JP2002500862A - 酸素運搬性アルブミンを基材とする血液代替組成物及び血液増量剤 - Google Patents
酸素運搬性アルブミンを基材とする血液代替組成物及び血液増量剤Info
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Abstract
Description
アルブミン基材の溶液が用いられる別の用途に有用な組換えアルブミン基材の組
成物に関し、特に、ヘム−アルブミン複合体が酸素を可逆的に結合できる能力を
付与するようにヘム結合領域に修飾すなわち変性(modification)を有する組換え
又は遺伝子操作血清アルブミンであって且つ血流中で酸素を運搬できる組成物に
利用できる組換え又は遺伝子操作血清アルブミンに関する。
る。この多重遺伝子族のタンパク質は典型的には比較的大きい多重ドメインタン
パク質から成り、そして血清アルブミンは循環系の主要な可溶性タンパク質であ
り、多数の生命維持に必要な(vital)生理学的プロセスに寄与する。血清アルブ ミンは一般的に乾燥重量で血液成分全体の約50%を構成し、それ自体でコロイド
浸透血圧の維持のほぼ80%を担い(Petersの著作、All About Albumin Biochemistry, Genetics and Medical Applications, Academic Press, 1966 参
照)、また主に血液の生理学的pHの調節を担っている(Figge et al., Lab. Clin. Med. , 120:713-719, 1991 参照)。
性及び外因性リガンド(例えば、種々様々な化学的に異なる分子、例えば脂肪酸
、アミノ酸、ステロイド、カルシウム、金属例えば銅及び亜鉛並びに種々の治療
剤)の運搬、分配及び代謝において極めて重要な役割を果たす。アルブミンファ
ミリーの分子は、一般に前記リガンドの多数のリガンドを、肝臓、腸、腎臓及び
脳のような臓器の循環界面を横切って移動させることを促進すると考えられ、ま
た種々の研究はアルブミン細胞表面レセプターの存在を示唆している。例えば、
Schnitzer et al., P.N.A.S., 85:6773 (1988) 参照。このように、アルブミン
は広範な循環機能及び代謝機能に密接に関与している。
ブミンファミリーの多数のタンパク質の場合のように、ヒト血清アルブミンはヒ
トの生理機能において極めて重要な役割を果たし、実質的にあらゆるヒト組織及
び体分泌物において見出される。前記のように、HSAは顕著な結合及び運搬能を 有し、また循環する血漿に不溶性の長鎖脂肪酸を含めて循環系の至る所に種々様
々なリガンドを有している。アルブミンの結合親和性及び主としてこれらの結合
特性を担う特異領域に関する原子構造とその個々の詳細は、種々の文献、例えば
He et al., Nature 358:209-215 (1992)、Carter et al., Eur. J. Biochem.,
226:1049-1052(1994)、Carter & Ho, Advance in Protein Chemistry, 第45巻
第153-203頁(1994年)の“Structure of Serum Albumin”及び1993年5月25日付 け出願の同時係属中の米国特許出願第08/448,196号明細書(これらの文献は本明 細書において参考文献として参照される)に記載されているように、既に調べら れている。
ており、ウシ、ラット及びヒトの血清アルブミンのような多数の哺乳動物の公知
アルブミン配列の間でアミノ酸配列の60%以上が保存されていることが調べられ
ている。さらにまた、その他の動物種由来の多数のアルブミンが配列決定される
に従って、ヒツジ、カエル、サケ、マウス、ブタ及び場合によってはヤツメウナ
ギ(sea lampreys)含め種々様々な脊椎動物種由来のアルブミンが比較的高い構造
相同性を有し、そしてその全てがヒト血清アルブミンにおいて認められるジスル
フィド架橋の特徴的な反復パターンを有することが認められている。要するに、
配列が決定されているアルブミン多重遺伝子族のタンパク質の全てが良好な分子
内配列相同性を有し、従って前記のタンパク質が共通の原始(ancestral)タンパ ク質から進化したことを示唆し、このタンパク質の生命維持に必要な性質(vital
nature)及び生活機能を表している。例えば、前記に挙げたCarter & Hoの “Structure of Serum Albumin”(1994年) 参照。
含めて血清アルブミン及びその関連タンパク質に関して文字通り多数の用途があ
り、ほとんどの場合に未変性(native)血清アルブミンが使用されている。しかし
ながら、ヘモグロビンのような血液タンパク質と違って、未変性血清アルブミン
は酸素運搬系として機能せず、従って酸素運搬を必要とする代用血液系には役立
