JP2001301181A - インク乾燥防止装置、インクジェット記録ヘッド保管容器及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク乾燥防止装置、インクジェット記録ヘッド保管容器及びインクジェット記録装置

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JP2001301181A
JP2001301181A JP2000115701A JP2000115701A JP2001301181A JP 2001301181 A JP2001301181 A JP 2001301181A JP 2000115701 A JP2000115701 A JP 2000115701A JP 2000115701 A JP2000115701 A JP 2000115701A JP 2001301181 A JP2001301181 A JP 2001301181A
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ink
porous body
recording head
prevention device
jet recording
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JP2000115701A
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English (en)
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Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
Susumu Hirakata
進 平潟
Satoru Mori
哲 毛利
Yuji Suemitsu
裕治 末光
Hiroaki Sato
博昭 佐藤
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Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録ヘッド内部のインクの乾
燥を長期間防止し得るインク乾燥防止装置及びンクジェ
ット記録ヘッド保管容器と、インクジェット記録ヘッド
内部のインクが乾燥することに起因する印字品位の低下
や、印字が不可能になるのを防止し得るインクジェット
記録装置を提供する。 【解決手段】 シール液体14が含浸された多孔質体1
2には延長部12Aが形成されている。シール液体14
の含浸率で多孔質体12の光透過率が変化するので、延
長部12Aを観察してシール液体14の含浸率が低下し
ていると判断したときは、シール液体を供給する。多孔
質体12には常に最適なシール液体14が含浸保持され
るので、長期間に渡ってインク乾燥防止装置10のシー
ル性能を良好に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク乾燥防止装
置と、このインク乾燥防止装置を備えたインクジェット
記録ヘッド保管容器及びインクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタは、噴射
ノズルのノズルプレートに形成された複数のオリフィス
からインクをインク滴として噴射させ、媒体にインク滴
を付着させて印字(画像記録)を行っている。このよう
なインクジェットプリンタでは、印字していない状態が
長時間続くと、インクが乾燥してオリフィスが詰まった
り、ノズルプレートに埃(ほこり)が付着することによ
って、印字時にドット抜けが発生し、印字品位が低下し
たり、印字が不可能になったりする場合がある。そこ
で、一定期間記録を休止するとき、異なった色のインク
で記録を行うとき、あるいは記録方式を変更するとき等
には、記録ヘッドをインクジェットプリンタ内の所定の
場所に移動して、乾燥防止手段を作用させて休止する
か、使用していた記録ヘッドをインクジェットプリンタ
から取り外して乾燥防止手段を備えた保管容器に収容す
るようにしている。
【0003】乾燥防止手段としては、底部に噴射ノズル
に対応した小部屋が形成され、この小部屋の周縁に、ゴ
ム製のキャップが配設されたものが知られている。記録
ヘッドは、例えば、乾燥防止手段に噴射ノズルを底部に
向けてセットすることによって、または、記録ヘッドを
乾燥防止手段にセットした状態で記録ヘッドがわずかに
乾燥防止手段に向けて付勢されることによって、記録ヘ
ッドの噴射ノズルのノズルプレートがキャップに押し付
けられ、オリィフス内部のインクがノズルから蒸発する
のを防止している。
【0004】このような従来の乾燥防止手段としては、
キャップを利用した種々のものが知られている。例え
ば、密閉キャップ方式に利用されるキャップは、ノズル
プレートに当接する部分以外には開口部を有していない
形状のものである。したがって、記録ヘッドをキャップ
を介して乾燥防止手段にセットすると、小部屋を密閉す
ることができるので、インクが乾燥してオリフィスが詰
まったり、ノズルプレートに埃が付着したりするのを防
止することができる。その結果、印字時に、ドット抜け
が発生して印字品位が低下したり、印字が不可能になっ
たりするのを抑制できる。しかしながら、この密閉キャ
ップ方式では、噴射ノズルのノズルプレートをキャップ
に機械的に押し付けることによって小部屋を密閉するよ
うにしているので、わずかな異物の存在や、部材表面の
傷、キャップの弾性特性の劣化、保管ケース内における
記録ヘッドの移動による圧接状態の変化等により、完全
な密閉状態を長期間にわたって保持するのは困難であ
る。その結果、時間の経過とともに、わずかながらイン
クが乾燥して、オリフィスが詰まるという問題がある。
また、なんらかの理由で小部屋内の気圧が高くなると、
オリフィスのインクがインクタンク内に戻ってしまうの
で、ドット抜けが発生して印字品位が低下したり、印字
が不可能になったりする。
【0005】このような密閉キャップ方式の問題を解決
する方式として、連通口を有するキャップを用いる方式
が知られている。連通口を有するキャップでは、連通口
が小部屋と外界を連通することにより、小部屋内外の気
圧差を極小に維持することができるので、オリフィス内
のインクがインクタンク内に押し戻されるのを未然に防
ぐことができる。しかしながら、この方式では、キャッ
プに設けられた連通口を通してのインクの乾燥量が増大
するので、インク乾燥によるオリフィス詰まりは、密閉
キャップ方式よりも短時間で発生するという問題があ
る。
【0006】さらに改良された方式として、キャップ内
にインクと同様の成分で色材を含まない液体を充填する
方式や、保湿材として知られるグリセリンやジエチレン
グリコール等を充填する方式が知られている。これらの
方式は、密閉されたあるいは一部大気連通した小部屋の
中を飽和蒸気圧状態に保つことによって、インクの乾燥
を防ぐものである。この方式により乾燥をより長時間防
止しつつ、気圧変化によるインク押し込みの問題を改善
することができる。しかしながら、用いられる液体又は
保湿材自身が蒸発し、時間とともに消失するので、長期
間性能を発揮させるには、必要に応じて液体又は保湿材
を補給しなければならない。比較的蒸発し難い保湿材を
用いる方式においても、消失を防ぐことは困難である。
また、液体や保湿材を用いる方式においては、キャップ
内に充填される液体や保湿材は、インクと相容性あるい
は親インク性を有するものが用いられる。したがって、
オリフィス内のインクと、充填された液体や保湿材が接
すると2種類の液体の溶液または混合液ができるので、
インクの特性を変化させてしまい、正常な印字が困難に
なる。さらにキャップ内の液体にインクの色材が混ざる
ことがあり、混色の原因となる。
【0007】さらに、撥水性保持効果のある液体がしみ
こまされた吸収体を吐出ノズル面(インク吐出面)に接
触させて、インクの乾燥を防止する構成が知られてい
る。しかし、撥水性保持効果のある液体を使用してイン
ク吐出面に接触させる場合、インク吐出口内にこの液体
が浸入して吐出不良が発生するおそれがある。また、長
期間にわたってインクの乾燥を防止しようとするときに
は、この液体がインクに溶けこんだりインクと混合され
たりして、インクに悪影響を与えるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決し、インクジェット記録ヘッド内部のインクの乾
燥を長期間防止し得るインク乾燥防止装置及びンクジェ
ット記録ヘッド保管容器と、インクジェット記録ヘッド
内部のインクが乾燥することに起因する印字品位の低下
や、印字が不可能になるのを防止し得るインクジェット
記録装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1のインク乾燥防止装置は、インクジェット
記録ヘッド内部のインクの乾燥を防止するインク乾燥防
止装置であって、不揮発性で且つ前記インクジェット記
録ヘッド内部のインクに対して非相溶性のシール液体を
含浸保持すると共にインクジェット記録ヘッドのインク
吐出面に接触してインク吐出口をシール可能とされた多
孔質体と、前記多孔質体の光透過性の程度を表示可能な
表示手段と、を有することを特徴とする。
【0010】請求項1のインク乾燥防止装置では、多孔
質体がインク吐出面に接触した状態で、多孔質体に含浸
保持された不揮発性で且つインクジェット記録ヘッド内
