JP2002156850A - シームレスベルト - Google Patents
シームレスベルトInfo
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- JP2002156850A JP2002156850A JP2000353360A JP2000353360A JP2002156850A JP 2002156850 A JP2002156850 A JP 2002156850A JP 2000353360 A JP2000353360 A JP 2000353360A JP 2000353360 A JP2000353360 A JP 2000353360A JP 2002156850 A JP2002156850 A JP 2002156850A
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- resin film
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 室温と使用温度付近において機械的特性の低
下が少なく、かつ遠心注型法による生産性に優れる。 【解決手段】 樹脂フィルムからなるシームレスベルト
において、該樹脂フィルムが芳香族ポリイミド樹脂と芳
香族ポリベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルム
であり、該樹脂フィルムの 200℃における引張り強さ
が、 25℃における引張り強さの 80 %以上ある。
下が少なく、かつ遠心注型法による生産性に優れる。 【解決手段】 樹脂フィルムからなるシームレスベルト
において、該樹脂フィルムが芳香族ポリイミド樹脂と芳
香族ポリベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルム
であり、該樹脂フィルムの 200℃における引張り強さ
が、 25℃における引張り強さの 80 %以上ある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシームレスベルトに
関し、特にプリンターや複写機などの定着装置等に用い
られる樹脂製のシームレスベルトに関する。
関し、特にプリンターや複写機などの定着装置等に用い
られる樹脂製のシームレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンターや複写機などの定着装置に用
いられる樹脂製のシームレスベルトとして、熱硬化性樹
脂溶液中に微粉末を分散させた分散液を用いて遠心成形
させ硬化被膜のヤング率が 350kg/mm2であるシームレス
ベルト(特開昭61−202811号公報)、熱硬化性
ポリイミド系樹脂を主成分とし、フッ素系樹脂微粒子を
その表面に分散偏在させるとともに、熱伝導性粉体を含
むシームレス管状フィルム(特開平11−156971
号公報)等が知られている。また、金属メッキ層を有す
るポリイミド膜として、ポリイミド系ポリマーに対して
0.01〜100 重量%の金属粉末を含有するポリイミド膜
が知られている(特開平7−216225号公報)。
いられる樹脂製のシームレスベルトとして、熱硬化性樹
脂溶液中に微粉末を分散させた分散液を用いて遠心成形
させ硬化被膜のヤング率が 350kg/mm2であるシームレス
ベルト(特開昭61−202811号公報)、熱硬化性
ポリイミド系樹脂を主成分とし、フッ素系樹脂微粒子を
その表面に分散偏在させるとともに、熱伝導性粉体を含
むシームレス管状フィルム(特開平11−156971
号公報)等が知られている。また、金属メッキ層を有す
るポリイミド膜として、ポリイミド系ポリマーに対して
0.01〜100 重量%の金属粉末を含有するポリイミド膜
が知られている(特開平7−216225号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリン
ターや複写機などの小型化・軽量化や、定着速度の高速
化がすすむと、より耐熱性、熱伝導性に優れ、特に高温
度下においても室温との機械的特性変化の少ないシーム
レスベルトが要求されるようになってきたが、従来のポ
リイミド樹脂を主成分とするシームレスベルトは、高温
度下における特性低下が大きく、上記要求特性を満足し
ないという問題がある。
ターや複写機などの小型化・軽量化や、定着速度の高速
化がすすむと、より耐熱性、熱伝導性に優れ、特に高温
度下においても室温との機械的特性変化の少ないシーム
レスベルトが要求されるようになってきたが、従来のポ
リイミド樹脂を主成分とするシームレスベルトは、高温
度下における特性低下が大きく、上記要求特性を満足し
ないという問題がある。
【0004】また、シームレスベルトを遠心注型法によ
り成膜する場合、製造装置からシームレスベルトが剥離
し難いという問題がある。特にポリイミド樹脂溶液に金
属微粉末を配合した樹脂溶液から成形する場合、離型剤
を用いても剥離が困難であり、生産性が低下するという
問題がある。
り成膜する場合、製造装置からシームレスベルトが剥離
し難いという問題がある。特にポリイミド樹脂溶液に金
属微粉末を配合した樹脂溶液から成形する場合、離型剤
を用いても剥離が困難であり、生産性が低下するという
問題がある。
【0005】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、室温と使用温度付近において機械的
特性の低下が少なく、かつ遠心注型法による生産性に優
れたシームレスベルトを提供することを目的とする。
になされたもので、室温と使用温度付近において機械的
特性の低下が少なく、かつ遠心注型法による生産性に優
れたシームレスベルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のシームレスベル
トは、樹脂フィルムからなるシームレスベルトにおい
