JP2002150913A - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP2002150913A JP2000339810A JP2000339810A JP2002150913A JP 2002150913 A JP2002150913 A JP 2002150913A JP 2000339810 A JP2000339810 A JP 2000339810A JP 2000339810 A JP2000339810 A JP 2000339810A JP 2002150913 A JP2002150913 A JP 2002150913A
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Narikazu Tominaga
成和 冨永
Hidekazu Fukuhara
英和 福原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 接点溶着状態でトリップした場合に,ハンド
ルがOFF位置に移動することを規制した回路遮断器を得
る。 【解決手段】 可動接点板7を表裏から規制して駆動す
るクロスバー30とを,一方をハンドル3のリンク軸1
2支部に軸支されたリンク31と,該リンクの他方には
ローラ軸13と,異常電流がない状態ではローラ軸の移
動を規制し,異常電流を検出した状態ではローラ軸の移
動規制を解く係合部を備え,クロスバーには,異常電流
を検出した状態でローラ軸が位置する場所に凸部と凹部
を備え,リンクにはローラ軸から離れた位置に突起片
と,ハンドルや係合部を支えるフレーム32にはリンク
の突起片と当接する位置規制片を備え,接点が溶着した
状態で異常電流を検出しローラ軸の移動規制が解かれた
状態では,ハンドルのOFF側への回動は,リンクのロ
ーラ軸と突起片がクロスバーの凸部とフレームの位置規
制片に当接して移動が規制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回路遮断器に関
し,特に,その開閉機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は従来の回路遮断器の側断面図であ
り,回路遮断器が閉路状態を示す。図2は,図1の回路
遮断器のクロスバーに可動接点板を組み込んだ状態を示
す斜視図である。図3は,図1の回路遮断器が開路状態
であるときを示す側断面図である。図4は,図1の回路
遮断器の接点が溶着しトリップした状態を示す側断面図
である。
【0003】図1〜図4において,1はカバー,2は基
台であり,いずれも合成樹脂で形成され,回路遮断器の
絶縁筐体を構成している。3はハンドルであり,外部か
ら回路遮断器の接点の開閉をおこなう。4は基台2に固
定された固定接点板であり,固定接点6が固着されてい
る。7は可動接点板であり,固定接点6に対向して接離
する可動接点8が固着されている。
【0004】9は接点ばねであり,基台2の凹部2aと
可動接点板7間に装着され,可動接点板7を固定接点板
4から開離する方向に付勢する。10は絶縁材で形成さ
れたクロスバーであり,図2に示すように可動接点板7
を脱落防止して組み付けてあり,基台2に設けられた溝
2b内を可動接点8が固定接点6に対向して接離する方
向に摺動する。
【0005】11はリンクであり,一端部はハンドル3
にリンク軸12で軸支され,他端部はローラ軸13によ
りクロスバー10の上部端面10dと接離自在に当接す
る。14は爪片であり,ハンドル3の回転軸15に一端
部を軸支され,かつ爪片先端部14aがローラ軸13に
当接する。16は作動板であり,ほぼ中心部分を軸17
で回転自在に軸支され,一端部は前記爪片14aに当接
する。なおハンドル3と,リンク11と,リンク軸12
と,ローラ軸13と,クロスバ−10と,爪片14とに
より開閉機構が構成されている。19は電磁石装置であ
り,可動鉄片20を有する。図1に示す状態において
は,ハンドルはON位置にある。
【0006】このような従来の回路遮断器においては,
接点が閉路状態になっている図1において,ハンドル3
をOFF方向(時計方向)に倒せば,ハンドル3とリンク1
1とリンク軸12とローラ軸13で構成されるリンク機
構がく字状に屈曲され,クロスバー10は接点ばね9の
付勢力により可動接点板7とともに図1において上方向
に押し上げられ,可動接点8が固定接点6から開離さ
れ,図3に示す開路状態となる。この状態においては,
ハンドル3はOFF位置にある。
【0007】図1に示す閉路状態で回路に異常電流が流