たなかった。Tsuchida et al., Bioconjugate Chem., 8:534-538 (1997)により
最近の文献に発表されているように、ヒト血清アルブミンとヘミンの間の複合体
の形成は広く研究されてきているが、ヘミンのヘムへの還元及び血清アルブミン
に結合されたヘムの酸化は達成することが困難であるか又は不可能であった。例
えば、Bonaventuraらは(1994年の米国マサチューセッツ州ボストンでのISABIの 第11回会議でのプレゼンテーションで)、大モル過剰量のアキシアル(axial)イミ
ダゾールの存在下でジオキシンに暴露させた際のヘム誘導体を結合するHASの可 逆的なスペクトル変化を報告したが、安定な酸素付加物を得ることには成功しな
かった。
異なるカテゴリーがある、すなわち主としてO2運搬を取り扱う血液代替品(例 えば、ヘモグロビン基材の製品)と、主として増量剤として使用される血液代替
品(例えば、血清アルブミンを用いる製品)とがある。しかしながら、これらの
血液代替品の両方に関する供給は、天然供給源から単離されたヘモグロビン又は
びアルブミンを基材とする製品の安全性に関するおびただしい懸念から、すなわ
ち製品がウイルス性汚染物例えばAIDSウイルス、B型肝炎ウイルス又は多数の他
の病原性微生物に感染するであろうという懸念から、過去数年間にわたって厳し
く制限されてきている。
タンパク質の主な供給源は、ウイルス剤(viral agent)から感染する危険がさら に増大するだけである保存された古い(outdated)血液からの単離によるものであ
るからである。その結果、血清アルブミンは幾つかの異なる生物学的用途におい
て極めて重要な添加物であることが明らかにされているにもかかわらず、その使
用は幾分制限されてきている。例えば、アルブミンは、血液増量剤として使用さ
れる他に、移植前の臓器を保存するのに役立つ添加剤として使用されている。ま
た、アルブミンは組織培養物における増殖を促進するのに使用されており、この
能力はおそらく脂肪酸の運搬におけるアルブミンの役割に関連しているように思
われる。しかしながら、アルブミンが酸素を運搬することができないことから及
び安全且つ有効なアルブミンの適切な供給を維持することに関連した問題から、
前記の用途の全てが制限される。
に関してさらにいっそうの制約が生じており、第一に進んで献血しようとさえす
る個人の供給の着実な減少を招いている。AIDS及びその他の伝染性疾病に関する
現在の意識は、多くの人々に静脈内血液回収(withdrawal)が前記の疾病状態を生
じるであろうと信じさせており、その結果、さもなければ献血者から得られてい
るかもしれない安全且つ有用な血液代替品の供給が低下している。
な血液タンパク質の組換え源(recombinant source)を製造し、販売する試みが最
近なされている。現在、幾つかの製造業者、例えば Delta Biotechnologies Ltd
(欧州特許出願第201,239号明細書参照)、日本の株式会社ミドリ十字 (Okabayashi et al., J. Biochem., 110:103-110, 1991参照)、ハンガリー国
のVepex-Biotechnica Ltd.(Kalman et al., Nucleic Acids Res., 18:6075- 6081, 1990参照)及び Rhone-Poulenc Rorer(Fleer et al., BioTechnology, 9:968-975, 1991参照)が組換えアルブミンを製造している。しかしながら、こ
れらの血液製品の機能性は制限される場合が多いことから、これらの試みが黙認
され(suffered)、具体的にはヘモグロビン基材の製品のように酸素運搬を安全に
且つ有効に達成でき且つ同時にアルブミン基材の製品のように有用な血液増量剤
として機能することができる血液製品は存在していなかった。さらにまた、入手
し得る現在のアルブミン基材の製品は酸素を運搬しないことから、移植前の臓器
保存におけるような別の用途における有用性も完全に制限される。
用することができる新規な血液代替品を提供することにある。
できるが、有害又は致死ウイルス及び他の動物汚染物質による汚染の危険を取り
除いた安全且つ有効な血液製品を提供するために組換え血液タンパク質を使用し
て製造することができる新規な血液代替品を提供することにある。
に遺伝子的に変性されている(genetically modified)アルブミンの組換え体を使
用した新規な血液代替品を提供することにある。
な生理学的機能を包含するばかりではなく、血液のpHに影響を及ぼすことなく且
つ生理学的な障害を生ずることなくヒト及び動物患者に使用できる新規な血液代
替品を提供することにある。
び高められた方法で組織培養物の増殖の促進において有用であるように酸素を可