て、該樹脂フィルムが芳香族ポリイミド樹脂と芳香族ポ
リベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルムであ
り、該樹脂フィルムの 200℃における引張り強さが、 2
5℃における引張り強さの 80 %以上あることを特徴と
する。
トは、樹脂フィルムからなるシームレスベルトにおい
て、該樹脂フィルムが芳香族ポリイミド樹脂と芳香族ポ
リベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルムであ
り、該樹脂フィルムの 200℃における引張り強さが、 2
5℃における引張り強さの 80 %以上あることを特徴と
する。
【0007】上記シームレスベルトは、その外周表面層
に金属微粉末が分散配合されていることを特徴とする。
ここで外周表面層とは、シームレスベルトをその厚さ方
向断面でみて、加熱装置などが内設されるシームレスベ
ルト外周の表面側近傍をいう。また、シームレスベルト
の外周表面にメッキ層を有することを特徴とする。
に金属微粉末が分散配合されていることを特徴とする。
ここで外周表面層とは、シームレスベルトをその厚さ方
向断面でみて、加熱装置などが内設されるシームレスベ
ルト外周の表面側近傍をいう。また、シームレスベルト
の外周表面にメッキ層を有することを特徴とする。
【0008】上記シームレスベルトを構成する混合樹脂
フィルムは、少なくとも芳香族ポリアミック酸樹脂溶液
と芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶液との混合樹脂
溶液を遠心注型法により成膜して得られることを特徴と
する。
フィルムは、少なくとも芳香族ポリアミック酸樹脂溶液
と芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶液との混合樹脂
溶液を遠心注型法により成膜して得られることを特徴と
する。
【0009】芳香族ポリイミド系樹脂、特にポリ(4,
4´−オキシジフェニレンピロメリットイミド)樹脂
は、約 200℃付近から機械的特性の低下がみられる。ま
た、一般に芳香族ポリイミド樹脂は、ポリアミック酸の
脱水・閉環反応を経て成膜されるため、他の樹脂とのブ
レンドが困難である。本発明は、芳香族ポリイミド樹脂
に芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂を配合すると、容
易に相互に配合でき、また、高温での機械的特性の低下
が抑えられる。さらに、特に金属微粉末を配合した場合
であっても混合溶液とすることにより、遠心注型法によ
る製造装置から成膜したシームレスベルトの剥離が容易
となる。剥離が容易となる原因としては、ポリアミック
酸に存在するカルボキシル基の濃度が相対的に少なくな
り、あるいはベンズイミダゾール環との相互作用によ
り、成膜時に製造装置である円筒金型との付着力が弱め
られたものと考えられる。本発明はこのような知見に基
づきなされたものである。
4´−オキシジフェニレンピロメリットイミド)樹脂
は、約 200℃付近から機械的特性の低下がみられる。ま
た、一般に芳香族ポリイミド樹脂は、ポリアミック酸の
脱水・閉環反応を経て成膜されるため、他の樹脂とのブ
レンドが困難である。本発明は、芳香族ポリイミド樹脂
に芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂を配合すると、容
易に相互に配合でき、また、高温での機械的特性の低下
が抑えられる。さらに、特に金属微粉末を配合した場合
であっても混合溶液とすることにより、遠心注型法によ
る製造装置から成膜したシームレスベルトの剥離が容易
となる。剥離が容易となる原因としては、ポリアミック
酸に存在するカルボキシル基の濃度が相対的に少なくな
り、あるいはベンズイミダゾール環との相互作用によ
り、成膜時に製造装置である円筒金型との付着力が弱め
られたものと考えられる。本発明はこのような知見に基
づきなされたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のシームレスベルトを図1
および図2により説明する。図1および図2はシームレ
スベルトの厚さ方向部分拡大断面図である。シームレス
ベルト1は樹脂フィルム2から形成され、樹脂フィルム
2が芳香族ポリイミド樹脂と芳香族ポリベンズイミダゾ
ール樹脂との混合樹脂フィルムである。また、混合樹脂
フィルム2の外周表面層に金属微粉末3が外周表面2a
に近くなるにしたがって濃度が高くなるように傾斜して
分散配合されている。シームレスベルト1は、図2に示
すように、さらに外周表面2aに金属メッキ層4を設け
ることができる。
および図2により説明する。図1および図2はシームレ
スベルトの厚さ方向部分拡大断面図である。シームレス
ベルト1は樹脂フィルム2から形成され、樹脂フィルム
2が芳香族ポリイミド樹脂と芳香族ポリベンズイミダゾ
ール樹脂との混合樹脂フィルムである。また、混合樹脂
フィルム2の外周表面層に金属微粉末3が外周表面2a
に近くなるにしたがって濃度が高くなるように傾斜して
分散配合されている。シームレスベルト1は、図2に示
すように、さらに外周表面2aに金属メッキ層4を設け
ることができる。
【0011】混合樹脂フィルムを構成する芳香族ポリイ
ミド樹脂は、化1で示す繰り返し単位を有する樹脂であ
り、R1は芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体の
残基であり、R2は芳香族ジアミンまたはその誘導体の
残基である。そのようなR1またはR2としては、フェニ
ル基、ナフチル基、ジフェニル基、およびこれらがメチ
レン基、エーテル基、カルボニル基、スルホン基等の連
結基で連結されている芳香族基が挙げられる。R1およ
びR2は、同一であっても異なっていてもよい。
