JP2002147587A - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
車両用自動変速機の油圧制御装置Info
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Abstract
切り換えたときに、係合要素B2の急係合によるショッ
クを防止できる油圧制御装置を提供する。 【解決手段】第1の係合要素B2への供給油圧を調圧制
御するB2圧制御バルブ21と、B2圧制御バルブ21
を作動させる信号油圧を発生する第1のソレノイドバル
ブ24と、シフトレバーに連動したマニュアルバルブ1
2と、マニュアルバルブ12と第1,第2の係合要素B
2,C3とを結ぶ油路中に設けられ、第1の係合要素B
2と第2の係合要素C3とに選択的に油圧を供給,排出
するシーケンスバルブ15と、シーケンスバルブ15を
2位置に切替移動させる信号油圧を発生する第2のソレ
ノイドバルブ25とを備える。車両が前進状態であっ
て、かつ所定車速以下のとき、係合要素B2の油圧をド
レーンさせる油圧解放手段を有する。
Description
油圧制御装置、特に前進時および後退時に共に締結され
る係合要素B2への供給油圧を制御する装置に関するも
のである。
必要な係合要素とそれ以外の係合要素とが誤って同時に
係合するインタロックを防止するため、何れかの係合要
素を強制的に解放する切替弁が知られている。このよう
な切替弁を備えた自動変速機の油圧制御装置として、特
開2000−46163号公報に記載のものがある。
素B2,C3,B1を持ち、第1の係合要素B2と第2
の係合要素C3とが同時に係合した時、および第1の係
合要素B2と第3の係合要素B1とが同時に係合した時
にインタロック状態となる車両用自動変速機に用いられ
るものであって、第1の係合要素B2への供給油圧を調
圧制御するB2圧制御バルブと、第2の係合要素C3へ
の供給油圧を調圧制御するC3圧制御バルブと、第3の
係合要素B1への供給油圧を調圧制御するB1圧制御バ
ルブと、B2圧制御バルブとC3圧制御バルブを作動さ
せる共通の信号油圧を発生するソレノイドバルブと、油
圧源と第1〜第3の係合要素B2,C3,B1とを結ぶ
油路中に跨がって設けられ、第1の係合要素B2と、第
2,第3の係合要素C3,B1とに選択的に油圧を供
給,排出するシーケンスバルブ(切替弁)とが設けられ
ている。
ブは第1の係合要素B2と第2および第3の係合要素C
3,B1に同時に油圧が供給されるのを防止しているの
で、確実にインタロックを防止できる。また、第1の係
合要素B2の作動域と、第2および第3の係合要素C
3,B1の作動域とが干渉しないので、B2圧制御バル
ブとC3圧制御バルブとを同一のソレノイドバルブによ
って制御することが可能となり、ソレノイドバルブの個
数を減らすことができる。
2の油圧制御装置を示す。この油圧制御装置は、シーケ
ンスバルブ15、B2圧制御バルブ21、シーケンスバ
ルブ15を切替制御するためのソレノイドバルブSOL
4、B2圧制御バルブ21を調圧制御するソレノイドバ
ルブSOL3を備える。シーケンスバルブ15は、スプ
リング15aによって左方へ付勢されたスプール15b
を備えており、左端の信号ポート15cにはソレノイド
バルブSOL4から信号圧PS4が入力される。ソレノイ
ドバルブSOL4は、エンジンブレーキを必要とするL
レンジ時、およびRレンジへの切換過渡時のみONされ
る。つまり、スプール15bはLレンジ時およびRレン
ジへの切換過渡時のみ右方へ切り替わる。Rレンジへの
切換過渡時にシーケンスバルブ15が切り替わるのは、
係合要素B2への油圧PB2を緩やかに立ち上げるためで
ある。ポート15iにはB2圧制御バルブ21から調圧
された油圧PB2が入力され、ポート15jは係合要素B
2と接続されている。ポート15kはマニュアルバルブ
の後退油圧PR の出力ポートと接続されている。後退油
圧PR はライン圧と同圧の全開油圧である。なお、他の
ポートは本発明と直接関係がないので、説明を省略す
る。
給される油圧PB2を調圧するバルブであり、スプリング
21aによって左方へ付勢されたスプール21bを有
し、左端の信号ポート21cにはソレノイドバルブSO
L3から信号圧が入力される。ポート21dはドレーン
されており、ポート21eはシーケンスバルブ15を介
して係合要素B2と接続されている。ポート21fには
ライン圧PL が入力されており、スプリング21aを収
容した右端ポート21gには出力圧PB2がスプール21
