JP2002160378A - インク乾燥防止装置、インクジェット記録ヘッド保管容器、インクジェット記録装置及びシール液体供給方法 - Google Patents

インク乾燥防止装置、インクジェット記録ヘッド保管容器、インクジェット記録装置及びシール液体供給方法

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JP2002160378A
JP2002160378A JP2000357689A JP2000357689A JP2002160378A JP 2002160378 A JP2002160378 A JP 2002160378A JP 2000357689 A JP2000357689 A JP 2000357689A JP 2000357689 A JP2000357689 A JP 2000357689A JP 2002160378 A JP2002160378 A JP 2002160378A
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ink
porous body
sealing liquid
recording head
liquid
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JP2000357689A
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English (en)
Inventor
Susumu Hirakata
進 平潟
Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
Satoru Mori
哲 毛利
Yuji Suemitsu
裕治 末光
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録ヘッド内部のインクの乾
燥を長期間防止し得るインク乾燥防止装置及びンクジェ
ット記録ヘッド保管容器と、インクジェット記録ヘッド
内部のインクが乾燥することに起因する印字品位の低下
や、印字が不可能になるのを防止し得るインクジェット
記録装置を提供する。 【解決手段】 シール液体14が含浸された多孔質体1
2にシール液体14を供給可能なシール液体供給装置2
0と、シール液体供給装置20を供給モードと非供給モ
ードとに切り替える切り替え手段18を有する。多孔質
体12がインク吐出面104に接触しているときは、シ
ール液体供給装置20を非供給モードとすることで、シ
ール液体14の消費量が少なくなる。供給モードと非供
給モードとを間欠的に切り替えることで、多孔質体12
でのシール液体14の含浸率を所望の範囲にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク乾燥防止装
置と、このインク乾燥防止装置を備えたインクジェット
記録ヘッド保管容器、インクジェット記録装置及びシー
ル液体供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタは、噴射
ノズルのノズルプレートに形成された複数のオリフィス
からインクをインク滴として噴射させ、媒体にインク滴
を付着させて印字(画像記録)を行っている。このよう
なインクジェットプリンタでは、印字していない状態が
長時間続くと、インクが乾燥してオリフィスが詰まった
り、ノズルプレートに埃(ほこり)が付着することによ
って、印字時にドット抜けが発生し、印字品位が低下し
たり、印字が不可能になったりする場合がある。そこ
で、一定期間画像記録を休止するとき、異なった色のイ
ンクで画像記録を行うとき、あるいは記録方式を変更す
るとき等には、記録ヘッドをインクジェットプリンタ内
の所定の場所に移動して、乾燥防止手段を作用させて休
止するか、使用していた記録ヘッドをインクジェットプ
リンタから取り外して乾燥防止手段を備えた保管容器に
収容するようにしている。
【0003】乾燥防止手段としては、底部に噴射ノズル
に対応した小部屋が形成され、この小部屋の周縁に、ゴ
ム製のキャップが配設されたものが知られている。記録
ヘッドは、例えば、噴射ノズルを乾燥防止手段の底部に
向けてセットすることによって、または、記録ヘッドを
乾燥防止手段にセットした状態で記録ヘッドがわずかに
乾燥防止手段に向けて付勢されることによって、記録ヘ
ッドの噴射ノズルのノズルプレートがキャップに押し付
けられ、オリィフス内部のインクがノズルから蒸発する
のを防止している。
【0004】このような従来の乾燥防止手段としては、
キャップを利用した種々のものが知られている。例え
ば、密閉キャップ方式に利用されるキャップは、ノズル
プレートに当接する部分以外には開口部を有していない
形状のものである。したがって、記録ヘッドをキャップ
を介して乾燥防止手段にセットすると、小部屋を密閉す
ることができるので、インクが乾燥してオリフィスが詰
まったり、ノズルプレートに埃が付着したりするのを防
止することができる。その結果、印字時に、ドット抜け
が発生して印字品位が低下したり、印字が不可能になっ
たりするのを抑制できる。しかしながら、この密閉キャ
ップ方式では、噴射ノズルのノズルプレートをキャップ
に機械的に押し付けることによって小部屋を密閉するよ
うにしているので、わずかな異物の存在や、部材表面の
傷、キャップの弾性特性の劣化、保管ケース内における
記録ヘッドの移動による圧接状態の変化等により、完全
な密閉状態を長期間にわたって保持するのは困難であ
る。その結果、時間の経過とともに、わずかながらイン
クが乾燥して、オリフィスが詰まるという問題がある。
また、なんらかの理由で小部屋内の気圧が高くなると、
オリフィスのインクがインクタンク内に戻ってしまうの
で、ドット抜けが発生して印字品位が低下したり、印字
が不可能になったりする。
【0005】このような密閉キャップ方式の問題を解決
する方式として、連通口を有するキャップを用いる方式
が知られている。連通口を有するキャップでは、連通口
が小部屋と外界を連通することにより、小部屋内外の気
圧差を極小に維持することができるので、オリフィス内
のインクがインクタンク内に押し戻されるのを未然に防
ぐことができる。しかしながら、この方式では、キャッ
プに設けられた連通口を通してのインクの乾燥量が増大
するので、インク乾燥によるオリフィス詰まりは、密閉
キャップ方式よりも短時間で発生するという問題があ
る。
【0006】さらに改良された方式として、キャップ内
にインクと同様の成分で色材を含まない液体を充填する
方式や、保湿材として知られるグリセリンやジエチレン
グリコール等を充填する方式が知られている。これらの
方式は、密閉されたあるいは一部大気連通した小部屋の
中を飽和蒸気圧状態に保つことによって、インクの乾燥
を防ぐものである。この方式により乾燥をより長時間防
止しつつ、気圧変化によるインク押し込みの問題を改善
することができる。しかしながら、用いられる液体又は
保湿材自身が蒸発し、時間とともに消失するので、長期
間性能を発揮させるには、必要に応じて液体又は保湿材
を補給しなければならない。比較的蒸発し難い保湿材を
用いる方式においても、消失を防ぐことは困難である。
また、液体や保湿材を用いる方式においては、キャップ
内に充填される液体や保湿材は、インクと相容性あるい
は親インク性を有するものが用いられる。したがって、
オリフィス内のインクと、充填された液体や保湿材が接
すると2種類の液体の溶液または混合液ができるので、
インクの特性を変化させてしまい、正常な印字が困難に
なる。さらにキャップ内の液体にインクの色材が混ざる
ことがあり、混色の原因となる。
【0007】さらに、撥水性保持効果のある液体がしみ
こまされた吸収体を吐出ノズル面(インク吐出面)に接
触させて、インクの乾燥を防止する構成が知られてい
る。しかし、撥水性保持効果のある液体を使用してイン
ク吐出面に接触させる場合、インク吐出口内にこの液体
が浸入して吐出不良が発生するおそれがある。また、長
期間にわたってインクの乾燥を防止しようとするときに
は、この液体がインクに溶けこんだりインクと混合され
たりして、インクに悪影響を与えるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決し、インクジェット記録ヘッド内部のインクの乾
燥を長期間防止し得るインク乾燥防止装置及びインクジ
ェット記録ヘッド保管容器と、インクジェット記録ヘッ
ド内部のインクが乾燥することに起因する印字品位の低
下や、印字が不可能になるのを防止し得るインクジェッ
ト記録装置、及び多孔質体内で所望の含浸率となるよう
にシール液体を供給できるシール液体供給方法を提供す
ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1のインク乾燥防止装置は、インクジェット
記録ヘッド内部のインクの乾燥を防止するインク乾燥防
止装置であって、不揮発性で且つ前記インクジェット記
録ヘッド内部のインクに対して非相溶性のシール液体を
含浸保持すると共にインクジェット記録ヘッドのインク
吐出面に接触してインク吐出口をシール可能とされた多
孔質体と、前記多孔質体に前記シール液体を供給可能な
シール液体供給装置と、前記シール液体供給装置を、前
記多孔質体に前記シール液体を供給する供給モードと供
給しない非供給モードとに切り換える切り替え手段と、
を有することを特徴とする。
【0010】請求項1のインク乾燥防止装置では、多孔
質体がインク吐出面に接触した状態で、多孔質体に含浸
保持された不揮発性で且つインクジェット記録ヘッド内
部のインクに対して非相溶性のシール液体が、インク吐
出面との間で多数のメニスカスを形成する。その結果、
インク吐出口がシールされることとなり、インク吐出口
から露出しているインクと外界との連通を遮断すること
ができる。多孔質体内部の空隙にはシール液体が含浸保
持されているので、多孔質体の厚み方向(吐出面から離
間する方向)にもインクと外界とは完全に遮断される。
従って、インクジェット記録ヘッド内部のインクは周囲
の大気に曝されることがなく、その結果、インクの乾
燥、固化に起因するインク吐出口の目詰まりを軽減する
ことができる。また、シール液体は多孔質体に含浸保持
されている(一般には多孔質体の細孔内の毛管力により
多孔質体内部に保持されている)ので、外部に放出され
難く、長期にわたって、インク乾燥防止機能を維持し得
る。
【0011】請求項1に記載のインク乾燥防止装置にお
いて、シール性能を良好に維持しインク吐出口を長期に
わたって確実にシールするためには、多孔質体に十分な
シール液体が含浸保持されていることが好ましい。本発
明のインク乾燥防止装置では、多孔質体にシール液体を
供給可能なシール液体供給装置を有している。このシー
ル液体供給装置によって多孔質体にシール液体を供給す
ることで、シール性能を良好に維持しインク吐出口を長
期にわたってさらに確実にシールするために十分な量の
シール液体を多孔質体に含浸保持させることが可能にな
る。
【0012】ところで、多孔質体とインク吐出面とが接
触及び離間されると、多孔質体に含浸保持されたシール
液体がインク吐出面に付着し残存することがあるため、
この接触及び離間が繰り返されると、多孔質体内のシー
ル液体が消費され、十分なシール液体を多孔質体内に確
保できないおそれが生じる。また、多孔質体にインク吐
出面が接触した状態では、シール液体がインク吐出口か
ら記録ヘッド内へと浸入することがあるため、これによ
ってもシール液体が消費されたり、インクジェット記録
ヘッドの再使用時(あるいは再使用前)のメンテナンス
動作(例えばダミージェット)において、多量のインク
を消費してしまったり、メンテナンスに長い時間を要し
たりするおそれが生じる。
【0013】本発明のインク乾燥防止装置では、シール
液体供給装置を、多孔質体にシール液体を供給する供給
モードと供給しない非供給モードとに切り換える切り替
え手段を有している。このため、インク吐出面が多孔質
体に接触した状態では、切り替え手段によってシール液
体供給装置を非供給モードとすることで、シール液体が
多孔質体に供給されないようにすることができる。従っ
て、多孔質体とインク吐出面とが接触した状態であって
も、非供給モードとすれば、インク吐出口からインクジ
ェット記録ヘッド内部へ浸入するシール液体の浸入量を