れると,電磁石部19により可動鉄片20が固定鉄心2
1に吸引され,可動鉄片20の可動部20aが作動板1
6の作動部18を蹴ることにより,作動板16が軸17
を中心に反時計方向に回動し,作動板16と爪片14と
の係合が外れ,ローラ軸13はクロスバー10の上部端
面10dから外れる。クロスバー10は,接点ばね9の
付勢力により可動接点板7とともに接点開離方向に押し
上げられ,可動接点8が固定接点6から開離され,図3
に示すようにハンドル3およびリンク機構はOFF状態の
位置になり,自動引き外しを完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の回
路遮断器は,開閉機構部のローラ軸13が,クロスバー
10の上部端面10dを可動接点板7の閉路方向のみに
押圧し,接離自在に当接する分離した構成である。この
ため,図3に示すように異常電流が発生して可動接点8
と固定接点6が溶着し閉路状態にあっても,ハンドル3
はOFF位置に移動してしまう。ハンドルがOFF状態にある
ために,使用者はハンドルの位置から,接点は開路状態
であるとの誤認を生ずることとなり,安全性が低下す
る。
【0009】この発明の目的は,前述のように可動接点
と固定接点が溶着時に開路状態であるとの誤認を防止で
きることができる回路遮断器を,部品を増やすことな
く,従来と同一のコストで,提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本件の発明は,カバーと
基台からなる絶縁筐体の内部に配設され外部からON,OF
F操作可能なハンドルと,基台に装着された複数の固定
接点板と,この固定接点板に対向して接離する複数の可
動接点板と,この複数の可動接点板を可動接点板の表裏
から規制して同時に駆動するクロスバーとを備え,一方
をハンドルのリンク軸支部に軸支されたリンクと,該リ
ンクの他方にはローラ軸と,異常電流がない状態ではロ
ーラ軸の移動を規制し,異常電流を検出した状態ではロ
ーラ軸の移動規制を解く係合部を備え,異常電流がない
状態ではハンドルのON操作によりローラ軸がクロスバ
ーのローラ軸当接部を押さえて可動接点板を固定接点板
に接触させる構造を備えた回路遮断器において,クロス
バーには,異常電流を検出した状態でローラ軸が位置す
る場所に凸部と凹部を備え,リンクにはローラ軸から離
れた位置に突起片と,ハンドルや係合部を支えるフレー
ムにはリンクの突起片に対向する位置規制片を備え,複
数の可動接点板のうち何れかの接点が溶着した状態で異
常電流を検出しローラ軸の移動規制が解かれた状態で
は,ハンドルのOFF側への回動は,リンクのローラ軸
と突起片がクロスバーの凸部とフレームの位置規制片に
当接して移動が規制され,接点の溶着がない状態では,
ローラ軸がクロスバーの凹部に位置することでリンクの
突起片がフレームの位置規制片から外れた状態になり,
リンクの移動が規制されずハンドルがOFF側に回動す
ることを特徴とした回路遮断器を提供したものである。
それにより,部品を増加することなく,従来と同一のコ
ストで,接点溶着時に異常電流を検出した場合はハンド
ルがOFF位置に移動することがなく,接点がOFF状
態にあるとの誤認を防止した回路遮断器を提供すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の第1実施の形態を図5
〜図10により説明する。図5は回路遮断器の外観斜視
図,図6は回路遮断器が閉路状態を示す内部側断面図,
図7は,図6の回路遮断器が開路状態であるときを示す
側断面図である。図8は,図6の回路遮断器のハンドル
をON方向に保持した状態でのトリップ状態を示す側断面
図である。図9は,図6の回路遮断器の接点が溶着した
状態でのトリップ状態を示す側断面図である。図10
は,図6の回路遮断器のクロスバーに可動接点板を組み
込んだ状態を示す斜視図である
【0012】図5〜図10において,1〜9,12〜2
0は前述の従来装置と同様なものであり,その説明を省
略する。30は可動接点板7を駆動するクロスバーであ
り,図10に詳細構造を示すように,絶縁材で形成さ
れ,可動接点板7の脱落を防止し保持するための□状の
貫通孔30aと,可動接点板7の抜けを防止し回動自在
に保持するとともに,可動接点板7を図の上方から規制
する突起30bが複数形成され,全極に併設されたそれ
ぞれの可動接点板7の略中央部を可動軸受け7aで突起
30bに係支している。30cは可動軸受け7aの支え
部で,該可動軸受け7aの抜け止めとして機能するとと
もに可動接点板7を下方から規制している。30dはロ
