JP2002153249A - 食品用保存剤およびそれを用いた食品の保存方法 - Google Patents

食品用保存剤およびそれを用いた食品の保存方法

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JP2002153249A
JP2002153249A JP2001027614A JP2001027614A JP2002153249A JP 2002153249 A JP2002153249 A JP 2002153249A JP 2001027614 A JP2001027614 A JP 2001027614A JP 2001027614 A JP2001027614 A JP 2001027614A JP 2002153249 A JP2002153249 A JP 2002153249A
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Japan
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food
weight
preservative
preserving
glycerin
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JP2001027614A
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English (en)
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Nobutake Kimura
修武 木村
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Nisshin Pharma Inc
Original Assignee
Nisshin Pharma Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風味に優れ、高温で保存しても耐熱性菌によ
る腐敗を抑制することができる食品用保存剤およびそれ
を用いた食品の保存方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 グリセリンカプリン酸エステル単独ある
いはグリセリンカプリン酸エステル、ジグリセリンモノ
パルミチン酸エステル、ジグリセリンモノミリスチン酸
エステルおよびショ糖パルミチン酸エステルから選ばれ
た少なくとも2種の乳化剤を含有する食品用保存剤およ
びそれ用いた食品の保存方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風味に優れ、特に
高温で保存しても耐熱性菌による腐敗を抑制することが
できる食品用保存剤およびそれを用いた食品の保存方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】食品を気密容器に充填密封し、レトルト
処理などの加熱処理を施し、常温で生育可能な微生物を
殺菌して、食品を長期間保存する方法として、缶詰食品
やレトルト食品等が知られている。このときのレトルト
処理は、常温で生育可能な微生物を殺菌できる加熱条件
で行うのが一般的である。しかしながら、微生物の中に
は、通常のレトルト処理では死滅しない高温性芽胞形成
菌が存在し、缶詰などが40℃以上の高温で保存される
と、この菌が増殖して、腐敗や容器の膨張を引き起こす
ことがある。
【0003】従来、高温に置かれる可能性のある缶詰食
品などは、非常に強いレトルト処理を施したり、酸味料
を添加することにより、耐熱性菌による腐敗を防止して
いた。しかし、強い加熱処理を施すと、食品の風味が著
しく劣化し、また、酸味料を添加した場合には、酸味が
強く食品本来の風味を損なうという問題があった。この
ため、コーヒーなどの飲料では、抗菌性を有する乳化剤
を用いることにより、高温下における微生物の増殖を防
ぐことが行われている。しかし、パスタソースなどの澱
粉および油脂を含む食品では、これらの成分が乳化剤と
結合してしまうため、乳化剤を多量に添加する必要があ
り、その結果乳化剤特有の苦みやエグミにより食品の風
味が悪くなるという問題がある。
【0004】またギョウザ等の皮類を冷蔵保存したり、
中華まんじゅう等を店頭で加温保存したり、生麺、茹麺
等を常温あるいは冷蔵で保存する等種々の保存方法が採
用されているが、やはりこれらの食品類の保存性の改善
が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、澱粉および油脂を含む食品においても、風味等を損
なうことなく、特に高温で保存しても耐熱性菌による腐
敗を抑制し、また常温、加温あるいは冷蔵保存する食品
の保存性を高めることができる食品用保存剤およびそれ
