JP2002148284A - 電流検出装置及びその製造方法 - Google Patents

電流検出装置及びその製造方法

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JP2002148284A
JP2002148284A JP2000348075A JP2000348075A JP2002148284A JP 2002148284 A JP2002148284 A JP 2002148284A JP 2000348075 A JP2000348075 A JP 2000348075A JP 2000348075 A JP2000348075 A JP 2000348075A JP 2002148284 A JP2002148284 A JP 2002148284A
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JP2000348075A
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Toru Iwasa
徹 岩佐
Norio Miyahara
紀夫 宮原
Kazuyuki Tamura
和之 田村
Taketoshi Kogure
健敏 小暮
Naohiko Okubo
尚彦 大久保
Toshio Niwa
寿夫 丹羽
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Toyota Motor Corp
Jeco Corp
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Toyota Motor Corp
Jeco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で組み付けを容易に行うことがで
きるとともに、全体を薄型にすることができて、バッテ
リ等に対する適合性を拡大することができ、しかも製造
コストの低減を図ることができる電流検出装置を提供す
る。 【解決手段】 ケース22は、軟質合成樹脂よりなるコ
ア収容部22aと、硬質合成樹脂よりなる基板収容部2
2bとを備えている。コア収容部22a内には、バッテ
リ端子に流れる電流から生じる磁束を通すコア24が、
基板収容部22b内には、そのコア24を通る磁束を磁
電変換して外部に出力するホール素子26及びホール素
子26が配設された基板25がそれぞれ収容されてい
る。コア24はコア収容部22a内にインサート成形さ
れ、ホール素子26は基板25上に配設した状態で基板
収容部22b内に収容配置する。このコア24及びホー
ル素子26の組み付け状態で、コア24とホール素子2
6との対応関係を電気的に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばバッテリ
と車輌電装品との間で入出力される電流を検出するため
に使用される電流検出装置及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、バッテリの端子に接続されたハー
ネスに流れる電流から生じる磁束を検出することによ
り、バッテリと車輌電装品との間で入出力される電流を
検出する電流検出装置が知られている。この種の電流検
出装置においては、硬質合成樹脂製のケースに、コアを
収容するコア収容部と、基板を収容する基板収容部とが
形成され、それらの収容部の一端面には開口部が設けら
れている。
【0003】この電流検出装置の組み付けには、まず、
磁電変換部としてのホール素子が配設された基板をケー
スの基板収容部内にその開口部から組み付け配置すると
ともに、コアをコア収容部内にその開口部から組み付け
配置する。その際、電流検出の精度を確保するために、
ホール素子がコアの両端部間のギャップ中に介在される
ようにコアの組み付け位置を調整するとともに、接着な
どの方法によりコアをケースに固定する。
【0004】そして、ホール素子における感度調整、す
なわち、検出される磁束強度と、被測定電流として出力
される電流値との関係を、回路基板上に設けられた抵抗
部材を機械的に調整(例えば、ポテンショメータによる
調整や、固定抵抗のレーザトリミングによる調整など)
することにより行う。
【0005】その後、ケース内のコア、基板及びホール
素子を、コアとホール素子との位置関係を維持した状態
で、コア収容部及び基板収容部内にゲル材よりなるポッ
ティング材を充填し、そのポッティング材を硬化させる
とともに、前記両収容部の開口部に蓋体を取り付けて、
それらの開口部を閉塞している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
電流検出装置及びその製造方法においては、次のような
問題があった。
【0007】(a)ホール素子における感度調整を、回
路基板上の抵抗部材を機械的に調整することにより行っ
ていたため、基板が非露出状態、すなわち基板がケース
内に封止された状態において感度調整を行うことができ
ないという問題があった。そのため、従来は基板がケー
ス内に封止される前、すなわち、コア収容部内にコアを
組み付ける際にホール素子の感度調整を行う必要があっ
た。
【0008】そして、ホール素子の感度は、コアの両端
部のギャップ間における位置により変動するため、コア
収容部内にコアを組み付けてホール素子の感度調整を行
う際には、コア及び基板(ホール素子)の位置関係を定
めて固定させる必要がある。そのため、上記従来の製造
方法においては、コア及び基板を組み付ける際に、コア
とホール素子とを所定の対応関係となるように位置決め
固定する必要があるという問題があった。
【0009】しかも、ホール素子の感度調整後、最終的
なコアの固定工程であるポッティング材の充填・硬化ま
での間、コアとホール素子との位置関係をその調整状態
に保持固定する必要があるという問題があった。このこ
とは、換言すれば、コアとホール素子との位置関係を固
定保持する製造工程が複数回行われていることを意味
し、製造上、非効率であるという問題があった。また、
従来は、コアを調整状態に保持するために、把持爪など
の治具を用いてコアを把持して固定していたが、このよ
うにすると、硬化したポッティング材に、把持爪に対し
て雌形をなす傷跡が形成され、この傷跡を介してコアが
