JP3711039B2 - 開閉器及びその投入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動接触刃を一対の固定接触子間に抜き差し可能に対応させた開閉器及びその投入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、次のような開閉器が知られている。即ち、例えば実開平4−52338号公報に示すように、可動接触刃が接離可能に対応する固定電極には取付部材が取着され、同取付部材に対して消弧室が左右方向に揺動可能に支持されている。このため、可動接触刃に対応して消弧室が傾くことができ、可動接触刃と消弧室との投入位置が若干ずれても、可動接触刃の消弧室への衝突破損を回避できるようになっている。また、消弧室の開口部には外側に拡開する一対のテーパ部が形成されている。このため、投入時、可動接触刃の組付け誤差等に起因して、同可動接触刃の投入位置が消弧室に対して若干左右にずれていても、同可動接触刃は消弧室開口部のテーパ部にガイドされて消弧室内部に係入する。従って、若干の組付誤差があっても固定電極に対する可動接触刃のスムーズな開閉動作が確保されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の開閉器においては、消弧室の左右方向への動きは許容されているものの、固定電極の左右方向への動きは許容されていなかった。このため、投入時における可動接触刃と消弧室との投入位置が若干ずれていても問題なく投入動作が行われる。しかしながら、可動接触刃と固定接触子との位置ずれに関しては、可動接触刃が固定接触子に対して接触する直前、可動接触刃と固定接触子との間に先行アークが発生して通電すると、各可動接触刃間には電磁反発力が発生する。可動接触刃には交流電流が流れているので、結局各可動接触刃は両固定接触子間で左右に振動し、前記位置ずれも相俟って両固定接触子間の挟入空隙に可動接触刃が正確に対応できないことがあった。
【0004】
即ち、両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線のズレが生じることから、可動接触刃は左右いずれかに片寄って両固定接触子間に投入される。強く接触する側の固定接触子との間にはアークは発生しないものの、反対側の固定接触子との間には間隙が生じてアークが発生する。このため、可動接触刃と固定接触子との接触面が荒れて耐久性がなくなるという問題があった。また、軸線のズレ方向側の固定接触子の先端に対して可動接触刃が強く接触するときの衝撃力により、固定接触子及びその周辺部分の破損のおそれがあった。従って、可動接触刃を両固定接触子間の挟入空隙に対して円滑に投入できないという問題があった。
【0005】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、投入時、例えば電磁反発力により可動接触刃が左右に振動して両固定接触子間の挟入空隙に正確に対応しない場合にも、可動接触刃を挟入空隙に対して円滑に投入することができる開閉器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、導電体を挟持するように対向支持された一対の固定接触子を有する固定電極と、両固定接触子間に抜き差し可能に対応する可動接触刃と、該可動接触刃の揺れ方向に移動可能であり、開放時に両固定接触子と可動接触刃との間に発生したアークを消弧する消弧装置と、一対の固定接触子のそれぞれの外面に接触して両固定接触子を内方に付勢する付勢部材に対向し、消弧装置の移動に連動して可動接触刃の揺れ方向に移動する押圧部材を設けた連動部材とを備えた開閉器の投入方法において、投入時、可動接触刃が揺れて両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線がずれた場合、可動接触刃の揺れに連動して消弧装置が可動接触刃の揺れ方向に移動し、この消弧装置の移動に連動して前記押圧部材が消弧装置の移動方向に移動し、前記押圧部材が、前記付勢部材を介して両固定接触子を可動接触刃の揺れ方向に押圧することで両固定接触子が消弧装置の移動方向に移動し、この結果、可動接触刃が両固定接触子間の挟入空隙に正確に投入されるようにしたことをその要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、導電体を挟持するように対向支持された一対の固定接触子を有する固定電極と、両固定接触子間に抜き差し可能に対応する可動接触刃と、該可動接触刃の揺れ方向に移動可能であり、開放時に両固定接触子と可動接触刃との間に発生したアークを消弧する消弧装置と、一対の固定接触子のそれぞれの外面に接触して両固定接触子を内方に付勢する付勢部材に対向し、消弧装置の移動に連動して可動接触刃の揺れ方向に移動する押圧部材を設けた連動部材とを備えたことをその要旨とする。