逆的に運搬できる新規なアルブミン基材の製品を提供することにある。
にヘム結合部位で遺伝子的に変性されている血清アルブミンを含有する組換え血
液代替品を提供する本発明によって達成される。これらの変性は主として、ヘム
結合部位を有するアルブミンの領域のプロトポルフィリン鉄のいずれかの側の鍵
(key)疎水性残基を親水性残基例えばヒスチジン又はグルタミンで置換する鍵疎 水性残基の置換、あるいはこれらの位置でのヒスチジン又はグルタミンの挿入に
向けられており、これらの置換又は挿入により可逆的な酸素結合特性をもつ組換
えヘムアルブミン(hemalbumin)が得られる。アルブミンのヘム結合領域の変性の
結果として、酸素運搬系及び血液増量剤として機能する血液代替品に利用するこ
とができる本発明の組換え酸素結合ヘムアルブミン組成物が提供される。
植前の臓器の保存のような用途においてアルブミンの有用性を高めるのに有用で
あり、また組織培養物の増殖を支持するのに有用である。さらにまた、本発明の
ヘムアルブミン組成物は、組換え手段を使用して調製されることから、天然供給
源から得られた血液製品に関連したウイルス又は他の動物汚染物による有害又は
致死汚染の危険がなく、患者に安全且つ効果的に使用することができるし、ある
いは臓器又は組織培養物と共に安全且つ効果的に使用することができる。
る。
ルブミンの構造を示す図である。
造の立体図であり、ヘムの前面及び背面を近接した(in close proximity)標識化
疎水性残基と一緒に示す。
オグロビンのスペクトル特性のグラフである。
ミンのスペクトル特性のグラフである。
スペクトル特性のグラフである。
体のスペクトル特性のグラフである。
量透析実験の結果を示す。
除透析膜を自由に通過することを例証する微量透析実験の結果を示す。
代替品として適した組成物及びその他の用途に有用であるようにヘム結合部位で
変性されている組換え血清アルブミンが提供される。好ましい態様においては、
本発明の血液代替組成物は、ヘミンを溶解し、このヘミンを以下に詳しく述べる
方法で変性されている本発明の組換え血清アルブミンと結合させることによって
調製される。本発明はヒト血清アルブミンについて具体的に説明するが、ヒト血
清アルブミンと同様のヘム結合領域を有する別の種由来のアルブミンも本発明の
範囲に含まれると解釈される。ヘム又はプロトポルフィリンは内在起源の多数の
代謝産物の一つであり、ミオグロビン及びヘモグロビンから生成する。一般に、
霊長類由来のアルブミンのみがプロトポルフィリンに対して特に高い親和性を有
すると思われ、このリガンドの結合定数は1×108 Kaである。ヒト血清アルブミ
ンの結晶はヘムと複合化され、結晶学的手段を使用して研究されており、図2A
に示すアルブミン結合領域の構造及び特異性に洞察を与えている。これらの研究
はアルブミンとヘムの間の原子相互作用を調べる手段を提供し、アルブミン分子
の正確なヘム結合領域の決定を可能にした。
として、ヘムを溶解し、ヒト血清アルブミンと1:1のモル比で結合させてメト
ヘムアルブミンを得、これもまたCarterらの1994年の論文及び同時係属中の米国
特許出願第08/448,196号明細書(これらの文献は本明細書において参考文献とし て参照される)に記載されているような条件を使用して結晶化される。X線回折 データを集め、次いでこれらのデータから作成した差地図(difference map)は、
図2Aにおいて認められるように、ヘムの結合位置と化学的性質とを明らかにし
た。また、これらの研究によって、図2Bに示すように、ヘムがアルブミンのサ
ブドメインIB内に完全に囲い込まれた単一の結合部位を占めることが調べられ
た。ヘムプロピオン酸残基が、ミオグロビン及びヘモグロビンの化学的性質に極
めて類似した方法で、塩架橋を介してアルギニン及びリシン残基と配位すること
も知られた。しかしながら、ミオグロビン及びヘモグロビンの構造と異なって、
ヒト血清アルブミンでは、プロトポルフィリン鉄が、含まれる鉄がさらにキレー
ト化されることなく疎水性残基によって完全に取り囲まれる。結晶学的研究によ
り、主として可逆的な酸素の結合の付与をもたらす鍵ヘム配位/相互作用の形成
に必須の役割を果たすと思われる幾つかの鍵残基(その全ては疎水性である)が
存在することが明らかにされ、これらの残基はプロトポルフィリン鉄を囲む種々
の位置に位置していると思われる。結果として、ヘムと天然の血清アルブミンと
の結合によって生成するヘムアルブミンは酸素を結合せず、従って酸素運搬系と
して機能することができない。
を変性させることによって、天然ヘムアルブミンが酸素運搬性分子になり得るこ
とが調べられた。特に、本発明によれば、これらの疎水性結合残基の少なくとも
一つを、親水性残基、例えばヒスチジン又はグルタミンで置換するとヘムアルブ
