可逆的酸素化(oxigen
ation )の過程で徐々に酸化(oxidation )される。F
3+に酸化(メト化)されたメトヘモグロビン( metH
b:オキシヘモグロビン)は酸素結合能を有さない。天
然赤血球は、この酸化作用によりヘモグロビンが酸化さ
れるのを抑制する機構を持っている。しかしこうした天
然赤血球の酸化抑制機構は、人工酸素運搬体として精製
されたヘモグロビンにおいては認められず、ヘモグロビ
ン酸化物の占める割合は経時的に増加する。このため、
天然ヘモグロビンならびにその誘導体を医薬品あるいは
試薬として使用する場合には、酸化防止剤あるいは還元
剤を用いる必要があった。
【0004】この酸化防止剤としては、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、エチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム等が一般的に知られているが、こ
れらは生体に対して有害である。生体に使用しうる酸化
防止剤あるいは還元剤としては、還元型グルタチオン、
アスコルビン酸、トコフェロール類、糖類、アミノ酸類
などが知られている。しかしながら、これらの酸化抑制
効果は低く、特に体内投与後の経時的な酸化抑制効果は
不十分であった。
【0005】このような課題を解決するものとして、本
出願人は、生体(赤血球)由来の代謝酵素系の活性を損
なわない緩和な条件下でヘモグロビンをリポソームに内
包して調製するとともに、天然赤血球から膜成分を除去
し、ヘモグロビンを取り出す過程または精製、濃縮の過
程で消失したメトヘモグロビン還元酵素反応系の物質を
含ませれば、解糖系の作動で生じた還元型ニコチンアミ
ドアデニンヌクレオチド(NADH)のメトヘモグロビ
ン還元機構によりヘモグロビンのメト化を抑制すること
ができることを先に提案した。
【0006】具体的にたとえば、解糖系酵素の基質とし
て、リンゴ酸などの有機酸またはその誘導体をリポソー
ム内に含ませることを開示した(特開平6−32180
2号)。これらリンゴ酸などの基質は、生体由来酵素の
反応により、上記NADHまたはそのリン酸化物(NA
DPH)の補酵素を生じる。また基質としてのグルコー
スと、アデニン、イノシンおよびアデノシン三リン酸
(ATP)から選ばれる添加剤とをリポソーム内に含ま
せることを開示した(特開平8−3062号)。さらに
これらに加えて、NADH、NADPH、酸化型ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)またはその
リン酸化物(NADP)を含ませてもよいことも開示し
た。
【0007】ところで一方、天然赤血球由来の血液製剤
の生体内投与では、原料由来の感染リスクがあり、本質
的に安全性について留意する必要があるが、近年、特に
ウイルスの除去あるいは不活性化の重要性が認識されて
いる。ウイルス除去方法としは、分画分子量100〜3
00kD程度の限外ろ過膜などのウイルス除去膜の使用
が効果的であることが知られており、ヘモグロビン溶液
についてもウイルス除去膜の適用が望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところがウイルス除去
膜によるウイルス除去処理を加えた場合には、上記のよ
うな酵素活性を損なわない緩和な条件下で調製し、これ
に解糖系酵素反応基質、補酵素等を含ませた調製したヘ
モグロビン溶液あるいはヘモグロビン含有リポソームで
あっても、メト化抑制効果が充分に発現されなくなると
いう新たな問題を生じることがわかった。このためウイ
ルス除去処理が加えられてもメト化抑制効果を有するヘ
モグロビン溶液およびヘモグロビン含有リポソームの出
現が望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく検討したところ、分画分子量100〜300
kD程度の限外ろ過膜を用いるウイルス除去処理では、
ウイルスとともに比較的高分子量(分子量約15万以