ーラ軸13が係合するローラ係合部である。また,30
eは爪片14と作動板16の係合が外れた際にローラ軸
13が位置する場所に設けられた凸部で,30fは同凹
部である。なお,クロスバー30は基台2に形成された
溝部2b内を可動接点8が固定接点6に対向して接離す
る方向,すなわち図6において上下方向に摺動する。3
1はリンクであり,一端部はハンドル3にリンク軸12
で軸支され,他端部はローラ軸13によりクロスバー3
0の上部端面のローラ係合部30dと接離自在に当接す
る。また,31aはリンク31に設けた突起片であり,
リンク31の詳細形状は図11のようなものである。3
2は,ハンドル3の回転軸15や作動板16の軸17を
支承するフレームで,フレームにはリンクの位置規制片
32aを有する。32aの位置規制片は,フレーム32
から切り起こしなどで成形され,前記リンク31の突起
片31aに輻輳する位置まで延出している。
【0013】この回路遮断器は,接点が閉路状態になっ
ている図6において,ハンドル3をOFF方向(時計方
向)に倒せば,ハンドル3とリンク31とリンク軸12
とローラ軸13で構成されるリンク機構がく字状に屈曲
され,クロスバー30は接点ばね9の付勢力により可動
接点板7と共に図6において上方向に押し上げられ,可
動接点8が固定接点6から開離され,図7に示す開路状
態となる。
【0014】図6に示す閉路状態で回路に異常電流が流
れると,電磁石部19により可動鉄片20が固定鉄心2
1に吸引され,可動鉄片20の作動部20aが作動板1
6の作動部18を蹴ることにより,作動板16が軸17
を中心に反時計方向に回動し,作動板16と爪片14と
の係合が外れ,ローラ軸13はクロスバー30のローラ
軸当接部30dから外れる。クロスバー30は,接点ば
ね9の付勢力により可動接点板7とともに接点開離方向
に押し上げられ,可動接点8が固定接点6から開離さ
れ,図7に示すようにハンドル3およびリンク機構はOF
F状態の位置になり自動引き外しを完了する。
【0015】同様に,ハンドル3を外部からON状態に拘
束した場合においても,異常電流発生時には図8に示す
ように爪片14と作動板16の係合が外れて,ローラ軸
13の規制が解かれ,接点ばね9の付勢により,可動接
点板7とクロスバー30が図の上方に移動する。このと
きの要部の状態を図12の(C)に示す。図12の
(C)において,ローラ軸13はクロスバー30の凹部
30fに対して僅かに隙間を残して位置し,リンク31
の突起片31aは,フレーム32の位置規制部32aに
当接しているが,この状態でハンドル3のON拘束を解
くと,ハンドル3は図示しないハンドルばねによる付勢
により図の時計方向に回動を始め,軸12も回動を始め
ローラ軸13が凹部30fに当接する位置までリンク3
1が移動する。このときリンク31は図12(C)の位
置から僅かに左方に移動し,合わせて突起片31aも位
置規制部32aに当接しながら左方に移動し,ついには
位置規制部32aから外れる。突起片31aが位置規制
部32aから外れるとリンク31はハンドル3に対して
くの字状に曲がることを拘束されずハンドル3の回動に
合わせて図の左上方向に引っ張られる形で移動できるか
ら,ハンドル3は図7のOFF位置に移動することがで
きる。もし,ハンドル3のON拘束がない状態で異常電
流発生した場合も,上述と同様な順序で図6から図7の
状態に自動的に移行する。
【0016】図9は,可動接点8と固定接点が溶着した
閉路状態で回路に異常電流が流れ,作動板16と爪片1
4との係合が解除されて,可動接点8が固定接点6から
開離しない場合を示す。この状態において,図9に示す
ように作動板16と爪片14との係合が解除されると,
ローラ軸13はクロスバー30のローラ軸当接部30d
から外れ,クロスバー30の接点ON方向への規制は解
除されるが,可動接点板7が接点溶着のためON位置に
拘束されるためクロスバー30は図の上方に移動できな
い。しかしながら,可動接点板7とクロスバー30の間
には寸法余裕があり,また接点溶着も複数の可動接点板
全部について発生することはなく,複数の可動接点板の
うち何れかに限られるから,溶着が発生していない可動
接点板の接点ばね付勢力によりクロスバー30は図の上
方に付勢力をうけ,前述の寸法余裕分だけ図の上方に移
動する。それにより,ローラ軸13はクロスバー30の
凸部30eの箇所に位置することとなり,リンク31の
突起片31aは位置規制部32aの位置から外れること
ができない。図のようにローラ軸13が凸部30eに当
接し,突起片31aが位置規制部32aに接する位置ま
で,ハンドル3は図の時計廻りに回動するが,それ以上
