JPH075477B2 - ヘモグロビン含有リポソームおよびその製法 - Google Patents

ヘモグロビン含有リポソームおよびその製法

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JPH075477B2
JPH075477B2 JP63332519A JP33251988A JPH075477B2 JP H075477 B2 JPH075477 B2 JP H075477B2 JP 63332519 A JP63332519 A JP 63332519A JP 33251988 A JP33251988 A JP 33251988A JP H075477 B2 JPH075477 B2 JP H075477B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、酵素運搬機能およびメトヘモグロビン還元機
能の両者を同一リポソーム内に保持し、失血状態下の患
者血管内に投与する事により、低下した末梢組織への酸
素供給能の増加、循環体液量の代償的補充、末梢循環不
全、血清電解質バランスの是正等を目的とするヘモグロ
ビン含有リポソームおよびその製造法に関する。
<従来の技術> 1957年(Hemoglobin corpuscles.Report of research p
roject for B.Sc.Honours Physiology.McGill Universi
ty,Montreal.)および1964年(Semipermiablemicrocaps
ules.Science,146:524))Chang,T.M.Sのコロジオン膜
へのヘモグロビン封入に関する研究報告以来、ナイロン
膜やシリコン膜をはじめとして、ポリスチレン・エチル
セルロース・デキストランステアレートなどの高分子お
よび架橋タンパク質など、多くの人工膜を用いてヘモグ
ロビンのマイクロカプセル化が検討されてきた。
近年、マイクロカプセル化人工赤血球よりもはるかに本
物に近い人工赤血球が得られる可能性があるとして、リ
ポソームに関心が寄せられている。リポソームは内部に
水相を有する脂質2分子膜からできた小胞体を指し、細
胞膜モデルとしてばかりでなく、タンパク質、生体高分
子、ビタミン、ウイルス、塩類、薬剤・ホルモンなどの
生理活性物質を封入することのできるキャリアとして高
く評価されている。また、赤血球自体も脂質2分子膜を
主要な構造単位としている事からも、リポソームの人工
赤血球としての有用性が期待される。すでに、日本国内
においても、リポソーム型人工赤血球に関していくつか
記載されている(特公昭52−151718号公報、特公昭58−
183625号公報、特公昭61−37735号公報)。
また、アメリカ(特許No.4133874)・ベルギー(特許N
o.855481)・イギリス(特許No.1578776)およびカナダ
(特許No.1095444)については対応特許が成立してい
る。
こうした一連のリポソーム型人工赤血球の調製は、一般
にリポソーム膜に内包させるヘモグロビン溶液を調製す
る工程と、調製されたヘモグロビン溶液をリポソーム化
する工程とに大別される。前者の調製工程は、基本的に
以下のように概説することができる。
ヒトもしくは動物の全血から赤血球のみを分離する。
分離した赤血球を洗浄する。
蒸留水もしくは低張緩衝液により溶血液を得る。
赤血球細胞基質(赤血球膜成分など)を溶血液から除
去し、高純度ヘモグロビン溶液を得る。
基質を含有しないヘモグロビン溶液中の電解質濃度を
正常な生体レベルに調整する。
一方、後者の調製については、特に確立された方法はな
く、数多くの報告がなされている。
以下に代表的な方法を列挙する。
(a)ガラスビーズ撹拌法(glass bead vortexing) (b)コール酸除去法(cholic acid removal) (c)逆相蒸発法(reverse phase evaporation) (d)有機溶媒注入法(ether infusion) (e)フレンチプレス法(french press extrusion) (f)Ca2+融合法(Ca2+−induced fusion) (g)クロロホルム−エーテル小球法(chloroform-eth
er spherules) (h)光重合法(photopolymerization) (i)凍結−融解法(freezing-theawing) (j)脱水−再水和法(dehydration-rehydration) <発明が解決しようとする課題> 酸素運搬体として使用されるヘモグロビンは、種々の条