上)の酵素も除去されてしまい、ウイルス除去処理後の
ヘモグロビン溶液は、赤血球由来の解糖系酵素群のうち
の主要な解糖系酵素群(たとえばホスホフルクトキナー
ゼ:40万、アルドラーゼ:15.8万、ピルベートキナー
ゼ:24万など)をほとんど失っていることを見出した。
つまりウイルス除去処理後のヘモグロビン溶液は、実質
的に解糖系代謝機構が働かず、これに基質となるグルコ
ースを加えてもほとんど代謝されない。したがって赤血
球由来のメトヘモグロビン還元機構は機能せず、ヘモグ
ロビンの酸化は抑制できず、ヘモグロビン溶液およびヘ
モグロビン含有リポソームの酸素運搬効率の低下を生じ
ることが判明した。
【0010】上記知見に基づいて検討を続け、赤血球由
来の主要な解糖系をほとんど含まず実質的に解糖系が機
能しないヘモグロビン溶液であっても、これに補酵素の
うちの酸化型(NAD)および/または還元型(NAD
H)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと、ヌクレ
オチド代謝系中間体である特定の基質群から選ばれる添
加剤とを組合わせて添加することにより、ウイルス除去
膜によるウイルス除去処理が加えられてもメト化抑制効
果を有するヘモグロビン溶液およびヘモグロビン含有リ
ポソームを得ることができることを見出した。さらにた
とえば解糖系基質のグルコースを含ませる必要がないの
で、脂質膜形成を良好に行わせることができ、これによ
り高収率でヘモグロビン含有リポソームを得ることがで
きることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明のヘモグロビン溶液は、上
記分子量150kD以上の成分が除去された赤血球由来
のストローマフリーヘモグロビン溶液と、(A)酸化型
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およ
び/または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド(NADH)と、(B)イノシン、イノシン酸、グア
ノシンおよびリボース-1- リン酸からなる群より選ばれ
る少なくとも1つとからなる。本発明では、上記成分
(B)は(B’)リボース-1- リン酸または代謝系で最
終的にリボース-1- リン酸となりうる物質からなる群よ
り選ばれる少なくとも1つであってもよい。
【0012】上記ストローマフリーヘモグロビン溶液
は、分子量15万以上の解糖系酵素を実質的に含まな
い。したがってストローマフリーヘモグロビン溶液は、
実質的に解糖系が機能していない。上記ヘモグロビン溶
液はヘモグロビンを30〜60重量%の濃度で含有する
ことが望ましい。上記ヘモグロビン溶液のpHは7.0
〜8.5であることが望ましい。本発明に係るヘモグロ
ビン含有リポソームは、上記のようなヘモグロビン溶液
がリポソームに内包されてなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のヘモグロビン溶液は、赤血球由来のストローマ
フリーヘモグロビン溶液(SFH)から調製される。ヘ
モグロビン溶液の原料として、ヒトまたは動物血液由来
の天然赤血球が用いられる。本発明で用いられるストロ
ーマフリーヘモグロビン溶液(SFH)は、赤血球膜成
分を除去した後、分子量150kD(15万)以上の成
分を除去したものである。赤血球から膜成分の除去は常
法に従って溶血させ、遠心分離により行うことができ
る。分子量150kD以上の成分の除去は、ウイルス除
去のための処理であり、ヒトあるいは動物血液から混入
されると予想されるウイルスを除去し、安全性を向上す
るために行われる。したがってウイルス除去効果のある
ものであれば、その種類は特に限定されないが、通常、
限外ろ過膜を用いたろ過が行われ、たとえば分画分子量
が10−30万程度の限外ろ過膜あるいは市販のウイル
ス除去膜(旭化成BMM−15,−35等)などを用い
ることができる。