ミド樹脂は、化1で示す繰り返し単位を有する樹脂であ
り、R1は芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体の
残基であり、R2は芳香族ジアミンまたはその誘導体の
残基である。そのようなR1またはR2としては、フェニ
ル基、ナフチル基、ジフェニル基、およびこれらがメチ
レン基、エーテル基、カルボニル基、スルホン基等の連
結基で連結されている芳香族基が挙げられる。R1およ
びR2は、同一であっても異なっていてもよい。
【0012】
【化1】
【0013】芳香族テトラカルボン酸またはその誘導体
の例としては、ピロメリット酸二無水物、2,2´,
3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)メタン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独ある
いは混合して用いられる。芳香族ジアミンまたはその誘
導体の例としては、4,4´−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4
´−ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミンなどのジアミン類またはジ
イソシアネート類が挙げられる。
の例としては、ピロメリット酸二無水物、2,2´,
3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)メタン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独ある
いは混合して用いられる。芳香族ジアミンまたはその誘
導体の例としては、4,4´−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4
´−ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミンなどのジアミン類またはジ
イソシアネート類が挙げられる。
【0014】本発明のシームレスベルトを遠心注型法に
より製造する場合、芳香族ポリイミド樹脂溶液であるワ
ニスの状態で準備する。ワニスとしては、例えば上記芳
香族酸二無水物と芳香族ジアミンとを非プロトン系極性
溶媒中で反応させて得られるポリアミック酸ワニスが挙
げられる。ポリアミック酸ワニスは、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等
の非プロトン系極性溶媒を主成分とする溶媒に芳香族ジ
アミンを溶解させ、反応熱による温度上昇を抑えるため
に反応系を冷却しながら、略室温以下の温度で当量の芳
香族酸二無水物を粉末で添加して付加反応させて得られ
る。このポリアミック酸ワニスよりフィルムを成膜した
後加熱することにより、あるいは無水酢酸とピリジンと
の混合溶媒に浸漬することにより、閉環反応が生じ芳香
族ポリイミド樹脂フィルムが得られる。化2にその過程
を示す。
より製造する場合、芳香族ポリイミド樹脂溶液であるワ
ニスの状態で準備する。ワニスとしては、例えば上記芳
香族酸二無水物と芳香族ジアミンとを非プロトン系極性
溶媒中で反応させて得られるポリアミック酸ワニスが挙
げられる。ポリアミック酸ワニスは、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等
の非プロトン系極性溶媒を主成分とする溶媒に芳香族ジ
アミンを溶解させ、反応熱による温度上昇を抑えるため
に反応系を冷却しながら、略室温以下の温度で当量の芳
香族酸二無水物を粉末で添加して付加反応させて得られ
る。このポリアミック酸ワニスよりフィルムを成膜した
後加熱することにより、あるいは無水酢酸とピリジンと
の混合溶媒に浸漬することにより、閉環反応が生じ芳香
族ポリイミド樹脂フィルムが得られる。化2にその過程
を示す。
【0015】
【化2】
【0016】上記過程を経る理由は、芳香族ポリイミド
樹脂が濃硫酸などを除いて一般の溶媒に溶解しないため
である。このため、ポリアミック酸ワニスの状態におい
ては、閉環していないカルボキシル基が存在し、金属イ
オンなどと錯体を形成しやすくなる。本発明は、フィル
ム成膜時において、芳香族ポリアミック酸樹脂ワニスと
芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂ワニスとを混合する
ことにより、上記カルボキシル基濃度が相対的に減少
し、金属微粉末を配合しても、遠心注型装置から容易に
剥離できるものと考えられる。
樹脂が濃硫酸などを除いて一般の溶媒に溶解しないため
である。このため、ポリアミック酸ワニスの状態におい
ては、閉環していないカルボキシル基が存在し、金属イ
オンなどと錯体を形成しやすくなる。本発明は、フィル
ム成膜時において、芳香族ポリアミック酸樹脂ワニスと
芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂ワニスとを混合する
ことにより、上記カルボキシル基濃度が相対的に減少
し、金属微粉末を配合しても、遠心注型装置から容易に
剥離できるものと考えられる。
【0017】芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂は、化
3で示す繰り返し単位を有する樹脂であり、R3は芳香
族環上互いにオルト位置にある二対のアミノ基を有する
芳香族テトラアミンまたはその誘導体の残基であり、R
4は芳香族ジカルボン酸またはその誘導体の残基であ
る。そのような残基としては、フェニル基、ナフチル
基、ジフェニル基、およびこれらがメチレン基、エーテ
ル基、カルボニル基、スルホン基等の連結基で連結され
ている芳香族基が挙げられる。
3で示す繰り返し単位を有する樹脂であり、R3は芳香
族環上互いにオルト位置にある二対のアミノ基を有する
芳香族テトラアミンまたはその誘導体の残基であり、R
