JP2002158051A - 異方導電性シート - Google Patents

異方導電性シート

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JP2002158051A JP2000351329A JP2000351329A JP2002158051A JP 2002158051 A JP2002158051 A JP 2002158051A JP 2000351329 A JP2000351329 A JP 2000351329A JP 2000351329 A JP2000351329 A JP 2000351329A JP 2002158051 A JP2002158051 A JP 2002158051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無加圧の状態若しくは小さい力で厚み方向に
加圧した状態で導電性を示すと共に大きい力で厚み方向
に加圧した状態では、無加圧の状態若しくは小さい力で
厚み方向に加圧した状態よりも高い導電性を示し、しか
も、面方向に張力が作用しても、厚み方向の導電性の変
化がなくまたは少なく、更に、容易に破断することがな
い異方導電性シートを提供すること。 【解決手段】 上記の課題は、少なくとも一部において
両面間が電気的に導通された支持シート体と、この支持
シート体上に一体的に設けられた異方導電性シート本体
とよりなり、前記異方導電性シート本体は、無加圧の状
態で少なくとも厚み方向に導電性を示す弾性を有するシ
ート基体中に、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶ
よう配向した状態で含有されてなることを特徴とする異
方導電性シートによって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚み方向に導電性
を示す異方導電性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方導電性エラストマーシートは、厚み
方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧さ
れたときに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電
部を有するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合
などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成す
ることが可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収
してソフトな接続が可能であることなどの特長を有する
ため、このような特長を利用して、例えば電子計算機、
電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピューターキー
ボードなどの分野において、回路装置、例えばプリント
回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルな
どとの相互間の電気的な接続を達成するためのコネクタ
ーとして広く用いられている。
【0003】また、プリント回路基板や半導体集積回路
などの回路装置の電気的検査においては、検査対象であ
る回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回
路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続
を達成するために、回路装置の被検査電極領域と検査用
回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性エラスト
マーシートを介在させることが行われている。
【0004】従来、このような異方導電性エラストマー
シートとしては、種々の構造のものが知られている。例
えば無加圧の状態で導電性を示す異方導電性エラストマ
ーシートとしては、絶縁性ゴムよりなるシート基体中
に、導電性繊維が厚み方向に伸びるよう配向した状態で
配列されてなるもの、カーボンブラックや金属粉末が配
合されてなる導電性ゴムと絶縁性ゴムとが面方向に沿っ
て交互に積層されてなるもの(特開昭50−94495
号公報参照)などが知られている。一方、厚み方向に加
圧した状態で導電性を示す異方導電性エラストマーシー
トとしては、金属粒子をエラストマー中に均一に分散し
て得られるもの(特開昭51−93393号公報参
照)、導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分
布させることにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形
成部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されて
なるもの(特開昭53−147772号公報参照)導電
路形成部の表面と絶縁部との間に段差が形成されてなる
もの(特開昭61−250906号公報参照)などが知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子部
品あるいは電子部品応用機器の分野においては、無加圧
の状態若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態で、
厚み方向にある程度の導電性(例えば体積固有抵抗が1
×107 〜1×1012Ω・m)を示し、大きい力で厚み
方向に加圧した状態では、無加圧の状態若しくは小さい
力で加圧した状態よりも高い導電性(例えば体積固有抵
抗が1×10-2〜1×107 Ω・m)を示す異方導電性
エラストマーシートが望まれているが、このような異方
導電性エラストマーシートは現在まで知られていない。
【0006】また、異方導電性エラストマーシートは、
一般に、平面な表面を有するもの例えば回路基板などの
当該表面に載置されて使用されている。然るに、異方導
電性エラストマーシートを、例えばロールなどの表面に
巻き付けた状態で使用した場合には、当該異方導電性エ
ラストマーシートにその面方向に張力が作用するため、
無加圧時または加圧時における厚み方向の導電性が変化
して所期の導電性が得られない、という問題がある。更
に、異方導電性エラストマーシートにその面方向に張力
が作用すると、容易に破断してしまう、という問題があ
る。
【0007】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、無加圧の状態若しく
は小さい力で厚み方向に加圧した状態で導電性を示すと
共に大きい力で厚み方向に加圧した状態では、無加圧の
状態若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態よりも
高い導電性を示し、しかも、面方向に張力が作用して
も、厚み方向の導電性の変化がなくまたは少なく、更
に、容易に破断することがない異方導電性シートを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の異方導電性シー
トは、少なくとも一部において両面間が電気的に導通さ
れた支持シート体と、この支持シート体上に一体的に設
けられた異方導電性シート本体とよりなり、前記異方導
電性シート本体は、無加圧の状態で少なくとも厚み方向
に導電性を示す弾性を有するシート基体中に、磁性を示
す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有
されてなることを特徴とする。
【0009】本発明の異方導電性シートにおいては、前
記異方導電性シート本体におけるシート基体は、絶縁性
のエラストマー中に非磁性の導電性付与物質が含有され
てなるものであることが好ましい。また、前記導電性付
与物質は、それ自体導電性を示す物質および吸湿するこ
とによって導電性が発現される物質から選ばれる少なく
とも1種の物質であることが好ましい。
【0010】また、本発明の異方導電性シートにおいて
は、前記異方導電性シート本体は、導電性粒子がシート
基体の面方向に分散された状態で含有されてなるもので
あってもよい。このような異方導電性シートは、異方導
電性シート本体におけるシート基体は、絶縁性のエラス
トマー中に当該シート体の厚み方向に伸びるよう配列さ
れた導電性繊維が含有されてなるものであってもよい。
【0011】また、本発明の異方導電性シートは、前記
異方導電性シート本体は、シート基体の厚み方向に伸
び、当該シート基体の面方向に互いに離間した状態で形
成された、導電性粒子が密に含有されてなる多数の導電
路形成部と、これらの導電路形成部の間に介在された定
常導電部とを有してなるものであってもよい。このよう
な異方導電性シートにおいては、前記異方導電性シート
本体における定常導電部は、その表面が導電路形成部の
表面から突出した状態に形成されていてもよい。
【0012】また、本発明の異方導電性シートは、少な
くとも一部において両面間が電気的に導通された支持シ
ート体と、この支持シート体上に一体的に設けられた異
方導電性シート本体とよりなり、前記異方導電性シート
本体は、絶縁性のエラストマー中に導電性付与物質が含
有されてなり、表面に多数の突出部を有することを特徴
とする。
【0013】また、本発明の異方導電性シートにおいて
は、前記支持シート体は、その厚み方向に貫通して伸び
る導電部によって両面間が電気的に導通されていてもよ
く、この導電部は、エラストマー中に導電性粒子が含有
されてなるものであってもよい。また、前記支持シート
体の表面には、プリント配線が形成されていてもよい。
また、前記支持シート体と前記異方導電性シート本体と
の界面が粗面であることが好ましい。また、前記異方導
電性シート本体は、その裏面から突出して支持シート体
を貫通して伸びる固定部を有し、当該固定部と支持シー
ト体との界面が粗面であることが好ましい。また、前記
支持シート体および前記異方導電性シート本体は、それ
ぞれ無端ベルト状に形成されていてもよい。
【0014】
【作用】本発明の異方導電性シートによれば、異方導電
性シート本体における弾性を有するシート基体が無加圧
の状態で少なくとも厚み方向に導電性を示すものである
ため、無加圧の状態または若しくは小さい力で厚み方向
に加圧した状態においては、当該シート基体の電気特性
に応じた導電性を示し、しかも、シート基体中には、そ
の厚み方向に並ぶよう配向した状態で導電性粒子が含有
されているため、大きい力で厚み方向に加圧した状態に
おいては、導電性粒子によってシート基体の厚み方向に
伸びる導電路が形成されるので、これにより、無加圧の
状態または若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態
よりも高い導電性を示す。また、異方導電性シート本体
は、支持シート体上に支持されているため、当該異方導
電性シートにその面方向に張力が作用しても、当該異方
導電性シート本体に作用する張力は支持シート体によっ
て抑制される結果、厚み方向の導電性の変化がなくまた
は少なく、更に、容易に破断することがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る異方導電性シートの構成を示す平面図であり、
図2は、図1に示す異方導電性シートの構成を示す説明
用断面図である。この異方導電性シートにおいては、支
持シート体10上に、異方導電性シート本体20が一体
的に積層されて設けられており、支持シート体10の両
側縁部には、複数の位置決め用孔15が当該支持シート
体10の両側縁に沿って並ぶよう形成されている。
【0016】支持シート体10としては、少なくとも一
部において両面間が電気的に導通されており、所要の強
度を有するものであれば特に限定されるものではなく、
例えば金属などの導電性材料よりなるシート、樹脂など
の絶縁性材料よりなるシートにその厚み方向に伸びる導
電部が形成されてなるもの、またはこれらの複合シート
を用いることができる。このような支持シート体10の
具体例としては、以下のようなものを挙げることができ
る。金属よりなるシートとしては、アルミニウム、銅、
真鍮等の銅合金、ステンレスなどよりなるシートを挙げ
ることができる。樹脂シートとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ABS樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエ
ーテルスルフォン、ポリイミドよりなるシート、これら
のアロイシートおよび後述するメッシュ状材料によって
補強されたシートなどが挙げられる。金属と樹脂との複
合シートとしては、銅薄層が積層されたガラスエポキシ
樹脂シート、銅薄層が積層されたポリイミド樹脂シート
などの市販の複合シート、上記の樹脂シートに、電解ま
たは無電解メッキ、蒸着、スパッター等の処理によって
金属薄層が形成されたものなどが挙げられる。これら以
外のシートとしては、ステンレス繊維、スチール繊維、
アモルファス合金繊維などの金属繊維、テトロン繊維、
ナイロン繊維、アラミド繊維などの有機繊維、カーボン
繊維、ガラス繊維、またはこれらの繊維にニッケル等の
金属を被覆した繊維から得られるメッシュ状シートなど
を挙げることができる。また、これらのシートには、両
面間の電気的導通を得ることを目的として、開口が形成
されていてもよい。シートに開口を形成する手段として
は、エッチング、レーザー加工等の化学的または物理的
手段、ドリル、パンチング、カッティング等の機械的手
段を利用することができる。また、支持シート体10の
厚みは、例えば0.01〜1mm、好ましくは0.02
5〜0.3mmである。
【0017】異方導電性シート本体20は、弾性を有す
るシート基体21中に、磁性を示す導電性粒子Pが当該
シート基体21の厚み方向に並ぶよう配向した状態でか
つ当該シート基体21の面方向に分散した状態で含有さ
れて構成されている。シート基体21の厚みは、例えば
0.02〜2mm、好ましくは0.05〜0.5mmで