【0014】上記のような膜を用いた分子量150kD
以上の成分の除去処理により、ウイルス除去とともにヘ
モグロビン精製効果も得られる。同時に、原料赤血球由
来の解糖系酵素群のうち、ホスホフルクトキナーゼ(分
子量40万)、アルドラーゼ(分子量15.8万)、ピ
ルベートキナーゼ(分子量24万)などの主要な解糖系
酵素群も除去ないしは著しく減量される。つまり膜処理
で得られたストローマフリーヘモグロビン溶液は、分子
量15万以上の解糖系酵素を実質的に含まず、したがっ
て実質的に解糖系が機能していない。
【0015】本発明では、このようなストローマフリー
ヘモグロビン溶液にメトヘモグロビンの還元機構を構築
する。ここに添加される成分として、解糖系、ペントー
スリン酸回路等の糖代謝系中間体あるいはヌクレオチド
代謝系中間体が考えらえるが、本発明では、特に(A)
酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
D)および/または還元型ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド(NADH)と、(B)イノシン、イノシン
酸、グアノシンおよびリボース-1- リン酸からなる群よ
り選ばれる少なくとも1つとを組合わせて用い、ウイル
ス除去膜処理後にも保持されている代謝経路のうちヌク
レオチド代謝経路を有効的に利用してメトヘモグロビン
の還元機構を構築する。
【0016】上記成分(A)および(B)は、ヘモグロ
ビン濃度および用いられる物質などによってその使用量
も異なるが、通常、ヘモグロビンに対する量比で用いら
れる。たとえばヘモグロビン7ミリモル(ヘモグロビン
7ミリモル/L=45%ヘモグロビン溶液)に対して、
補酵素(A)は、通常0.05−1.0ミリモル好まし
くは0.1−0.2ミリモルの量で用いることが望まし
い。また成分(B)は、ヘモグロビン7ミリモルに対し
て、通常2−12ミリモル好ましくは4−8ミリモルの
量で用いることが望ましい。
【0017】上記成分(A)とともに(B)を添加する
ことにより、ウイルス除去膜処理にも保持されている代
謝経路を有効的に利用することができ、補酵素(A)の
うちNADをNADHに還元するかまたはNADHを保
持させ、NADHの働きによるメトヘモグロビン還元機
構を機能させ、ヘモグロビンのメト化進行を抑制でき
る。上記過程では、成分(B)のたとえばイノシン酸
(IMP)はヌクレオチド代謝系でイノシンに変換さ
れ、イノシンはヒポキサンチンへの変換過程でリボース
-1- リン酸(R−1−P)を生成し、これが代謝されて
NADHを供給する。グアノシンもR−1−Pを生成す
る。すなわち本発明では、ウイルス除去処理後も保持さ
れている代謝経路、たとえばヌクレオチド代謝経路を利
用してNAD還元機構を構築するものである。したがっ
て本発明では、上記(B)は (B’)リボース-1- リン
酸または代謝系で最終的にリボース-1- リン酸となりう
る物質からなる群より選ばれる少なくとも1つであって
もよい。このような (B’)には、 (B)として例示し
たものに加え、さらにアデノシンなどを挙げることがで
きる。
【0018】なお天然赤血球由来の解糖系を含むヘモグ
ロビン溶液は、グルコースを基質として解糖系代謝回路
を動かし、NADからNADHへの変換を行う。この系
はメト化還元能に優れるが、一方リポソーム内に乳酸が
蓄積し、pHの低下を招き、上記ヘモグロビン溶液中の
酵素活性が低下する可能性がある。本発明では、グルコ
ースなどの解糖系基質を特に必要としないので、メトヘ
モグロビン還元機構において乳酸は生成されない。この
ような本発明のヘモグロビン溶液は経時的なpHの低下
がほとんどない。また本発明ではヘモグロビン溶液は、
pH7.0〜8.5で調製することが望ましい。このよ
うなpHであると、後述のように長時間にわたってヘモ
グロビンのメト化を抑制できる。ヘモグロビンをリポソ
ームにカプセル化する際、高収率でヘモグロビン含有リ