件下で比較的容易に酸化を受けて、メトヘモグロビンに
変化する。また、ヘモグロビンは、ヘム鉄(プロトヘム
IX)が還元型の状態でのみ酸素運搬機能を保持するた
め、ヘモグロビンを用いる人工赤血球において、メト化
は重要な問題点となる。従来のリポソーム型人工赤血球
は、製造過程および保存状態下ならびに投与後の生体内
酸化および不飽和脂質の過酸化反応に伴なうメトヘモグ
ロビン生成を抑制するために、通常、メト化抑制剤(酸
化防止剤もしくは安定化剤)をその製造過程で添加して
いる。
例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫
酸第一鉄等の無機物質が知られている。これらの抗酸化
作用は確実ではあるが、生体に対する毒性も強いため、
臨床で使用される人工赤血球には好ましくない。一方、
体内にも存在する還元型グルタチオン、アスコルビン酸
(ビタミンC)等は、生体認容性の高いメト化抑制物質
として知られているが、抑制効率および効果の持続時間
または物性(物質自体の安定性・溶解性)等に問題があ
り、いずれもヘモグロビンのメト化抑制剤として不充分
であった。
また、トコフェロール類(ビタミンE)は古くから非特
異的抗酸化作用を持ち、生体膜脂質の抗酸化が第一義的
作用であろうと言われ、実際に食品中の不飽和脂肪酸や
ビタミンA、カロチン等の酸合防止剤として用いられて
いる。しかし、トコフェロール自体は脂溶性物質である
ため、不飽和物質の過酸化反応は効率良く抑制するが、
リポソーム内水相で生ずるヘモグロビンのメト化を充分
に抑制することはできない。
同様に生体認容性に優れ、輸液剤として使用される糖類
もメト化抑制作用を持つことが知られている(特公昭60
−178822号公報)。これらは、前述の公開特許公報にも
記載されるように、充分なメト化抑制効果を得るために
は生体の血糖値に比較して高濃度に添加する必要があ
り、生理的であるとは言い難い。
さらに、従来公知のメト化抑制剤の効果は、ヘモグロビ
ンがある種の環境下で酸化されるのを防ぐことにより発
現する。したがって、既に生じたメトヘモグロビン濃度
を減少させる効果は通常期待できない。
本発明の目的は、メトヘモグロビンの酵素的還元に必要
な生体内物質を同一リポソーム中にヘモグロビンと共に
内包させ、従来使用されているメト化抑制剤と異なり、
メトヘモグロビンを還元することでメト化抑制機能を示
すヘモグロビン含有リポソームおよびその製造法を提供
することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、脂質からなるリポソームに、ヘモグロビン
と、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドホスフェートおよびこれ
らの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以
上の電子供与体と、および該電子供与体からの電子を受
け取ってヘモグロビンのメト化を抑制するメトヘモグロ
ビンの酵素的還元に必要な生体内物質とを含む内容液を
とりこんでなるヘモグロビン含有リポソームを提供す
る。
また、その内容液はさらに有機リン酸化合物を含むのが
好ましい。
また、本発明は、洗浄血液を低張リン酸緩衝液を添加し
て溶血させ、赤血球基質成分を除去し、低張リン酸緩衝
液に対して透析を行った後、限外濾過により濃縮し、ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドホスフェートおよびこれらの誘
導体からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の電
子供与体を添加して混和させ、これをリポソーム化する
上述のヘモグロビン含有リポソームの製法を提供する。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明のヘモグロビン含有リポソームは、ヘモグロビン
と、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドホスフェートおよびこれ
らの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以
上の電子供与体と、および該電子供与体からの電子を受
け取ってヘモグロビンのメト化を抑制するメトヘモグロ
ビンの酵素的還元に必要の生体内物質とを含む内容液
を、脂質からなるリポソームにとりこませたものであ
る。
したがって、内容液のうち、ヘモグロビンと、電子供与