部のインクに対して非相溶性のシール液体が、インク吐
出面との間で多数のメニスカスを形成する。その結果、
インク吐出口がシールされることとなり、インク吐出口
から露出しているインクと外界との連通を遮断すること
ができる。多孔質体内部の空隙にはシール液体が含浸保
持されているので、多孔質体の厚み方向(吐出面から離
間する方向)にもインクと外界とは完全に遮断される。
従って、インクジェット記録ヘッド内部のインクは周囲
の大気に曝されることがなく、その結果、インクの乾
燥、固化に起因するインク吐出口の目詰まりを軽減する
ことができる。また、シール液体は多孔質体に含浸保持
されている(一般には多孔質体の細孔内の毛管力により
多孔質体内部に保持されている)ので、外部に放出され
難く、長期にわたって、インク乾燥防止機能を維持し得
る。
【0011】請求項1に記載のインク乾燥防止装置にお
いて、シール性能を良好に維持しインク吐出口を長期に
わたってさらに確実にシールするためには、多孔質体に
十分なシール液体が含浸保持されていることが好まし
い。多孔質体へのシール液体の含浸率は、多孔質体の光
透過性の程度によって知ることができる。すなわち、多
孔質体へのシール液体の含浸率が低いと、多孔質体内の
細孔には空気が入り、光を散乱して光透過率が下がる。
これに対し、多孔質体へのシール液体の含浸率が高い
と、多孔質体内の細孔にはシール液体が充満しているこ
とになるので、光は比較的散乱されにくくなり光透過率
が上がる。請求項1に記載のインク乾燥防止装置では、
多孔質体の光透過性の程度を表示可能な表示手段を有し
ているので、この表示手段によって観察者(ユーザー)
が含浸率の程度を知ることができる。そして、含浸率の
程度を知ることで、インク乾燥防止装置使用時のシール
性能の良不良の判断、シール液体消費や不慮のシール液
体消失に対するシール液体補給の必要有無判断、出荷時
の不良検査時の良不良の判断、などが高精度な計測装置
を利用しなくとも可能になる。光透過率が低い場合には
シール液体を補充することで、長期にわたってシール性
能を良好に維持することができる。
【0012】表示手段としては、多孔質体の光透過性の
程度を表示できれば具体的構成は特に限定されない。例
えば、インクジェット記録ヘッドのインク吐出面と略同
サイズに形成された多孔質体であっても、インクジェッ
ト記録ヘッドをインク乾燥防止装置から取り外すと、イ
ンク吐出面が多孔質体から離間するので多孔質体を観察
可能となる。この構成では、多孔質体自体が表示手段を
兼ねていることになる。
【0013】請求項1に記載の表示手段として、請求項
2に記載のように、前記表示手段が、前記インクジェッ
ト記録ヘッドの前記インク吐出面が接触する部分からは
み出すように多孔質体を延長して形成された延長部、を
有する構成としてもよい。この構成では、多孔質体に形
成された延長部を観察できるので、インク吐出面が多孔
質体に接触している状態であっても、すなわちインクジ
ェット記録ヘッドをインク乾燥防止装置から取り外すこ
となく、多孔質体の光透過性の程度を容易に知ることが
できる。表示手段として、多孔質体を延長して延長部を
設けるだけなので、構造が複雑になることもない。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記表示手段が、前記
多孔質体自体の色と異なる色とされ多孔質体の近傍に配
置された背景部材、を有することを特徴とする。
【0015】背景部材が背景となるように多孔質体を観
察すると、背景部材は多孔質体の色と異なる色とされて
いるので、多孔質体の光透過率の程度を容易に知ること
ができる。すなわち、多孔質体の光透過率が低い(シー
ル液体の含浸率が低い)ときには、表示手段を観察する
と多孔質体自体の色が背景部材の色よりも強く見える。
これに対し、多孔質体の光透過率が高い(シール液体の
含浸率が高い)ときには、表示手段を観察すると背景部
材の色が多孔質体自体の色よりも強く見える。このよう
に、多孔質体の光透過率の程度を色の違いによって知る
ことができる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記背景部材が、前記多孔質体の厚
み方向の端面に接触して配置されていることを特徴とす
る。
【0017】背景部材を多孔質体の厚み方向の端面に配
置することで、背景部材を背景として多孔質体を厚み方
向に観察できる。また、背景部材を多孔質体に接触して
配置することで、多孔質体と背景部材との間に空気や異
物が存在しなくなる。これらにより、多孔質体の光透過
率の程度をより正確に知ることができる。
【0018】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の発明において、前記背景部材
が、前記多孔質体の少なくとも前記インク吐出面が接触
する部分の反対側に設けられ、多孔質体を保持する変形
可能な変形部材、からなることを特徴とする。
【0019】従って、インク吐出面が多孔質体に接触し
た状態でさらに押し込まれたとき、多孔質体は変形部材
によって保持されるので、インク吐出面と多孔質体との
接触状態を確実に維持できる。また、変形部材が変形す
ることで、多孔質体がインク吐出面に密着しシール性が
高くなる。
【0020】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前記変形部材が前記多孔質体と一体
的に設けられていることを特徴とする。
【0021】これにより、多孔質体が変形部材によって
より確実に保持される。インク吐出面を多孔質体から離
間させるとき等に多孔質体が過度に引っ張られて裂けた
り、はがれたりすることがなくなるので、長期にわたっ
てインク吐出口を確実にシールできる。
【0022】請求項7に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前記変形部材が弾性変
形可能な弾性部材とされていることを特徴とする。
【0023】従って、インク吐出面が多孔質体を押圧し
たときに、弾性部材が弾性変形し、その弾性反力によっ
て持続的に密着状態を維持できる。
【0024】請求項8に記載の発明では、請求項1〜請
求項7に記載の発明において、前記多孔質体に含浸保持
されたシール液体の含浸率を前記表示手段によって表示
された多孔質体の光透過性の程度から判断するための判
断指標手段、を有することことを特徴とする。
【0025】観察者は、表示手段を観察して多孔質体の
光透過性が分かると、これを判断指標手段と比較対照す
ることで、多孔質体に含浸保持されたシール液体の含浸
率がどの程度であるかをより正確に判断できる。これに
より、シール液体を供給すべき時期にあるか否かを容易
に判断できる。
【0026】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項8のいずれかに記載の発明において、前記多孔質体
及び前記表示手段が収容された筐体と、前記筐体に設け
られ筐体の外部から前記表示手段を観察可能とする観察
窓と、を有することを特徴とする。
【0027】筐体に多孔質体と表示手段が共に収容さ
れ、これらを一体的に取り扱うことが可能になる。さら
に請求項3の背景部材や請求項5の変形部材等を有して
いる場合には、これらも筐体に収容することで、インク
乾燥防止装置の構成要素が一体化されるので、取り扱い
がさらに容易になる。
【0028】筐体には観察窓が設けられており、筐体か
ら多孔質体や表示手段を取り出すことなく、外部から表
示手段を観察できるので、多孔質体の光透過率を容易に
知ることができる。
【0029】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
請求項9のいずれかに記載のインク乾燥防止装置を備え
たことを特徴とする。
【0030】従って、このインクジェット記録ヘッド保
管容器にインクジェット記録ヘッドを保管することで、
インクジェット記録ヘッド内部からのインクの乾燥をイ
ンク乾燥防止装置によって防止でき、インクの乾燥、固
化に起因するインク吐出口の目詰まりを軽減することが
できる。
【0031】また、このインクジェット記録ヘッド保管
容器を構成するインク乾燥防止装置は、多孔質体の光透
過性の程度を表示可能な表示手段を有しているので、こ
の表示手段によって観察者(ユーザー)が含浸率の程度
を知ることができる。そして、含浸率の程度を知ること
で、インク乾燥防止装置使用時のシール性能の良不良の
判断、シール液体消費や不慮のシール液体消失に対する
シール液体補給の必要有無判断、出荷時の不良検査時の
良不良の判断、などが高精度な計測装置を利用しなくと
も可能になる。光透過率が低い場合にはシール液体を補
充することで、長期にわたってシール性能を良好に維持
することができる。
【0032】請求項11に記載の発明では、請求項9に
記載のインク乾燥防止装置を備えたインクジェット記録
ヘッド保管容器であって、前記筐体が、前記インクジェ
ット記録ヘッド保管容器を構成すると共にインクジェッ
ト記録ヘッドを収容可能な容器本体、を兼ねていること
を特徴とする。
【0033】すなわち、筐体がインクジェット記録ヘッ
ド保管容器の容器本体を兼ねているので、部品点数を増
やすことなく、インクジェット記録ヘッド保管容器を構
成できる。
【0034】請求項12に記載の発明では、請求項1〜
請求項9のいずれかに記載のインク乾燥防止装置を備え
たことを特徴とする。
【0035】このインクジェット記録装置は、インク乾
燥防止装置を有しているので、インクジェット記録ヘッ