ポソームを得ることができる。なおpHが高くなると、
ヘモグロビンを変性させてしまうおそれがあることか
ら、pH8.5以下とすることが望ましい。
【0019】なお乳酸を生成する解糖系基質であっても
本発明の目的を損なわない範囲であれば添加してもよ
く、その際には該基質はNADをNADHに変換しうる
ものが好ましい。たとえばグルセルアルデヒド-3- リン
酸は、解糖経路で1,3-ビスホスホグリセリン酸に変換さ
れ、NADをNADHに還元する。この系ではグルセル
アルデヒド-3- リン酸の酸化と、ピルビン酸の還元との
共役により乳酸を生成する。
【0020】また本発明のヘモグロビン溶液は、たとえ
ばイノシトールヘキサリン酸(IHP)などのアロステ
リックエフェクターなどを含んでいてもよい。本発明で
は、ヘモグロビン溶液を人工赤血球またはリポソームに
内包させた人工酸素運搬体として使用するに際しては、
ヘモグロビン濃度を、通常30%〜60%好ましくは4
5%〜50%とすることが望ましい。たとえばダイアラ
イザーでの濃縮などにより濃度調整することができる。
【0021】本発明のヘモグロビン含有リポソームは、
上記のようなヘモグロビン溶液を脂質層からなるリポソ
ームに取り込んだリポソームカプセル型ヘモグロビンで
ある。その製法は、上記ヘモグロビン溶液を用いること
以外は特に限定されず、一般的にリポソームカプセル化
として知られている技術を適用することができる。リポ
ソーム膜形成脂質は特に制限はなく、リポソームを形成
するものであれば天然または合成の脂質が使用可能であ
るが、特に飽和のリン脂質が好適に使用される。その例
としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ
ノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリ
セロール、スフィンゴミエリン等を常法に従って水素添
加したものが挙げられ、これらを組み合わせて使用する
こともできる。特に水素添加率50%以上の卵黄あるい
は大豆由来の水素添加リン脂質が好ましく用いられる。
膜安定化剤として、コレステロール、コレスタノール類
のステロール類、荷電物質としてホスファチジン酸、ホ
スファチジルグリセロール、ジセチルホスフェート、脂
肪酸を含んでいてもよい。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお特に断りのない限り、人工酸素運搬体調製の各工程
は室温室内(10℃以下)、無菌的環境下で操作した。
また試薬、器具類は、全て滅菌処理して使用し、各溶液
の調製には、重金属イオン、パイロジェンフリーの超純
水を用いた。
【0023】(試験例1) 添加基質の効果の検証 <ストローマフリーヘモグロビン(SFH)の調製>生
理食塩水で洗浄した赤血球を、ヘモグロビン濃度が5%
になるよう蒸留水を加えて溶血し、遠心分離して赤血球
膜を除去した後、孔径0.2μmのフィルターでろ過
し、微粒子除去を行った。次いで分画分子量100kD
の限外ろ過フィルターによりウイルス除去処理を行い、
ダイアライザーにて濃縮し、ヘモグロビン濃度45%の
ストローマフリーヘモグロビン溶液(SFH)を得た。
このSFHのpHは6.8−7.2であった。ここに、
イノシトールヘキサリン酸(IHP)をヘモグロビンと
等モル比になるよう添加した。
【0024】<ヘモグロビン溶液の調製>上記で得ら
れた濃縮SFH(ヘモグロビンHb濃度45%)に、所
定の基質を添加し、ヘモグロビン溶液(a)〜(c)を
調製した。ヘモグロビン7ミリモルに対し、NAD(1
00ミリモル/L) を0.1ミリモルになるよう添加
し、これに基質として、グルコース(4モル/L) 、ア
デニン(160ミリモル/L)、イノシン(160ミリ
モル/L)を以下のような量(ヘモグロビン7ミリモル
に対する量)でそれぞれ添加した。 (a)グルコースを100ミリモル、アデニンを2ミリ
モルを添加した系、およびこの系にさらにイノシンを