ある。
【0018】シート基体21は、少なくとも厚み方向に
導電性を示すものである。この例におけるシート基体2
1は、絶縁性のエラストマー中に非磁性の導電性付与物
質が含有されて構成されている。シート基体21を構成
するための絶縁性のエラストマーとしては、架橋構造を
有する高分子物質が好ましい。架橋高分子物質を得るた
めの硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のもの
を用いることができ、その具体例としては、ポリブタジ
エンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−
ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの
水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共
重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体な
どのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、
クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴムなどが挙げられる。以上において、得られ
る異方導電性シート本体に耐候性が要求される場合に
は、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好まし
く、特に、成形加工性および電気特性の観点から、シリ
コーンゴムを用いることが好ましい。
【0019】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0020】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキ
サンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止
剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、そ
の他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重
合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。こ
こで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチ
ルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムな
どのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用
いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃で
ある。このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサン
は、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分
子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000の
ものであることが好ましい。また、得られる異方導電性
シート本体の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準
ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレ
ン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。
以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0021】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン
重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロ
ロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチル
ヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件
(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)
を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニ
オン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカ
リまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることが
でき、反応温度は、例えば80〜130℃である。この
ようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、
その分子量Mwが10000〜40000のものである
ことが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱性の
観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシ
ロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキ
サンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用す
ることもできる。
【0022】本発明においては、高分子物質形成材料を
硬化させるために適宜の硬化触媒を用いることができ
る。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪
酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることが
できる。硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体
例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベ
ンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチ
ルなどが挙げられる。硬化触媒として用いられる脂肪酸
アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニト
リルなどが挙げられる。ヒドロシリル化反応の触媒とし
て使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸および
その塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレック
ス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金
と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコン
プレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファ
イトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白
金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなど
の公知のものが挙げられる。硬化触媒の使用量は、高分
子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化
処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物
質形成材料100重量部に対して3〜15重量部であ
る。
【0023】シート基体21を構成するための非磁性の
導電性付与物質としては、それ自体導電性を示す物質
(以下、「自己導電性物質」ともいう。)、吸湿するこ
とによって導電性が発現される物質(以下、「吸湿導電
性物質」ともいう。)などを用いることができ、これら
の自己導電性物質および吸湿導電性物質は、いずれか一
方を使用することも両者を併用することもできる。
【0024】自己導電性物質としては、一般的には、金
属結合における自由電子により導電性を示す物質、余剰
電子の移動によって電荷の移動が起こるもの、空孔の移
動によって電荷の移動が起こるもの、主鎖に沿ってπ結
合を有し、その相互作用により導電性を示す有機高分子
物質、側鎖にある基の相互作用によって電荷の移動を起
こす物質などから選択して用いることができる。具体的
には、白金、金、銀、銅、アルミウニム、マンガン、亜
鉛、錫、鉛、インジウム、モリブデン、ニオブ、タンタ
ル、クロムなどの非磁性金属;二酸化銅、酸化亜鉛、酸
化錫、酸化チタンなどの非磁性導電性金属酸化物;ウィ
スカ、チタン酸カリウム、カーボンなどの導電性繊維物
質;ゲルマニウム、珪素、インジウム燐、硫化亜鉛など
の半導電性物質;カーボンブラック、グラファイトなど
の炭素系物質;ポリアセチレン系ポリマー、ポリフェニ
レン系ポリマー、チオフェニレン系ポリマー等の複素環
ポリマーなどの導電性高分子物質などを用いることがで
き、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて導
電性付与物質として用いることができる。
【0025】吸湿導電性物質としては、イオンを生成
し、そのイオンによって電荷を運ぶ物質、水酸基やエス
テル基などの極性の大きい基を有する物質などから選択
して用いることができる。具体的には、第四級アンモニ
ウム塩、アミン系化合物などの陽イオンを生成する物
質;脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル
塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステ
ル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコール
エチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン
を生成する物質;ベダイン化合物などの陽イオンおよび
陰イオンの両方を生成する物質;クロルポリシロキサ
ン、アルコキシシラン、アルコキシポリシラン、アルコ
キシポリシロキサン等の珪素化合物、導電性ウレタン、
ポリビニルアルコールまたはその共重合体等の高分子物
質、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エス
テル等のアルコール系界面活性剤、多糖類などの極性の
大きい基を有する物質などを用いることができ、これら
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて導電性付与物
質として用いることができる。
【0026】また、上記の吸湿導電性物質の中では、高
い耐熱性を有し、弾性高分子物質との相溶性が良好で、
弾性高分子物質の形成において重合阻害を引き起こさな
い点で、脂肪族スルホン酸塩が好ましい。かかる脂肪族
スルホン酸塩としては、1−デカンスルホン酸塩、1−
ウンデカンスルホン酸塩、1−ドデカンスルホン酸塩、
1−トリデカンスルホン酸塩、1−テトラデカンスルホ
ン酸塩、1−ペンタデカンスルホン酸塩、1−ヘキサデ
カンスルホン酸塩、1−ヘプタデカンスルホン酸塩、1
−オクタデカンスルホン酸塩、1−ノナデカンスルホン
酸塩、1−エイコサンデカスルホン酸塩またはこれらの
異性体などの炭素数が5〜20のアルキル基を有するも
のが好ましい。また、塩としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属塩が好ましく、特に、
一層高い耐熱性を有する点で、ナトリウム塩が好まし
い。
【0027】シート基体21における非磁性の導電性付
与物質の割合は、導電性付与物質の種類や目的とする導
電性の程度などに応じて適宜設定されるが、通常、導電
性付与物質として非磁性金属よりなるものを単独で用い
る場合には、1〜10重量%、好ましくは2〜8重量
%、導電性付与物質として非磁性導電性金属酸化物より
なるものを単独で用いる場合には、10〜40重量%、
好ましくは20〜30重量%、導電性付与物質として導
電性繊維物質よりなるものを単独で用いる場合には、5
〜30重量%、好ましくは8〜15重量%、導電性付与
物質としてカーボンブラックよりなるものを単独で用い
る場合には、10〜40重量%、好ましくは20〜30
重量%、導電性付与物質として導電性高分子物質よりな
るものを単独で用いる場合には、10〜30重量%、好
ましくは15〜25重量%、導電性付与物質として吸湿
導電性物質を単独で用いる場合には、2〜40重量%、
好ましくは3〜30重量%の範囲から設定される。ま
た、上記の種々の導電性付与物質を組み合わせて用いる
場合には、その割合は上記の範囲を考慮して設定され
る。
【0028】また、シート基体21中には、必要に応じ
て、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシ
リカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることがで
きる。このような無機充填材を含有させることにより、
シート基体21を形成するための材料のチクソトロピー
性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒
子の分散安定性が向上すると共に、高い強度を有するシ
ート基体21が得られる。このような無機充填材の使用
量は、特に限定されるものではないが、多量に使用する
と、磁場による導電性粒子の配向を十分に達成すること
ができなくなるため、好ましくない。
【0029】シート基体21中に含有される導電性粒子
Pとしては、磁場を作用させることによって容易にシー