ド内部のインクの乾燥を確実に防止できる。
【0036】また、このインクジェット記録装置を構成
するインク乾燥防止装置は、多孔質体の光透過性の程度
を表示可能な表示手段を有しているので、この表示手段
によって観察者(ユーザー)が含浸率の程度を知ること
ができる。そして、含浸率の程度を知ることで、インク
乾燥防止装置使用時のシール性能の良不良の判断、シー
ル液体消費や不慮のシール液体消失に対するシール液体
補給の必要有無判断、出荷時の不良検査時の良不良の判
断、などが高精度な計測装置を利用しなくとも可能にな
る。光透過率が低い場合にはシール液体を補充すること
で、長期にわたってシール性能を良好に維持することが
できる。
【0037】
【発明の実施の形態】[インク乾燥防止装置]本発明の
インク乾燥防止装置は、シール液体と、このシール液体
を含浸保持する多孔質体とを備えている。そして、イン
クジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」とい
うことがある)のインク吐出面に多孔質体が接触される
ことにより、記録ヘッドのインク吐出面に1以上設けら
れたインク吐出口(一般的にはインク吐出面でのノズル
の開口部)が、多孔質体に含浸保持されているシール液
体によってシールされ、インク吐出口に露出している記
録ヘッド内部のインクの乾燥を防止することができる。
【0038】本発明において、記録ヘッドのインク吐出
口をシールするのに用いられるシール液体は不揮発性で
ある。従って、このシール液体は、記録ヘッドの保管中
に蒸発せず、シール液体によるインク吐出口へのシール
状態に変化が生じない。その結果、長期にわたって、イ
ンクの乾燥を防止することができる。シール液体は、蒸
気圧が常温(25°C)で約13.3Pa(0.1mm
Hg)以下であるのがより好ましい。
【0039】さらに、このシール液体は、記録ヘッド内
部のインクと非相溶性を有する。従って、シール液体が
長期にわたってインク吐出口をシールした状態にあって
も、インクと混合することがなく、シール液体がインク
と混合することによって生じる混色や、印字画質の低下
等が起こりにくい。シール液体のインクに対する溶解度
は、常温(25°C)で0.1重量%以下であるのがよ
り好ましい。さらに、シール液体は、使用されるインク
に対して、後述するように撥インク性を有するのが好ま
しい。
【0040】シール液体は、多孔質体の微細孔に含浸さ
れ易い性質のものが好ましい。この点から、シール液体
は表面張力が小さいものが好ましく、具体的には表面張
力が30mN/m以下であるのがより好ましい。シール
液体の表面張力γsと、インクの表面張力γiが、γs
<γiの関係にあると、シール液体がインクに対して撥
インク性を有するため、インク汚れを防止できるので好
ましい。また、シール液体の動粘度は、常温で1〜10
00mm2/sであるのが好ましい。シール液体の動粘
度が1mm2/s未満の場合、常温におけるシール液体
自身の蒸発量が増加し、長期間性能を維持するのが困難
になる。一方、動粘度が1000mm2/sを超える
と、流動に対する抵抗が高くなり、多孔質体への含浸に
要する時間が長くなり好ましくない。
【0041】水性インクを用いる場合、シール液体とし
ては、常温で液体の有機溶媒やオイル類を使用できる。
より具体的には、オクタン、ノナン、テトラデカン、ド
デカン、オレイン酸、リノール酸、n−デカノール、ジ
メチルブタノール、フタル酸ジブチル、マレイン酸ジブ
チル等の有機溶媒、および植物油、鉱物油、シリコーン
オイル、フッ素オイル等のオイル類が好ましい。これら
は、1種を単独で用いても、あるいは均一に混合し得る
ものであれば、複数種を混合して用いてもよい。また、
複数の材料を混合して粘度や表面張力を好ましい範囲に
調整して使用してもよい。
【0042】本発明のインク乾燥防止装置は、シール液
体を含浸保持する多孔質体を有する。多孔質体として
は、平均孔径が0.01〜100μmのものが好まし
い。孔径が小さ過ぎると、シール液体が浸透しにくくな
り、多孔質体に所定量含浸させるために、加圧法等特殊
な方法が必要になる。また、孔径が大き過ぎるとメニス
カスの保持力が小さくなる。その結果、シール液体が記
録ヘッドの吐出面へ転移したり、振動や衝撃等の外力に
より、シール液体が多孔質体から放出されてしまい、乾
燥防止性能を発揮できなくなる場合がある。多孔質体の
空孔率が大きい程、より多くのシール液体を含浸するこ
とができ、より長期間にわたってインク乾燥防止装置と
して機能し得るが、大き過ぎると機械的強度が低下す
る。一方、空孔率が小さい程、機械的強度が向上する
が、小さ過ぎると大気からの完全な遮蔽が困難になり、
インク乾燥防止性能が低下する場合がある。
【0043】多孔質体としては、シール液体に対しては
親シール液体性を有し、使用されるインクに対しては撥
インク性を有しているのが好ましい。具体的には、多孔
質体は、インクの接触角が90°より大きく且つシール
液体の接触角が90°以下となるような表面エネルギを
有するものであるのが好ましい。表面エネルギが上記し
た接触角を満たすような範囲であると、多孔質体にイン
クが付着するのを防止することができ、且つ記録ヘッド
のインク吐出口の内側のインクの状態を乱すのを防止で
きるので好ましい。多孔質体の孔構造は、多孔質体の記
録ヘッドのインク吐出面と接する側に、含浸保持するシ
ール液体が露出した状態となるように含浸可能な微細孔
を有する構造であればよい。多孔質体の孔構造は、孤立
孔が離散的に存在した構造であってもよいし、極細繊維
を編んだ細溝構造であってもよい。また、中空糸等の毛
管構造を有する素材を束ねて接着し、毛管方向に垂直な
面で薄くスライスすることによって形成される孔構造で
あってもよい。中でも、各種の多孔質樹脂が有する3次
元網目構造が好ましい。多孔質体が3次元網目構造を有
していると、インク乾燥部材の製造段階あるいは使用途
中で、シール液体を多孔質体に含浸させる場合に、多孔
質体の任意の箇所にシール液体を供給するだけで、シー
ル液体は多孔質体中に速やかに且つ均質に浸透し、所望
の含浸状態が得られるので好ましい。
【0044】多孔質体は、記録ヘッドのインク吐出面へ
の追従性および密閉性を向上するためには、柔軟に変形
する部材で構成することが好ましい。前記した多孔質樹
脂を用いる場合、厚さ1mm以下の薄層であることが好
ましい。中でも、以下に示す各種材料からなる多孔質樹
脂フィルムが好適である。具体的には、多孔質フッ素樹
脂(PTFE(四フッ化エチレン重合体)、PFA(四フ
ッ化エチレン/パーフルオロビニルエーテル共重合
体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、FEP(四フッ
化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE
(エチレン/四フッ化エチレン共重合体)、PCTFE
(三フッ化塩化エチレン重合体)など)、多孔質ポリオレ
フィン樹脂(PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレ
ン))、多孔質ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン重合
体)、多孔質ポリエステル系樹脂(PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレ
ート))、多孔質ポリアミド系樹脂(ポリアミド)、多
孔質ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミ
ド)、多孔質ポリウレタン樹脂(ポリウレタン)、多孔
質ポリアクリル系樹脂(ポリアクリルニトリル重合体、
メタアクリル酸アルキルエステル、N-アルキル(メ
タ)アクリルアミド、カルボキシ(メタ)アクリレー
ト)、多孔質ポリスチレン系樹脂(ヒドロキシスチレン
樹脂)、多孔質ポリケトン系樹脂(ポリエーテルケトン
樹脂)、多孔質シリコーン系樹脂(シリコーンゲル)の
フィルムが挙げられる。
【0045】多孔質樹脂を製造する場合は、例えば、発
泡法、燒結法、延伸法、抽出法、トラックエッチング
法、溶融相分離法、相転換法等を利用でき、材料にあわ
せて最適な方法を選択することができる。例えば、フッ
素樹脂を用いる場合は、樹脂の融点以上の熱処理を施さ
ない延伸法あるいは抽出法等の未焼成処理を利用するの
が好ましい。未焼成処理により多孔質化した、いわゆる
未焼成の多孔質フッ素樹脂は、変形しやすく、記録ヘッ
ドのインク吐出面との密着性がより向上するので好まし
い。フッ素樹脂は撥水性を有するので、水性インクを用
いる場合の多孔質体の材料として好ましい。また、水性
インクを用いる場合は、フッ素樹脂以外の材料からなる
多孔質樹脂フィルムに、フッ素樹脂を塗布、スプレー、
またはディップによりコートする等、一般的な多孔質体
に撥水性を付与したものを、本発明における多孔質体と
して用いることもできる。
【0046】多孔質体は、内部に多数の細孔を有するの
で、シール液体は細孔内の毛管力により多孔質体内部に
保持され得る。細孔内のシール液体の毛管力を、インク
吐出口のインクメニスカスに作用している記録ヘッド内
の負圧に対してバランスさせることにより、シール液体
を多孔質体内部に保持させ、記録ヘッド内に浸入するの
を防止することができる。シール液体の含浸率、即ち、
多孔質体の総空孔体積に対する含浸されたシール液体の
割合は、記録ヘッドと多孔質体が相互に押圧されて密着
した状態(記録ヘッドの休止状態や保管状態等)で、1
