JP2002151777A - レーザー発振器およびそのレーザーパルス制御方法 - Google Patents

レーザー発振器およびそのレーザーパルス制御方法

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JP2002151777A JP2000342881A JP2000342881A JP2002151777A JP 2002151777 A JP2002151777 A JP 2002151777A JP 2000342881 A JP2000342881 A JP 2000342881A JP 2000342881 A JP2000342881 A JP 2000342881A JP 2002151777 A JP2002151777 A JP 2002151777A
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Kazuo Kato
一夫 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー強度やQスイッチ周波数によらず安
定したピークパワーのレーザーパルスを得ることができ
るレーザー発振器を提供する。 【解決手段】 レーザー発振器は、固体レーザー媒質1
と、励起用光源2と、出力ミラー5と、全反射ミラー4
と、Qスイッチ3を備える。共振器にロスを生じさせる
RF信号の振幅をレーザー出力に応じて一定値に調整
し、Qスイッチ3をONとしてレーザー出力を止める場
合は共振器のロスが閾値以上となる程度にRF信号の振
幅を小さくするとともに、Qスイッチ3をOFFとして
レーザー出力を生じさせる場合はRF信号を極限させて
残留共振器ロスが共振器ロスの閾値より小さくなるよう
にし、残留共振器ロスが発振に影響しないようすること
で、安定したレーザー出力が得られるよう構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー発振器か
ら放出されるレーザー出力パルスを制御するレーザー発
振器およびレーザーパルスを制御する方法に関するもの
である。具体的には、Qスイッチを使用して発振動作を
行う固体レーザー装置で、レーザーパルスを安定して出
力させるパルス制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー装置はマーキングやトリミン
グ、切断、溶接等の加工用途で利用されている。YAG
レーザ等の個体レーザは、Qスイッチを用いることで、
連続発振を尖頭出力値(ピーク値)の高い高速繰り返し
パルス発振に変えることができる。YAGレーザには、
一般に超音波によるブラッグ回折を利用する音響光学Q
スイッチが使用されている。レーザーマーキングなどレ
ーザーによって加工動作を行うためのレーザー発振器で
は、共振器の内部ロスを制御するためQスイッチを使用
したレーザのON/OFFが行われている。
【0003】図1にレーザー発振器の概略図を示す。こ
の図に示すレーザー発振器は、固体レーザー媒質1と、
固体レーザー媒質1を励起するための励起用光源2と、
固体レーザー媒質1の一方に配置されるQスイッチ3
と、全反射ミラー4と、他方に配設される出力ミラー5
を備えている。Qスイッチ3は固体レーザー媒質1から
出射されるレーザーの光軸上に位置するよう一方の端面
に面して配設されている。また全反射ミラー4と出力ミ
ラー5は、この間で光を繰り返し反射できるように固体
レーザー媒質1を介して対向するよう配設され、光を増
幅する共振器を構成する。さらに、固体レーザー媒質1
から射出された光を遮断できるように、光軸を遮ること
のできる位置に機械式シャッタ6が必要に応じて配置さ
れる。さらに必要に応じてスキャナ部により出力ミラー
5を通過するレーザー光を対象物の表面に走査させて、
所望の処理を行う。
【0004】固体レーザー媒質1とQスイッチ3とを結
ぶ延長線上には、一部透過性の出力ミラー5が配設され
ており、Qスイッチ3がONの時に光励起により固体レ
ーザー媒質1を励起してエネルギーを蓄え、Qスイッチ
3がOFFの時に出力ミラー5と全反射ミラー4との間
で瞬間にレーザ発振が起こり、出力ミラー5から一部レ
ーザ光が出力されるようになされている。出力ミラー5
のレーザ光の出力側には、加工位置を制御するためのス
キャナ部を配設させることができる(図示せず)。スキ
ャナ部の内部には、出力ミラー5からのレーザ光を下方
に指向させるとともに、X−Y方向に走査させるための
2枚の可動ミラーが内蔵される(図示せず)。また、ス
キャナ部の出射部分には、Fθレンズが取付けられてお
り、このレンズの焦点位置には、対象物が配置される。
【0005】Qスイッチの一例を図2に示す。Qスイッ
チ3には、音響光学Qスイッチとして合成石英ガラス7
に圧電体素子8を貼り付けたものがよく用いられてい
る。この図に示す音響光学Qスイッチ3は、圧電体トラ
ンスデューサに高周波電源9を接続し、数十MHzの高
周波である高周波(Radio Frequency、
以下「RF」と呼ぶ)信号電圧を印加することにより、
