JP2002159318A - プラスチック製物入れの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック製の打ち抜き素材から物入れを
形成するに当って、その側壁要素をつなぎ合わせて物入
れの側壁を形成する方法を提供することにある。 【解決手段】 全体が軟質のポリプロピレンのようなプ
ラスチック製であって、底壁（１４）で繋がれた前壁
（１６）及び後壁（１８）、後壁の頂から一体に延びる
カバー（２０）、及び前壁及び後壁の両側縁から一体に
延びる側壁部分（２２）を有する打ち抜き素材を準備
し、前記側壁部分は、その側端部（２４）に隣接した位
置にそれに沿う方向に延びた少なくとも１つの長孔（２
５）を有し、前記側壁部分を前記前壁及び後壁の側縁で
内側に折り曲げてその折り曲げ部を溶着して、形状保持
に必要な二重縁部（２６）を構成し、側壁部分を前記二
重縁部から外に伸ばして側壁部分の側端部を互いに内向
きに折り曲げて重ね合わせ、前記長孔を通して溶着工具
（２８）を前記重ね合わされた内向き側端部に当ててこ
れを溶着させ、それによって側壁（１２）を構成し、し
かる後、前記側壁を前記前後壁の間に内向きに折り込
む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は、プラスチック製の打ち
抜き素材から簡易な物入れを製造する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ポリプロピレンのようなプラスチック材料で作られた入
れ物が、種々の目的で盛んに利用されている。物入れ
は、その性格上、底壁、前後壁、一対の側壁、物の出し
入れのための口を閉じるカバーとからなるのが一般的で
ある。発明者は、これらの要素を一体的に有する打ち抜
き素材からこのような物入れを工業的に製造する事が出
来れば、これを安価に提供することができると言う認識
に立っている。そうする場合に遭遇する最大の課題は、
打ち抜き素材から如何にして組立てて物入れにするかで
ある。加えて、物入れに組み立てるには、打ち抜き素材
のある部分同志を溶着等により接合することも必要であ
る。

【０００３】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもであって、軟質のポリプロピレン製の打ち
抜き素材から簡易な物入れを製造する極めて画期的な方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、打ち抜
き素材から物入れを形成する際に、その側壁要素をつな
ぎ合わせて物入れの側壁を形成する方法を提供すること
にある。

【０００４】本発明の上記の目的は、全体がプラスチッ
ク製であって、底壁で繋がれた前壁及び後壁、後壁の頂
から一体に延びるカバー、及び前壁及び後壁の両側縁か
ら一体に延びる側壁部分を有する打ち抜き素材を準備
し、前記側壁部分は、その側端部に隣接した位置にそれ
に沿う方向に延びた少なくとも１つの長孔を有し、前記
側壁部分を前記前壁及び後壁の側縁で内側に折り曲げて
その折り曲げ部を溶着して、形状保持に必要な二重縁部
を構成し、側壁部分を前記二重縁部から外に伸ばして側
壁部分の側端部を互いに内向きに折り曲げて重ね合わ
せ、前記長孔を通して溶着工具を前記重ね合わされた内
向き側端部に当ててこれを溶着させ、それによって側壁
を構成し、しかる後、前記側壁を前記前後壁の間に内向
きに折り込む、物入れの製造方法を提供することによっ
て達成される。

【０００５】側壁部分は、前記側壁が内向きに折り込ま
れた時、実質的にＶ字型をなす平らな形態のものであっ
てもよいし、或いは蛇腹の形態のものでもよい。

【０００６】

【発明の実施形態】本発明を図面を参照して説明する
と、図１及び図２は、本発明の製造方によって作られた
プラスチック材料、例えば、軟質ポリプロピレン製の２
種類の物入れを斜視図で示す。図１に示す物入れ１０ａ
は、実質的にＶ字型の側壁１２ａを有していて、紙製
品、書類等を入れるのに適したものであり、図２に示す
物入れ１０ｂは、蛇腹形態の側壁１２ｂを有していて、
互いに向かい合った蛇腹の谷と谷とによって構成された
複数の収納スペースにＣＤ、ＭＤ、ＭＯ、ＦＤのような
記録媒体を収納するのに適したものである。

