JP2002155356A - 円筒状ターゲット及びその製造方法 - Google Patents
円筒状ターゲット及びその製造方法Info
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Abstract
円筒状ターゲットにおいて、ターゲット材料と、これを
支持するバッキングチューブの材料選択の可能性を広げ
るとともに、製造の簡易化と再利用化を可能にする。 【解決手段】内筒である金属製のバッキングチューブ1
6と、外筒である円筒形状のターゲット材料20の間に
カーボンフェルト等の緩衝部材52を介在させることに
より、両者を接合して円筒状ターゲット14を得る。
Description
られるマグネトロンスパッタリング装置(特に、直流マ
グネトロンスパッタリング装置)に適用される円筒状タ
ーゲットの構造及びその製造方法に関する。
を形成する技術の一つとしてマグネトロンスパッタリン
グ法が知られている。特表平5−501587号公報に
は、回転する円筒形のターゲットを使用するスパッタリ
ングシステムが開示されている。この装置は、円筒状タ
ーゲットの内側に磁石を有し、ターゲットの内側から冷
却しつつ、ターゲットを回転させながらスパッタを行う
ものである。円筒状ターゲットは、平板形状(プレーナ
ー型)ターゲットと比較して使用効率が高く、高速成膜
が可能であるという利点がある。
平5−214525号公報には、ステンレスやチタンな
どのバッキングチューブの外表面に、膜の材料となるス
パッタすべきターゲット材料をプラズマ溶射法により付
着形成する方法が開示されている。また、バッキングチ
ューブの外表面周囲に、円筒状に製造されたターゲット
材料を配置して両者の間にインジュウム等の金属を挿入
して接合する方法や、バッキングチューブに相当する部
分をターゲット材料で一体的に形成する方法なども知ら
れている。
の場合、溶射可能な材料とバッキングチューブの材料と
の相性(例えば、熱膨張差)によってターゲット材料あ
るいはバッキンブチューブ材料が限定されるという欠点
がある。インジュウム等で接合する方法は、バッキング
チューブの外周面とターゲット材料の内周面に表面処理
が必要である上、接合部にインジュウムを溶かし入れる
ための加熱装置も必要で、溶けたインジュウムが漏れな
いような工夫も必要となる。更に、ターゲット材料がセ
ラミックス製の場合には、一般的にターゲット材料の熱
膨張率の方が金属製のバッキングチューブ及び接合材で
あるインジュウムよりも小さいために、接合後の冷却時
の収縮差により接合部に隙間ができてしまうという不具
合が生じる。
消耗したときはターゲットを交換することになるが、溶
射法又はインジュウム接合法で製造されたターゲットの
場合、バッキングチューブとターゲット材料の分離が困
難で、バッキングチューブの再利用(リサイクル)にも
適さない。
をターゲット材料で一体的に形成することも可能である
が、セラミックスや一部の金属材料では強度不足、ある
いは機械的な耐衝撃性が低いなどの理由により、一体型
ターゲットは構造体としての信頼性に欠ける。更に、高
価なターゲット材料を一体的に形成するのは、製造コス
ト上問題がある。
もので、ターゲット材料及びバッキングチューブの材料
選択の可能性を広げるとともに、製造の簡易化を図り、
再利用性を高めることができる円筒状ターゲット及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
に本発明に係る円筒状ターゲットは、円筒状のバッキン
グチューブの外周に中空円筒形状のターゲット材料が配
置されるとともに、前記バッキングチューブと前記ター
ゲット材料の間に緩衝部材を介して前記バッキングチュ
ーブと前記ターゲット材料とが接合されていることを特
徴としている。