を用いた食品の保存方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、澱粉および油脂を含
む食品および常温、加温または冷蔵保存する食品におい
ても、特定の乳化剤を用いることにより、風味を損なう
ことなく、特に耐熱性菌のBacillus stearothermophilu
s, Clostridium thermosaccharolyticum Alicyclobacil
lus acidoterrestrisによる腐敗を抑制できることを見
出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、グリセリンカプリン
酸エステル単独あるいはグリセリンカプリン酸エステ
ル、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセ
リンモノミリスチン酸エステルおよびショ糖パルミチン
酸エステルから選ばれた少なくとも2種の乳化剤を含有
する、食品用保存剤および前記食品用保存剤を食品に添
加して前記食品用保存剤の含有量を0.035〜0.2
重量%し、必要により、気密容器に充填密封して加熱処
理することを特徴とする食品の保存方法を提供するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いるグリセリンカプリ
ン酸エステルはグリセリンのモノエステル、ジ・トリ・
ポリエステルの混合物であり、カプリン酸は95%以上
である。好ましいグリセリンカプリン酸エステルとして
はモノエステル含量が約25%あるいは90%のものが
挙げられる。また前記グリセリンカプリン酸エステルは
エステル含量の異なるものを適宜混合して使用すること
もできる。ショ糖パルミチン酸エステルはショ糖のモノ
エステル、ジ・トリ・ポリエステルの混合物であり、エ
ステル組成はモノエステルが70%以上である。好まし
いショ糖パルミチン酸エステルとしては、結合パルミチ
ン酸80%でモノエステル含量70%、ジ・トリ・ポリ
エステル含量30%あるいはモノエステル含量80%、
ジ・トリ・ポリエステル含量20%のものが挙げられ
る。前記ショ糖パルミチン酸エステルはエステル含量の
異なるものを適宜混合して使用することもできる。
【0009】本発明の食品用保存剤は、食品全量に対し
0.035〜0.2重量%、特に0.5〜0.1重量%
添加することが好ましい。前記添加量が0.035重量
%未満では十分な抑制効果が得られず、また0.2重量
%を超えると風味が悪くなる。
【0010】本発明の対象となる食品としては特に澱粉
および油脂を含む食品が好適である。本発明において対
象となる食品としては例えばパスタソース、カレー、ホ
ワイトシチュー、スープ、グラタンソース、コキール、
トマトソース、デミグラスソース、流動食、ギョウザ、
ワンタン、シューマイ、春巻等の皮類、中華まんじゅ
う、酒まんじゅう等の蒸しまんじゅう類、パン生地、生
麺、茹麺等の麺類等が挙げられる。本発明においては、
食品に前記食品用保存剤を所定量添加して攪拌し必要に
よりその後、通常の方法により、これらの食品を気密容
器に充填して加熱処理する。気密容器としては、レトル
トパウチ、缶等が挙げられる。また、加熱処理は、レト
ルト装置を用い、100〜140℃、10〜120分
間、特に110〜130℃、20〜40分間の条件で行
うのが好ましい。
【0011】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0012】実施例1〜9および比較例1〜18 下記表1に示す組成の流動食全量を煮沸後表2および表
3に示す食品用保存剤を所定量添加して均一に混合す
る。得られた流動食を300gづつ缶に詰め、3種の耐
熱性菌の胞子液を300g当たり102個となるように
別個に接種する。封缶後115℃で30分間加熱処理し
た後冷却し、その後55℃の孵卵器に4週間保存する。
保存後開缶し、風味および発芽・増殖の抑制の有無を調
べるため細菌検査を実施した。その検査結果を示せば表
2〜表4のとおりである。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】前記表2〜表4の検査結果から明らかなよ
うに本発明の食品用保存剤を用いた場合には風味を損な
うことなく耐熱性菌による腐敗を抑制することができ
た。これに対し前記食品用保存剤を単品で用いた場合に
は腐敗を抑制することができなかったり、風味を損なっ
てしまった。
【0018】実施例10 強力小麦粉100重量部に水38重量部およびサンソフ
トNo.760[太陽化学(株)製商品名]0.05重
量部とポエムDP−95RF[理研ビタミン(株)製商
品名]0.025重量部を加えて混合して得られた生地
を複合機に通して粗麺帯として巻き取る。巻き取った麺
帯は皮類製造機の圧延ロールで徐々に圧延し最後に打ち
