JP2002146231A - 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 - Google Patents

微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002146231A
JP2002146231A JP2000350232A JP2000350232A JP2002146231A JP 2002146231 A JP2002146231 A JP 2002146231A JP 2000350232 A JP2000350232 A JP 2000350232A JP 2000350232 A JP2000350232 A JP 2000350232A JP 2002146231 A JP2002146231 A JP 2002146231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
fine
pigment
iron oxide
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000350232A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5177333B2 (ja
Inventor
Kazuyuki Hayashi
一之 林
Mineko Osugi
峰子 大杉
Hiroko Morii
弘子 森井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2000350232A priority Critical patent/JP5177333B2/ja
Priority to US09/731,987 priority patent/US6440561B2/en
Priority to DE60034296T priority patent/DE60034296T2/de
Priority to EP00310958A priority patent/EP1106657B1/en
Publication of JP2002146231A publication Critical patent/JP2002146231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5177333B2 publication Critical patent/JP5177333B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、有害な元素を含有することな
く、耐酸性及び耐アルカリ性等の耐薬品性が向上し、し
かも、耐熱性が向上した微細なオレンジ色系顔料であっ
て、該微細なオレンジ色系顔料を用いることによって、
優れた透明性を有する塗料及び樹脂組成物を得ることが
できる微細なオレンジ色系顔料を提供する。 【解決手段】 含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面がアル
コキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポ
リシロキサンによって被覆されていると共に、該被覆に
有機赤色顔料が付着している平均長軸径0.005μm
以上で0.1μm未満の微細な複合含水酸化鉄微粒子粉
末からなり、前記有機赤色顔料の付着量が前記含水酸化
鉄微粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部であ
る微細なオレンジ色系顔料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有害な元素を含有する
ことなく、耐酸性及び耐アルカリ性等の耐薬品性が向上
し、しかも、耐熱性が向上した微細なオレンジ色系顔料
であって、該微細なオレンジ色系顔料を用いることによ
って、優れた透明性を有する塗料及び樹脂組成物を得る
ことができる微細なオレンジ色系顔料を提供する。
【0002】
【従来の技術】現在、オレンジ色系顔料としてはクロム
バーミリオンをはじめ、赤口黄鉛、パーマネントオレン
ジ及びベンジジンオレンジ等が用いられ、樹脂、塗料、
印刷インキ等の着色顔料として広く使用されている。
【0003】クロムバーミリオン及び赤口黄鉛は、非常
に鮮明な色相を呈するが、酸やアルカリ等の耐薬品性、
耐候性及び耐熱性が劣っており、高価であることが知ら
れている。
【0004】また、クロムバーミリオン及び赤口黄鉛等
のオレンジ色系無機顔料はその構成元素として鉛やクロ
ムを含有しているため毒性を有しているので、衛生面、
安全性面及び環境汚染防止の観点から代替オレンジ色系
顔料が強く要求されている。
【0005】一方、パーマネントオレンジ及びベンジジ
ンオレンジ等の有機オレンジ色顔料は、色相が鮮明であ
るが、耐候性が劣っており隠蔽力が弱いことが知られて
いる。
【0006】また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リオレフィン、スチレン重合体、ポリアミド、ABS等
の熱可塑性樹脂を用いた樹脂組成物は、通常200℃以
上の高温度で成形加工されるため、着色剤として添加さ
れる前記オレンジ色顔料には耐熱性が要求される。
【0007】そこで、耐薬品性及び着色力に優れるとと
もに、耐熱性に優れた無害なオレンジ色顔料が強く要求
されている。
【0008】前記オレンジ色顔料の中でも、粒子径が
0.1μm未満の粒子からなるものは、塗膜にした時に
可視光領域の光に対して透明な塗膜を得ることができる
ため、透明性を呈することが知られている。
【0009】この粒子径が0.1μm未満の微細なオレ
ンジ色顔料は、微粒子であるため比表面積が大きいこと
から、一般に耐熱性は低下する傾向にあり、この点から
