JP2002147775A - 温水暖房システムにおける試運転制御方法 - Google Patents

温水暖房システムにおける試運転制御方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水暖房システムの試運転に要する時間の短
縮化及び試運転の自動化を図り得る試運転制御方法を提
供する。 【解決手段】 試運転前に各端末コントローラ32a〜
32dから熱源機コントローラ4に端末情報(定格熱
量、要求温度、保有温度、圧損レベル)を出力させる。
圧損レベルが高い順に水張りする暖房端末3a〜3dの
順序を設定し、この順序に基づいて熱動弁151〜15
4を個別に開制御し循環ポンプ14の作動により水張り
を開始する。水張りの間にタンク13に自動補水された
補水量と、保有水量との比較で熱動弁の開判定を行う。
全ての開判定後、燃焼バーナ22を燃焼させて高温水を
開状態の全熱動弁から全暖房端末に循環供給させる。圧
損レベルに基づいて設定した各暖房端末への分配比に基
づいて各暖房端末への供給熱量を求めて各端末コントロ
ーラに出力する。供給熱量と定格熱量とで予想した温度
上昇度合により動作判定時間を設定し、この時間経過で
の実際の温度上昇により正常に暖房運転動作が行われた
か否かの動作判定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水暖房システム
を施行した後、使用に供される前に実施される試運転時
の試運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温水暖房システムとしては、
燃焼バーナにより加熱される熱交換器やタンク内の水を
循環させる循環ポンプが配設された暖房回路を備えた熱
源機と、この熱源機外の各室に設置される複数の暖房端
末(例えば浴室乾燥機、ファンコンベクタ、温水エアコ
ンディショナあるいは床暖房器等)とからなるものが一
般に知られている。このものでは、上記複数の暖房端末
が上記暖房回路に対し熱動弁により構成された端末開閉
弁及び循環配管を介して並列に接続され、所望の端末開
閉弁を開作動させることで上記熱交換器により加熱され
た温水が対応する暖房端末に対し個別に循環供給される
ようになっている。
【0003】上記の温水暖房システムについては、熱源
機及び各暖房端末をそれぞれ設置し、その熱源機と各暖
房端末との間に循環配管等の配管工事を行った後、使用
(通常の暖房運転)に供される前に、暖房運転が正常に
行われるか否かの試運転が一般に行われている。すなわ
ち、上記各端末開閉弁が正常に開閉作動するか否かのチ
ェック(端末開閉弁の開閉チェック)、この開閉チェッ
クと共に各循環配管及び各暖房端末に対する水張りが正
常に完了したか否かのチェック(水張りチェック)、及
び、各暖房端末に対し所定温度の温水が供給されて暖房
端末による暖房が正常に行われるか否かのチェック(暖
房端末の動作チェック)等が試運転として行われてい
る。
【0004】上記水張りチェック、端末開閉弁の開閉チ
ェック及び暖房端末の動作チェック等の各チェックは、
熱源機コントローラの接続端子に接続された番号順に、
その接続端子に接続された複数の暖房端末の端末開閉弁
を1台ずつ開いて上記各チェックを順に行い、その1台
についての全チェックが終了することにより上記端末開
閉弁を閉じた後、残りの暖房端末について1台毎に独立
して上記と同様に全チェックを個別に繰り返すことによ
り全ての暖房端末に対する試運転を完了させるように行
われている。つまり、上記チェックを行う暖房端末の順
序は上記接続端子の番号順であって何らかの要素に基づ
く特定の順序ではなかった。なお、水張りを1台毎に独
立して行う理由は、例えば全ての端末開閉弁を一斉に開
操作して水張りしようとすると、圧損(圧力損失)の低
い循環配管及び暖房端末にばかりに水が流れ圧損の高い
循環配管及び暖房端末には水が回らず、端末開閉弁の開
閉チェックが行い得ないばかりでなく水張りチェックす
ら適正には行い得ないことになるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
温水暖房システムにおける試運転においては、1台毎に
独立して所定の各チェックを順に行うことに起因して全
ての暖房端末について試運転を完了させるために極めて
長時間を要することになる一方、各チェックにおいて正
常か否かの判定を行うに際し作業者自らが熱源機側と各
暖房端末側との間を確認のために行ったり来たりする必
要があり煩雑な作業となるという不都合がある。
【0006】すなわち、上記端末開閉弁として通常用い
られる熱動弁はコントローラからの開作動指令を受けて
ヒータ加熱が行われ、このヒータ加熱を受けて開変換作
動する構造となっているため、上記開作動指令の出力を
受けてから実際に開変換作動するまでに比較的長い時間
の経過を要する。加えて、開状態から閉変換作動するま
でも同様であるため、1つの熱動弁の開・閉についての
開閉チェックにはかなりの時間を要することになる。こ
のため、暖房端末毎にその熱動弁の開閉チェックを個別
に繰り返すのに極めて長時間を要することになる。
【0007】また、暖房端末の1台毎に独立して例えば
水張りチェック、熱動弁の開閉チェック及び暖房端末の
動作チェックの3種類のチェックを順に行うため、1つ
の熱動弁の開操作の後に循環ポンプを作動させて循環水
を供給させて水張りチェックを行うにしても圧損が高い
ため循環流量が少なくなり、次の動作チェックのために
燃焼バーナを燃焼作動させても循環流量が少ないため温
度上昇度合が高くて熱交換器側では直ぐに所定温度に到
達する結果、自動的に燃焼作動が停止されてしまうこと
になる。つまり、燃焼作動のON・OFFが頻繁とな
り、効率的な加熱動作を行い得ないことになる。
【0008】加えて、1台の暖房端末について上記3種
類のチェックが終了した後に次の1台の暖房端末に移行
すると、前の1台の暖房端末への水張りによりタンク内
の循環水が消費された分だけタンクに水が新たに補水さ
れるため、暖房回路内の温水が冷却されて温度むらが生
じ易くなる。このため、動作チェックにおいてチェック
対象の暖房端末に循環供給される温水の温度状態が不安
定となり、正確な動作チェックを行うには温度状態が安
定化するまで時間の経過を待つ必要がある。
【0009】さらに、各暖房端末の動作チェックにおい
ては、熱源機側から循環供給される温水の温度条件等が
均一ではなく、しかもその温度条件等が不明であるた
め、最も条件の悪いケースを前提として動作チェックを
行うようにしているため、動作チェックを終了させるま
での時間にかなり長時間を要する結果となっている。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、温水暖房シス
テムにおける試運転においてその試運転に要する時間の
短縮化及び試運転の自動化を図り得る試運転制御方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設
された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置
されて個別の端末開閉弁及び循環配管を介して上記暖房
回路と接続された少なくとも2以上の暖房端末とを備
え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプ
の作動により上記各暖房端末に対し上記端末開閉弁及び
循環配管を通して循環供給されるように構成された温水
暖房システムについて、通常運転を行う前に実行される
温水暖房システムにおける試運転制御方法を対象として
以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記熱
源機の運転制御を実行する熱源機コントローラと、各暖
房端末に設置された各端末コントローラとを互いに通信
可能に接続し、上記熱源機コントローラには予め定めら
れた試運転制御を実行させるための試運転制御部を備え
る一方、上記各端末コントローラには対応する暖房端末
に関する端末情報を予め記憶させておく。そして、上記
試運転制御の実行に先立ち、上記熱源機コントローラに
対し上記全端末コントローラから各暖房端末についての
端末情報を出力させ、この出力された各端末情報と、上
記熱源機コントローラ側の熱源機についての運転制御情
報とに基づいて上記試運転制御を実行させるようにする
こと特定事項とするものである(請求項1)。
【0012】ここで、上記の「加熱部」としては、燃焼