一定範囲に留めることができる。これにより、シール液
体の消費量を少なくすることができる。また、再度イン
クジェット記録ヘッドを使用するとき、メンテナンス動
作を行うことなく画像記録しても、印字不良や画質の低
下をほとんど発生させないようにすることができる。メ
ンテナンス動作を行った場合には、印字不良や画質の低
下を発生させることはなく、しかも、メンテナンス動作
によるインクの消費量を少なくしたり、メンテナンスに
要する時間を短くしたりすることが可能になる。
【0014】また、切り替え手段によって、多孔質体を
供給モードと非供給モードとに切り替えることで、多孔
質体におけるシール液体の含浸量(又は含浸率)を所望
の範囲とすることが可能になる。例えば、必要以上に多
孔質体がシール液体を含浸保持しないようにできる。こ
のため、インク吐出面と多孔質体とが接触と離間とを繰
り返すことによってインク吐出面に付着、残存するシー
ル液体の量も少なくなる。従って、これによっても、多
孔質体からのシール液体の消費量を少なくすることがで
きる。
【0015】切り替え手段は、シール液体供給装置を供
給モードへ切り替えることもできる。従って、多孔質体
へのシール液体の含浸量が、インク吐出口をシールする
ために必要な量以下となる前に、シール液体を多孔質体
に供給して含浸保持させることができる。これにより、
長期にわたってシール性能を良好に維持し、目詰まりを
防止することができる。
【0016】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記多孔質体における前記シール液
体の含浸量が、多孔質体がシール液体に対して毛管力を
発生して多孔質体内にシール液体を保持可能な上限の量
以下で、且つ多孔質体が連続した空気層を形成しない量
以上となるように、前記シール液体供給装置によって調
整されていることを特徴とする。
【0017】このように、多孔質体におけるシール液体
の含浸量を、多孔質体がシール液体に対して毛管力を発
生して多孔質体内にシール液体を保持し得る上限の量以
下の含浸量とすることで、インクジェット記録ヘッドの
インク吐出面へのシール液体の付着や、インク吐出口か
らインクジェット記録ヘッド内へのシール液体の浸入を
より確実に防止できる。
【0018】また、この含浸量を、多孔質体が、インク
吐出口の周囲と外気とを通じさせるような連続した空気
層を形成しない量以上とすることで、多孔質体中のシー
ル液体がインク吐出面との間でインク吐出口の周囲を密
閉し、インク吐出口から露出しているインクと外界との
連通を確実に遮断することができる。このため、インク
ジェット記録ヘッド内部のインクが周囲の大気に曝され
ないようにし、インク吐出口の目詰まりを確実に軽減で
きる。
【0019】請求項2に記載のシール液体の含浸量は、
多孔質体やシール液体の物性等によって適宜設定される
が、例えば、請求項3に記載のように、前記多孔質体の
空隙体積に対する前記シール液体の含浸率を40%以上
90%以下とすることで、上記した効果を確実に奏する
ようにできる。
【0020】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記シール液体供給装置が、前記多
孔質体に接触することで前記シール液体を多孔質体に供
給可能とされ、前記切り替え手段が、前記多孔質体と前
記シール液体供給装置とを相対移動させて互いに接触及
び離間させる移動装置、とされていることを特徴とす。
【0021】このように、シール液体供給装置を多孔質
体に接触させるだけの簡単な構成で、シール液体を多孔
質体に供給することができる。
【0022】また、移動装置によって多孔質体とシール
液体供給装置とを相対移動させて接触及び離間させるだ
けで切り替え機構が構成され、簡易な構成で供給モード
と非供給モードとを切り替えることができる。
【0023】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、少なくとも前記多孔質体と前記シー
ル液体供給装置が接触した状態でこれらを接近する方向
へ付勢する付勢手段、を有することを特徴とする。
【0024】多孔質体とシール液体供給装置とは、接触
状態(供給モード)において、付勢手段によって接近方
向に付勢されて、互いに押しつけられる。押しつけられ
ること、より密着性が高くなるので、シール液体供給装
置から多孔質体へ、より確実にシール液体を供給可能と
なる。
【0025】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の発明において、前記シール液
体供給装置が、シール液体を吐出して前記多孔質体に供
給する吐出装置、を含んで構成されていることを特徴と
する。
【0026】このようにシール液体を吐出して多孔質体
に供給することで、多孔質体をシール液体供給装置とを
接触させることなく、シール液体を多孔質体に供給する
ことができる。また、シール液体の供給量を具体的に知
ることができるので、定量的にシール液体を多孔質体に
供給できる。
【0027】また、吐出装置の駆動と非駆動とを切り替
えることで供給モードと非供給モードとを切り替えるこ
とができ、吐出装置が本発明の切り替え手段を兼ねるよ
うに構成できる。このため、部品点数を減らすことがで
きる。
【0028】請求項7の記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれかに記載の発明において、前記シール液
体供給装置が、シール液体を前記多孔質体へ移送して供
給するポンプ、を含んで構成されていることを特徴とす
る。
【0029】このように、ポンプによってシール液体を
多孔質体へ移送して供給することで、シール液体の供給
量を具体的に知ることができるので、定量的にシール液
体を多孔質体に供給できる。
【0030】また、ポンプとしては、一般的に使用され
ている汎用品を本発明においても使用することができる
ので、低コストでシール液体供給装置を構成できる。
【0031】さらに、ポンプの駆動と非駆動とを切り替
えることで供給モードと非供給モードとを切り替えるこ
とができ、ポンプが本発明の切り替え手段を兼ねるよう
に構成できる。このため、部品点数を減らすことができ
る。
【0032】請求項8に記載の発明では、請求項1〜請
求項7のいずれかに記載の発明において、前記多孔質体
における前記シール液体の含浸率を検出する含浸率検出
手段、を有することを特徴とする。
【0033】このため、含浸率検出手段によって、多孔
質体における含浸率を具体的に知った上で、シール液体
供給装置を供給モードとするか、非供給モードとするか
を判断できる。従って、多孔質体におけるシール液体の
含浸率を所望の範囲とすることが、容易且つ確実とな
る。
【0034】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項8のいずれかに記載のインク乾燥防止装置を備えた
ことを特徴とする。
【0035】従って、このインクジェット記録ヘッド保
管容器にインクジェット記録ヘッドを保管することで、
インクジェット記録ヘッド内部からのインクの乾燥をイ
ンク乾燥防止装置によって防止でき、インクの乾燥、固
化に起因するインク吐出口の目詰まりを軽減することが
できる。
【0036】また、このインクジェット記録ヘッド保管
容器を構成するインク乾燥防止装置では、多孔質体にシ
ール液体を供給可能なシール液体供給装置と、シール液
体供給装置を供給モードと非供給モードとに切り換える
切り替え手段と、を有している。このため、シール性能
を良好に維持しインク吐出口を長期にわたってさらに確
実にシールするために十分な量のシール液体を多孔質体
に含浸保持させることが可能になる。
【0037】また、インク吐出口から記録ヘッド内への
シール液体の浸入を防止して、記録ヘッド再使用時での
印字不良を防止することができると共に、シール液体の
消費量も少なくすることができる。
【0038】さらに、必要以上に多孔質体がシール液体
を含浸保持しないようにすることで、インク吐出面と多
孔質体とが接触と離間とを繰り返しても、インク吐出面
に付着、残存するシール液体の量を少なくし、シール液
体の消費量を少なくすることが可能となる。
【0039】請求項10に記載の発明では、画像情報に
応じてインク吐出口からインク滴を記録媒体に吐出する
インクジェット記録ヘッドと、請求項1〜請求項8のい
ずれかに記載のインク乾燥防止装置と、を有することを
特徴とする。
【0040】このインクジェット記録装置では、インク
ジェット記録ヘッドのインク吐出口から、画像情報に応
じたインク滴を記録媒体に吐出することで、記録媒体に
所望の画像を記録することができる。
【0041】また、請求項1〜請求項8のいずれかに記
載のインク乾燥防止装置を有しているので、インクジェ
ット記録ヘッド内部のインクの乾燥を確実に防止でき
る。しかも、このインクジェット記録装置を構成するイ
ンク乾燥防止装置では、多孔質体にシール液体を供給可
能なシール液体供給装置と、シール液体供給装置を供給
モードと非供給モードとに切り換える切り替え手段と、
を有している。このためシール性能を良好に維持しイン
ク吐出口を長期にわたってさらに確実にシールするため
に十分な量のシール液体を多孔質体に含浸保持させるこ
とが可能になる。また、インク吐出口から記録ヘッド内
へのシール液体の浸入を防止して、記録ヘッド再使用時
での印字不良を防止することができると共に、シール液
体の消費量も少なくすることができる。
【0042】さらに、必要以上に多孔質体がシール液体
を含浸保持しないようにすることで、インク吐出面と多
孔質体とが接触と離間とを繰り返しても、インク吐出面
に付着、残存するシール液体の量を少なくし、シール液
体の消費量を少なくすることが可能となる。
【0043】請求項11に記載の発明では、不揮発性で
且つインクジェット記録ヘッド内部のインクに対して非
相溶性のシール液体を含浸保持しインクジェット記録ヘ
ッドのインク吐出面に接触してインク吐出口をシールす
る多孔質体に、シール液体を供給するシール液体供給方
法であって、前記シール液体を前記多孔質体に間欠的に
供給する供給工程、を有することを特徴とする。
【0044】供給工程では、シール液体を多孔質体に間
欠的に供給するので、多孔質体におけるシール液体の含
浸量(又は含浸率)を所望の範囲とすることができる。
例えば、必要以上に多孔質体がシール液体を含浸保持し
ないようにできるため、このシール液体供給方法によっ
てシール液体が供給された多孔質体と記録ヘッドのイン
ク吐出面とが接触と離間とを繰り返した場合に、インク
吐出面に付着、残存するシール液体の量も少なくなり、
シール液体の消費量を少なくすることができる。
【0045】また、供給工程において、シール液体の多
孔質体への供給又は非供給のタイミングを適切に設定す
ることで、多孔質体におけるシール液体の含浸率を所望
の範囲に維持することもできる。例えば、多孔質体への
シール液体の含浸量が、インク吐出口をシールするため
に十分な量以下となる前に、シール液体を多孔質体に供
給して含浸保持させることで、長期にわたってシール性
能を良好に維持し、目詰まりを防止することが可能にな
る。
【0046】請求項12に記載の発明では、請求項11
に記載の発明において、前記多孔質体における前記シー
ル液体の含浸率を検出する含浸率検出工程、を有し、前
記含浸率検出工程で検出された前記含浸率を基に、前記
供給工程において、この含浸率が40%以上90%以下
となるように多孔質体にシール液体を供給することを特
徴とする。
【0047】このように、多孔質体におけるシール液体
の含浸率を90%以下とすることで、多孔質体がシール
液体に対して毛管力を発生して多孔質体内にシール液体
を保持し得るようになるので、多孔質体の表面近傍の比
較的保持されにくいシール液体の量を少なくし、記録ヘ
ッドのインク吐出面へのシール液体の付着や、インク吐
出口から記録ヘッド内へのシール液体の浸入をより確実
に防止できる。
【0048】また、この含浸率を40%以上とすること
で、多孔質体が、インク吐出口の周囲と外気とを通じさ
せるような連続した空気層を形成しないようになるの
で、多孔質体中のシール液体がインク吐出面との間でイ
ンク吐出口の周囲を密閉し、インク吐出口から露出して
いるインクと外界との連通を確実に遮断することができ
る。このため、記録ヘッド内部のインクが周囲の大気に
曝されないようにし、インク吐出口の目詰まりを確実に