も顔料自体の耐熱性向上が強く要求されている。
【0010】また、微粒子であるため粉体の表面エネル
ギーが高く、凝集を起こしやすいため、ビヒクル中や樹
脂組成物中における分散性が劣っており、粒子が凝集し
て粗大な粒子となると塗膜や樹脂組成物にした時に十分
な透明性を呈することが困難となる。
【0011】そこで、微細なオレンジ色顔料のビヒクル
中や樹脂組成物中での分散性を改良することが強く要求
されている。
【0012】従来、顔料としての諸特性改善のために無
機顔料と有機顔料とを組み合わせる技術が試みられてお
り、例えば、黄鉛とフタロシアニンブルーを共沈させる
方法や無機顔料の粒子表面に有機顔料を付着させる方法
(特開平4−132770号公報、特開平10−880
32号公報、特開平11−181329号公報等)等が
提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】有害な元素を含有する
ことなく、耐薬品性に優れると共に耐熱性が向上した微
細なオレンジ色系顔料は、現在最も要求されているとこ
ろであるが、未だ得られていない。
【0014】即ち、前出の黄鉛とフタロシアニンブルー
を共沈させる方法では、黄鉛を用いているために毒性を
有していると共に、共沈で製造されているために、得ら
れた顔料を塗料化した場合には、貯蔵安定性が十分とは
言い難く、塗膜とした場合には、色浮きが生じる場合が
あるため好ましくない。
【0015】また、前出特開平4−132770号公報
に記載の方法は、無機顔料の存在下で有機顔料を析出さ
せる方法であり有機顔料の付着強度が十分とは言い難い
ものである。また前出特開平10−88032号公報に
記載の方法は、無機顔料と有機顔料とを機械的に混合摩
砕する方法であり、有機顔料の付着強度が十分とは言い
難いものである。
【0016】また、前出特開平11−181329号公
報に記載の方法は、オルガノポリシロキサンを環状シリ
コーンに溶解し、得られた溶液に有機顔料を添加して微
粒化処理した後、高吸油性無機顔料を含浸し、次いで、
環状シリコーンを揮発させる方法であり、有機顔料の付
着強度が十分とは言い難いものである。
【0017】そこで、本発明は、無害であって、耐酸性
及び耐アルカリ性等の耐薬品性に優れると共に、耐熱性
が向上した微細なオレンジ色系顔料を提供することを技
術的課題とする。
【0018】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0019】即ち、本発明は、含水酸化鉄微粒子粉末の
粒子表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラ
ン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると
共に該被覆に有機赤色顔料が付着している平均長軸径
0.005μm以上で0.1μm未満の微細な複合含水
酸化鉄微粒子粉末からなり、前記有機赤色顔料の付着量
が前記含水酸化鉄微粒子粉末100重量部に対して1〜
30重量部であることを特徴とする微細なオレンジ色系
顔料である(本発明1)。
【0020】また、本発明は、本発明1の含水酸化鉄微
粒子粉末の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸
化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケ
イ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間
被覆物によって被覆されていることを特徴とする微細な
オレンジ色系顔料である(本発明2)。
【0021】また、本発明は、本発明1又は本発明2の
微細なオレンジ色系顔料を塗料構成基材中に配合したこ
とを特徴とする塗料である。
【0022】また、本発明は、本発明1又は本発明2の
微細なオレンジ色系顔料を用いて着色したことを特徴と
する樹脂組成物である。
【0023】本発明の構成をより詳しく説明すれば次の
通りである。
【0024】先ず、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料について述べる。
【0025】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料は、
芯粒子である含水酸化鉄微粒子の粒子表面に、アルコキ
シシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシ
ロキサンが被覆されており、該被覆に有機赤色顔料が付
着している平均長軸径0.005μm以上で0.1μm
未満の微細な複合含水酸化鉄微粒子からなる。
【0026】本発明における含水酸化鉄微粒子の粒子の
形状は、針状又は直方体状である。ここで「針状」と
は、文字通りの針状はもちろん、紡錘状及び米粒状を含
む意味である。
【0027】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末と
は、ゲータイト(α−FeOOH)粒子粉末及びレピド
クロサイト(γ−FeOOH)粒子粉末である。得られ
るオレンジ色系顔料の耐熱性を考慮すると、含水酸化鉄
微粒子に耐熱処理を施した含水酸化鉄微粒子粉末が好ま
しく、具体的には、含水酸化鉄微粒子表面にアルミニウ
ム化合物を処理した含水酸化鉄微粒子粉末、含水酸化鉄
微粒子内部にアルミニウムを含有している含水酸化鉄微
粒子粉末、含水酸化鉄微粒子表面にアルミニウムと鉄か
らなる複合含水酸化物層を有する含水酸化鉄微粒子粉末
及びこれらの耐熱処理を複合化した含水酸化鉄微粒子粉
末が好ましい。
【0028】含水酸化鉄微粒子表面にアルミニウム化合
物を処理した含水酸化鉄微粒子粉末のアルミニウム含有
量は、該含水酸化鉄微粒子粉末に対してAl換算で0.