バーナとこの燃焼バーナの燃焼熱により加熱される熱交
換器との組み合わせ、あるいは、電気ヒータ等を用いる
ものである。本発明によれば、各端末コントローラから
各暖房端末についての端末情報が試運転制御に先立って
試運転制御部に取得させることが可能になり、試運転制
御部においてはその試運転制御を上記の取得した各端末
情報と、熱源機についての運転制御情報とに基づいて実
行することが可能になる。これにより、熱源機側及び各
暖房端末側の双方の情報に基づいて試運転制御を自動的
に行うことが可能になる上に、上記双方の的確な情報に
基づいて試運転制御を行うため試運転に要する時間の短
縮化が図られる。
【0013】上記発明における「端末情報」としては、
対応する暖房端末の定格熱量、その暖房端末に充填され
るべき保有水量及びその暖房端末における圧力損失の各
情報を少なくとも含むものとすればよい(請求項2)。
ここで、定格熱量とは、例えば単位時間当たりに放熱し
得る熱量により表される暖房能力や、その暖房能力を発
揮するために必要な供給温水の温度等のことであり、特
に各暖房端末の動作判定において必要となる。保有水量
とは、1つの暖房端末に充填する必要のある水量もしく
はこの水量に加えてその暖房端末までの循環配管に充填
する必要のある水量の合計水量のことであり、特に水張
り制御による端末開閉弁の開判定において必要となる。
また、圧力損失とは暖房回路側から各暖房端末に水を循
環供給する際に受ける抵抗(圧損)のことであり、暖房
端末自体による圧力損失の他に循環配管による配管抵抗
がある。すなわち、上記循環配管の配管長、内径、曲が
り等により配管抵抗が異なり、また、各暖房端末の設置
場所が建物の例えば1階にあるか2階にあるか等の熱源
機との相対上下差によっても配管抵抗が異なることにな
る。なお、上記の圧力損失としては、具体的な数値を端
末情報としてもよいが、試運転制御の簡易化もしくは圧
力損失の把握の容易性から圧力損失レベルとして予め定
めた何段階かの等級を端末情報として用いるのが好まし
い。
【0014】上記暖房端末自体の圧力損失は試験もしく
は経験等により予め既知の固有値とすることが可能であ
り、循環配管の配管抵抗に起因する圧力損失も設計段階
で個別に把握することが可能である。実際の施工条件に
より近付けるためには、温水暖房システムの施工後に予
め記憶させた端末情報を変更するのが好ましい。この場
合には、端末コントローラに対し端末情報の内容につい
て変更設定する入力設定部を設け、この入力設定部によ
り温水暖房システムの施工後にその施工条件に応じて所
定の端末情報を変更設定するようにすればよい(請求項
3)。これにより、個々の施工条件に応じて適切な端末
情報の設定が可能になる。特に、循環配管の如何に起因
する保有水量もしくは圧力損失の変更設定に有用とな
る。
【0015】上記請求項1〜請求項3のいずれかにおい
ては、試運転制御の実行前に端末情報を熱源機コントロ
ーラにおいて取得するようにしているため、その取得し
た端末情報に基づいて種々の判定を事前に行うようにし
てもよい。例えば、試運転制御の実行に先立ち、熱源機
コントローラにおいて、各暖房端末の圧力損失情報の相
互間での高低バランスに基づいて熱源機側から各暖房端
末に供給され得る熱量の分配予測を行い、この分配予測
された各暖房端末への供給熱量と、その各暖房端末の定
格熱量情報とを互いに比較し、上記供給熱量が定格熱量
情報に比して不適合である暖房端末があるとき報知手段
によりその暖房端末を特定して不適合である旨の報知を
行うようにしてもよい(請求項4)。この場合には、圧
力損失情報の高低に応じて熱源機の暖房回路から任意の
複数の暖房端末に対し同時に循環供給した場合に分配さ
れる個別流量を予測することができ、これにより、熱源
機の加熱部から供給される熱量もその個別流量に対応し
て予測し得ることになる。従って、この供給熱量が各暖
房端末の定格熱量と比較してあまりに小さい場合には実
際の通常運転時に暖房運転に支障が生じるおそれがあ
る。このため、上記供給熱量の予測値が個別の暖房端末
の定格熱量に対し不適合である場合には、上記報知手段
による報知を行うことにより作業者に注意を喚起するこ
とが可能になる上に、その不適合な暖房端末の循環配管
の修正等の圧力損失に係る部位の修正作業を行わすこと
が可能になる。
【0016】以上の請求項1〜4のいずれかにおける試
運転制御としては次のように端末情報と運転制御情報と
に基づいて行うようにすればよい。すなわち、循環配管
及び暖房端末に対する水張りのために、端末情報に基づ
いて選択した1又は2以上の暖房端末への端末開閉弁を
開作動制御して循環ポンプの作動により循環水を上記端
末開閉弁及び循環配管を通して循環供給させるよう水張
り制御し、これにより端末開閉弁が正常に開作動するか
否かの開判定を端末情報と運転制御情報とに基づいて行
い、続いて上記端末開閉弁を開いたまま残りの暖房端末
について上記端末情報に基づいて次に選択された暖房端
末を対象として上記水張り制御及び開判定を順に繰り返
して、全暖房端末についての水張り制御及び開判定を完
了させるようにする(請求項5)。このようにすること
により、水張り制御による水張りと端末開閉弁の開判定
とを全暖房端末について順に連続して行うことが可能に
なり、このため、従来の試運転の如く暖房端末毎にその
端末開閉弁の開及び閉の両作動制御を行うなう場合と比
べ、閉作動制御を行う必要やその閉作動制御により各端
末開閉弁が閉状態になるまで待機する必要が共になく、
その分、試運転に要する時間の短縮化が図られる。
【0017】上記請求項5による試運転制御において水
張り制御による開判定の実行タイミングとして、水張り
制御を開始してから端末開閉弁が正常に開作動したとす
れば水張りが完了するであろう水張り所要時間の経過を
待って開判定を行うようにし、その水張り所要時間値を
各暖房端末の保有水量情報に基づきその保有水量が少な
いほど短くなるよう変更設定するようにしてもよい(請
求項6)。この場合には、予め取得した各暖房端末の保
有水量情報に基づいて各暖房端末の端末開閉弁の開判定
実行タイミングが個別に変更されて、その開判定実行タ
イミングが端末情報に基づいて最適化される。つまり、
保有水量情報の保有水量の大小に基づいて開判定実行タ
イミングを規定する水張り所要時間が変更されることに
なる。このため、全暖房端末の端末開閉弁の開判定に要
する時間を、上記開判定実行タイミングが予め安全側
(長時間側)に一律に設定されている場合と比べ、大幅
に短縮し得ることになる。
【0018】上記請求項5又は請求項6による試運転制
御において水張り制御を実行する暖房端末の選択を端末
情報に基づいて行う手法としては以下のようにすればよ
い。すなわち、熱源機コントローラにおいて、各暖房端
末の圧力損失の高低に基づいて水張り制御を実行する暖
房端末の先後の順序を設定し、設定した順序に従って水
張り制御を行う暖房端末を選択するようにする(請求項
7)。この場合に、より好ましくは水張り制御を実行す
る暖房端末の先後の順序を圧力損失が高い暖房端末から
低い暖房端末へ順に設定するようにすればよい(請求項
8)。この際に、各暖房端末の圧力損失の内、高低の差
がなく互いに同等のものがある場合には、その圧力損失
が同等の2以上の暖房端末については水張り制御を同時
に実行するようにすればよい(請求項9)。
【0019】請求項7の場合には複数の暖房端末に対す
る水張り制御が圧力損失の高低に基づいて順番に行われ
て各端末開閉弁の開判定が行われ、請求項8の場合には
複数の暖房端末に対する水張り制御が圧力損失の高いも
のから順番に行われて各端末開閉弁の開判定が行われ、
請求項9の場合には圧力損失が同等であればその同等の
複数の暖房端末に対し同時に水張り制御が行われること
になる。以上の場合には、全暖房端末がその圧力損失の
高低順に水張り制御が行われるため、実際の循環水の流
通の難易の順に水張りが行われて確実に水張りが行われ
る上に、圧力損失が同等の2以上の暖房端末に対して同
時に水張り制御を行うことにより水張りの確実化を図り
つつ水張りに要する時間の大幅な短縮化が図られる。
【0020】また、上記請求項5又は請求項6による試
運転制御における水張り制御として、暖房回路に介装し
たタンク内に貯留した循環水を各暖房端末に循環供給す
るようにする一方、上記各暖房端末に対する水張りのた
めに消費した循環水量を上記タンクに対し補水する補水
制御を並行して行うようにし、運転制御情報として上記
タンクに対する補水量を検出し、この検出した補水量と