軽減できる。
【0049】しかも、含浸率検出工程によって含浸率を
検出するので、容易且つ確実に含浸率を上記した範囲内
に維持することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】[インク乾燥防止装置]本発明の
インク乾燥防止装置は、シール液体と、このシール液体
を含浸保持する多孔質体とを備えている。そして、イン
クジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」とい
うことがある)のインク吐出面に多孔質体が接触される
ことにより、記録ヘッドのインク吐出面に1以上設けら
れたインク吐出口(一般的にはインク吐出面でのノズル
の開口部)が、多孔質体に含浸保持されているシール液
体によってシールされ、インク吐出口に露出している記
録ヘッド内部のインクの乾燥を防止することができる。
【0051】本発明において、記録ヘッドのインク吐出
口をシールするのに用いられるシール液体は不揮発性で
ある。従って、このシール液体は、記録ヘッドの保管中
に蒸発せず、シール液体によるインク吐出口へのシール
状態に変化が生じない。その結果、長期にわたって、イ
ンクの乾燥を防止することができる。シール液体は、蒸
気圧が常温(25°C)で約13.3Pa(0.1mm
Hg)以下であるのがより好ましい。
【0052】さらに、このシール液体は、記録ヘッド内
部のインクと非相溶性を有する。従って、シール液体が
長期にわたってインク吐出口をシールした状態にあって
も、インクと混合することがなく、シール液体がインク
と混合することによって生じる混色や、印字画質の低下
等が起こりにくい。シール液体のインクに対する溶解度
は、常温(25°C)で0.1重量%以下であるのがよ
り好ましい。さらに、シール液体は、使用されるインク
に対して、後述するように撥インク性を有するのが好ま
しい。
【0053】シール液体は、多孔質体の微細孔に含浸さ
れ易い性質のものが好ましい。この点から、シール液体
は表面張力が小さいものが好ましく、具体的には表面張
力が30mN/m以下であるのがより好ましい。シール
液体の表面張力γsと、インクの表面張力γiが、γs
<γiの関係にあると、シール液体がインクに対して撥
インク性を有するため、インク汚れを防止できるので好
ましい。また、シール液体の動粘度は、常温で1〜10
00mm2/sであるのが好ましい。シール液体の動粘
度が1mm2/s未満の場合、常温におけるシール液体
自身の蒸発量が増加し、長期間性能を維持するのが困難
になる。一方、動粘度が1000mm2/sを超える
と、流動に対する抵抗が高くなり、多孔質体への含浸に
要する時間が長くなり好ましくない。
【0054】水性インクを用いる場合、シール液体とし
ては、常温で液体の有機溶媒やオイル類を使用できる。
より具体的には、オクタン、ノナン、テトラデカン、ド
デカン、オレイン酸、リノール酸、n−デカノール、ジ
メチルブタノール、フタル酸ジブチル、マレイン酸ジブ
チル等の有機溶媒、および植物油、鉱物油、シリコーン
オイル、フッ素オイル等のオイル類が好ましい。これら
は、1種を単独で用いても、あるいは均一に混合し得る
ものであれば、複数種を混合して用いてもよい。また、
複数の材料を混合して粘度や表面張力を好ましい範囲に
調整して使用してもよい。
【0055】本発明のインク乾燥防止装置は、シール液
体を含浸保持する多孔質体を有する。多孔質体として
は、平均孔径が0.01〜100μmのものが好まし
い。孔径が小さ過ぎると、シール液体が浸透しにくくな
り、多孔質体に所定量含浸させるために、加圧法等特殊
な方法が必要になる。また、孔径が大き過ぎるとメニス
カスの保持力が小さくなる。その結果、シール液体が記
録ヘッドの吐出面へ転移したり、振動や衝撃等の外力に
より、シール液体が多孔質体から放出されてしまい、乾
燥防止性能を発揮できなくなる場合がある。多孔質体の
空孔率が大きい程、より多くのシール液体を含浸するこ
とができ、より長期間にわたってインク乾燥防止装置と
して機能し得るが、大き過ぎると機械的強度が低下す
る。一方、空孔率が小さい程、機械的強度が向上する
が、小さ過ぎると大気からの完全な遮蔽が困難になり、
インク乾燥防止性能が低下する場合がある。
【0056】多孔質体としては、シール液体に対しては
親シール液体性を有し、使用されるインクに対しては撥
インク性を有しているのが好ましい。具体的には、多孔
質体は、インクの接触角が90°より大きく且つシール
液体の接触角が90°以下となるような表面エネルギを
有するものであるのが好ましい。表面エネルギが上記し
た接触角を満たすような範囲であると、多孔質体にイン
クが付着するのを防止することができ、且つ記録ヘッド
のインク吐出口の内側のインクの状態を乱すのを防止で
きるので好ましい。多孔質体の孔構造は、多孔質体の記
録ヘッドのインク吐出面と接する側に、含浸保持するシ
ール液体が露出した状態となるように含浸可能な微細孔
を有する構造であればよい。多孔質体の孔構造は、孤立
孔が離散的に存在した構造であってもよいし、極細繊維
を編んだ細溝構造であってもよい。また、中空糸等の毛
管構造を有する素材を束ねて接着し、毛管方向に垂直な
面で薄くスライスすることによって形成される孔構造で
あってもよい。中でも、各種の多孔質樹脂が有する3次
元網目構造が好ましい。多孔質体が3次元網目構造を有
していると、インク乾燥部材の製造段階あるいは使用途
中で、シール液体を多孔質体に含浸させる場合に、多孔
質体の任意の箇所にシール液体を供給するだけで、シー
ル液体は多孔質体中に速やかに且つ均質に浸透し、所望
の含浸状態が得られるので好ましい。
【0057】多孔質体は、記録ヘッドのインク吐出面へ
の追従性および密閉性を向上するためには、柔軟に変形
する部材で構成することが好ましい。前記した多孔質樹
脂を用いる場合、厚さ1mm以下の薄層であることが好
ましい。中でも、以下に示す各種材料からなる多孔質樹
脂フィルムが好適である。具体的には、多孔質フッ素樹
脂(PTFE(四フッ化エチレン重合体)、PFA(四フ
ッ化エチレン/パーフルオロビニルエーテル共重合
体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、FEP(四フッ
化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE
(エチレン/四フッ化エチレン共重合体)、PCTFE
(三フッ化塩化エチレン重合体)など)、多孔質ポリオレ
フィン樹脂(PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレ
ン))、多孔質ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン重合
体)、多孔質ポリエステル系樹脂(PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレ
ート))、多孔質ポリアミド系樹脂(ポリアミド)、多
孔質ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミ
ド)、多孔質ポリウレタン樹脂(ポリウレタン)、多孔
質ポリアクリル系樹脂(ポリアクリルニトリル重合体、
メタアクリル酸アルキルエステル、N-アルキル(メ
タ)アクリルアミド、カルボキシ(メタ)アクリレー
ト)、多孔質ポリスチレン系樹脂(ヒドロキシスチレン
樹脂)、多孔質ポリケトン系樹脂(ポリエーテルケトン
樹脂)、多孔質シリコーン系樹脂(シリコーンゲル)の
フィルムが挙げられる。
【0058】多孔質樹脂を製造する場合は、例えば、発
泡法、燒結法、延伸法、抽出法、トラックエッチング
法、溶融相分離法、相転換法等を利用でき、材料にあわ
せて最適な方法を選択することができる。例えば、フッ
素樹脂を用いる場合は、樹脂の融点以上の熱処理を施さ
ない延伸法あるいは抽出法等の未焼成処理を利用するの
が好ましい。未焼成処理により多孔質化した、いわゆる
未焼成の多孔質フッ素樹脂は、変形しやすく、記録ヘッ
ドのインク吐出面との密着性がより向上するので好まし
い。フッ素樹脂は撥水性を有するので、水性インクを用
いる場合の多孔質体の材料として好ましい。また、水性
インクを用いる場合は、フッ素樹脂以外の材料からなる
多孔質樹脂フィルムに、フッ素樹脂を塗布、スプレー、
またはディップによりコートする等、一般的な多孔質体
に撥水性を付与したものを、本発明における多孔質体と
して用いることもできる。
【0059】多孔質体は、内部に多数の細孔を有するの
で、シール液体は細孔内の毛管力により多孔質体内部に
保持され得る。細孔内のシール液体の毛管力を、インク
吐出口のインクメニスカスに作用している記録ヘッド内
の負圧に対してバランスさせることにより、シール液体
を多孔質体内部に保持させ、記録ヘッド内に浸入するの
を防止することができる。シール液体の含浸率(以下、
単に「含浸率」ということがある)、即ち、多孔質体の
総空孔体積に対する含浸されたシール液体の割合は、記
録ヘッドと多孔質体が相互に押圧されて密着した状態
(記録ヘッドの休止状態や保管状態等)で、100%を
超えないのが好ましい。100%を超えると多孔質体か
らあふれたシール液体が、記録ヘッド内に浸入する可能
性があり、記録ヘッドの吐出性能を劣化させる場合があ
る。初期状態の適正な含浸率は、使用する多孔質体の平
均孔径や圧縮特性、印加する押圧力等により決定される
が、装置の設計公差を考慮した上で不測の事態が発生し
た場合においても、使用時の含浸率が100%を超える
ことのないように設計するのがよい。
【0060】本発明のインク乾燥防止装置は、不揮発性
で且つインクに対して非相溶性のシール液体を含浸保持
する多孔質体を、記録ヘッドのインク吐出面に接触させ
てインク吐出口を閉塞することで、インクと大気との接
触を防止し、記録へッド内部のインクの乾燥を防止する
ものである。本発明のインク乾燥防止装置は、シール液
体が多孔質体とインク吐出面との間でメニスカスを形成
しているという特徴を有する。シール液体が、多孔質体
に含浸保持された状態の概念図を図1に示す。図1にお
いて、多孔質体12が記録ヘッド102のインク吐出面
104と接触すると、この接触部において、多孔質体1
2に含浸保持されたシール液体14の一部(微量のシー
ル液体14)がインク吐出面104と接触することにな
る。
【0061】その結果、インク吐出面104と多孔質体
12との間には、シール液体14によるメニスカス8が
形成されるので、インク吐出面104に露出しているノ
ズル106内のインク6と外界の連通を遮断することが
できる。多孔質体12の細孔の孔径が十分に小さいと、
インク吐出面104の周囲に無数のメニスカス8が形成
されるので、ノズル106の密封がより完全になる。多
孔質体12内部の空隙にはシール液体14が充填されて
いるので、多孔質体12の厚み方向の連通路も完全に遮
断される。その結果、ノズル106内部のインク6が、
記録ヘッド102の周囲の大気に曝されることがなく、
インク6の乾燥、固化に起因するノズル106(特にイ
ンク吐出口108)の目詰まりが発生しない。
【0062】なお、図1では、多孔質体12とインク吐
出面104との界面に空気9が存在しているが、この空
気9は、多孔質体12とインク吐出面104との接触時
に微量に残留する空気であり、多孔質体12とインク吐
出面104との接触状態や、多孔質体12へのシール液
体14の含浸状態によって、存在状態は多少異なること
もある。いずれの状態でも、この空気9は、多孔質体1
2に含浸されたシール液体14によって、外部の空気と
遮断されており、インク吐出口からの水分蒸発にはほと
んど影響を与えない。
【0063】また、シール液体14は不揮発性であると
ともに、細孔の毛管力の作用により多孔質体12の内部
に保持されるので、容易に多孔質体12から放出される
ことがなく、インク乾燥防止機能を長期間にわたって維
持することができる。さらに、シール液体14は、使用
されているインク6とは非相溶性であり、シール液体1
4がインク6と接触しても、インク6とシール液体14
とは相溶せず分離するので、ダミージェット等で容易に
除去することができ、記録ヘッドの吐出性能に悪影響を
及ぼすことがない。
【0064】さらに、本発明のインク乾燥防止装置は、
図2に概念的に示すように、多孔質体12にシール液体