00%を超えないのが好ましい。100%を超えると多
孔質体からあふれたシール液体が、記録ヘッド内に進入
する可能性があり、記録ヘッドの吐出性能を劣化させる
場合がある。初期状態の適正な含浸率は、使用する多孔
質体の平均孔径や圧縮特性、印加する押圧力等により決
定されるが、装置の設計公差を考慮した上で不測の事態
が発生した場合においても、使用時の含浸率が100%
を超えることのないように設計するのがよい。
【0047】本発明のインク乾燥防止装置は、不揮発性
で且つインクに対して非相溶性のシール液体を含浸保持
する多孔質体を、記録ヘッドのインク吐出面に接触させ
てインク吐出口を閉塞することで、インクと大気との接
触を防止し、記録へッド内部のインクの乾燥を防止する
ものである。本発明のインク乾燥防止装置は、シール液
体が多孔質体とインク吐出面との間でメニスカスを形成
しているという特徴を有する。シール液体が、多孔質体
に含浸保持された状態の概念図を図1に示す。図1にお
いて、多孔質体1が記録ヘッド3のインク吐出面4と接
触すると、この接触部において、多孔質体1に含浸保持
されたシール液体2の一部(微量のシール液体2)がイ
ンク吐出面4と接触することになる。
【0048】その結果、インク吐出面4と多孔質体1と
の間には、シール液体2によるメニスカス8が形成され
るので、吐出面4に露出しているノズル5内のインク6
と外界の連通を遮断することができる。多孔質体1の細
孔の孔径が十分に小さいと、インク吐出面4の周囲に無
数のメニスカス8が形成されるので、ノズル5の密封が
より完全になる。多孔質体1内部の空隙にはシール液体
2が充填されているので、多孔質体1の厚み方向の連通
路も完全に遮断される。その結果、ノズル5内部のイン
ク6が、記録ヘッド3の周囲の大気に曝されることがな
く、インク6の乾燥、固化に起因するノズル5(特にイ
ンク吐出口)の目詰まりが発生しない。
【0049】なお、図1では、多孔質体1とインク吐出
面4との界面に空気9が存在しているが、この空気9
は、多孔質体1とインク吐出面4との接触時に微量に残
留する空気であり、多孔質体1とインク吐出面4との接
触状態や、多孔質体1へのシール液体2の含浸状態によ
って、存在状態は多少異なることもある。いずれの状態
でも、この空気9は、多孔質体1に含浸されたシール液
体2によって、外部の空気と遮断されており、インク吐
出口からの水分蒸発にはほとんど影響を与えない。
【0050】また、シール液体2は不揮発性であるとと
もに、細孔の毛管力の作用により多孔質体1の内部に保
持されるので、容易に多孔質体1から放出されることが
なく、インク乾燥防止機能を長期間にわたって維持する
ことができる。さらに、シール液体2は、使用されてい
るインク6とは非相溶性であり、シール液体2がインク
6と接触しても、インク6とシール液体2とは相溶せず
分離するので、ダミージェット等で容易に除去すること
ができ、記録ヘッドの吐出性能に悪影響を及ぼすことが
ない。
【0051】本発明のインク乾燥防止装置は、多孔質体
の光透過性の程度を表示可能な表示手段(表示手段の具
体的構成については後述する)を有している。一般に、
多孔質体1へのシール液体2の含浸率は、多孔質体1の
光透過性の程度によって知ることができる。すなわち、
多孔質体1へのシール液体2の含浸率が低いと、多孔質
体1内の細孔には空気が入り、光を散乱するため光透過
率が下がる。これに対し、多孔質体1へのシール液体2
の含浸率が高いと、多孔質体1内の細孔にはシール液体
2が充満していることになるので、光を散乱することは
なく光透過率が上がる。本発明では表示手段によって観
察者(ユーザー)が含浸率の程度を知ることができの
で、インク乾燥防止装置使用時のシール性能の良不良の
判断、シール液体消費や不慮のシール液体消失に対する
シール液体補給の必要有無判断、出荷時の不良検査時の
良不良の判断、などが高精度な計測装置を利用しなくと
も可能になる。光透過率が低い場合にはシール液体を補
充することで、長期にわたってシール性能を良好に維持
し、インク吐出口を長期にわたって確実にシールでき
る。
【0052】以下、図面を用いて、本発明のインク乾燥
防止装置の実施の形態を説明する。
【0053】図2には、本発明の第1実施形態のインク
乾燥防止装置10が示されている。このインク乾燥防止
装置10は、多孔質樹脂のフィルム等からなる多孔質体
12と、シール液体14、及び筐体13を有している。
多孔質体12は、記録ヘッド102のインク吐出面10
4に対向する面が開放された筐体13に、多孔質体12
の長手方向の両端が固定されて支持されている。シール
液体14は、多孔質体12に含浸保持されている。多孔
質体12は、記録ヘッド102のインク吐出面104に
対向して配置され、多孔質体12に含浸保持されたシー
ル液体14によってインク吐出口108がシールされる
ことで、ノズル106(インク吐出口108までのイン
ク流路)の目詰まり(特にインク吐出口108での目詰
まり)が防止される。
【0054】なお、多孔質体12は、少なくとも長手方
向に伸長可能な部材で構成されていると、インク吐出面
104に対する密着性及び追従性を向上させることがで
きるので、好ましい。
【0055】多孔質体12には、インク吐出面104が
接触した状態で記録ヘッド102よりも側方に張り出す
ように延長して、本発明の表示手段18(二点鎖線で示
す範囲の部分)を構成する延長部12Aが形成されてい
る。多孔質体12の色を延長部12Aにおいて、筐体1
3の反対側から観察することで、多孔質体12へのシー
ル液体14の含浸率を知ることができる。すなわち、延
長部12Aが透明に見えれば(上方から見た場合には、
背景として筐体13の底面が見える)、含浸率は高い状
態に維持されていると判断できる。これに対し、多孔質
体12自体の色(例えば白色)に見えた場合には、含浸
率が低い状態にあると判断できる。含浸率が低いと判断
した場合には、多孔質体12にあらたにシール液体14
を供給することで、多孔質体12には常に最適なシール
液体14を含浸保持させることができる。このため、長
期間に渡ってインク乾燥防止装置10のシール性能を良
好に維持できる。
【0056】なお、記録ヘッド102をインク乾燥防止
装置10から取り外した状態では、延長部12Aだけで
なく、多孔質体12の全体が表示手段18として機能
し、多孔質体12のいずれの部分を観察しても、光透過
率を知ることができる。これに対し、上記したように延
長部12Aを形成すると、記録ヘッド102をインク乾
燥防止装置10に装着した状態であっても多孔質体12
の光透過率を知ることが可能になり、記録ヘッド102
をインク乾燥防止装置10から取り外す必要がなくなる
ので好ましい。
【0057】図3には、本発明の第2実施形態のインク
乾燥防止装置20が示されている。以下、第1実施形態
のインク乾燥防止装置10と同一の構成要素、部材等に
ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0058】第2実施形態のインク乾燥防止装置20で
は、第1実施形態のインク乾燥防止装置10にさらに背
景部材22が設けられており、延長部12Aと背景部材
22とで本発明の表示手段28を構成している。
【0059】背景部材22は、多孔質体12自体の色
(シール液体14が含浸されていない状態又は含浸率が
低い状態での色であり、一般的には白色)とは異なる色
とされている。このように着色した背景部材22を配置
すると、観察者が多孔質体12の含浸率の変化による光
学的変化を認識しやすい。すなわち、含浸率が高いと多
孔質体12の光透過率が高くなるので、延長部12Aは
背景部の色に見える。含浸率が低くなると多孔質体12
の光透過率が低くなるので背景部材22の色が薄く見え
るようになり、含浸率が低く変化したことを知ることが
できる。背景部材22の色は、上記したように多孔質体
12自体の色と異なる色であれば限定されないが、色
相、彩度、明度等が異なる色とすることで、観察者にと
って多孔質体12と背景部材22とで色の相違が明確に
認識できるようにすることが好ましい。例えば、多孔質
体が白い場合は、背景部材22は赤、黄、緑、青、など
の有彩色や、黒、グレーなどに着色する。着色する場合
は、背景部材22の少なくとも多孔質体12に対向する
側を着色する。
【0060】なお、背景部材22の色に対して、これと
異なる色となるように多孔質体12自体を着色してもよ
い。この場合には、シール液体14の含浸率が高いと多
孔質体12と背景部材22の色による二次色として認識
される。例えば、黄色の着色樹脂を多孔化処理した多孔
質体12を、青色の背景部材22と組み合わせると、含
浸率が高い場合は多孔質体12の黄色に背景部材22の
青色が透過して見えるので、観察者には緑色に認識され
る。含浸率が下がってくると、光透過率が下がり多孔質
体12自身の色である黄色に見えるので、観察者は含浸
率が下がったと判断できる。このように、含浸率を色相
の変化として見知できるので、観察者がより判断しやす
い。
【0061】また、背景部材22は、延長部12Aを観
察する方向を考慮し、延長部12Aの背景となる位置に
配置される。例えば、図3では延長部12Aを上方(記
録ヘッド102と同じ側)から観察するため、背景部材
22をその反対側、すなわち延長部12Aの下方に配置
している。換言すれば、背景部材22が背景となるよう
に延長部12Aを見るようにすれば、上記した効果が得
られる。従って、背景部材22を多孔質体12の厚み方
向の端面(上面又は下面)に配置すれば、延長部12A