石英内部に弾性波を発生させることができる。印加する
RF電圧の周波数としては、20MHz、24MHzが
主に使用されている。圧電体素子8にRF電圧を印加し
ない状態では、図2(a)に示すように共振器内部のレ
ーザー光はQスイッチ3を透過する。一方、図2(b)
に示すように圧電体にRF電圧を印加して石英内部に弾
性波を発生させると、弾性波の疎密によって屈折率の差
が生じ、回折格子が形成される。この回折格子で光を回
折させることによって共振器にロスを生じさせることが
でき、レーザー出力を制御できる。
【0006】たとえば24MHz、50Wの高周波電気
信号が圧電体素子8に与えられると、ピエゾ効果によっ
て高周波電気信号が超音波に変換される。その超音波が
石英ガラス7内を伝播して、光弾性効果により石英ガラ
ス7内に周期的な屈折率分布が生じる。ここに適当な角
度で光を入射させると、ブラッグ角で入射した光が図2
(b)のように回折されるという音響光学効果が生じ
る。
【0007】つまり、RF電圧を印加して圧電体を振動
させることで弾性波を発生させてQスイッチ3を通過す
るレーザー光を遮るので、結果として共振器でロスを生
じさせることができる。RF電圧が大きくなるに従っ
て、共振器のロスを大きくすることができレーザー出力
を抑制できるので、RF電圧の調整によりレーザー出力
を制御することが可能になる。さらに共振器ロスを大き
くすると、レーザー発振が抑制されて遂には出力が停止
される。ここでレーザー出力を停止することができる最
小のRF信号を、RF電圧閾値とする。
【0008】図3にRF信号とレーザー出力パルスの波
形の関係を示す。図3(a)はRF信号の概略波形であ
り、この振幅でQスイッチ3がONになる。実際のRF
信号の波形は正弦波状であるが、図では簡単のため左側
の一部を除き箱形で擬似的に示している。RF信号の振
幅が0のとき、すなわちQスイッチ3がOFFのときレ
ーザー出力はONとなり、図3(b)で示すようなパル
スが生じる。
【0009】この図に示すように、Qスイッチ3でレー
ザー発振のON/OFFを繰り返すことより、レーザー
出力をパルス状にすることができる。RF電圧をQスイ
ッチ3に印加し、レーザー発振を停止できるほどの共振
器ロスを生じさせた状態では、Qスイッチ3がONでレ
ーザーがOFFとなる。一方Qスイッチ3に印加したR
F電圧が低い、もしくは0Vとした状態では、Qスイッ
チ3がOFFでレーザーがONとなる。この状態を繰り
返すことで、レーザー発振をON/OFF制御すること
ができる。つまり、レーザーをONにする一定時間(例
えば数μ秒)の一定時間をTonとし、レーザーをOF
Fとする一定時間をToffとして、T onとToff
を繰り返すことによりレーザー出力をパルス状に発生さ
せることができる。Toffによってパルス発生の時間
間隔が制御可能で、Toffが長いほどこの間に固体レ
ーザー媒質に蓄積されるエネルギーが大きくなるので、
再開後のパルスピークパワーが大きくなる。
【0010】レーザーがOFFの期間は、固体レーザー
媒質に励起エネルギーが蓄積される。そしてレーザーが
ONとなったとき、蓄積されたエネルギーがパルスレー
ザー光となって出力される。例えば固体レーザー媒質1
にYAG結晶を使用して、YAGロッドに一定の励起エ
ネルギーを与え続けた場合、YAGロッドに蓄積される
エネルギーは時間とともに大きくなり、励起エネルギー
によって決まる値に飽和する。図4に示すように、Qス
イッチ3によるON/OFFの繰り返し周波数、すなわ
ちQスイッチ周波数が図4(a)に示すように1kHz
よりも遅くなると、レーザOFFの期間にYAGロッド
に蓄積されるエネルギーは飽和して、図4(b)に示す
ようにレーザー出力は最大となる。これより速い繰り返
し周波数でRF電圧を印加すると、エネルギーを蓄積す
る時間が短くなるため、繰り返し周波数が高くなるにつ
れて1パルスあたりの出力エネルギーは減少する。固体
レーザー媒質に蓄積されているエネルギーによって閾値
は変化し、蓄積エネルギーが大きいほど閾値は高くな
る。同一励起エネルギーでもQスイッチ周波数により閾
値は変化する。また固体レーザー媒質に使用する結晶の
種類によっても閾値は変わる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】Qスイッチ3に印加す
るRF電圧が大きい程、Qスイッチ3の合成石英ガラス
7内部に生じている弾性波の大きさは大きくなるので、
Qスイッチ3に入射される入射光の内で回折される回折
光が多くなって共振器のロスも大きくなる。
【0012】しかしながら、RF電圧を急峻にOFFし
ても、石英ガラス7内部の弾性波は直ちに消滅せず徐々
に減衰して消失するため、回折光もゼロとはならずに共
振器ロスがしばらく残る。
【0013】図5にレーザーパワーが強い場合と弱い場
合のそれぞれにおける(a)RF信号、(b)共振器ロ
ス、(c)および(d)に各レーザー出力の波形を示
す。ここで、RF信号がON状態における共振器ロスを
ζ、RF信号をOFFした瞬間の残留共振器ロスをζ