【0009】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、投入時、可動接触刃が揺れて両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線がずれた場合、可動接触刃の揺れに連動して消弧装置が可動接触刃の揺れ方向に移動する。この消弧装置の移動に連動して両固定接触子が消弧装置の移動方向に移動する。このため、両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線が一致し、同可動接触刃が両固定接触子間の挟入空隙に正確に投入される。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、投入時、可動接触刃が揺れて両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線がずれた場合、揺動する可動接触刃によって消弧装置がその揺れ方向に移動する。この消弧装置の移動に連動して、両固定接触子はその揺れ方向に追従して動く。そして、両固定接触子の挟入間隙が可動接触刃の移動軌跡内に移動される。このため、両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線が一致する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をケース入り開閉器に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
(全体)
図1に示すように、開閉器11の本体ケース12の互いに対向する両側壁には電源側ブッシング13及び負荷側ブッシング14が3相各相毎(図1においては1相分のみ示す。)に互いに対向するように貫通支持されている。電源側ブッシング13の内端部には導電体15が突設されており、同導電体15には固定電極16が固定されている。負荷側ブッシング14の内端部には導電体17が突設されており、同導電体17には軸18を介して可動接触刃19の基端部が回動可能に支持されている。
【0014】
一方、前記本体ケース12内の下部には、複数のリンク等からなる開閉機構部(図示略)を介して本体ケース12外部の操作ハンドル(図示略)に作動連結された回動軸20が設けられている。この回動軸20はレバー21及び駆動リンク22を介して可動接触刃19に作動連結されている。従って、前記操作ハンドルが操作されると、可動接触刃19は前記開閉機構部、回動軸20、レバー21及び駆動リンク22を介して軸18を中心に図1に実線で示す投入位置と同じく二点鎖線で示す開放位置との間を移動する。レバー21と駆動リンク22との連結部、駆動リンク22と可動接触刃19との連結部、及び開閉機構部を構成するリンク等には若干の遊びがある。
(固定電極)
(固定接触子)
図2及び図4に示すように、前記固定電極16は導電体15の両側面平面部にそれぞれ対向するように接触支持された一対の固定接触子31,31を備えている。図3及び図4に示すように、両固定接触子31,31はそれぞれ導電体15の長手方向に沿う方向に所定間隔をおいて配置された前側接触子31f及び後側接触子31rを備えている。図2及び図4に示すように、両固定接触子31,31の外側面には、両固定接触子31,31を内方に付勢する板ばね部材32、複数枚の皿ばね33、平座金34及び回り止め板35が積層配置されており、各部材31〜35はボルト36及びナット37によりそれぞれ導電体15に対して固定されている。
【0015】
図2に示すように、両固定接触子31,31における前側接触子31f及び後側接触子31rの先端部はそれぞれ板ばね部材32の弾性力により互いに近接する方向に付勢されている。両固定接触子31,31の基端部はそれぞれ各皿ばね33の弾性力により互いに近接する方向(導電体15に対する圧着方向)に付勢されている。両固定接触子31,31は板ばね部材32及び各皿ばね33の弾性力に抗して互いに離間又は近接する方向に移動可能となっている。
【0016】
(板ばね部材)
図3に示すように、板ばね部材32の前後両側縁部にはそれぞれ側部規制突部32a, 32bが固定接触子31側に折曲形成されており、両側部規制突部32a, 32bは両固定接触子31, 31の前側縁部及び後側側縁部に対してそれぞれ係合している。また板ばね部材32の中央には中央規制突部32cが固定接触子31側に折り曲げ形成されている。この中央規制突部32cは前後両接触子31f, 31r間に介在されている。即ち、両側部規制突部32a, 32b及び中央規制突部32cにより両接触子31f, 31rの導電体15に対する前後方向(導電体15に沿う方向)への移動が規制され、導電体15に対する位置決めがなされている。
【0017】
