JP2002146583A - フェルールの製造方法 - Google Patents

フェルールの製造方法

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JP2002146583A JP2000337380A JP2000337380A JP2002146583A JP 2002146583 A JP2002146583 A JP 2002146583A JP 2000337380 A JP2000337380 A JP 2000337380A JP 2000337380 A JP2000337380 A JP 2000337380A JP 2002146583 A JP2002146583 A JP 2002146583A
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ferrule
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electroforming
manufacturing
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Tetsuo Tanaka
鐵男 田中
Yoshinari Kono
与志成 河野
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  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内径及び外径の同心性及び真円性が極めて優
れた金属製フェルールを製造する方法を提供する。 【解決手段】 電鋳法により線材に金属を電着させ、線
材の両端が露出するように棒状の電鋳体を作製する。得
られた電鋳体から線材を取り除く前に、線材の両端を支
持した状態で、線材を中心軸(主軸)として電鋳体を回
転させながら電鋳体の外周部を研削または切削加工す
る。電鋳体から線材を取り除き、所望の長さに切断して
円筒状の金属フェルールを得る。得られたフェルール
は、その内孔を画成する線材を中心軸(主軸)として外
径加工されているので、内孔(貫通穴)と極めて同軸性
が高く、真円度も高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバーを接
続するための光コネクターに用いられるフェルールの製
造方法に関し、更に詳細には、電鋳により製造されるフ
ェルールの同心精度を極めて高くするためのフェルール
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電話回線は世界的な規模で電気ケ
ーブルから光ファイバケーブルに取って代わろうとして
いる。光ファイバは、光通信、光デバイス、LAN用機
器、各種光システムに広範に使用されている。このよう
な光通信システムにおいて、光ファイバ同士を接続する
には、融着やメカニカルスプライスによる永久接続法
や、光ファイバコネクタによる着脱可能な接続方法が知
られている。後者の方法に用いられる光ファイバコネク
タは、着脱が容易であること、耐環境性であることに加
えて、光通信システムの長距離化や大容量化の要求に応
えるために、低接続損失であること、レーザ発信を安定
化させるために無反射処理がなされることなどが要求さ
れている。
【0003】光ファイバコネクタは、図1(B)に示し
たように、断面が真円形で直径約0.13mmの光ファ
イバ40a、40bを所定位置に高精度に保持し、同軸
状に固定するための管状部品(以下、フェルールとい
う)1a、1bと、フェルール1a、1bを突き合わせ
て保持する整列部42とから構成されている。フェルー
ルは、例えば、図1(A)に示すような円柱形状を有し
ており、ジルコニアセラミックスなどから製造されてい
る。図1(A)に示したフェルール1は、一芯タイプの
フェルールであり、例えば、長さ8mm程度の円柱の中
心に長さ方向に沿ってφ=0.126mmの真円の貫通
孔2が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1(A)に示したよ
うなフェルールを製造するには、従来、次のような方法
が採用されていた。まず、ジルコニア粉末と樹脂の混合
物を原料にして、円筒形を成型するための射出成型用ま
たは押出成型用金型などを用いて円筒形に成型する。次
いで、成型体を500℃程度の温度で焼成して樹脂分を
分解した後、1200℃程度の高温で焼成する。得られ
た円筒状焼成体の貫通孔に、線状のダイヤモンド研磨体
を通して貫通孔の内径を微調整する。
【0005】上記成型方法において、焼成した成型体は
焼成により幾分収縮してその内径が所望の寸法からずれ
てくる。このため、焼成後のダイヤモンド研磨体を用い
た貫通孔の研磨は必要不可欠な処理であった。しかしな
がら、この研磨は手間がかかり熟練を要する作業であ
り、生産性を低くする原因になっていた。しかも、線状
の研磨体におけるダイヤモンドの付き具合が不均一であ
るなどの理由により研磨しても焼成体の内孔の軸方向位
置における内径を完全に均一にすることは容易ではなか
った。また、ダイヤモンド研磨体は消耗するために、設