とし、さらにレーザーパワーが強い場合のレーザー発
振が開始される閾値をζ、レーザーパワーが弱くQス
イッチ周波数が高い場合のレーザー発振が開始される閾
値をζとする。
【0014】図5(b)に示すように、共振器ロスはR
F信号が0になった瞬間から直ちに0とはならず、残留
弾性波の影響でζまで一旦低下した後、徐々に0に向
かって減衰していく。このRF信号が0になったときか
ら共振器ロスが0になるまでの時間をTとする。
【0015】図5(c)に示すようにレーザーパワーが
強い場合は、レーザー発振が開始される閾値ζがζ
より大きいため、RF信号を急峻にOFFしても直ちに
共振器ロスが閾値ζを通過してこれより低いζとな
るので、レーザ発振が速やかに開始される。このため、
ζに比べてζが大きいほど残留弾性波がしばらく残
ることによる影響は受けにくい。
【0016】しかしながら図5(d)に示すようにレー
ザーパワーが弱くQスイッチ周波数が高い場合、具体的
にはレーザー発振が開始される閾値ζがζよりも小
さくなるようなレーザーパワーの場合であれば、RF信
号をOFFにしても共振器ロスが閾値ζにまで下がら
ず、直ちにレーザーが発振されない。共振器ロスはζ
に低下した後、時間の経過とともに徐々に低下してい
き、閾値ζに達した時点でレーザー発振が開始される
ことになる。ζ以下での共振器ロスの波形は不安定で
あるから、レーザー発振パルスも不安定となってしま
う。閾値ζに至るまでの所要時間が一定に定まらず、
また共振器ロスの波形が不安定であるため、ζ近傍で
レーザー発振が不安定となる。さらに、共振器ロスの波
形が急峻でなくだらだらと続くためにパルス幅が広くな
ってしまい、ピークパワーも低下する。このようにレー
ザーパワーが弱い場合は、レーザー発振開始が遅れるば
かりか、レーザー出力波形もシャープなパルスになら
ず、半値幅の広い弱いパルスとなってしまう弊害があっ
た。さらにパルス毎のピークパワーとパルス幅がばらつ
き、安定しなくなるのでレーザーパワーが弱いときは印
字が安定しないという弊害があった。
【0017】本発明はこのような弊害を防止するために
開発されたものである。本発明の重要な目的は、レーザ
ー強度やQスイッチ周波数などによらず、安定したピー
クパワーのレーザーパルスを得ることができるレーザー
発振器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
されるレーザー発振器は、固体レーザー媒質と、前記固
体レーザー媒質を励起するための励起用光源と、前記固
体レーザー媒質から出射されるレーザー光の光軸上に位
置する全反射ミラーと、前記固体レーザー媒質を介して
前記全反射ミラーと対向する出力ミラーと、前記全反射
ミラーと前記出力ミラーとの間で前記固体レーザー媒質
から出射される励起レーザー光の光軸上に配され、かつ
高周波電圧信号が印加されることにより励起レーザー光
をパルス発振させるQスイッチを備える。この構成のレ
ーザー発振器はさらに、前記レーザー発振器からのレー
ザー発振を停止できる最小の高周波信号値に基づいて閾
値を設定する閾値設定手段と、前記レーザー発振器から
のレーザー発振がなされる前に、前記閾値設定手段によ
り設定された閾値まで前記高周波信号を調整する高周波
信号調整手段と、前記高周波信号調整手段により調整さ
れた高周波信号をレーザー発振開始時に前記閾値よりも
低下させるレーザー発振制御手段とを備えている。
【0019】また、本発明の請求項2に記載されるレー
ザー発振器は、レーザー発振開始前に前記高周波信号の
振幅を段階的に減衰させることを特徴とする。
【0020】さらに、本発明の請求項3に記載されるレ
ーザー発振器は、レーザー発振の開始よりも前に、高周
波信号の振幅が0になった時点から共振器に残留する損
失が0になるまでに要する時間よりも長く、前記高周波
信号を前記閾値まで調整することを特徴とする。
【0021】さらにまた、本発明の請求項4に記載され
るレーザー発振器は、前記レーザー発振制御手段が前記
高周波信号をスロープさせて振幅を0に近付けるよう減
衰させることを特徴とする。
【0022】さらにまた、本発明の請求項5に記載され
るレーザー発振器は、前記レーザー発振制御手段が前記
高周波信号のスロープを開始させるときに、前記Qスイ
ッチ内部で発生された弾性波の振動を強制的に抑制する
ように高周波信号の位相をずらすことを特徴とする。
【0023】さらにまた、本発明の請求項6に記載され
るレーザー発振器は、前記レーザー発振制御手段が前記
高周波信号のスロープを開始させる初期値を、直前の振
幅よりも小さくすることを特徴とする。
【0024】さらにまた、本発明の請求項7に記載され
るレーザー発振器は、固体レーザー媒質と、前記固体レ
ーザー媒質を励起するための励起用光源と、前記固体レ
ーザー媒質から出射されるレーザー光の光軸上に位置す
る全反射ミラーと、前記固体レーザー媒質を介して前記
全反射ミラーと対向する出力ミラーと、前記全反射ミラ
ーと前記出力ミラーとの間で前記固体レーザー媒質から
出射される励起レーザー光の光軸上に配され、かつ高周
波電圧信号が印加されることにより励起レーザー光をパ