bの内部を介してフィードバックされている。
させるLレンジと、後退のためのRレンジとにおいて締
結される。すなわち、Lレンジでは、図1の(a)のよ
うに、ソレノイドバルブSOL4から信号圧PS4がシー
ケンスバルブ15のポート15cに入力されるため、ス
プール15bは右方へ移動し、ポート15i,15jが
連通し、係合要素B2には調圧された油圧PB2が供給さ
れる。つまり、係合要素B2が係合され、エンジンブレ
ーキを効果的に作用させることができる。また、Rレン
ジでは、ソレノイドバルブSOL4の信号圧PS4がドレ
ーンされるので、スプール15bが左方へ移動し、ポー
ト15j,15kが連通し、係合要素B2にはマニュア
ルバルブから全開油圧が供給される。
において、シフトレバーを係合要素B2が締結している
前進状態(例えばLレンジ)から素早くRレンジへ切り
換えた時、Nレンジでの時間が短いので、係合要素B2
の油圧が十分に排出されず、さらにシーケンスバルブ1
5の追従遅れのため、NレンジからRレンジへの切換初
期に係合要素B2にマニュアルバルブから全開油圧がか
かり、ショックが発生することがある。
バーをL→N→Rの位置へ切り換えた場合のシーケンス
バルブ15の動作を図1,図2に基づいて説明する。図
2には、ソレノイドバルブSOL4の入力信号、ソレノ
イドバルブSOL3の入力信号、および係合要素B2の
油圧PB2の変化が図示されている。ここでは、ソレノイ
ドバルブSOL4として入力信号がONの時に油圧を出
力する常閉弁を、ソレノイドバルブSOL3として入力
信号がOFFの時に油圧を出力する常開弁を用いた。L
レンジでは、図1の(a)のように、ソレノイドバルブ
SOL4がON、ソレノイドバルブSOL3はOFF
し、共に信号圧を発生している。そのため、B2圧制御
バルブ21が発生する油圧PB2も全開油圧となり、係合
要素B2は締結されている。次に、シフトレバーをL→
N→Rの位置へ切り換えると、Nレンジへ切り替わると
同時に(図2の時刻t1)、図1の(b)のようにソレ
ノイドバルブSOL4がOFFされ、信号圧PS4がドレ
ーンされるので、スプリング15aのばね力によってス
プール15bは左側へ移動する。この状態では、ポート
15jはポート15iと遮断され、ポート15kと連通
される。ポート15kは、上述のようにマニュアルバル
ブの後退油圧出力ポートと接続され、この時点では後退
油圧出力ポートがドレーンされているので、係合要素B
2の油圧もポート15kを介してドレーンされる。Nレ
ンジからRレンジへの切り替わりに伴い(図2の時刻t
2)、ソレノイドバルブSOL4が一時的にONされ、
信号ポート15cに再び信号圧PS4が入力される。その
ため、スプール15bも右側位置に切り替わろうとする
が、信号圧P S4の立ち上がり遅れのため、図1の(c)
のようにシーケンスバルブ15の追従が遅れる。特に、
L→N→Rへの切り替わりが早い時(Nレンジ期間が非
常に短い時)には、係合要素B2の油圧が完全に抜ける
前に、マニュアルバルブから後退油圧PR がポート15
k,15jを介して係合要素B2へ供給される。その結
果、係合要素B2には残圧が残ることになる。この残圧
のために、次にシーケンスバルブ15が右側に切り替わ
って係合要素B2にB2圧制御バルブ21から油圧PB2
が供給された時(図2の時刻t3)、係合要素B2が急
係合し、ショックSが発生するという問題があった。
レンジにおいて、ソレノイドバルブSOL4をOFFせ
ずにON状態に維持する方法もあるが、この方法ではマ
ニュアルバルブからの後退油圧PR の供給を遮断できる
ものの、NレンジからDレンジへ切り換えた時にショッ
クが発生するという新たな問題が発生する。また、L→
N→Rの切換時にタイマーによってN時間を人為的に長
くする方法もあるが、これではR状態を確立するのに時
間がかかるという問題がある。
前進位置から後退位置へ素早く切り換えたときに、シー
ケンスバルブ(切替弁)の追従が遅れて係合要素B2に
全開油圧がかかっても、係合要素B2の急係合によるシ
ョックを防止できる車両用自動変速機の油圧制御装置を
提供することにある。
め、本発明は、前進時および後退時に締結される第1の
係合要素B2と、第1の係合要素が締結する前進時の変
速段以外の変速段で締結される第2の係合要素C3とを
持ち、第1の係合要素B2と第2の係合要素C3とが同
時に係合した時にインタロック状態となる車両用自動変
速機であって、 第1の係合要素B2への供給油圧を調
圧制御する電磁式油圧制御手段と、シフトレバーに連動
したマニュアルバルブと、上記マニュアルバルブと第