各端末情報の保有水量との比較に基づいて端末開閉弁の
開判定を行うようにしてもよい(請求項10)。水張り
開始に伴い暖房回路内の循環水が水張り対象の暖房端末
及び循環配管に供給されると、タンク内の循環水が消費
されて補水制御により補水されることになる。従って、
検出された補水量と、上記保有水量とを比較すれば、水
張り対象の暖房端末及び循環配管内の全体に循環水が充
填されたか否か、つまり、端末開閉弁が正常に開作動し
たか否かの判定を確実に行い得ることになる。
【0021】上記請求項10の場合の補水量の検出とし
ては以下のようにしてもよい。すなわち、上記補水制御
としてタンクに対し内部の循環水が所定の低水位まで低
減する毎に補水を開始して所定の高水位に到達するまで
行うようにし、この補水制御を行う毎に上記タンクに対
する補水回数としてカウントし、このカウントした補水
回数に基づいて補水量の検出を行うようにする(請求項
11)。この場合には、1回の補水制御により補水され
る補水量が一定かつ既知のものであるため、補水回数の
カウントを行うだけでその水張り制御により補水された
補水量の検出を簡易に行うことが可能になり、制御の簡
易化が図られる。
【0022】以上の如き検出補水量と、保有水量との比
較による端末開閉弁の開判定を行う場合には、補水量が
保有水量よりも所定値以上少ない場合にはその水張り対
象の暖房端末への端末開閉弁の開作動に異常が生じてい
ると判定してエラー報知を行うようにすればよい(請求
項12)。これにより、暖房端末の端末開閉弁に異常の
あることを暖房端末毎にその場で把握することが可能に
なる。なお、水張り制御を2以上の暖房端末について同
時に実行した場合には、全暖房端末についての水張り制
御及び開判定が完了した時点で、各暖房端末に対する水
張り制御における全補水量と、各暖房端末における全保
有水量との比較に基づいて上記2以上の暖房端末の端末
開閉弁についての開判定を行うようにすればよい(請求
項13)。2以上の端末開閉弁を開作動させた場合にそ
の内の一部の端末開閉弁に開作動異常が生じていてもそ
の場では特定し得ないものの、全暖房端末に対する水張
り制御が終了した時点において、それまでの全補水量と
全保有水量との差がいずれの暖房端末の保有水量に相当
するかを見ることで、上記2以上の端末開閉弁のいずれ
が開作動異常で依然として閉状態にあるかを判定するこ
とが可能になる。
【0023】以上は水張り制御による端末開閉弁の開判
定についての解決手段たる発明であるが、これに加えて
暖房端末の暖房動作が正常に行われるか否かの動作判定
を行う場合には以下のようにすればよい。すなわち、上
記の請求項1〜請求項6のいずれかの試運転制御におい
て、全暖房端末及び循環配管に対する水張りを完了させ
た後、全暖房端末への端末開閉弁を開いた状態で加熱部
を加熱作動させて加熱後の温水を全暖房端末に対し循環
供給させるよう熱供給制御し、これにより各暖房端末の
上記動作判定を端末情報と運転制御情報とに基づいて行
うようにする(請求項14)。この場合には、上記の熱
供給制御により全暖房端末に対し加熱後の温水が循環供
給されることになるため、加熱部の加熱作動を暖房端末
毎にその都度行う従来の方法と比べ、加熱部の加熱作動
の効率化が図られる上に、暖房端末に循環供給される温
水の温度むらの発生を確実に防止して安定した温度条件
で各暖房端末に対し暖房用熱源としての温水を供給する
ことが可能になる。このため、暖房端末の動作判定も熱
源機側からの安定状態の熱供給に基づいて確実にかつ迅
速に行い得ることになる。
【0024】この請求項14の試運転制御方法における
動作判定で用いる運転制御情報の一例としては、各暖房
端末に循環供給される加熱後の温水によりその各暖房端
末に供給される供給熱量についての情報を用いるように
してもよい(請求項15)。この場合には、熱源機側か
ら与えられる供給熱量と、この供給熱量を受けた各暖房
端末での温度上昇度合との比較により暖房端末の動作判
定が行い得ることになる。そして、この場合の供給熱量
としては、加熱部による加熱量と、各暖房端末に対する
分配比とに基づいて演算により求めるようにすればよい
(請求項16)。すなわち、加熱部での循環水に対する
加熱量が各暖房端末への循環流量の比に応じて分配され
ることになるため、その加熱量に判定対象の暖房端末に
対する分配比を乗じることによりその判定対象の暖房端
末に対する個別の供給熱量が確実に得られることにな
る。なお、上記加熱量は加熱部での加熱作動量に熱効率
を乗じれて得るようにすればよい。この際の分配比とし
ては、各端末情報の内の圧力損失の高低に基づいて設定
するようにすればよい(請求項17)。つまり、各暖房
端末に対する循環流量は圧力損失の高い暖房端末には少
なく圧力損失の低い暖房端末には多くなるというように
圧力損失の高低に応じて変化することになるため、循環
流量の検出を個別に行うことなく端末情報の圧力損失に
基づいて分配比を得ることが可能になる。
【0025】以上の請求項15〜請求項17のいずれか
の試運転制御方法おいては、供給熱量についての情報
を、各暖房端末の動作判定の判定条件を設定するための
情報として熱源機コントローラから各端末コントローラ
に対し出力するようにしてもよい(請求項18)。この
場合には、供給熱量の情報が熱源機コントローラから各
端末コントローラに出力されるため、各暖房端末に対す
る供給熱量についての正確な情報に基づき各端末コント
ローラにおいて動作判定を確実に行い得ることになる上
に、その供給熱量の如何に応じて判定条件を変更設定す
ることにより動作判定のために要する時間の短縮化が可
能となる。
【0026】上記判定条件の変更設定の手法の一例とし
ては、各端末コントローラにおいて、端末情報としての
定格熱量と、出力される供給熱量とに基づいて各暖房端
末における暖房温度の予想上昇度合を演算推定し、この
推定結果に基づいて判定条件を変更設定するようにすれ
ばよい(請求項19)。この場合、演算推定された予想
上昇度合に基づいて動作判定を行い得るまでに要する昇
温時間についての判定条件を変更し得ることになる。つ
まり、予想上昇度合が高ければ上記昇温時間も短くな
り、動作判定も早期に行い得ることなる。このため、動
作判定を確実に行いつつその動作判定に要する時間の短
縮化を確実に図り得ることになる。
【0027】また、上記請求項19の試運転制御方法に
おいては、変更設定された判定条件に基づき動作判定が
終了する毎に、その動作判定が終了した暖房端末の端末
開閉弁を閉作動制御する一方、動作判定が未終了の暖房
端末を対象として定格熱量と供給熱量とに基づく判定条
件の変更設定を繰り返すようにしてもよい(請求項2
0)。この場合には、まず全暖房端末を対象にして熱供
給制御が行われ、これの継続中において、上記の変更設
定された判定条件に基づきいずれかの暖房端末の動作判
定が終了すれば、その暖房端末の端末開閉弁が閉作動制
御され、その後は端末開閉弁が開状態とされている残り
の暖房端末を対象として熱供給制御が行われることにな
る。その際、上記熱供給制御の対象とされる残りの暖房
端末について定格熱量と供給熱量とに基づく上記と同様
な判定条件の変更が再度行われ、この変更された判定条
件に基づき動作判定が順次行われることになる。従っ
て、端末開閉弁の閉作動制御により閉状態となる端末開
閉弁の数が増える毎に残りの暖房端末に供給される熱量
も増加し、これにより、動作判定もより早期に終了する
ことになる。このため、全暖房端末についての動作判定
に要する時間の短縮化を図ることが可能になる。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1〜請求
項4のいずれかの温水暖房システムにおける試運転制御
方法によれば、各端末コントローラから各暖房端末につ
いての端末情報が試運転制御に先立って試運転制御部に
取得させることができ、試運転制御部においてはその試
運転制御を上記の取得した各端末情報と、熱源機につい
ての運転制御情報とに基づいて実行することができる。
これにより、熱源機側及び各暖房端末側の双方の情報に
基づいて試運転制御を自動的に行うことができる上に、
上記双方の的確な情報に基づいて試運転制御を行うため
試運転に要する時間の短縮化を図ることができるように
なる。
【0029】中でも請求項2によれば、上記端末情報の
内容を具体的に特定して試運転制御方法をより具体化す
ることができ、請求項3によれば、個々の施工条件に応
じて適切な端末情報の設定を行うことができるようにな