ルス発振させるQスイッチを備える。このレーザー発振
器は、前記レーザー発振器からのレーザー発振がなされ
る前に、レーザー発振を停止できる最小の高周波信号で
ある閾値近傍まで前記高周波信号を調整し、レーザー発
振開始時に前記調整された高周波信号を前記閾値よりも
低下させるよう構成されている。
【0025】さらにまた、本発明の請求項8に記載され
るレーザー発振器のレーザーパルス制御方法は、Qスイ
ッチに印加する高周波信号を前記レーザー発振器からの
レーザー発振を停止できる最小の高周波信号である閾値
に設定する工程と、前記レーザー発振器からのレーザー
発振がなされる前に、前記設定された閾値まで前記高周
波信号を調整する工程と、前記調整された高周波信号を
レーザー発振開始時に前記閾値よりも低下させる工程を
含むことを特徴とする。
【0026】本発明のレーザー発振器およびレーザー発
振方法によれば、レーザー発振器から出力されるレーザ
ーのパワーが弱い場合であっても、安定なパルス出力を
得ることができる。RF信号をOFFしても残留弾性波
がしばらく残ってしまうため、レーザーパワーが弱い場
合はレーザー発振器がレーザー発振出力を開始する閾値
の近傍で共振器のロスが不安定になり、ピーク値は高く
ならず半値幅も悪いレーザー出力となる問題があった。
【0027】本発明では、レーザー発振開始時に、共振
器のロスを一旦レーザー出力とQスイッチ周波数で決ま
る閾値に安定させた後、減少させるよう構成している。
その方法としては、RF信号を急峻に0としたときの共
振器の残留ロスが、ロスの閾値に比べて小さくなり無視
できるようにRF信号の振幅を調整することが挙げられ
る。また、共振器のロスが減衰する際の波形をスロープ
状にしてスムーズに閾値から0になるような構成とする
ことでも実現できる。さらにスロープの傾きを急にして
速やかに閾値を通過させる、位相をずらして残留波の影
響を強制的に抑制する方法も利用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのレーザー発振器およびレ
ーザー発振方法を例示するものであって、本発明はレー
ザー発振器およびレーザー発振方法を以下のものに特定
しない。
【0029】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0030】レーザ発振器が出力するレーザーパワーの
強弱は、レーザー発振器のユーザーが指定する。一般に
レーザーパワーが強い場合、レーザー発振が開始される
Qスイッチによる共振器ロスの閾値は大きくなり、逆に
レーザーパワーが弱い場合、閾値は小さくなる。本明細
書においてレーザーパワーが強い、あるいは弱いとは、
特に指定がある場合を除き閾値を基準にしている。RF
信号を急峻に0としたときに残留する共振器ロスが、閾
値に対して低い場合、レーザーパワーは高いといい、一
方RF信号を0としたときの残留共振器ロスが閾値に対
して高い場合、レーザーパワーが低いという。
【0031】レーザーパワーが強い場合は、上述の通り
ロスの閾値が高くなるため、RF信号を急峻に0とした
ときの残留ロスに対してロスの閾値が大きく、残留ロス
の影響をほとんど受けず問題は生じない。問題となるの
は、弱いレーザーパワーの場合、すなわちRF信号を急
峻に0としたときに残る共振器ロスが閾値以上である場
合で、不安定な波形で共振器ロスが徐々に減衰していく
ときにレーザー出力が不安定となる。以下、弱いレーザ
ーパワーにおいてレーザー出力を安定させるための実施
例について説明する。
【0032】[実施例1]図6に、実施例1に係る方法
でレーザー出力を安定させるときの(a)RF信号、
(b)共振器ロス、(c)レーザー出力の各信号波形を
示す。この方法では、レーザーを止めるためのRF信号
を低く抑える。閾値ζはレーザーの出力に依存し、レ
ーザー出力が大きいとζも大きくなり、逆にレーザー
出力が小さいとζも小さくなる。このため、レーザー
を止めるためのRF信号は、レーザー出力が小さいとき
は小さい振幅で済む。
【0033】図6の例では、レーザーパワーが弱い場合
にレーザーをOFFさせるRF信号の振幅を、レーザー
出力に応じて小さくする。ζの値はζに依存する。
RF信号の振幅を小さくすることでζの値をζに近
付けることができ、ζに対するζの影響を小さくで
きる。図6はζをζに一致させた理想状態を示して
いるが、実際の使用時には完全に一致させなくとも、レ
ーザー光の漏れや使用環境による変動などを考慮してζ
をζよりも若干大きくしてマージンをとる。ζ
ζに近付けることによって、RF信号がOFFになる
ときにζに対するζの影響が小さくできるため、レ
ーザー発振が速やかに開始される。このため、弱いレー
ザーパワーの場合でも、いいかえるとQスイッチ周波数
が高く1パルス毎の蓄積エネルギーの小さい場合でも、
パルス毎に安定でピークパワーの高いパルスを得ること
ができる。
【0034】[実施例2]図7に、実施例2に係る方法
でレーザー出力を安定させるときの(a)RF信号、
(b)共振器ロス、(c)レーザー出力の各信号波形を