(間隔保持部材)
図2及び図4に示すように、両固定接触子31,31間における導電体15の上面には、間隔保持部材41が同導電体15の上面に対して相対移動可能に配置されている。間隔保持部材41は樋状(断面U字状)に、且つ導電体15に沿うように延出して形成されている。間隔保持部材41のU字内面は溝41aを構成しており、同溝41a内には緩衝部材42が配置されている。この緩衝部材42はEPR等の絶縁性及び弾性を有する合成樹脂材料にて四角柱状に形成されている。そして、投入時、可動接触刃19がその慣性力により投入方向にオーバランしようとしたとき、即ち、図1及び図7に実線で示す投入位置を越えて回動しようとしたとき、可動接触刃19の先端部が緩衝部材42の上面に衝突するように、同緩衝部材42の長さ、幅及び取付位置等が設定されている。即ち、緩衝部材42は可動接触刃19の投入軌跡の延長線に対して交差するように設けられている。
【0018】
図6に示すように、両固定接触子31,31は間隔保持部材41の側壁に係合することにより互いに近接する方向への移動が規制されている。これにより、両固定接触子31,31子間(以下、「挟入間隙」という。)の距離が一定に保持されている。間隔保持部材41の互いに対向する両側壁は上部へ向かうにつれて拡開しており、両側壁の上端縁外面間(図6における両A部間)の距離は導電体15の幅(導電体15の両側面平面部間の距離)よりも大きくなっている。このため、両固定接触子31,31の基端部内面と導電体15の両側面上部側との間には若干の隙間が形成されている。従って、両固定接触子31,31の基端部内面が導電体15の両側面に対して密着している場合と異なり、両固定接触子31,31はそれぞれ導電体15の接触部分(B部)を支点として互いに離間及び近接する方向に容易に傾動可能となっている。
【0019】
(ピン)
図2及び図3に示すように、間隔保持部材41の互いに対向する両側壁の中央上部にそれぞれ形成された挿通孔(図示略)間にはピン43が挿通されている。このピン43の両端はそれぞれ両固定接触子31,31及び両板ばね部材32, 32の中央付近を貫通して外部に突出している。このピン43は緩衝部材42を上方から押さえつけるように配置されており、これにより緩衝部材42の溝41aに沿う方向(導電体15の中心軸線に沿う方向)への移動が規制される。
(消弧装置)
図1に示すように、前記電源側ブッシング13の内端部には消弧装置51が設けられている。この消弧装置51は固定電極16を覆うように設けられた消弧室本体52と、同消弧室本体52の下部開口を閉鎖するように設けられた底部カバー53とを備えている。消弧室本体52の互いに対向する側壁の下部側に設けた締付部を底部カバー53の互いに対向する側壁の下部に設けた連結部に対してボルト54及びナット55にて締め付けることにより、消弧室本体52と底部カバー53とは着脱可能に連結されている。
【0020】
(消弧室本体)
図2に示すように、消弧室本体52は導電体15及び固定電極16を覆う箱体状の収容部61と、同収容部61の上面に対して斜状に形成された細隙消弧室62とを備えている。消弧室本体52は消弧性及び絶縁性を有する合成樹脂材料にて形成されており、図2における左右方向に若干弾性変形可能になっている。
【0021】
(収容部)
図2及び図5に示すように、収容部61の内部において、互いに対向する左右両側面の上部中央から中程に亘ってそれぞれ規制突条63が形成されている。収容部61の前後両壁面の下端縁中央には凸状の切欠部64が形成されている。この切欠部64には導電体15及び緩衝部材42が進入可能となっている。収容部61の上壁から負荷側ブッシング14側側壁に亘る中央部には溝65が連続的に形成されており、可動接触刃19はこの溝65を通過可能となっている。
【0022】
(細隙消弧室)
細隙消弧室62は収容部61の溝65を挟んで互いに対向する一対の細隙消弧部材62a, 62aを備えている。両細隙消弧部材62a, 62aは可動接触刃19が通過可能な程度に離間されている。両細隙消弧部材62a, 62aは収容部61の上面に対して所定の角度をなすように、且つ収容部61の上面から負荷側ブッシング14側側面の上部中央に亘って設けられている。両細隙消弧部材62a, 62aの先端は互いに離間する方向に拡開されたテーパ部となっている。
【0023】
(規制部材)
図2及び図3に示すように、消弧室本体52内には規制部材71が装着されている。規制部材71は弾性を有する金属材料により形成されている。図4に示すように、規制部材71は四角環状に形成された枠体72を備えており、同枠体72の開口部は固定電極16及び両板ばね部材32, 32を上方から通過可能となっている。枠体72の開口部において、互いに対向する内側縁にはそれぞれ片側2つずつ規制突部73, 73が所定距離をおいて上側に折曲形成されている。片側2つの規制突部73,73はそれぞれ前側接触子31f及び後側接触子31rに対向している。