1,第2の係合要素B2,C3とを結ぶ油路中に設けら
れ、第1の係合要素B2と第2の係合要素C3とに選択
的に油圧を供給,排出する切替弁と、上記切替弁を2位
置に切替移動させる信号油圧を発生するソレノイドバル
ブとを備え、上記切替弁は、係合要素B2への供給油圧
を、上記油圧制御手段によって調圧された油圧PB2と、
マニュアルバルブからの全開油圧PR とに選択的に切り
換えるとともに、前進レンジで係合要素B2が締結して
いるときは、係合要素B2に調圧された油圧PB2を供給
する位置にあり、中立レンジでは、係合要素B2に全開
油圧PR を供給する位置にあるものの、マニュアルバル
ブでドレーンされている状態にあり、中立レンジから後
退レンジへの少なくとも過渡状態では、係合要素B2に
調圧された油圧PB2を供給する位置にある、車両用自動
変速機の油圧制御装置において、車両が前進状態であっ
て、かつ所定車速以下のとき、上記係合要素B2の油圧
をドレーンさせる油圧解放手段を有することを特徴とす
る油圧制御装置を提供する。
の係合要素B2,C3とを結ぶ油路中に設けられ、第1
の係合要素B2と第2の係合要素C3とに選択的に油圧
を供給,排出する。そのため、第1の係合要素B2に油
圧が供給されている間は、第2の係合要素C3への油圧
は排出され、逆に第2の係合要素C3に油圧が供給され
ている間は、第1の係合要素B2への油圧は排出され
る。したがって、インタロックを確実に防止できる。
ることで、切替弁を任意の条件で作動させることができ
る。すなわち、前進レンジで係合要素B2が締結してい
るときは、係合要素B2に調圧された油圧PB2を供給す
る位置にあり、中立レンジでは、係合要素B2に全開油
圧PR を供給する位置にあるものの、マニュアルバルブ
でドレーンされている状態にあり、中立レンジから後退
レンジへの少なくとも過渡状態では、係合要素B2に調
圧された油圧PB2を供給する位置に移動させることがで
きる。
が、シフトレバーを前進レンジから後退レンジへ素早く
切り換えたとき、切替弁の追従性の遅れのため、係合要
素B2に全開油圧がかかり、係合要素B2の急係合によ
るショックが発生する可能性がある。しかし、前進の所
定車速以下では、油圧解放手段によって係合要素B2の
油圧を排出してあるので、前進レンジから後退レンジへ
素早く切り換えて係合要素B2に一時的に全開油圧がか
かったとしても、係合要素B2までの油路にオイルが満
たされていない状態のため、係合要素B2の急係合によ
るショックを防止できる。また、前進の所定車速以下で
係合要素B2の油圧を排出しても、エンジンブレーキ性
能などの他の性能に悪影響を及ぼさない。なお、第1の
係合要素B2への供給油圧を調圧制御する電磁式油圧制
御手段としては、スプールバルブとソレノイドバルブと
の組み合わせで構成することも可能であるし、ソレノイ
ドバルブ単独で構成することもできる。
を検出する手段と、現車速を所定車速と比較し、現車速
が所定車速以下のときに上記油圧制御手段をドレーン位
置へ制御する信号を出力するコントローラと、で構成す
るのがよい。すなわち、油圧解放手段として格別な弁を
設けてもよいが、油圧回路の大型化やコスト上昇を招
く。これに対し、係合要素B2を調圧制御する油圧制御
手段を電気的に制御するコントローラによって、前進時
の所定車速以下において、係合要素B2の油圧を排出す
るように制御すれば、格別な弁や油路を付加する必要が
なく、安価に構成できる。
が前進状態のときに後退レンジへの切換を許可する最高
車速、すなわち、リバースインヒビット車速とするのが
よい。このようにすれば、前進時に係合要素B2をでき
るだけ低速領域まで係合させることができ、エンジンブ
レーキを最大限に利用できる。なお、リバースインヒビ
ット車速以下であれば、最早エンジンブレーキを作動さ
せる必要がないので、係合要素B2を解放しても問題が
ない。リバースインヒビット車速は、通常5〜7km/
h程度である。
変速機の一例を示す。この自動変速機は、トルクコンバ
ータ1、トルクコンバータ1を介してエンジン動力が伝
達される入力軸2、3個のクラッチC1〜C3、2個の
ブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF、ラビニヨ
ウ型遊星歯車機構4、出力ギヤ5、出力軸7、差動装置
8などを備えている。
と入力軸2とはC1クラッチを介して連結されており、
リヤサンギヤ4bと入力軸2とはC2クラッチを介して
連結されている。キャリヤ4cは中間軸3と連結され、
中間軸3はC3クラッチを介して入力軸2と連結されて