0.5、1、2または4ミリモル添加した系。 (b)グルコースを100ミリモル、イノシンを2ミリ
モルを添加した系、およびこの系にさらにアデニンを
0.5、1、2または4ミリモル添加した系。 (c)イノシンを2ミリモル、アデニンを2ミリモルを
添加した系、およびこの系にさらにグルコースを25、
50、100または00ミリモル添加した系。
【0025】<加速試験>体温下(37℃)におけるヘ
モグロビン劣化の指標として、上記で調製されたヘモグ
ロビン溶液(a)〜(c)を、37℃のインキュベーシ
ョン下でメト化加速試験し、24時間後のメト化率を測
定した。メト化率は、以下に示すような可視光分光法に
よりメトヘモグロビン量を測定して求めた。インキュベ
ーション終了後、各ヘモグロビン溶液を20ミリモルの
リン酸緩衝液(pH7.2)にて約0.25%ヘモグロ
ビン濃度になるよう希釈し、(A)、(B)2つのキュ
ベットそれぞれに3mlずつ分けた。(A)のキュベッ
トは、20ミリモルリン酸緩衝液 (pH7.2) を対照
として波長630nmの吸光度を測定した。(B)のキ
ュベットは、5%K3 Fe(CN)6 をサンプル3ml
あたり30μl添加し、直ちに攪拌し、5分後に波長6
30nmの吸光度を測定した(ここで得られた測定値
を、それぞれA1 、B1 とする)。次に(A)、(B)
両方のキュベットに5%KCNを、ヘモグロビン溶液3
mlあたり30μl添加し、直ちに攪拌する。2分後に
波長630nmの吸光度を測定した(ここで得られた測
定値を、それぞれA2 、B2 とする)。得られたA1
1 、A2 、B2 の値から、メト化率( MetHb%)を
下式(1)にて算出した。 MetHb(%)={(A1 −A2 )/(B1 −B2 )}×100 …(1)
【0026】上記で測定されたメト化率から、メト化の
進行に対する各添加基質の抑制効果を検証した。結果を
図1〜3に示す。これにより、イノシン添加量を検討し
た系 (a)では、ウイルス除去処理を行ったヘモグロビ
ンのメト化抑制効果が確認された。一方、アデニン添加
量を検討した系 (b)およびグルコース添加量を検討し
た系(c)では、ウイルス除去処理を行ったヘモグロビ
ンのメト化抑制に無効ないしは効果が弱いことが確認さ
れた。
【0027】(実施例1)試験例1と同様に、100k
Dの限外ろ過フィルター処理を行って調製したストロー
マフリーヘモグロビン溶液(SFH)に、ヘモグロビン
7ミリモル当りイノシンを6ミリモル添加し、ここにヘ
モグロビン7ミリモル当りNADを0.1、0.2、
0.4または0.6ミリモル添加したヘモグロビン溶液
を調製した。試験例1と同様に37℃のインキュベーシ
ョン下でメト化加速試験を行ない、イノシン(6ミリ)
共存下でのNADのメト化進行に対する抑制効果を検証
した。結果を図4に示す。
【0028】(比較例1)NADを添加しなかった以外
は実施例1と同様にしてヘモグロビン溶液を調製し、メ
ト化加速試験を行なった。結果を図4に示す。図4から
明らかなように、実施例1のヘモグロビン溶液は、イノ
シン共存下、NAD添加量(/Hb7ミリモル)0.0
5ミリモル以上でほぼ一定のメト化抑制効果を示した。
特に0.1ないし0.4ミリモルで高い効果を示す傾向
が認められた。
【0029】(実施例2)試験例1と同様に、100k
Dの限外ろ過フィルター処理を行って調製したストロー
マフリーヘモグロビン溶液(SFH)に、イノシン(I
N)またはイノシン酸(IMP)を、ヘモグロビン7ミ
リモル当たり3、6または12ミリモルの各量で添加
し、ヘモグロビン7ミリモル当たり0.1ミリモルのN
AD共存下、試験例1と同様に37℃のインキュベーシ
ョン下でメト化加速試験を行ない、メト化の進行に対す
る抑制効果を検証した。結果を図5に示す。また上記イ
ノシン6ミリモル添加ヘモグロビン溶液の37℃インキ
ュベーション下メト化加速試験でのメト化進行に対する
経時的な抑制効果を表1に示す。
【0030】(比較例2)イノシン(IN)またはイノ
シン酸(IMP)を添加しなかった以外は実施例2と同