示す。図5に示すようにRF信号の振幅を最大値から急
峻にOFFした時点から残留弾性波の影響が減衰し共振
器ロスが完全に0になるまでに要する時間をTとする
と、図7の方法は、レーザーパルスを発振させる直前
に、ζから急峻にRF信号を0にした場合に残留ロス
が存在すると考えられるT時間は待って、共振器ロス
がζとなる程度にRF振幅を小さくすることで、RF
信号の振幅をOFFしたとき残留共振器ロスζが閾値
ζに影響を及ぼさないようにして発振パルスを速やか
に得るものである。なお図7(a)に示すRF信号の左
側部分の振幅は、レーザー発振を確実に停止できるよう
RF閾値よりも十分大きい値としており、好ましくはR
F信号の最大値とする。
【0035】図7の方法でレーザー出力を開始する場
合、その直前のTもしくはそれ以上の時間、RF信号
の振幅をレーザー発振を止めることのできるζ程度に
小さくする。いいかえると、この間に残留共振器ロスζ
が閾値ζに比較して無視できるほど小さくなるよう
に落とす。これにより、T経過後RF信号をOFFに
する際に残留共振器ロスζが閾値ζに影響しない。
したがって、Qスイッチ3がOFFとなってレーザー出
力が速やかに得られる。このように、弱いレーザーパワ
ーの場合でもパルス毎に安定したピークパワーの高いパ
ルスのレーザー発振を得ることができる。またレーザー
発振を停止するときには、ζ以上のロスを付加するこ
とでレーザの漏れを抑止する。
【0036】[実施例3]図8に、実施例3に係る方法
でレーザー出力を安定させるときの(a)RF信号、
(b)共振器ロス、(c)レーザー出力の各信号波形を
示す。この方法は、レーザーパルスを発振させる前にR
F振幅を小さくするとともに、RF信号の振幅を徐々に
OFFさせて共振器ロスの減衰波形にスロープを付与す
るものである。これにより共振器ロスがスムーズに閾値
から0になり、安定したレーザーパルス波形を得ること
ができる。
【0037】図8に示すように、レーザーパワーが弱い
場合に上記実施例2と同じくTの期間中、RF信号の
振幅をレーザー発振を止めることのできる程度まで小さ
くする。T経過後、RF信号の振幅が徐々に0となる
ように制御する。この場合、RF信号が徐々に減衰して
0に近づくため、これに従い共振器ロスも安定したスロ
ープ波形で減衰していき、徐々に0となる。このように
共振器ロスの波形が不安定になることなく、安定した波
形で減衰していくため安定したレーザーパルスが得られ
る。このように、実施例3ではレーザーパワーが弱い場
合においてもパルス波形を安定させることができる。な
お図8においては、スロープ波形として時間に比例して
減衰する波形を採用しているが、これ以外の減衰波形を
利用してもよい。例えば指数関数的に減衰するスロープ
を用いることもできる。また、スロープする傾きを調整
することで、レーザー出力のパルス幅の制御が可能とな
る。
【0038】[実施例4]図9に、実施例4に係る方法
でレーザー出力を安定させるときの(a)RF信号、
(b)共振器ロス、(c)レーザー出力の各信号波形を
示す。この方法は、レーザーパルスを発振させる前にR
F振幅を小さくするとともに、RF信号の振幅の位相を
ずらすことにより強制的に振動を抑制するものである。
これにより実施例3に比して共振器ロスをより急峻なス
ロープとして、ピークの尖鋭な波形を得ることができ
る。
【0039】図9に示すように、レーザーパワーが弱い
場合に上記実施例3と同じくTの期間中、RF信号の
振幅をレーザー発振を止めることのできる程度まで小さ
くする。T経過後、RF信号の振幅を減衰させるとき
に位相をずらす。これにより、Qスイッチ3内部の合成
石英ガラス7に生じている弾性波に対して反発力が働
き、強制的に弾性波が抑制される。その結果、弾性波の
減衰が促進されて残留共振器ロスが小さくなる。このた
め、残留共振器ロスにより不安定になっていたパルスが
安定になり、レーザー出力波形のピーク値は高く、半値
幅の狭い優れた波形を得ることができる。
【0040】RF信号の位相をずらす度合いは任意に設
定でき、位相差により残留ロスを制御できる。図9では
位相を180°ずらした場合を示す。ただ、位相差の値
はこれに限定するものでなく使用状況に応じて最適値に
設定される。
【0041】[実施例5、6]またスロープを開始させ
る初期値を小さくして、残留ロスを小さく抑えることも
できる。例えば図10に示すように、一旦RF信号の振
幅を小さくした後にスロープ開始させる時のRF振幅を
さらに小さくする。さらに図11に示すように、上述し
た位相のシフトを組み合わせてもよい。初期値を小さく
する程度は、共振器ロスの閾値の低下に応じて設定でき
る。
【0042】RF信号の振幅を段階的にステップ状に低
下させる方法は、所定の時間T待つことにより共振器
ロスの閾値を低下させることができる。
【0043】このように共振器ロスの波形が不安定にな
ることなく、安定した波形で減衰していく。このよう
に、実施例4では弱いレーザーパワーでも安定したパル
スが得られる。
【0044】レーザー発振が開始されるときのRF信号
の閾値の測定は、レーザー発振器を使用する前に予め測