り、特に循環配管の如何に起因する保有水量もしくは圧
力損失の変更設定に有用となる。請求項4によれば、圧
力損失情報の高低に応じて熱源機の加熱部から供給され
る熱量を予測することができ、この供給熱量の予測値が
個別の暖房端末の定格熱量に対し不適合である場合には
報知手段による報知が行われるため作業者に注意を喚起
することができる上に、その不適合な暖房端末の循環配
管の修正等の圧力損失に係る部位の修正作業を通常運転
に供される前に実施させることができるようになる。
【0030】また、請求項5〜請求項13のいずれかの
温水暖房システムにおける試運転制御方法によれば、上
記請求項1〜請求項4による効果を前提として発揮しつ
つ、水張り制御による水張りと端末開閉弁の開判定とを
全暖房端末について順に連続して行うことができる。こ
のため、従来の試運転の如く暖房端末毎にその端末開閉
弁の開及び閉の両作動制御を行うなう場合と比べ、閉作
動制御及び閉状態になるまで待つ必要のない分、試運転
に要する時間の短縮化を図ることができるようになる。
【0031】特に、請求項6によれば、予め取得した各
暖房端末の保有水量情報の大小に基づいて各暖房端末の
端末開閉弁の開判定実行タイミングを最適化することが
でき、全暖房端末の端末開閉弁の開判定に要する時間
を、上記開判定実行タイミングが予め安全側に一律に設
定されている場合と比べ、大幅に短縮することができる
ようになる。
【0032】請求項7によれば複数の暖房端末に対する
水張り制御を圧力損失の高低に基づいて順番に行いつつ
各端末開閉弁の開判定を行うことができ、請求項8によ
れば上記複数の暖房端末に対する水張り制御を圧力損失
の高いものから順番に行いつつ各端末開閉弁の開判定を
行うことができ、請求項9によれば、圧力損失が同等で
あればその同等の複数の暖房端末に対し同時に水張り制
御を行うことができるようになる。以上、実際の循環水
の流通の難易の順に水張りを行うことによりその水張り
を確実に行うことができる上に、圧力損失が同等の2以
上の暖房端末に対して同時に水張り制御を行うことによ
り水張りの確実化を図りつつ水張りに要する時間の大幅
な短縮化を図ることができるようになる。
【0033】請求項10によれば、検出された補水量
と、上記保有水量とを比較することにより、水張り対象
の暖房端末及び循環配管内の全体に循環水が充填された
か否か、つまり、端末開閉弁が正常に開作動したか否か
の判定を確実に行うことができるようになる。この場合
に、請求項11によれば、補水回数のカウントを行うだ
けで水張り制御により補水された補水量の検出を簡易に
行うことができ、制御の簡易化を図ることができるよう
になる。また、請求項12によれば、暖房端末の端末開
閉弁に異常のあることを暖房端末毎にその場で作業者に
把握させることができるようになる。さらに、請求項1
3によれば、水張り制御を2以上の暖房端末について同
時に実行した場合であっても、全暖房端末に対する水張
り制御が終了した時点において、上記2以上の暖房端末
の端末開閉弁のいずれが開作動異常で依然として閉状態
にあるかを確実に判定することができるようになる。
【0034】さらに、請求項14〜請求項20のいずれ
かの温水暖房システムにおける試運転制御方法によれ
ば、上記請求項1〜請求項6による効果を前提として発
揮しつつ、水張り制御による端末開閉弁の開判定に加え
て暖房端末の暖房動作が正常に行われるか否かの動作判
定を確実に行うことができることになる。すなわち、熱
供給制御により全暖房端末に対し加熱後の温水が循環供
給されることになるため、加熱部の加熱作動を暖房端末
毎にその都度行う従来の方法と比べ、加熱部の加熱作動
の効率化を図ることができる上に、暖房端末に循環供給
される温水の温度むらの発生を確実に防止して安定した
温度条件で各暖房端末に対し暖房用熱源としての温水を
供給することができるようになる。このため、暖房端末
の動作判定も熱源機側からの安定状態の熱供給に基づい
て確実にかつ迅速に行うことができるようになる。
【0035】特に、請求項15によれば、熱源機側から
与えられる供給熱量と、この供給熱量を受けた各暖房端
末での温度上昇度合との比較により暖房端末の動作判定
を確実に行うことができるようになる。請求項16によ
れば、加熱部での加熱量に判定対象の暖房端末に対する
分配比を乗じることによりその判定対象の暖房端末に対
する個別の供給熱量を確実に得ることができることにな
る。請求項17によれば、循環流量の検出を個別に行う
ことなく端末情報の圧力損失に基づいて上記分配比を得
ることができるようになる。
【0036】また、請求項18によれば、上記請求項1
5〜請求項17による効果を得つつ、供給熱量の情報が
熱源機コントローラから各端末コントローラに出力され
るため、各暖房端末に対する供給熱量についての正確な
情報に基づき各端末コントローラにおいて動作判定を確
実に行うことができるようになる上に、その供給熱量の
如何に応じて判定条件を変更設定することにより動作判
定のために要する時間の短縮化を図ることができるよう
になる。
【0037】請求項19によれば、上記請求項18にお
いて、演算推定された予想上昇度合に基づいて動作判定
を行い得るまでに要する昇温時間についての判定条件を
変更することができ、動作判定を確実に行いつつその動
作判定に要する時間の短縮化を確実に図ることができる
ことになる。
【0038】加えて請求項20によれば、上記請求項1
9における熱供給制御の継続中において、動作判定が終
了する毎にその動作判定の終了した暖房端末の端末開閉
弁を順に閉作動制御し、以後は残りの暖房端末を対象と
する熱供給制御と判定条件の再変更設定を繰り返すた
め、全暖房端末についての動作判定に要する時間のより
一層の短縮化を図ることができるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0040】図1は、本発明の実施形態が適用される温
水暖房システムの例を示す。同図において、2は熱源
機、3a〜3dはその熱源機2から循環供給される温水
により暖房運転が行われる2以上の暖房端末であり、熱
源機2は熱源機コントローラ4を備え、上記各暖房端末
3a〜3dはそれぞれ個別に端末コントローラ32a〜
32dを備えている。
【0041】上記熱源機2は、加熱部を構成する燃焼缶
体11と、この燃焼缶体を通る暖房回路12と、この暖
房回路12に介装され循環水を貯留するたタンク13及
びその循環水を循環させる循環ポンプ14と、上記暖房
回路12から上記各暖房端末3a〜3dに対し温水の循
環供給を個別にON・OFFするための端末開閉弁とし
ての熱動弁151〜156を有する開閉切換ユニット
(6Pヘッダ)15と、上記各暖房端末3a〜3dから
暖房回路12に戻される循環水を受ける戻り接続口16
とを備えたものである。上記燃焼缶体11にはその上部
に配設された熱交換器21と、この熱交換器21の下方
に配設されて加熱部での加熱作動を受け持つ燃焼バーナ
22とが配設されている。
【0042】上記暖房回路12は、上記熱交換器21に
より加熱された循環水(高温水)を上記開閉切換ユニッ
ト15の各熱動弁151〜156に供給する暖房往き管
12aと、各暖房端末3a〜3dに供給された循環水が
各暖房端末3a〜3dで放熱された後の循環水(低温
水)を上記戻り接続口16を通して受け上記タンク13
に戻した後に循環ポンプ14を通して上記熱交換器21
に戻す暖房戻り管12bとからなる。上記暖房往き管1
2aには熱交換器21にて加熱されて各暖房端末3a〜
3dに供給される高温水の温度を検出する往き温度セン
サ25が配設され、上記暖房戻り管12bには上記熱交
換器21に戻される低温水の温度を検出する戻り温度セ
ンサ26が配設されている。
【0043】上記タンク13には例えば水道管もしくは
給湯器の注湯管等の外部の給水源と接続されて補水を行
う補水管23が接続され、この補水管23には補水管2
3を通して補水を行うための補水電磁弁24が介装され
ている。また、上記タンク13には高水位電極131
と、低水位電極132とが配設されており、これら両電
極131,132による水位検出情報に基づいて上記補
水電磁弁24の開閉作動が上記熱源機コントローラ4に
より制御され、これにより、上記タンク13を介した暖
房回路12に対する補水制御が行われるようになってい
る。
【0044】上記開閉切換ユニット15の各熱動弁15
1〜156に対し上記各暖房端末3a〜3dに向かう循
環配管31a〜31dの上流端が個別に接続され、これ
により、上記暖房往き管12aからの循環水が各暖房端