を厚み方向に観察することになるので、多孔質体12自
体による光の散乱の影響が小さくなり、好ましい。
【0062】背景部材22は、延長部12Aとの間に大
きな隙間が構成されていると、この隙間に空気や異物が
存在して背景部材22の色が不明確になるおそれがあ
る。従って、背景部材22を延長部12Aに接触させる
か、又は極めて接近させて配置すると、背景部材22と
延長部12Aとの間に空気や異物が存在しなくなり(若
しくは存在していても、その影響が小さくなり)、多孔
質体12の光透過率をより正確に知ることが可能にな
る。
【0063】図4には、本発明の第3実施形態のインク
乾燥防止装置30が示されている。第3実施形態におい
ても第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成要素、
部材等については同一符号を付して説明を省略する。
【0064】第3実施形態のインク乾燥防止装置30で
は、第2実施形態の背景部材22に代えて、背景部材3
2が多孔質体12の裏面に一体的に設けられている。
【0065】背景部材32が多孔質体12に接触して配
置されていることになるので、背景部材32と多孔質体
12との間に空気や異物が存在しなくなり、多孔質体1
2の光透過率をより正確に知ることが可能になる。
【0066】背景部材32としては、多孔質体12と異
なる色の材料からなる、あるいは異なる色に着色された
樹脂フィルムや、不織布、織布等を使用し、これらを熱
融着や接着によってラミネートして、多孔質体12に貼
着することができる。これによって、多孔質体12が背
景部材32によって補強されて固定される。記録ヘッド
102が多孔質体12から離間するときに多孔質体12
が過度に引っ張られても、その変形が制限されるので、
多孔質体12の裂けやはがれが防止でき、長期にわたっ
てインク吐出口108を確実にシールできるので、好ま
しい。あるいは、多孔質体12の一面に印刷や塗布など
によって、着色層を形成してもよい。
【0067】また、背景部材32を多孔質体12の裏面
全体にわたって設けてもよく、この場合には、多孔質体
12の延長部12Aに相当する部分を表示手段38とし
て機能させるだけでなく、多孔質体12の全ての部分を
観察可能部分として(換言すれば実質的な表示手段38
として)機能させることが可能になる。
【0068】なお、図4では、図2や図3に示した筐体
13の図示を省略しているが、もちろん筐体13に多孔
質体12が掛け渡されて支持されていてもよいし、背景
部材32が多孔質体12を支持する機能を兼ねるように
なっていてもよい。
【0069】図5には、本発明の第4実施形態のインク
乾燥防止装置40が示されている。第4実施形態におい
ても第1実施形態〜第3実施形態と同一の構成要素、部
材等については同一符号を付して説明を省略する。
【0070】第4実施形態のインク乾燥防止装置40で
は、本発明の背景部材として、多孔質体12と異なる色
の材料からなる、あるいは異なる色に着色されると共
に、ゴム等の所定の弾性を有する材料によって構成され
た弾性部材42が、インク吐出面104が接触する側と
反対側に配置されており、多孔質体12は弾性部材42
に面接触している。
【0071】このように弾性部材42を設けることで、
記録ヘッド102のインク吐出面104が多孔質体12
に向かって押圧されたときに、弾性部材42が弾性変形
して多孔質体12のインク吐出面104への密着性が高
くなる。
【0072】なお、このように多孔質体12の密着性を
高めるためには、弾性部材42に限らず単に変形する変
形部材であってもよいが、繰り返し使用に有利である点
で所定の弾性を有する弾性部材が好ましい。また、弾性
部材42の場合には、押圧された際の反発力が得られ、
その反発力によって持続的に押圧状態を維持できるの
で、より安定な密着状態を簡易に実現できる。
【0073】これらの弾性部材42(又は変形部材)と
しては、使用するシール液体14により変質、劣化しな
いものであれば、特に制限は無い。弾性部材42の具体
的な材料としては、各種ゴム・エラストマーなどの他、
ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリス
チレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ゴムフォー
ムなどの各種高分子材料で多孔質構造に成型されたもの
(フォーム)を用いることができる。高分子多孔質体の
フォームを用いる場合は、気孔率が低くなると圧縮応力
の値が高くなるので、気孔率は30%以上であることが
好ましい。弾性部材42のヤング率は、102MPa以
下であることが好ましい。ヤングが102MPaより大
きいと変形に対して反発力が大きくなるので、記録ヘッ
ド102の押し込み量を高精度に制御する必要があり好
ましくない。
【0074】変形部材としては、バッグ状部材にゲル状
高分子材料や気体や液体、あるいは粉粒体を封入した構
成のものを適用可能である。押圧により自在に変形する
この種の部材は弾性部材の場合とは逆に、保管中は記録
ヘッド102およびインク乾燥防止装置40に不要な応
力が加わらないという特徴があるので、多孔質体12と
インク吐出面104の間に異物があっても、そこに継続
的に応力が集中することはなく、多孔質体12とインク
吐出面104が損傷するのを防止することができる。
【0075】なお、上記説明では、弾性部材42(又は
変形部材)と背景部材とが一体とされているものを例と
して挙げたが、背景部材とは別に、インク吐出面104
側に弾性部材(又は変形部材)や後述する遮断部材44
を有する構成でも、インク吐出面104への密着性に関
する本発明の効果を有する。
【0076】また、第4実施形態の弾性部材42(又は
変形部材)は、多孔質体12の裏面全体に接触するよう
に配置されている必要はないが、裏面全体に接触して配
置すると、多孔質体12の全ての部分を観察可能部分、
すなわち本発明の表示手段48として機能させることが
可能になる。多孔質体12を、弾性部材42との対向面
に接着剤を塗布して接着し、多孔質体12を弾性部材4
2に直接固定してもよい。その場合には、多孔質体12
を弾性部材42に接着して乾燥させた後、シール液体1
4を多孔質体12に含浸させるのが好ましい。このよう
に多孔質体12を弾性部材42に直接固定して一体化す
ると、インク吐出面104を多孔質体12から離間させ
るとき等に多孔質体12が引っ張られても、その引っ張
りによる変形が制限され、多孔質体12の裂けやはがれ
を防止できるので、長期にわたってインク吐出口108
を確実にシールでき、好ましい。
【0077】さらに、第4実施形態のインク乾燥防止装
置40において、多孔質体12と弾性部材42(又は変
形部材)との間に、図6に示すように遮断部材44を配
置して、背景部材を構成してもよい。遮断部材44は、
シール液体14が通過不可能な部材であり、多孔質体1
2中のシール液体14が弾性部材42に吸収されること
を防止する機能を有する。このような遮断部材44を用
いると、多孔質体12に含浸保持されたシール液体14
が弾性部材42に吸収されることがないので、より長期
間にわたって多孔質体12に保持されたシール液体14
の含浸率を良好な範囲に保つことができ、目詰まり防止
効果をより長い期間維持することができる。
【0078】遮断部材44を構成する材料としては、シ
ール液体14の流通を遮断できるものであればよく、多
孔質体12と異なる色の材料からなる、あるいは多孔質
体12と異なる色に着色された各種樹脂材料、金属材料
等が使用可能である。あるいは、例えば透明な樹脂材料
に、着色された弾性部材(又は変形部材)を配置しても
よい。遮断部材44が薄層であると、記録ヘッド102
の吐出面104と多孔質体12との密着を阻害しないの
で好ましい。例えば、遮断部材44は、樹脂フィルムや
金属箔であるのが好ましい。遮断部材44は、弾性部材
42の多孔質体12の対向面に一体的に形成されていて
もよい。例えば、スプレー法、ディップ法、およびスピ
ンコート法等の製膜法を利用して、弾性部材42の対向
面に樹脂膜を形成し、この樹脂膜を遮断部材44として
機能させてもよいし、蒸着法、スパッタ法等の着膜法を
利用して、弾性部材42の対向面に金属薄膜を形成し、
この金属膜を遮断部材44として機能させてもよい。遮
断部材44を介して多孔質体12と弾性部材42とを一
体的に固定し、多孔質体12が引っ張られた場合の変形
が制限されるようにしてもよい。
【0079】第4実施形態のインク乾燥防止装置40に
おいて、第1実施形態や第2実施形態と同様、図7に示
すように筐体13に多孔質体12が支持される構成でも
よい。また、例えば、図7に示すインク乾燥防止装置
に、図6に示す遮断部材44を設けてもよい。
【0080】なお、上記説明では、多孔質体12を記録
ヘッド102が接触される側から観察するものを例とし
て説明したが、多孔質体12を観察する方向は限定され
ない。例えば、記録ヘッド102が接触される側の反対
側から観察するような構成でもよい。あるいは、例えば
図5に示すインク乾燥防止装置40において、多孔質体
12を弾性部材42の側面に接触するように延長して折
り曲げ、この折り曲げ部分を表示手段とする(従って側
方から多孔質体12を観察する)構成でもよい。
【0081】図8には、本発明のインク乾燥防止装置に
適用可能な、限度見本50が示されている。
【0082】限度見本50は、多孔質体12の光透過率
の違いに対応した種々の見え方(色相や彩度、明度等の