14を供給可能なシール液体供給装置20と、このシー
ル液体供給装置20を、多孔質体12にシール液体14
を供給する供給モードと供給しない非供給モードとに切
り替える切り替え手段18と、を有している。
【0065】インク乾燥防止装置10において、シール
性能を良好に維持しインク吐出口108を長期にわたっ
て確実にシールするためには、多孔質体12に十分なシ
ール液体14が含浸保持されていることが好ましいが、
多孔質体12へのインク吐出面104の接触と離間とに
よって、多孔質体12に含浸保持されたシール液体14
がインク吐出面104に付着し残存することがあるた
め、この接触及び離間が繰り返されると、多孔質体12
内のシール液体14が消費されることがある。また、多
孔質体12にインク吐出面104が接触した状態では、
シール液体14がインク吐出口108から記録ヘッド1
02内へと浸入することがあるため、これによってもシ
ール液体14が消費される。このように、多孔質体12
からのシール液体14の消費が進むと、インク吐出口1
08をシールするために必要なシール液体14を多孔質
体12内に確保できないおそれが生じる。
【0066】このように、多孔質体12中のシール液体
14が消費された場合には、切り替え手段18がシール
液体供給装置20を供給モードにすることで、シール液
体供給装置20から多孔質体12へシール液体14を供
給することができる。従って、多孔質体12へのシール
液体14の含浸量が、インク吐出口108を確実にシー
ルするために必要な量以下となる前に、シール液体14
を多孔質体12に供給して含浸保持させることができ
る。これにより、長期にわたってシール性能を良好に維
持し、目詰まりを確実に防止することができる。
【0067】また、シール液体供給装置20は、切り替
え手段18によって非供給モード、すなわち、多孔質体
12へシール液体14を供給しない状態とすることがで
きる。このような非供給モードを設定することなく、シ
ール液体供給装置20によってシール液体14が多孔質
体12に常時供給されるようになっていても、必要十分
な量のシール液体14を多孔質体12に含浸保持させる
ことは可能であるが、常時供給される構成では、シール
液体14が常に消費されやすい状態に維持されてしまう
ことになる。例えば、多孔質体12中のシール液体14
がインク吐出面104に付着すると、これに応じてシー
ル液体14があらたに多孔質体12に供給されてしま
い、さらなるシール液体14の消費を促進してしまうお
それがある。また、多孔質体12がインク吐出面104
に接触した状態で、シール液体14がインク吐出口10
8から記録ヘッド102内に浸入したりして僅かに消費
された場合にも、これに応じてシール液体14はあらた
に多孔質体12に供給されてしまい、さらなるシール液
体14の消費を促進してしまうおそれがある。従って、
シール液体14を多孔質体12に常時供給する構成で
は、図3に二点鎖線で示すように、シール液体14の消
費量は、多孔質体12とインク吐出面104との接触時
間(あるいは接触・離間回数)に比例して増加してしま
うことになる。
【0068】加えて、シール液体14がインク吐出口1
08から記録ヘッド102内に浸入する浸入量も、常時
供給する構成では、図4に二点鎖線で示すように、多孔
質体12とインク吐出面104との接触時間に比例して
増大する。記録ヘッド102内に多量のシール液体14
が浸入しても、ノズル106が目詰まりするおそれは低
いので、目詰まりによる吐出不良は発生せず、目視では
形成された画像全体で問題が生じることはない。しか
し、拡大観察してみると、画像記録開始時(開始直後)
に記録された画像の一部に、濃度の薄いドットが生じて
いることがある。記録ヘッド102内へのシール液体1
4の浸入量が一定の限界量(図4に破線で示す量)以下
の場合には、例えば、一般的なインクジェット記録装置
等に備えられているメンテナンス装置を使用して、画像
記録開始前のメンテナンス動作(例えばダミージェッ
ト)を行うことで記録ヘッド102内のシール液体10
4を除去し、濃度の薄いドットの発生を解消できる。し
かし、記録ヘッド102内へのシール液体14の浸入量
が多くなる程(特に、上記した限界量を超えると)、シ
ール液体104を除去しづらくなり、メンテナンス時に
多量のインクを消費してしまったり、メンテナンスに長
い時間を要したりする。
【0069】これに対し、本発明では、切り替え手段1
8を備えているので、インク吐出面104と多孔質体1
2とが接触した状態では、この切り替え手段18によっ
てシール液体供給装置20を非供給モードとし、シール
液体14が多孔質体12に供給されないようにすること
ができる。これにより、シール液体14が消費されやす
い状態が解消され、インク吐出口108から記録ヘッド
102内部へ浸入するシール液体14の量や、インク吐
出面104に付着・残存するシール液体14の量を抑制
できる。従って、シール液体14の消費量としても、図
3に実線で示すように、シール液体14が常時供給され
る構成と比較して、少なくすることができる。
【0070】また、切り替え手段18によってシール液
体供給装置20を非供給モードとすることで、図4に実
線で示すように、インク吐出口108から記録ヘッド1
02内へ浸入するシール液体14の量もきわめて少なく
することができる。従って、たとえメンテナンス動作
(ダミージェット)することなく印字(画像記録)して
も、印字開始時(開始直後)に濃度の薄いドットの発生
はほとんど認められることがなく、高画質の画像を記録
することができる。もちろん、メンテナンス動作を行っ
た場合には、濃度の薄いドットは発生しない。しかも、
記録ヘッド102内に浸入したシール液体14の量が、
メンテナンス動作が必要になる程度の量(限界量)に達
する時間も長くなり、限界量に達する前に余裕を持っ
て、記録ヘッド102内のシール液体104を除去でき
る(図4では、矢印で示した時点において、記録ヘッド
102内のシール液体14をいわゆるダミージェット
(DJ)により除去している)ので、再度記録ヘッド1
02を使用するときに、印字不良を招くおそれもない。
加えて、メンテナンス動作によって消費されるインクの
量を少なくすると共に、メンテナンス動作に要する時間
を短くすることが可能になる。
【0071】切り替え手段18は、シール液体供給装置
20を供給モードへ切り替えることもできる。従って、
図5に示すように、多孔質体12へのシール液体14の
含浸量が、インク吐出口108をシールするために必要
な量(図5に破線で示した量)以下となる前に供給モー
ドとし、シール液体14を多孔質体12に供給して含浸
保持させることで、多孔質体12に、インク吐出口10
8をシールするために十分な量のシール液体14を確保
できる。これにより、長期にわたってシール性能を良好
に維持し、目詰まりを防止することができる。
【0072】図6には、本発明の第1実施形態のインク
乾燥防止装置10が示されている。このインク乾燥防止
装置10は、多孔質樹脂のフィルム等からなる多孔質体
12と、シール液体14、及び筐体13を有している。
筐体13は、記録ヘッド102のインク吐出面104に
対向する面が開放された箱状に形成されており、筐体1
3の底面に、弾性部材15が固定されている。さらに、
弾性部材15の上面に多孔質体12が、記録ヘッド10
2のインク吐出面104に対向するように固定されてい
る。
【0073】シール液体14は、多孔質体12に含浸保
持されており、多孔質体12に含浸保持されたシール液
体14によってインク吐出口108がシールされること
で、ノズル106(インク吐出口108までのインク流
路)の目詰まり(特にインク吐出口108での目詰ま
り)が防止される。
【0074】なお、多孔質体12は、少なくとも長手方
向に伸長可能な部材で構成されていると、インク吐出面
104に対する密着性及び追従性を向上させることがで
きるので、好ましい。
【0075】また、弾性部材15は所定の弾性を有する
材料で構成されているため、多孔質体12に対して記録
ヘッド102が押しつけられたときに、弾性部材15の
弾性変形による反力で多孔質体12をインク吐出面10
4に強く密着させることができる。
【0076】本実施形態のインク乾燥防止装置10で
は、筐体13を昇降可能に支持する昇降装置22を有し
ている。昇降装置22は、本発明の切り替え手段を構成
している。
【0077】昇降装置22は、従来のインクジェット記
録装置等において、メンテナンス装置のキャッピング部
材をインク吐出面104に対して昇降させる昇降装置を
利用できる。本実施形態では、昇降装置22の一例とし
て、インク乾燥防止装置10が設置される面(一般的な
床面や机上面、あるいは後述するインクジェット記録ヘ
ッド保管容器60やインクジェット記録装置100)に
設置可能な基台24と、基台24と筐体13との間に配
置されたリンク機構26と、で構成されたものを示して
いる。リンク機構26を構成するリンク28(本実施形
態では2本のリンクを略X字状に配置している)を回動
させることで、基台24と筐体13とを平行に維持しつ
つ、筐体13を基台24に対して昇降させることができ
る。
【0078】さらに、本実施形態のインク乾燥防止装置
10では、シール液体供給装置30を有している。シー
ル液体供給装置30は、容器32と、この容器32の内
部に配置された多孔性部材34(シール液体保持部材)
とを備えている。容器32は略箱状に形成されると共
に、少なくとも一部が開口されており、この開口部分か
ら、多孔性部材34が露出している。また、容器32
は、図示しない取り付け部材を介して、基台24に取り
付けられており、図6(A)に示すように、筐体13と
多孔質体12とが下降した状態では、多孔性部材36の
露出部分34Aが多孔質体12から離間し、図6(A)
に示すように上昇すると露出部分34Aが多孔質体12
に接触するように、昇降装置22による多孔質体12の
変位との関係を考慮して、所定の位置とされている。ま
た、多孔性部材34はシール液体14を保持しており、
多孔質体12と接触することによって、シール液体14
を多孔質体12に供給する。
【0079】なお、多孔性部材34は、少なくとも多孔
質体12と接触する位置、すなわち、容器32の開口部
分に設置されていれば十分であり、容器32内は中空状
(シール液体14のみが収容される)とされていてもよ
い。
【0080】多孔性部材34は、毛管力の差を利用して
シール液体14を多孔質体12へ供給するものである。
即ち、多孔質体12の孔径をr1、シール液体14の多
孔質体12のバルクに対する接触角をθ1とし、多孔性
部材36の孔径をr2、多孔性部材36のバルクに対す
るシール液体の接触角をθ2とした場合、少なくとも双
方の接触部において、下記の関係式を満たしていれば、
多孔性部材34と多孔質体12を接触させることによっ
て、多孔性部材34に保持されるシール液体14を、多
孔質体12に供給することができる。従って、下記関係
式を満たす様に、多孔性部材34、多孔質体12、およ
びシール液体14の材料を選択するのが好ましい。
【0081】(cosθ1/r1) > (cosθ2/
r2) 供給時には、多孔質体12が多孔性部材34の露出部分
34Aを押圧するようにすれば、多孔性材料34が保持
できなくなったシール液体14が滲み出てくるので、多
孔質体12へ効率的に供給できる。
【0082】多孔性部材36としては、使用するシール
液体14によって変質・劣化せず、且つ前記関係式を満
たす多孔性構造の材料を用いることができる。中でも、
繊維材や紙材のように、表面や内部において連続すると
共に表面で多孔質体12と接触可能な細かい溝が形成さ
れた連続空隙多孔質構造を有する材料を用いるのが好ま
しい。例えば、各種スポンジ、フォーム、不織布、フェ
ルト、布、等の他、前記において多孔質体12に使用可
能な材料としで例示した各合成樹脂、連続気泡を有する
ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリス
チレンフォーム等のいわゆるフォーム類や発泡ゴム類を
挙げることができる。例えば、シール液体14としてシ
リコンオイル、多孔質体12として多孔性PTFEフィ
ルム、多孔性部材36としてポリウレタンフォームを用
いた場合、r1≒0.5μm、θ1≒30°、r2≒50
μm、θ2≒0°であり、前記関係式(cosθ1/r1
=1.73μm-1) > (cosθ2/r2 =0.