備コストがかかるという問題があった。
【0006】かかる問題を解決する方法として、本発明
者らは、国際公開番号WO00/31574において、
電鋳によるフェルールの製造方法を開示した。かかる製
造方法では、線材の周囲に、電鋳により金属を堆積させ
て棒状の電鋳体を形成し、電鋳体から線材を除去するこ
とによりフェルールを製造している。それゆえ、フェル
ールの内径を軸方向において極めて均一にすることがで
き、ダイヤモンド研磨体を用いた貫通孔の研磨は不必要
となる。
【0007】ところで、フェルールの製造工程には、通
常、仕上げの工程として、円筒体の外側を内孔を中心に
機械加工して真円になるように加工(外径加工)する工
程が含まれる。例えば、上述のジルコニア粉末の円筒体
の外径加工では、内孔にワイヤーを通し、ワイヤーに張
力を与えてワイヤーセンターレス機により内孔と同心に
なるように外径を加工する。しかし、内孔にワイヤーを
通すことは内孔とワイヤーとの間に僅かな間隙が生じて
いることに他ならず、かかる間隙は外径と内径の同心度
にずれを生じさせる。フェルールは極めて高精度の同心
度が要求されるので、このような間隙によって生じる同
心度のずれをもなくすことが望まれている。
【0008】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、電鋳により得られた円筒状の電
鋳体から、内径と外径の中心が極めて高精度に一致した
フェルールを製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、フェル
ールの製造方法であって、電鋳により線材の周囲に金属
を形成した電鋳体を、該線材を中心軸に利用して外径加
工することを含むフェルールの製造方法が提供される。
【0010】本発明の製造方法では、電鋳により線材の
周囲に金属を電着させて得られた電鋳体の外周部を加工
する際に、母材として用いた線材を中心軸(主軸)に利
用して切削または研削を行なう。そして、かかる外径加
工を行った後に、線材を電鋳体から取り除いて、金属か
らなる管状部材すなわちフェルールを製造する。線材は
フェルールの内孔を画成するので、電鋳体から線材を取
り除く前に、線材を外径加工の際の中心軸として用いて
製造したフェルールは、内径中心と外径中心とが極めて
高精度に一致している。
【0011】具体的には、まず、電鋳により、母材とし
ての線材に、当該線材の両端部が露出するように金属を
電着させて図7に示すような円柱状の電鋳体70を作製
する。電鋳体70の両端から線材9を露出させるには、
例えば、線材9の一方の端部9aを電鋳浴から出して電
鋳するとともに、他方の端部9bに金属が電着しないよ
うに、例えば、プラスチックや樹脂(好ましくは硬質樹
脂)、それらを用いて形成された成型品などの絶縁物な
どで覆えばよい。次いで、得られた電鋳体の両端部分か
ら露出した線材9a及び9bを支持し、支持した状態で
線材9を中心軸として回転させながら外径加工工作機に
より電鋳体70の外周部70aを切削または研削する。
これにより、内径中心と外径中心とが極めて高精度に一
致したフェルールを得ることができる。
【0012】本発明の製造方法では、フェルールの内径
は線材の外径で決定され、フェルールの内径精度もまた
線材の外径精度で決定される。したがって、線材とし
て、光ファイバと相似断面(真円形)であり、光ファイ
バよりわずかに大きな幅または径を有し且つ高精度の直
線性及び真円度を有するような線材を用いることにより
極めて内径精度の高いフェルールを得ることができる。
【0013】本発明の製造方法においては、線材は、電
鋳物の外径加工の際の主軸として用いられることから、
ある程度の剛性強度を有する材料を用いて構成すること
が望ましく、かかる材料としては、例えば、ピアノ線に
用いられる材料、ステンレス、鋼、鋼に諸元素を添加し
た特殊鋼が好適である。線材の長さは、100mm〜2
00mmが好ましい。
【0014】本発明の製造方法において、外径加工を終
えた電鋳体から線材を取り除くには、線材のみを電鋳体
から溶解させるか、または線材を電鋳体から引き抜くか
若しくは押し出せばよい。これにより線材の断面形状に
相当する貫通孔が形成された円筒状の金属管(フェルー
ル)が得られる。
【0015】本発明において、電鋳体の外周部を加工す
るための装置には例えば、ワイヤーセンターレス研削機
や平面研磨機などを用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法の実施の
形態について説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0017】最初に、本発明のフェルールを電鋳により
製造する装置について図2を参照しながら説明する。図
2に示した装置は、電鋳浴50と、電鋳浴50の内に充
填された電鋳液3、電鋳浴50内に配置された陽極4及
び陰極8とを備える。陽極4は、電鋳浴50の底部に設
置されたベース52上に、陰極を取り巻くように4本設
けられている。陰極8は、後述するように、支持治具5
上に設けられており、支持治具5の上下端部間に張られ
た線材9に電気的に接続されている。ベース52上には