違い)が段階的に見本として示された着色板52と、こ
の見え方から判断される多孔質体12へのシール液体1
4の含浸率が所定値以上(すなわち「OK」)であるか
所定値未満(すなわち「NG」)であるかを示す基準指
標54とで構成されている。多孔質体12へのシール液
体14の含浸率により透過率は連続的に変化するので、
このような限度見本50を設けることで、視覚による判
断をより正確にし、表示手段18との対比で含浸状態を
より正確に認識できるようにしている。すなわち、背景
の見え方を限度見本50と対比することで、シール液体
補給、交換、等の判断指標とすることができる。限度見
本50によってシール液体14の含浸率が所定値未満と
判断された場合は、一定量のシール液体14をユーザー
が多孔質体12に滴下すれば、含浸率を良好な状態に維
持でき、含浸率が下がってシールに不良が発生すること
を未然に防止できる。
【0083】なお、図8(A)では着色板52の着色を
複数の領域ごとに断続的に行っているが、着色板52全
体で連続的なグラデーションとなるように着色してもよ
い。また、基準指標54は単に「OK」あるいは「N
G」と表示するだけでなく、多孔質体12へのシール液
体14の含浸率を具体的に表示してもよい。さらに、限
度見本50の位置は、ユーザーが見ることができる位置
であれば特に限定されないが、表示手段18の近傍が好
ましい。インク乾燥防止装置に、多孔質体12を観察す
るための観察窓58を有すると共に限度見本50が取り
付けられる取り付け板56を設けてもよい。取り付け板
56は、筐体13の一部を延長部12Aの上方(背景部
材22の反対側)に延長して形成することが可能であ
る。後述するインクジェット記録ヘッド保管容器60、
70やインクジェット記録装置100では、容器本体6
2やハウジング120等(筐体)が取り付け板56を兼
用する構成としてもよい。観察窓58を有する取り付け
板56を設けた場合には、多孔質体12へのシール液体
14の補給は、窓から行うことができる。
【0084】上記した各実施形態のインク乾燥防止装置
は、各部材がユニット化されることで、インクジェット
記録ヘッド保管容器やインクジェット記録装置の部品と
して使用可能とされることが好ましいが、必ずしもユニ
ット化されている必要はない。
【0085】[インクジェット記録ヘッド保管容器]図
9には、本発明の第5実施形態のインクジェット記録ヘ
ッド保管容器60が示されている。このインクジェット
記録ヘッド保管容器60は、上部に開口62Aが形成さ
れると共に記録ヘッド102を収容可能とされた容器本
体62と、開口62Aを閉塞可能な蓋部材64と、を有
している。容器本体62内には、第1実施形態と同様の
多孔質体12が配置されており、容器本体62内に記録
ヘッド102が収容された状態で、多孔質体12が記録
ヘッド102のインク吐出面104に密着して、インク
吐出口108をシールする。
【0086】多孔質体12には第1実施形態のインク乾
燥乾燥防止装置10(図2参照)と同様に、本発明の表
示手段18を構成する延長部12Aが形成されている。
【0087】蓋部材64には、外部から延長部12Aを
観察可能な観察窓69が形成されている。この観察窓6
9により、容器本体62の内部の多孔質体12が作用状
態(インク乾燥防止効果)を適切に保ったまま、外部か
ら多孔質体12の光透過率、すなわちシール液体14の
含浸率を知ることができる。観察窓69としては、容器
本体62や蓋部材64に設けた単なる穴であってもよい
が、容器本体62や蓋部材64の一部に設けた光透過可
能な材質(例えばガラスや透明樹脂等)であってもよい
し、容器本体62自体あるいは蓋部材64自体が光透過
可能な材質(例えばガラスや透明樹脂等)で構成されて
いてもよい。多孔質体12の延長部12Aと観察窓69
とで、このインクジェット記録ヘッド保管容器60にお
ける表示手段68が構成されている。
【0088】蓋部材64の下面には、蓋部材64が開口
62Aを閉塞したとき、記録ヘッド102を多孔質体1
2に向かって押圧する押圧部材66が設けられている。
これにより、多孔質体12のインク吐出面104への密
着性が高くなる。従って、記録ヘッド102がインクジ
ェット記録ヘッド保管容器60に保管されている間、イ
ンク吐出口108はシール液体14によってシールされ
ているので、ノズル106(特にインク吐出口108)
の目詰まりを防止することができる。
【0089】なお、第5実施形態のインクジェット記録
ヘッド保管容器60では、容器本体62が第1実施形態
の筐体13を兼ねており、実質的に容器本体62内に第
1実施形態のインク乾燥防止装置10が配置されている
ことになる。これにより、部品点数を増大させることな
く、インク乾燥防止装置10を備えたインクジェット記
録ヘッド保管容器60を構成している。もちろん、容器
本体62とは別体で筐体13を設け、この筐体13に多
孔質体12が支持される構成でもよい。
【0090】図10には、本発明の第6実施形態のイン
クジェット記録ヘッド保管容器70が示されている。第
6実施形態において、第5実施形態と同一の構成要素、
部材等は同一符号を付して説明を省略する。
【0091】第6実施形態のインクジェット記録ヘッド
保管容器70では、第5実施形態のインクジェット記録
ヘッド保管容器60に対し、さらに第2実施形態と同様
の背景部材22が設けられており、観察者が多孔質体1
2の含浸率の変化による光学的変化を認識しやすくなっ
ている。多孔質体12の延長部12Aと観察窓69、及
び背景部材22とで、このインクジェット記録ヘッド保
管容器70における表示手段78が構成されている。
【0092】なお、本発明のインクジェット記録ヘッド
保管容器は、上記したものに限られない。例えば図2〜
図7に示したいずれのインク乾燥防止装置を容器本体6
2内に配置しても、本発明のインクジェット記録ヘッド
保管容器を構成することができる。さらに、図8に示し
た限度見本50を有する構成としてもよい。
【0093】また、図11に示すように、延長部12A
が設けられていない多孔質体12を容器本体62内に配
置して、インクジェット記録ヘッド保管容器80を構成
してもよい。この場合、図11(B)に示すように、記
録ヘッド102を容器本体62から取り出すと、多孔質
体12の光透過率を観察可能となる。図11(A)から
も分かるように、延長部12A(インクジェット記録ヘ
ッド102のインク吐出面104からはみ出した部分)
を設けるためのスペースが不要となるので、インクジェ
ット記録ヘッド保管容器80は、図9や図10に示した
インクジェット記録ヘッド保管容器60、70と比較し
て小型化することが可能になる。
【0094】上記説明では、記録ヘッド102の全体を
収容可能な容器本体62を有するインクジェット記録ヘ
ッド保管容器60,70を示したが、本発明のインクジ
ェット記録ヘッド保管容器は、記録ヘッド102の全体
が収容可能とされている必要はなく、少なくとも、記録
ヘッド102の先端部(インク吐出面104がある先端
部)を収容可能な容積を有していればよい。例えば、記
録ヘッド102の先端が凸形状になっていて、この凸形
状の先端面がインク吐出面である場合は、凸形状部分を
収容可能(インク吐出面とインク乾燥防止装置とを接触
させながら収容可能)とされた形状であってもよい。
【0095】なお、図9〜図11示す構成において、多
孔質体12がインク吐出面104に密着する位置で記録
ヘッド102が固定されるように、容器本体62と記録
ヘッド102とに、或いは容器本体62と蓋部材64と
に係止部材を設けると、多孔質体12がインク吐出面1
04から不用意に離れてしまわないので、好ましい。ま
た、保管容器に衝撃や振動が与えられても、多孔質体1
2とインク吐出面104との密着性が維持でき、インク
乾燥防止機能が低下しないので好ましい。
【0096】また、記録ヘッド102を容器本体62内
に収容するときに、インク吐出面104が多孔質体12
に確実に接触するように、記録ヘッド102の挿入を案
内する案内溝や案内板を容器本体62に設けることが好
ましい。
【0097】[インクジェット記録装置]本発明のイン
クジェット記録装置の実施の形態を図12に示す。尚、
図2〜図11に示すのと同一の部材には同一の番号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0098】図12に示す本実施形態のインクジェット
記録装置100は、記録ヘッド102と、画像信号に従
って記録ヘッド102内に配置された吐出手段(不図
示)を制御する制御手段(不図示)と、画像信号に応じ
て記録ヘッド102を移動させる移動手段110と、記
録紙112を搬送するオートシートフィーダ等の搬送手
段114とを備えている。移動手段110は、ヘッド1
02が装着されたキャリッジ部110aと、インクジェ
ット記録装置100のハウジング120に固定されると
ともにキャリッジ部110aを図面中左右方向に移動可
能に支持するキャリッジシャフト110b、及びキャリ
ッジ部100aが取りつけられた無端状の駆動ベルト1
10cとから構成されている。記録ヘッド102の待機
領域近傍には、インク乾燥防止装置(図12では第2実
施形態のインク乾燥防止装置20を示しているが、上述
したいずれのインク乾燥防止装置でもよい)が位置し、
シール液体を含浸保持する多孔質体12が吐出面104
に接触可能に支持されている。また、インク乾燥防止装
置10の近傍には、ブレード等からなるクリーニング手
段108が配置され、記録ヘッド102が印字領域に移