体からの電子を受け取ってヘモグロビンのメト化を抑制
するメトヘモグロビンの酵素的還元に必要な生体内物質
とは、ヒト赤血球もしくは期限切れ濃赤血球製剤等の天
然赤血球由来のものである。つまり、これらの天然の赤
血球を洗浄し、限外濾過して得られたヘモグロビン分画
にヘモグロビンおよび生体内物質はともに含有されるも
のである。
このような電子供与体からの電子を受け取ってヘモグロ
ビンのメト化を抑制するメトヘモグロビンの酵素的還元
に必要な生体内物質は、チトクロムb5、NADH−チトクロ
ムb5還元酵素、NADH−フラビン還元酵素ならびに(カタ
ラーゼ/スーパーオキシドジスムターゼ/グルタチオン
パーオキシターゼなどの活性酵素除去物質を含む。
そして、リポソームにとりこまれる内容液は、上述の天
然赤血球に含有されるヘモグロビンおよび生体内物質に
加えて、以下で説明する特定の電子供与体を外部より添
加して調整される。
電子供与体は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェー
トおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれる、少な
くとも1種以上のものである。内容液はさらに有機リン
酸化合物を含んでいてもよい。
そして、本発明のヘモグロビン含有リポソームの製法
は、洗浄血液を低張リン酸緩衝液を添加して溶血させ、
赤血球基質成分を除去し、低張リン酸緩衝液に対して透
析を行った後、限外濾過により濃縮して画分(ヘモグロ
ビン画分)を得る。さらに、得られた画分に、ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェートおよびこれらの誘導体か
らなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の電子供与
体を添加して混和させて内容液(リポソーム内容液)を
得、これをリポソーム化することによって行われる。
上記リポソーム内容液を調製する代表的方法について述
べる。まず、ストローマ・フリー・ヘモグロビン(Stro
ma Free Hemoglobin、以下単にSFH溶液という)を調製
する。その調製工程を第1図のフローチャートに示す。
第1図に示すように、原料用血液は正常人赤血球もしく
は期限切れ濃厚赤血球製剤等を用い、基本的な調製法に
ついては、すでに公知の方法を利用する事ができる。以
下、フローチャートに従って各工程の概略を説明する。
全血は、連続遠心機により血漿・白血球・血小板等を
除去し、さらに生理食塩水を用いて遠心洗浄を連続的に
行ない粗洗浄赤血球とする。
粗洗浄赤血球は引き続き血漿分離器(例えば、孔径0.
45μmのセルロースアセテート膜)により、生理食塩水
を用いて繰り返し洗浄し、血漿・白血球・血小板等を完
全に除去した洗浄赤血球を得る。
得られた洗浄赤血球に過剰量(およそ2〜3倍の容
量)の蒸留水もしくは低張緩衝溶液(例えばpH=7.4前
後)を添加して、洗浄赤血球溶血液とする。
この洗浄赤血球溶血液は、前述の血漿分離器さらに血
漿成分分離器(例えば、孔径0.1μmのセルロースアセ
テート膜)を連続的に通過させて赤血球膜残渣の除去と
溶血液の無菌化を行なう。
上記の操作により得られた溶血液は、低分子量物質
(分画分子量:10,000以下)の除去ならびに水素イオン
濃度(pH7.2〜8.5)および電解質濃度の至適化を目的と
した透析処理を行なった後、ヘモグロビン濃度がおよそ
40〜60g/dlの範囲内になるように限外濾過(分画分子
量;10,000以下)を用いて濃縮する。
本発明に使用するSFH溶液を含む内容液は、上述の工程
で得られたヘモグロビン分画に少なくとも1種の電子供
与体を添加して調製される。このヘモグロビン分画には
ヘモグロビンおよび電子供与体からの電子を受け取って
ヘモグロビンのメト化を抑制するメトヘモグロビンの酵
素的還元に必要な生体内物質が含まれている。
上記低張緩衝溶液としては、リン酸緩衝液、HEPES緩衝
液、TES緩衝液などを用いることができる。
また、電子供与体としての、還元型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチドおよび還元型ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェートもしくはこれらの誘導体
としては3−アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド
(3−アセチルピリジン−DPN)、チオニコチンアミド