ミンに酸素結合特性が付与され、この組換え分子を酸素運搬性血液代替品として
有用にする。
も一つが、ヒスチジンのような親水性残基で又は別の親水性アミノ酸例えばグル
タミンで置換されており、所望ならばさらに別の鍵疎水性結合残基をヒスチジン
又はグルタミンで置換することができる。当業者によって容易に理解されるよう
に、“ヒスチジン”とはヒスチジンの親水性が保持されている任意の形のヒスチ
ジンアミノ酸を意味するか、あるいはヒスチジンに似た性質をもち且つ本発明で
使用した場合にヒスチジンと同じように機能する別のヒスチジン様親水性残基を
意味する。また、“グルタミン”とはグルタミンの親水性が保持されている任意
の形のグルタミンアミノ酸を意味するか、あるいはグルタミンに似た性質をもち
且つ本発明で使用した場合にグルタミンと同じように機能する別のグルタミン様
親水性残基を意味する。
あってヘムを結合する鍵結合残基は、ヘムのための単一の結合部位を包囲する領
域であるサブドメインIB内に配置される。特に、ヒト血清アルブミンについて
調べられたように、ヘム結合部位のいずれかの側に認められた鍵疎水性残基が存
在する。これらの鍵残基としてアルブミンタンパク質の位置185のロイシン(Leu)
及び位置161のチロシン(Tyr)が挙げられる。ヘム結合部位の他方の側には、鍵疎
水性残基がアルブミンタンパク質の位置138のチロシン(Tyr)及び位置142のイソ ロイシン(Ile)で配置される。さらにまた、位置115、139及び182のロイシンアミ
ノ酸残基も鍵疎水性残基を構成し、これらはヒスチジン又はグルタミンに置き換
えられた場合に、組換えアルブミンをヘムとの複合体として使用すると酸素結合
特性を付与する。
タミンのような親水性アミノ酸残基で置き換えると、ヘムアルブミンに可逆的な
酸素結合特性を付与し且つこの組換えアルブミンを使用する種々様々な適当な血
液製品の調製を可能にするのに十分である。本発明の変性アルブミンは、ヒスチ
ジン又はグルタミンのような親水性アミノ酸残基で置換されたヘム結合部位のい
ずれかの側に鍵疎水性結合残基を少なくとも1個有するものであることが好まし
い。
は、前記に挙げた鍵疎水性結合残基の位置又はその近くのアミノ酸鎖中にヒスチ
ジン又はグルタミンを挿入することによって得てもよい。これに関して、本発明
の別の態様は、ヘム結合領域の鍵疎水性結合部位の位置で、又はこれらの鍵残基
のいずれかに十分に近い位置で少なく1個のヒスチジン又はグルタミンが挿入さ
れて、その位置での疎水性残基のヒスチジン又はグルタミンによる直接置換と同
じアルブミン−ヘム結合に対する効果を与える組換えアルブミンである。この態
様では、鍵残基を取り囲む領域、すなわち位置111〜119のアミノ酸で囲まれた領
域、位置134〜146の領域、位置157〜165の領域又は位置178〜189の領域のいずれ
かにおける少なく一つのヒスチジン又はグルタミンの挿入が、このようにして変
性されたアルブミンと結合されたヘムによって形成された複合体に酸素運搬特性
を付与するであろうと考えられる。
性残基の置換あるいは鍵疎水性結合領域へのヒスチジン又はグルタミンのような
残基の挿入は、天然タンパク質におけるかかる組換えを達成するのに現在知られ
ている種々の慣用の手段によって達成される。さらにまた、当業者には認識され
るように、本発明の組換えアルブミンの調製は、アルブミンをコードする核酸を
、当業者に利用し得る多数の慣用の組換え法を使用して変性させることによって
行うことができる。
はアルブミンの特性に影響を及ぼさない小さな変異を有する既に報告されている
種々の血清アルブミンのいずれかに対してなされた場合に有用であろうと考えら
れる。Frank W. Putnamによって述べられたように、前記に挙げたAll About Albumin Biochemistry, Genetics and Medical Applications において引用され ているように、“多型性及び変異を示す多数の他の血漿タンパク質(その幾つか
は有害である)とは異なり、ヒトアルブミンの遺伝子変異体はまれであり、良性
である”。従って、本明細書において使用したように“アルブミン”を挙げた場
合には、本発明は正常なアルブミン配列及び発生することが認められているアル
ブミンの別の変異を包含すると考えられる。前記のように、アルブミンファミリ
ーのタンパク質の幾つかのタンパク質の配列は、本明細書において参考文献とし
て挙げた1993年5月25日付け出願の米国特許出願第08/448,196号明細書に記載さ
れている。
であり、多数の研究者がこれに関する情報を発表しており、例えば Okabayashi