ト基体21の厚み方向に並ぶよう配向させることができ
る観点から、磁性を示す導電性粒子が用いられる。
【0030】このような導電性粒子Pの具体例として
は、ニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属より
なる粒子若しくはこれらの合金よりなる粒子またはこれ
らの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子
とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウ
ムなどの酸化しにくい導電性金属のメッキを施したも
の;ZrFe2 、FeBe2 、FeRh、MnZn、N
3 Mn、FeCo、FeNi、Ni2 Fe、MnPt
3 、FePd、FePd3 、Fe3 Pt、FePt、C
oPt、CoPt3 、Ni3 Ptなどの強磁性金属間化
合物からなる粒子、またはこの粒子を芯粒子とし、当該
芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの酸
化しにくい導電性金属のメッキを施したもの;化学式:
1 O・Fe2 3 (但し、M1 は、Mn、Fe、N
i、Cu、Zn、Mg、Co、Liなどの金属を示
す。)で表されるフェライト、若しくはこれらの混合物
(例えばMn−Znフェライト、Ni−Znフェライ
ト、Mg−Znフェライトなど)、FeMn2 4 など
のマンガナイト、化学式:M2 O・Co 2 3 (但し、
2 は、Fe、Niなどの金属を示す。)で表されるコ
バルタイト、Ni0.5 Zn0.5 Fe2 4 、Ni0.35
0.65Fe2 4 、Ni0.7 Zn 0.2 Fe0.1 Fe2
4 、Ni0.5 Zn0.4 Fe0.1 Fe2 4 などの強磁性
金属酸化物よりなる粒子、カルボニルFe、カルボニル
Niなどの強磁性金属のカルボニル錯体よりなる粒子、
またはこの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、
銀、パラジウム、ロジウムなどの酸化しにくい導電性金
属のメッキを施したもの;非磁性金属粒子、ガラスビー
ズ、カーボンなどの無機物質よりなる粒子、またはポリ
スチレン、ジビニルベンゼンによって架橋されたポリス
チレンなどのポリマーよりなる粒子を芯粒子とし、当該
芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性
体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁
性体および酸化しにくい導電性金属の両方を被覆したも
のなどが挙げられる。また、これらの導電性粒子は、そ
の導電性を調整することを目的として、表面に絶縁被膜
が形成されたものであってもよい。ここで、絶縁被膜と
しては、金属酸化物、SiO2 等の酸化珪素化合物など
の無機材料、樹脂、カップリング剤などの有機材料を用
いることができる。
【0031】また、導電性粒子Pの数平均粒子径は、上
記の範囲の粒子抵抗率ρが得られやすい点で、1〜10
00μmであることが好ましく、より好ましくは2〜5
00μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ま
しくは10〜200μmである。また、得られる異方導
電性シートにおいて、導電性粒子Pによって厚み方向に
形成される導電路間の間隔が小さいものであること、す
なわち分解能の高い異方導電特性が要求される場合に
は、導電性粒子Pとして、数平均粒子径が小さいものを
用いることが好ましく、具体的には、数平均粒子径が1
〜20μm、特に1〜10μmのものを用いることが好
ましい。また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/D
n)は、1〜10であることが好ましく、より好ましく
は1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に
好ましくは1.1〜4である。このような条件を満足す
る導電性粒子を用いることにより、得られる異方導電性
シートは、加圧変形が容易なものとなり、また、当該導
電性粒子間に十分な電気的接触が得られる。また、導電
性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高
分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点
で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集し
た2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0032】また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下
であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さら
に好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下であ
る。このような条件を満足する導電性粒子を用いること
により、高分子物質形成材料を硬化処理する際に気泡が
生ずることが防止または抑制される。
【0033】シート基体21中における導電性粒子Pの
割合は、当該異方導電性シートの使用目的および用いら
れる導電性粒子の種類に応じて適宜選択されるが、体積
分率で、通常3〜50%、好ましくは5〜30%となる
範囲から選択されることが好ましい。この割合が3%未
満である場合には、十分に電気抵抗の小さい導電路を形
成することが困難となることがある。一方、この割合が
50%を超える場合には、得られる異方導電性シート本
体20は脆弱なものとなることがある。
【0034】このような異方導電性シート本体20にお
いては、弾性を有するシート基体21が無加圧の状態で
導電性を示すものであるため、当該異方導電性シート本
体20が無加圧の状態または若しくは小さい力で厚み方
向に加圧した状態では、当該シート基体21の電気特性
に応じた導電性を示す。この導電性の程度は、当該異方
導電性シートの使用目的に応じて適宜設定されるが、具
体的には、異方導電性シート本体20が無加圧の状態お
よび歪み率がS 0 〔但し、S0 は0〜5(%)の範囲か
ら選ばれた値〕%以下の値となるよう厚み方向に加圧さ
れた状態においては、当該異方導電性シート本体20の
厚み方向の体積固有抵抗R0 が、1×107 〜1×10
12Ω・mの範囲にあることが好ましく、より好ましくは
1×108 〜1×1010Ω・mの範囲である。このよう
な導電性を得るためには、用いられる非磁性の導電性付
与物質の種類を選択し、当該導電性付与物質の含有割合
を調整すればよい。また、異方導電性シート本体20
を、1cm2 当たり0〜5g、好ましくは0〜2g荷重
で厚み方向に加圧することにより、上記の歪み率S
0 (%)の値が得られればよい。
【0035】一方、シート基体21中には、その厚み方
向に並ぶよう配向した状態で導電性粒子Pが含有されて
いるため、当該異方導電性シート本体20が大きい力で
厚み方向に加圧した状態では、導電性粒子Pの連鎖によ
ってシート基体21の厚み方向に伸びる導電路が形成さ
れるので、これにより、無加圧の状態または若しくは小
さい力で厚み方向に加圧した状態よりも高い導電性を示
す。この導電性の程度は、当該異方導電性シートの使用
目的に応じて適宜設定されるが、具体的には、異方導電
性シート本体20が歪み率がS0 %よりもΔS〔但し、
ΔSは10〜30(%)の範囲から選ばれた値〕%以上
大きい値となるよう厚み方向に加圧された状態において
は、当該異方導電性シート本体20の厚み方向の体積固
有抵抗R1 に対する前記体積固有抵抗R0 の比(R0
1 )が1×102 〜1×1010の範囲にあることが好
ましく、より好ましくは1×103 〜1×109 の範囲
である。このような導電性を得るためには、用いられる
導電性粒子Pの種類を選択し、当該導電性粒子の含有割
合を調整すればよい。また、異方導電性シート本体20
を、1cm2 当たり5〜1000g、好ましくは10〜
500gの荷重で厚み方向に加圧することにより、上記
の歪み率S0+ΔS(%)の値が得られればよい。
【0036】以上において、異方導電性シート本体20
の厚み方向の体積固有抵抗は、以下のようにして測定す
ることができる。 無加圧の状態の体積固有抵抗:異方導電性シート本体2
0の一面に、スパッター装置により金属膜を形成し、こ
の金属膜の表面に導電性接着剤により、絶縁抵抗計に接
続された配線を接着する。そして、前記絶縁抵抗計に接
続された電極径が50mmの測定用電極によって、異方
導電性シート本体20の他面を加圧することにより、異
方導電性シート本体20の他面に測定用電極の表面が充
分に密着させ、その後、異方導電性シート本体20の他
面に測定用電極の表面が接触した状態すなわち無加圧の
状態とする。そして、この状態において、適宜の電圧値
または電流値の電流を測定用電極と金属膜との間に供給
し、1分間経過後、異方導電性シート本体20の厚み方
向の体積固有抵抗を測定する。 厚み方向に加圧された状態の体積固有抵抗:異方導電性
シート本体20を、それぞれ絶縁抵抗計に接続された電
極径が50mmの測定用電極および加圧用電極との間に
配置し、加圧用電極によって異方導電性シート本体20
が所要の歪み率となるまで加圧し、この状態で、異方導
電性シート本体20の厚み方向の体積固有抵抗を測定す
る。
【0037】以上のような異方導電性シートは、例えば
以下の方法によって製造することができる。先ず、硬化
処理によって絶縁性のエラストマーとなる液状の高分子
物質形成材料中に、磁性を示す導電性粒子および非磁性
の導電性付与物質が分散されてなる流動性の成形材料を
調製する。そして、図3に示すように、金型30におけ
る下型36の上面に支持シート体10を載置し、この支
持シート体10上に、矩形の枠状のスペーサー35を配
置すると共に、当該スペーサー35によって囲まれた領
域に成形材料を塗布して成形材料層20Aを形成し、更
に、成形材料層20A上に上型31を配置する。ここ
で、金型30における上型31および下型36は、それ
ぞれ強磁性体により構成されている。
【0038】次いで、上型31の上面および下型32の
下面に、例えば電磁石または永久磁石を配置し、金型3
0内の成形材料層10Aにその厚み方向に平行磁場を当
該成形材料層20Aの厚み方向に作用させる。その結
果、成形材料層20Aにおいては、当該成形材料層20
A中に分散されている導電性粒子Pが、図4に示すよう
に、面方向に分散された状態を維持しながら厚み方向に
並ぶよう配向する。一方、成形材料層20A中の導電性
付与物質は、平行磁場が作用しても当該成形材料層20
A中に分散されたままの状態である。そして、この状態
において、成形材料層20Aを硬化処理することによ
り、絶縁性のエラストマー中に非磁性の導電性付与物質
が分散されてなるシート基体21中に、導電性粒子Pが
厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる異方
導電性シート本体20が、支持シート体10上に一体的
に設けられた異方導電性シートが得られる。
【0039】以上において、成形材料層20Aに作用さ
れる平行磁場の強度は、平均で0.02〜1.5Tとな
る大きさが好ましい。永久磁石によって成形材料層20
Aの厚み方向に平行磁場を作用させる場合において、当
該永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場の強度が得
られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合
金)、フェライトなどよりなるものを用いることが好ま
しい。成形材料層20Aの硬化処理は、平行磁場を作用
させたままの状態で行うこともできるが、平行磁場の作
用を停止させた後に行うこともできる。成形材料層20
Aの硬化処理は、使用される材料によって適宜選定され
るが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱
温度および加熱時間は、成形材料層20Aを構成する高
分子物質用材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要す
る時間などを考慮して適宜設定される。
【0040】上記の構成の異方導電性シートによれば、
異方導電性シート本体20は、シート基体21が導電性
付与物質が含有されることによって無加圧の状態で導電
性を示すものであるため、無加圧の状態または若しくは
小さい力で厚み方向に加圧した状態においては、当該シ
ート基体21の電気特性に応じた導電性を示し、しか
も、シート基体21中には、その厚み方向に並ぶよう配
向した状態で導電性粒子Pが含有されているため、大き
い力で厚み方向に加圧した状態においては、導電性粒子
Pの連鎖によってシート基体21の厚み方向に伸びる導
電路が形成されるので、これにより、無加圧の状態また
は若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態よりも高
い導電性を示す。また、異方導電性シート本体20は、
支持シート体10上に支持されているため、当該異方導
電性シートにその面方向に張力が作用しても、当該異方
導電性シート本体20に作用する張力は支持シート体1
0によって抑制される結果、厚み方向の導電性の変化が
なくまたは少なく、更に、容易に破断することが防止さ
れる。
【0041】〔第2の実施の形態〕図5は、本発明の第
2の実施の形態に係る異方導電性シートの構成を示す説
明用断面図である。この例における異方導電性シート本
体20のシート基体21は、絶縁性のエラストマー中
に、導電性繊維Fが当該シート基体21の厚み方向に伸
びるよう面方向に沿って配列されて構成され、当該導電
性繊維Fによって厚み方向に導電性を示すものである。
そして、シート基体21中には、磁性を示す導電性粒子
Pが当該シート基体21の厚み方向に並ぶよう配向した
状態でかつ当該シート基体21の面方向に分散した状態