アデニンジヌクレオチド(チオ−DPN)、3−ピリジン
アルデヒドDPN、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌク
レオチド(デアミノ−DPN)等を代表的に挙げることが
できる。
本発明の目的であるメト化抑制効果を効率良く発現させ
るためには、電子供与体はいずれも還元型として溶液中
に存在する必要がある。そのため、これらの電子供与体
はリポソーム化する直前の添加が好ましいが、目的によ
っては初期の段階で添加することもできる。この場合に
は添加後の透析・現外濾過による損失を考慮し、透析液
に同濃度の電子供与体を添加するなどの適当な方法を講
ずる必要がある。
一方、電子供与体の還元型と酸化型の存在比率は溶液の
水素イオン濃度と密接に関連し、天然赤血球の構成成分
である還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドお
よび還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホス
フェートについては、弱アルカリ性条件下(pH8〜9)
で最も安定となる。また、ヘモグロビンの自動酸化速度
はpHの低下と共に増大することから、SFH溶液すなわち
内容液のpHは7.2〜8.5の範囲内に調整することが好まし
い。特に、本発明の適用を失血状態下の患者を対象とし
た場合には末梢組織における代謝性アシドーシスの是正
という点の有用性も期待できる。
前述の電子供与体の添加量は、選択する個々の物質なら
びに目的とする効果の持続時間等により若干異なるが、
通常ヘモグロビンに対する重量モル比としては、およそ
0.5〜10、特に医薬品として大量に調製する場合には価
格等も考慮し、ヘモグロビンに対する重量モル比として
0.5〜3の範囲内での添加が好ましい。
電子供与体の添加方法は特に限定されず、SFH溶液中に
均等に混和することのできる方法であれば、試薬形態
(結晶・凍結乾燥品・水溶液等)も自由に選択すること
ができるが、ヘモグロビンのメト化防止という観点から
4℃前後の低温に維持することが好ましい。また、同様
の目的で従来公知の予防的抗酸化剤もしくは安定化剤を
SFH溶液中に混在させることも可能である。
内容液にはさらに有機リン酸化合物を添加しておいても
よい。その代表例としては、イノシトールヘキサリン
酸、グルコース−6−リン酸、アデニントリホスフェー
ト、アデニンジホスフェートなどを挙げることができ、
これらはヘモグロビンのアロステリック因子としてヘモ
グロビンと酸素との親和性を変化させて、末梢組織への
酸素運搬能を増加させる機能を持つ。
次に上述した内容液を内包するためのリポソームについ
て説明する。
生体膜モデルやドラッグデリバリーシステム(D.D.S)
として使用されるリポソームは、形態的に見て大きく3
種類に分けられる。
脂質の膜が幾重にも袋状になっている多重層リポソーム
(multilamellar liposome,orvesicle,MLV)一つの層に
囲まれた小さい小単層リポソーム(single compartment
liposome,smal unilameller vesicle,SUV)単層である
がサイズの大きい大単層リポソーム(large unilamella
r vesicle,LUV)の3種である。通常、本発明には、直
径0.1〜1.0μmの単層リポソームを使用するのがよい。
リポソームを構成する脂質としては、ホスファチジルコ
リン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチ
ジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシト
ール(PI)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、ガン
グリオシド(G)、カルジオリピン(CL)、スフィンゴ
ミエリン(SM)、ジパルミトイルホスファチジルコリン
(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMP
C)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、
ホスファチジル酸(PA)、ホスファチジルグリセロール
(PG)およびこれらを常法にしたがって水素添加した物
が挙げられる。上述の脂質は水中で熱力学的に安定なミ
セルの形成に不可欠な成分であり、これらを組み合わせ
て使用することもできる。