様にしてヘモグロビン溶液を調製し、メト化加速試験を
行なった。結果を図5に示す。また上記ヘモグロビン溶
液のメト化加速試験でのメト化進行に対する経時的な抑
制効果を表1に示す。図5から明らかなように、NAD
共存下、イノシンまたはイノシン酸添加によりメト化が
大幅に抑制され、両者はほぼ同様のメト化抑制効果を示
した。いずれもヘモグロビン7ミリモルに対し3ないし
12ミリモル範囲の量での添加では、ほぼ一定の効果が
認められた。
【0031】(実施例3)試験例1と同様に、100k
Dの限外ろ過フィルター処理を行って調製され、0.1
ミリモルNAD/7ミリモルHb共存下のストローマフ
リーヘモグロビン溶液(SFH)に、グアノシンを、ヘ
モグロビン7ミリモル当り5ミリモルの量で添加し、ヘ
モグロビン溶液を調製した。このヘモグロビン溶液を、
試験例1と同様に37℃のインキュベーション下でメト
化加速試験を行ない、メト化の進行に対する抑制効果を
経時的に検証した。結果を表1に示す。
【0032】(実施例4)実施例3において、グアノシ
ンに代えてリボース-1- リン酸(R−1−P)を、3ま
たは6ミリモルの濃度で添加したヘモグロビン溶液を調
製し、実施例3と同様にメト化加速試験を行ない、メト
化の進行に対する抑制効果を経時的に検証した。結果を
表1に示す。
【0033】 表1から明らかなように、グアノシン、R−1−P添加
によりメト化が抑制され、その効果は同濃度のイノシン
添加時にほぼ等しいものであった。
【0034】(実施例5)試験例1と同様に、100k
Dの限外ろ過フィルター処理を行って調製したストロー
マフリーヘモグロビン溶液(SFH)に、ヘモグロビン
7ミリモル当りNAD0.1ミリモル、イノシン(I
N)6ミリモルを添加し、pHを6.6から8.2の範
囲で変化させた各9検体のヘモグロビン溶液を調製し
た。これらを試験例1と同様に37℃のインキュベーシ
ョン下でメト化加速試験を行い、メト化の進行に対する
pHの影響を検証した。結果を図6に示す。
【0035】図6から明らかなように、pH7.0以上
でのメト化抑制効果は、リポソーム内包時の生体内半減
期(およそ24時間)の期間に相当するまで持続し、延
長されていることが認められた(図中太線グラフ)。図
6より、短時間(6時間程度)のメト化抑制効果は、p
H6.6−8.2の全域で認められ、特にpH6.8−
7.8の範囲では還元が進行した。しかし、24時間後
には、pH7以下でメト化が進行していたことから、S
FHのpH調整の範囲はpH7.0を下限とするのが望
ましいことが示された。
【0036】(実施例6および比較例3) <ヘモグロビン含有リポソームの調製>試験例1と同様
に赤血球を溶血、遠心分離し、0.2μmのフィルター
でろ過した後、分画分子量100kDの限外ろ過フィル
ターによる処理を行った、ヘモグロビン溶液を、ダイア
ライザーで濃縮し、ヘモグロビン濃度45%のストロー
マフリーヘモグロビン溶液(SFH)を調製した。この
SFHに、イノシトールヘキサリン酸(IHP)をヘモ
グロビンと等モル比になるよう添加し、リポソーム型酸
素運搬体の製造に供した。
【0037】水素添加大豆レシチン、コレステロール、
ミリスチン酸の均一混合脂質粉末に、予めNaOH水溶
液(0.5〜2.0N)を加えて中和膨潤液を調製し、
膨潤水量が脂質と等量となるように蒸留水を加えて80
℃、30分の水和処理を行った。SFHはIHPのみ添
加のもの(比較例3)と、NAD、イノシンを添加した
もの(実施例6)とを用意し、各々を得られた水和脂質
に対して重量比にして4:1で添加し、高速攪拌機(ワ
ーリングブレンダー:ワーリング社製)に投入し、攪拌
処理を行った。得られたリポソームの懸濁液を生理食塩
水で10倍に希釈して、高速遠心機により遠心し、リポ
ソームに取り込まれなかったヘモグロビンおよび微小粒
子を除去した。さらに上澄みにヘモグロビンが検出され
なくなるまで生理食塩水で遠心洗浄を繰り返し、その
後、0.45μmのフィルターを用いて、ろ過滅菌及び
粒子制御を行った。最終的にヘモグロビン濃度が6%に