末3a〜3dに対し並列に分流されるようになってい
る。そして、上記各循環配管31a〜31dは各暖房端
末3a〜3dに循環水を供給した後、下流側が合流され
下流端が熱源機2側の戻り接続口16に連通接続されて
いる。
【0045】上記暖房端末3a〜3dは、それぞれ内部
に放熱チューブもしくは放熱パネル等を備え、熱源機2
側から循環供給される高温水(例えば60〜80℃の高
温水)を熱源としてその高温水により供給された熱を放
熱することにより、浴室の乾燥や部屋の暖房等を行うよ
うになっている。例えば、暖房端末3aが浴室乾燥機、
暖房端末3bがファンコンベクタ(ファンヒータ)、暖
房端末3cは床暖房装置、暖房端末3dは他の部屋に配
設された床暖房装置である。なお、図1の例では4つの
熱動弁151〜154に対し上記の4つの暖房端末3a
〜3dが個別に接続され、他の2つの熱動弁155,1
56は未接続状態とされた場合を示している。
【0046】上記の各暖房端末3a〜3dに個別に配設
された端末コントローラ32a〜32dは熱源機コント
ローラ4との間で接続ライン33a〜33dを介して双
方向通信が可能になっている。これにより、試運転に際
しては上記各端末コントローラ32a〜32dから熱源
機コントローラ4に対し各暖房端末3a〜3dの端末情
報を出力したり、逆に熱源機コントローラ4から各端末
コントローラ32a〜32dに対し熱源機2側の運転制
御情報を出力したりし得るようになっている。なお、上
記の熱源機コントローラ4と、各端末コントローラ32
a〜32dとの間の双方向通信は有線のみならず無線に
より行うようにしてもよい。
【0047】上記各端末コントローラ32a〜32d
は、図2に示すように入力設定部34と、通信制御部3
5と、端末情報記憶部36と、試運転判定部37とを備
えたものである。上記端末情報記憶部36には端末情報
が予め記憶設定されており、この記憶設定された端末情
報は上記入力設定部34により試運転時において変更設
定し得るようになっている。また、上記試運転判定部3
7は各暖房端末3a〜3dの暖房運転が正常に行われる
か否かの後述の動作チェック(動作判定)を行うように
なっている。
【0048】上記端末情報とは機種、定格熱量、保有水
量及び圧力損失についての各情報のことである。上記機
種情報は浴室暖房機、ファンコンベクタもしくは床暖房
装置等の暖房端末の種類を示す記号等であり、上記定格
熱量情報は暖房能力情報Xi(kcal/h)及び要求温度情
報Yi(℃)により構成され、保有水量情報Zi(cm
3)は各暖房端末3a〜3d及び対応する循環配管31
a〜31dの内部容積を示すものであり、圧力損失情報
は各暖房端末3a〜3d及び対応する循環配管31a〜
31dに循環水を供給した場合に生じる圧力損失の程度
を表す圧損レベル表示A〜Eにより構成されている。な
お、上記のXi,Yi,Ziの添字i(i=1〜4)は
上記の4つの暖房端末3a〜3dのいずれかを特定する
ものである。
【0049】上記圧力損失情報としての圧損レベルA〜
Eは、具体的な圧力損失値について予め範囲分けし、高
い側からレベルA、レベルB、レベルC、レベルD、レ
ベルE(A>B>C>D>E)の順に等級分けされたも
のであり、具体的な圧力損失値に基づき予め圧損レベル
が設定されている。上記保有水量情報Zi及び圧力損失
情報A〜Eは、循環配管31a〜31dの配管長等によ
り変化するものであるため、各暖房端末3a〜3dにつ
いて既知のもしくは試験により得た保有水量及び圧損レ
ベルを予め記憶設定させておき、上記循環配管31a〜
31dの配管工事の終了後にその施工条件に応じて上記
入力設定部34により変更設定するようにすればよい。
【0050】以上により、各端末コントローラ32a〜
32dの端末情報記憶部36には、機種情報、暖房能力
情報、要求温度情報、保有水量情報、圧損レベルの各情
報が端末情報として、例えば、 端末コントローラ32aの端末情報:[BathD,X1,
Y1,Z1,D] 端末コントローラ32bの端末情報:[FanCn,X2,
Y2,Z2,C] 端末コントローラ32cの端末情報:[FloorH,X3,
Y3,Z3,C] 端末コントローラ32dの端末情報:[FloorH,X4,
Y4,Z4,A] のように記憶設定されている。
【0051】上記熱源機コントローラ4は、通常運転の
ための図示省略の暖房運転制御系に加えて、試運転のた
めの試運転制御に係る試運転制御系を備えている。この
試運転制御系は、通常運転及び試運転の双方で機能する
通信制御部42と、試運転のために循環ポンプ14、燃
焼バーナ21、各熱動弁151〜156及び補水電磁弁
24等の各作動制御を行う試運転制御部43と、後述の
水張りチェックを実行する暖房端末3a〜3dの先後の
順序を設定する端末順序設定部44と、後述の動作チェ
ックを行う際の循環流量の分配比を演算により設定する
分配比設定部45と、各暖房端末3a〜3dに対する供
給熱量を演算により求める供給熱量演算部46と、タン
ク13に対する補水制御により補水される補水量を検出
する補水量検出部47とを備えている。なお、図2中4
1は報知手段を構成するリモコン(リモートコントロー
ラ)であり、このリモコンは通常運転時や試運転時にお
いてユーザもしくは試運転作業者により入力操作のため
に利用される一方、その表示部41aにより所定の状態
表示を行ったり警報ブザーを吹鳴したりするために用い
られる。
【0052】端末順序設定部44での順序設定は、上記
通信制御部35,42を介して各端末コントローラ32
a〜32dから出力させた端末情報の内の圧損レベル情
報に基づき行うようになっている。すなわち、圧損レベ
ルが高いものほど先になるように順序(順番)を設定
し、後述の水張り制御対象の暖房端末(つまり熱動弁)
を上記順序に従って選択させる。この際、圧損レベルが
同等のものがある場合には、その圧損レベルが同等の2
以上の暖房端末については先後のない同順とし、上記水
張り制御対象として同時にその2以上の暖房端末を対象
とするようになっている。上述の端末情報の例では、レ
ベルAの暖房端末3d(熱動弁154)が一番目とな
り、以下、レベルCの暖房端末3b及び3c(熱動弁1
52及び153)、レベルDの暖房端末3a(熱動弁1
51)の順序となる。
【0053】分配比設定部45での分配比設定も、上記
と同様に出力させた端末情報の内の圧損レベル情報に基
づき行うようになっている。後述の端末チェックにおい
て暖房往き管12aを通して循環供給される全循環流量
を100%とし、試運転対象の全暖房端末3a〜3d側
の各圧損レベルに反比例するよう各暖房端末3a〜3d
側への個別循環流量を配分して分配比を設定する。すな
わち、上述の端末情報の例では、圧損レベルが最も高い
レベルAが1つ(暖房端末3d)、レベルBがなくてレ
ベルCが2つ(暖房端末3b及び3c)、圧損レベルが
最も低いレベルDが1つ(暖房端末3a)であるため、
レベルAの暖房端末3d側には例えば5%、レベルCの
暖房端末3b及び3c側にはそれぞれ25%、レベルD
の暖房端末3a側には45%というように、各暖房端末
3a〜3d側に流れるであろう個別循環流量の分配比を
設定する。なお、後述の如く最も早く動作判定が終了し
て例えば暖房端末3aの熱動弁151が閉じられた後
は、試運転対象を3つの暖房端末3b〜3dとして上記
分配比を再設定する。すなわち、この場合には、レベル
Aが1つ(暖房端末3d)、レベルCが2つ(暖房端末
3b及び3c)となるため、レベルAの暖房端末3dに
は10%、レベルCの暖房端末3b及び3c側にはそれ
ぞれ45%というように個別循環流量の分配比を再設定
する。
【0054】供給熱量演算部46では、後述の端末チェ
ックにおいて熱源機2側から各暖房端末3a〜3dに対
し上記の個別循環流量により供給される高温水により供
給される熱量を演算により求めるようになっている。す
なわち、燃焼バーナ22での実際の燃焼量に燃焼効率を
乗じて全循環流量での全供給熱量(熱源機での加熱量)
を求め、この全供給熱量に上記の分配比を乗じて各暖房
端末3a〜3dに対する個別の供給熱量を求める。な
お、上記の如く分配比が再設定された場合には、その再
設定された分配比に基づいて個別の供給熱量を再度演算
することになる。
【0055】補水量検出部47では、後述の補水制御が
1回行われる毎に補水回数をカウントし、この補水回数
にタンク13の低水位電極132から高水位電極131
までの水位差に相当する水量を乗じることにより補水量
を検出するようになっている。つまり、補水回数を検出