これらの脂質以外にコレステロール(CHOL)、ジセチル
ホスフェイト(DCP)、ステアリルアミン(SA)等が添
加されることもある。コレステロールはリポソームの形
成・膜の安定化を目的として通常添加される他に、リポ
ソーム膜の透過度を調節するためにも使用できる。同様
に、ジセチルホスフェイト(−)、ステアリルアミン
(+)等の電荷付与物質についても、リポソームの生体
内挙動の調節に使用できるが、これはすべてのリポソー
ム形成に不可欠というものではない。
一方、リポソームの形成とは異なる観点から、トコフェ
ロール同族体も添加される。前述したようにトコフェロ
ール(ビタミンE)は、非特異的な抗酸化作用を持つ生
体成分で古くから食品中の不飽和脂肪酸やビタミンA、
カロチンなどの酸化防止剤として使用されてきたが、本
発明においても酸化防止剤として、リポソーム膜あるい
はヘモグロビンの安定性に寄与する。特に、不飽和脂質
を含有するリポソームでは、重要な構成成分となる。
リポソームの調製にあたっては、前述したように種々の
方法が知られているが、人工赤血球として用いるリポソ
ームに特別な調製方法があるわけではない。しかし、内
包するヘモグロビンは、温度・光・水素イオン濃度・溶
存ガス、金属イオン(Cl2+etc.)等により容易に酸素運
搬機能のないメトヘモグロビンに酸化される。したがっ
て、この点を留意して、すでにD.D.S等の分野で公知の
方法により調製される。例えば、ガラスビーズ撹拌法、
コール酸除去法、逆相蒸発法、フレンチプレス法、Ca2+
融合法、パールボンビング法、脱水−再水和法等を使用
することができる。
<作用> 本発明のヘモグロビン含有リポソームの内容液に含まれ
るSFH溶液には、天然赤血球由来のNADH-チトクロームb5
還元酵素系およびNADPH-フラビン還元酵素系から選ばれ
た少なくとも1種の電子受容体も混在しており、SFH溶
液調製時にまたはその後に外部から添加した還元型NAD
(P)Hは、前述の還元酵素系の補酵素(電子供与体)
として利用される。各酵素系の還元型基質(チトクロー
ムb5およびフラビン)は、ヘモグロビンの酸化により生
ずるメトヘモグロビンを非酵素的に還元し、酸素運搬能
を有するヘモグロビンに戻す機能も持つ。このため、生
体内で酵素運搬能を低下させる要因となるメトヘモグロ
ビン生成を抑制し、結果的に酸素運搬能を安定化する作
用を示す。また、疎水性の脂質2分子膜(リポソーム)
は、目的とする酵素反応の至適条件を維持する作用を有
する。
<実施例> 以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1) 調製の各工程は冷蔵状態(+4℃)に維持し、無菌的環
境下で実施した。また、試薬・器具類は滅菌処理を行な
い、重金属イオン・無機イオン等の残留のない無菌超純
水(15megΩ・cm at25℃以上)を調製に使用した。
(1)SFH溶液の調製 輸血期間切れ濃厚赤血球15(200ml×75bags)は連続
遠心機を用いて生理食塩水で洗浄し、混在する血小板・
白血球等の血漿成分を除去した粗洗浄赤血球を得た。さ
らに、孔径0.45μmの血漿分離器を用いて生理食塩水洗
浄を行ない、この洗浄赤血球5に対して低張リン酸緩
衝液として(10mM./pH7.4)を10添加して溶血させ
た。孔径0.45μmの血漿分離器および孔径0.1μmの血
漿成分分離器を用いて赤血球膜成分の除去ならびに無菌
濾過を行ない、ヘモグロビン濃度8(W/V)%の赤血球
膜除去ヘモグロビン溶液約1を回収した。
得られた溶液はホローファイバー型ダイアライザー(TE
RUMO,TAF-10W)を用いて10mM.リン酸緩衝液(pH7.4)に
対して透析を行なった後、限外濾過により濃縮し、ヘモ
グロビン濃度50(W/V)%の赤血球膜除去ヘモグロビン
溶液(SFH:Stroma Free Hemoglobin)約1.8を調製し
た。
(2)SFHへの試薬添加 上述(1)の工程を経て調製したSFH50mlに電子供与体
として還元型β−NADH・Na2(BMY,grade II/98%凍結乾
燥試薬)をヘモグロビンに対する重量モル比(NADH・Na
2/Hb)が等しくなるように添加し、溶解・混和して内容
液を得た。
(3)SFHのリポソーム化 水素添加率90%の精製飽和ホスファチジルコリン(EP
C)、コレステロール(Chol)、ミリスチン酸ナトリウ
ム(MA)の均一混合粉末(日本精化、プレソーム/EPC:C
hol:MA=7:10:2.4(モル比))9.0gと上述(2)で調製
した内容液50mlをワーリング・ブレンダー(WARING Co.