ット材料と、これを支持するバッキングチューブ(ター
ゲットホルダー)の間に緩衝部材を介在させたので、両
者の熱膨張差による体積変化を緩衝部材によって吸収で
きる。したがって、ターゲット材料とバッキングチュー
ブの材質に関する組合せの自由度が広がり、より適切な
材料選択が可能となる。また、消耗したターゲット材料
をバッキングチューブから分離する作業も容易であり、
バッキングチューブの再利用が可能である。
に緩衝部材を設ける一態様として、圧縮変形可能なシー
ト状の緩衝部材をバッキングチューブとターゲット材料
の間に圧縮充填することが好ましい。なお、シート状の
緩衝部材は予め円筒状に加工され用いられてもよい。
電性シートを用いる態様がある。本発明の一態様によれ
ば、前記導電性フェルトとしてカーボンフェルトが適用
される。該カーボンフェルトは、緩衝性の観点から圧縮
充填前の初期状態(以下、単に初期状態という)の密度
が0.05〜0.5g/cm3 であることが好ましい。
状態の厚さが0.5〜10mmであり、圧縮充填時の圧
縮率が10〜80%となるものであることが好ましい。
また、該カーボンフェルトは導電性の観点から初期状態
における厚さ方向の体積固有抵抗が0.1〜100Ω・
cmであることが好ましい。
法を提供するために、本発明に係る円筒状ターゲットの
製造方法は、中空円筒形状を有するターゲット材料の内
面に緩衝部材を設け、これにバッキングチューブを挿嵌
し、当該挿入動作によって前記バッキングチューブの外
周面と前記ターゲット材料の内面との間に前記緩衝部材
を位置させることにより、前記ターゲット材料を前記バ
ッキングチューブと接合させて円筒状ターゲットを得る
ことを特徴としている。
ット材料の内面に圧縮変形可能なシート状の緩衝部材を
設け、前記バッキングチューブの挿入動作によって前記
緩衝部材を圧縮して前記バッキングチューブの外周面と
前記ターゲット材料の内面との間に前記緩衝部材を充填
する態様がある。
は、圧縮充填することにより、発塵しやすい状態となる
ので、スパッタリング中の発塵を防止するために、前記
ターゲット材料の両端内面部に耐熱性Oリングなどのシ
ール部材を配置することが望ましい。
る円筒状ターゲット及びその製造方法の好ましい実施の
形態について説明する。
トを用いるマグネトロンスパッタリングシステムの構成
について特表平5−501587号公報を援用しながら
概説する。図1は、円筒形マグネトロンスパッタリング
システムの構成図である。ただし、同図において符号1
4で示した円筒状ターゲットについては内部構造を示す
ために切断面図とした。プラズマが生成される密閉反応
室10内は真空が保たれ、成膜対象の基材12が設置さ
れる。本発明の円筒状ターゲット14においては、バッ
キングチューブ16の外周に中空円筒状のターゲット材
料20が配置されるとともに、バッキングチューブ16
とターゲット材料20との間に図2に示すような圧縮変
形可能なシート状の緩衝部材(本例では、導電性フェル
ト52)が圧縮充填されてバッキングチューブ16とタ
ーゲット材料20とが接合されている。なお、図1に示
したように、バッキングチューブ16内には磁石ユニッ
ト18が収容されている。バッキングチューブ16は、
水その他の冷却液が通されることにより冷却される。
チューブ16は、ターゲット駆動装置22により長手方
向の軸の回りに回転可能に支持されている。図1では、
平板状の基材12が水平に保持され、円筒状ターゲット
14の長手方向の軸も水平に保持されているが、基材1
2と円筒状ターゲット14の配置関係はこれに限定され
ない。
16の軸に沿って平行な3列の磁極24、26、28を
含む。磁極24、26及び28はそれぞれ、N極、S
極、及びN極を有するように配置され、磁力線はバッキ
ングチューブ16を貫通して反対の極性を有する隣接の