02μm-1)を満たす。また、多孔性部材36における
シール液体14の含浸率が大きい程、多孔質体12への
シール液体14の供給が良好となるので好ましいが、不
慮の衝突等でシール液体14が漏洩するのを防止するに
は、前記含浸率は60%程度が好ましい。
【0083】インク乾燥防止装置10において、記録ヘ
ッド102のインク吐出面104が多孔質体12に接触
してインクの乾燥を防止するための記録ヘッド102の
位置(乾燥防止位置)は、図6(A)及び(B)からも
分かるように、昇降装置22によって多孔質体12が最
も下降した位置(図6(A)参照)と、多孔質体12が
上昇して多孔性部材36の露出部分34Aに接触する位
置(図6(B)参照)との間にインク吐出面104が位
置するように設定されている。
【0084】以上の構成とされた第1実施形態のインク
乾燥防止装置10では、図6(A)に示すように、昇降
装置22によって多孔質体12を下降させた状態では、
多孔質体12は多孔性部材36の露出部分34Aに接触
しておらず、多孔性部材36から多孔質体12へシール
液体14は供給されない(非供給モード)。この状態
で、記録ヘッド102を上記した乾燥防止位置に配置
し、昇降装置22によって多孔質体12を上昇させる
と、多孔質体12はインク吐出面104に接触する(こ
のとき、多孔質体12は多孔性部材36の露出部分34
Aには接触しておらず、非供給モードが維持されてい
る)。図1に示すように、多孔質体12に含浸保持され
たシール液体14がインク吐出口108をシールするの
で、記録ヘッド102からの不用意なインクの乾燥が防
止される。
【0085】ここで、多孔質体12に含浸保持されたシ
ール液体14が、インク吐出口108からノズル106
を通じて記録ヘッド102内に浸入することがある。し
かし、シール液体供給装置20は非供給モードとなって
おり、多孔質体12にシール液体14を供給しないの
で、記録ヘッド102内へのシール液体14の浸入は一
定範囲(極めて少ない量)に抑制される。従って、単位
時間当たりの記録ヘッド102内へのシール液体14の
浸入量が少なくなり(図4のグラフにおいて、実線の傾
きが二点鎖線の傾きよりも緩やかになっている点を参
照)、この限界量に達するまでに余裕をもって、図示し
ないメンテナンス装置でメンテナンス(例えばダミージ
ェット)を行うことができ、記録ヘッド102をインク
吐出に最適な状態へと回復させることができる。また、
シール液体14の浸入量が少なくなることで、シール液
体14の消費量も少なくなる。
【0086】また、多孔質体12に含浸保持されたシー
ル液体14はインク吐出面104に付着するため、多孔
質体14とインク吐出面104とが離間すると、インク
吐出面104にシール液体14が付着したまま残存する
ことがある。従って、多孔質体12とインク吐出面10
4とが接触及び離間を繰り返すと、この繰り返し回数に
応じてインク吐出面104への残存シール液体の量も多
くなり、シール液体14がより多く消費されることにな
る。しかし、シール液体供給装置20は非供給モードと
なっており、多孔質体12にシール液体14を供給しな
いので、インク吐出面104に付着し残存するシール液
体14の量も少なくなる。従って、シール液体14の消
費量も少なくなる(図3のグラフにおいて、実線の傾き
が二点鎖線の傾きよりも緩やかになっている点を参
照)。
【0087】本実施形態のインク乾燥防止装置10で
は、記録ヘッド102のインク吐出面104が多孔質体
12に接触していない状態で、シール液体供給装置20
を供給モードと非供給モードとに切り替えることで、多
孔質体12でのシール液体14の含浸率を所望の範囲と
することができる。すなわち、図5に示すように、この
含浸率が、インク吐出口108をシール不能となる程度
に低下する前に、昇降装置22によって多孔質体12を
上昇させることでシール液体供給装置20を供給モード
とすれば、シール液体14は多孔質体12に供給されて
含浸保持され、含浸率が上昇する。多孔質体12には、
インク吐出口108をシールするために十分な量のシー
ル液体14が確保されるので、長期にわたってシール性
能を良好に維持し、目詰まりを防止することができる。
【0088】多孔質体12におけるシール液体14の含
浸率の具体的数値については、毛管力によって多孔質体
12内に確実に保持される含浸率以下で、且つ、多孔質
体12とインク吐出面104とが接触したときに多孔質
体12内において連続して空気層を形成しない含浸率以
上とすることが好ましい。すなわち、多孔質体12内で
のシール液体14の含浸率が高すぎると、多孔質体12
内でシール液体14に作用する保持力が局所的に弱い部
分が存在することとなり、その部分においては、インク
吐出面104でのシール液体14の保持力よりも弱いボ
イドが生じるおそれがある。また、インク吐出面104
での保持力よりも多孔質体12内での保持力が強い場合
でも、多孔質体12がインク吐出面104に強く圧され
て接触すると、多孔質体12の表面からシール液体14
が滲み出てしまう。さらに、多孔質体12の表面の凹凸
にもシール液体14が存在することとなるので、多孔質
体12とインク吐出面104とが接触したときに、イン
ク吐出面104にシール液体14が付着しやすくなる。
【0089】これに対し、多孔質体12内でのシール液
体14の含浸率が低すぎると、多孔質体12のインク吐
出面104との接触部分において、インク吐出口108
をシールするために十分なシール液体14が存在しない
ことになるため、インク吐出口108の近傍と外部とを
連通する空気層が形成されてインク吐出口108の周囲
を密閉できず、本来の機能を奏さなくなる。
【0090】以上を考慮すると、多孔質体12でのシー
ル液体14の含浸率は40%以上90%以下とすること
が好ましく、50%以上80%以下とすることがより好
ましい。
【0091】このような範囲に含浸率を制御すること
は、シール液体供給装置20を供給モードと非供給モー
ドとに適宜切り替えることで可能であり、その具体的構
成としては、以下に示すものが挙げられる。
【0092】図7に示すインク乾燥防止装置40では、
図6に示すインク乾燥防止装置10に加えて、多孔質体
12の光透過度を検出する光透過率センサー36を備え
ている。多孔質体12へのシール液体14の含浸率は、
多孔質体12の光透過性の程度によって知ることができ
る。すなわち、多孔質体12へのシール液体14の含浸
率が低いと、多孔質体12内の細孔には空気が入り、光
を散乱して光透過率が下がる。これに対し、多孔質体1
2へのシール液体14の含浸率が高いと、多孔質体12
内の細孔にはシール液体14が充満していることになる
ので、光は比較的散乱されにくくなり光透過率が上が
る。従って、光透過率センサー36によって多孔質体1
2の光透過率を知ることで、シール液体14の含浸率も
知ることができるので、それを基に、昇降装置22によ
って多孔質体12を昇降させ、シール液体供給装置20
を供給モードと非供給モードとに切り替える。すなわ
ち、含浸率が適正値の下限を下回る前に供給モードとし
て供給を開始し、適正値の上限を超える前に非供給モー
ドに切り替えてシール液体14の供給を停止すればよ
い。
【0093】昇降装置22の駆動は、光透過率センサー
36によって検出された光透過率の数値を基に、図示し
ない制御装置によって制御するようにすることが可能で
あるが、例えば、含浸率を示す表示装置を設け、この表
示装置に表示された含浸率の数値を見ながら、ユーザー
が昇降装置22を操作してもよい。
【0094】なお、光透過率センサー36のみでは、十
分な検出精度が得られない場合がある(例えば、シール
液体14の含浸率が上昇し、適正値の上限に近づいた状
態では、含浸率の変化に対する光透過率の変化が少ない
場合があり、検出精度が低くなることがある)。この場
合には、多孔質体12の表面の光反射率を検出する光反
射率センサーをさらに設ければ、含浸率が高い状態では
多孔質体12の表面の凹凸にシール液体14が満たされ
て光の反射率が高くなるので、この光反射率を光反射率
センサーで検出することで、より正確に含浸率を知るこ
とができるようになる。
【0095】図8(A)に示すインク乾燥防止装置50
では、図6に示すインク乾燥防止装置10と略同一構成
とされているが、さらに、多孔質体12を弾性部材15
よりも側方へ張り出すように延長して、観察部12Aが
形成されている。上記したように、多孔質体12におけ
るシール液体14の含浸率は、多孔質体12の光透過率
によって知ることができる。従って、観察部12Aを直
接観察することで、シール液体14の含浸率が分かる。
この場合、図8(A)に示すように、延長部12Aを観
察する方向を考慮し、延長部12Aの背景となる位置
(観察部12Aを観察する側の反対側、図8(A)では
上側から観察部12Aを観察するように想定しているの
で、観察部12Aの下側)に背景部材52を配置するこ
とが好ましい。背景部材52は、多孔質体12自体の色
(シール液体14が含浸されていない状態又は含浸率が
低い状態での色であり、一般的には白色)とは異なる色
とされている。このように着色した背景部材52を配置
すると、観察者が多孔質体12の含浸率の変化による光
学的変化を認識しやすい。すなわち、含浸率が高いと多
孔質体12の光透過率が高くなるので、延長部12Aは
背景部の色に見える。含浸率が低くなると多孔質体12
の光透過率が低くなるので背景部材52の色が薄く見え
るようになり、含浸率が低く変化したことを知ることが
できる。背景部材52の色は、上記したように多孔質体
12自体の色と異なる色であれば限定されないが、多孔
質体12とは色相、彩度、明度等が異なる色とすること
で、観察者にとって多孔質体12と背景部材52とで色
の相違が明確に認識できるようにすることが好ましい。
例えば、多孔質体12が白い場合は、背景部材52は
赤、黄、緑、青、などの有彩色や、黒、グレーなどに着
色する。着色する場合は、背景部材52の少なくとも多
孔質体12に対向する側を着色する。
【0096】なお、背景部材52の色に対して、これと
異なる色となるように多孔質体12自体を着色してもよ
い。この場合には、シール液体14の含浸率が高いと多
孔質体12と背景部材52の色による二次色として認識
される。例えば、黄色の着色樹脂を多孔化処理した多孔
質体12を、青色の背景部材52と組み合わせると、含
浸率が高い場合は多孔質体12の黄色に背景部材52の
青色が透過して見えるので、観察者には緑色に認識され
る。含浸率が下がってくると、光透過率が下がり多孔質
体12自身の色である黄色に見えるので、観察者は含浸
率が下がったと判断できる。このように、含浸率を色相
の変化として見知できるので、観察者がより判断しやす
い。
【0097】また、背景部材52と延長部12Aとの間
に大きな隙間が構成されていると、この隙間に空気や異
物が存在して背景部材52の色が不明確になるおそれが
ある。従って、背景部材52を延長部12Aに接触させ
るか、又は極めて接近させて配置すると、背景部材52
と延長部12Aとの間に空気や異物が存在しなくなり
(若しくは存在していても、その影響が小さくなり)、
多孔質体12の光透過率をより正確に知ることが可能に
なる。
【0098】さらに、弾性部材15が背景部材52を兼
ねるように構成し、部品点数を少なくしても良い。
【0099】また、記録ヘッド102の大きさと多孔質
体12の大きさとの関係によっては、必ずしも延長部1
2Aを設けなくても、多孔質体12に記録ヘッド102