Blender 7010S)で撹拌混合した。この懸濁液はパール
細胞破砕器(PARR Co.)に入れ、ヘリウムガスで100kg/
cm2に加圧して30分間放置後、この圧力を維持した状態
でパール細胞破砕器の細隙ノズルから吐出されてリポソ
ーム化を行なった。
(4)ヘモグロビン封入リポソームの精製 上述(3)の加圧吐出後に得られた溶液は約10倍容の生
理食塩水を用いて希釈・懸濁液とした後、遠心分離(1
7,000rpm×30min at 4℃)を行なった。効率よくヘモグ
ロビンを封入しているリポソームは遠心処理により沈殿
物として回収された。リポソーム化されずに残存する遊
離ヘモグロビンおよび原料脂質残渣を含む上清はデカン
テーションで除去した。以上の洗浄操作を上清中の遊離
ヘモグロビンが肉眼的に認められなくなるまで繰り返し
行なった後、0.4μmのニュークリボアメンブラン(ポ
リカーボネート)を用いて濾過し、懸濁液中に混在する
粗大粒子を除去した。最終的に生理食塩水を用いてヘモ
グロビン濃度が10%となるように調整し、精製したヘモ
グロビン封入リポソーム懸濁液約40mlを回収した。
(実施例2) (1)SFH溶液の調製 SFH溶液の基本的調製方法は、実施例1の(1)に準じ
て行なったが、本実施例では以下の点を考慮して、10mM
・HEPES(もしくは10mM・TES**)緩衝液(pH7.4 at
37℃)を調製に使用した。
緩衝液自体がヘモグロビンの酸化を促進しない。
添加試薬(ピリジンヌクレオチド類)に対する安定性
が高い。
目的とする酵素活性を阻害しない。
生体に対する安全性が高い。
pH7.4(37℃)における緩衝能が高い。
*HEPES:2-[4-Hydroxyethyl-1-piperazinyl)]ethane
sulfonic acid **TES:N-[Tris(hydroxymethyl)‐methyl]‐2-ami
noethanesulfonic acid (2)SFH溶液への試薬添加 前述の法王で得られたSFH50mlに電子供与体として還元
型β−NADPH・Na4(BMY,98%凍結乾燥試薬)をヘモグロ
ビンに対する重量モル比(NADPH・Na4/Hb)が等しくな
るように5mlのHEPES緩衝液(10mM./pH7.4)に溶解し、S
FH中で均一になるように添加・混合した。
(3)SFHのリポソーム化 水素添加率90%の精製飽和ホスファチジルコリ(EP
C)、コレステロール(Chol)、ミリスチン酸ナトリウ
ム(MA)の均一混合粉末(日本精化、プレソーム/EPC:C
hol:MA=7:10:2.4(モル比))9.0gと上述(2)で調製
したSFH50mlをワーリング・ブレンダー(WARING Co.,Bl
ender 7010S)で撹拌を行ない、全体が均一になるまで
混合した。こうして得られた懸濁液はフレンチプレス細
胞破砕機(大岳製作所)を用いて600kg/cm2の加圧・吐
出処理を繰り返し(10回)行ない、SFH封入リポソーム
を調製した。
(4)ヘモグロビン封入リポソームの精製 上述(3)の加圧・吐出後に得られた溶液は、実施例1
の(3)に準じて精製した。
(実施例3) (1)SFH溶液の調製 SFH溶液の調製は、10mM・HEPES(もしくは10mM・TES)
緩衝液(pH7.4 at 37℃)を用いた実施例2の(1)と
同様に行なった。
(2)SFH溶液への試薬添加 前述の方法で得られたSFH45mlに、この溶液中のヘモグ
ロビンとモル比が等しくなるように電子供与体として還
元型β−NADPH・Na4(BMY,98%凍結乾燥試薬)およびイ
ノシトール−6−リン酸ナトリウム(SIGMA Co.)なら
びにグルコース−6−リン酸ナトリウムを前述の緩衝液
5mlに溶解し、この溶液をSFH中で均一になるように添加
・混合した。
(3)SFHのリポソーム化 パール細胞破砕器を用いた実施例1の(3)に記載した
方法によりリポソーム化を行なった。
(4)ヘモグロビン封入リポソームの精製 上述(3)の加圧・吐出後に得られた溶液は、実施例1
の(3)に準じて精製した。
[SFH分析例−I(残存蛋白質)] 実施例に記載した方法で調製したSFH溶液に含まれる蛋
白質成分の全体像を把握する目的でドデシル硫酸ナトリ
ウム添加ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析(SDS−P
AGE)を行なった。
第2a図に洗浄赤血球ならびに第2b図に調製したSFHの蛋
白質分析例を示した。両者を比較すると、最終的に調製
されたSFH溶液中にヘモグロビン以外の天然赤血球由来
蛋白質成分が残存することがわかる。これらのSFH残存