で含有されている。また、支持シート体10は前述の第
1の実施の形態と同様の構成である。本発明において、
導電性繊維Fはシート基体21の厚み方向に伸びるよう
配列されることが必要であるが、「厚み方向に伸びるよ
う配列され」とは、シート基体21の厚み方向と同一の
方向(以下、この方向を「Z方向」という。)乃至この
Z方向に対して30°以下の範囲で傾いた方向に伸びる
よう配列されることを意味する。シート基体21を構成
するための絶縁性のエラストマーおよび導電性粒子Pを
構成する材料は、前述の第1の実施の形態に係る異方導
電性シートと同様である。また、異方導電性シート本体
20の厚みは、前述の第1の実施の形態の異方導電性シ
ートと同様である。さらに、異方導電性シート本体20
の厚み方向の体積固有抵抗は、前述の第1の実施の形態
の異方導電性シートと同様である。
【0042】シート基体21を構成するための導電性繊
維Fを構成する材料としては、特に限定されるものでは
なく、非磁性のものであっても磁性を示すものであって
もよいが、無加圧の状態もしくは小さい圧力で加圧した
状態において、後述する範囲の体積固有抵抗が容易に得
られる点で、非磁性の導電性繊維としては、カーボン繊
維、ポリアミド繊維などの繊維の表面に、スズ、ハン
ダ、銅などの非磁性金属よりなる導電性被覆膜が形成さ
れてなるもの、またはこの導電性被覆膜の表面に更に絶
縁性被覆膜が形成されてなるもの、リン青銅、ベリリウ
ム銅、SUS、アルミニウムなどの非磁性金属よりなる
繊維の表面に絶縁性被覆膜が形成されてなるものなどを
好適に用いることができ、磁性を示す導電性繊維として
は、カーボン繊維、ポリアミド繊維などの繊維に、ニッ
ケル、コバルト、鉄、フェライトまたはこれらの合金な
どの導電性磁性体材料よりなる導電性被覆膜が形成され
てなるもの、またはこの導電性被覆膜の表面に更に絶縁
性被覆膜が形成されてなるもの、ニッケル、鉄などの導
電性磁性体材料よりなる繊維の表面に絶縁性被覆膜が形
成されてなるものなどを好適に用いることができる。以
上において、絶縁性被覆膜を構成する材料としては、ポ
リイミド、電着ポリイミド、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレート、フッ素樹脂などの有機材料、シリカな
どの無機材料を用いることができる。また、導電性繊維
Fにおける絶縁性被覆膜の被覆率は、目的とする異方導
電性シートの導電性に応じて適宜設定されるが、例えば
50〜99%であり、好ましくは70〜95%である。
【0043】導電性繊維Fの径は、通常、5〜100μ
m、好ましくは10〜50μmである。導電性繊維Fの
長さは、シート基体21の厚みの50〜150%である
ことが好ましく、より好ましくは60〜120%であ
り、具体的には、0.05〜1mm、好ましくは0.1
〜0.5mmである。また、シート基体21中における
導電性繊維Fの密度は、異方導電性シートの使用目的お
よび導電性繊維Fの種類によって適宜設定されるが、面
方向の断面において1cm2 あたり1×103 〜1×1
6 本含有されていることが好ましく、より好ましくは
1×104 〜1×105 である。
【0044】以上のような異方導電性シートは、例えば
以下の方法によって製造することができる。先ず、硬化
処理によって絶縁性のエラストマーとなる液状の高分子
物質形成材料中に、導電性繊維および磁性を示す導電性
粒子が分散されてなる流動性のシート成形材料を調製す
る。そして、図6に示すように、金型30における下型
36の上面に支持シート体10を載置し、この支持シー
ト体10上に、矩形の枠状のスペーサー35を配置する
と共に、当該スペーサー35によって囲まれた領域に成
形材料を塗布して成形材料層20Aを形成し、更に、成
形材料層20A上に上型31を配置する。ここで、金型
30は、前述の第1の実施の形態における金型30と同
様の構成である。
【0045】次いで、上型31の上面および下型36の
下面に、例えば電磁石または永久磁石を配置し、金型内
の成形材料層20Aにその厚み方向に平行磁場をシート
成形材料層の厚み方向に作用させる。その結果、成形材
料層20Aにおいては、当該成形材料層中に分散されて
いる導電性粒子Pが、図7に示すように、面方向に分散
された状態を維持しながら厚み方向に並ぶよう配向する
と共に、導電性粒子Pの移動に伴って導電性繊維Fが厚
み方向に伸びるよう配列される。以上において、成形材
料層20Aに作用される平行磁場の強度は、前述の第1
の実施の形態と同様である。そして、この状態におい
て、成形材料層20Aを硬化処理することにより、絶縁
性のエラストマー中に導電性繊維Fが厚み方向に伸びる
よう配列されてなるシート基体21と、このシート基体
21中にその厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有さ
れた導電性粒子Pとを有する異方導電性シート本体20
が形成され、以て図5に示す構成の異方導電性シートが
得られる。
【0046】上記の構成の異方導電性シートによれば、
異方導電性シート本体20におけるシート基体21は、
導電性繊維Fが厚み方向に伸びるよう配列されることに
よって無加圧の状態で厚み方向に導電性を示すものであ
るため、無加圧の状態若しくは小さい力で厚み方向に加
圧した状態においては、当該導電性繊維Fの電気特性に
応じた導電性を示し、しかも、シート基体21中には、
その厚み方向に並ぶよう配向した状態で導電性粒子Pが
含有されているため、大きい力で厚み方向に加圧した状
態においては、導電性粒子Pの連鎖によってシート基体
21の厚み方向に伸びる導電路が形成されるので、これ
により、無加圧の状態または若しくは小さい力で厚み方
向に加圧した状態よりも高い導電性を示す。また、異方
導電性シート本体20は、支持シート体10上に支持さ
れているため、当該異方導電性シートにその面方向に張
力が作用しても、当該異方導電性シート本体20に作用
する張力は支持シート体10によって抑制される結果、
厚み方向の導電性の変化がなくまたは少なく、更に、容
易に破断することが防止される。
【0047】〔第3の実施の形態〕図8は、本発明の第
3の実施の形態に係る異方導電性シートの構成を示す説
明用断面図である。この異方導電性シートは、その厚み
方向に貫通して伸びる複数の導電部11が形成された支
持シート体10を有する。この導電部11は、エスラト
マー中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状
態で密に充填されて構成されている。導電部11を構成
するエラストマーおよび導電性粒子Pとしては、異方導
電性シート本体20を構成するエラストマーおよび導電
性粒子Pと同様のものを用いることができる。
【0048】このような支持シート体10上には、異方
導電性シート本体20が一体的に積層されて設けられて
いる。この異方導電性シート本体20は、導電性付与物
質が含有されてなる弾性を有するシート基体21中に、
磁性を示す導電性粒子Pが密に含有されることによっ
て、それぞれ厚み方向に伸びる複数の導電路形成部22
が形成され、これらの導電路形成部22の各々は、導電
性粒子Pが全くあるいは殆ど存在しない定常導電部23
を介して当該シート基体21の面方向に例えば等間隔で
互いに離間した状態で配置されている。導電路形成部2
2の各々においては、導電性粒子Pがシート基体21の
厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されている。シ
ート基体21を構成する材料および導電性粒子Pを構成
する材料は、前述の第1の実施の形態に係る異方導電性
シートと同様である。そして、異方導電性シート本体2
0は、その導電路形成部22の各々が、支持シート体1
0の導電部11上に位置するよう配置されている。
【0049】導電路形成部22の径および配置ピッチ
は、異方導電性シートの使用目的に応じて適宜設定され
るが、例えば導電路形成部22の径が0.05〜1m
m、好ましくは0.08〜0.5mmであり、導電路形
成部22の配置ピッチが0.1〜2.54mm、好まし
くは0.15〜1mmである。また、この異方導電性シ
ート本体20の厚みは、前述の第1の実施の形態の異方
導電性シートと同様である。さらに、この異方導電性シ
ート本体20の厚み方向の体積固有抵抗は、前述の第1
の実施の形態の異方導電性シートと同様である。
【0050】導電路形成部22における導電性粒子Pの
割合は、当該異方導電性シートの使用目的および用いら
れる導電性粒子の種類に応じて適宜選択されるが、体積
分率で、通常15〜50%、好ましくは20〜40%と
なる範囲から選択されることが好ましい。この割合が1
5%未満である場合には、十分に電気抵抗の小さい導電
路を形成することが困難となることがある。一方、この
割合が50%を超える場合には、得られる導電路形成部
22は脆弱なものとなることがある。
【0051】このような異方導電性シートは、例えば以
下のようにして製造することができる。先ず、硬化処理
によって絶縁性のエラストマーとなる液状の高分子物質
形成材料中に、磁性を示す導電性粒子および非磁性の導
電性付与物質が分散されてなる流動性の成形材料を調製
する。そして、図9に示すように、金型30における下
型36の上面に、厚み方向に貫通する貫通孔10Hが形
成された支持シート体10を載置し、この支持シート体
10上に、矩形の枠状のスペーサー35を配置すると共
に、当該スペーサー35によって囲まれた領域および支
持シート体10の貫通孔10H内に成形材料を塗布して
成形材料層20Aを形成し、更に、成形材料層20A上
に上型31を配置する。
【0052】ここで、金型30における上型31および
下型36は、それぞれ以下のような構成のものである。
上型31においては、強磁性体基板32の下面に、目的
とする異方導電性シートの導電路形成部11の配置パタ
ーンに対掌なパターンに従って強磁性体層33が形成さ
れ、この強磁性体層33以外の個所には非磁性体層34
が形成されている。一方、下型36においては、強磁性
体基板37の上面に、形成すべき異方導電性シート本体
20の導電路形成部21の配置パターンと同一のパター
ンに従って強磁性体層38が形成され、この強磁性体層
38以外の個所には非磁性体層39が形成されている。
上型31および下型36の各々における強磁性体基板3
2,37および強磁性体層33,38を構成する材料と
しては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金な
どを用いることができる。また、上型31および下型3
6の各々における非磁性体部分34,39を構成する材
料としては、銅などの非磁性金属、ポリイミドなどの耐
熱性樹脂、放射線硬化性樹脂などを用いることができ
る。そして、支持シート体10は、その貫通孔10Hが
下型36の強磁性体層38上に位置するよう配置され、
上型31は、その強磁性体層33が下型36の強磁性体
層38の上方に位置するよう配置されている。
【0053】次いで、上型31における強磁性体基板3
2の上面および下型36における強磁性体基板37の下
面に、電磁石または永久磁石を配置し、強度分布を有す
る平行磁場、すなわち上型31の強磁性体層33とこれ
に対応する下型36の強磁性体層38との間において大
きい強度を有する平行磁場を成形材料層20Aの厚み方
向に作用させる。その結果、成形材料層20Aにおいて
は、図10に示すように、当該成形材料層20A中に分
散されている導電性粒子Pが、上型31の強磁性体層3
3とこれに対応する下型36の強磁性体層38との間に
位置する部分に集合すると共に、厚み方向に並ぶよう配
向する。以上において、成形材料20Aに作用される平
行磁場の強度は、上型31の強磁性体層33とこれに対
応する下型36の強磁性体層38との間において平均で
0.02〜1.5Tとなる大きさが好ましい。
【0054】そして、この状態において、成形材料層2
0Aを硬化処理することにより、支持シート体10の貫
通孔10H内に、エラストマー中に導電性粒子Pが密に
充填された導電部11が形成されると共に、上型31の
強磁性体層33とこれに対応する下型36の強磁性体層
38との間に配置された、シート基体21中に導電性粒
子Pが密に含有された導電路形成部22と、導電性粒子
Pが全くあるいは殆ど存在しない定常導電部23とより
なる異方導電性シート本体20が、支持シート体10上
に一体的に形成され、以て図8に示す構成の異方導電性
シートが得られる。
【0055】上記の構成の異方導電性シートによれば、
異方導電性シート本体20におけるシート基体21は、
導電性付与物質が含有されることによって無加圧の状態
で導電性を示すものであるため、無加圧の状態または若
しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態においては、
当該シート基体21の電気特性に応じた導電性を示し、
しかも、シート基体21中にその厚み方向に並ぶよう配
向した状態で導電性粒子Pが密に含有されてなる導電路
形成部22が形成されているため、大きい力で厚み方向
に加圧した状態においては、導電路形成部22に導電性
粒子Pの連鎖によってシート基体21の厚み方向に伸び
る導電路が形成されるので、これにより、無加圧の状態
または若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状態より
も高い導電性を示す。また、異方導電性シート本体20
は、支持シート体10上に支持されているため、当該異
方導電性シートにその面方向に張力が作用しても、当該
異方導電性シート本体20に作用する張力は支持シート
体10によって抑制される結果、厚み方向の導電性の変
化がなくまたは少なく、更に、容易に破断することが防
止される。
【0056】〔第4の実施の形態〕図11は、本発明の
第4の実施の形態に係る異方導電性シートの構成を示す
説明用断面図であり、図12は、図11に示す異方導電
性シートの一部を拡大して示す説明用断面図である。こ
の異方導電性シートにおいては、その異方導電性シート
本体20におけるシート基体21が、定常導電部23の
上面が導電路形成部22の上面から突出した状態に形成