et al., J. Biochem., 110:103-110 (1991); Kalman et al., Nucleic Acids Res. , 18:6075-6081 (1990); Fleer et al., BioTechnology, 9:968-975 (1991); Minghetti et al., J. Biol. Chem., 261:6747-6757 (1986) 及び Hinchcliffeらの欧州特許出願第201,239号明細書が発表されている。同様に、前
記に挙げたPeters,“All About Albumin Biochemistry, Genetics and Medical
Applications”の第174〜176頁の表4〜8に報告されている変異のような、アル
ブミンタンパク質の特異的変異が認められたとい多数の文献がある。従って、ア
ルブミンのこれらの多数の形は本発明による変性に適していると考えられる。
より、ヘム結合部位の鍵疎水性残基を親水性残基で置換することにより酸素結合
特性を有する組換えヘムアルブミンが得られることが確認された。図3において
認められるように、実験はウマの心臓のミオグロビンについて行われ、ミオグロ
ビンがメト型からミオグロビンの還元型又は活性型のオキシ状態及びデオキシ状
態にシフトしていることを表すスペクトル変化が示された。図3に示すように、
典型的なスペクトル変化が容易に観察でき、酸素の可逆性が容易に証明される。
対照として野生型のメトヘムアルブミンを使用して試験を行い、図4に示すよう
なスペクトルパターンが得られた。ここでは、X線分析によって明らかにされた
ような前記の複合体の予測された化学的性質と一致して、この方法によって酸素
結合は検出されず、従って可逆性がなく、プロトポルフィリンの鉄は迅速に酸化
還元される。
酸素の付加及びその後の脱離による明白且つ可逆的なスペクトルの変化が認めら
れ、これは本発明の組立て体が野生型のヘムアルブミンには存在しない酸素結合
特性をもつヘムアルブミンを提供することを表している。かかる組立て体の一つ
は、ヘム結合部位の一方の側の位置161のチロシンがヒスチジンで置換され且つ ヘム結合部位の他方の側の位置142のイソロイシンがヒスチジンで置換されてい るr-ヘムアルブミンB(すなわち、“Hemal B”)として同定された組換えヘム
アルブミンであった。酸素の導入に関するその諸性質について行った試験におい
ては、Hemal Bは酸素の付加により明白なスペクトル変化を示し、図5のグラフ
に示すように酸素が組換えアルブミンのヘム結合部位で結合されていることを示
した。また、このスペクトル変化はトノメーターに窒素を充填した場合に可逆的
であり、従って酸素結合が可逆的であることを示している。このスペクトル可逆
性の性質は、酸化還元との競争プロセスが生じていることを示した。要するに、
酸化還元に対する感受性が、野生型のヘムアルブミンに比べて劇的に改善され、
ミオグロビンについて観察された値とよりいっそう一致した。この結果は本発明
に従って2個のヒスチジンを組み込むことによってもたらされるより良く保護さ
れたヘム環境と一致する。
たことを確認した。図7Aに示すように、ヘムが本発明の組換えヘムアルブミン
に結合された場合には、この化合物は排除透析膜を通過することができず、透明
な溶出液をもたらす。しかしながら、図7Bに示すように、本発明の組換えヘム
アルブミンが存在しないヘミン溶液は、サイズ排除透析膜を自由に通過し、ヘミ
ンを含有する溶出液をもたらす。これらの実験は、ヘムが本発明の組換えヘムア
ルブミンに結合されることを例証した。
ブミンを組立てることができる。例えば、本発明の別の態様においては、ヘム結
合部位の一方の側の位置185のロイシンがヒスチジンで置換され且つヘム結合部 位の他方の側の位置138のチロシンがヒスチジンで置換されたr-ヘムアルブミン C(すなわち、“Hemal C”)として同定された組換えヘムアルブミンが提供さ
れる。図6に示すスペクトル分析によって証明されるように、Hemal Cも野生型
のヘムアルブミンでは認められなかったような可逆的な酸素結合を証明した。従
って、本発明の遺伝子操作アルブミンは酸素を可逆的に結合することが証明され
、これは元の(parent)アルブミン構造をほんの僅かに変性させることにより簡単
で効果的な方法で達成された。
ルブミン、及びこれらの酸素運搬性ヘムアルブミンを含有する組成物は、このよ
うにして血液製品及び代用血液を扱う種々の用途で使用することができる。さら
にまた、本発明の組換えヘムアルブミンが野生型のアルブミンの諸性質を全て有
することから、現在アルブミンが使用されている別の用途、例えば臓器保存及び
組織培養に使用することができる。従って、本発明の変性ヘムアルブミンは、適
当な血液製品又は代用アルブミン製品に、かかる製品を調製するのに現在使用さ
れている慣用の方法で調製することができる。
発明のヘムアルブミンを使用する製品の酸素運搬特性は、天然血液製品に認めら
れる酸素運搬特性と同様であることは必要としない。なぜならば、別のタンパク