なるよう限外ろ過膜により濃縮した。得られた人工酸素
運搬体は、試験例1と同様にメト化加速試験を実施し
た。
【0038】酸素運搬体4200μlを、10%Triton
X-100を含む20ミリモルリン酸緩衝液(pH7.2)
8.0mlに懸濁し、フレオン2.0ml添加、懸濁後
3000rpm で10分間遠心し、上清を得た。この上清
を (A) 、(B)2つに分け、試験例1と同様にメト化
を測定した。その結果、IHP以外の添加物を加えずに
製造された酸素運搬体(比較例3)では、24時間後の
ヘモグロビンのメト化率が30%であったのに対して、
NAD、イノシンを加えて製造した酸素運搬体(実施例
6)では18%と低い値を示し、これらの添加効果が確
認された。
【0039】
【発明の効果】ヘモグロビン溶液の調製過程にウイルス
除去工程を導入することによりウイルス感染リスクを低
減し、より安全な人工酸素運搬体の提供が可能となる。
さらに、ヘモグロビン溶液に適切な添加物質を加えるこ
とにより、人工赤血球およびリポソーム型人工酸素運搬
体の保存時および生体内投与時のメトヘモグロビン生成
を抑制することができ、その機能が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NAD共存下でのイノシン添加効果を示す図
である。
【図2】 NAD共存下でのアデニン添加効果を示す図
である。
【図3】 NAD共存下でのグルコース添加効果を示す
図である。
【図4】 イノシン共存下でのNADの添加効果を示す
図である。
【図5】 NAD共存下でのイノシン、イノシン酸添加
効果を示す図である。
【図6】 実施例で検証したメト化の進行に対するpH
の影響を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量150kD以上の成分が除去された
    赤血球由来のストローマフリーヘモグロビン溶液と、
    (A)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    (NAD)および/または還元型ニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチド(NADH)と、(B)イノシン、イ
    ノシン酸、グアノシンおよびリボース-1- リン酸からな
    る群より選ばれる少なくとも1つとからなるヘモグロビ
    ン溶液。
  2. 【請求項2】分子量150kD以上の成分が除去された
    赤血球由来のストローマフリーヘモグロビン溶液と、
    (A)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    (NAD)および/または還元型ニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチド(NADH)と、(B’)リボース-1
    - リン酸または代謝系で最終的にリボース-1- リン酸と
    なりうる物質からなる群より選ばれる少なくとも1つと
    からなるヘモグロビン溶液。
  3. 【請求項3】前記ストローマフリーヘモグロビン溶液
    は、分子量15万以上の解糖系酵素を実質的に含まない
    請求項1または2に記載のヘモグロビン溶液。
  4. 【請求項4】前記ヘモグロビン溶液がヘモグロビンを3
    0〜60重量%の濃度で含有する請求項1〜3のいずれ
    かに記載のヘモグロビン溶液。
  5. 【請求項5】前記ヘモグロビン溶液のpHが7.0〜
    8.5である請求項1〜4のいずれかに記載のヘモグロ
    ビン溶液。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のヘモグロ
    ビン溶液がリポソームに内包されてなるヘモグロビン含
    有リポソーム。
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