空気ノズル6が線材9の周方向に90度の間隔で設けら
れている。
【0018】電鋳液3は、線材9の周囲に電鋳しようと
する金属の材質に応じて決定され、例えば、ニッケル又
はその合金、鉄又はその合金、銅又はその合金、コバル
ト又はその合金、タングステン合金、微粒子分散金属な
どの電鋳用金属を用いることができ、スルファミン酸ニ
ッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン敢
第一鉄、ホウフッ化第一銑、ピロリン酸胴、硫酸銅、ホ
ウフッ化銅、ケイフッ化銅、チタンフッ化銅、アルカノ
ールスルフォン酸銅、硫酸コバルト、タングステン酸ナ
トリウムなどの水溶液を主成分とする液、又は、これら
の液に炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、酸
化ジルコニウム、チッ化ケイ素、アルミナ、ダイヤモン
ドなどの微粉末を分散させた液が使用される。これらの
うち特に、スルファミン酸ニッケルを主成分とする浴
が、電鋳の容易さ、電鋳物の応力が小さいこと、化学的
安定性、溶接の容易性などの面で適している。
【0019】なお、電鋳液の金属成分は電鋳物、すなわ
ち、フェルールを構成する材料となる。フェルールは、
後述するように、PC接続を行なわせるために、PC研
磨が行われる。PC研磨の観点からすれば、金属成分と
してニッケル/コバルト合金が特に好ましい。
【0020】電鋳液は、電鋳浴中にて、濾過精度0.1
〜2mm程度のフィルター(不図示)を用いて高速濾過
してよく、加温して50±5℃程度の適性温度範囲に温
度コントロールしてもよい。また時々、活性炭処理をし
て有機不純物を除去するのが好ましい。また、ニッケル
メッキした鉄製の波板を陰極、カーボンを陽極にして
0.2A/dm程度の低電流密度で通電して銅などの
金属不純物を、浴中の電鋳液から除去することが望まし
い。
【0021】陽極4は、電鋳しようとする金属に応じて
選択され、ニッケル、鉄、銅、コバルトなどから選定さ
れ、板状、球状のものを適宜使用することができる。球
状の電極を使用する場合は、例えば、チタン製のバスケ
ットに入れ、ポリエステル製の布袋で覆って使用すれば
よい。
【0022】支持治具5について図3を参照しながら詳
細に説明する。図3(A)は側面図であり、図3(B)
は下板11のB−B方向から見た断面図である。支持治
具5は、上板10と下板11が4本の支柱12を介して
連結されており、上板10と下板11は、例えば、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂
またはポリエチレン樹脂の電気絶縁材料で製造され、支
柱12は、ステンレス、チタンなどの金属又はプラスチ
ックで製造され得る。上板10及び下板11は、支柱1
2と、それぞれ、ネジ(不図示)で固定され得る。上板
10の中央には、陰極8としてのステンレスネジ13a
が上板10を貫通するように設けられている。ステンレ
スネジ13aは、上板10の下面にてステンレス製のバ
ネ7の一端7aを固定している。下板11の中央には、
同様にステンレスネジ13bが下板11を貫通して下板
11の上面に突出するように設けられており、プラスチ
ック製のクリップ15がネジ13bに固定されている。
前述のように、下板11には、エアーノズル用の円孔1
4が4か所に穿孔されている。線材9の一端はステンレ
ス製のバネ7の他端7bに引掛られ、線材9を引っ張っ
てバネ7を伸ばしながら線材9の他端がクリップ15で
把持される。このように線材9を支持治具5に取り付け
ることにより、線材9は鉛直方向に真っ直ぐに張った状
態で電鋳浴50中で支持される。
【0023】図1に戻って、エアー吹出ノズル6は、そ
の孔から少量のエアーを吹き出して電鋳液3を攪拌す
る。ただし、電鋳液3の攪拌はエアーに限定されず、他
にプロペラ、超音波、超振動などの手法を採用でき、特
に、超音波攪拌が線材9の直線性を維持する面から望ま
しい。
【0024】線材9は、鉄またはその合金、アルミニウ
ムまたはその合金、銅またはその合金などの金属線、及
びこの金属線の上に薄いハンダメッキをしたもの、及び
ナイロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)などの
プラスチック線から適宜選択使用される。このうちプラ
スチック線の場合は、表面に導電性の付与のためニッケ
ル、銀などの無電解メッキが必要となる。導電性プラス
チックを用いるのが有利である。この場合、電鋳後に導
電性プラスチックに通電して加熱すると電鋳物の引き抜
き離型が容易となる。線材9は、電鋳で得られるフェル
ールの内径を決定することになるので、線の太さ、真円
度及び直線性において高精度のものが要求される。線
は、ダイスによる押し出しや伸線による方法或いはセン
タレス加工などにより太さと真円度と、直線性の調整を
実施することができる。現時点では、直径125μmの
ステンレス線の場合には、例えば、±0.5μm程度の
誤差範囲のステンレス線材製品が入手可能である。
【0025】次に、図2に示した電鋳装置100を用い
て管状部材を電鋳により形成する操作を説明する。電鋳
浴50に、電鋳液3を充填した後、4〜20A/dm