は,リンク31は凸部30eと位置規制部32aとに規
制されて移動できず,ハンドル3も回転を規制され,そ
の位置で停止する。
【0017】この結果,ハンドル3により,接点溶着状
態で異常電流を検出し,機構はトリップ状態となって
も,ハンドルはOFF位置まで移動せず,接点がOFF
状態であるとの誤認を避けることができる。また,本方
法によれば,従来の構成部品,すなわちクロスバーやリ
ンクやフレームなどから部品を増やす必要がなく,形状
を変更するのみでよいから,コストが増加することがな
い。
【0018】図12(A)〜(D)は,図6から図10
における,ハンドル3とリンク31とクロスバー30の
関係のみを抽出して説明した図であり,(A)は図6
に,(B)は図7に,(C)は図8に,(D)は図9に
それぞれ対応している。
【0019】
【発明の効果】以上のように,本件の発明によれば,電
路の異常により,機構はトリップ状態であっても,可動
接点と固定接点が溶着している場合は,ハンドルがOF
F位置まで移動せず,接点が開いているとの誤認を防止
できる回路遮断器をコストがアップすることなしに提供
でき,安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の回路遮断器が接点閉状態である構造図。
【図2】従来の回路遮断器のクロスバーと可動接点板の
組み合わせ図。
【図3】従来の回路遮断器が接点開状態である構造図。
【図4】従来の回路遮断器が接点溶着をおこしてトリッ
プした状態の図。
【図5】回路遮断器の外観図。
【図6】本件発明の回路遮断器が接点閉状態である構造
図。
【図7】本件発明の回路遮断器が接点開状態である構造
図。
【図8】本件発明の回路遮断器のハンドルをON拘束し
てトリップしたときの図。
【図9】本件発明の回路遮断器が接点溶着状態でトリッ
プしたときの図。
【図10】本件発明のクロスバーと可動接点板の組み合
わせ説明図。
【図11】本件発明のリンクの説明図。
【図12】本件発明の要部の状態説明図。
【符号の説明】
1 カバー 2 基台 3 ハンドル 4 固定接点板 6 固定接点 7 可動接点板 8 可動接点 9 接点ばね 12 リンク軸 13 ローラー軸 14 爪片 16 作動板 20 鉄片 30 クロスバー 30e 突部 30f 凹部 31 リンク 31a 突起片 32 フレーム 32a 位置規制部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 和行 広島市南区大州3丁目1番42号テンパール 工業株式会社内 Fターム(参考) 5G030 AA01 BA02 CA00 FA02 FB14 XX00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カバーと基台からなる絶縁筐体の内部に配
    設され外部からON,OFF操作可能なハンドルと,基台に
    装着された複数の固定接点板と,この固定接点板に対向
    して接離する複数の可動接点板と,この複数の可動接点
    板を可動接点板の表裏から規制して同時に駆動するクロ
    スバーとを備え,一方をハンドルのリンク軸支部に軸支
    されたリンクと,該リンクの他方にはローラ軸と,異常
    電流がない状態ではローラ軸の移動を規制し,異常電流
    を検出した状態ではローラ軸の移動規制を解く係合部を
    備え,異常電流がない状態ではハンドルのON操作によ
    りローラ軸がクロスバーのローラ軸当接部を押さえて可
    動接点板を固定接点板に接触させる構造を備えた回路遮
    断器において,クロスバーには,異常電流を検出した状
    態でローラ軸が位置する場所に凸部と凹部を備え,リン
    クにはローラ軸から離れた位置に突起片と,ハンドルや
    係合部を支えるフレームにはリンクの突起片に対向する
    位置規制片を備え,複数の可動接点板のうち何れかの接
    点が溶着した状態で異常電流を検出しローラ軸の移動規
    制が解かれた状態では,ハンドルのOFF側への回動
    は,リンクのローラ軸と突起片がクロスバーの凸部とフ
    レームの位置規制片に当接して移動が規制され,接点の
    溶着がない状態では,ローラ軸がクロスバーの凹部に位
    置することでリンクの突起片がフレームの位置規制片か
    ら外れた状態になり,リンクの移動が規制されずハンド
    ルがOFF側に回動することを特徴とした回路遮断器。
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