いる。また、キャリヤ4cはB2ブレーキとキャリヤ4
cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウェ
イクラッチFとを介して変速機ケース6に連結されてい
る。キャリヤ4cは2種類のピニオンギヤ4d,4eを
支持しており、フォワードサンギヤ4aは軸長の長いロ
ングピニオン4dと噛み合い、リヤサンギヤ4bは軸長
の短いショートピニオン4eを介してロングピニオン4
dと噛み合っている。ロングピニオン4dのみと噛み合
うリングギヤ4fは出力ギヤ5に結合されている。出力
ギヤ5は出力軸7を介して差動装置8と接続されてい
る。
C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチF
の作動によって図4のように前進4段、後退1段の変速
段を実現している。図4において、●は油圧の作用状態
を示している。なお、B2ブレーキは後退時とLレンジ
の第1速時に係合する。図4には、後述する第1〜第4
ソレノイドバルブ(SOL1〜SOL4)22〜25の
作動状態も示されている。○は通電状態、×は非通電状
態、△は一時的な通電状態を示す。なお、この作動表は
定常状態の作動を示している。
御装置の一例を示す。上記油圧制御装置は、オイルポン
プ10、レギュレータバルブ11、マニュアルバルブ1
2、ソレノイドモジュレータバルブ13、シーケンスバ
ルブ15、フェイルセーフバルブ16、B1圧制御バル
ブ17、C2圧制御バルブ18、C2ロックバルブ1
9、C3圧制御バルブ20、B2圧制御バルブ21、第
1〜第4ソレノイドバルブ22〜25などで構成されて
いる。
制御用であり、第2ソレノイドバルブ23はC2クラッ
チ制御用である。第3ソレノイドバルブ24はC3クラ
ッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねている。その
理由は、B2ブレーキはD,2レンジでは作動せず、L
レンジのエンジンブレーキ制御とRレンジでのみ使用さ
れるので、Dレンジで作動されるC3クラッチと干渉し
ないからである。また、第4ソレノイドバルブ25はL
レンジ(1速)時とRレンジの切換過渡時にシーケンス
バルブ15を切り換えるためのバルブである。上記のよ
うに、第1〜第3ソレノイドバルブ22〜24は微妙な
油圧制御を行なうため、デューティ制御弁またはリニア
ソレノイドバルブを用い、第4ソレノイドバルブ25は
ON/OFF切換弁を用いるのが望ましい。ソレノイド
バルブ22〜25はコントローラ100(図10参照)
によって制御される。
0の吐出圧を所定のライン圧PL に調圧するバルブであ
り、マニュアルバルブ12,ソレノイドモジュレータバ
ルブ13,B2圧制御バルブ21にライン圧PL を供給
している。レギュレータバルブ11は、図6に示すよう
にスプリング11aによって右方へ付勢されたスプール
11bを備えており、左端部にはスプール11bとは別
体のプラグ11cが設けられている。ポート11dには
オイルポンプ10の吐出圧が入力され、ポート11eは
オイルポンプ10の吸込み側に接続されている。右端の
ポート11fにはライン圧PL がフィードバックされて
いる。左端ポート11hには後退時(R)のみC1クラ
ッチ圧PC1が入力され、後退時のライン圧を前進時より
高く調圧している。
動操作に応じて、スプール12aがL,2,D,N,
R,Pの各レンジに切り換えられる。そして、入力ポー
ト12bから入力されたライン圧PL を前進用の出力ポ
ート12cまたは後退用の出力ポート12dから選択的
に出力する。
レノイドバルブ22〜25に一定の元圧を供給するバル
ブであり、図6に示すように、スプリング13aによっ
て左方へ付勢されたスプール13bを備えている。入力
ポート13cにはレギュレータバルブ11からライン圧
PL が入力されており、出力ポート13dからソレノイ
ドモジュレータ圧Psmが各ソレノイドバルブ22〜2
5とC2ロックバルブ19の右端信号ポート19cに出
力される。なお、ポート13eはドレーンポートであ
る。出力圧Psmは左端ポート13fにフィードバック
されており、これによりソレノイドモジュレータ圧Ps
mはスプリング13aの荷重に対応した油圧に調圧され
る。
PB1を制御する調圧バルブであり、図7に示すように、
スプリング17aによって左方へ付勢されたスプール1
7bを備えており、左端ポート17cには第1ソレノイ
ドバルブ22から信号圧Ps1が入力されている。ポート
17dはドレーンポートである。出力ポート17eはB