程度の電流密度になるように陽極4及び陰極8にDC電
圧を印加する。この電流密度でほぼ1日間電鋳すること
により線材9の周囲に直径3mmの太さの電着物に成長
させることができる。
【0026】電鋳の終了後、支持治具5を電鋳浴50か
ら取り出し、電着物が形成されている線材9を支持治具
5から取り外す。線材9の周囲には、図7に示すよう
に、両端に線材9a及び9bが露出した状態で電着物7
0が一様に円柱状に形成されている。線材9の一方の端
部9aは、図2に示したように、電鋳装置100の電鋳
液3に触れていなかったため電着物が形成されおらず、
線材9の他端9bはクリップ15により挟まれていたた
めに電着物は形成されていない。
【0027】次いで、かかる電着物70の外周部を外径
加工する。電着物の外周部の加工には例えばワイヤーセ
ンターレス機を用いることができる。図8にワイヤーセ
ンターレス機の切削機構80の概略を示す。切削機構8
0は、内側リングが回転可能なベアリング式の治具8
1、82と、当該治具81、82を回転させるための回
転駆動装置83と、カッター84を主に備える。電着物
70は治具81及び82に装着され、図8に示すよう
に、電着物70の一端から露出している線材部分9aが
ベアリング式の治具81の三点式チャックで支持される
とともに、線材の他端9bが治具82の三点式チャック
で支持される。そして、線材9を主軸として回転駆動装
置83により治具81及び82の内側リングを回転させ
ながら、電着物70の外周部70aを、カッター84を
用いて外径が1.249mmになるように切削加工す
る。
【0028】このような外径加工により、電着物の真円
度が高められる。後述する方法により電着物から線材を
取り除くことによって形成される内孔の内径中心と、電
着物の外径中心とのずれは0.2μm以下であり同軸性
が極めて高い。
【0029】外径加工を終えた線材9は電着物から引き
抜くか、加熱した酸またはアルカリ水溶液に溶かすなど
で除去することができる。ハンダメッキの金属線の場合
は、金属線を加熱しながら引き抜けばよい。
【0030】また、電着物から線材9を押し出しにより
取り出すことも可能である。例えば、図4に示すような
貫通孔21aが内部に形成されたガイド21と超硬ピン
22を用いて、ガイド21を、電鋳品23に対して、互
いの貫通孔21a及び23aが超硬ピン22を通じて連
結するように配置して、超硬ピン22で電鋳品23から
線材9を押し出すこともできる。この場合は、電鋳品2
3の線材9の一端を、薬品で少し溶かしてから実施する
のが望ましい。
【0031】電鋳品の中心に存在する線材9を引き抜く
か、押し出すか、あるいは薬品で溶解するかについて
は、選択した線材9の材料に基づいて決定すればよい。
一般には、線材が薬品に溶解しにくく、引っ張り強度の
高いものは、引き抜きまたは押し出しを利用し、薬品に
溶解しやすいものは、溶解させるのがよい。例えば、鉄
またはその合金の場合は、線材9を離型処理した後、図
5に示すようにビニルテープなどの電気絶縁体20で一
部を覆って前述の電鋳を実施し、電鋳品から電気絶縁体
20を剥がして線材9を図6に示すように露出させる
と、電鋳品23から線材9を引き抜き易くなる。上記ハ
ンダメッキした金属線、無電解メッキしたプラスチック
線の場合には、離型処理なしで同様の方法で引き抜けば
よく、ハンダメッキした金属線の場合には、加熱しなが
ら引き抜けばよい。引き抜き法の場合には、特に線材9
は鉄の合金であるステンレス線が望ましく、実験的に
は、直径0.126mmのステンレス線で100mm程
度の長さまで引き抜くことができた。
【0032】線材9がアルミニウムまたはその合金、銅
またはその合金などの場合には、線材9が酸またはアル
カリ水溶破に溶解しやすいため、溶解による除去が有効
である。溶解液として、アルミニウムまたはその合金を
溶解しつつ、電鋳金属に殆ど影響を与えない強アルカリ
水溶液が好ましい。具体的には、5〜10w/v%程度
の濃度の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強ア
ルカリ水溶液を使用し、100±3℃程度に加熱するこ
とにより容易に溶解除去することができる。実験的に
は、10mmの長さのアルミニウム線を90分程度で溶
解除去することができた。この場合には、引き抜く必要
がないので図5に示すような電気絶縁体で覆って電鋳す
る必要はなく、線材9の全面を電鋳すればよく、また線
材9の離型処理は不要である。
【0033】線材が取り除かれた電着物は、例えば、薄
刃カッターを用いて所定の長さで切断することによりフ
ェルールとして使用可能である。特に、本発明の方法を
用いたことにより、フェルールの内径及び外径の寸法精
度は極めて高く、その精度は前述の線材9の寸法誤差で
決まる。ここでは、電着物から線材を取り除いた後に所
定の長さに切断したが、電鋳物を所定の長さに切断した
後に、線材を取り除く作業を行なっても良い。
【0034】得られたフェルールは、フェルールの回転
方向を位置決めするとともに光ファイバコネクタハウジ
ング中に収容するためのフェルールホルダに嵌合され得
る。フェルールを用いた光ファイバコネクタで光ファイ