【０００７】図１に示す物入れを取り上げて、その製造
方法を図３、４及び５を参照してすることとするが、蛇
腹形態の側壁を有する物入れも全く同様にして作ること
が出来る。先ず、軟質のポリプロピレンシートから、在
来の手法により打ち抜き素材を準備する。打ち抜き素材
は、底壁１４で繋がれた前壁１６及び後壁１８、後壁１
８の頂から一体に延びるカバー２０、及び前壁及び後壁
の両側縁から一体に延びる、前記側壁１２ａを構成する
側壁部分２２、２２を有する。側壁部分２２、２２は、
その側端部２４、２４に隣接した位置にそれに沿う方向
に延びた複数個の長孔２５、２５を有する。側壁部分２
２、２２を前記前壁及び後壁の側縁で内側に折り曲げて
その折り曲げ部を、溶着工具、例えば、超音波溶接又は
ヒートシール工具（図示せず）により溶着して、形状保
持に必要な二重縁部２６、２６を構成する。図３で明ら
かなように、前壁と後壁を底壁から折り曲げた状態で、
側壁部分２２、２２を前記二重縁部２６から外に伸ば
し、しかる後、側壁部分の側端部２４、２４を互いに内
向きに折り曲げて互いに重ね合わせる。すると、側壁部
分２２の長孔２５、２５を通して、重ね合わされた側壁
部分の側端部２４、２４を露出させることができる。そ
のため、図４に示すように、超音波溶接工具又はヒート
シールような溶着工具２８を長孔２５、２５を通して露
出した側端部２４、２４に当ててこれを溶着させる。か
くして、側壁１２ａが形成される。しかる後、この側壁
１２ａを前後壁の間に内向きに折り込む又は引き込む。
互いに溶着された側壁部分のこの引き込みは、側壁を裏
返えすことになるが、素材が軟質のポリプロピレンのよ
うなプラスチック製であるためこれを容易に行うことが
できる。

【０００８】図２に示す物入れの例では、蛇腹形態の側
壁を構成する側壁部分は、単一の長孔を有する。

【０００９】このように、本発明によれば、物入れを構
成するのに必要な単一の打ち抜き素材の部分のうち側壁
部分を物入れの構成に必要な唯一の溶着部分として選択
し、側壁部分に長孔を設けることによって接合部である
側端部を外に露出させることができ、そのため、物入れ
から外に張り出させた状態で溶接作業をそこに行うこと
が出来、溶接作業後、プラスチック材料の軟質性とも相
まって、溶着された側壁部分を物入れの中にたやすく引
き入れることができる。従って製作作業の手順が簡単に
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第1の実施形態による物入れの斜
視ずである。

【図２】本発明による第2の実施形態による物入れの斜
視図である。

【図３】本発明による製造過程における物入れの斜視図
である。

【図４】物入れの側壁の溶着の仕方を示す詳細図であ
る。

【図５】溶着された側壁の引き込み状態を示す断面であ
る。

【符号の説明】

１０ａ 物入れ １０ｂ 物入れ １２ａ 側壁 １２ｂ 側壁 １４ 底壁 １６ 前壁 １８ 後壁 ２０ カバー ２２ 側壁部分 ２４ 側端部 ２５ 長孔 ２６ 二重縁部 ２８ 溶着工具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体がプラスチック製であって、底壁で
   繋がれた前壁及び後壁、後壁の頂から一体に延びるカバ
   ー、及び前壁及び後壁の両側縁から一体に延びる側壁部
   分を有する打ち抜き素材を準備し、前記側壁部分は、そ
   の側端部に隣接した位置にそれに沿う方向に延びた少な
   くとも１つの長孔を有し、前記側壁部分を前記前壁及び
   後壁の側縁で内側に折り曲げてその折り曲げ部を溶着し
   て、形状保持に必要な二重縁部を構成し、側壁部分を前
   記二重縁部から外に伸ばして側壁部分の側端部を互いに
   内向きに折り曲げて重ね合わせ、前記長孔を通して溶着
   工具を前記重ね合わされた内向き側端部に当ててこれを
   溶着させ、それによって側壁を構成し、しかる後、前記
   側壁を前記前後壁の間に内向きに折り込む、プラスチッ
   ク製物入れの製造方法。
2. 【請求項２】 側壁部分は、前記側壁が内向きに折り込
   まれた時、実質的にＶ字型をなす平らな形態のものであ
   く請求項１に記載のプラスチック製物入れの製造方法。
3. 【請求項３】 側壁部分は、蛇腹の形態のものである、
   請求項１に記載のプラスチック製物入れの製造方法。