されており、それ以外は、前述の第3の実施の形態と同
様の構成である。
【0057】異方導電性シート本体20における導電路
形成部22の上面からの定常導電部23の突出高さh
は、当該異方導電性シートの使用目的に応じて適宜設定
されるが、当該定常導電部23の厚みdの5〜50%で
あることが好ましく、より好ましくは10〜40%、特
に好ましくは20〜30%である。定常導電部23の突
出高さが過小である場合には、被接続体によって小さい
加圧力で加圧されたときにも、当該被接続体に導電路形
成部22が接触してしまい、所期の電気抵抗値が得られ
ないことがある。一方、定常導電部23の突出高さが過
大である場合には、被接続体によって相当に大きい加圧
力で加圧されても、当該被接続体に導電路形成部22が
接触せず、所期の導電性が得られないことがある。ま
た、定常導電部23の厚みは、例えば0.02〜2m
m、好ましくは0.05〜0.5mmである。
【0058】このような異方導電性シートにおいては、
定常導電部23の体積固有抵抗が1×107 〜1×10
12Ω・mであることが好ましく、より好ましくは1×1
8〜1×1011Ω・m、特に好ましくは1×109
1×1010Ω・mである。また、異方導電性シート本体
20の表面に占める導電路形成部22の表面の面積の割
合は、当該異方導電性シートの使用目的に応じて適宜設
定されるが、被接続体によって大きい力で加圧されたと
きに、導電路形成部22が当該被接続体に確実に接触さ
れる点で、40〜80%、特に50〜70%であること
が好ましい。
【0059】以上のような異方導電性シートは、金型と
して図13に示す構成のものを用いること以外は、前述
の第3の実施の形態と同様にして製造することができ
る。図13に示す金型を具体的に説明すると、この金型
30は、上型31と、これと対となる下型36と、枠状
のスペーサー35とにより構成されている。上型31に
おいては、強磁性体基板32の下面に、目的とする異方
導電性シート本体20の導電路形成部22の配置パター
ンに対掌なパターンに従って強磁性体層33が形成さ
れ、この強磁性体層33以外の個所には、当該強磁性体
層33より小さい厚みを有する非磁性体層34が形成さ
れている。一方、下型36においては、強磁性体基板3
7の上面に、目的とする異方導電性シート本体20の導
電路形成部22の配置パターンと同一のパターンに従っ
て強磁性体層38が形成され、この強磁性体層38以外
の個所には、当該強磁性体層38と同等の厚みを有する
非磁性体層39が形成されている。上型31および下型
36の各々における強磁性体基板32,37および強磁
性体層33,38を構成する材料、並びに非磁性体部分
34,39を構成する材料は、前述の第3の実施の形態
における金型30と同様である。
【0060】上記の構成の異方導電性シートによれば、
定常導電部23の上面が導電路形成部22の上面から突
出した状態に形成されているため、被接続体が定常導電
部23に単に接触した状態すなわち無加圧の状態若しく
は被接続体によって定常導電部23が小さい力で厚み方
向に加圧された状態においては、当該被接続体が導電路
形成部22に接触せず、その結果、定常導電部23によ
ってその電気特性および非接続体と当該定常導電部23
との接触面積に応じた導電性を示す。しかも、被接続体
によって定常導電部23が大きい力で厚み方向に加圧さ
れた状態においては、当該定常導電部23が大きく圧縮
されて当該被接続体が導電路形成部22に接触し、更に
は当該導電路形成部22が加圧され、その結果、導電路
形成部22には、導電性粒子Pの連鎖によって厚み方向
に伸びる導電路が形成されるので、定常導電部23およ
び導電路形成部22に形成される導電路の両方により、
無加圧の状態または若しくは小さい力で厚み方向に加圧
した状態よりも高い導電性を示す。また、異方導電性シ
ート本体20は、支持シート体10上に支持されている
ため、当該異方導電性シートにその面方向に張力が作用
しても、当該異方導電性シート本体20に作用する張力
は支持シート体10によって抑制される結果、厚み方向
の導電性の変化がなくまたは少なく、更に、容易に破断
することが防止される。
【0061】〔第5の実施の形態〕図14は、本発明の
第5の実施の形態に係る異方導電性シートの構成を示す
説明用断面図であり、図15は、図14に示す異方導電
性シートの一部を拡大して示す説明用断面図である。こ
の異方導電性シートにおいては、支持シート体10上
に、異方導電性シート本体20が一体的に積層されて設
けられ、この異方導電性シート本体20は、絶縁性のエ
ラストマー中に導電性付与物質が含有されてなり、その
上面には、上方に突出する柱状の多数の突出部25が形
成されており、これらの突出部25の各々は、実質上同
一の突出高さを有し、例えば格子点位置に従って互いに
離間して配置されている。支持シート体10は、前述の
第1の実施の形態と同様の構成である。
【0062】異方導電性シート本体20を構成する絶縁
性のエラストマーとしては、前述の第1の実施の形態に
おけるシート基体21を構成するエラストマーと同様の
ものを用いることができる。また、異方導電性シート本
体20を構成する導電性付与物質としては、非磁性のも
のおよび磁性を示すものを用いることができる。非磁性
の導電性付与物質としては、前述の第1の実施の形態に
おけるシート基体21を構成する導電性付与物質と同様
のものを用いることができる。磁性を示す導電性付与物
質としては、前述の第1の実施の形態における導電性粒
子を構成する材料と同様のものを用いることができる。
【0063】このような異方導電性シート本体20を構
成する材料の体積固有抵抗は、異方導電性シートの使用
目的および要求される導電性などに応じて適宜選定され
るが、1×107 〜1×1012Ω・mであることが好ま
しく、より好ましくは1×108 〜1×1011Ω・m、
特に好ましくは1×109 〜1×1010Ω・mである。
【0064】突出部25の径および配置ピッチは、異方
導電性シートの使用目的に応じて適宜設定されるが、被
接続体によって大きい力で加圧されたときに、突出部2
5が当該被接続体に確実に接触される点で、突出部25
の径が0.02〜2mm、特に0.05〜0.4mmで
あることが好ましく、突出部25の配置ピッチが0.0
3〜2.54mm、特に0.05〜0.5mmであるこ
とが好ましい。異方導電性シート本体20の表面に占め
る突出部25の表面の面積の割合は、異方導電性シート
の使用目的などに応じて適宜設定されるが、0.01〜
15%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜
10%、特に好ましくは0.5〜5%である。
【0065】突出部25の突出高さhは、異方導電性シ
ートの使用目的に応じて適宜設定されるが、当該突出部
25が位置する個所の厚みdの5〜50%であることが
好ましく、より好ましくは10〜40%、特に好ましく
は15〜30%である。突出部25の突出高さhが過小
である場合には、被接続体によって小さい加圧力で加圧
されたときにも、当該被接続体が突出部25以外の個所
にも接触してしまい、所期の電気抵抗値が得られないこ
とがある。一方、突出部25の突出高さが過大である場
合には、被接続体によって相当に大きい加圧力で加圧さ
れても、当該被接続体が突出部25以外の個所に接触せ
ず、所期の導電性が得られないことがある。また、異方
導電性シート本体20における突出部25が位置する個
所の厚みdは、例えば0.02〜2mm、好ましくは
0.05〜0.5mmである。
【0066】異方導電性シート本体20の導電性の程度
は、当該異方導電性シートの使用目的に応じて適宜設定
されるが、具体的には、被接続体が異方導電性シート本
体20における突出部25の表面に接触した状態すなわ
ち無加圧の状態、または被接続体によって当該被接続体
が異方導電性シート本体20における突出部25以外の
表面に接触しない程度の小さい力で加圧された状態にお
いては、当該異方導電性シート本体20における厚み方
向の体積固有抵抗(隣接する突出部間の空間を含む見か
け上の値。以下、「体積固有抵抗R0 」という。)が1
×107 〜1×1012Ω・mの範囲にあることが好まし
く、より好ましくは1×108 〜1×1011Ω・m、特
に好ましくは1×109 〜1×1010Ω・mである。一
方、被接続体によって当該被接続体が異方導電性シート
本体20における突出部25以外の表面に接触するまた
は突出部25以外の表面を加圧する程度の大きい力で加
圧された状態においては、当該異方導電性シート本体2
0における厚み方向の体積固有抵抗(以下、「体積固有
抵抗R1 」という。)は、体積固有抵抗R0 と体積固有
抵抗R1 との比(R0 /R1 )が1×10〜1×104
となる範囲にあることが好ましく、より好ましくは比
(R0 /R1 )が2×10〜1×103 となる範囲、特
に好ましくは比(R0 /R1 )が5×10〜5×102
となる範囲である。
【0067】以上のような異方導電性シートは、例えば
以下のようにして製造することができる。先ず、硬化処
理によって絶縁性のエラストマーとなる高分子物質形成
材料と、導電性付与物質と混合することにより、成形材
料を調製する。そして、成形面に形成すべき異方導電性
シート本体の突出部に対応して形成された凹所を有する
上型と、平面な成形面を有する下型とよりなる金型を容
易し、この金型における下型の上面に、支持シート体1
0を載置し、この支持シート体10上に、矩形の枠状の
スペーサーを配置すると共に、当該スペーサーによって
囲まれた領域に成形材料を塗布して成形材料層を形成
し、更に、成形材料層上に上型を配置する。その後、成
形材料層を硬化処理することにより、異方導電性シート
本体20が支持シート体10上に一体的に形成され、以
て図14に示す構成の異方導電性シートが得られる。以
上において、シート成形材料層の硬化処理は、使用され
る材料によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によ
って行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、シ
ート成形材料層を構成する高分子物質用材料などの種類
などを考慮して適宜設定される。
【0068】上記の構成の異方導電性シートによれば、
異方導電性シート本体20の上面に多数の突出部25が
形成されているため、異方導電性シート本体20の突出
部25の上面に被接続体が接触した状態すなわち無加圧
の状態若しくは被接続体によって当該異方導電性シート
本体20の上面が小さい力で厚み方向に加圧された状態
においては、当該被接続体は突出部25の表面のみに接
触し、それ以外の個所には接触せず、その結果、被接続
体と突出部25との接触面積に応じた導電性を示す。一
方、被接続体によって異方導電性シート本体20の上面
が大きい力で厚み方向に加圧された状態においては、突
出部25が大きく圧縮されて当該被接続体が異方導電性
シートの上面における突出部25以外の個所にも接触
し、その結果、被接続体と突出部25およびそれ以外の
個所との接触面積に応じた導電性を示す。従って、被接
続体によって大きい力で厚み方向に加圧された状態にお
いては、無加圧の状態または若しくは小さい力で厚み方
向に加圧した状態に比較して、当該被接続体と異方導電
性シート本体20との接触面積が大きくなるので、高い
導電性を示す。また、異方導電性シート本体20は、支
持シート体10上に支持されているため、当該異方導電
性シートにその面方向に張力が作用しても、当該異方導
電性シート本体20に作用する張力は支持シート体10
によって抑制される結果、厚み方向の導電性の変化がな
くまたは少なく、更に、容易に破断することが防止され
る。
【0069】〔その他の実施の形態〕以上、本発明の異
方導電性シートに係る第1の実施の形態〜第5の実施の
形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態
に限られず、以下のように種々の変更を加えることが可
能である。
【0070】(1)図16に示すように、支持シート体
10および異方導電性シート本体20は、それぞれ無端
ベルト状に形成されていてもよい。ここで、支持シート
体10および異方導電性シート本体20としては、上記
の第1の実施の形態〜第5の実施の形態のいずれの態様
のものも用いることができる。
【0071】このような異方導電性シートは、以下のよ
うにして製造することができる。図17は、図16に示
す構成の異方導電性シートを製造するための製造装置の
一例における構成を示す説明用断面図であり、この製造
装置は、異方導電性シート本体が導電路形成部を有する
異方導電性シートを製造するためのものである。図17
において、40は、無端ベルト状の支持シート体10を
移動させるための移動手段であって、送り出しロール4
1と、この送り出しロール41に並行に設けられた引き
取りロール42と、送り出しロール41および引き取り
ロール42の各々の上方において、互いに並行に設けら
れた補助ロール43,44とにより構成されている。4
5は、支持シート体10の表面に成形材料を塗布するた
めの成形材料塗布手段であって、成形材料が収納された
タンク46と、このタンク46から成形材料を供給する
供給ロール47と、この供給ロールから供給された成形
材料を支持シート体10の表面に塗布する塗布ロール4
8と、この塗布ロール48の下方に設けられた支持ロー
ル49とにより構成されている。
【0072】50は、支持シート体10上に形成された
成形材料層20Aに対してその厚み方向に磁場を形成し
て作用させる磁場形成手段である。この磁場形成手段5
0においては、2つの回転ドラム51,56が、間隙G
を介して上下に並ぶよう配置され、回転ドラム51,5
6は、その各々の基体の周面に積層された補強シート5
2,57と、これらの補強シート52,57上に積層さ
れた磁極シート53,58を有する。磁極シート53,
58の各々は、形成すべき異方導電性シート本体の導電
路形成部のパターンに対応して配置された強磁性体部分
53a,58aと、それ以外の個所に配置された非磁性
体部分53b,58bとにより構成されている。また、
上側の回転ドラム51の内部には、電磁石54がその磁