動する際に、吐出面に付着したシール液体を除去可能に
なっている。さらに、メンテナンス装置116によっ
て、記録ヘッド102がメンテナンスされ、所望の印字
性能を維持できるようにされている。ハウジング120
には、インク乾燥防止装置20の多孔質体12に形成さ
れた延長部12Aを観察可能とする観察窓122が形成
されている。観察窓122は、図9に示すインクジェッ
ト記録ヘッド保管容器60の観察窓69等と同様、ハウ
ジング120に設けた単なる穴であってもよいが、ハウ
ジング120の一部に設けた光透能な材質(例えばガラ
スや透明樹脂等)であってもよいし、ハウジング120
自体が光透過可能な材質(例えばガラスや透明樹脂等)
で構成されていてもよい。多孔質体12の延長部12A
と観察窓122、及び背景部材22とで、このインクジ
ェット記録装置100における表示手段128が構成さ
れている。
【0099】印字時には、画像信号に応じてインクが記
録ヘッド102のインク吐出口108から吐出されると
共に、駆動ベルトによって記録ヘッド102がキャリッ
ジシャフト110bに沿って移動する。さらに記録紙1
12も、搬送手段114によって任意の方向(一般的に
は、記録ヘッド102の移動方向と直交する方向)へと
移動する。これらの動作により、記録紙112上に絵や
文字などの画像が記録される。
【0100】インクジェット記録装置100が非印字モ
ードになったり、電源OFFになったりすると、記録ヘ
ッド102は待機領域に戻る。記録ヘッド102が待機
領域に位置すると、インク乾燥防止装置10は、記録ヘ
ッド102の吐出面104方向に押出され、多孔質体1
2が吐出面104に接触する。多孔質体12はシール液
体を含浸保持しているので、吐出面104には、シール
液体のメニスカスが多数存在し、大気との接触が遮蔽さ
れ、ノズル106の目詰まりが生じない。従って、従
来、インクジェット記録装置100の電源がOFFにな
ったり、長期間非印字モードとなっている場合に生じて
いたノズル106の目詰まりを解消することができる。
【0101】また、このインクジェット記録装置100
では、表示手段128によって観察者(ユーザー)が多
孔質体12へのシール液体14の含浸率の程度を知るこ
とができので、インク乾燥防止装置使用時のシール性能
の良不良の判断、シール液体消費や不慮のシール液体消
失に対するシール液体補給の必要有無判断、出荷時の不
良検査時の良不良の判断、などが高精度な計測装置を利
用しなくとも可能になる。光透過率が低い場合にはシー
ル液体を補充することで、長期にわたってシール性能を
良好に維持し、インク吐出口108を長期にわたって確
実にシールできる。
【0102】インク乾燥防止装置を配置する位置は、例
えば、記録ヘッドが運動する軌道内であって、印字に影
響を与えない位置であれば、インクジェット記録装置1
00内のどこでも可能であるが、通常メンテナンスポジ
ション、あるいはホームポジションと呼ばれる場所が最
適である。図8に示した限度見本50を設ける場合も、
その位置は特に限定されないが、表示手段18の近傍で
あることが好ましい。限度見本50を取り付けるための
取り付け板56としては、インクジェット記録装置10
0のハウジング120自体を利用したり、ハウジング1
20の一部の形状を取り付け板56として使用可能な形
状とすれば、別途取り付け板56を設ける必要がなくな
るので、部品点数の増加を招かず、好ましい。
【0103】インク吐出面と多孔質体を当接させるため
の機構は従来公知の紙送りモータと連動したカム機構等
の組み合わせによる昇降手段等を採用することも可能で
ある。
【0104】
【実施例】[実施例1](インク乾燥防止装置が備えら
れたインクジェット記録装置) 多孔質体12として、ニ軸延伸により多孔質化したPT
FE樹脂フィルムを用意した。この樹脂フィルムは、樹
脂の融点以上の熱処理をした焼成品であり、その平均孔
径は1.0μm、空孔率80%、厚さ85μmであっ
た。また、下記で使用した水性染料インク(表面張力4
0mN/m、動粘度3mm2/s)の前記多孔質フィル
ムにおける接触角は100度であった。この多孔質フィ
ルムを、延伸方向の長さ60mm、延伸方向に垂直な幅
20mmの大きさに切断し、シリコーンオイル(蒸気圧
13.3Pa以下(25℃)、対インク溶解度0.1w
t%以下(25℃)、表面張力20mN/m、動粘度2
0mm2/s)に1分間浸して引き上げた。その後、多
孔質フィルム表面に付着した余分なシリコーンオイル
を、乾燥した濾紙で除去した。多孔質フィルムの全空孔
体積に対するシリコーンオイルの含浸率は、段階的に4
0〜100体積%とした。前記シリコーンオイルの多孔
質フィルムにおける接触角は5度以下であった。また、
前記シリコーンオイルの下記に使用した記録ヘッドの吐
出面における接触角は5度以下、前記シリコーンオイル
に対する下記で使用した水性染料インクの接触角は10
0度以上であった。
【0105】図3に示すように、ポリプロピレン樹脂製
の筐体13を用意し、前記シリコーンオイルを含浸保持
する多孔質フィルムをインクジェット記録ヘッド102
のインク吐出面104に対向するように筐体13に支持
させて、インク乾燥防止装置10を構成した。また、前
記PTFE樹脂フィルム製の多孔質体12をインクジェ
ット記録ヘッド102のインク吐出面104との接触位
置よりから延長配置して延長部12Aを構成し、これを
多孔質体12の表面の観察部分である表示手段18とし
た。この表示手段18(延長部12A)を観察し、延長
部12Aが透明に見えれば多孔質体12へのシール液体
14の含浸率は高い状態に維持されていると判断でき
る。延長部12Aがが白く見えた場合は、含浸率が低い
状態にあると判断できる。
【0106】次に、記録ヘッド102を用意した。この
記録ヘッド102は、長さ25mm、幅8mmのインク
吐出面104を有し、インク吐出面104には口径30
μmの吐出口が300個配置されていた。記録ヘッド1
02内部のノズル106には水性染料インクが充填され
ていて、インク吐出口108には水性染料インクが露出
していた。
【0107】この記録ヘッド102に、多孔質体12の
シール液体14の含浸室が異なる上記のインク乾燥防止
装置10を設け、図12に示すようなインクジェット記
録装置110を構成した。そして、表示手段18による
多孔質体12の観察を行いながら、室温20°C、相対
湿度50%の室内に保管したインクジェット記録ヘッド
102の印字テストを行った。
【0108】含浸率が90〜100%では、多孔質体1
2の状態は透明に見え、視覚的にはほとんど変化がな
い。インク吐出面104が多孔質体12に接触した状態
でインクジェット記録ヘッド102を3ヶ月放置した後
も、通常の使用開始時のメンテナンス1回だけで、放置
前との印字状態に変化はなく、目詰まりは発生しなかっ
た。
【0109】含浸率60〜90では多孔質体12はやや
白く見え、100%に近い状態から含浸率が低く変化し
ていることを知ることができるが、シール性能は含浸率
90〜100%の場合に比較して劣化していることはな
かった。3ヶ月放置後も、通常の使用開始時のメンテナ
ンス1回だけで、放置前との印字状態に変化はなく、目
詰まりは発生しなかった。
【0110】含浸率が50〜60%では、多孔質体12
の透過率は低く、ほぼ白く見えた。3ヶ月放置後、通常
の使用開始時のメンテナンス1回後、ややかすれのある
印字画像が出力される場合もあったが、メンテナンスを
数回繰り返したところ、放置開始前との印字状態に戻っ
た。これにより、放置されている間にインク乾燥による
目詰まりが発生する場合があり、シール性能が低下して
いるおそれがあることが分かった。
【0111】含浸率が50%未満になると、多孔質体1
2を光はまったく透過せず、多孔質体12は白く(すな
わち多孔質体12自体の色に)見える。3ヶ月放置後、
通常の使用開始時のメンテナンス1回だけでは、かすれ
の多い印字画像しか得られず、放置前との印字状態に戻
すには、メンテナンスを数回繰り返す必要があった。す
なわち、含浸率が50%未満では放置している間にイン
ク乾燥による目詰まりが発生する場合が多くなり、シー
ル性能がさらに低下していることが分かった。
【0112】[実施例2](背景部材を有するインク乾
燥防止装置が備えられたインクジェット記録ヘッド保管
容器) 実施例1と同じ構成のインク乾燥防止装置10に背景部
材22を設けて図3に示すインク乾燥防止装置20を構
成した。背景部材22は緑色に着色した。そして、この
インク乾燥防止装置10を使用して、図10に示すイン
クジェット記録ヘッド保管容器70を構成した。インク
ジェット記録ヘッド保管容器70内において、インク乾
燥防止装置20によって、インクジェット記録ヘッド1
02を室温20°C、相対湿度50%の室内に保管した
後、インクジェット記録装置に装着して印字テストを行
った。
【0113】含浸率が90〜100%では、観察窓58
から見える表示手段18の色の状態(背景部材22の色
である緑色)は、視覚的にはほとんど変化がない。3ヶ
月保管後も、通常の使用開始時のメンテナンス1回だけ
で、保管開始前との印字状態に変化はなく、目詰まりは
発生しなかった。
【0114】含浸率60〜90では、観察窓58から見
える表示手段18の色は、含浸率が90〜100%の場
合の緑色よりもやや白っぽく見え(すなわち多孔質体1
2自体の色が少し見えている)、100%に近い状態か
ら含浸率が低く変化していることを知ることができる
が、シール性能は含浸率90〜100%の場合に比較し
て劣化していることはなかった。3ヶ月保管後も、通常