のインク吐出面194が接触した状態で、多孔質体12
が部分的に記録ヘッド192よりも側方へ張り出すの
で、多孔質体12を観察可能となる。
【0100】上記したように、多孔質体12の光透過率
を目視にて観察する構成では、図8(B)に示す限度見
本54を設けることが好ましい。
【0101】限度見本54は、多孔質体12の光透過率
の違いに対応した種々の見え方(色相や彩度、明度等の
違い)が段階的に見本として示された着色板56と、こ
の見え方から判断される多孔質体12へのシール液体1
4の含浸率を具体的に数値で示す基準標識58とで構成
されている。多孔質体12へのシール液体14の含浸率
により透過率は連続的に変化するので、このような限度
見本54を設けることで、視覚による判断をより正確に
し、含浸率をより正確に認識できるようになる。
【0102】なお、図8(B)では着色板56の着色を
複数の領域ごとに断続的に行っているが、着色板56全
体で連続的なグラデーションとなるように着色してもよ
い。限度見本54の位置は、ユーザーが見ることができ
る位置であれば特に限定されないが、延長部12Aの近
傍が好ましい。
【0103】シール液体供給装置20を供給モードと非
供給モードとに適宜切り替える具体的構成としては、こ
のように多孔質体12でのシール液体14の含浸率を知
る方法の他に、多孔質体12とインク吐出面104との
接触・離間回数や接触時間を計測し、この計測値を基
に、予め用意した消費量テーブルに基づいてシール液体
14の消費量を算出する方法でもよい。
【0104】すなわち、予め記録ヘッド102、シール
液体104及び多孔質体12の種類等に応じて、多孔質
体12とインク吐出面104との接触・離間回数とシー
ル液体14の消費量との関係や、多孔質体12とインク
吐出面104との接触時間とシール液体14の消費量と
の関係を調べておく。図9(A)に一例として示すよう
に、接触・離間回数が増えるに従って、シール液体14
の消費量は多くなる。同様に、図9(B)に一例として
示すように、接触時間が増えるに従って、シール液体1
4の消費量は多くなる。また、これらの消費量は、初期
段階での含浸率(各曲線の右側に示す数値)と関係し、
初期段階の含浸率が高いほど、シール液体14の消費量
も多くなっている。
【0105】従って、この結果を図示しない制御装置に
消費量テーブルとして記憶させると共に、多孔質体12
とインク吐出面104との接触・離間回数や接触時間を
図示しない計測装置等を利用して計測すれば、これらに
基づいてシール液体14の消費量を算出できる。これか
ら間接的に、多孔質体12でのシール液体14の含浸率
も知ることができるので、シール液体供給装置20を供
給モードと非供給モードとに適宜切り替えて、含浸率を
所望の範囲内に制御することができる。
【0106】なお、このように多孔質体12とインク吐
出面104との接触・離間回数や接触時間によって含浸
率を知る構成では、供給モード開始からの経過時間とシ
ール液体14の供給量との関係を予め知るようにすれ
ば、より正確な量のシール液体14を多孔質体12に供
給でき、好ましい。
【0107】本発明のシール液体供給装置としても、図
6〜図8に示したものに限られない。例えば、供給モー
ドと非供給モードとを切り替える構成として、シール液
体供給装置30を多孔質体12に対して移動させて、接
触又は離間させてもよい。ようするに、シール液体供給
装置30と多孔質体12とは相対移動して接近又は離間
するようになっていれば、これらのいずれを移動させて
もよいし、双方を移動させてもよい。
【0108】さらに、シール液体供給装置としては、図
10に示すように、予めシール液体14が貯留されたタ
ンク36と、このタンク36中のシール液体14を多孔
質体12に向かって吐出する吐出装置38と、を有する
シール液体供給装置42であってもよい。この構成で
は、吐出装置38を作動させることでシール液体供給装
置42が供給モードとなり、作動停止状態では非供給モ
ードとなる。吐出装置38としては、圧電体の伸縮をシ
ール液体14に作用させて液滴化する液滴化装置や、同
じく圧電体の振動を利用してシール液体14を霧化する
霧化装置等を用いることができるが、もちろんこれらに
限定されない。
【0109】また、図11に示すように、タンク36と
多孔質体12とを可撓性のチューブ44で接続してシー
ル液体14を流動可能とすると共に、チューブ44の略
中間部にポンプ46を配置し、ポンプ46の駆動によっ
てシール液体14がタンク36から多孔質体12に供給
される構成のシール液体供給装置45でもよい。図11
に示した例では、図示しないモータ等の回転駆動源によ
って回転される回転板48と、この回転板48の外周近
傍に回転可能に取り付けられたローラ49とを有するロ
ーラーポンプとしている。回転板48を回転させると、
ローラ49がチューブ44をしごくようにしてシール液
体14が移送されるため、シール液体供給装置45は供
給モードとなる。回転板48の回転停止により、チュー
ブ44がローラ49に押しつぶされてシール液体14の
流路が閉塞され、シール液体供給装置45は非供給モー
ドになる。もちろん、ローラーポンプに限らず、一般的
なポンプを広く適用できるため、低コストで切り替え手
段を構成できる。
【0110】上記した吐出装置38やポンプ46を備え
た構成では、これらの駆動時間等を制御することで、定
量的に多孔質体12へシール液体14を供給でき、好ま
しい。特に、多孔質体12とインク吐出面104との接
触・離間回数や接触時間を計測して含浸率を知り、シー
ル液体供給装置20を供給モードと非供給モードとに切
り替える構成に好ましく適用できる。また、多孔質体1
2におけるシール液体14の含浸率を検出可能な構成
(例えば図7に示した構成)に、上記した吐出装置38
やポンプ46を備えたシール液体供給装置20を適用す
れば、定量的なシール液体14の供給が可能となるの
で、シール液体14の供給量を、含浸率が上限値を超え
ないような適切な供給量に設定しておけば、含浸率の下
限値のみを検出するだけで所望の範囲に維持可能とな
る。
【0111】さらに、図12に示すように、タンク36
を多孔質体12よりも上方に配置すると共に、これらを
接続するチューブ44に開閉部材(栓や弁等)61を設
けてもよい。すなわち、開閉部材61を開状態とするこ
とで供給モードとなり、閉状態とすることで非供給モー
ドとなる。この構成においても、開閉部材を開状態とし
ているときの、単位時間当たりのシール液体14の供給
量を予め測定しておけば、定量的な供給が可能になる。
【0112】あるいは、図6〜図8に示すシール液体供
給装置20を備えた構成(昇降装置22によって多孔質
体12を昇降させる構成)において、多孔性部材34の
露出部分34Aと多孔質体12との間に進退可能に、遮
蔽部材を配置してもよい。すなわち、遮蔽部材が露出部
分34Aと多孔質体12との間に挿入された状態では、
たとえ多孔質体12が上昇しても多孔性部材34の露出
部分34Aに接触しないので、シール液体14が多孔性
部材34から多孔質体12へと供給されることはない
(非供給モード)。これに対し、遮蔽部材が露出部分3
4Aと多孔質体12との間から退避した状態で、昇降装
置22によって多孔質体12が上昇し露出部分34Aに
接触すると、多孔性部材34から多孔質体12へとシー
ル液体14が供給される(供給モード)。
【0113】また、多孔質体12を支持する弾性部材と
しても、多孔質体12を支持して筐体13に確実に固定
すると共に、弾性力を作用させてインク吐出面104
(好ましくは多孔性部材34の露出部分34Aにも)に
押圧できるものであり、使用するシール液体14により
変質、劣化しないものであれば、図6〜図8及び図10
〜図12に示したものに限られない。弾性部材42の具
体的な材料としては、各種ゴム・エラストマーなどの
他、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポ
リスチレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ゴムフ
ォームなどの各種高分子材料で多孔質構造に成型された
もの(フォーム)を用いることができる。高分子多孔質
体のフォームを用いる場合は、気孔率が低くなると圧縮
応力の値が高くなるので、気孔率は30%以上であるこ
とが好ましい。弾性部材42のヤング率は、102MP
a以下であることが好ましい。ヤングが102MPaよ
り大きいと変形に対して反発力が大きくなるので、記録
ヘッド102の押し込み量を高精度に制御する必要があ
り好ましくない。また、図13(A)及び(B)に示す
ように、弾性部材として圧縮コイルスプリング19を使
用してもよい。
【0114】上記した各実施形態のインク乾燥防止装置
は、各部材がユニット化されることで、インクジェット
記録ヘッド保管容器やインクジェット記録装置の部品と
して使用可能とされることが好ましいが、必ずしもユニ
ット化されている必要はない。
【0115】[インクジェット記録ヘッド保管容器]図
14には、本発明の第2実施形態のインクジェット記録
ヘッド保管容器60が示されている。このインクジェッ
ト記録ヘッド保管容器60は、上部に開口62Aが形成
されると共に記録ヘッド102を収容可能とされた容器
本体62と、開口62Aを閉塞可能な蓋部材64と、を
有している。容器本体62内には、図7に示したインク
乾燥防止装置40が配置されており、容器本体62内に
記録ヘッド102が収容された状態で、多孔質体12が
記録ヘッド102のインク吐出面104に密着して、イ
ンク吐出口108をシールする。
【0116】また、昇降装置22によって多孔質体12
を上下させることで、シール液体供給装置20を供給モ
ード(図14(A)参照)と非供給モード(図14
(B)参照)とに間欠的に切り替えることができるの
で、多孔質体12におけるシール液体14の含浸率を所
望の範囲として、シール液体14の消費量を少なくする
ことができる。また、インク吐出口108からノズル1
06を通って記録ヘッド102内に浸入するシール液体
14の量を少なくして、記録ヘッド12の再使用時の吐
出不良を防止できる。加えて、メンテナンス動作(ダミ
ージェット)におけるインクの消費を少なくすると共
に、メンテナンス動作に要する時間も短くすることが可
能になる。
【0117】なお、第2実施形態のインクジェット記録
ヘッド保管容器60において、容器本体62が基台24
を兼ねるように構成してもよい。これにより、部品点数
を増大させることなく、インク乾燥防止装置10を備え
たインクジェット記録ヘッド保管容器60を構成でき
る。
【0118】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
保管容器は、上記したものに限られず、例えば図6、図
8(A)、図10〜図13に示したいずれのインク乾燥
防止装置を容器本体62内に配置しても、本発明のイン
クジェット記録ヘッド保管容器を構成することができ
る。図8(A)のインク乾燥防止装置を配置した場合に
は、さらに、図8(B)に示した限度見本54を有する
構成としてもよい。図10〜図13に示したインク乾燥
防止装置を配置した構成では、筐体13が容器本体62
を兼ねるように構成することで、部品点数を少なくする
ことも可能となる。
【0119】上記説明では、記録ヘッド102の全体を
収容可能な容器本体62を有するインクジェット記録ヘ