しこの補水回数に基づいて演算することにより補水量の
検出を行うようになっている。
【0056】以上の構成を前提として、温水暖房システ
ムが通常運転に供される前に実行される試運転制御につ
いて以下に説明する。
【0057】本試運転制御は、熱源機2の設置、各室へ
の暖房端末3a〜3dの設置、及び、各循環配管31a
〜31dの配管・接続の各種工事や配線工事等が完了し
た後に行われる。この状態では全熱動弁151〜156
は全て閉状態とされている。また、各端末コントローラ
32a〜32dの端末情報記憶部36には上述の如く施
行条件に応じて保有水量情報や圧損レベル情報について
入力設定部34を介して変更設定された状態となってい
る。
【0058】本試運転制御の概略をまず説明すると、ま
ず、各端末コントローラ32a〜32dから端末情報を
出力させて熱源機コントローラ4に取り込み、この端末
情報に基づき事前判定を行う。すなわち、各暖房端末3
a〜3dの圧力損失情報の相互間での高低バランスに基
づいて熱源機2側から各暖房端末3a〜3dに供給され
得る熱量の分配予測を行い、この分配予測された各暖房
端末3a〜3dへの供給熱量と、その各暖房端末3a〜
3dの定格熱量情報とを互いに比較し、上記供給熱量が
定格熱量情報に比して不適合である暖房端末があるとき
報知手段としてのリモコン41の表示部41aにその暖
房端末と不適合である旨との表示を行い作業者に注意を
喚起させる。不適合な暖房端末がある場合には、循環配
管31a〜31dであって上記不適合な暖房端末の循環
配管や、その暖房端末の配置等について修正作業を加
え、入力設定部34により端末情報の変更設定を行い、
再度、端末情報の熱源機コントローラ4への出力を行わ
せる。以上の事前判定をクリアした後に実質的な試運転
制御を開始する。
【0059】すなわち、全暖房端末3a〜3dについて
所定の順序に基づいて選択された1又は2以上の暖房端
末毎に水張りチェック(水張り制御)を行い、これによ
り、水張りが正常に行われたか否かの水張り判定及び使
用中の各熱動弁151〜154が正常に開作動するか否
かの開判定が行われる。この後に、全ての熱動弁151
〜154を開状態のままにして燃焼バーナ22を作動さ
せて高温の循環水を全暖房端末3a〜3dに循環供給さ
せて端末チェック(熱供給制御)を行い、これにより、
各暖房端末3a〜3dで暖房運転が正常に行われるか否
かの動作判定が行われる。
【0060】以下、上記水張りチェックについて図3を
参照しつつ詳細に説明する。まず、各端末コントローラ
32a〜32dから端末情報を出力させて熱源機コント
ローラ4に取り込む(ステップSA1)。この端末情報
に基づいて上記の事前判定をクリアすることの確認や、
上記端末順序設定部44での順序設定及び分配比設定部
45での分配比設定等を行う。次に、循環ポンプ14の
作動と、上記分配比設定部44で設定された一番目、す
なわち、圧力損失が最も高い圧損レベルAの暖房端末
(上記例示の場合では暖房端末3d)の熱動弁154の
開作動とを行い、暖房端末3d及びその循環配管31d
に対する水張りを行う(ステップSA2及びA3)。こ
の際、補水制御サブルーチンの実行を開始させ、以後、
この水張りチェックの各処理と並行させて継続させる
(SUB3)。
【0061】先に上記補水制御サブルーチン(SUB
3)の内容を図4に基づいて説明すると、まず低水位電
極132からの出力信号に基づいてタンク13内の循環
水の水位が所定の低水位Loより低下したことを検知し
た場合には(ステップSB1でYES)、補水電磁弁2
4を開作動してタンク13内に補水を開始する(ステッ
プSB2)。次に高水位電極131からの出力信号に基
づいてタンク13内の水位が所定の高水位Hiに到達し
たことを検知した場合には(ステップSB3でYE
S)、上記補水電磁弁24を閉作動して補水を停止する
(ステップSB4)。そして、補水量検出部47での補
水回数N(初期設定値=0)に「1」を加える(ステッ
プSB6)。以上のステップSB1〜SB5を水張りチ
ェックが終了するまで繰り返し(ステップSB6でN
O)、上記水張りチェックの終了と共に補水制御サブル
ーチンも終了させる(ステップSB6でYES)。
【0062】再び水張りチェックの説明を続けると、上
記の熱動弁154の開作動制御(ステップSA3)によ
り、その熱動弁154が正常に開作動したとすれば、暖
房往き管12aからの循環水が熱動弁154及び循環配
管31dを通して暖房端末3d側に供給されてそれらの
内部に水張りが行われる。上記熱動弁154が正常に開
作動したとすれば水張りが完了するであろう水張り所要
時間tの間、継続され(ステップSA4でNO)、水張
り所要時間tが経過すれば、この暖房端末3dの保有水
量情報Z4よりも上記水張り所要時間t内に補水されて
補水量検出部47により検出された補水量が多いか否か
で開判定を行う(ステップSA4でYES、SA5)。
保有水量情報Z4よりも上記補水量が少なければ熱動弁
154の開作動に異常があり水張りが正常には行われて
いない旨の水張り異常表示をリモコン41の表示部41
aに表示する一方(ステップSA5でNO、SA6)、
保有水量情報Z4よりも上記補水量が多ければ熱動弁1
54の開作動が正常に行われ水張りが正常に行われたも
のとして、その熱動弁154を開状態のまま次順の暖房
端末を対象として上記と同様に水張りを行う(ステップ
SA5でYES)。
【0063】なお、上記の水張り所要時間tは保有水量
情報に基づいて設定され、保有水量が多いほど長く保有
水量が少ないほど短くなるように時間値が変更設定され
るようになっている。
【0064】そして、次順の圧損レベルの暖房端末の熱
動弁を開作動制御する(ステップSA7)。つまり、レ
ベルAの次に低いレベルBのものを対象とするが、上述
の例示の場合にはレベルBのものはないため、レベルC
の暖房端末3b及び3cの2つの熱動弁152及び15
3を開作動制御する。そして、上記ステップSA4と同
様に上記両暖房端末3b及び3c側に水張りし得るもの
として設定された水張り所要時間tの経過まで循環水を
供給し(ステップSA8)、その水張り所要時間tの経
過後に上記ステップSA5と同様に保有水量情報Z2+
Z3よりも上記時間tの間の補水量が多いか否かで開判
定を行う(ステップSA9)。そして、上記と同様に、
保有水量情報Z2+Z3よりも補水量が少なければ水張
り異常表示を行う一方(ステップSA9でNO、SA1
0)、保有水量情報Z2+Z3よりも補水量が多ければ
熱動弁152及び153の開作動が正常に行われ水張り
が正常に行われたものとして熱動弁152及び153を
開状態のまま次順の暖房端末を対象として水張りを繰り
返す(ステップSA9でYES)。
【0065】以下、図示を省略するが、以上のステップ
SA3〜SA6もしくはステップSA7〜SA10と同
様の処理を最も圧損レベルの低い暖房端末の熱動弁につ
いての開判定が終了するまで繰り返す。
【0066】そして、所定の待機時間の経過を待って
(ステップSA11)、最終判定を行う。この最終判定
は、全暖房端末3a〜3dの保有水量情報を合計した全
保有水量(Z1+Z2+Z3+Z4)よりもこれまでの
各水張りで補水した全補水量が少なければ、その差分の
水量(差分量)と各保有水量情報とを対比してその差分
量に近似する保有水量を有する暖房端末の熱動弁に開作
動異常が生じていると判断してその熱動弁についての開
異常エラー表示をリモコン41に表示する(ステップS
A12でNO、ステップSA13)。これにより、上記
の同時に2つの熱動弁152及び153を開作動制御し
た場合であってエラーが生じた場合に、いずれの熱動弁
152又は153の開作動が異常(故障)で閉状態のま
まであるかが把握できることになる。逆に、全保有水量
よりも全補水量が多ければ全ての暖房端末3a〜3dに
対する水張りが正常に行われたと判断して水張りは正常
に行われた旨の水張り正常表示を上記リモコン41に表
示して水張りチェックを終了させる(ステップSA1
4)。
【0067】以上の水張りチェックにより、1台の暖房
端末についての水張りを行った場合には熱動弁の開異常
をその都度把握することができ、2台以上の暖房端末に
ついて同時に水張りを行った場合であって万一いずれか
の熱動弁に開異常が発生している場合には全ての水張り
制御が終了した段階でその2台以上の暖房端末のいずれ
の熱動弁が開異常であるかを把握することができる。
【0068】以上の水張りチェックが終了した後、引き
続いて各熱動弁151〜154が開状態にされたまま端