極面54aが下方を向くよう配置され、一方、下側の回
転ドラム56の内部には、電磁石59がその磁極面59
aが上方を向くよう配置されている。
【0073】補強シート52,57を構成する材料とし
ては、磁性を示すものおよび非磁性のもののいずれであ
ってもよいが、SUS、ポリイミド、銅、真鍮等の高い
強度を有する材料が好ましい。また、この補強シート5
2,57は必要に応じて用いられるものであり、回転ド
ラム51,56は、基体の周面に磁極シート53,58
のみが積層されたものであってもよい。磁極シート5
3,58における強磁性体部分53a,58aおよび非
磁性体部分53b,58bを構成する材料としては、前
述の第3の実施の形態における金型30の強磁性体層3
3,38および非磁性体層34,39を構成する材料と
同様のものを用いることができる。補強シート52,5
7および磁極シート53,58の厚みは、特に限定され
るものではないが、回転ドラム51,56の作製が容易
となる点で、必要な強度が得られる範囲において厚みが
小さいものが好ましい。また、磁極シート53,58に
おける強磁性体部分53a,58aの幅または直径に対
する強磁性体部分53a,58aの厚み(磁極53,5
8の厚み)の比は、0.2以上であることが好ましく、
より好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.5以上
である。
【0074】60は、支持シート体10上に形成された
成形材料層20Aを硬化処理する硬化処理手段であっ
て、上下方向に互いに対向するよう配置された2つの平
板状のヒーター61,66を有し、上側のヒーター61
の上面には、互いに離間して配置された小型電磁石6
2,63が設けられており、一方、下側のヒーター66
の下面の各々には、互いに離間して配置された、小型電
磁石62,63に対応する小型電磁石67,68が設け
られている。
【0075】上記の製造装置においては、以下のように
して支持シート体10上に異方導電性シート本体20が
形成される。先ず、無端ベルト状の支持シート体10
を、成形材料塗布手段45における塗布ロール48と支
持ロール49との間、磁場形成手段における回転ドラム
51,56の間(間隙G)、および硬化処理手段60に
おけるヒーター61,66の間に通過させた状態で、移
動手段40における送り出しロール41、補助ロール4
3,44および引き取りロール42に巻き付ける。そし
て、移動手段40においては、送り出しロール41およ
び/または引き取りロール42が図17において時計周
りに回転駆動されることにより、支持シート体10が矢
印Aの方向に移動する。ここで、支持シート体10の移
動速度は適宜設定され、例えば10cm/分程度であ
る。成形材料塗布手段45においては、供給ロール47
が矢印方向に回転することによって、タンク46内の成
形材料が当該供給ロール47の表面に付着し、当該供給
ロール47に付着した成形材料が塗布ロール48に転写
される。そして、塗布ロール48によって、成形材料が
当該塗布ロール48と支持ロール49との間を通過する
支持シート体10の表面に塗布されることにより、当該
支持シート体10の表面に成形材料層20Aが形成され
る。
【0076】磁場形成手段50においては、回転ドラム
51,56の各々が、支持シート体10の移動速度と同
一の周速度でそれぞれ矢印Bおよび矢印Cの方向に回転
する。そして、回転ドラム51,56の間の間隙Gを通
過する、支持シート体10上に形成された成形材料層2
0Aに対して、電磁石54,59によって、磁極シート
53,58を介して当該成形材料20Aの厚み方向に磁
場を作用させることにより、成形材料層20A中に分散
されている導電性粒子を所要の個所に集合させると共
に、当該成形材料層20Aの厚み方向に並ぶよう配向さ
せる。硬化処理手段60においては、ヒーター61,6
6によって、それらの間を通過する成形材料層20Aが
加熱されて硬化される。このとき、小型電磁石62,6
3,67,68によって、成形材料層20Aには、その
厚み方向に磁場が作用されるため、当該成形材料層20
A中の導電性粒子の配向状態が維持される。以上のよう
にして、支持シート体10上に異方導電性シート本体2
0が形成される。
【0077】このような異方導電性シートによれば、支
持シート体10および異方導電性シート本体20の各々
が継ぎ目のない無端ベルト状に形成されているため、ロ
ール等に巻き付けて使用する場合には、異方導電性シー
ト本体20の表面全面を有効に利用することができる。
【0078】(2)本発明においては、図18に示すよ
うに、支持シート体10と異方導電性シート本体20と
の間の界面F1が粗面であることが好ましい。具体的に
は、例えば粗面とされた支持シート体10の表面に、異
方導電性シート本体20が密着した状態で一体的に形成
されることにより、支持シート体10と異方導電性シー
ト本体20との間の界面が粗面とされている。支持シー
ト体10と異方導電性シート本体20との間の界面F1
の表面粗さは、0.1〜10μmであることが好まし
く、より好ましくは0.5〜7.5μm、特に好ましく
は1〜5μmである。本発明において、「表面粗さ」と
は、JIS B0601による中心線平均粗さRaをい
う。この表面粗さが0.1μm以上であれば、支持シー
ト体10に対して異方導電性シート本体20を高い強度
で接着した状態で確実に形成することができる。一方、
この表面粗さが10μm以下であれば、支持シート体1
0と異方導電性シート本体20とを確実に密着させた状
態で形成することができる。ここで、支持シート体10
の表面を粗面化処理する方法としては、サンドブラスト
処理による方法、サンドペーパー処理による方法、エッ
チング処理による方法などを利用することができる。こ
のような構成によれば、支持シート体10と異方導電性
シート本体20との間の界面F1が粗面とされることに
より、支持シート体10上に高い強度で接着された状態
の異方導電性シート本体20が得られるため、例えば異
方導電性シートをロール等に巻き付けて長時間使用した
ときにも、異方導電性シート本体20が支持シート体1
0から剥離することが防止または抑制される。
【0079】(3)図19に示すように、異方導電性シ
ート本体20は、その裏面から突出して支持シート体1
0を貫通して伸びる固定部26を有し、当該固定部26
と支持シート体10との界面F2が粗面である構成であ
ってもよい。具体的には、支持シート体10にその厚み
方向に伸びる貫通孔が形成され、当該貫通孔の内面が粗
面とされており、この貫通孔の内面に異方導電性シート
本体20の固定部26が密着した状態で一体的に形成さ
れることにより、異方導電性シート20における固定部
26と支持シート体10との間の界面F2が粗面とされ
ている。異方導電性シート20における固定部26と支
持シート体10との界面F2の表面粗さおよび支持シー
ト体10の貫通孔内面を粗面化処理する方法は、上記
(2)における支持シート体10と異方導電性シート本
体20との間の界面F1の表面粗さおよび支持シート体
10の表面を粗面化処理する方法と同様である。このよ
うな構成によれば、異方導電性シート本体20の裏面か
ら突出する固定部26が支持シート体10を貫通して伸
び、当該固定部26と支持シート体10との界面F2が
粗面とされることにより、異方導電性シート本体20が
支持シート体21上に高い強度で保持されるため、例え
ば異方導電性シートをロール等に巻き付けて長時間使用
したときにも、異方導電性シート本体20が支持シート
体10から剥離することが防止または抑制される。
【0080】(4)図20に示すように、支持シート体
10には、プリント配線12が形成されていてもよく、
このような構成によれば、当該支持シート体10のプリ
ント配線を利用して電気的接続を達成することができ
る。 (5)第2の実施の形態において、シート基体21に
は、非磁性の導電性付与物質が含有されていてもよい。
【0081】(6)第5の実施の形態において、図21
および図22に示すように、異方導電性シート本体20
の上面には、上方に突出する柱状の多数の第1の突出部
27が形成され、この第1の突出部27の各々の上面に
は、当該第1の突出部27の上面から上方に突出する柱
状の第2の突出部28が形成されていてもよい。このよ
うな異方導電性シート本体20においては、第1の突出
部27の各々は、実質上同一の突出高さを有し、第2の
突出部28の各々は、実質上同一の高さを有する。ま
た、第1の突出部27は、例えば格子位置に従って互い
に離間して配置され、第2の突出部28は、第1の突出
部27の上面の中央に配置されている。
【0082】この異方導電性シートにおいては、異方導
電性シート本体20における第1の突出部27および第
2の突出部28の径および配置ピッチは、異方導電性シ
ートの使用目的に応じて適宜設定されるが、第1の突出
部27の径が0.1〜1mm、特に0.2〜0.8mm
であることが好ましく、第2の突出部28の径が0.0
2〜0.1mm、特に0.04〜0.08mmであるこ
とが好ましく、第1の突出部27および第2の突出部2
8の配置ピッチが0.2〜2.54mm、特に0.25
〜2mmであることが好ましい。異方導電性シート本体
20の表面に占める第1の突出部27の表面(第2の突
出部28の表面を含まない)の面積の割合および第2の
突出部28の表面の割合は、異方導電性シートの使用目
的などに応じて適宜設定されるが、第1の突出部27が
1〜10%、特に2〜5%であることが好ましく、第2
の突出部28が0.01〜0.1%、特に0.02〜
0.08%であることが好ましい。また、第1の突出部
27の表面の面積と第2の突出部28の表面の面積との
比は、(第1の突出部27の表面の面積)/(第2の突
出部28の表面の面積)が1×10-4〜4×10-2、特
に4×10-4〜1×10-2であることが好ましい。
【0083】また、第1の突出部27の突出高さh1お
よび第2の突出部28の突出高さh2は、異方導電性シ
ートの使用目的に応じて適宜設定されるが、第1の突出
部27の突出高さh1および第2の突出部28の突出高
さh2の合計が、第2の突出部28が位置する個所の厚
みdの5〜50%であることが好ましく、より好ましく
は10〜40%、特に好ましくは15〜30%である。
また、第1の突出部27の突出高さh1は、第2の突出
部28が位置する個所の厚みdの3〜40%であること
が好ましく、より好ましくは5〜30%、特に好ましく
は7〜25%であり、第2の突出部28の突出高さh2
は、第2の突出部28が位置する個所の厚みdの2〜3
0%であることが好ましく、より好ましくは2.5〜2
5%、特に好ましくは5〜20%である。また、第1の
突出部27の突出高さh1と第2の突出部28の突出高
さh2との比(h1/h2)は、0.8〜2であること
が好ましく、より好ましくは1〜1.8、特に好ましく
は1.2〜1.5である。また、異方導電性シート本体
20における第2の突出部28が位置する個所の厚みd
は、例えば0.02〜2mm、好ましくは0.05〜
0.5mmである。
【0084】このような異方導電性シート本体20の導
電性の程度は、当該異方導電性シートの使用目的に応じ
て適宜設定される。具体的には、被接続体が異方導電性
シート本体20における第2の突出部28の表面に接触
した状態すなわち無加圧の状態、または被接続体によっ
て当該被接続体が異方導電性シート本体20における第
2の突出部28以外の表面に接触しない程度の小さい力
で加圧された状態(以下、「低加圧状態」という。)に
おいては、当該異方導電性シート本体20における厚み
方向の体積固有抵抗(隣接する第1の突出部および第2
の突出部間の空間を含む見かけ上の値。以下、「体積固
有抵抗R10」という。)が1×107 〜1×1012Ω・
mの範囲にあることが好ましく、より好ましくは1×1
8 〜1×1011Ω・m、特に好ましくは1×109
1×1010Ω・mである。また、被接続体によって当該
被接続体が異方導電性シート本体20における第1の突
出部27の表面に接触する程度の力、または第1の突出
部27および第2の突出部28の両方を加圧し、それら
以外の表面に接触しない程度の力で加圧された状態(以
下、「中加圧状態」という。)においては、当該異方導
電性シート本体20における厚み方向の体積固有抵抗
(隣接する第1の突出部間の空間を含む見かけ上の値。
以下、「体積固有抵抗R11」という。)が、体積固有抵
抗R10と体積固有抵抗R11との比(R10/R11)が1×
10-4〜4×10-2となる範囲にあることが好ましく、
より好ましくは比(R10/R11)が4×10-4〜1×1
-2となる範囲、特に好ましくは比(R10/R11)が1
×10-3〜5×10-2となる範囲である。また、被接続
体によって当該被接続体が異方導電性シート本体20に
おける第1の突出部27および第2の突出部28以外の
表面に接触するまたは第1の突出部27および第2の突
出部28以外の表面を加圧する程度の力で加圧された状
態(以下、「高加圧状態」という。)においては、当該
異方導電性シート本体20における厚み方向の体積固有
抵抗(以下、「体積固有抵抗R12」という。)は、体積
固有抵抗R11と体積固有抵抗R12との比(R11/R12
が1×10-2〜2×10-1となる範囲にあることが好ま
しく、より好ましくは比(R11/R12)が2×10-2
1×10-1となる範囲、特に好ましくは比(R11
12)が4×10 -2〜8×10-2となる範囲である。
【0085】上記の構成の異方導電性シートによれば、
異方導電性シート本体20の上面に多数の第1の突出部
27およびその上面から突出する第2の突出部28が形
成されているため、異方導電性シート本体20における
第2の突出部28の上面に被接続体が接触した状態すな
わち無加圧の状態若しくは低加圧状態においては、当該
被接続体は第2の突出部28の表面のみに接触し、それ
以外の個所には接触せず、その結果、被接続体と第2の
突出部28との接触面積に応じた導電性を示す。また、
中加圧状態においては、第1の突出部27の上面にも接
触し、その結果、被接続体と第1の突出部27および第
2の突出部28との接触面積に応じた導電性を示す。従
って、中加圧状態においては、無加圧の状態または低加