4は芳香族ジカルボン酸またはその誘導体の残基であ
る。そのような残基としては、フェニル基、ナフチル
基、ジフェニル基、およびこれらがメチレン基、エーテ
ル基、カルボニル基、スルホン基等の連結基で連結され
ている芳香族基が挙げられる。
【0018】
【化3】
【0019】芳香族テトラアミンと芳香族ジカルボン酸
とを一段階および/または二段階で重縮合することによ
り得られる樹脂を非プロトン系極性溶媒を主成分とする
溶媒に溶解させることにより芳香族ポリベンズイミダゾ
ール樹脂溶液であるワニスが得られる。
とを一段階および/または二段階で重縮合することによ
り得られる樹脂を非プロトン系極性溶媒を主成分とする
溶媒に溶解させることにより芳香族ポリベンズイミダゾ
ール樹脂溶液であるワニスが得られる。
【0020】芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と芳香族ポ
リベンズイミダゾール樹脂溶液との混合方法は種々の方
法を採用できる。例えば、両溶液同士を直接混合する。
芳香族ポリアミック酸樹脂溶液に粉末状の芳香族ポリベ
ンズイミダゾール樹脂を溶解させる。あるいは、芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂溶液中に、芳香族ジアミン
を溶解させ反応系を冷却しながら当量の芳香族酸二無水
物を粉末で添加する。これらの方法の中で両溶液同士を
直接混合する方法が簡易な方法であり好ましい方法であ
る。
リベンズイミダゾール樹脂溶液との混合方法は種々の方
法を採用できる。例えば、両溶液同士を直接混合する。
芳香族ポリアミック酸樹脂溶液に粉末状の芳香族ポリベ
ンズイミダゾール樹脂を溶解させる。あるいは、芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂溶液中に、芳香族ジアミン
を溶解させ反応系を冷却しながら当量の芳香族酸二無水
物を粉末で添加する。これらの方法の中で両溶液同士を
直接混合する方法が簡易な方法であり好ましい方法であ
る。
【0021】芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と芳香族ポ
リベンズイミダゾール樹脂溶液との配合割合は、混合樹
脂フィルムを成膜したときに、該樹脂フィルムの 200℃
における引張り強さが、 25℃における引張り強さの 80
%以上維持できる範囲とする。具体的には、成膜後の
混合樹脂フィルム全体に対して、芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂を固形分樹脂比率で 10重量%以上、好ま
しくは 20重量%以上配合する。芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂の配合上限は 50 重量%が好ましい。芳香
族ポリベンズイミダゾール樹脂が 10重量%未満である
と、 200℃における引張り強さが 25℃における引張り
強さの 80 %以上を維持できない。また、50 重量%を
こえると、吸湿による寸法変化およびコスト上昇の問題
が生じる。
リベンズイミダゾール樹脂溶液との配合割合は、混合樹
脂フィルムを成膜したときに、該樹脂フィルムの 200℃
における引張り強さが、 25℃における引張り強さの 80
%以上維持できる範囲とする。具体的には、成膜後の
混合樹脂フィルム全体に対して、芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂を固形分樹脂比率で 10重量%以上、好ま
しくは 20重量%以上配合する。芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂の配合上限は 50 重量%が好ましい。芳香
族ポリベンズイミダゾール樹脂が 10重量%未満である
と、 200℃における引張り強さが 25℃における引張り
強さの 80 %以上を維持できない。また、50 重量%を
こえると、吸湿による寸法変化およびコスト上昇の問題
が生じる。
【0022】本発明は、上記樹脂溶液に金属微粉末を配
合できる。金属微粉末を配合して遠心注型法により成膜
することで、シームレスベルトの外周表面に近くなるに
したがって金属微粉末の濃度が高くなるように傾斜して
外周表面層に金属微粉末が分散固定される。使用できる
金属微粉末としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケ
ル、アルミニウム等の金属微粉末が挙げられる。後述す
る無電解メッキ処理を行なうためには銅、パラジウム、
ニッケル微粉末が好ましい。金属微粉末の粒径として
は、 0.01〜80μm 、好ましくは 1〜50μm である。 0.
01μm より小さいと、金属微粉末の濃度傾斜が十分とな
らず、80μm より大きくなると、シームレスベルトの表
面平滑性が劣る。金属微粉末の配合割合は、金属微粉末
を配合した混合樹脂全体に対して、1〜80重量%、好ま
しくは 10〜50 重量%である。 1 重量%未満である
と、前処理を施さないと無電解メッキ処理ができなく、
また 80重量%をこえると、シームレスベルトの表面平
滑性が劣り、また機械的強度が極端に低下する。
合できる。金属微粉末を配合して遠心注型法により成膜
することで、シームレスベルトの外周表面に近くなるに
したがって金属微粉末の濃度が高くなるように傾斜して
外周表面層に金属微粉末が分散固定される。使用できる
金属微粉末としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケ
ル、アルミニウム等の金属微粉末が挙げられる。後述す
る無電解メッキ処理を行なうためには銅、パラジウム、
ニッケル微粉末が好ましい。金属微粉末の粒径として
は、 0.01〜80μm 、好ましくは 1〜50μm である。 0.