末チェックを行う。この端末チェックは図5に示すよう
に、燃焼バーナ22を燃焼作動させて熱交換器21で加
熱された後の高温水を循環水として各暖房端末3a〜3
dに循環供給させる(ステップSC1)。この際、燃焼
バーナ22は端末チェックのための熱供給を最大にする
ために最大能力で燃焼作動させる。そして、各暖房端末
3a〜3dでの暖房運転が正常に行われているか否かの
動作判定を開始する(ステップSC2)。
【0069】この動作判定は、まず、分配比設定部45
での分配比設定及び供給熱量演算部46での各暖房端末
3a〜3dに対する個別供給熱量の演算を行い(ステッ
プSC3)、演算された個別供給熱量を運転制御情報と
して熱源機コントローラ4から各端末コントローラ32
a〜32dに対し通信制御部42,35…を介して出力
する(ステップSC4)。
【0070】次に、各端末コントローラ32a〜32d
において試運転判定部37での判定条件の決定を行う
(ステップSC5)。この判定条件の決定は、出力され
た個別供給熱量の情報と定格熱量情報とに基づきその個
別供給熱量を受けた場合の暖房端末で予想される温度上
昇度合(予想上昇度合)を決定する。この予想上昇度合
とは、例えば1分間に何度上昇するか、あるいは、例え
ば5度上昇するのに何分要するかである。そして、上記
予想上昇度合に基づいてその暖房端末の要求温度情報Y
iにまで昇温するのに要する時間、つまり、動作判定が
行い得ることになるまでの判定時間を判定条件として割
り出す。これは例えば定格熱量が3000kcal/hの暖
房端末に対し、個別供給熱量が3000kcal/hの場合
(図6の実線参照)、4000kcal/hの場合(図6の
一点鎖線参照)、6000kcal/hの場合(図6の点線
参照)では暖房端末での温度上昇度合が変化し、暖房運
転動作が正常であるならば所定の温度まで上昇するのに
要する時間(判定時間)も変化するためである。
【0071】そして、変更設定された判定時間の経過時
点で要求温度まで実際に温度上昇したことをもって暖房
運転動作が正常に行われていると判断して、その端末チ
ェックOKの信号を熱源機コントローラ4に対し出力す
る(ステップSC6)。この信号の出力を受けて熱源機
コントローラ4の試運転制御部43により上記端末チェ
ックOKの暖房端末の熱動弁を閉作動制御する(ステッ
プSC7)。
【0072】以上のステップSC3〜ステップSC7ま
での各処理を全ての熱動弁151〜154の閉作動制御
が終了するまで繰り返す(ステップSC8でNO、ステ
ップSC3〜SC7)。なお、2回目、3回目…の繰り
返しの際には、ステップSC3での分配比の再設定、及
び、再設定された分配比に基づく個別供給熱量の再演算
と、ステップSC5での上記再演算された個別供給熱量
に基づく判定条件の再設定とをそれぞれ行う。
【0073】以上の端末チェックの場合には、まずは全
暖房端末を対象として高温水の循環供給を行うため燃焼
バーナ22の燃焼作動の効率化を図ることができる上
に、個別供給熱量に基づく判定条件(判定時間)の変更
設定をその都度行うことにより端末チェックに要する時
間の短縮化を図ることができる。
【0074】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、循環ポンプ14とし
ては吐出流量が一定のものを用いてもよいし、吐出流量
が可変のもの(例えばDCポンプ)を用いてもよい。い
ずれの場合も全循環流量の検出のために流量センサを設
けてもよいし、あるいは、暖房回路12内の内圧を検出
する圧力センサを設けこの検出圧力に基づいて循環流量
を演算推定するようにしてもよい。
【0075】熱源機2側からの全供給熱量(加熱量)
を、上記の全循環流量の検出結果と、往き温度センサ2
5及び戻り温度センサ26の両検出温度の差とを乗じる
ことにより演算により求めるようにしてもよい。
【0076】分配比設定部45での分配比設定は、圧損
レベル情報に基づいて演算することにより行ってもよい
し、予め上記圧損レベルの種々の組み合わせに基づいて
作成した分配比テーブルを記憶設定しておき、この分配
比テーブルから今回の分配比を設定するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される温水暖房システ
ムを示す模式図である。
【図2】試運転制御に係る部分の熱源機コントローラと
端末コントローラとの内容を示すブロック図である。
【図3】水張りチェックの処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】補水制御の処理を示すフローチャートである。
【図5】端末チェックの処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】端末の温度上昇と時間との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 熱源機 3a〜3d 暖房端末 4 熱源機コントローラ 11 燃焼缶体(加熱部) 12 暖房回路 13 タンク 14 循環ポンプ 22 燃焼バーナ(加熱部) 31a〜31d 循環配管 32a〜32d 端末コントローラ 34 入力設定部 36 端末情報記憶部 43 試運転制御部 44 端末順序設定部 45 分配比設定部 46 供給熱量演算部 47 補水量検出部 151〜154 熱動弁(端末開閉弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池澤 剛史 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 ▲寿▼山 英也 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 3L070 AA02 BB01 DE09 DF15

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設
    された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置
    されて個別の端末開閉弁及び循環配管を介して上記暖房
    回路と接続された少なくとも2以上の暖房端末とを備
    え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプ
    の作動により上記各暖房端末に対し上記端末開閉弁及び
    循環配管を通して循環供給されるように構成された温水
    暖房システムについて、通常運転を行う前に実行される
    温水暖房システムにおける試運転制御方法において、 上記熱源機の運転制御を実行する熱源機コントローラ
    と、各暖房端末に設置された各端末コントローラとを互
    いに通信可能に接続し、上記熱源機コントローラには予
    め定められた試運転制御を実行させるための試運転制御
    部を備える一方、上記各端末コントローラには対応する
    暖房端末に関する端末情報を予め記憶させておき、 上記試運転制御の実行に先立ち、上記熱源機コントロー
    ラに対し上記全端末コントローラから各暖房端末につい
    ての端末情報を出力させ、 この出力された各端末情報と、上記熱源機コントローラ
    側の熱源機についての運転制御情報とに基づいて上記試
    運転制御を実行させるようにすることを特徴とする温水
    暖房システムにおける試運転制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法であって、 各端末情報として、対応する暖房端末の定格熱量、その
    暖房端末に充填されるべき保有水量及びその暖房端末に
    おける圧力損失の各情報を少なくとも含むものとする、
    温水暖房システムにおける試運転制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法であって、 端末コントローラに対し端末情報の内容について変更設
    定する入力設定部を設け、この入力設定部により温水暖
    房システムの施工後にその施工条件に応じて所定の端末
    情報を変更設定するようにする、温水暖房システムにお
    ける試運転制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    温水暖房システムにおける試運転制御方法であって、 試運転制御の実行に先立ち、熱源機コントローラにおい