1ブレーキと接続され、入力ポート17fは後述するフ
ェイルセーフバルブ16のポート16iと接続されてい
る。さらに、スプリング17aを収容した右端ポート1
7hには出力圧PB1がフィードバックされている。その
ため、出力圧PB1は信号圧Ps1に比例した油圧に調圧さ
れる。
走行中、C2,C3クラッチおよびB1ブレーキが同時
に係合する多重噛み合い(インタロック)を防止するた
めのバルブである。具体的には、ソレノイドバルブ22
〜25の誤作動、電子制御回路の故障、各種バルブのス
ティックなどによって、3つの係合要素C2,C3,B
1に同時に油圧が供給されたとき、B1ブレーキの油圧
PB1を抜くことで、強制的に3速状態としている。
すようにスプリング16aによって右方へ付勢されたス
プール16bが設けられており、通常時はスプール16
bは図面上側に示すように右側位置(第1の切替位置)
にあり、Rレンジへの切換過渡時およびインタロック時
のみ図面下側に示すように左側(第2の切替位置)へ切
り替わる。右端ポート16cにはC3クラッチ圧Pc3ま
たはRレンジ圧PR が選択的に入力され、ポート16d
にはC2クラッチ圧PC2が入力され、ポート16eには
B1ブレーキ圧PB1が入力され、これら油圧によってス
プール16bが左方へ押される。スプリング16aを収
容した左端のポート16jには前進時のライン圧PD が
常時入力され、ポート16hにも前進時のライン圧PD
がシーケンスバルブ15を介して入力されている。その
ため、これら油圧によってスプール16bは右方へ押さ
れる。ポート16iはB1圧制御バルブ17の入力ポー
ト17fと接続されている。ポート16lはドレーンポ
ートである。なお、フェイルセーフバルブ16は、上記
ポートのほかに、後退油圧つまりC1クラッチ圧PC1が
入力されるポート16f、B2圧制御バルブ21のドレ
ーンポート21dと接続されたポート16g、ドレーン
ポート16kなどを備えている。
あり、次のような機能を有する。すなわち、第3ソレノ
イドバルブ24をC3クラッチとB2ブレーキの制御に
兼用するため、B2圧制御バルブ21とC3圧制御バル
ブ20の油路を切り換える機能、B2ブレーキ圧を作用
させる時にB1ブレーキ圧とC3クラッチ圧の元圧をド
レーンさせてインタロックを防止する機能、後退レンジ
ではマニュアルバルブ12からRレンジ圧PR を直接B
2ブレーキへ供給し、LレンジではB2圧制御バルブ2
1を介して調圧した油圧をB2ブレーキへ供給する機
能、後退レンジへの切換過渡時にフェイルセーフバルブ
16の右端ポート16cへRレンジ圧PR を導き、フェ
イルセーフバルブ16の作動不良を検出する機能、第2
ソレノイドバルブ23またはC2圧制御バルブ18の作
動不良時に第1速を保障する機能などを有する。
ように、スプリング15aによって左方へ付勢されたス
プール15bを備えており、左端の信号ポート15cに
入力される第4ソレノイドバルブ25の信号圧PS4によ
って右方へ切り替わる。つまり、スプール15bは、図
面下側に示すようにLレンジ時およびRレンジへの切換
過渡時のみ右方へ切り替わるものである。ポート15d
にはC2圧制御バルブ18からC2クラッチ圧PC2が入
力され、ポート15eはC2クラッチと接続されてい
る。ポート15fにはマニュアルバルブ12から前進時
のライン圧PD が入力されている。ポート15gはフェ
イルセーフバルブ16のポート16hに接続され、前進
時のライン圧PD を出力している。ポート15hはドレ
ーンポートである。ポート15iにはB2圧制御バルブ
21からB2ブレーキ圧PB2が入力され、ポート15j
はB2ブレーキと接続されている。ポート15kには後
退時のライン圧PR が入力され、そのままC1クラッチ
とも接続されている。ポート15lはフェイルセーフバ
ルブ16の右端ポート16cと接続され、ポート15m
はC3クラッチと接続されている。
PB2を制御する調圧バルブであり、スプリング21aに
よって左方へ付勢されたスプール21bを備えている。
左端ポート21cには第3ソレノイドバルブ24からL
レンジ時およびRレンジ時に信号圧PS3が入力されてお
り、ポート21dはフェイルセーフバルブ16のポート
16gと接続されている。また、ポート21eはシーケ
ンスバルブ15を介してB2ブレーキと接続され、Lレ
ンジの1速時およびRレンジへの切換過渡時にB2ブレ
ーキへ油圧PB2を供給する役割を持つ。ポート21fに
はライン圧PL が入力されており、スプリング21aを
収容した右端ポート21gには出力圧PB2がフィードバ
ックされている。