ッド保管容器60を示したが、本発明のインクジェット
記録ヘッド保管容器は、記録ヘッド102の全体が収容
可能とされている必要はなく、少なくとも、記録ヘッド
102の先端部(インク吐出面104がある先端部)を
収容可能な容積を有していればよい。例えば、記録ヘッ
ド102の先端が凸形状になっていて、この凸形状の先
端面がインク吐出面である場合は、凸形状部分を収容可
能(インク吐出面とインク乾燥防止装置とを接触させな
がら収容可能)とされた形状であってもよい。
【0120】なお、図14に示す構成において、記録ヘ
ッド12のインク吐出面104が、降下された多孔質体
12の位置(図14(B)参照)と多孔性部材34の露
出部分34Aの間の位置となった状態で、記録ヘッド1
02が固定されるように、容器本体62と記録ヘッド1
02とに、或いは容器本体62と蓋部材64とに係止部
材を設けると、多孔質体12がインク吐出面104から
不用意に離れてしまわないので、好ましい。また、保管
容器に衝撃や振動が与えられても、多孔質体12とイン
ク吐出面104との密着性が維持でき、インク乾燥防止
機能が低下しないので好ましい。
【0121】また、記録ヘッド102を容器本体62内
に収容するときに、インク吐出面104が上記した位置
に確実に達するように、記録ヘッド102の挿入を案内
する案内溝や案内板を容器本体62に設けることが好ま
しい。
【0122】[インクジェット記録装置]図15には、
本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置1
00が示されている。以下、図1〜図14に示すものと
同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0123】このインクジェット記録装置100は、記
録ヘッド102と、画像信号に従って記録ヘッド102
内に配置された吐出手段(不図示)を制御する制御手段
(不図示)と、画像信号に応じて記録ヘッド102を移
動させる移動手段110と、記録紙112を搬送するオ
ートシートフィーダ等の搬送手段114とを備えてい
る。移動手段110は、ヘッド102が装着されたキャ
リッジ部110Aと、インクジェット記録装置100の
ハウジング120に固定されるとともにキャリッジ部1
10Aを図面中左右方向に移動可能に支持するキャリッ
ジシャフト110B、及びキャリッジ部100Aが取り
つけられた無端状の駆動ベルト110Cとから構成され
ている。記録ヘッド102の待機領域近傍には、インク
乾燥防止装置(図12では図7のインク乾燥防止装置4
0を示しているが、上述したいずれのインク乾燥防止装
置でもよい)が位置し、シール液体を含浸保持する多孔
質体12が吐出面104に接触可能に支持されている。
また、インク乾燥防止装置60の近傍には、ブレード等
からなるクリーニング手段118が配置され、記録ヘッ
ド102が印字領域に移動する際に、インク吐出面10
4に付着したシール液体を除去可能になっている。さら
に、メンテナンス装置116によって、記録ヘッド10
2がメンテナンスされ、所望の印字性能を維持できるよ
うにされている。
【0124】印字時には、画像信号に応じてインクが記
録ヘッド102のインク吐出口108から吐出されると
共に、駆動ベルト110Cによって記録ヘッド102が
キャリッジシャフト110Bに沿って移動する。さらに
記録紙112も、搬送手段114によって一定の方向
(一般的には、記録ヘッド102の移動方向と直交する
方向)へと移動する。これらの動作により、記録紙11
2上に絵や文字などの画像が記録される。
【0125】インクジェット記録装置100が非印字モ
ードになったり、電源OFFになったりすると、記録ヘ
ッド102は待機領域に戻る。記録ヘッド102が待機
領域に位置すると、インク乾燥防止装置40は、昇降装
置22を駆動し、記録ヘッド102のインク吐出面10
4方向(図15では上方向)へと多孔質体12を上昇さ
せ、多孔質体12はインク吐出面104に接触する。多
孔質体12はシール液体14を含浸保持しているので、
吐出面104には、シール液体14のメニスカスが多数
存在し、大気との接触が遮蔽され、ノズル106の目詰
まりが生じない(図2等参照)。従って、従来、インク
ジェット記録装置100の電源がOFFになったり、長
期間非印字モードとなっている場合に生じていたノズル
106の目詰まりを解消することができる。
【0126】また、記録ヘッド102が待機領域以外の
位置となっているときに昇降装置22によって多孔質体
12を上下させることで、シール液体供給装置20を供
給モードと非供給モードとに間欠的に切り替えることが
できる。例えば、図15に示すように記録ヘッド102
のインク吐出面104が多孔質体12に接触してインク
吐出口108がシールされている状態では、シール液体
供給装置20を非供給モードとしてシール液体供給装置
20から多孔質体12へシール液体14が供給されない
ようにすることで、シール液体14の消費量を少なくす
ることができる。また、インク吐出口108からノズル
106を通って記録ヘッド102内に浸入するシール液
体14の量を少なくして、記録ヘッド12の再使用時の
吐出不良を防止できる。加えて、メンテナンス動作(ダ
ミージェット)におけるインクの消費を少なくすると共
に、メンテナンス動作に要する時間も短くすることが可
能になる。これに対し、多孔質体12におけるシール液
体14の含浸率が低下し、インク吐出口108をシール
可能な下限値に近づいたときには、記録ヘッド102が
待機領域以外の位置となっているとき(例えば印字時)
で、一定時間シール液体供給装置20を供給モードとす
ることで、多孔質体12にシール液体14を供給して含
浸保持させ、所望の含浸率とすることができる。これに
より、長期にわたって安定して、インク吐出口108を
確実にシールし、記録ヘッド102をインク吐出に最適
な状態に維持できる。
【0127】インク乾燥防止装置を配置する位置は、例
えば、記録ヘッドが運動する軌道内であって、印字に影
響を与えない位置であれば、インクジェット記録装置1
00内のどこでも可能であるが、通常メンテナンスポジ
ション、あるいはホームポジションと呼ばれる場所が最
適である。
【0128】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明がこの実施例に限定されるものでは
ないことはもちろんである。
【0129】[実施例]本実施例では、上記したインク
ジェット記録装置100(図7に示すインク乾燥防止装
置40を備えている)を使用して、多孔質体12におけ
るシール液体14の含浸率を一定範囲内に維持しつつ、
印字ランニングテストを行った。
【0130】多孔質体12としては、一軸延伸により多
孔質化したPTFE樹脂フィルムを用意した。このPT
FE樹脂フィルムは、樹脂の融点以上の熱処理をした焼
成品であり、その平均孔径は1.0μm、空孔率80
%、厚さ85μmであった。また、下記で使用した水性
染料インク(表面張力40mN/m、動粘度3mm2
s)の前記PTFE樹脂の多孔質フィルムにおける接触
角は100度であった。この多孔質フィルムを、延伸方
向の長さ60mm、延伸方向に垂直な幅20mmの大き
さに切断した後、シリコーンオイル(蒸気圧13.3P
a以下(25℃)、対インク溶解度0.1wt%以下
(25℃)、表面張力20mN/m、動粘度20mm2
/s)に1分間浸して引き上げた。さらに、多孔質フィ
ルム表面に付着した余分なシリコーンオイルを、乾燥し
た濾紙で除去し、多孔質フィルムの全空孔体積に対する
シリコーンオイルの含浸率を80体積%とした。前記シ
リコーンオイルの多孔質フィルムにおける接触角は5度
以下であった。そして、このようにして得られた多孔質
体12を、ポリウレタンフォームの弾性部材15に固定
した。
【0131】そして、図7にも示すように、ポリプロピ
レン樹脂製の筐体13を用意し、前記シリコーンオイル
を含浸保持した多孔質フィルム(多孔質体12)をイン
クジェット記録ヘッド102のインク吐出面104に対
向するように筐体13に支持させてた。さらに、これを
昇降装置22に取りつけ、インク乾燥防止装置40を構
成した。多孔質体12には、光透過率センサー36を接
触配置した。
【0132】シール液体供給装置30を構成する多孔性
部材34としては、平均孔径50μmの細孔を有するポ
リエチレンフォームを使用し、これをポリプロピレン樹
脂製の容器32内に収容した。容器32内にシール液体
14を注入すると、ポリウレタンフォーム製の多孔性部
材34にシール液体14が充填され、露出部分34Aで
の含浸率が60%で、且つ液ダレのない状態となった。
【0133】次に、記録ヘッド102を用意した。この
記録ヘッド102は、Ni製の長さ25mm、幅8mm
のインク吐出面104を有しており、インク吐出面10
4の上記シリコーンオイルに対する接触角は5°であっ
た。そして、インク吐出面104に口径30μmのイン
ク吐出口108を300個配置した。記録ヘッド102
内部のノズル106には水性染料インクが充填されてい
て、インク吐出口108には水性染料インクが露出して
いた。
【0134】この記録ヘッド102とインク乾燥防止装
置40により、図15に示すインクジェット記録装置1
00を構成した。ここで、光透過率センサー36は、少
なくともインクジェット記録装置100の電源投入時に
は光透過率を検出するようにし(従って多孔質体12で
のシール液体14の含浸率も検出される)、含浸率が7
0%以下に下がると、記録ヘッド102が待機位置(例
えば図15に示す位置)を離れたときに、昇降装置22
によって多孔質体12を上昇させて多孔性部材34の露
出部分34Aに接触させるように設定した(供給モー
ド)。
【0135】上記の構成で、多孔質体12が多孔性部材
34の露出部分34Aに接触してから、多孔質体12に
おけるシール液体14の含浸率が80%まで回復する時
間を測定したところ、2秒であった。
【0136】印字ランニングテストは、10日ごとに定
刻に、100枚のA4サイズの記録紙112への印字を
3ヶ月にわたって行った。1枚の記録紙112への印字
が終了する毎に、インク吐出面104が多孔質体12に
接触するように設定し、1日(100枚)の印字が終了
すると、次回(10日後)のテストまで、インク吐出面
104が多孔質体12に接触して保管されるようにし
た。
【0137】その結果、印字ランニングテスト開始から
20日後の電源投入時に、光透過率センサー36によっ
て検出される含浸率が70%以下となった。
【0138】そして、当初の設定通りに昇降装置22が
作動して供給モードとなり、多孔質体12へ2秒間のシ
ール液体14の供給が行われた。以後、さらに印字ラン
ニングテストを続行したが、供給モードと非供給モード
とが適切に切り替えられることで、3ヶ月経過後も含浸
率は概ね70〜80%に維持された。このため、インク
吐出口108の目詰まりは全く発生せず、また、シール
液体14がインク吐出口108から記録ヘッド102内
へ浸入することによるインク滴の不吐出も無かった。
【0139】[比較例1]比較例1では、図15に示す
インクジェット記録装置100において、シール液体供
給装置40の多孔質部材34の露出部分34Aが常時
(画像記録時を除く)多孔質体12に接触して、シール
液体14を供給するようにした以外は、実施例1と同一
構成のインクジェット記録装置を用意し、同様の印字ラ
ンニングテストを行った。但し、メンテナンス動作(ダ