粉を振りながら巻き取る。次に巻き取られた麺帯を広げ
直径10cmに型抜きしてギョウザの皮を調製する。得ら
れたギョウザの皮を24枚を1単位として包装する。包
装されたギョウザの皮を常温で10日間放置したが品質
に変化はなかった。
【0019】実施例11 強力小麦粉100重量部に生イースト1.5重量部ベー
キングパウダー1重量部、砂糖15重量部、ラード6重
量部、サンソフトNo.760[太陽化学(株)製商品
名]0.025重量部とP−1570[三菱食品化学
(株)製商品名]0.01重量部、水49重量部を低速
で2分間混捏し、高速で9分間混捏した(捏上温度24
℃)。次に生地を27℃で10分間発酵させた後1個5
0gに分割し、この生地で50gの肉あん[サンソフト
No.760(太陽化学(株)製商品名)0.1重量%
含有]を包む。この肉まんじゅうを温度40℃、湿度5
0%の条件下で30分間ホイロを取った。得られた肉ま
んじゅうを102℃の蒸気で15分間蒸して蒸し肉まん
じゅうを調製した。この肉まんじゅうを店頭の水蒸気加
熱器中で14日間保存したが品質に変化は乳化剤を添加
しないものに比べて優れた保存性を有した。
【0020】実施例12 パン用小麦粉100重量部、生イースト3重量部、イー
ストフード1重量部、食塩2重量部、砂糖1重量部、モ
ルト粉末1重量部、水62重量部、サンソフトNo.7
60[太陽化学(株)商品名]0.05重量部とポエム
DM−100[理研ビタミン(株)製商品名]0.01
重量部を縦型ミキサー(カントーミキサー社製)に投入
して低速で2分間、中速で4分間混捏した後ショートニ
ング1重量部を添加し、さらに低速で2分間、中速で3
分間混捏(混捏温度26〜27℃)した。次に温度26
℃、湿度70%の条件下で2時間発酵させた。得られた
生地を150gづつに分割し、なまこ状に丸めた。この
生地を室温で20分間ベンチタイムを取りその後成形し
た。成形した生地を温度30℃、湿度65%で30分間
ホイロを取った後冷蔵庫で10日間冷蔵保存した。保存
後生地表面にクープを入れた後、蒸気を導入しながら2
10℃の温度で20分間焼成し品質を調べた結果良好で
あった。
【0021】
【発明の効果】本発明の食品用保存剤によれば、常温、
加温あるいは冷蔵状態で保存する食品、なかでも澱粉お
よび油脂を含有する食品の、風味を損なうことなく、耐
熱性菌による腐敗を抑制することができ、高温において
も長期間安定に保存することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/48 A23L 1/48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリンカプリン酸エステル単独ある
    いはグリセリンカプリン酸エステル、ジグリセリンモノ
    パルミチン酸エステル、ジグリセリンモノミリスチン酸
    エステルおよびショ糖パルミチン酸エステルから選ばれ
    た少なくとも2種の乳化剤を含有することを特徴とす
    る、食品用保存剤。
  2. 【請求項2】 食品に、グリセリンカプリン酸エステル
    単独あるいはグリセリンカプリン酸エステル、ジグリセ
    リンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノミリ
    スチン酸エステルおよびショ糖パルミチン酸エステルか
    ら選ばれた少なくとも2種の乳化剤を配合して、食品中
    の乳化剤の含有量を0.035〜0.2重量%とするこ
    とを特徴とする食品の保存方法。
  3. 【請求項3】 食品に、グリセリンカプリン酸エステル
    単独あるいはグリセリンカプリン酸エステル、ジグリセ
    リンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノミリ
    スチン酸エステルおよびショ糖パルミチン酸エステルか
    ら選ばれた少なくとも2種の乳化剤を配合して食品中の
    乳化剤の含有量を0.035〜0.2重量%にした後、
    気密容器に充填密封して加熱処理することを特徴とする
    食品の保存方法。
  4. 【請求項4】 食品が澱粉および油脂を含む食品である
    請求項2または3記載の保存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004060082A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 畜肉エキスの製造法
JP2012193153A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Lion Corp 液体又は液状の口腔用組成物及び舌苔付着抑制剤

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