大気に接触し、防錆上の問題を生じるおそれがあった。
【0010】さらに、ホール素子の感度調整を、コア及
び基板(ホール素子)の組み付け段階、すなわち、終局
的なコア及び基板の位置決め固定前に行っていることか
ら、例えば、把持爪などの治具を用いてコアを把持して
固定する際やポッティング材を充填・硬化させる際など
において、コアとホール素子との位置関係にズレを生
じ、電流検出装置の検出精度の低下を招くおそれがあっ
た。
【0011】加えて、コア及び基板などの位置決め固定
は、接着などの方法によりケースに直接固定されていた
ため、応力などの印加によりケースが変形した場合に
は、直接的にホール素子やコアに応力などのストレスが
加わることとなり、コアのヒステリシスが大きくなり磁
気的特性が変化したりするおそれがあった。
【0012】従って、上記従来の電流検出装置の製造方
法は、非効率であるばかりか、製造工程における自由度
が制限されて生産性を向上することができず、低廉化に
寄与できないという問題があった。しかも、得られる電
流検出装置は、その検出精度が、コアやホール素子の位
置調整やホール素子の感度調整、コアの磁気的特性など
を必ずしも反映したものとはならないという問題があっ
た。
【0013】(b) コア収容部にポッティング材を充
填して硬化させた後、コア収容部の開口部に蓋体を取り
付けていたが、ポッティング材の充填量が過剰であると
コア収容部の開口部に蓋体を取り付ける際に、硬化した
ポッティング材上で蓋体が浮き上がり、コア収容部の開
口部を適切に閉塞することができない。そのため、従来
は、硬化したポッティング材の表面と開口部を閉塞する
蓋体との間に隙間が形成されるようにポッティング材の
充填量を管理していたが、適切なポッティング材の充填
量の管理が難しいという問題があった。
【0014】また、このようすると、電流検出装置全体
の厚さが厚くなるため、バッテリのタイプによってはハ
ーネスのハーネスターミナルの接続が困難になるという
制約が生じる。すなわち、バッテリは、JIS規格に適
合した一定の端子高さが設定されたバッテリ端子を備え
たものが大多数であるため、電流検出装置自体の厚さが
厚いと、バッテリ端子に対するハーネスターミナルの接
触面積が不足するおそれがある。このような場合には、
電流検出装置を適切にバッテリに装着することができな
い。そして、電流検出装置の厚さが厚くなると装置自体
が大型となるため、エンジンルーム内のスペースを有効
に利用できないという問題があった。
【0015】さらに、上記のような隙間を形成すると、
雨水やバッテリ液などがコア収容部内に侵入するおそれ
があり、これによりコアや基板が腐食などするおそれが
あった。
【0016】(c) コア収容部及び基板収容部の全体
に亘ってポッティング材を充填していたため、ポッティ
ング材の使用量が多くなり、製造コストが高くなるとい
う問題があった。
【0017】(d) コアが配設された基板は、ビスや
基板に配設された接続端子などを用いて基板収容部に組
み付け固定されていたが、このようにすると、接続端子
のハンダ付け部などに集中して応力が加わり、ハンダク
ラックが生じるおそれがあった。また、基板とケースと
の間に充填されているポッティング材が温度変化などに
より熱膨張(収縮)すると、ポッティング材の体積変動
により、基板がケース内で押し上げられ(押し下げら
れ)、基板に固定されている接続端子のハンダ付け部に
応力が加わり、ハンダクラックが生じるおそれがあっ
た。
【0018】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的
は、構造が簡単で組み付けを容易に行うことができると
ともに全体を薄型にすることができて、バッテリへの搭
載上の制約を小さくすることができ、しかも製造コスト
の低減を図ことができる電流検出装置を提供することに
ある。
【0019】また、この発明の他の目的は、コアと磁電
変換部との位置調整や、磁電変換部の感度調整、コアの
磁気的特性を反映させて検出精度の信頼性を向上させた
電流検出装置を提供することにある。
【0020】さらに、この発明のその他の目的は、コア
と磁電変換部を配設した基板とをケース内に収容配置
し、基板の非露出状態で被測定電流の値と磁電変換部の
出力との関係を電気的に調整して電流検出を的確に行う
ことができ、これをもって製造が容易になる電流検出装
置の製造方法を提供することにある。
【0021】加えて、この発明のさらにその他の目的
は、コアをケースのコア収容部内に組み付けて、コア収
容部内にポッティング材を充填する際に、コアを磁電変
換部との所定の対応位置関係を容易かつ確実に保持する
ことができ、傷跡の問題も生じない電流検出装置の製造
方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、一部が開放された環状
に形成され、被電流検出部に流れる電流から生じる磁束
を通すコアと、当該コアを通る磁束を電気信号に変換し
て外部に出力する磁電変換部とが、磁電変換部がコアの
両端間の磁路中に介在されるようにケース内に収容介在
された電流検出装置であって、被測定電流の値と磁電変
換部の出力との関係を該装置内に設けられた記憶素子に
て電気的に調整可能なことを特徴とする。
【0023】従って、この請求項1に記載の発明によれ
ば、被測定電流の値と磁電変換部の出力との関係を、コ
ア及び磁電変換部を組み付けた後に電気的に調整するよ
うにしたため、コア及び磁電変換部の組み付けの際に、
コア及び磁電変換部との位置関係を定めて位置決め固定
させることがなくなり、このため、電流検出装置の組み
付けを容易に行うことができるようになる。そして、こ
のように被測定電流の値と磁電変換部の出力との関係を
電気的に調整することにより、製造工程における自由度
を増大させることができ、これをもって、コアやホール
素子の位置調整やホール素子の感度調整などを反映させ
て検出精度の信頼性を向上させることができるようにな
る。
【0024】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電流検出装置において、前記コアを合成樹脂製のケー
ス内にインサート成形したことを特徴とする。従って、
この請求項2に記載の発明によれば、コアがインサート
成形により所定位置に配置されるため、ケースに対する