磁極に入る。この磁極配置により、磁気トンネルが生成
され、スパッタリング速度の高速化が達成されている。
カソード電位Vは、DC電源30から電力線32及び滑
り接点34を介してバッキングチューブ16に供給され
る。また、スパッタリングに必要な低圧を得るために、
密閉反応室10は図示せぬ真空ポンプと連結される出口
チューブ36を備えている。
要なガスを与えるためのガス供給手段が設けられてい
る。第1ガス供給チューブ40は図示せぬ不活性ガス源
から密閉反応室10内に配管されている。第1ガス供給
チューブ40に連結されたノズル44は、円筒状ターゲ
ット14の上部領域に不活性ガス(例えばアルゴンガ
ス)を分配する。密閉反応室10に導入された不活性ガ
スはイオン化され、磁場領域内で電場の影響下にターゲ
ット材料20の表面に衝突する。
応性ガス源から密閉反応室10内に配管されている。第
2ガス供給チューブ46に連結されたノズル50は、基
材12の付近にその幅方向にわたって反応性ガス(例え
ば、純酸素)を分配する。反応性ガスの分子は、イオン
衝撃の結果としてターゲット表面からスパッタリングさ
れた分子と化合して、基材12の表面に付着される所定
の分子を生成する。
ーゲットの斜視図であり、図3は図2の3−3線に沿う
断面図、図4はターゲット製造時の分解斜視図である。
これらの図面に示したように、円筒状ターゲット14
は、内筒である金属製のバッキングチューブ16と、外
筒である円筒形のターゲット材料20の間に緩衝部材と
しての導電性フェルト52を圧縮充填することにより両
者を接合して構成される。なお、導電性フェルト52に
代えて導電性シートを用いることも可能であるが、以下
の説明では、フェルトを例に説明する。
る金属製又はセラミックス製の中空円筒形状体であり、
例えば、長さ:0.4〜4m,外径:φ80〜150m
m,内径:φ60〜130mm,厚み:5〜10mmの
ものが用いられる。具体的には、Sn、Al、Zn、T
i、Ag、Mo、Si−Zr、Si−Snなどの金属、
ITO、SiC、AlドープZnO、SnドープZnO
などの導電性セラミックスが挙げられる。特に導電性セ
ラミックスが好ましい。ターゲット材料20を支持する
バッキングチューブ16は、ターゲット材料20の寸法
に対応して例えば、長さ:0.4〜4m,外径:φ60
〜130mm,内径:φ50〜120mm,厚み:2〜
5mmのものが用いられる。バッキングチューブ16の
材質としては、ステンレス、銅、チタン、モリブデンな
どの金属を使用できる。導電性フェルト52は、導電性
を有する繊維から成るフェルト性のシート材であり、例
えば、炭素繊維から成るカーボンフェルト(又はシー
ト)が適用される。
の内面に導電性フェルト52を設け(巻き付け)、これ
を専用の治具(不図示)を用いてバッキングチューブ1
6の外側に挿嵌する。これにより、導電性フェルト52
が圧縮され、ターゲット材料20とバッキングチューブ
16とが接合される。なお、バッキングチューブ16の
先端部には、挿入し易いようにテーパー治具17を取り
付けている。
ンフェルト又はカーボンシートの初期物性値の例を示
す。導電性フェルト(又はシート)52は、その初期物
性値(圧縮充填前の状態における物性値)として、ター
ゲット材料20内径とバッキングチューブ16外径の隙
間よりも大きい厚さを有するものが使用される。ターゲ
ット材料20とバッキングチューブ16の隙間寸法にバ
ラツキが大きい場合は、カーボンシートよりもクッショ
ン性の高いカーボンフェルトを使用することにより、隙
間全体に導電性物質を充填することができる。
好ましくは1〜5mm)のカーボンフェルトを、隙間
0.1〜8mm(より好ましくは、0.5〜2.5m
m)に圧縮充填することにより、バッキングチューブ1
6とターゲット材料20とを接合する。初期厚さが0.