質基材の酸素運搬製品は数日以下の半減期をもつからである。実際に、現在市販
されている血液代替品はいずれも、体内で有効であるのに十分長く機能しないこ
とから、慢性貧血(3.2百万を越える単位が毎年必要とされる)のような問題を有 する。Biocentury, Sept. 3, 1997, pages 8-14 参照。これに対して、本発明の
組換えヘムアルブミンは、当業者には明らかなように、前記の慣用の方法を使用
していったん調製されると、血量の拡大及び/又は酸素運搬の両方に有用な血液
代替品として使用するのに適した組成物に調製でき、そして種々様々な用途につ
いてその有効性を増大する極めて長い有効寿命を有する。
別の血液代替品を調製するのに慣用されている生理学的に許容し得る液体又はそ
の他の材料を使用する当該技術において周知である種々の慣用の方法で、適当な
血液代替組成物に調製することができる。本発明の組換えヘムアルブミンは、生
理学的に適合性のある血液代替溶液にいったん調製されると、患者、例えば血液
の深刻な減少を招いている患者又は外科手術中の患者の循環系において血液量を
増加させるか又は酸素運搬を高めるために必要とされるように投与することがで
きる。
剤及び酸素運搬媒体として両方に使用することができることから、血液代替品と
して特に都合がよい。前記の2つの異なる別々の機能はこれまでは単一の製品に
は認められていなかった。従って、本発明の組換えヘムアルブミンを使用して調
製した血液製品は、血液増量と酸素運搬の両方を包含し得る最初の血液代替品を
構成する。さらにまた、本発明の組換えヘムアルブミンは野生型のものとほんの
僅かに異なる改変を有するだけであることから、患者の生理機能をほとんど又は
全く妨げることなく安全且つ効果的な方法で使用することができる。さらに、当
業者が理解するように、本発明の組換えアルブミンを血液代替品として使用する
と、血液pHは慣用の血液代替品を用いる場合のように制御することができ、医薬
のような他の小さい分子の運搬もそのままである。従って、本発明の組換えアル
ブミンを使用して調製した血液製品は、安全且つ効果的な方法で血液増量剤とし
て及び機能することができ、しかも酸素を可逆的に結合することがきる最初の真
の多機能血液代替品になる。
ルブミン基材の製品を用いる別の用途、例えば臓器保存及び組織培養において有
用である。例えば、多数のアルブミン基材の溶液が移植前の臓器の保存に利用さ
れるが、これまではかかる溶液は酸素を運搬することができないアルブミンを用
いることから有用性及び範囲の点で制約されていた。本発明の組換えヘムアルブ
ミンを使用することによって臓器保存に使用される高められた溶液を調製するこ
とができ、酸素を可逆的に結合することができることから、かかる保存溶液の有
効性及び有効寿命を高めるであろう。同様に、本発明の酸素運搬性ヘムアルブミ
ン溶液は、組織培養物の増殖を促進するための高められた添加物として有用であ
る。
は、酸素を可逆的に結合できる能力がアルブミンの機能を高める用途に有用であ
る。例えば、遺伝子操作植物に組み込んだ酸素運搬性タンパク質は、種々の植物
の成長及び適合性を著しく向上させることが明らかにされた。このようにして、
本発明の改変ヘムアルブミンは遺伝子操作植物の生長及び産生を向上させること
ができる。
的に挙げていないが当業者に周知又は自明な別の態様は本明細書の請求の範囲の
範囲に入る。
も本明細書に添付の請求の範囲に定義したような本発明の範囲を限定すると認め
られるものではない。
て、遺伝子操作アルブミンを酵母培養物において慣用の組換え法を使用して調製
した。本発明に従って調製した一つの組換えアルブミン(“Hemal B”と略記す
る)においては、位置161のチロシン残基がヒスチジンで置換され、また位置142
のイソロイシン残基もヒスチジンで置換された。Hemal Bを用いた酸素結合実験
及びウマの心臓のミオグロビンを対照として用いた酸素結合実験を、Allen et al., J. Biol. Chem., 187:393-410 (1950)及び Giardina et al., Methods in Enzymol. , 76:417-427 (1981)に記載されているような慣用の改変トノメータ ー法を使用して行った。これらの実験では、前記のアルブミン複合体及びミオグ
ロビンは、等モル濃度のヘムを使用して調製し、ウマの心臓のミオグロビンは 1.0×10-7M溶液3mlを得る濃度で調製した。
Biotech Ultrospec 2000 UV分光光度計を使用した。実験では、試験する前記の タンパク質溶液3mlをトノメーターに入れ、次いで数分間窒素でパージした。窒
素パージが完了した後に、ベースラインの読み取りを前記の分光光度計を使用し