コアの収容構造が簡単となり、コアを簡易かつ確実に所
定の位置に収容配置させることができ、コアの組み付け
を容易に行うことができる。また、コア収容部内に隙間
を設ける必要がなくなり、電流検出装置全体を薄型にす
ることができ、この電流検出装置を装備できるバッテリ
のタイプ数が増え、バッテリに対する適合性を拡大する
ことができる。さらに、コアをケースにインサート成形
したため、ポッティング材を基板収容部のみに使用する
こととなり、ポッティング材の使用量を少なくすること
ができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の電流検出装置において、前記ケース
に、コアを収容するためのコア収容部と、磁電変換部が
配設された基板を収容するための基板収容部とを設け、
当該コア収容部を軟質合成樹脂により形成したことを特
徴とする。
【0026】従って、この請求項3に記載の発明によれ
ば、コアを軟質合成樹脂よりなるケースのコア収容部に
収容したことにより、従来のようにコアが接着などの方
法によりケースに直接固定されず、コアが軟質合成樹脂
に拘束された状態でケース内に収容配置されることとな
る。従って、軟質合成樹脂よりなるコア収容部が変形す
ることにより、例えば、外力の印加などによる応力や、
ケースとコアとの温度収縮の差などに起因するストレス
などがコアに直接的に加わることを抑制することができ
る。これにより、コアの磁気特性の劣化を低減すること
ができ、その磁気的特性を反映させた電流検出装置を得
ることができる。
【0027】請求項4に記載の発明は、一部が開放され
た環状に形成され、被電流検出部に流れる電流から生じ
る磁束を通すコアと、当該コアを通る磁束を電気信号に
変換して外部に出力する磁電変換部とが、磁電変換部が
コアの両端間の磁路中に介在されるようにケース内に収
容配置された電流検出装置であって、前記磁電変換部は
基板に配設されるとともに、その基板にはケースに固定
された出力端子が取り付けられ、前記基板が、該出力端
子を中心に変位可能なことを特徴とする。
【0028】従って、この請求項4に記載の発明によれ
ば、例えば、温度変化などにともない基板に対して応力
が印加された場合において、出力端子に固定されている
基板が、当該出力端子を中心に変位し、基板と出力端子
との間のハンダ付け部へ作用される応力を吸収分散させ
ることができる。これにより、ハンダ付け部に局所的に
加わる応力を緩和してハンダクラックなどを防止するこ
とができる。
【0029】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の電流検出装置において、前記ケース内にはポッティン
グ材が充填され、前記基板が、ケースとの間に隙間を有
するようにケース内に収容配置されていることを特徴と
する。
【0030】従って、この請求項6に記載の発明によれ
ば、ケース内に充填されているポッティング材が温度変
化などにより熱膨張(収縮)した場合に、ポッティング
材の体積変動を、基板とケースとの間の隙間に逃がすこ
とができ、基板に取り付けられている接続端子のハンダ
付け部に加わる応力を分散させることができる。従っ
て、装置全体の構成を複雑にすることなく、基板のハン
ダ付け部に局所的に加わる応力を緩和してハンダクラッ
クを防止することができる。
【0031】請求項6に記載の発明は、一部が開放され
た環状に形成され、被電流検出部に流れる電流から生じ
る磁束を通すコアと、当該コアを通る磁束を電気信号に
変換して外部に出力する磁電変換部が配設された基板と
を、磁電変換部がコアの両端間の磁路中に介在されるよ
うにケース内に収容配置し、基板の非露出状態で、被測
定電流の値と磁電変換部の出力との関係を、基板に実装
された記憶素子にて電気的に調整することを特徴とす
る。
【0032】従って、この請求項7に記載の発明によれ
ば、コア及び磁電変換部の組み付けの際に、コア及び磁
電変換部との位置関係を定めて位置決め固定させる必要
がなく、コア及び基板(磁電変換部)の組み付けを容易
に行うことができる。また、従来のように回路基板上の
固定抵抗部材を機械的に調整することなく、基板の非露
出状態で被測定電流の値と磁電変換部の出力との関係を
電気的に調整することができるため、製造工程における
自由度を増大させて効率化することができるようにな
る。
【0033】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の電流検出装置の製造方法において、前記被測定電流の
値と磁電変換部の出力との関係を調整する際に、磁力に
よりコアを吸引保持することを特徴とする。
【0034】従って、この請求項9に記載の発明によれ
ば、前記被測定電流の値と磁電変換部の出力との関係を
調整する際に、コアを磁電変換部との所定対応位置に容
易かつ確実に保持することができる。また、従来のコア
を直接把持して所定位置に保持する構成とは異なり、コ
アの保持構造が簡単であるとともに、ポッティング材上
にコア把持部の傷跡が残るのを防止することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、この発
明を具体化した車輌用電流検出装置の第1実施形態を、
図1〜図6に基づいて説明する。
【0036】図1〜図5に示すように、電流検出装置2
1のケース22はポリウレタンなどの軟質合成樹脂と、
PC(ポリカーボネート)やPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)などの硬質合成樹脂との二色成形により一
体的に形成され、軟質合成樹脂により形成された円環状
のコア収容部22aと、硬質合成樹脂により形成された
上面を開口するほぼ箱形の基板収容部22bとを備えて
いる。
【0037】基板収容部22bの前面には筒状の接続部
23が突出形成され、その前端部が開口されている。コ
ア収容部22a内には鉄、鉄系合金またはパーマロイよ
りなる一部を開放した円環状のコア24が、ケース22
の成形に際して一体にインサート成形され、その両端部
が所定のギャップをおいた状態で基板収容部22b内に
突出配置されている。基板収容部22bと接続部23と
の間の壁部には出力端子28が貫設され、その出力端子
28の先端部は接続部23内に突出されている。
【0038】前記ケース22の基板収容部22b内に