イルセーフバルブ16を介してC1クラッチと接続され
ているので、ドレーンされている。また、Dレンジ走行
時には、左端ポート21cに入力される第3ソレノイド
バルブ24の信号圧PS3もドレーンされているので、ス
プール21bは図7の下側に示すように左端位置にあ
る。そのため、B2ブレーキへの油圧PB2もドレーンさ
れる。
過渡時には、第4ソレノイドバルブ25が一時的にON
されるので、シーケンスバルブ15が一時的に右側へ切
り替わり、フェイルセーフバルブ16の右端ポート16
cに高い後退油圧PR が入力されることで、フェイルセ
ーフバルブ16も一時的に左側へ切り替わり、B2圧制
御バルブ21のポート21dはドレーンされる。また、
左端ポート21cに第3ソレノイドバルブ24から信号
圧PS3が入力されるので、スプール21bは図7の上側
に示す位置に保持され、その出力圧PB2は信号圧PS3に
比例しかつライン圧PL より低めの油圧に調圧される。
このようにB2圧制御バルブ21は、Rレンジへの切換
過渡時にB2ブレーキへの油圧PB2を緩やかに立ち上げ
る、換言すればC1クラッチより締結を遅らせることに
より、切換ショックを軽減する機能を有している。
C2を制御するためのバルブであり、図8に示すようにス
プリング18aによって左方へ付勢されたスプール18
bを備えている。入力ポート18cには前進時のライン
圧PD が入力され、出力ポート18dからC2クラッチ
圧PC2が出力される。左端ポート18eにはC2ロック
バルブ19を介して第2ソレノイドバルブ23の信号圧
Ps2または前進時のライン圧PD が入力される。なお、
18fはドレーンポートである。出力圧PC2はスプリン
グ18aが収容された右端ポート18gにフィードバッ
クされており、出力圧PC2は信号圧Ps2に比例した油圧
に調圧される。
ブ18の左端ポート18eに対して、発進過渡時には第
2ソレノイドバルブ23の信号圧Ps2を供給し、走行中
(1速〜3速)は最大油圧PD を供給するよう切り換え
るバルブである。このロックバルブ19は、図8に示す
ようにスプリング19aによって右方へ付勢されたスプ
ール19bを備え、右端の信号ポート19cに入力され
るソレノイドモジュレータ圧Psmによって左方へ押さ
れている。入力ポート19dには前進時のライン圧PD
が入力され、出力ポート19eはC2圧制御バルブ18
の左端ポート18eと接続されている。そして、左側の
2つのポート19f,19gには第2ソレノイドバルブ
23の信号圧Ps2が入力されている。
の信号圧Ps2がソレノイドモジュレータ圧Psmより低
いので、スプール19bは左側位置にあり、ポート19
g,19eを介してC2圧制御バルブ18の左端ポート
18eに信号圧Ps2を供給してC2クラッチを滑り制御
し、緩やかに発進する。一方、発進を完了して走行状態
に移行すると、Ps2=Psmとなるので、スプール19
bはスプリング19aによって右側位置へ切り替わり、
前進時のライン圧PD をC2圧制御バルブ18の左端ポ
ート18eに供給してC2クラッチを確実に締結する。
さらに、4速状態になると、第2ソレノイドバルブ23
の信号圧Ps2がドレーンされるので、スプール19bは
左側位置となり、ポート19g,19eを介してC2圧
制御バルブ18の左端ポート18eがドレーンされ、C
2クラッチは解放される。
PC3を制御するためのバルブであり、図8のようにスプ
リング20aによって左方へ付勢されたスプール20b
を備えている。左端ポート20cは第3ソレノイドバル
ブ24と接続されており、その信号圧Ps3が入力され
る。そのため、1,2速時にはスプール20bは図8の
下側位置、3,4速時にはスプール20bは図8の上側
位置となる。ポート20dはドレーンポート、ポート2
0eはC3クラッチと接続された出力ポートであり、ポ
ート20fには前進時のライン圧PD が入力される。ス
プリング20aを配置した右端ポート20gには出力圧
PC3がフィードバックされている。
いて、図9を参照して説明する。マニュアルバルブ12
から出力された油圧はB2圧制御バルブ21へ供給され
るとともに、シーケンスバルブ15を介してC3圧制御
バルブ20へも供給される。そして、C3圧制御バルブ
20で調圧された油圧はC3クラッチへ供給される。ま
た、B2圧制御バルブ21で調圧された油圧はシーケン
スバルブ15を介してB2ブレーキへ供給される。
給油路と、C3クラッチの供給油路を選択的に切り替え
る機能を有するので、一方に油圧が供給された時には他
方は確実に排出(ドレーン)される。したがって、B2