蛋白質成分の分子量分画は、およそ10,000〜70,000の範
囲にあり、透析・限外濾過工程で使用したダイアライザ
ーの分画分子量(約8,000〜10,000)以下の低分子量物
質は完全に除去されていた。
[SFH分析例−II(残存酵素活性)] 実施例に記載した方法で調製したSFHのNADH依存型メト
ヘモグロビン還元酵素活性を外部から還元型NADHを添加
して分光学的に検討を行なった。洗浄赤血球を対照とし
て、SFHで得られたNADH−メトヘモグロビン・レダクタ
ーゼ活性値ならびに単位ヘモグロビン当たりの比活性を
表1に示した。また、SFHについては測定系への試料添
加量を変化させて、この酵素活性の濃度依存性も比較し
たが、いずれも顕著な変化は認められなかった。
こうした一連の検討から、SFHの調製操作は目的とする
酵素の基本的機能に影響を与えていないものと解釈され
た。
[ヘモグロビン経時酸化率の測定] ヘモグロビンの経時酸化は37℃インキュベーション開始
時の可視領域(460nm〜700nm)における吸収スペクトル
(oxyHb)を基点(酸化率=0%)として、一定時間ご
とに吸収スペクトルを測定した。測定終了時にフェリシ
アン化カリウムもしくは亜硝酸ナトリウムを添加し得ら
れた吸収スペクトル(metHb)を終点(酸化率=100%)
として、oxyHbならびにmetHbの特異吸収帯における各測
定時間までの吸光度変化量からヘモグロビン酸化率を算
出した(第3図および表2参照)。
試薬類未添加SFHをコントロールとして、実施例1に
記載した還元型NADH添加SFHの37℃・好気的条件下にお
けるヘモグロビンの経時的酸化率を比較した。第4図に
示したように、還元型NADH添加はヘモグロビンの経時的
酸化を効率良く抑制することを確認した。
試薬類未添加SFHをコントロールとして、実施例2に
記載した還元型NADPH添加SFHの37℃・好気的条件下にお
けるヘモグロビンの経時的酸化率を比較した。第5図に
示したように、還元型NADPH添加はヘモグロビンの経時
的酸化を効率良く抑制することを確認した。しかし、還
元型NADPHの抑制効果は比較的早期に低下し、以後は急
速にヘモグロビンの酸化が進行した。この効果持続時間
は、還元型NADPH添加量に依存する傾向を示した。
試薬類未添加SFHをコントロールとして、実施例3に
記載した還元型NADPHならびにグルコース−6−リン酸
ナトリウム添加SFHの37℃・好気的条件下におけるヘモ
グロビンの経時的酸化率を比較した。第6図に示したよ
うに、グルコース−6−リン酸の添加は還元型NADPHの
効果持続時間を顕著に延長させ、上述の問題点を改善
した。一方、IHPの添加はヘモグロビンの酵素運搬効率
を向上させる以外に、第7図に示したように還元型NADP
Hの酸化抑制作用を増強(延長)させた。
[SFH封入リポソームの特性値] 実施例に記載したSFH封入リポソームの物理・化学的特
徴を表3に示した。最終的に得られた個々のリポソーム
は2〜7毎の脂質2分子膜構造を有する平均粒径248nm
の閉鎖小球状形態を持ち、調製した懸濁液の可視吸光度
スペクトル(第8図)から、封入したSFHがリポソーム
においてもオキシヘモグロビンの状態を保持している事
がわかる。
また、ヘモロビンに対し強力な酸化作用を有するフェリ
シアン化カリウムを用いて、脂質2分子膜のバリアー能
について検討を行なった。対照としてリポソーム化を行
なっていないSFHに過剰量のフェリシアン化カリウムを
添加した場合、ヘモグロビンは添加直後に完全に酸化さ
れてメトヘモグロビンとなった。一方、実施例に記載し
たリポソーム化処理により封入されたSFHにおいては、
第9図に示したようにフェリシアン化カリウムによるヘ
モグロビン酸化は顕著に抑制された。
<発明の効果> 本発明のリポソーム型人工赤血球は、37℃におけるヘモ
グロビンの経時的自動酸化ならびに外因性酸化物(フェ
リシアン化カリウム・ニトログリセリン・フエナセチン
・メナジオン・アミノフェノール・サルファ剤およびそ
の代謝物)等によるメトヘモグロビン生成を顕著に抑制
する機能を保持している。
これらの機能発現は基本的に、ヘモグロビンと同様の原
料用天然赤血球由来の残存成分が関与している。すなわ
ち、第2図に示したように、本発明に使用するSFH溶液
の電気泳動像では、ヘモグロビン以外の微量蛋白質成分
が混在し、その後の検討により天然赤血球酵素として知
られるメトヘモグロビン還元酵素活性もSFH溶液中に残
存している事を確認し得た(表1)。
この還元酵素反応は、補酵素として還元型NADH(dalto
n:665),NADPH(dalton:745)を必要としている。一