は、基板25が図示しない固定手段により収容配置さ
れ、その基板25上には磁電変換部としてのホール素子
26及び記憶部としての記憶素子27等が実装されてい
る。そして、このホール素子26は、図5に示すよう
に、コア24の両端部間のギャップ内に介在されるよう
に略中央位置に配置されている。なお、基板25は出力
端子28の後端部において、基板25のハンダ付け部4
4において固定されている。
【0039】そして、基板収容部22b内は、その上面
開口部からシリコーンやウレタン等の絶縁性を有するゲ
ル材からなるポッティング材29が充填され、このポッ
ティング材29の硬化によりコア24の両端部及び基板
25などが基板収容部22b内に位置決め固定されてい
る。そして、このポッティング材29の硬化状態におい
て、基板収容部22bの上面開口部には蓋体30が取り
付けられ、この蓋体30によって基板収容部22bの開
口部が閉塞されている。
【0040】前記ケース22のコア収容部22aの上面
中央には、挿通孔31が形成されている。また、コア収
容部22aの上面には、ほぼ二股状の係止リブ34及び
枠状の規制リブ35が突出形成されている。
【0041】そして、図1〜図3に鎖線で示すように、
ケース22をバッテリ32上に搭載したときにおいて
は、被電流検出部としてのバッテリ端子33の大径部3
3aがコア収容部22aの内側に収容されるとともに、
バッテリ端子33の小径部33bが挿通孔31内に挿通
される。これにより、前記コア24がバッテリ端子33
の大径部33aの外周に配置される。この状態におい
て、バッテリ端子33の小径部33bにハーネス36の
先端のハーネスターミナル37が接続される。ハーネス
ターミナル37は、ボルト38及びナット39によりバ
ッテリ端子33に締め付け固定され、ボルト38が係止
リブ34に係止されるとともに、ハーネスターミナル3
7が規制リブ35の内側に係合されて、それらの位置規
制が行われる。
【0042】また、前記ハーネス36には、その一端が
車輌用電装品に接続された接続コード40が並設され、
その他端にコネクタ41が取り付けられている。そし
て、このコネクタ41を前記接続部23に接続すること
により、ホール素子26から出力される検出信号が外部
装置(図示しない)に出力されるようになっている。
【0043】次に、前記のように構成された電流検出装
置21の製造方法について説明する。電流検出装置21
のケース22を成形する際には、まず、軟質合成樹脂よ
りなるコア収容部22aと硬質合成樹脂よりなる基板収
容部22bとを、二色成形により一体的に連結形成す
る。このとき、コア収容部22a内にコア24をインサ
ート成形するとともに、基板収容部22b内に出力端子
28をインサート成形する。また、このケース22とは
別に基板収容部22bの上面開口部を閉塞する蓋体30
を成形するとともに、基板25上にホール素子26及び
記憶素子27などを予め装着しておく。
【0044】そして、ケース22の基板収容部22b内
に、その上面開口部から基板25を収容して、その基板
25を基板収容部22bの出力端子28にハンダ付け固
定する。このとき、ホール素子26をコア24の両端部
間のギャップ中に介在されるように対向配置する。この
状態で、基板収容部22b内にその上面開口部からポッ
ティング材29を充填して硬化させ、コア24の両端
部、基板25及びホール素子26等を封止し、コア24
とホール素子26を配設した基板25とを位置決め固定
する。その後、基板収容部22bの上面開口部に蓋体3
0を取り付けて、その上面開口部を閉塞する。
【0045】このように電流検出装置21の組み付けを
終了した後、ホール素子26における検出精度の調整を
行い、電流検出装置21の検出精度のバラツキを抑制す
るようしている。ここで、ホール素子26における検出
精度は、(1)コア24のギャップ寸法、(2)ホール
素子26の磁電変換係数、(3)コア24のギャップ内
におけるホール素子26の位置、により変動するもので
ある。本発明においては、このホール素子26における
検出精度の調整を、ポテンショメータやレーザトリミン
グなどを機械的に調整して行うのではなく、基板25に
実装された記憶素子27を利用して電気的に調整するよ
うにしている。そこで、この調整方法について以下に説
明する。
【0046】まず、次の手順によって、データ書き込み
装置(図示しない)に基本パラメータを入力する。すな
わち、図6に示すように、ホール素子26の仕様に基づ
き、出力下限の下側クランプ電圧Vc−L、及び、出力
上限の上側クランプ電圧Vc−Hを入力する。また、ホ
ール素子26の磁気検出範囲を入力する。次いで、ノイ
ズ除去を目的としたデータ書き込み装置のローパスフィ
ルタの機能、すなわち、稼動周波数を選択して入力す
る。そして、コア24の磁性体材料ごとの定数を入力す
る。この定数は、磁性体材料ごとに温度特性、すなわ
ち、ヒステリシスが相違するため、温度特性を打ち消す
温度補正として用いられる。
【0047】このように、基本パラメータを入力した
後、データ書き込み装置により、次の手順によって調整
作業を行う。すなわち、図6に示すように、コア24の
中心に所定の被検出電流Ia(例えば、−100A)を
流し、このときのホール素子26の出力電圧Vaを計測
する。次いで、所定の被検出電流Ib(例えば、+10
0A)を流し、そのときのホール素子26の出力電圧V
bを計測する。そして、座標点(Ia,Va)及び座標
点(Ib,Vb)から、次の(1)式及び(2)式に基
づいて、ホール素子26の現状の感度(被検出電流に対
する出力電圧の傾き)及び電流0点におけるホール素子
26の出力電圧(ホール素子26による実質的な0検出
点)を求める。
【0048】 感度=(感度規格値)/(Vb−Va)…(1) 0点={(0点規格値)−(Vb+Va)/2}+(0点規格値)…(2) 最後に、これらの決定されたデータが、基板25上の記
憶素子27に書き込まれ、記憶される。
【0049】このように、電気的な調整作業を行った電
流検出装置21をバッテリ32上に搭載してバッテリ端
子33に装着し、ハーネス36の端部のハーネスターミ
ナル37をバッテリ端子33に接続するとともに、接続
コード40の端部のコネクタ41を接続部23に接続す
る。
【0050】そして、バッテリ端子33に電流が流れる
と、その電流から生じる磁束がコア24を介してホール