5mmよりも小さいと、圧縮時のクッション効果が十分
に発揮できない。逆に、初期厚さが10mmよりも大き
いと、フェルトの特徴である断熱効果が大き過ぎるため
に、ターゲットとして使用したときにターゲット材料2
0の温度が異常に上昇して破損等の不具合の原因とな
り、更には、ターゲット材料20外径が大きく成りすぎ
るため装置上の寸法の制約から利用できなくなるという
問題が生じる。
80%(より好ましくは30〜60%)とする。圧縮率
が10%よりも小さいと充填密度が低すぎるために接合
強度不足となる。逆に、圧縮率が80%よりも大きいと
フェルトを構成している繊維が切断されて接合強度不足
となるか、若しくは充填密度が大きくなり過ぎるために
接合作業が困難となる。
ば、幅1m、長さ5mのロール状フェルト(又はシー
ト)から、ターゲット材料20の内側面積に合う寸法に
切断して使用する。ターゲット材料20の長さはバッキ
ングチューブ16の長さよりも若干短く形成する。ター
ゲット材料20は、図1で説明した基材12の幅方向の
長さ以上の長さ寸法を有する一体ものである必要はな
く、製造容易な適当な長さに分割して複数本のターゲッ
ト材料20を連結する構造としてもよい。例えば、図6
に示すように、長さ3mのバッキングチューブ16に対
し、長さ295mmのターゲット材料20を10本接合
する態様がある。
4によれば、金属製のバッキングチューブ16とセラミ
ックス製のターゲット材料20では熱膨張率に大きな差
があるが、両者の間に導電性フェルト52を位置させた
ことによって、その熱膨張差による寸法変化を導電性フ
ェルト52によって吸収できる。したがって、バッキン
グチューブ16とターゲット材料20の材質に関する組
合せの自由度が広がり、より適切な材料選択が可能とな
る。
ーゲット材料20をバッキングチューブ16から分離し
て、新しいターゲット材料20に交換する。本実施の形
態に係る円筒状ターゲット14は、消耗したターゲット
材料20の分離作業も容易であり、バッキングチューブ
16の再利用が可能である。
他のセラミックス製の中空円筒形状のターゲット材料2
0の場合、中空内面は加工し難く、いわゆる「焼き肌」
の状態では、寸法精度があまり良くない。しかしなが
ら、本例の円筒状ターゲット14は、ターゲット材料2
0とバッキングチューブ16の間にクッション性のある
導電性フェルト52を圧縮充填して両者を接合している
ので、ターゲット材料20の内面寸法に関して高い精度
が要求されない。したがって、内周面の二次加工などが
不要で製造が容易である。
の更に具体的な態様を説明する。
SiO2 薄膜を形成するための円筒状ターゲットを以下
のように製造した。
2mm、内径φ138mm、長さ220mmの寸法を有
する中空円筒形状のSi含浸SiC焼成体を製作し、こ
れを6本連結することにより、全長1320mmとし
た。なお、ターゲット材料20の内周面及び外周面は焼
き肌のままとし、焼成体両端面を切断加工して長さ22
0mmとした。内外径寸法精度は、焼成体製造時の変形
等により約±0.5mmであった。
チューブ16は、市販のSUS304製チューブ(JI
S G 3459の記載方法で135A(外径)×Sc
h40(厚さ))を用い、外径φ136mm、内径φ1
27mm、長さ1377mmの寸法に加工することによ
り製作した。
るバッキングチューブ16は、これらの間隙に厚さ(初
期状態の厚さ)2mmのカーボンフェルト(初期状態の
密度は0.12g/cm3 、初期状態の厚さ方向の体積
固有抵抗は8Ω・cm)を圧縮充填することにより接合
する構造とした。間隙は平均で1mmであるため、この
時のカーボンフェルトの圧縮率は50%となる。
5mのロール状フェルトから、ターゲット材料20の内
面積に合う寸法、すなわち430mm×220mmに切
断して使用した。
ーゲット材料20内面に設け(巻き付け)、これを専用
の治具を用いてバッキングチューブ16の外側に挿入す
ることにより行い、6本のターゲット材料20につきこ
の操作を繰り返すことにより全長1320mmのターゲ
ット材料の接合を完了した。
カーボンフェルトを設けた(巻き付けた)ターゲット材
料20を外周面で固定し、バッキングチューブ16をタ