【0024】
図4に示すように、枠体72において各規制突部73が形成された内側縁に対して直交する2つの側縁部にはそれぞれ保持壁74, 74が下方に折曲形成されている。両保持壁74, 74は下方に向かうほど拡開されており、両保持壁74,74の先端縁間の距離は収容部61の前後内壁面間の距離よりも若干大きくなっている。
【0025】
規制部材71は収容部61の下部開口部から装着され、同規制部材71の左右両側縁部の上面がそれぞれ規制突条63, 63の下端部に係止されることにより、収容部61内における上方への移動が規制される。このとき、規制部材71の前後両保持壁74, 74は収容部61の前後内壁により互いに近接する方向に押圧されている。この前後両保持壁74,74の弾性力により規制部材71は収容部61内の前記所定位置に保持されている。
【0026】
(底部カバー)
図4に示すように、底部カバー53の底壁上面における前側には左右方向に所定間隔をおいて一対の前側規制壁81,81が立設されている。また、底部カバー53の底壁上面における後側には左右方向に所定間隔をおいて一対の後側規制壁82,82が立設されている。両前側規制壁81,81間及び両後側規制壁82,82間には導電体15が配置されている。両前側規制壁81,81間及び両後側規制壁82,82間の距離は、それぞれ導電体15の幅(両側面間の距離)よりも若干大きくされており、底部カバー53は導電体15に対して左右方向に若干移動可能になっている。
【0027】
また、前後に並ぶ前側規制壁81と後側規制壁82との間には、固定接触子31が配置されている。前側規制壁81と後側規制壁82との間の距離は固定接触子31の幅とほぼ同じにされており、底部カバー53の導電体15に対する前後方向への移動が規制される。即ち、前側接触子31fの前側側縁部が前側規制壁81に係止されることにより、また後側接触子31rの後側側縁部が後側規制壁82に係止されることにより、底部カバー53の導電体15に対する前後方向への移動が規制される。従って、消弧装置51は導電体15に対して左右方向に若干移動可能となっていると共に、導電体15に対する前後方向の移動は不可能となっている。
【0028】
尚、本実施形態において、板ばね部材32は、両固定接触子31,31をそれぞれ導電体15に対する圧着方向に付勢する付勢部材を構成する。規制部材71は、消弧装置51の可動接触刃19の揺れ方向への移動に連動して、両固定接触子31,31の挟入間隙を可動接触刃19の移動軌跡内に移動させる連動部材を構成する。規制突部73は、消弧装置51の可動接触刃19の揺れ方向への移動に連動して、両固定接触子31,31をそれぞれ導電体15に対する圧着方向へ押圧する押圧部材を構成する。各皿ばね33は固定接触子31を導電体15に対する圧接方向に付勢する付勢手段を構成する。ピン43は間隔保持部材41の導電体15の中心軸線に沿う方向への移動を規制する移動防止部材を構成する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した開閉器の作用について説明する。
【0029】
(追従)
前記操作ハンドルにて投入操作が行われると、可動接触刃19は図1に二点鎖線で示す開放位置から図1に実線で示す投入位置側へ回動する。そして、可動接触刃19が消弧室本体52内に進入すると、同可動接触刃19と固定電極16との間に先行アークが発生して電流が流れ始める。即ち、各相の可動接触刃19には3相同時に且つ同方向の電流が流れる。このため、各可動接触刃19間にはフレミング左手の法則に基づいて電磁反発力が発生する。
【0030】
各相に流れる電流は交流であることから各可動接触刃19に作用する電磁反発力の方向も交互に変化する。この結果、可動接触刃19は左右に揺動(振動)する。このとき、可動接触刃19は細隙消弧室62内にあり、同細隙消弧室62及び収容部61は可動接触刃19の揺動により同可動接触刃19の揺れ方向に撓むと共に、消弧装置51全体が可動接触刃19の揺れ方向(左右方向)に追従して移動する。
【0031】
これは、底部カバー53の両前側規制壁81,81間及び後側規制壁82,82間と導電体15との間に若干の隙間があるためである。そして、消弧装置51全体の左右方向への移動は導電体15が前側規制壁81及び後側規制壁82に係止されることにより規制される。この消弧装置51全体の揺れに連動して、規制部材71の4つの規制突部73は板ばね部材32を介して前後両接触子31f, 31rを外側から可動接触刃19の揺れ方向へ押圧する。
【0032】