素子26にて検出され磁電変換されるとともに、記憶素
子27に記憶された感度及び0点のデータに基づいて補
正され、検出電圧として外部装置(図示しない)に出力
される。
【0051】従って、上記第1実施形態によれば、以下
のような効果を得ることができる。 (1) この電流検出装置21においては、バッテリ端
子33に流れる電流から生じる磁束を通すコア24と、
そのコア24を通る磁束を電圧に変換して外部に出力す
るホール素子26とが装備され、このコア24が合成樹
脂製のケース22内にインサート成形されている。この
ため、ケース22に対するコア24の収容構造が簡単
で、ケース22の成形と同時にケース22に対するコア
24の組み付けを行うことができ、コア24の組み付け
を容易に行うことができる。
【0052】また、コア24の収容部にポッティング材
29を使用していないため、前述した従来とは異なり、
ポッティング材29の表面と蓋体との間の間隙のような
余分なスペースは必要なく、コア収容部22aを薄型に
することができる。従って、電流検出装置21全体を薄
く小型化でき、エンジンルーム内のスペースを有効に利
用できるとともに、バッテリ32のバッテリ端子33に
対するハーネスターミナル37の装着面での制約が少な
くなる。さらに、ポッティング材29が基板収容部22
bのみに使用されるため、ポッティング材29の使用量
を少なくすることができ、製造コストの低減を図ること
ができる。
【0053】(2) この電流検出装置21において
は、コア24が軟質合成樹脂よりなるコア収容部22a
にインサート成形されている。このため、コア収容部2
2aが比較的容易に変形し、ケース22とコア24との
温度収縮の差など起因して、コア24に物理的なストレ
スが直接的に加わるのを抑制することができ、コア24
の磁気的特性の劣化、特に、ヒステリシスを所定のレベ
ルに維持でき、バッテリ端子33に流れる電流を正確に
検出することができる。なお、コア24に物理的なスト
レスが加わりコア24が変形したような場合には、ヒス
テリシスが増大し、電流検出を正確に行い得ないおそれ
がある。
【0054】(3) この電流検出装置21の製造方法
においては、コア24と、ホール素子26を配設した基
板25とを合成樹脂製のケース22内に対応して収容配
置し、ポッティング材29を充填して硬化させて基板2
5を非露出状態に封止し、コア24とホール素子26を
配設した基板25とを位置決め固定した後に、コア24
とホール素子26との対応関係を電気的に調整するよう
にした。このため、コア24及び基板25のケース22
内における配置状態において、コア24と基板25上の
ホール素子26との対応関係を調整することができる。
これにより、ケース22に対するコア24の組み付け時
に、コア24をホール素子26と所定の対応位置となる
ように位置決めさせるなどの必要がなく、言い換えれ
ば、コア24を所定の位置に正確に精度調整して組み付
ける必要がなくなり、その組み付け作業を簡略化するこ
とができる。また、ポッティング材29を、ケース22
内を封止して防錆対策などとして用いるのみならず、コ
ア24及び基板25、ホール素子26の位置関係の固定
をさせるようにしたため、製造工程を簡略化させること
ができる。
【0055】(4) この電流検出装置21において
は、コア24がコア収容部22aにインサート成形され
ている。このため、コア24はコア収容部22a内に封
止された状態となるため、雨水やバッテリ液などがコア
収容部22a内に侵入することを抑制でき、これによ
り、コア24の腐食などを防止することができる。
【0056】(5) この電流検出装置21において
は、ケース22の基板収容部22bの上面開口部から基
板収容部22b内に基板25の組み付け、ポッティング
材29の充填、硬化を行った後、その上面開口部が蓋体
30により閉塞される。そして、電流検出装置21をバ
ッテリ32上に搭載した際には、蓋体30が上方を向く
ように構成されているため、蓋体30がバッテリ32の
上面に接合することなく、バッテリ液が基板収容部22
b内に侵入するおそれを抑制し、基板25やその基板2
5上の実装部品の腐食などを防止することができる。
【0057】(第2実施形態)次に、この発明を具体化
した車輌用電流検出装置の第2実施形態を、図7及び図
8に基づいて説明する。なお、以降の各実施形態におい
ては、それらの実施形態に固有の構成のみを説明し、他
の構成についての説明は省略する。
【0058】さて、この第2実施形態においては、図7
及び図8に示すように、ケース22は、軟質合成樹脂よ
りなる内側ケース45と、硬質合成樹脂よりなる外側ケ
ース46とから構成された2重成形体となっている。す
なわち、コア24及びホール素子26等を配設した基板
25は、軟質合成樹脂よりなる内側ケース45内にイン
サート成形されている。また、この内側ケース45の外
側には、硬質合成樹脂よりなる外側ケース46が被覆成
形され、その外側ケース46に接続部23、挿通孔3
1、係止リブ34及び規制リブ35などが一体に形成さ
れている。
【0059】なお、ホール素子26は、前記第1実施形
態と同様に、コア24の両端部間のギャップ内に介在さ
れるように対向配置される。また、電流検出装置21の
製造の最終工程において、コア24とホール素子26と
の対応関係が電気的に調整される。
【0060】従って、この第2実施形態によれば、前記
第1実施形態における(1)〜(5)に記載の効果に加
えて、以下のような効果を得ることができる。 (6) この電流検出装置21の製造方法においては、
コア24とホール素子26を配設した基板25とを軟質
合成樹脂よりなる内側ケース45内にインサート成形
し、その内側ケース45の外側に硬質合成樹脂よりなる
外側ケース46を被覆成形するようにした。このため、
ポッティング材29の充填作業を廃止することができ、
作業工程を簡略化することができる。
【0061】(7) この電流検出装置21において
は、コア24及び基板25が内側ケース45内にインサ
ート成形されるとともに、その外側に外側ケース46が
被覆成形されて、コア24及び基板25が外部から完全
に封止された状態にある。そのため、この電流検出装置
21をバッテリ32に搭載したとき、バッテリ液や雨水
等がケース22内のコア24や基板25の部分に浸入す