ーゲット材料20と同軸となるようにセットして、油圧
によりバッキングチューブ16をターゲット材料20に
挿入できるようにしたものである。
ブ16の先端にテーパー状の治具(図4中符号17で示
した部材)を取り付けることにより、接合をスムースに
行うことができ、接合後はこのテーパー治具17は取り
外す。
トを直流マグネトロンスパッタリング装置に取り付けて
スパッタリングを行った。このときの背圧は1.3×1
0-3Pa、スパッタリング圧力は0.4Paとした。ま
た、スパッタリングガスとしては酸素/アルゴン=1/
1(体積比)の混合ガスを用いた。スパッタリングを行
っている間、安定した放電を確認し、またガラス基板
(図1の基材12に相当)上に所望のSiO2 薄膜が形
成されていることを確認した。
ゲット材料20は、前記した接合用専用治具を利用して
容易にバッキングチューブ16より取り外すことができ
るため、バッキングチューブ16は再利用が可能であ
る。
する。
状ターゲットの断面図である。図7において図3と同一
又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略
する。図7に示すように、緩衝部材たる導電性フェルト
52の発塵防止を確実にするためには、ターゲット材料
20の両端内面に段加工を施し、その段差部分20Aに
耐熱性Oリング53を配置することが望ましい。耐熱性
Oリング53の材質としては、ニトリルゴム、スチレン
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリアクリ
ルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等が上げられる。特
に耐熱性の高いシリコンゴム又はフッ素ゴムが好まし
い。耐熱性Oリングの内径はバッキングチューブ16の
外径よりもやや小さいものが好ましく、太さは2〜5m
mであることが好ましい。
具体的実施例を以下に述べる。
ング装置にてSiO2 薄膜を形成するための円筒状ター
ゲットを以下のように製造した。
2mm、内径φ138mm、長さ220mmの寸法を有
する中空円筒形状のSi含浸SiC焼成体を製作し、こ
れを6本連結することにより、全長1320mmとし
た。ターゲット材料20の内周面は焼き肌のままとし、
外周面は研削加工して、焼成体両端面を切断加工して長
さ220mmとし、更に、両端内面部に段加工した。内
径寸法精度は、焼成体製造時の変形等により約±0.5
mmであった。
チューブ16は、市販のSUS304製チューブ(JI
S G 3459の記載方法で135A(外径)×Sc
h40(厚さ))を用い、外径φ136mm、内径φ1
27mm、長さ1377mmの寸法に加工することによ
り製作した。
るバッキングチューブ16は、これらの間隙に厚さ(初
期状態の厚さ)2mmのカーボンフェルト(初期状態の
密度は0.12g/cm3 、初期状態の厚さ方向の体積
固有抵抗は8Ω・cm)を圧縮充填することにより接合
する構造とした。間隙は平均で1mmであるため、この
時のカーボンフェルトの圧縮率は50%となる。
5mのロール状フェルトから、ターゲット材料20の内
面積に合う寸法に切断して使用した。ターゲット材料2
0の両端内面部に配置される耐熱性Oリング53の太さ
を考慮し、長さ方向についてはターゲット材料20の長
さ寸法(220mm)よりも僅かに小さい寸法のカーボ
ンフェルトが使用される。
さ3mm,内径φ129mmの耐熱性Oリング53を用
いるものとし、この場合、段差部分20Aの寸法を耐熱
性Oリング53の太さよりもやや大きい5mmとする。
これに対応してカーボンフェルトは、430mm×21
0mmの寸法のものが使用される。
品をターゲット材料20内面に設け(巻き付け)、これ
を実施例1と同様に専用の治具によってバッキングチュ
ーブ16の外側に挿入し、更に、ターゲット材料20の
両端内面部に耐熱性Oリング53を配置し、図8に示し
たように、6本のターゲット材料20につきこの操作を
繰り返すことにより、全長1320mmのターゲット材
料の接合を完了した。
施例1と同様にスパッタリングできるとともに、耐熱性
Oリング53のシール効果により長期間にわたって発塵