定しておく。図12に、レーザー発振器としてレーザー
加工機を使ったシステムにおいて、閾値を検出するため
の概略図を示す。図に示すレーザー発振器は、固体レー
ザー媒質1と、これに光軸を一致させて一方の端面にQ
スイッチ3と機械式シャッタ6B、全反射ミラー4をそ
れぞれ配置する。Qスイッチ3にはこれに印加するRF
信号を制御する制御手段13が接続されている。
【0045】他面にはレーザー出力の一部を取り出すた
めの出力ミラー5、ハーフミラー10、機械式シャッタ
6Aを設ける。機械式シャッタ6Aは、レーザー光がハ
ーフミラー10を通過する位置に配置する。さらに、ハ
ーフミラー10の反射先に、レーザー波長を取り出すた
めのレーザー波長フィルタ11と、レーザー光検出素子
12を設ける。
【0046】ハーフミラー10の反射率は、加工動作に
支障の無いように、たとえば1%以下とできる。ハーフ
ミラー10の反射先の位置には、励起光の影響をなくす
ためにレーザー波長のみを通すレーザー波長フィルタ1
1を設けている。レーザー波長フィルタ11はこれの代
わりに、レーザー波長以外の励起光のみを除くフィルタ
としてもよい。あるいはまた、上記のハーフミラー10
にフィルタ機能を持たせて兼用させる構成とすることも
できる。
【0047】レーザー波長フィルタ11を通過したレー
ザー光を、フォトダイオード等のレーザー光検出素子1
2で検出する。レーザー光検出素子12の感度は、固体
レーザー媒質からの自然放出光を受光しない最大の感度
とする。
【0048】一方、励起用光源2としては、励起ランプ
や半導体レーザ等が使用できる。また固体レーザー媒質
1にはYAG結晶等が利用できる。励起用光源2で固体
レーザー媒質1を励起し、レーザー光を放出して全反射
ミラー4と出力ミラー5で構成される共振器によって増
幅され、出力ミラー5側からレーザー出力が放出され
る。
【0049】制御手段13は閾値を設定する閾値設定手
段、閾値に基づいてこの値に近くなるようRF信号を調
整する高周波信号調整手段、およびRF信号をレーザー
発振開始時に閾値よりも低下させるレーザー発振制御手
段の機能を果たす。制御手段13は、RF信号を生成し
これを制御する回路を備えており、CPUなどの電子部
品で構成される。制御部13の具体的な回路構成や配置
などは、必要に応じて適宜変更できる。
【0050】なお閾値設定手段が設定する閾値とは、レ
ーザー発振を停止できる最小のRF信号であるRF閾
値、もしくはこのRF閾値に基づいて定められる値とす
る。例えばRF閾値よりも若干低くした値を閾値として
設定してもよい。
【0051】Qスイッチに印加されるRF信号は、レー
ザー発振停止時には閾値より十分大きな振幅、好ましく
は最大振幅とされる。またレーザー発振開始時には、上
述のように測定、演算などにより得られたRF信号の閾
値に基づいて、これにマージンを加算して若干大きなR
F信号を初期値としてセットする。さらにレーザー発振
開始直前に、閾値ぎりぎりまで前記高周波信号を下げる
よう調整する
【0052】このレーザー加工機を使って通常の加工動
作を行うときは、機械式シャッタ6A、Bとも開放され
る。また完全にレーザを遮断する場合は、機械式シャッ
タ6Bを閉じて光を遮断する。このとき機械式シャッタ
6Aを閉じてもよい。
【0053】RF閾値を検出する場合は、まずQスイッ
チ3に印加するRF電圧を最大値に設定する。このとき
機械式シャッタ6Aを閉じてレーザー出力を止め、機械
式シャッタ6Bを開く。そして徐々にRF値を低下させ
ていき、レーザー光検出素子12に出力が検出されるか
どうか監視する。Qスイッチ3による共振器ロスが徐々
に小さくなりレーザー出力が放出されるようになると、
共振器から出力ミラー5を通じて出力が放出される。こ
の出力がハーフミラー10で一部反射され、レーザー波
長フィルタ11を通じてレーザー光検出素子12に至
る。レーザー光検出素子12に出力が生じた時のRF信
号値が、RF閾値となる。このときに得られる共振器ロ
スの値が、ロスの閾値となる。
【0054】RF閾値はレーザーのパワーによって変動
し、例えば固体レーザー媒質1から出射されるレーザー
パワーが大きいときはRF閾値も大きくなり、レーザー
パワーが低い場合はRF閾値も低くなる。また、このR
F閾値はその励起により固体レーザー媒質に蓄積されて
いるエネルギーが最大の場合の閾値である。よって、Q
スイッチ周波数が高くなり蓄積エネルギーが小さくなる
につれて閾値は低下する。その励起での最大RF閾値か
ら、各Qスイッチ周波数における閾値を算出することが
できる。
【0055】RF閾値の測定は、励起光源の設定電流毎
に事前に測定しておき、レーザーの制御システムに設定
テーブルとしてデータを保持させることができる。ただ
し、使用条件や経年とともに、励起光源の劣化やQスイ
ッチ3の劣化によってRF閾値も変動していく。また個
体差によっても変動し制御精度が低下するので、必要に
応じてユーザー側で測定し直すことも可能である。ある
いは環境温度や固体レーザー媒質の種別等を入力し、所
定の計算式に基づいて閾値を推定することもできる。閾