ブレーキとC3クラッチの同時係合は起こりえず、イン
タロックを防止できる。また、シーケンスバルブ15が
B2ブレーキの供給油路とC3クラッチの供給油路を切
り替えるとともに、B2ブレーキとC3クラッチの作動
域が異なるので、B2圧制御バルブ21とC3圧制御バ
ルブ20への信号油圧を発生するソレノイドバルブ24
を1個で兼用することができる。したがって、ソレノイ
ドバルブの個数を減らすことができる。
バルブ20より上流側、つまりマニュアルバルブ12側
に設けられているので、C3圧制御バルブ20をC3ク
ラッチに近づけることができる。つまり、C3圧制御バ
ルブ20からC3クラッチへの油路を短くできるので、
C3クラッチの油圧の応答性を高めることができる。特
に、C3クラッチは前進走行時に頻繁に締結・解放が繰
り返される係合要素であるから、応答性を高めることに
よって変速ショックを軽減することができる。
切り換えた時、B2ブレーキの急係合によるショックを
防止する作動について、図1,図2を参照して説明す
る。シーケンスバルブ15および第4ソレノイドバルブ
(SOL4)25の動作は図1に示したものと同様であ
る。ただし、コントローラ100によって制御される第
3ソレノイドバルブ(SOL3)24およびB2圧制御
バルブ21の動作が異なる。コントローラ100には、
図9に示すように車速センサ101から車速信号、シフ
トポジションセンサ102からシフト位置、スロットル
開度センサ103からスロットル開度などの各種運転信
号が入力され、予め設定された変速パターンにしたがっ
てソレノイドバルブ22〜25を制御している。従来の
制御では、図2に実線で示すように、Lレンジでは第3
ソレノイドバルブ24がOFF状態であり、Nレンジで
ONしている。つまり、Lレンジでは常に信号圧を出力
しており、Nレンジでドレーンとなる。これに対し、本
発明では、図2に一点鎖線で示すように、Lレンジの低
速領域では、第3ソレノイドバルブ24をONとし、信
号圧をドレーンさせてB2ブレーキへの供給油路をドレ
ーン状態としてある。そのため、L→N→Rへ素早く切
り換えた時、シーケンスバルブ15の追従遅れのため
に、B2ブレーキに一時的に全開油圧がかかっても(図
1の(c)参照)、それまでの段階でB2ブレーキおよ
びその供給油路がドレーン状態であるから、B2ブレー
キに残圧が残らない。そのため、次にシーケンスバルブ
15が右側に切り替わって係合要素B2に油圧PB2が供
給された時(図2の時刻t3)、係合要素B2が急係合
せず、ショックSが発生することがない。
3)24の制御方法の一例を示す。制御がスタートする
と、まずLレンジであるか否かを判定する(ステップS
1)。Lレンジ以外であれば、本制御と関係がないの
で、リターンする。次に、車速Vを設定車速V0 と比較
する(ステップS2)。この設定車速としては、リバー
スインヒビタ車速(例えば7km/h)に設定すればよ
い。現車速が設定車速V0 より高い場合には、従前どお
り第3ソレノイドバルブ24をOFF状態とし(ステッ
プS3)、B2ブレーキを締結して、エンジンブレーキ
を有効に作動させることができる。一方、現車速が設定
車速V0 以下の場合には、前進走行中であってもRレン
ジへ切替可能であるため、第3ソレノイドバルブ24を
ON状態とし(ステップS4)、B2ブレーキの油圧を
排出しておく。このように低速状態でB2ブレーキを事
前に解放しておくことで、もしL→N→Rへ素早く切り
換えても、B2ブレーキの係合ショックが発生しないよ
うにしている。ただし、B2ブレーキを解放すれば、エ
ンジンブレーキが作動しなくなるが、このような低速状
態であれば、エンジンブレーキを作動させる必要がな
い。
ない。上記実施例では、コントローラ100による制御
によって、Lレンジの低速領域においてB2ブレーキを
解放状態としたが、これに限るものではなく、B2ブレ
ーキを解放するための格別のバルブを設けてもよい。ま
た、上記実施例ではB2ブレーキがLレンジとRレンジ
において締結するようにしたが、スポーツモードのDレ
ンジを備えた自動変速機の場合には、L以外にスポーツ
モードのDレンジの1速時に締結するようにしてもよ
い。いずれの場合も、エンジンブレーキを作動させるこ
とができる。また、上記実施例ではR時にB2圧制御バ
ルブ21を介さずにB2ブレーキに油圧を供給するた
め、B2圧制御バルブ21をシーケンスバルブ15より
上流側、に設けたが、シーケンスバルブ15より下流側
に設けてもよい。ただ、実施例のような構成にすれば、
第3ソレノイドバルブ24の作動時間を短くできるの