01μm より小さいと、金属微粉末の濃度傾斜が十分とな
らず、80μm より大きくなると、シームレスベルトの表
面平滑性が劣る。金属微粉末の配合割合は、金属微粉末
を配合した混合樹脂全体に対して、1〜80重量%、好ま
しくは 10〜50 重量%である。 1 重量%未満である
と、前処理を施さないと無電解メッキ処理ができなく、
また 80重量%をこえると、シームレスベルトの表面平
滑性が劣り、また機械的強度が極端に低下する。
【0023】シームレスベルトの外周表面に金属メッキ
層を設けることができる。金属メッキ層を設けることに
より熱伝導性を向上させ、あるいはシームレスベルトの
電位を接地電位とできる。金属メッキ層を設ける混合樹
脂フィルムは、上記混合樹脂フィルム単独、あるいは外
周表面層に金属微粉末が分散配合された混合樹脂フィル
ムのいずれでもよい。混合樹脂フィルム単独の場合、所
定の前処理や活性化処理を施した後に無電解メッキを施
す。金属微粉末が分散配合された混合樹脂フィルムの場
合は、直接あるいは所定の前処理や活性化処理を施した
後に無電解メッキを施す。なお、金属微粉末の配合割合
によっては直接電気メッキを施すことができる。金属微
粉末が分散配合された混合樹脂フィルムを使用すること
により、樹脂フィルムとの接着力に優れたメッキ層が得
られるため、本発明に好適である。
層を設けることができる。金属メッキ層を設けることに
より熱伝導性を向上させ、あるいはシームレスベルトの
電位を接地電位とできる。金属メッキ層を設ける混合樹
脂フィルムは、上記混合樹脂フィルム単独、あるいは外
周表面層に金属微粉末が分散配合された混合樹脂フィル
ムのいずれでもよい。混合樹脂フィルム単独の場合、所
定の前処理や活性化処理を施した後に無電解メッキを施
す。金属微粉末が分散配合された混合樹脂フィルムの場
合は、直接あるいは所定の前処理や活性化処理を施した
後に無電解メッキを施す。なお、金属微粉末の配合割合
によっては直接電気メッキを施すことができる。金属微
粉末が分散配合された混合樹脂フィルムを使用すること
により、樹脂フィルムとの接着力に優れたメッキ層が得
られるため、本発明に好適である。
【0024】無電解メッキは、次亜リン酸ナトリウム、
次亜硫酸ナトリウムなどの還元剤と、銅イオン、ニッケ
ルイオン等の金属イオンとを少なくとも含む無電解メッ
キ液に樹脂フィルムを浸漬、加熱して、その表面を金属
メッキする公知の方法が採用できる。なお、無電解メッ
キ液には、酒石酸塩、クエン酸塩、ロッシェル塩、エチ
レンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム
などの錯化剤、pH緩衝剤が配合される。また、無電解
メッキを施した後に電気メッキを行なうことができる。
次亜硫酸ナトリウムなどの還元剤と、銅イオン、ニッケ
ルイオン等の金属イオンとを少なくとも含む無電解メッ
キ液に樹脂フィルムを浸漬、加熱して、その表面を金属
メッキする公知の方法が採用できる。なお、無電解メッ
キ液には、酒石酸塩、クエン酸塩、ロッシェル塩、エチ
レンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム
などの錯化剤、pH緩衝剤が配合される。また、無電解
メッキを施した後に電気メッキを行なうことができる。
【0025】本発明のシームレスベルトは、少なくとも
芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂溶液との混合樹脂溶液を遠心注型法により
成膜して得られる。遠心注型法は、所定の幅と内径を有
する回転ドラムの内部に混合樹脂溶液を注入して、この
回転ドラムを所定の回転数で回転させつつ減圧しながら
加熱することにより、回転ドラム内面にシームレスの樹
脂フィルムを形成する方法である。混合樹脂溶液から蒸
発した溶媒は回転ドラムに流入する空気流により回転ド
ラム外に排出される。シームレスの樹脂フィルムは、回
転ドラムから取り出した後に、さらに加熱硬化させても
よい。
芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と芳香族ポリベンズイミ
ダゾール樹脂溶液との混合樹脂溶液を遠心注型法により
成膜して得られる。遠心注型法は、所定の幅と内径を有
する回転ドラムの内部に混合樹脂溶液を注入して、この
回転ドラムを所定の回転数で回転させつつ減圧しながら
加熱することにより、回転ドラム内面にシームレスの樹
脂フィルムを形成する方法である。混合樹脂溶液から蒸
発した溶媒は回転ドラムに流入する空気流により回転ド
ラム外に排出される。シームレスの樹脂フィルムは、回
転ドラムから取り出した後に、さらに加熱硬化させても
よい。
【0026】遠心注型による成膜条件は、回転円筒の大
きさ、シームレスベルトの厚さ、溶媒の種類や粘度など
の混合樹脂溶液特性、金属微粉末の種類や配合量によ
り、最適条件が設定される。例えば、内径φ30mm、長さ
360mmの回転円筒を用いる場合、混合樹脂溶液の粘度は
1〜4 Pa・s、減圧度は-400〜-750mmHg、回転数は 3000〜
7500rpm、空気流量は 0.1〜1 リットル/分、ドラム温
度は 70〜120℃が好ましい。また、回転ドラムから取り
出した後の加熱条件としては、約 350℃で約 30分間が
好ましい。上記条件とすることにより、芳香族ポリアミ
ック酸樹脂溶液と芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶
液との混合樹脂溶液から成膜されるシームレスフィルム
が回転ドラム内面に接着することなく容易に取り出せる
とともに、高温度下において機械的特性の低下が少なく
なる。また、金属微粉末をシームレスベルトの厚さ方向
に効率よく傾斜分散させるための混合樹脂溶液の粘度と
しては 2〜3Pa・sが好ましい。
きさ、シームレスベルトの厚さ、溶媒の種類や粘度など
の混合樹脂溶液特性、金属微粉末の種類や配合量によ
り、最適条件が設定される。例えば、内径φ30mm、長さ
360mmの回転円筒を用いる場合、混合樹脂溶液の粘度は
1〜4 Pa・s、減圧度は-400〜-750mmHg、回転数は 3000〜
7500rpm、空気流量は 0.1〜1 リットル/分、ドラム温
度は 70〜120℃が好ましい。また、回転ドラムから取り
出した後の加熱条件としては、約 350℃で約 30分間が
好ましい。上記条件とすることにより、芳香族ポリアミ
ック酸樹脂溶液と芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶
液との混合樹脂溶液から成膜されるシームレスフィルム
が回転ドラム内面に接着することなく容易に取り出せる
とともに、高温度下において機械的特性の低下が少なく
なる。また、金属微粉末をシームレスベルトの厚さ方向
に効率よく傾斜分散させるための混合樹脂溶液の粘度と
しては 2〜3Pa・sが好ましい。
【0027】
【実施例】実施例1 芳香族ポリイミドワニス(宇部興産(株)製、ポリアミ
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 17.8g
と、芳香族ポリベンゾイミダゾールワニス(クラリアン
トジャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 8.