て行った。次いで、チャンバーを密封し、ナトリウム ハイドロサルファイト還 元剤を隔膜を介して注射器で加えた。また、ミオグロビンもβ-ニコチンアミド
アデニン ジヌクレオチド(B-NADH)を用いて還元した。還元の後に、前記チャ ンバーを窒素で30〜60分間パージして、結合された酸素を除去し、スペクトルを
記録した。次いで、前記チャンバーを密封し、正確な量の空気を、Hamilton製の
ガスライト(gaslight)注射器を用いて徐々に増やしながら加えた。それぞれの添
加の後に得られた溶液を混合し、平衡化した後に、さらにスペクトルを読み取っ
た。このようにして、図3〜5のグラフをそれぞれ作成した。
使用したミオグロビン系は、酸素の可逆的な結合を証明する代表的なスペクトル
変化を示した。野生型のヘムアルブミンを用いて行った先の実験では、図4に示
すように、これらの代表的なスペクトル変化が存在せず、可逆的な酸素の結合が
行われていない。しかしながら、Hemal Bに関して行った前記の試験は、図5に
示すように、前記と同じ代表的なスペクトル変化を示し、本発明の組換えアルブ
ミン−ヘム複合体が、野生型のアルブミンのみを組み込んだヘムアルブミン複合
体を使用してできなかった方法で、酸素を可逆的に結合することを明確に証明し
た。
の実験として、本発明の組換えアルブミンとヘミンとの溶液について及びアルブ
ミンを加えなかったヘミン溶液について微量透析法を使用した。これらの実験で
は、ヘミン溶液10マイクロリットルを希NaOH中で調製し、“Hemal B”として同
定された組換えヘムアルブミンの緩衝溶液に加えて、プロトポルフィリン/アル
ブミンがモル比1:1の複合体を生成させた。第二の溶液では、ヘミン溶液10マ
イクロリットルを同じ溶液に同じ濃度で加えたが、アルブミンを添加せずに加え
た。 分子量20,000を分離するCentripep(登録商標)微量透析管を使用して、図7B に示したように、組換えアルブミンを添加していないヘミンはサイズ排除膜を自
由に通過する。一方、上記と同じ分子量20,000分離管を使用して、本発明の組換
えアルブミンを添加したヘミン溶液は、図7Aに示すように透明な溶出液を生成
した。この実験により、本発明の遺伝子操作アルブミンに対するヘムの結合性質
が確認された。
か否かを調べるために、別の実験を行った。これらの実験では、酵母培養物にお
いて慣用の組換え法を使用して第二の遺伝子操作アルブミンを調製した。この場
合には、ヘム結合部位の一方の側の位置185のロイシン残基がヒスチジンで置換 され、また他方の側の位置138のチロシン残基もヒスチジンで置換された。この 組換えヘムアルブミンは“Hemal C”として同定された。Hemal Cを用いた酸素
結合実験は、実施例1でHemal Bについて記載した方法と同じ方法で行い、図6
に示したスペクトルデータパターンが得られた。図6のグラフに認められるよう
に、Hemal B及びウマの心臓のミオグロビンと同じ方法ではあるが、Hemal Cは
代表的なスペクトル変化を示し、本発明の別の組換えアルブミン−ヘム複合体も
また、野生型のアルブミンを用いたヘムアルブミンを使用してできなかった方法
で、酸素を可逆的に結合することができたことを例証した。
す図である。
密度差地図である。
であり、ヘムの前面及び背面を近接した標識化疎水性残基と一緒に示す。
ンのスペクトル特性のグラフである。
ペクトル特性のグラフである。
ル特性のグラフである。
クトル特性のグラフである。
の結果を示す。
自由に通過することを例証する微量透析実験の結果を示す。
Claims (30)
- 【請求項1】 ヒスチジン又はグルタミンで置換された血清アルブミン−ヘム
結合領域にヘムの結合をもたらす疎水性結合残基を少なくとも1個有するヒト血
清アルブミンを含有してなる組換え血清アルブミン。 - 【請求項2】 位置185のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項3】 位置161のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項4】 位置138のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項5】 位置142のイソロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換さ れる請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項6】 位置115のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項7】 位置139のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項8】 位置182のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される 請求項1記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項9】 ヘム結合領域のいずれかの側の少なくとも1個の鍵疎水性結合