圧状態に比較して、当該被接続体と異方導電性シート本
体20との接触面積が大きくなるので、高い導電性を示
す。更に、高加圧状態においては、第1の突出部27お
よび第2の突出部28以外の上面にも接触し、その結
果、被接続体と、第1の突出部27、第2の突出部28
およびそれら以外の個所との接触面積に応じた導電性を
示す。従って、高加圧状態においては、中加圧状態に比
較して、当該被接続体と異方導電性シート本体20との
接触面積が大きくなるので、高い導電性を示す。このよ
うに、上記の異方導電性シートによれば、厚み方向にお
ける加圧状態を変化させることにより、厚み方向の導電
性を段階的に変化させることができる。
【0086】〔異方導電性シートの使用形態〕本発明の
異方導電性シートは、従来の異方導電性シートと同様に
して、平面な表面を有するもの、例えば回路基板や電子
部品など表面に配置されて使用することもできるが、図
23に示すように、異方導電性シート1をロール3の表
面に巻き付けた状態で、当該異方導電性シート1を加圧
ロール4によって加圧する態様で使用することができ、
或いは図24に示すように、異方導電性シート1を複数
(図示の例では3つ)のロール5,6,7の表面に巻き
付けた状態で、当該異方導電性シート1を加圧ロール4
によって加圧する態様で使用することができる。
【0087】具体的には、以下のような使用形態を挙げ
ることができる。本発明の異方導電性シートにおいて
は、その一面に被接続体を接触させるまたは小さい力で
加圧することにより、当該被接続体の表面における静電
気、静電容量、イオン量などの電気量の微視的な面分布
状態を、当該異方導電性シートの表面に転写保持するこ
とができ、更に、異方導電性シートの一面に被接続体を
大きい力で加圧することにより、当該異方導電性シート
の他面に、転写保持された電気量の微視的な面分布状態
を移動させることができる。具体的には、本発明の異方
導電性シートは、例えばプリント配線基板などの静電容
量方式の電気的検査装置において、検査対象物の表面の
静電容量分布を計測部に移動するためのセンサー部とし
て有用であり、このような電気的検査装置によれば、検
査対象物の表面の静電容量分布を二次元画像として表現
することができる。また、本発明の異方導電性シート
は、従来の異方導電性シートが利用されている種々の用
途、例えば回路装置相互間の電気的な接続を達成するた
めのコネクターとして、あるいは回路装置の電気的検査
に用いられるコネクターとして利用することができる。
【0088】また、本発明の異方導電性シートは、導電
性粒子Pとして適宜のものを用いることにより、当該導
電性粒子Pによる連鎖が熱伝導路として機能するため、
放熱シートなどの熱伝導性シートとして利用することが
できる。例えば電子装置の発熱部品等の発熱体に本発明
の異方導電性シートを接触させ、当該異方導電性シート
をその厚み方向に断続的に繰り返して加圧することによ
り、発熱体から一定の熱量が異方導電性シートを介して
断続的に放熱し、その結果、発熱体の温度を一定に維持
することができる。また、本発明の異方導電性シート
は、電磁放射の吸収シートとして用いることができ、こ
れにより、例えば電子部品等から発生する電磁的ノイズ
を低減することができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、以下の実施例において、支持シート体の表面粗さ
は、JIS B05601による中心平均粗さRaであ
って、カットオフ値0.8mm、測定長さ0.25mm
の条件で測定されたものである。
【0090】〈実施例1〉付加型液状シリコーンゴム1
00重量部中に、導電性粒子80重量部と、非磁性の導
電性付与物質10重量部とを添加して混合することによ
り、シート成形材料を調製した。以上において、導電性
粒子としては、Mn−Zn系フェライト(戸田工業株式
会社製「BSF−547」、数平均粒子径21.9μ
m)を用い、非磁性の導電性付与物質として、アモルフ
ァスカーボン粒子(ユニチカ社製「GCP−H」,数平
均粒子径7μm)を用いた。
【0091】それぞれ厚みが5mmの矩形の鉄板よりな
る上型および下型と、厚みが0.15mmの矩形の枠状
のスペーサーとよりなる異方導電性シート成形用の金型
を用意した。上記の金型における下型の表面に、厚みが
0.1mmで、表面粗さが5.5μmのSUS304
(ステンレス)よりなる支持シート体を載置し、この支
持シート体上に、スペーサーを配置すると共に、当該ス
ペーサーによって囲まれた領域に上記の成形材料を塗布
して成形材料層を形成し、更に、成形材料層に上型を配
置した。次いで、上型の上面および下型の下面に電磁石
を配置し、成形材料層に対し、その厚み方向に1.0T
の平行磁場を作用させながら、100℃、2時間の条件
で、当該シート成形材料層の硬化処理を行うことによ
り、支持シート体上に厚みが0.15mmの異方導電性
シート本体を形成し、以て異方導電性シートを製造し
た。この異方導電性シートにおける異方導電性シート本
体のシート基体中の導電性粒子の割合は、体積分率で1
5%であった。
【0092】〈実施例2〉付加型液状シリコーンゴム1
00重量部中に、導電性繊維60重量部と、導電性粒子
80重量部とを添加して混合することにより、シート成
形材料を調製した。以上において、導電性繊維として
は、磁性ステンレスSUS430L短繊維(虹技製,平
均長さ0.2mm,平均径30μm)に液状ポリイミド
樹脂材料によって80%の被覆率で表面コートし、温度
200℃で硬化処理したものを用い、導電性粒子とし
て、Mn−Zn系フェライト(戸田工業株式会社製「K
NS−547」、数平均粒子径23.3μm)を用い
た。
【0093】それぞれ厚みが5mmの矩形の鉄板よりな
る上型および下型と、厚みが0.2mmの矩形の枠状の
スペーサーとよりなる異方導電性シート成形用の金型を
用意した。上記の金型における下型の表面に、厚みが
0.05mmで、表面粗さが3.5μmのSUS304
(ステンレス)よりなる支持シート体を載置し、この支
持シート体上に、スペーサーを配置すると共に、当該ス
ペーサーによって囲まれた領域に上記の成形材料を塗布
して成形材料層を形成し、更に、成形材料層に上型を配
置した。次いで、上型の上面および下型の下面に電磁石
を配置し、成形材料層に対し、その厚み方向に0.5T
の平行磁場を作用させながら、100℃、2時間の条件
で、当該シート成形材料層の硬化処理を行うことによ
り、支持シート体上に厚みが0.2mmの異方導電性シ
ート本体を形成し、以て異方導電性シートを製造した。
この異方導電性シートの異方導電性シート本体のシート
基体中における導電性繊維の密度は8×103 本/cm
2 であり、導電性粒子の含有割合は体積分率で15%で
あった。
【0094】〈実施例3〉付加型液状シリコーンゴム1
00重量部中に、導電性粒子70重量部と、非磁性の導
電性付与物質15重量部とを添加して混合することによ
り、シート成形材料を調製した。以上において、導電性
粒子としては、Mg−Zn系フェライト(ティーディー
ケー社製「IR−BO」,数平均粒子径4.2μm)を
用い、非磁性の導電性付与物質として、アルキル基の炭
素数が5〜15のナトリウムアルカンスルホネート(吸
湿導電性物質)を用いた。
【0095】図9に示す構成に従い、下記の条件によ
り、異方導電性シート成形用金型を作製した。 〔強磁性体基板〕 材質:鉄,厚み:5mm 〔強磁性体層〕 材質:ニッケル,厚み:0.05mm,径:0.05m
m,ピッチ:0.1mm 〔非磁性体層〕 材質:銅,厚み:0.05mm 〔スペーサ〕 厚み:0.2mm
【0096】上記の金型における下型の表面に、厚みが
0.15mmで、表面粗さが7.2μmのSUS304
(ステンレス)よりなる支持シート体を載置し、この支
持シート体上に、スペーサーを配置すると共に、当該ス
ペーサーによって囲まれた領域に上記の成形材料を塗布
して成形材料層を形成し、更に、成形材料層に上型を配
置した。次いで、上型の上面および下型の下面に電磁石
を配置し、成形材料層に対し、上型の強磁性体層と下型
の強磁性体層との間において、その厚み方向に0.7T
の平行磁場を作用させながら、100℃、2時間の条件
で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより、支持
シート体上に厚みが0.2mmの異方導電性シート本体
を形成し、以て異方導電性シートを製造した。この異方
導電性シートにおける異方導電性シート本体は、導電路
形成部の径が0.05mm、ピッチが0.1mm、導電
路形成部の導電性粒子の割合は、体積分率で13%であ
った。
【0097】〈実施例4〉付加型液状シリコーンゴム1
00重量部中に、導電性粒子130重量部と、非磁性の
導電性付与物質30重量部とを添加して混合することに
より、シート成形材料を調製した。以上において、導電
性粒子としては、カルボニル鉄(BSF社製「SL」,
数平均粒子径9.2μm)の表面をSiO2 によって6
0%の被覆率で被覆して絶縁処理したもの(絶縁処理後
の数平均粒子径9.3μm)を用い、非磁性の導電性付
与物質としては、酸化亜鉛粉末を用いた。
【0098】図13に示す構成に従い、下記の条件によ
り、異方導電性シート成形用金型を作製した。 〔強磁性体基板〕 材質:鉄,厚み:5mm(上型および下型) 〔強磁性体層〕 材質:ニッケル,厚み:0.08mm,径:0.08m
m,ピッチ:0.1mm(上型), 材質:ニッケル,厚み:0.08mm,径:0.08m
m,ピッチ:0.1mm(下型) 〔非磁性体層〕 材質:銅,厚み:0.06mm(上型), 材質:銅,厚み:0.08mm(下型)〔スペーサ〕厚
み:0.15mm
【0099】上記の金型における下型の表面に、厚みが
0.025mmで、表面粗さが2.1μmのSUS30
4(ステンレス)よりなる支持シート体を載置し、この
支持シート体上に、スペーサーを配置すると共に、当該
スペーサーによって囲まれた領域に上記の成形材料を塗
布して成形材料層を形成し、更に、成形材料層に上型を
配置した。次いで、上型の上面および下型の下面に電磁
石を配置し、成形材料層に対し、上型の強磁性体層と下
型の強磁性体層との間において、その厚み方向に1.0
Tの平行磁場を作用させながら、120℃、2時間の条
件で、当該成形材料層の硬化処理を行うことにより、支
持シート体上に異方導電性シート本体を形成し、以て本
発明の異方導電性シートを製造した。この異方導電性シ
ートにおける異方導電性シート本体は、導電路形成部の
径が0.08mm、ピッチが0.1mm、表面に占める
導電路形成部の表面の面積の割合が50%、定常導電部
の厚みが0.15mm、その突出高さが0.02mm、
定常導電部の体積固有抵抗が1×1011Ω・m、導電路
形成部の導電性粒子の割合は、体積分率で40%であっ
た。
【0100】〈実施例5〉付加型液状シリコーンゴム1
00重量部中に、導電性付与物質30重量部を添加して
混合することにより、成形材料を調製した。以上におい
て、導電性付与物質としては、電気化学社製のカーボン
ブラック(自己導電性物質)20重量部およびアモルフ
ァスカーボン粒子(ユニチカ社製「ユニベックスGCP
−H」,数平均粒子径7μm)を用いた。
【0101】成形面に、ピッチが0.04mmの格子点
位置に従って、径が0.01mmで、深さが0.01m
mの多数の凹所が形成されてなる上型と、成形面が平坦
な下型と、上型と下型との間に配置された厚みが0.2
mmの枠状のスペーサとよりなる金型を用意した。上記
の金型における下型の表面に、厚みが0.25mmで、
表面粗さが6.8μmのSUS304(ステンレス)よ
りなる支持シート体を載置し、この支持シート体上に、
スペーサーを配置すると共に、当該スペーサーによって
囲まれた領域に上記の成形材料を塗布して成形材料層を
形成し、更に、成形材料層に上型を配置した。次いで、
80℃、3時間の条件で、当該成形材料層の硬化処理を
行うことにより、支持シート体上に異方導電性シート本
体を形成し、以て本発明の異方導電性シートを製造し
た。この異方導電性シートにおける異方導電性シート本
体は、突出部の径が0.01mm、ピッチが0.04m
m、表面に占める突出部の表面の面積の割合が4.9
%、突出部が位置する個所の厚みが0.21mm、突出
部の突出高さが0.01mmであり、当該異方導電性シ
ート本体を構成する材料の体積固有抵抗が1×108 Ω
・mであった。
【0102】〈比較例1〉非磁性の導電性付与物質を用
いずに成形材料を調製し、支持シート体を用いずに硬化
処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして比較用
の異方導電性シートを製造した。
【0103】〈比較例2〉非磁性の導電性付与物質を用
いずに成形材料を調製し、支持シート体を用いずに硬化
処理を行ったこと以外は、実施例3と同様にして比較用
の異方導電性シートを製造した。
【0104】〈異方導電性シートの電気特性の評価〉実
施例1〜5および比較例1〜2に係る異方導電性シート
の電気特性について、下記のようにしてその評価を行っ
た。尚、実施例1〜5に係る異方導電性シートについて
は、支持シート体を用いなかったこと以外は同様にして
成形された異方導電性シート本体を使用した。 〔無加圧の状態における厚み方向の体積固有抵抗〕異方
導電性シートの一面に、イオンスパッター装置(E10
10,日立サイエンス社製)により、Au−Pdをター
ゲットとして厚みが100nmの金属膜を形成した。こ
の金属膜の表面に銀を含有してなる導電性接着剤によ
り、絶縁抵抗計(ハイ・レジスタンスメーター4339
A,アジレントテクノロジー社製)に接続された配線を
接着した。そして、前記絶縁抵抗計に接続された電極径
が50mmの測定用電極によって、異方導電性シートの
他面を加圧することにより、異方導電性シートの他面に
測定用電極の表面が充分に密着させ、その後、異方導電
性シートの他面に測定用電極の表面が接触した状態すな
わち無加圧の状態とした。そして、この状態において、
適宜の電圧値または電流値の電流を測定用電極と金属膜
との間に供給し、1分間経過後、異方導電性シートの厚
み方向の体積固有抵抗を測定した。 〔厚み方向に加圧された状態の体積固有抵抗〕異方導電