規制突部73にて外側から押圧された固定接触子31は図6に示すB部を支点として導電体15に対する圧着方向に傾動する。すると、間隔保持部材41は反対側の固定接触子31側に押されて移動し、同反対側の固定接触子31を導電体15に対する離間方向に押圧する。この結果、反対側の固定接触子31は導電体15に対する離間方向に傾動する。このとき、両固定接触子31,31間の間隔は間隔保持部材41にて一定に保持されており、両固定接触子31,31間の挟入間隙は可動接触刃19の移動軌跡内に位置している。
【0033】
即ち、両固定接触子31,31間の挟入間隙の中心軸線と可動接触刃19の中心軸線とがほぼ一致し、同可動接触刃19は両固定接触子31,31間の挟入間隙に正確に投入される。従って、可動接触刃19が両固定接触子31,31間に片寄って投入されることがなく、同可動接触刃19と両固定接触子31,31との間に隙間が形成されることもない。この結果、可動接触刃19と両固定接触子31,31との間にアークが発生することはなく、このアークによって可動接触刃19の両固定接触子31,31に対する接触面が荒れて耐久力が低下することもない。
【0034】
(緩衝)
投入時、可動接触刃19の投入方向への慣性力は非常に大きく、機構部が所定の投入位置に停止しても、同可動接触刃19は図1及び図7に実線で示す投入位置を大きく越えて回動しようとする。しかしながら、機構部が所定の停止位置に停止すると同時に可動接触刃19の先端部は緩衝部材42の上面に衝突する。この結果、可動接触刃19のオーバラン(過投入)、即ち可動接触刃19が投入位置を大きく越えて回動することが防止されると共に、可動接触刃19の間隔保持部材41を介した導電体15への衝突に伴う衝撃力は、この緩衝部材42にて緩和される。従って、レバー21、駆動リンク22及び開閉機構部を構成するリンク等に大きな負担がかかることがない。また、投入時における可動接触刃19の衝撃が緩和される。
【0035】
(投入・開放位置)
図7に示すように、可動接触刃19が両固定接触子31,31間に差し込まれた状態においては、両固定接触子31,31は板ばね部材32及び各皿ばね33の弾性力に抗してB部を支点として外方に押し広げられた状態となっている。このため、投入位置にある可動接触刃19は両固定接触子31,31間において板ばね部材32及び各皿ばね33の弾性力が付与された状態で両固定接触子31,31により挟持され、十分な接触圧が確保される。
【0036】
また、両固定接触子31,31間から可動接触刃19が抜き出されると、板ばね部材32及び各皿ばね33の弾性力により、両固定接触子31,31は図6に示す原位置に復帰する。そして、両固定接触子31,31の導電体15に対する圧接方向への移動が間隔保持部材41にて規制されることにより固定接触子31間はその開口側において所定の間隙が維持される。
【0037】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)投入時、各可動接触刃19間に生じた電磁反発力により可動接触刃19が左右に揺れて両固定接触子31,31間の中心軸線に対して可動接触刃19の中心軸線がずれた場合、可動接触刃19の揺れに連動して消弧装置51全体が可動接触刃19の揺れ方向に移動するようにした。そして、この消弧装置51の移動に連動して両固定接触子31,31が消弧装置51の移動方向に追従して移動するようにした。このため、両固定接触子31,31間の中心軸線に対して可動接触刃19の中心軸線がほぼ一致し、同可動接触刃19が両固定接触子31,31間の挟入空隙に正確に投入される。従って、可動接触刃19を両固定接触子31,31間の挟入空隙に対して円滑に投入することができる。
【0038】
(2)消弧装置51の揺れ方向への移動に連動して、両固定接触子31,31の挟入間隙を可動接触刃19の移動軌跡内に移動させる規制部材71を設けた。この規制部材71は、消弧装置51に対して一体移動可能に装着され、同消弧装置51の導電体15への取付状態において両板ばね部材32の外面に対向する複数の規制突部73を備えている。このため、消弧装置51が揺れ方向へ移動すると、両固定接触子31,31はそれぞれ規制突部73により導電体15に対する圧着方向へ押圧される。そして、固定接触子31は消弧装置51の揺れ方向に傾動し、両固定接触子31,31間の挟入間隙は可動接触刃19の移動軌跡内に移動する。このため、簡単な構成にもかかわらず可動接触刃19を両固定接触子31,31間の挟入空隙に対して円滑に投入することができる。
【0039】
(3)両固定接触子31,31を導電体15に対する圧接方向に付勢する複数の皿ばね33と、各皿ばね33による固定接触子31の導電体15に対する圧接方向への移動を規制することにより固定接触子31と導電体15の側面平面部との間に微少隙間を形成する間隔保持部材41とを備えた。このため、固定接触子31が導電体15の側面平面部に対して密着した場合と異なり、固定接触子31の左右方向における揺動が容易になる。従って、左右方向に揺動可能に設けた消弧装置51に固定接触子31を追従して移動させることで両固定接触子31,31間の中心軸線に対して可動接触刃19の中心軸線を一致させ、可動接触刃19を両固定接触子31,31間の挟入空隙に対して円滑に投入させる機構を構築することができる。