    て、各暖房端末の圧力損失情報の相互間での高低バラン
    スに基づいて熱源機側から各暖房端末に供給され得る熱
    量の分配予測を行い、この分配予測された各暖房端末へ
    の供給熱量と、その各暖房端末の定格熱量情報とを互い
    に比較し、上記供給熱量が定格熱量情報に比して不適合
    である暖房端末があるとき報知手段によりその暖房端末
    を特定して不適合である旨の報知を行うようにする、温
    水暖房システムにおける試運転制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    温水暖房システムにおける試運転制御方法であって、 試運転制御として、循環配管及び暖房端末に対する水張
    りのために、端末情報に基づいて選択した1又は2以上
    の暖房端末への端末開閉弁を開作動制御して循環ポンプ
    の作動により循環水を上記端末開閉弁及び循環配管を通
    して循環供給させるよう水張り制御し、これにより端末
    開閉弁が正常に開作動するか否かの開判定を端末情報と
    運転制御情報とに基づいて行い、続いて上記端末開閉弁
    を開いたまま残りの暖房端末について上記端末情報に基
    づいて次に選択された暖房端末を対象として上記水張り
    制御及び開判定を順に繰り返して、全暖房端末について
    の水張り制御及び開判定を完了させるようにする、温水
    暖房システムにおける試運転制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法であって、 水張り制御を開始してから端末開閉弁が正常に開作動し
    たとすれば水張りが完了するであろう水張り所要時間の
    経過を待って開判定を行うようにし、その水張り所要時
    間値を各暖房端末の保有水量情報に基づきその保有水量
    が少ないほど短くなるよう変更設定するようにする、温
    水暖房システムにおける試運転制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6記載の温水暖房シ
    ステムにおける試運転制御方法であって、 熱源機コントローラにおいて、各暖房端末の圧力損失の
    高低に基づいて水張り制御を実行する暖房端末の先後の
    順序を設定し、設定した順序に従って水張り制御を行う
    暖房端末を選択するようにする、温水暖房システムにお
    ける試運転制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法であって、 水張り制御を実行する暖房端末の先後の順序を圧力損失
    が高い暖房端末から低い暖房端末へ順に設定するように
    する、温水暖房システムにおける試運転制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法であって、 各暖房端末の圧力損失の内、高低の差がなく互いに同等
    のものがある場合には、その圧力損失が同等の2以上の
    暖房端末については水張り制御を同時に実行する、温水
    暖房システムにおける試運転制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項5又は請求項6記載の温水暖房
    システムにおける試運転制御方法であって、 水張り制御として、暖房回路に介装したタンク内に貯留
    した循環水を各暖房端末に循環供給するようにする一
    方、上記各暖房端末に対する水張りのために消費した循
    環水量を上記タンクに対し補水する補水制御を並行して
    行うようにし、 運転制御情報として上記タンクに対する補水量を検出
    し、 この検出した補水量と各端末情報の保有水量との比較に
    基づいて端末開閉弁の開判定を行うようにする、温水暖
    房システムにおける試運転制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 補水制御として、タンクに対し内部の循環水が所定の低
    水位まで低減する毎に補水を開始して所定の高水位に到
    達するまで行うようにし、 この補水制御を行う毎に上記タンクに対する補水回数と
    してカウントし、このカウントした補水回数に基づいて
    補水量の検出を行うようにする、温水暖房システムにお
    ける試運転制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は請求項11に記載の温
    水暖房システムにおける試運転制御方法であって、 水張り制御対象の暖房端末において、補水量が保有水量
    よりも所定値以上少ない場合には上記暖房端末への端末
    開閉弁の開作動に異常が生じていると判定してエラー報
    知を行うようにする、温水暖房システムにおける試運転
    制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 水張り制御を2以上の暖房端末について同時に実行した
    場合には、全暖房端末についての水張り制御及び開判定
    が完了した時点で、各暖房端末に対する水張り制御にお
    ける全補水量と、各暖房端末における全保有水量との比
    較に基づいて上記2以上の暖房端末の端末開閉弁につい
    ての開判定を行うようにする、温水暖房システムにおけ
    る試運転制御方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載
    の温水暖房システムにおける試運転制御方法であって、 試運転制御として、 全暖房端末及び循環配管に対する水張りを完了させた
    後、全暖房端末への端末開閉弁を開いた状態で加熱部を
    加熱作動させて加熱後の温水を全暖房端末に対し循環供
    給させるよう熱供給制御し、これにより各暖房端末の暖
    房動作が正常に行われるか否かの動作判定を端末情報と
    運転制御情報とに基づいて行うようにする、温水暖房シ
    ステムにおける試運転制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 運転制御情報として、各暖房端末に循環供給される加熱
    後の温水によりその各暖房端末に供給される供給熱量に
    ついての情報を用いるようにする、温水暖房システムに
    おける試運転制御方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 供給熱量を、加熱部による加熱量と、各暖房端末に対す
    る分配比とに基づいて演算により求めるようにする、温
    水暖房システムにおける試運転制御方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 分配比を各端末情報の内の圧力損失の高低に基づいて設
    定するようにする、温水暖房システムにおける試運転制
    御方法。
  18. 【請求項18】 請求項15〜請求項17のいずれかに
    記載の温水暖房システムにおける試運転制御方法であっ
    て、供給熱量についての情報を、各暖房端末の動作判定
    の判定条件を設定するための情報として熱源機コントロ
    ーラから各端末コントローラに対し出力するようにす
    る、温水暖房システムにおける試運転制御方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 各端末コントローラにおいて、端末情報としての定格熱
    量と、出力される供給熱量とに基づいて各暖房端末にお
    ける暖房温度の予想上昇度合を演算推定し、この推定結
    果に基づいて判定条件を変更設定するようにする、温水
    暖房システムにおける試運転制御方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の温水暖房システムに
    おける試運転制御方法であって、 変更設定された判定条件に基づき動作判定が終了する毎
    に、その動作判定が終了した暖房端末の端末開閉弁を閉
    作動制御する一方、動作判定が未終了の暖房端末を対象
    として定格熱量と供給熱量とに基づく判定条件の変更設
    定を繰り返すようにする、温水暖房システムにおける試
    運転制御方法。
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