O gとを混合させた後、ジメチルアセトアミド 14.2gで
稀釈して混合樹脂溶液を得た。得られた混合樹脂溶液の
粘度は 3 Pa・sであり、芳香族ポリイミド樹脂と芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂との重量比率は 8:2 であ
る。得られた溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入
し、減圧度 -560mmHg、回転数 4000rpm、空気流量 0.5
リットル/分、周囲温度 90℃で回転させて、フィルムを
得た。このフィルムを 370℃に上昇したオーブンに入
れ、20分間放置後取り出して、混合樹脂フィルムからな
る厚さ 80μm のシームレスベルトを得た。このシーム
レスベルトから試験片を作製して、ASTM D882
−64Tに準じて 25℃および 200℃における引張り強
さを測定した。結果を表1に示す。
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 17.8g
と、芳香族ポリベンゾイミダゾールワニス(クラリアン
トジャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 8.
O gとを混合させた後、ジメチルアセトアミド 14.2gで
稀釈して混合樹脂溶液を得た。得られた混合樹脂溶液の
粘度は 3 Pa・sであり、芳香族ポリイミド樹脂と芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂との重量比率は 8:2 であ
る。得られた溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入
し、減圧度 -560mmHg、回転数 4000rpm、空気流量 0.5
リットル/分、周囲温度 90℃で回転させて、フィルムを
得た。このフィルムを 370℃に上昇したオーブンに入
れ、20分間放置後取り出して、混合樹脂フィルムからな
る厚さ 80μm のシームレスベルトを得た。このシーム
レスベルトから試験片を作製して、ASTM D882
−64Tに準じて 25℃および 200℃における引張り強
さを測定した。結果を表1に示す。
【0028】実施例2 芳香族ポリイミドワニス(宇部興産(株)製、ポリアミ
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 13.3g
と、芳香族ポリベンゾイミダゾールワニス(クラリアン
トジャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 1
6.0gとを混合させた後、ジメチルアセトアミド 10.7gで
稀釈して混合樹脂溶液を得た。得られた混合樹脂溶液の
粘度は 2 Pa・sであり、芳香族ポリイミド樹脂と芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂との重量比率は 6:4 であ
る。実施例1と同一の遠心成型法により混合樹脂フィル
ムからなる厚さ 80μm のシームレスベルトを得て、実
施例1と同一の条件で引張り強さを測定した。結果を表
1に示す。
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 13.3g
と、芳香族ポリベンゾイミダゾールワニス(クラリアン
トジャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 1
6.0gとを混合させた後、ジメチルアセトアミド 10.7gで
稀釈して混合樹脂溶液を得た。得られた混合樹脂溶液の
粘度は 2 Pa・sであり、芳香族ポリイミド樹脂と芳香族
ポリベンズイミダゾール樹脂との重量比率は 6:4 であ
る。実施例1と同一の遠心成型法により混合樹脂フィル
ムからなる厚さ 80μm のシームレスベルトを得て、実
施例1と同一の条件で引張り強さを測定した。結果を表
1に示す。
【0029】比較例1 芳香族ポリベンゾイミダゾールワニス(クラリアントジ
ャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 40.0g
を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入し、減圧度 -560m
mHg、回転数 4000rpm、空気流量 0.5リットル/分、周囲
温度 90℃で回転させて、フィルムを得た。このフィル
ムを 350℃に上昇したオーブンに入れ、15分間放置後取
り出して、厚さ 80μm のシームレスベルトを得た。実
施例1と同一の条件で引張り強さを測定した。結果を表
1に示す。
ャパン(株)製、固形分濃度:10 重量%)溶液 40.0g
を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入し、減圧度 -560m
mHg、回転数 4000rpm、空気流量 0.5リットル/分、周囲
温度 90℃で回転させて、フィルムを得た。このフィル
ムを 350℃に上昇したオーブンに入れ、15分間放置後取
り出して、厚さ 80μm のシームレスベルトを得た。実
施例1と同一の条件で引張り強さを測定した。結果を表
1に示す。
【0030】比較例2 芳香族ポリイミドワニス(宇部興産(株)製、ポリアミ
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 22.2gを
ジメチルアセトアミド 17.8gで稀釈し、ポリイミド溶液
を調製した。この溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に
注入し、減圧度-560mmHg、回転数 4000rpm、空気流量
0.5リットル/分、周囲温度 90℃で回転させて、フィル
ムを得た。このフィルムを 200℃に上昇したオーブンに
15 分間入れ、段階的に温度を上昇させ最終 370℃に 2
0 分間放置後取り出して、厚さ 80μm のシームレスベ
ルトを得た。実施例1と同一の条件で引張り強さを測定
した。結果を表1に示す。
ック酸としての固形分濃度:18 重量%)溶液 22.2gを
ジメチルアセトアミド 17.8gで稀釈し、ポリイミド溶液
を調製した。この溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に
注入し、減圧度-560mmHg、回転数 4000rpm、空気流量
0.5リットル/分、周囲温度 90℃で回転させて、フィル