で、望ましい。さらに、上記実施例では、第1の係合要
素B2への供給油圧を調圧制御するB2圧制御バルブ2
1と、第2の係合要素C3への供給油圧を調圧制御する
C3圧制御バルブ20とを共通のソレノイドバルブ(S
OL3)24によって制御し、ソレノイドバルブの個数
を減らすようにしたが、B2圧制御バルブとC3圧制御
バルブとを個別のソレノイドバルブでそれぞれ制御して
もよい。本発明は、3個のクラッチC1〜C3と2個の
ブレーキB1,B2を有する自動変速機にに限るもので
はなく、少なくとも2個以上の係合要素を持つ自動変速
機であれば適用可能である。
よれば、切替弁をマニュアルバルブと第1,第2の係合
要素とを結ぶ油路中に設けたので、第1の係合要素に油
圧が供給されている間は、第2の係合要素への油圧は排
出され、逆に第2の係合要素に油圧が供給されている間
は、第1の係合要素への油圧は排出される。したがっ
て、インタロックを確実に防止できる。また、シフトレ
バーを前進位置から後退位置へ素早く切り換えたとき
に、シーケンスバルブの追従が遅れて係合要素B2に全
開油圧がかかっても、係合要素B2の供給油路は油圧解
放手段によってドレーン状態にあるので、次に係合要素
B2に油圧が供給された時、急係合によるショックを防
止できる
ブの動作を示す図である。
変化を示す図である。
機構図である。
ドバルブの作動表である。
路図である。
ブ,マニュアルバルブおよびソレノイドモジュレータバ
ルブの回路図である。
ブ、フェイルセーフバルブ,シーケンスバルブおよびB
2圧制御バルブの回路図である。
ブ,C2ロックバルブおよびC3圧制御バルブの回路図
である。
作動を示すフロー図である。
ブ) 100 コントローラ 101 車速センサ
Claims (3)
- 【請求項1】前進時および後退時に締結される第1の係
合要素B2と、第1の係合要素が締結する前進時の変速
段以外の変速段で締結される第2の係合要素C3とを持
ち、第1の係合要素B2と第2の係合要素C3とが同時
に係合した時にインタロック状態となる車両用自動変速
機であって、第1の係合要素B2への供給油圧を調圧制
御する電磁式油圧制御手段と、シフトレバーに連動した
マニュアルバルブと、上記マニュアルバルブと第1,第
2の係合要素B2,C3とを結ぶ油路中に設けられ、第
1の係合要素B2と第2の係合要素C3とに選択的に油
圧を供給,排出する切替弁と、上記切替弁を2位置に切
替移動させる信号油圧を発生するソレノイドバルブとを
備え、上記切替弁は、係合要素B2への供給油圧を、上
記油圧制御手段によって調圧された油圧PB2と、マニュ
アルバルブからの全開油圧PR とに選択的に切り換える
とともに、前進レンジで係合要素B2が締結していると
きは、係合要素B2に調圧された油圧PB2を供給する位
置にあり、中立レンジでは、係合要素B2に全開油圧P
R を供給する位置にあるものの、マニュアルバルブでド
レーンされている状態にあり、中立レンジから後退レン
ジへの少なくとも過渡状態では、係合要素B2に調圧さ
れた油圧PB2を供給する位置にある、車両用自動変速機
の油圧制御装置において、車両が前進状態であって、か
つ所定車速以下のとき、上記係合要素B2の油圧をドレ
ーンさせる油圧解放手段を有することを特徴とする油圧
制御装置。 - 【請求項2】上記油圧解放手段は、車速を検出する手段
と、現車速を所定車速と比較し、現車速が所定車速以下
のときに上記油圧制御手段をドレーン位置へ制御する信
号を出力するコントローラと、を備えたことを特徴とす
る請求項1に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。 - 【請求項3】上記所定車速は、車両が前進状態のときに
後退レンジへの切換を許可する最高車速であることを特
徴とする請求項1または2に記載の車両用自動変速機の
油圧制御装置。
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JP2011226496A (ja) * | 2010-04-15 | 2011-11-10 | Jatco Ltd | 自動変速機及びその油圧制御方法 |
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CN102221070B (zh) * | 2010-04-15 | 2015-08-26 | 加特可株式会社 | 自动变速器及其油压控制方法 |
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