の使用開始時のメンテナンス1回だけで、保管開始前と
の印字状態に変化はなく、目詰まりは発生しなかった。
【0115】含浸率が50〜60%では、表示手段18
はほとんど白いがわずかに緑色に見える。3ヶ月保管
後、通常の使用開始時のメンテナンス1回後、ややかす
れのある印字画像が出力される場合もあったが、メンテ
ナンスを数回繰り返したところ、保管開始前との印字状
態に戻った。すなわち、保管中にインク乾燥による目詰
まりが発生する場合があり、シール性能が低下している
おそれがあることが分かった。
【0116】含浸率が50%未満になると、表示手段1
8を観察するとまったく背景部材22の色は分からず、
多孔質体12自体の色である白に見える。3ヶ月保管
後、通常の使用開始時のメンテナンス1回だけでは、か
すれの多い印字画像しか得られず、保管開始前との印字
状態に戻すには、メンテナンスを数回繰り返す必要があ
った。含浸率が50%未満では保管中にインク乾燥によ
る目詰まりが発生する場合が多くなり、シール性能がさ
らに低下していることが分かった。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録ヘ
ッド内部のインクの乾燥を長期間防止し得るインク乾燥
防止装置、インクジェット記録ヘッド保管容器、および
インク乾燥防止方法を提供することができる。また、本
発明によれば、インクジェット記録ヘッド内部のインク
が乾燥することに起因する印字品位の低下や、印字が不
可能になるのを防止し得るインクジェット記録装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク乾燥防止装置の作用を概念的
に示す模式図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のインク乾燥防止装置
を示す断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態のインク乾燥防止装置
を示す断面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態のインク乾燥防止装置
を示す断面図である。
【図5】 本発明の第4実施形態のインク乾燥防止装置
を示す断面図である。
【図6】 本発明の第4実施形態のインク乾燥防止装置
の変形例を示す断面図である。
【図7】 本発明の第4実施形態のインク乾燥防止装置
の変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明のインク乾燥防止装置に適用可能な限
度見本を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図であ
る。
【図9】 本発明の第5実施形態のインクジェット記録
ヘッド保管容器を示す断面図である。
【図10】 本発明の第6実施形態のインクジェット記
録ヘッド保管容器を示す断面図である。
【図11】 本発明のインクジェット記録ヘッド保管容
器のさらに別の例を示し、(A)は蓋部材が開口を閉塞
した状態の断面図、(B)は蓋部材が開口を開放した状
態の断面図である。
【図12】 本発明のインクジェット記録装置を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
10 インク乾燥防止装置 12 多孔質体(伸長部材) 12A 延長部(表示手段) 18 表示手段 20 インク乾燥防止装置 22 背景部材 28 表示手段 30 インク乾燥防止装置 32 背景部材 38 表示手段 40 インク乾燥防止装置 42 弾性部材 44 遮断部材 48 表示手段 50 限度見本(判断指標手段) 60 インクジェット記録ヘッド保管容器 68 表示手段 69 観察窓 70 インクジェット記録ヘッド保管容器 78 表示手段 80 インクジェット記録ヘッド保管容器 100 インクジェット記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 哲 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 末光 裕治 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 博昭 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA17 FA10 HA06 JA01 JA02 JA10 JA24 JB04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッド内部のインク
    の乾燥を防止するインク乾燥防止装置であって、 不揮発性で且つ前記インクジェット記録ヘッド内部のイ
    ンクに対して非相溶性のシール液体を含浸保持すると共
    にインクジェット記録ヘッドのインク吐出面に接触して
    インク吐出口をシール可能とされた多孔質体と、 前記多孔質体の光透過性の程度を表示可能な表示手段
    と、 を有することを特徴とするインク乾燥防止装置。
  2. 【請求項2】 前記表示手段が、前記インクジェット記
    録ヘッドの前記インク吐出面が接触する部分からはみ出
    すように多孔質体を延長して形成された延長部、 を有することを特徴とする請求項1に記載のインク乾燥
    防止装置。
  3. 【請求項3】 前記表示手段が、 前記多孔質体自体の色と異なる色とされ多孔質体の近傍
    に配置された背景部材、 を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のインク乾燥防止装置。
  4. 【請求項4】 前記背景部材が、前記多孔質体の厚み方
    向の端面に接触して配置されていることを特徴とする請
    求項3に記載のインク乾燥防止装置。
  5. 【請求項5】 前記背景部材が、前記多孔質体の少なく
    とも前記インク吐出面が接触する部分の反対側に設けら
    れ、多孔質体を保持する変形可能な変形部材、からなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載
    のインク乾燥防止装置。
  6. 【請求項6】 前記変形部材が前記多孔質体と一体的に
    設けられていることを特徴とする請求項5に記載のイン
    ク乾燥防止装置。
  7. 【請求項7】 前記変形部材が弾性変形可能な弾性部材
    とされていることを特徴とする請求項5又は請求項6に
    記載のインク乾燥防止装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質体に含浸保持されたシール液
    体の含浸率を前記表示手段によって表示された多孔質体
    の光透過性の程度から判断するための判断指標手段、 を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれ
    かに記載のインク乾燥防止装置。
  9. 【請求項9】 前記多孔質体及び前記表示手段が収容さ
    れた筐体と、 前記筐体に設けられ筐体の外部から前記表示手段を観察
    可能とする観察窓と、 を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれ
    かに記載のインク乾燥防止装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    のインク乾燥防止装置を備えたことを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド保管容器。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のインク乾燥防止装置
    を備えたインクジェット記録ヘッド保管容器であって、 前記筐体が、前記インクジェット記録ヘッド保管容器を
    構成すると共にインクジェット記録ヘッドを収容可能な
    容器本体、を兼ねていることを特徴とする請求項10に
    記載のインクジェット記録ヘッド保管容器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    のインク乾燥防止装置を備えたことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1695829A2 (en) 2005-02-28 2006-08-30 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording apparatus with ionic ink or ionic sealing liquid
US9597877B2 (en) 2013-03-29 2017-03-21 Seiko Epson Corporation Ink jet recording apparatus

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EP1695829A3 (en) * 2005-02-28 2007-06-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording apparatus with ionic ink or ionic sealing liquid
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