ムを得た。このフィルムを 200℃に上昇したオーブンに
15 分間入れ、段階的に温度を上昇させ最終 370℃に 2
0 分間放置後取り出して、厚さ 80μm のシームレスベ
ルトを得た。実施例1と同一の条件で引張り強さを測定
した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示すように、実施例1および実施例
2で得られたシームレスベルトは、200℃における引張
り強さが、 25℃における引張り強さの 80 %以上あ
り、高温における機械的特性が優れていた。一方比較例
2は、 200℃における引張り強さの低下が大きかった。
なお、比較例1で得られたシームレスベルトは、実施例
1および実施例2で得られたシームレスベルトに比較し
て、吸水による寸法変化が大きく、また樹脂材料コスト
が高かった。
2で得られたシームレスベルトは、200℃における引張
り強さが、 25℃における引張り強さの 80 %以上あ
り、高温における機械的特性が優れていた。一方比較例
2は、 200℃における引張り強さの低下が大きかった。
なお、比較例1で得られたシームレスベルトは、実施例
1および実施例2で得られたシームレスベルトに比較し
て、吸水による寸法変化が大きく、また樹脂材料コスト
が高かった。
【0033】実施例3 実施例1と同一の配合割合で混合樹脂溶液を調製した。
この混合樹脂溶液に、平均粒径 20 μm の銅微粉末(F
CC−2000、福田金属(株)製)0.4gを添加し、ス
ターラで 30 分撹拌した後、円筒金型の回転数を 6000
rpm とする以外は実施例1と同一つの条件で、外周表面
層に銅微粉末が傾斜分散配合したシームレスベルトを得
た。得られたシームレスベルトは円筒金型の内面から容
易に取り出すことができた。また、無電解銅メッキ液に
浸漬することにより、シームレスベルト外周表面に銅メ
ッキを施したところ容易に銅メッキ膜が形成した。
この混合樹脂溶液に、平均粒径 20 μm の銅微粉末(F
CC−2000、福田金属(株)製)0.4gを添加し、ス
ターラで 30 分撹拌した後、円筒金型の回転数を 6000
rpm とする以外は実施例1と同一つの条件で、外周表面
層に銅微粉末が傾斜分散配合したシームレスベルトを得
た。得られたシームレスベルトは円筒金型の内面から容
易に取り出すことができた。また、無電解銅メッキ液に
浸漬することにより、シームレスベルト外周表面に銅メ
ッキを施したところ容易に銅メッキ膜が形成した。
【0034】実施例4 平均粒径 50 μm の銅微粉末(FCC−2000、福田
金属(株)製)1.2gを添加する以外は、実施例3と同一
の条件で外周表面層に銅微粉末が傾斜分散配合したシー
ムレスベルトを得た。得られたシームレスベルトは円筒
金型の内面から容易に取り出すことができた。また、無
電解銅メッキ液に浸漬することにより、シームレスベル
ト外周表面に銅メッキを施したところ容易に銅メッキ膜
が形成した。
金属(株)製)1.2gを添加する以外は、実施例3と同一
の条件で外周表面層に銅微粉末が傾斜分散配合したシー
ムレスベルトを得た。得られたシームレスベルトは円筒
金型の内面から容易に取り出すことができた。また、無
電解銅メッキ液に浸漬することにより、シームレスベル
ト外周表面に銅メッキを施したところ容易に銅メッキ膜
が形成した。
【0035】比較例3 比較例2で調製したポリイミド樹脂溶液に、平均粒径 2
0 μm の銅微粉末(FCC−2000、福田金属(株)
製)0.4gを添加し、スターラで 30 分撹拌した後、この
溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入し、減圧度 -
560mmHg、回転数 6000rpm、空気流量 0.5リットル/分、
周囲温度 90℃で回転させて、フィルムを得た。このフ
ィルムを 200℃に上昇したオーブンに 15 分間入れ、段
階的に温度を上昇させ最終 370℃に 20 分間放置後取り
出してシームレスベルトを得た。得られたシームレスベ
ルトは円筒金型との接着力が優れ、金型内面から剥離で
きなかった。
0 μm の銅微粉末(FCC−2000、福田金属(株)
製)0.4gを添加し、スターラで 30 分撹拌した後、この
溶液を円筒金型(φ30mm× 360mm)に注入し、減圧度 -
560mmHg、回転数 6000rpm、空気流量 0.5リットル/分、
周囲温度 90℃で回転させて、フィルムを得た。このフ
ィルムを 200℃に上昇したオーブンに 15 分間入れ、段
階的に温度を上昇させ最終 370℃に 20 分間放置後取り
出してシームレスベルトを得た。得られたシームレスベ
ルトは円筒金型との接着力が優れ、金型内面から剥離で
きなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、芳香族ポリイミド樹脂と芳香
族ポリベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルムか
らなり、かつ 200℃における引張り強さが、 25℃にお
ける引張り強さの 80 %以上あるので、高温度下におい
ても室温との機械的特性変化の少ないシームレスベルト
が得られる。また、製造装置からシームレスベルトが剥
離しやすくなり、遠心注型法による生産性に優れる。ま
た、上記シームレスベルトの外周表面層に金属微粉末が
分散配合されているのでメッキ性が向上する。その結
果、外周表面へのメッキ層形成が容易となるので、熱伝
導性に優れる。
族ポリベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィルムか
らなり、かつ 200℃における引張り強さが、 25℃にお
ける引張り強さの 80 %以上あるので、高温度下におい
ても室温との機械的特性変化の少ないシームレスベルト
が得られる。また、製造装置からシームレスベルトが剥
離しやすくなり、遠心注型法による生産性に優れる。ま
た、上記シームレスベルトの外周表面層に金属微粉末が
分散配合されているのでメッキ性が向上する。その結
果、外周表面へのメッキ層形成が容易となるので、熱伝
導性に優れる。
【0037】上記シームレスベルトを構成する混合樹脂
フィルムが少なくとも芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と
芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶液との混合樹脂溶
液を遠心注型法により成膜して得られるので、耐熱性に
優れ、プリンターや複写機などの小型化・軽量化や、定