方、SFH溶液の調製過程では低分子量物質の除去・各種
イオン濃度の調整およびヘモグロビンの濃縮等を目的と
して透析・限外濾過を行なっており、低分子量物質であ
る補酵素類はこうした処理操作の段階でSFH溶液中から
容易に除去され、前述の酵素反応は見かけ上、阻害され
た状態と成る。
一般に酵素反応の発現には、酵素−基質もしくは酵素−
補酵素とが解離しうる状態で弱い複合体を形成する必要
が有る。このため、還元型NADHを添加した安定化ヘモグ
ロビン溶液を代用血液として生体に投与した場合、循環
血流中で速やかに希釈され、還元型NADHの有効性を安定
に維持することが困難となる。さらに、酸素運搬機能に
関与するヘモグロビンも、循環血流中から急速に代謝・
排泄されるため代用血液としての有用性は臨床上期待で
きない。
本発明においては、SFH溶液中の不純物として従来取り
扱われてきた原料赤血球由来の微量成分(特に酵素蛋白
質)を利用し、補酵素および基質類等のSFH調製過程で
除去された低分子量物質のみを添加してヘモグロビンの
メト化抑制に有用なメトヘモグロビン還元酵素系を再構
成したSFH溶液をリポソーム化することにより、生体内
における前述の問題点を改善した。リポソーム化はメト
ヘモグロビン還元系の反応至適条件維持、外部環境から
ヘモグロビン等の有用蛋白質成分の保護、酸素−基質も
しくは酵素−補酵素の複合体の形成頻度を増大し、結果
としてメトヘモグロビン還元能の安定性ならびに効率を
向上させる効果を持つ。また、微量の蛋白質が多成分混
在するSFH溶液の抗原性および免疫系への影響を緩和す
る可能性も期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いるSFH溶液を調製する工程を示す
フローチャートである。 第2a図および第2b図はそれぞれSFH溶液調製過程におけ
る洗浄赤血球およびSFH溶液中の蛋白質SDS−PAGEによる
分析例を示す図である。 第3図はヘモグロビンの酸化率を吸収スペクトルにより
測定したグラフである。 第4図は還元型NADHを添加したSFHにおけるヘモグロビ
ンの経時的酸化率を示すグラフである。 第5図は還元型NADPHを添加したSFHにおけるヘモグロビ
ンの経時的酸化率を示すグラフである。 第6図は還元型NADPHおよびGlu−6−リン酸を添加した
SFHにおけるヘモグロビンの経時的酸化率を示すグラフ
である。 第7図は還元型NADPHおよびGlu−6−リン酸によるヘモ
グロビ酸化抑制にIHPのおよぼす影響を示すグラフであ
る。 第8図は調製直後のSFH封入リポソーム懸濁液で得られ
た可視部吸収スペクトル図である。 第9図はフェリシアン化カリウムによるヘモグロビン酸
化に対するリポソーム化処理ならびに電子供与体[NAD
(P)H(reducedform)]添加SFH封入リポソームの酸
化抑制効果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂質からなるリポソームに、ヘモグロビ
    ン、ニオチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチドホスフェートおよびこれ
    らの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以
    上の電子供与体、および該電子供与体からの電子を受け
    取ってヘモグロビンのメト化を抑制するメトヘモグロビ
    ンの酵素的還元に必要な生体内物質を含む内容液をとり
    こんでなるヘモグロビン含有リポソーム。
  2. 【請求項2】前記内容液はさらに有機リン酸化合物を含
    む請求項1に記載のヘモグロビン含有リポソーム。
  3. 【請求項3】洗浄血液を低張リン酸緩衝液を添加して溶
    血させ、赤血球基質成分を除去し、低張リン酸緩衝液に
    対して透析を行った後、限外濾過により濃縮し、ニコチ
    ンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチドホスフェートおよびこれらの誘導体
    からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の電子供
    与体を添加して混和させ、これをリポソーム化すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のヘモグロビン含
    有リポソームの製法。
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