【0040】
(4)両固定接触子31,31を複数の皿ばね33により導電体15の両側面平面部に対してそれぞれ圧接する方向に付勢するようにした。そして、導電体15の上部に同導電体15の両側面平面部間の距離よりも大きい幅を有する間隔保持部材41を設け、同間隔保持部材41の側面(図6におけるB部)と導電体15の側面(図6におけるA部)との2箇所で両固定接触子31,31をそれぞれ支持するようにした。このため、固定接触子31と導電体15の側面平面部の上部との間に微小隙間が形成され、固定接触子31が導電体15の側面全体に密着した場合と異なり、固定接触子31の左右方向における揺動が容易となる。従って、左右方向に揺動可能に設けた消弧装置51に固定接触子31を追従して移動させることで両固定接触子31,31間の中心軸線に対して可動接触刃19の中心軸線を一致させ、可動接触刃19を両固定接触子31,31間の挟入空隙に対して円滑に投入させる機構を構築することができる。
【0041】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0043】
・本実施形態では、間隔保持部材を樋状に形成すると共にその両側壁を上部へ向かうほど拡開するように形成したが、この間隔保持部材の形状を例えば断面下凹状、四角筒状及び断面H状等のように任意に変更してもよい。この場合、本実施形態と同様に、間隔保持部材を上部に向かうほどその幅が大きくなるようにする。又は、間隔保持部材の外面に突起又は突条を形成する。
【0044】
・本実施形態では、両固定接触子間に間隔保持部材を配置することで導電体と両固定接触子との間に隙間を形成したが、導電体の両側面平面部又は両固定接触子の内面に突条を設けるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、投入時、可動接触刃が電磁反発力により左右に揺動して両固定接触子間の挟入空隙に正確に対応しない場合にも、可動接触刃を挟入空隙に対して円滑に投入することができる。また、可動接触刃と固定電極との組み付けに若干の誤差があった場合でも、可動接触刃の投入動作に追従する消弧室の左右移動が両固定接触子間の挟入空隙を可動接触刃の投入方向に対応させることができ、円滑な投入動作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 開閉器の正断面図。
【図2】 消弧装置の側断面図。
【図3】 消弧装置の正断面図。
【図4】 底部カバー、固定電極及び規制部材の分解斜視図。
【図5】 底部カバー、固定電極及び消弧室本体の分解側面図。
【図6】 開放時における固定電極の側面図。
【図7】 投入時における固定電極の側面図。
【符号の説明】
11…開閉器、15…導電体、16…固定電極、19…可動接触刃、
31…固定接触子、32…板ばね部材(付勢部材)、33…皿ばね(付勢手段)、41…間隔保持部材、43…ピン(移動防止部材)、51…消弧装置、
71…規制部材(連動部材)、73…規制突部(押圧部材)。
Claims (2)
- 導電体を挟持するように対向支持された一対の固定接触子を有する固定電極と、両固定接触子間に抜き差し可能に対応する可動接触刃と、該可動接触刃の揺れ方向に移動可能であり、開放時に両固定接触子と可動接触刃との間に発生したアークを消弧する消弧装置と、一対の固定接触子のそれぞれの外面に接触して両固定接触子を内方に付勢する付勢部材に対向し、消弧装置の移動に連動して可動接触刃の揺れ方向に移動する押圧部材を設けた連動部材とを備えた開閉器の投入方法において、
投入時、可動接触刃が揺れて両固定接触子間の中心軸線に対して可動接触刃の中心軸線がずれた場合、可動接触刃の揺れに連動して消弧装置が可動接触刃の揺れ方向に移動し、この消弧装置の移動に連動して前記押圧部材が消弧装置の移動方向に移動し、前記押圧部材が、前記付勢部材を介して両固定接触子を可動接触刃の揺れ方向に押圧することで両固定接触子が消弧装置の移動方向に移動し、この結果、可動接触刃が両固定接触子間の挟入空隙に正確に投入されるようにした開閉器の投入方法。 - 導電体を挟持するように対向支持された一対の固定接触子を有する固定電極と、両固定接触子間に抜き差し可能に対応する可動接触刃と、該可動接触刃の揺れ方向に移動可能であり、開放時に両固定接触子と可動接触刃との間に発生したアークを消弧する消弧装置と、一対の固定接触子のそれぞれの外面に接触して両固定接触子を内方に付勢する付勢部材に対向し、消弧装置の移動に連動して可動接触刃の揺れ方向に移動する押圧部材を設けた連動部材とを備えた開閉器。
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