値の算出は、装置内部で自動的に行われる。
【0056】RF閾値の設定は、励起光の設定が変更さ
れた直後や加工動作を行う直後など、加工動作を行って
いない間に上記の手順によって測定し設定する。
【0057】
【発明の効果】本発明のレーザー発振器およびそのレー
ザーパルス制御方法は、レーザーのパワーとQスイッチ
周波数に関わらず安定したピークパワーのレーザーパル
スを得ることができる。特に、出力されるレーザーパワ
ーが弱くQスイッチ周波数が高い場合でも、出力パルス
が不安定になることを防止して、所望の安定したピーク
パワーで各パルスを得ることできる特長を実現する。こ
れは、本発明のレーザー発振器およびそのレーザーパル
ス制御方法がレーザー出力に応じてQスイッチをONに
するRF信号の振幅を調整する構成としているからであ
る。
【0058】従来行われているQスイッチ制御技術で
は、レーザーパワーが弱い場合でも、レーザーパワーが
強い場合に必要とされるRF電圧と同様のON/OFF
動作を使用して、レーザーパルスを発生させている。レ
ーザーパワーが強い場合には、RF信号をOFFしたと
きに残留する弾性波の影響を受けることなく発振し始め
ることができるので、ある程度安定したパルスを得るこ
とができる。しかしながら、弱いレーザーパワーの場
合、RF信号がOFFになった後でレーザー発振ができ
る程度に弾性波が弱くなるまでに時間がかかり、レーザ
ー発振を始める瞬間の弾性波の状態がパルスごとに安定
しないので、パルス毎の出力も安定せずレーザのピーク
値の半値幅が揃わないことになる。さらにまた、レーザ
ー発振が始まった後もロスが急峻に0にならず、徐々に
小さくなっていくためにパルス幅が広がってしまい、ピ
ークパワーが小さくなってしまう。
【0059】閾値はレーザーパワーとQスイッチ周波数
によって変動するので、本発明では予めRF閾値のデー
タを得ておくことで、このRF閾値に基づいてレーザー
発振出力をOFFとできるRF信号を調整することによ
りレーザー発振出力を抑制できる。さらに、レーザー発
振出力を開始するときはRF信号を低下させて残留共振
器ロスの影響を受けないようにした。このように、RF
信号を最適に制御して、安定した高品質のレーザー出力
を得る特長が実現される。
【0060】特に、本発明の請求項1に記載されるレー
ザー発振器では、RF信号の振幅をRF閾値よりも若干
高い振幅としてレーザー出力をOFFにすることで、R
F信号をOFFとしたとき残留共振器ロスが共振器ロス
の閾値に比べて小さく発振に影響しないため出力パルス
が不安定になることがない。
【0061】また本発明の請求項2に記載されるレーザ
ー発振器では、RF信号がON時の平常の振幅は一定の
ままで、RF信号をOFFにする直前で一定時間レーザ
ー出力に応じたRF閾値よりも若干高い振幅としてレー
ザー出力をOFFにすることで、RF信号をOFFとし
たとき残留共振器ロスが閾値より小さくレーザー発振に
影響しない。この方法では、通常のQスイッチON時は
RF信号に特別な制御を加えることなく、QスイッチO
FF時の前からRF信号の振幅を制御して残留共振器ロ
スの影響を回避し、出力パルスの安定化している。
【0062】さらにまた、本発明の請求項3に記載され
るレーザー発振器では、上記に加えてRF信号を0にす
る過程で徐々に減衰させて、共振器ロスをスロープさせ
るように制御している。このため、共振器ロスは安定し
て閾値から0になるためレーザー出力が小さい場合でも
各パルス毎の出力を安定させることができる。
【0063】さらにまた請求項4に記載されるレーザー
発振器では、RF信号を減衰させるときに波形の位相を
ずらすことにより、Qスイッチ内部の弾性波を強制的に
抑制し、残留ロスを強制的に抑制する。残留ロスの影響
が抑制されるほどパルス幅は小さくなり、その結果とし
てピークパワーは大きくなる。このため、迅速に高い出
力ピーク値を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るレーザ発振器の概略図
【図2】Qスイッチの一例を示す概略側面
【図3】Qスイッチ周波数が高いときのRF信号とレー
ザー発振出力の状態を示す概略波形図
【図4】Qスイッチ周波数が低いときのRF信号とレー
ザー発振出力の状態を示す概略波形図
【図5】レーザーパワーが強い場合と弱い場合における
RF信号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略
波形図
【図6】本発明の実施例1に係るレーザ発振器のRF信
号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形図
【図7】本発明の実施例2に係るレーザ発振器のRF信
号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形図
【図8】本発明の実施例3に係るレーザ発振器のRF信
号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形図