着速度の高速化に対応したシームレスベルトが得られ
る。
フィルムが少なくとも芳香族ポリアミック酸樹脂溶液と
芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂溶液との混合樹脂溶
液を遠心注型法により成膜して得られるので、耐熱性に
優れ、プリンターや複写機などの小型化・軽量化や、定
着速度の高速化に対応したシームレスベルトが得られ
る。
【図1】シームレスベルトの厚さ方向部分拡大断面図で
ある。
ある。
【図2】金属メッキ層を有するシームレスベルトの厚さ
方向部分拡大断面図である。
方向部分拡大断面図である。
1 シームレスベルト 2 樹脂フィルム 3 金属微粉末 4 金属メッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65G 15/32 B65G 15/32 B29K 77:00 B29K 77:00 Fターム(参考) 2H033 AA20 BA12 BE03 3F024 AA07 BA03 CB02 CB06 4F071 AA60 AA69 AB07 AB08 AB09 AH16 AH17 BA02 BB01 BB02 BC01 4F213 AA29 AD03 AD08 AG03 AG16 AH12 WA12 WA53 WA58 WA73 WA74 WA97 WB01 WC01 4J002 CM02X CM04W DA066 DA076 DA086 DA096 GM01
Claims (4)
- 【請求項1】 樹脂フィルムからなるシームレスベルト
において、前記樹脂フィルムが芳香族ポリイミド樹脂と
芳香族ポリベンズイミダゾール樹脂との混合樹脂フィル
ムであり、該樹脂フィルムの 200℃における引張り強さ
が、 25℃における引張り強さの 80 %以上あることを
特徴とするシームレスベルト。 - 【請求項2】 シームレスベルトの外周表面層に金属微
粉末が分散配合されていることを特徴とする請求項1記
載のシームレスベルト。 - 【請求項3】 シームレスベルトの外周表面にメッキ層
を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載
のシームレスベルト。 - 【請求項4】 前記混合樹脂フィルムは、少なくとも芳
香族ポリアミック酸樹脂溶液と芳香族ポリベンズイミダ
ゾール樹脂溶液との混合樹脂溶液を遠心注型法により成
膜して得られることを特徴とする請求項1、請求項2ま
たは請求項3記載のシームレスベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000353360A JP3428579B2 (ja) | 2000-11-20 | 2000-11-20 | シームレスベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000353360A JP3428579B2 (ja) | 2000-11-20 | 2000-11-20 | シームレスベルト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002156850A true JP2002156850A (ja) | 2002-05-31 |
JP3428579B2 JP3428579B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=18826137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006071833A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置、定着ベルト及び定着ベルトの製造方法 |
JP2006290967A (ja) * | 2005-04-07 | 2006-10-26 | Ube Ind Ltd | ポリマ−ブレンド、フィルムおよび積層体 |
JP2008096536A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置、機能性膜及びその製造方法、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、並びに、搬送装置 |
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JP2013103500A (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Xerox Corp | フューザー部材 |
WO2014037814A3 (en) * | 2012-09-07 | 2014-07-03 | Funai Electric Co., Ltd. | Systems and methods for printing on a substrate |
KR20150036996A (ko) * | 2013-09-30 | 2015-04-08 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 발열 정착벨트 및 이의 제조방법 |
-
2000
- 2000-11-20 JP JP2000353360A patent/JP3428579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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CN104602918A (zh) * | 2012-09-07 | 2015-05-06 | 船井电机株式会社 | 用于在基材上打印的系统和方法 |
KR20150036996A (ko) * | 2013-09-30 | 2015-04-08 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 발열 정착벨트 및 이의 제조방법 |
KR101592983B1 (ko) | 2013-09-30 | 2016-02-11 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 발열 정착벨트 및 이의 제조방법 |
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JP3428579B2 (ja) | 2003-07-22 |
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