ミージェット)は行うことなくテストした。
【0140】その結果、印字ランニングテスト開始後、
光透過率センサー36によって検出されるシール液体1
4の含浸率が初期の80%から上昇して100%の状態
となり、開始から20日後においても100%の状態を
維持し続けた。
【0141】このインクジェット記録装置によって記録
された画像を観察すると、最初の10日目のテストで
は、目視による画像の劣化(濃度の薄いドットの発生
等)は観察されなかったが、拡大観察では濃度の薄いド
ットが発生していることが観察できた。
【0142】印字テスト前のインク吐出面104の観察
では、ノズル106にシール液体104が浸入している
様子が見られたため、このような多量のシール液体14
の浸入によって、吐出されるインクの量が少なくなり、
濃度の低いドットが発生したと考えられる。
【0143】その後もテストを続行したが、テストのた
びに濃度の低いドットの発生頻度が高くなった。
【0144】[比較例2]比較例2では、図15に示す
インクジェット記録装置100から、シール液体供給装
置40を取り除いたインクジェット記録装置を用意し、
同様の印字ランニングテストを行った。但し、メンテナ
ンス動作(ダミージェット)は行うことなくテストし
た。
【0145】その結果、印字ランニングテスト開始から
20日後の電源投入時に、光透過率センサー36によっ
て検出されるシール液体14の含浸率が70%以下とな
り、テスト開始から30日後には60%を下回った。
【0146】このインクジェット記録装置によって記録
された画像を観察すると、テスト開始から30日後に記
録された画像において、インクのかすれによる画質劣化
が見られた。この印字テスト前のインク吐出面104の
観察では、ノズル106(特に、インク吐出面108の
近傍)に固着し始めたインクが観察されたため、上記し
たインクのかすれは、多孔質体12へのシール液体10
4の含浸が不充分であったためにインク吐出口108を
確実にシールすることができす、インクが乾燥したため
であると考えられる。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録ヘ
ッド内部のインクの乾燥を長期間防止し得るインク乾燥
防止装置およびインクジェット記録ヘッド保管容器を提
供することができる。また、本発明によれば、インクジ
ェット記録ヘッド内部のインクが乾燥することに起因す
る印字品位の低下や、印字が不可能になるのを防止し得
るインクジェット記録装置を提供することができる。さ
らに、多孔質体のシール液体の含浸質を所望の範囲に維
持可能なシール液体供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク乾燥防止装置においてインク
吐出口をシールする作用を概念的に示す模式図である。
【図2】 本発明のインク乾燥防止装置の全体的な概略
構成を概念的に示す説明図である。
【図3】 インク乾燥防止装置のシール液体の消費量と
時間との関係を示すグラフである。
【図4】 記録ヘッド内へのシール液体の浸入量と時間
との関係を示すグラフである。
【図5】 インク乾燥防止装置の多孔質体におけるシー
ル液体の含浸率と時間との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装置
を示す断面図であい、(A)は非供給モード、(B)は
供給モードである。
【図7】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装置
の別の例を非供給モードで示す断面図である。
【図8】 (A)は本発明の第1実施形態のインク乾燥
防止装置のさらに別の例を非供給モードで示す断面図で
あり、(B)はこのインク乾燥防止装置に適用される限
度見本を示す平面図である。
【図9】 (A)はシール液体の累積消費量をインク吐
出面と多孔質体との接触・離間回数との関係において示
すグラフであり、(B)はシール液体の累積消費量をイ
ンク吐出面と多孔質体との接触時間との関係において示
すグラフである。
【図10】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装
置のさらに別の例を供給モードで示す断面図である。
【図11】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装
置のさらに別の例を供給モードで示す断面図である。
【図12】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装
置のさらに別の例を供給モードで示す断面図である。
【図13】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装
置を示す断面図であい、(A)は非供給モード、(B)
は供給モードである。
【図14】 本発明の第2実施形態のインクジェット記
録ヘッド保管容器を示す断面図である、(A)は供給モ
ード、(B)は非供給モードである。
【図15】 本発明の第3実施形態のインクジェット記
録装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インク乾燥防止装置 12 多孔質体 12A 延長部 14 シール液体 15 弾性部材(付勢手段) 17 弾性部材(付勢手段) 18 切り替え手段 20 シール液体供給装置 22 昇降装置(移動装置、切り替え手段) 30 シール液体供給装置 36 光透過率センサー(含浸率検出手段) 38 液滴化装置(吐出装置) 40 インク乾燥防止装置 45 シール液体供給装置 46 ポンプ 50 インク乾燥防止装置 60 インクジェット記録ヘッド保管容器 100 インクジェット記録装置 102 インクジェット記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 哲 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 末光 裕治 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2C056 EA17 EB23 EB29 EC22 EC28 HA06 JA04 JA10 JA24

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッド内部のインク
    の乾燥を防止するインク乾燥防止装置であって、 不揮発性で且つ前記インクジェット記録ヘッド内部のイ
    ンクに対して非相溶性のシール液体を含浸保持すると共
    にインクジェット記録ヘッドのインク吐出面に接触して
    インク吐出口をシール可能とされた多孔質体と、 前記多孔質体に前記シール液体を供給可能なシール液体
    供給装置と、 前記シール液体供給装置を、前記多孔質体に前記シール
    液体を供給する供給モードと供給しない非供給モードと
    に切り換える切り替え手段と、 を有することを特徴とするインク乾燥防止装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔質体における前記シール液体の
    含浸量が、多孔質体がシール液体に対して毛管力を発生
    して多孔質体内にシール液体を保持可能な上限の量以下
    で、且つ多孔質体が連続した空気層を形成しない量以上
    となるように、前記シール液体供給装置によって調整さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のインク乾燥
    防止装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔質体の空隙体積に対する前記シ
    ール液体の含浸率が40%以上90%以下とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のインク乾燥防止装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シール液体供給装置が、前記多孔質
    体に接触することで前記シール液体を多孔質体に供給可
    能とされ、 前記切り替え手段が、前記多孔質体と前記シール液体供
    給装置とを相対移動させて互いに接触及び離間させる移
    動装置、 とされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載のインク乾燥防止装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記多孔質体と前記シール液
    体供給装置が接触した状態でこれらを接近する方向へ付
    勢する付勢手段、 を有することを特徴とする請求項4に記載のインク乾燥
    防止装置。
  6. 【請求項6】 前記シール液体供給装置が、シール液体
    を吐出して前記多孔質体に供給する吐出装置、 を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載のインク乾燥防止装置。
  7. 【請求項7】 前記シール液体供給装置が、シール液体
    を前記多孔質体へ移送して供給するポンプ、 を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜請
    求項6のいずれかに記載のインク乾燥防止装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質体における前記シール液体の
    含浸率を検出する含浸率検出手段、 を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれ
    かに記載のインク乾燥防止装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    インク乾燥防止装置を備えたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド保管容器。
  10. 【請求項10】 画像情報に応じてインク吐出口からイ
    ンク滴を記録媒体に吐出するインクジェット記録ヘッド
    と、 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインク乾燥防止
    装置と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 不揮発性で且つインクジェット記録ヘ
    ッド内部のインクに対して非相溶性のシール液体を含浸
    保持しインクジェット記録ヘッドのインク吐出面に接触
    してインク吐出口をシールする多孔質体に、シール液体
    を供給するシール液体供給方法であって、 前記シール液体を前記多孔質体に間欠的に供給する供給
    工程、 を有することを特徴とするシール液体供給方法。
  12. 【請求項12】 前記多孔質体における前記シール液体
    の含浸率を検出する含浸率検出工程、 を有し、 前記含浸率検出工程で検出された前記含浸率を基に、前
    記供給工程において、 この含浸率が40%以上90%以下となるように多孔質
    体にシール液体を供給することを特徴とする請求項11
    に記載のシール液体供給方法。
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