るおそれを確実に防止することができる。しかも、軟質
合成樹脂からなる内側ケース45により、コア24に物
理的なストレスが直接的に加わるのを抑制することがで
き、コア24の磁気的特性の劣化、特に、ヒステリシス
を所定のレベルに維持でき、的確な電流検出を行うこと
ができる。
【0062】(第3実施形態)次に、この発明の具体化
した車輌用電流検出装置の第3実施形態を図9〜図12
に基づいて説明する。
【0063】さて、この第3実施形態においては、図9
〜図12に示すように、ケース22全体が硬質合成樹脂
により一体に形成され、図10において明らかなよう
に、下面を開口した円環状のコア収容部22aと、下面
を開口したほぼ箱形の基板収容部22bとを有してい
る。基板収容部22b内にはその下面開口部からホール
素子26等を配設した基板25が組み付け配置され、コ
ア収容部22a内にはその下面開口部からコア24が組
み付け配置されている。
【0064】また、コア収容部22a及び基板収容部2
2b内には、ゲル材からなるポッティング材29が充填
されるとともに、コア収容部22a及び基板収容部22
bの開口部は蓋体30により閉塞されている。前記コア
収容部22aの内底面には、複数(この実施形態では3
箇所)の支持突起48がほぼ等間隔を一体形成され、こ
の支持突起48上にコア24が支持されている。
【0065】この第3実施形態における基板25及びコ
ア24の組み付け時には、図12に示すように、ケース
22が上下面を反転させた状態で治具47上に載置さ
れ、コア収容部22a及び基板収容部22bの開口部が
上方側となるように配置される。このとき、コア24は
コア収容部22aの複数の支持突起48上に支持され、
コア収容部22aの内底面とコア24との間に隙間が形
成される。また、ホール素子26は、コア24の両端部
間のギャップ内に介在されるように、ほぼ中間位置に配
置されている。
【0066】この状態で、ケース22のコア収容部22
a及び基板収容部22b内に、それらの開口部からポッ
ティング材29が充填され、このポッティング材29の
硬化により、コア24がコア収容部22aに、基板25
及びホール素子26が基板収容部22b内においてそれ
ぞれ封止され、コア24とホール素子26を配設した基
板25とが位置決め固定される。
【0067】ここで、図12に示すように、コア24と
対応して治具47の上面には円環状の磁石49が配設さ
れている。そして、この磁石49により、ポッティング
材29の充填から硬化に至るまでの間、コア24がケー
ス22のコア収容部22aの略中央に位置するように保
持されるとともに、上述したホール素子26に対する所
定対応位置に吸引保持されるようになっている。
【0068】そして、ポッティング材29の硬化後に、
コア収容部22a及び基板収容部22bの開口部に蓋体
30が取り付けられ、それらの開口部が閉塞される。ま
た、前記第1実施形態と同様に、電流検出装置21の製
造の最終工程においてコア24とホール素子26との対
応関係が電気的に調整される。
【0069】従って、この第3実施形態によれば、前記
第1実施形態における(3)及び(5)に記載の効果に
加えて、以下のような効果を得ることができる。 (8) この電流検出装置21の製造方法においては、
コア24をケース22のコア収容部22a内に組み付け
配置するとともに、ホール素子26を配設した基板25
をケース22の基板収容部22b内に組み付け配置した
後、コア収容部22a及び基板収容部22b内にポッテ
ィング材29を充填し、コア24及び基板25を封止し
て位置決め固定した状態で、コア24とホール素子26
との対応関係を電気的に調整するようにしている。即
ち、コア24と基板25との対応関係を、基板25の非
露出状態において電気的に調整できるため、コア24及
び基板25をケース22のコア収容部22a及び基板収
容部22b内に組み付ける工程において、コア24をホ
ール素子26と所定の対応位置に配置し正確に位置調整
する必要がなくなり、その組み付け作業を簡単に行うこ
とができる。
【0070】(9) この電流検出装置21の製造方法
においては、コア24をケース22のコア収容部22a
内に組み付けて、コア収容部22a内にポッティング材
29を充填する際に、治具47上の磁石49によりコア
24を所定位置に吸引保持するようにしている。このた
め、コア24をケース22のコア収容部22a内に組み
付け、コア収容部22a内にポッティング材29を充填
し、そのポッティング材29が硬化するまでの間におい
て、コア24をホール素子26との所定対応位置に容易
かつ確実に保持することができる。
【0071】また、磁石49によりコア24がケース2
2のコア収容部22aの略中央に位置するように保持さ
れるため、ケース22のコア収容部22aにコア24と
係合して位置決めする位置決めリブを設ける必要がなく
なるとともに、外部応力がケース22から直接コア24
に加わることがなくなる。
【0072】さらに、コア24を直接把持してコア収容
部22a内の所定位置に保持する構成とは異なり、コア
24を保持するための装置構成が簡単であるとともに、
硬化したポッティング材29にコア24を把持する把持
爪などの治具による傷跡が形成されることを防止するこ
とができる。
【0073】(第4実施形態)次に、この発明を具体化
した車輌用電流検出装置の第4実施形態を図13〜図1
5に基づいて説明する。
【0074】さて、この第4実施形態においては、図1
3及び図14に示すように、接続部23が基板収容部2
2bから下方へ向けて突出し、基板25上の出力端子2
8が基板収容部22bの底壁を貫通して接続部23内に
突出されている。また、前記基板収容部22bの内側壁
には、上下方向に延出し、段差部としての受け部42a
を有する一対の突条42が対向位置に一体形成されてい
る。そして、基板25の両側端には、前記突条42に嵌
まる凹部43が形成されている。また、前述した第3実
施形態と同様に、コア収容部22a及び基板収容部22
b内にポッティング材29が充填されている。なお、図
13においては、理解を容易にするために、コア24、
ポッティング材29、蓋体30等を省略して描いてあ
る。
【0075】この第4実施形態における基板25及びコ
ア24の組み付けは、前記第3実施形態とほぼ同様であ
るが、基板25の組み付けに際しては、基板25の凹部