残基がヒスチジン又はグルタミンで置換される請求項1記載の組換え血清アルブ
ミン。 - 【請求項10】 位置161のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換され 且つ位置142のイソロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される請求項9 記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項11】 位置185のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換され 且つ位置142のイソロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される請求項9 記載の組換え血清アルブミン。
- 【請求項12】 位置161のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換され 且つ位置138のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される請求項9記載 の組換え血清アルブミン。
- 【請求項13】 位置185のロイシンがヒスチジン又はグルタミンで置換され 且つ位置138のチロシンがヒスチジン又はグルタミンで置換される請求項9記載 の組換え血清アルブミン。
- 【請求項14】 ヘムに結合された請求項1記載の組換え血清アルブミンを含
有してなる組換えヘムアルブミン組成物。 - 【請求項15】 生理学的に許容し得る血液代替溶液中に請求項14記載の組換
えヘムアルブミンを含有してなる血液代替組成物。 - 【請求項16】 ヘムに結合された請求項9記載の組換え血清アルブミンを含
有してなる組換えヘムアルブミン組成物。 - 【請求項17】 生理学的に許容し得る血液代替溶液中に請求項16記載の組換
えヘムアルブミンを含有してなる血液代替組成物。 - 【請求項18】 血清アルブミン−ヘム結合領域にヘムの結合をもたらす少な
くとも1個の疎水性結合残基の位置に少なくとも1個のヒスチジン又はグルタミ
ンが挿入されているヒト血清アルブミンを含有してなる組換え血清アルブミン。 - 【請求項19】 位置111〜119のアミノ酸によって取り囲まれている領域の血
清アルブミン中に少なくとも1個のヒスチジン又はグルタミンが挿入されている
請求項18記載の組換え血清アルブミン。 - 【請求項20】 位置134〜146のアミノ酸によって取り囲まれている領域の血
清アルブミン中に少なくとも1個のヒスチジン又はグルタミンが挿入されている
請求項18記載の組換え血清アルブミン。 - 【請求項21】 位置157〜165のアミノ酸によって取り囲まれている領域の血
清アルブミン中に少なくとも1個のヒスチジン又はグルタミンが挿入されている
請求項18記載の組換え血清アルブミン。 - 【請求項22】 位置178〜189のアミノ酸によって取り囲まれている領域の血
清アルブミン中に少なくとも1個のヒスチジン又はグルタミンが挿入されている
請求項18記載の組換え血清アルブミン。 - 【請求項23】 ヘムに結合された請求項18記載の組換え血清アルブミンを含
有してなる組換えヘムアルブミン組成物。 - 【請求項24】 生理学的に許容し得る血液代替溶液中に請求項23記載の組換
えヘムアルブミンを含有してなる血液代替組成物。 - 【請求項25】 移植前の組織又は臓器の保存方法であって、移植に適した組
織又は臓器を単離し、該組織又は臓器をヘムに結合された請求項1記載の組換え
血清アルブミンを含有する溶液中に保存することからなる移植前の組織又は臓器
の保存方法。 - 【請求項26】 ヘムに結合された請求項1記載の組換え血清アルブミンを組
織培養液に添加することからなる改良された組織培養液。 - 【請求項27】 請求項26記載の組織培養液中で組織を培養することからなる
組織培養物の増殖を促進させる方法。 - 【請求項28】 親水性アミノ酸残基で置換された血清アルブミン−ヘム結合
領域にヘムの結合をもたらす疎水性結合残基を少なくとも1個有するヒト血清ア
ルブミンを含有してなる組換え血清アルブミン。 - 【請求項29】 親水性アミノ酸残基がヒスチジンからなる請求項28記載の組
換え血清アルブミン。 - 【請求項30】 親水性アミノ酸残基がグルタミンからなる請求項28記載の組
換え血清アルブミン。
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