性シートを、それぞれ絶縁抵抗計(ハイ・レジスタンス
メーター4339A,アジレントテクノロジー社製)に
接続された電極径が50mmの測定用電極および加圧用
電極の間に配置し、加圧用電極によって異方導電性シー
トを歪み率が20%となるまで加圧し、この状態で、異
方導電性シートの厚み方向の体積固有抵抗を測定した。
以上、結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】〔電荷の転写性および移動性〕図25に示
すように、アース板70上に異方導電性シート1を配置
し、この異方導電性シート1の直上に、ウレタン樹脂製
のロール75を配置した。このロール75は、テスラコ
イルによって放電処理されることにより、表面に電荷が
蓄積されたものであって、その表面電位が500±50
V(トレックジャパン製の表面電位計「モデル520−
1」によって測定した値)の範囲に調整されている。そ
して、ロール75を徐々に下降させることによって異方
導電性シート1の表面に接触させ(無加圧の状態)、こ
の状態で1分間保持した後、ロール75を徐々に上昇さ
せ、異方導電性シート1の表面電位を、表面電位計「モ
デル520−1」によって測定した。次いで、ロール7
5を徐々に下降させることによって、異方導電性シート
1の表面をその歪み率が20%となるよう加圧し、この
状態で1分間保持した後、ロール75を徐々に上昇さ
せ、異方導電性シート1の表面電位を、表面電位計「モ
デル520−1」によって測定した。上記の操作を合計
で10回行い、表面電位の平均値および値のばらつきを
求めた。以上、結果を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】表2の結果から明らかなよう、実施例1〜
5に係る異方導電性シートによれば、当該異方導電性シ
ートの表面にロール75の表面を接触させることによ
り、ロール75の表面の電荷が異方導電性シートの表面
に高い再現性で転写されることが確認された。また、ロ
ール75によって異方導電性シートの表面を加圧するこ
とにより、ロール75の表面の電荷が異方導電性シート
を介してアース板に移動することが確認された。これに
対して、比較例1〜2に係る異方導電性シートにおいて
は、その表面にロール75の表面の電荷を安定して転写
することができなかった。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無加圧の状態若しくは小さい力で厚み方向に加圧した状
態で導電性を示すと共に大きい力で厚み方向に加圧した
状態では、無加圧の状態若しくは小さい力で厚み方向に
加圧した状態よりも高い導電性を示し、しかも、面方向
に張力が作用しても、厚み方向の導電性の変化がなくま
たは少なく、更に、容易に破断することがない異方導電
性シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る異方導電性シ
ートの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る異方導電性シ
ートの構成を示す説明用断面図である。
【図3】第1の実施の形態において、金型内に支持シー
ト体が配置されると共に成形材料層が形成された状態を
示す説明用断面図である。
【図4】第1の実施の形態において、成形材料層に厚み
方向に平行磁場が作用された状態を示す説明用断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る異方導電性シ
ートの構成を示す説明用断面図である。
【図6】第2の実施の形態において、金型内に支持シー
ト体が配置されると共に導電性繊維を含有する成形材料
層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図7】第2の実施の形態において、導電性繊維を含有
する成形材料層に厚み方向に平行磁場が作用された状態
を示す説明用断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る異方導電性シ
ートの構成を示す説明用断面図である。
【図9】第3の実施の形態において、金型内に支持シー
ト体が配置されると共に成形材料層が形成された状態を
示す説明用断面図である。
【図10】第3の実施の形態において、成形材料層に強
度分布を有する平行磁場が厚み方向に作用された状態を
示す説明用断面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る異方導電性
シートの構成を示す説明用断面図である。
【図12】図11に示す異方導電性シートの一部を拡大
して示す説明用断面図である。
【図13】図11に示す異方導電性シートを製造するた
めの金型の一例における構成を示す説明用断面図であ
る。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る異方導電性
シートの構成を示す説明用断面図である。
【図15】図14に示す異方導電性シートの一部を拡大
して示す説明用断面図である。
【図16】支持シート体および異方導電性シート本体が
無端ベルト状に形成された異方導電性シートを示す斜視
図である。
【図17】図16に示す異方導電性シートの製造装置の
構成を示す説明用断面図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係る異方導電性シ
ートの構成を示す説明用断面図である。
【図19】本発明の更に他の実施の形態に係る異方導電
性シートの構成を示す説明用断面図である。
【図20】本発明の更に他の実施の形態に係る異方導電
性シートの構成を示す説明用断面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る異方導電性
シートの変形例の構成を示す説明用断面図である。
【図22】図21に示す異方導電性シートの一部を拡大
して示す説明用断面図である。
【図23】本発明に係る異方導電性シートの使用形態を
示す説明図である。
【図24】本発明に係る異方導電性シートの他の使用形
態を示す説明図である。
【図25】実施例において、異方導電性シートの電気特
性の評価のために使用した装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 異方導電性シート 3 ロール 4 加圧ロール 5,6,7 ロール 10 支持シート体 10H 貫通孔 11 導電部 12 プリント配線 15 位置決め孔 20 異方導電性シート本体 20A 成形材料層 21 シート基体 22 導電路形成部 23 定常導電部 25 突出部 26 固定部 27 第1の突出部 28 第2の突出部 30 金型 31 上型 32 強磁性体基板 33 強磁性体層 34 非磁性体層 35 スペーサー 36 下型 37 強磁性体基板 38 強磁性体層 39 非磁性体層 40 移動手段 41 送り出しロール 42 引き取りロール 43,44 補助ロール 45 成形材料塗布手段 46 タンク 47 供給ロール 48 塗布ロール 49 支持ロール 50 磁場形成手段 51 回転ドラム 52 補助シート 53 磁極シート 53a 強磁性体部分 53b 非磁性体部分 54 電磁石 56 回転ドラム 57 補助シート 58 磁極シート 58a 強磁性体部分 58b 非磁性体部分 59 電磁石 60 硬化手段 61 ヒーター 62,63 小型電磁石 66 ヒーター 67,68 小型電磁石 70 アース板 75 ロール G 間隙 F 導電性繊維 P 導電性粒子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 5/16 H01B 5/16 (72)発明者 瀬高 良司 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA38 AA67 AA69 AB03 AB06 AB07 AB08 AB09 AB10 AB18 AB20 AB23 AC14 AD01 AE15 AH12 AH19 4F100 AA23H AA37H AB04 AB14H AB18H AK52 AL09A AL09B AN02 AR00A AR00B AR00C BA02 BA03 BA10A BA10B BA42B CA21A CA21B DD01B DD07A DD07B DG03B DG03H GB43 HB31C JA12H JD15B JD15H JG01A JG01B JG01C JG04B JG06B JG06H JK07B JK08B 4J002 AC001 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB151 BC023 BE022 BM002 BP011 BP021 CE002 CF001 CH041 CK021 CK022 CP031 CP052 CP082 DA016 DA017 DA026 DA036 DA067 DA076 DA087 DA096 DA106 DA116 DC007 DE017 DE096 DE097 DE106 DE117 DE136 DE186 DG026 DH006 DL007 ED026 EH046 EH156 EN006 EN136 EV186 EV256 EW046 EX036 FA046 FA087 FB073 FB077 FD112 FD113 FD116 FD117 GQ00 GQ02 GR01 5G307 HA02 HB01 HB02 HB03 HB05 HB06 HC02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部において両面間が電気的
    に導通された支持シート体と、この支持シート体上に一
    体的に設けられた異方導電性シート本体とよりなり、 前記異方導電性シート本体は、無加圧の状態で少なくと
    も厚み方向に導電性を示す弾性を有するシート基体中
    に、磁性を示す導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向し
    た状態で含有されてなることを特徴とする異方導電性シ
    ート。
  2. 【請求項2】 異方導電性シート本体におけるシート基
    体は、絶縁性のエラストマー中に非磁性の導電性付与物
    質が含有されてなるものであることを特徴とする請求項
    1に記載の異方導電性シート。
  3. 【請求項3】 導電性付与物質は、それ自体導電性を示
    す物質および吸湿することによって導電性が発現される
    物質から選ばれる少なくとも1種の物質であることを特
    徴とする請求項2に記載の異方導電性シート。
  4. 【請求項4】 異方導電性シート本体は、導電性粒子が
    シート基体の面方向に分散された状態で含有されてなる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の異方導電性シート。
  5. 【請求項5】 異方導電性シート本体におけるシート基
    体は、絶縁性のエラストマー中に当該シート体の厚み方
    向に伸びるよう配列された導電性繊維が含有されてなる
    ものであることを特徴とする請求項4に記載の異方導電
    性シート。
  6. 【請求項6】 異方導電性シート本体は、シート基体の
    厚み方向に伸び、当該シート基体の面方向に互いに離間
    した状態で形成された、導電性粒子が密に含有されてな
    る多数の導電路形成部と、これらの導電路形成部の間に
    介在された定常導電部とを有してなることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異方導電性シ
    ート。
  7. 【請求項7】 異方導電性シート本体における定常導電
    部は、その表面が導電路形成部の表面から突出した状態
    に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の異
    方導電性シート。
  8. 【請求項8】 少なくとも一部において両面間が電気的
    に導通された支持シート体と、この支持シート体上に一
    体的に設けられた異方導電性シート本体とよりなり、 前記異方導電性シート本体は、絶縁性のエラストマー中
    に導電性付与物質が含有されてなり、表面に多数の突出
    部を有することを特徴とする異方導電性シート。
  9. 【請求項9】 支持シート体は、その厚み方向に貫通し
    て伸びる導電部によって両面間が電気的に導通されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに
    記載の異方導電性シート。
  10. 【請求項10】 支持シート体における導電部は、エラ
    ストマー中に導電性粒子が含有されてなることを特徴と
    する請求項9に記載の異方導電性シート。
  11. 【請求項11】 支持シート体の表面には、プリント配
    線が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項10のいずれかに記載の異方導電性シート。
  12. 【請求項12】 支持シート体と異方導電性シート本体
    との界面が粗面であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項11のいずれかに記載の異方導電性シート。
  13. 【請求項13】 異方導電性シート本体は、その裏面か
    ら突出して支持シート体を貫通して伸びる固定部を有
    し、当該固定部と支持シート体との界面が粗面であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記
    載の異方導電性シート。
  14. 【請求項14】 支持シート体および異方導電性シート
    本体は、それぞれ無端ベルト状に形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の
    異方導電性シート。
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