43を、基板収容部22bの内側壁に設けられた突条4
2に嵌めて基板25を受け部42aに支持させた後、基
板25と出力端子28との間のハンダ付けが行われてハ
ンダ付け部44が形成される。そして、基板25を組み
付けた状態においては、基板25の基板面の延長方向、
すなわち、基板収容部22bに収納配置される基板25
と基板収容部22bの側壁との間に、所定の隙間Sを有
するように、基板収容部22b内に基板25が収納配置
されている。そして、基板25は、突条42に凹凸の嵌
め合い関係で支持され、この状態において、図15
(a),(b)に示すように、出力端子28を撓ませる
とともにゲル状のポッティング材29を変形させながら
出力端子28を中心に傾くように変位可能となってい
る。
【0076】そして、ポッティング材29の硬化後にお
いて、コア収容部22a及び基板収容部22bの開口部
に蓋体30が取り付けられ、それらの開口部が閉塞され
る。そして、電流検出装置21の製造の最終工程で、コ
ア24とホール素子26との対応関係が電気的に調整さ
れる。
【0077】従って、この第4実施形態によれば、前記
第3実施形態における(8)及び(9)の効果に加え
て、以下のような効果を得ることができる。 (10) この電流検出装置21では、基板25が突条
42と凹部43との凹凸の嵌め合い関係により位置決め
される。このため、基板25の位置決めが簡単に定ま
り、基板25と出力端子28との位置合わせを容易かつ
確実に行うことができるため、基板25の組み付けが簡
単になる。
【0078】(11) この電流検出装置21では、基
板25が、出力端子28を撓ませるとともにゲル状のポ
ッティング材29を変形させながら出力端子28を中心
に傾くように変位可能となっている。
【0079】図15(a),(b)に示すように、出力
端子28及びケース22は、温度変化にともない、それ
ぞれ熱膨張(収縮)するが、金属からなる出力端子28
と合成樹脂からなるケース22の突条42の熱収縮率の
差に基づいて、基板支持面Lが微小に変位し得る。従っ
て、このような場合に、温度変化に基づく基板支持面L
の変位に従って基板25が出力端子28を撓ませて傾く
ように変位することにより、基板25のハンダ付け部に
加わる応力を吸収分散させることができる。これによ
り、基板25と出力端子28との間のハンダ付け部44
に局所的に応力が作用するのを抑制でき、ハンダ付け部
44にハンダクラックが生じたり、ハンダが剥離したり
するおそれを回避できる。なお、基板25を、ねじなど
により基板収容部22b内に固定した場合には応力が緩
和されず、例えば、ハンダ付け部44に応力が集中して
ハンダクラックなどを生じる場合がある。また、図15
(a),(b)においては、理解を容易にするため、基
板25の変位を誇張して描いてある。
【0080】(12) この電流検出装置21において
は、基板25の基板面の延長方向、すなわち、基板収容
部22bに収納配置される基板25と基板収容部22b
の側壁との間に、所定の隙間Sを有するように基板25
が収納配置されている。従って、ポッティング材29が
温度変化により熱膨張(収縮)したような場合であって
も、ポッティング材29の体積変動を、その隙間Sに逃
がすことができ、基板25のハンダ付け部に加わる応力
を分散させることができる。これにより、基板25と出
力端子28との間のハンダ付け部44に局所的に応力が
作用するのを抑制でき、ハンダ付け部44にハンダクラ
ックが生じたり、ハンダが剥離したりするおそれを回避
できる。
【0081】(変更例)なお、上記各実施形態は、以下
のように変更して具体化することも可能である。
【0082】・ 前記各実施形態において、ケース22
の形状を、バッテリ32の肩部周辺の形状に対応させる
こと。例えば、平面長方形や正方形等に変更することな
どが挙げられる。
【0083】・ 前記各実施形態において、コア24の
形状をバッテリ32の肩部あるいはバッテリ端子33の
形状に適応させた形状とすること。例えば、四角環状等
の他の形状に変更することなどが挙げられる。
【0084】・ 前記第1実施形態において、軟質合成
樹脂よりなるコア収容部22aと硬質合成樹脂よりなる
基板収容部22bとを別々に成形し、成形されたコア収
容部22a及び基板収容部22bを組み付けてケース2
2を形成するように構成すること。
【0085】・ 第3実施形態において、コア収容部2
2a及び基板収容部22bの上面に開口部を形成し、そ
れらの上面開口部からコア収容部22a及び基板収容部
22b内にそれぞれコア24及び基板25を組み付ける
とともに、ポッティング材29を充填するように構成す
ること。
【0086】・ 前記第3実施形態において、治具47
の上面に複数の短片状の磁石49を所定角度間隔おきで
円環状に配設すること。 ・ 前記第4の実施形態、すなわち突条42と基板25
との嵌め合い関係の構成を第1〜第3実施形態に適用す
ること。
【0087】次に、上記各実施形態から把握される請求
項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの
効果とともに以下に記載する。 (A) 前記基板は、ケース内で凹凸の嵌め合い関係で
支持されることを特徴とする請求項4に記載の電流検出
装置。従って、この発明によれば、簡易な構成で、簡易
かつ確実に基板を位置決めしてケース内に収納配置させ
ることができ、基板の組み付けを容易にすることができ
る。
【0088】(B) 前記コアまたは基板を、合成樹脂
製のケースにインサート成形することを特徴とする請求
項6に記載の電流検出装置の製造方法。従って、この発
明によれば、コア及び基板の組み付け作業を簡単に行う
ことができるとともに、ケースに対するコアまたは基板
の収容構造を簡単にすることができ、電流検出装置全体
の薄型化を図ることができるようになる。さらに、ポッ
ティング材の充填作業を省略または廃止することができ
るようになり、作業工程を簡略化することができるとと
もに、製造コストの低減を図ることができる。
【0089】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、構造が簡単で組み付けを容易に行うことができると
ともに全体を薄型にすることができて、バッテリへの搭
載上の制約を小さくすることができ、しかも、製造コス
トの低減を図ることができる電流検出装置を提供するこ