を防止できるという利点がある。
ターゲット及びその製造方法によれば、中空円筒型ター
ゲット材料と、これを支持するバッキングチューブの間
にカーボンフェルト等の緩衝部材を介在させて両者を接
合する構造にしたので、ターゲット材料とバッキングチ
ューブの材質に関する組合せの制約が少なく、より適切
な材料選択が可能となる。また、本発明はターゲット材
料とバッキングチューブの接合作業並びに消耗したター
ゲット材料をバッキングチューブから分離する作業が容
易であり、バッキングチューブの再利用も可能であるた
め、製造コストの削減による経済的効果も大きい。
ターゲット材料とバッキングチューブの間を緩衝部材に
よって隙間なく満たすことができるため、接合部に隙間
が生じることがないという効果を有している。また、本
発明に係る円筒状ターゲットの製造方法は実施が容易で
あり、円筒状ターゲットの低コスト化を実現できる。
マグネトロンスパッタリングシステムの構成図
視図
性値の例を示す図表
す断面図
断面図
断面図
ト、16…バッキングチューブ、17…テーパー治具、
18…磁石ユニット、20…ターゲット材料、20A…
段差部分、22…ターゲット駆動装置、24,26,2
8…磁極、30…DC電源、32…電力線、34…滑り
接点、36…出口チューブ、38…真空ポンプ、40…
第1ガス供給チューブ、44,50…ノズル、46…第
2ガス供給チューブ、52…導電性フェルト(緩衝部
材)、53…耐熱性Oリング
Claims (9)
- 【請求項1】 円筒状のバッキングチューブの外周に中
空円筒形状のターゲット材料が配置されるとともに、前
記バッキングチューブと前記ターゲット材料の間に緩衝
部材を介して前記バッキングチューブと前記ターゲット
材料とが接合されていることを特徴とする円筒状ターゲ
ット。 - 【請求項2】 圧縮変形可能なシート状の緩衝部材がバ
ッキングチューブとターゲット材料の間に圧縮充填され
ていることを特徴とする請求項1に記載の円筒状ターゲ
ット。 - 【請求項3】 前記緩衝部材として導電性フェルト又は
導電性シートが用いられていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の円筒状ターゲット。 - 【請求項4】 前記導電性フェルトとしてカーボンフェ
ルトが用いられていることを特徴とする請求項3に記載
の円筒状ターゲット。 - 【請求項5】 前記カーボンフェルトは、前記バッキン
グチューブと前記ターゲット材料の間に圧縮充填される
前の初期状態の厚さが0.5〜10mmであり、圧縮充
填時の圧縮率が10〜80%となることを特徴とする請
求項4に記載の円筒状ターゲット。 - 【請求項6】 前記ターゲット材料は、セラミックスか
ら成る中空円筒形状体であることを特徴とする請求項1
乃至5の何れか1項に記載の円筒状ターゲット。 - 【請求項7】 一本のバッキングチューブに複数のター
ゲット材料が接合されていることを特徴とする請求項1
乃至6の何れか1項に記載の円筒状ターゲット。 - 【請求項8】 中空円筒形状を有するターゲット材料の
内面に緩衝部材を設け、これにバッキングチューブを挿
嵌し、当該挿入動作によって前記バッキングチューブの
外周面と前記ターゲット材料の内面との間に前記緩衝部
材を位置させることにより、前記ターゲット材料を前記
バッキングチューブと接合させて円筒状ターゲットを得
ることを特徴とする円筒状ターゲットの製造方法。 - 【請求項9】 前記ターゲット材料の内面に圧縮変形可
能なシート状の緩衝部材を設け、前記バッキングチュー
ブの挿入動作によって前記緩衝部材を圧縮して前記バッ
キングチューブの外周面と前記ターゲット材料の内面と
の間に前記緩衝部材を充填することを特徴とする請求項
8に記載の円筒状ターゲットの製造方法。
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Cited By (11)
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---|---|---|---|---|
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