バを接続するためには、前述のように光ファイバ同士の
PC接続が望ましい。PC接続を行なうためには、フェ
ルールに光ファイバを挿入した形でフェルールの端面
を、凸球面または傾斜した凸球面に加工する。この加工
は、端面研磨機を用いて実行することができる。本発明
の製造方法により製造されるフェルールは金属製フェル
ールであるので、従来のジルコニアやガラス製のフェル
ールに比べてPC研磨が一層容易にできるという利点が
ある。更に、PC研磨後の光ファイバ先端とフェルール
研磨面とはそれらの高さが同程度となることがわかっ
た。したがって、本発明のフェルール及びそれを含む光
ファイバコネクタを用いることにより、極めて高精度に
光ファイバを接続が可能であり、それにより低反射損失
の接続を実現することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のフェルールの製造方法では、電
鋳により作製された電鋳体の外周部を、フェルールの内
径を画成する線材を主軸として当該線材と同軸状に研削
加工するので、得られるフェルールの内径と外径の中心
を極めて高精度に一致させることができ、内径と外径の
同心度のずれを0.2μm以下にすることができる。し
たがって、本発明の製造方法により製造されるフェルー
ルは光ファイバー同士を極めて高精度に接続することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)はフェルールの縦断面図及びそのX
−X方向断面図であり、(B)は光ファイバを接続する
ための光ファイバコネクタの概略断面図である。
【図2】フェルールを製造するための電鋳装置の槻略構
成を示す図である。
【図3】図2に示した装置に用いられる支持治具の側面
図(A)と平面図(B)である。
【図4】電鋳物から線を押し出す方法を説明するための
概念図である。
【図5】電鋳物から線を引き抜く場合に、テープが線に
所定間隔で設けられることを説明するための概念図であ
る。
【図6】電鋳後に、図5で説明したテープを剥離した状
態の線を示す概念図である。
【図7】電鋳により、線材の両端が露出するように線材
の周囲に電着物(電鋳体)を形成した様子を示す図であ
る。
【図8】ワイヤーセンターレス機の研削機構の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 フェルール 2 貫通穴 3 電鋳液 4 陽極 8 陰極 9 線材 50 電鋳浴 70 電鋳体(電着物) 80 切削機構 100 電鋳装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルールの製造方法であって、 電鋳により線材の周囲に金属を形成した電鋳体を、該線
    材を中心軸に利用して外径加工することを含むフェルー
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 電鋳により、上記線材の両端部が露出す
    るように当該線材の周囲に金属を円柱状に電着させるこ
    とによって上記電鋳体を形成し、 上記露出した線材の両端部を支持し、 上記線材の両端部を支持した状態で、線材を中心軸にし
    て回転させながら上記電鋳体の外周部を削ることを特徴
    とする請求項1に記載のフェルールの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記電鋳体の外径加工を行なった後、電
    鋳体から線材を除去することを含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載のフェルールの製造方法。
  4. 【請求項4】 更に、電鋳体から線材を除去した後、電
    鋳体を所定の長さに切断することを含むことを特徴とす
    る請求項3に記載のフェルールの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記電鋳体の外径を加工した後、電鋳体
    を所定の長さに切断し、切断された電鋳体から線材を除
    去することを含むことを特徴とする請求項1または2に
    記載のフェルールの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記金属が、アルミニウム、ニッケル、
    鉄、銅、コバルト、タングステン及びそれらの合金から
    なる群から選ばれた一種であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のフェルールの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記外径加工に、ワイヤーセンターレス
    研削機を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載のフェルールの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製
    造方法により製造されたことを特徴とするフェルール。
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