とができる。また、コアと磁電変換部との位置調整や、
磁電変換部の感度調整、コアの磁気的特性を反映させて
検出精度の信頼性を向上させた電流検出装置を提供する
ことができる。さらに、出力端子に固定されている基板
が当該出力端子を中心に変位可能としたことにより、温
度変化や外力などに起因して局所的に加わる応力を緩和
することができ、ハンダクラックなどを防止することが
できる。
【0090】さらに、本発明によれば、コアと磁電変換
部を配設した基板とをケース内に収容配置し、ポッティ
ング材を充填硬化した後に、被測定電流の値と磁電変換
部の出力との関係を電気的に調整することにより、製造
が容易で製造工程の効率化を推進するとともに、製造コ
ストの低減を図った電流検出装置の製造方法を提供する
ことができる。加えて、被測定電流の値と磁電変換部の
出力との関係を調整する際に、コアを磁電変換部との所
定の対応位置関係を容易かつ確実に保持することがで
き、傷跡の問題も生じない電流検出装置の製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の電流検出装置を示す部分破断
平面図。
【図2】 図1のほぼ2−2線における断面図。
【図3】 図2の3−3線における断面図。
【図4】 図2の4−4線における断面図。
【図5】 図2の5−5線における断面図。
【図6】 ホール素子の検出値の調整方法を説明する
図。
【図7】 第2実施形態の電流検出装置を示す平面図。
【図8】 図7の8−8線における断面図。
【図9】 第3実施形態の電流検出装置を示す平面図。
【図10】 図9の10−10線における断面図。
【図11】 図9の電流検出装置の蓋体を取り外して示
す底面図。
【図12】 電流検出装置のケースのコア収容部及び基
板収容部内にポッティング材を充填する際に使用する製
造装置に対して電流検出装置のケースをセットした状態
を、図11のほぼ12−12線で断面にして示す示す断
面図。
【図13】 第4実施形態の電流検出装置を示す平面
図。
【図14】 図13の13−13線を示す断面図。
【図15】 (a),(b)はそれぞれ第4実施形態の
要部を示す断面図。
【符号の説明】
21…電流検出装置、22…ケース、22a…コア収容
部、22b…基板収容部、24…コア、25…基板、2
6…磁電変換部としてのホール素子、28…出力端子、
29…ポッティング材、31…挿通部としての挿通孔、
32…バッテリ、33…被電流検出部としてのバッテリ
端子、36…ハーネス、45…内側ケース、46…外側
ケース、47…治具、49…磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 紀夫 埼玉県行田市富士見町1丁目4番地1 ジ ェコー 株式会社内 (72)発明者 田村 和之 埼玉県行田市富士見町1丁目4番地1 ジ ェコー 株式会社内 (72)発明者 小暮 健敏 埼玉県行田市富士見町1丁目4番地1 ジ ェコー 株式会社内 (72)発明者 大久保 尚彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 丹羽 寿夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 2G025 AA02 AB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部が開放された環状に形成され、被電
    流検出部に流れる電流から生じる磁束を通すコアと、当
    該コアを通る磁束を電気信号に変換して外部に出力する
    磁電変換部とが、磁電変換部がコアの両端間の磁路中に
    介在されるようにケース内に収容介在された電流検出装
    置であって、 被測定電流の値と磁電変換部の出力との関係を該装置内
    に設けられた記憶素子にて電気的に調整可能なことを特
    徴とする電流検出装置。
  2. 【請求項2】 前記コアを合成樹脂製のケース内にイン
    サート成形したことを特徴とする請求項1に記載の電流
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記ケースに、コアを収容するためのコ
    ア収容部と、磁電変換部が配設された基板を収容するた
    めの基板収容部とを設け、 当該コア収容部を軟質合成樹脂により形成したことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の電流検出装
    置。
  4. 【請求項4】 一部が開放された環状に形成され、被電
    流検出部に流れる電流から生じる磁束を通すコアと、当
    該コアを通る磁束を電気信号に変換して外部に出力する
    磁電変換部とが、磁電変換部がコアの両端間の磁路中に
    介在されるようにケース内に収容配置された電流検出装
    置であって、 前記磁電変換部は基板に配設されるとともに、その基板
    にはケースに固定された出力端子が取り付けられ、 前記基板が、該出力端子を中心に変位可能なことを特徴
    とする電流検出装置。
  5. 【請求項5】 前記ケース内にはポッティング材が充填
    され、前記基板が、ケースとの間に隙間を有するように
    ケース内に収容配置されていることを特徴とする請求項
    4に記載の電流検出装置。
  6. 【請求項6】 一部が開放された環状に形成され、被電
    流検出部に流れる電流から生じる磁束を通すコアと、当
    該コアを通る磁束を電気信号に変換して外部に出力する
    磁電変換部が配設された基板とを、磁電変換部がコアの
    両端間の磁路中に介在されるようにケース内に収容配置
    し、 基板の非露出状態で、被測定電流の値と磁電変換部の出
    力との関係を、基板に実装された記憶素子にて電気的に
    調整することを特徴とする電流検出装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記被測定電流の値と磁電変換部の出力
    との関係を調整する際に、磁力によりコアを吸引保持す
    ることを特徴とする請求項6に記載の電流検出装置の製
    造方法。
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