【図9】本発明の実施例4に係るレーザ発振器のRF信
号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形図
【図10】本発明の実施例5に係るレーザ発振器のRF
信号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形
【図11】本発明の実施例6に係るレーザ発振器のRF
信号、共振器ロス、レーザー出力の波形を示す概略波形
【図12】本発明の一実施例に係るレーザ発振器でRF
閾値を測定する状態を示す概略図
【符号の説明】
1…固体レーザー媒質 2…励起用光源 3…Qスイッチ 4…全反射ミラー 5…出力ミラー 6…機械式シャッタ 6A…機械式シャッタ 6B…機械式シャッタ 7…合成石英ガラス 8…圧電体素子 9…高周波電源 10…ハーフミラー 11…レーザー波長フィルタ 12…レーザー光検出素子 13…制御手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザー媒質と、前記固体レーザー
    媒質を励起するための励起用光源と、前記固体レーザー
    媒質から出射されるレーザー光の光軸上に位置する全反
    射ミラーと、前記固体レーザー媒質を介して前記全反射
    ミラーと対向する出力ミラーと、前記全反射ミラーと前
    記出力ミラーとの間で前記固体レーザー媒質から出射さ
    れる励起レーザー光の光軸上に配され、かつ高周波電圧
    信号が印加されることにより励起レーザー光をパルス発
    振させるQスイッチを備えるレーザー発振器において、 前記レーザー発振器からのレーザー発振を停止できる最
    小の高周波信号値に基づいて閾値を設定する閾値設定手
    段と、 前記レーザー発振器からのレーザー発振がなされる前
    に、前記閾値設定手段により設定された閾値まで前記高
    周波信号を調整する高周波信号調整手段と、 前記高周波信号調整手段により調整された高周波信号を
    レーザー発振開始時に前記閾値よりも低下させるレーザ
    ー発振制御手段とを備えるレーザー発振器。
  2. 【請求項2】レーザー発振開始前に前記高周波信号の振
    幅を段階的に減衰させることを特徴とする請求項1記載
    のレーザー発振器。
  3. 【請求項3】レーザー発振の開始よりも前に、高周波信
    号の振幅が0になった時点から共振器に残留する損失が
    0になるまでに要する時間よりも長く、前記高周波信号
    を前記閾値まで調整することを特徴とする請求項1また
    は2のいずれかに記載のレーザー発振器。
  4. 【請求項4】 前記レーザー発振制御手段が前記高周波
    信号をスロープさせて振幅を0に近付けるよう減衰させ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    レーザー発振器。
  5. 【請求項5】 前記レーザー発振制御手段が前記高周波
    信号のスロープを開始させるときに、前記Qスイッチ内
    部で発生された弾性波の振動を強制的に抑制するように
    高周波信号の位相をずらすことを特徴とする請求項4記
    載のレーザー発振器。
  6. 【請求項6】 前記レーザー発振制御手段が前記高周波
    信号のスロープを開始させる初期値を、直前の振幅より
    も小さくすることを特徴とする請求項4または5のいず
    れかに記載のレーザー発振器。
  7. 【請求項7】 固体レーザー媒質と、前記固体レーザー
    媒質を励起するための励起用光源と、前記固体レーザー
    媒質から出射されるレーザー光の光軸上に位置する全反
    射ミラーと、前記固体レーザー媒質を介して前記全反射
    ミラーと対向する出力ミラーと、前記全反射ミラーと前
    記出力ミラーとの間で前記固体レーザー媒質から出射さ
    れる励起レーザー光の光軸上に配され、かつ高周波電圧
    信号が印加されることにより励起レーザー光をパルス発
    振させるQスイッチを備えるレーザー発振器であって、 前記レーザー発振器からのレーザー発振がなされる前
    に、レーザー発振を停止できる最小の高周波信号である
    閾値近傍まで前記高周波信号を調整し、レーザー発振開
    始時に前記調整された高周波信号を前記閾値よりも低下
    させるよう構成されたレーザー発振器。
  8. 【請求項8】 レーザ発振器のレーザーパルス制御方法
    において、Qスイッチに印加する高周波信号を前記レー
    ザー発振器からのレーザー発振を停止できる最小の高周
    波信号である閾値に設定する工程と、前記レーザー発振
    器からのレーザー発振がなされる前に、前記設定された
    閾値まで前記高周波信号を調整する工程と、前記調整さ
    れた高周波信号をレーザー発振開始時に前記閾値よりも
    低下させる工程を含むことを特徴とするレーザーパルス
    制御方法。
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