1〜20.0重量%であり、含水酸化鉄微粒子内部にア
ルミニウムを含有している含水酸化鉄微粒子粉末のアル
ミニウム含有量は、該含水酸化鉄微粒子粉末に対してA
l換算で0.05〜50重量%である。また、含水酸化
鉄微粒子表面にアルミニウムと鉄からなる複合含水酸化
物層を有する含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面に被着さ
れている複合含水酸化物層中のアルミニウム含有量は、
含水酸化鉄微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜10
重量%であり、鉄含有量は、含水酸化鉄微粒子粉末に対
してFe換算で0.1〜30重量%である。
【0029】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末の平
均長軸径は、0.005μm以上で0.1μm未満であ
る。
【0030】平均長軸径が0.005μm未満の場合に
は、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起
こしやすいため、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面への
アルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆
処理及び有機赤色顔料による均一な付着処理が困難とな
る。平均長軸径が0.1μm以上の場合には、得られる
微細なオレンジ色系顔料もまた粒子が粗大となって隠蔽
力が上がるため、好ましくない。
【0031】含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面へのアル
コキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理
及び有機赤色顔料による均一な付着処理並びに得られる
微細なオレンジ色系顔料の隠蔽力を考慮すれば、平均長
軸径は0.008〜0.096μmが好ましく、より好
ましくは0.01〜0.092μmである。
【0032】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末は、
平均短軸径が0.0025μm以上で0.05μm未満
が好ましく、より好ましくは0.004〜0.048μ
mであって、更に好ましくは0.005〜0.046μ
mである。また、軸比は20以下が好ましく、より好ま
しくは15以下、更に好ましくは10以下であり、下限
値は2である。また、BET比表面積値は50〜300
/gが好ましく、より好ましくは70〜280m
/g、更に好ましくは、80〜250m/gである。
長軸径の幾何標準偏差値は1.8以下が好ましく、より
好ましくは1.7以下であり、下限値は1.01であ
る。
【0033】平均短軸径が0.0025μm未満の場合
には、粒子の微細化による分子間力の増大により、含水
酸化鉄微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又は
ポリシロキサンによる均一な被覆処理及び有機赤色顔料
による均一な付着処理が困難となる。平均短軸径が0.
05μm以上のものは、工業的に得ることが困難であ
る。
【0034】BET比表面積値が50m/g未満の場
合には、含水酸化鉄粒子粉末が粗大であったり、粒子相
互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる微細な
オレンジ色系顔料もまた粗大粒子となって隠蔽力が上が
るため、好ましくない。BET比表面積値が300m
/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の
増大により凝集を起こしやすいため、含水酸化鉄微粒子
粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサ
ンによる均一な被覆処理及び有機赤色顔料による均一な
付着処理が困難となる。
【0035】長軸径の幾何標準偏差値が1.80を超え
る場合には、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻
害されるため、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面へのア
ルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処
理及び有機赤色顔料による均一な付着処理が困難とな
る。幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、1.0
1未満のものは工業的に得られ難い。
【0036】軸比が20を超える場合には、粒子相互間
の絡み合いが多くなり、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表
面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一
な被覆処理及び有機赤色顔料による均一な付着処理が困
難となる。
【0037】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末の色
相は、L値が40〜80、a値が−30〜+35、
値が+30〜+100及びh値が60〜120°の
範囲のものである。L値、a値、b値及びh値が
上記範囲外の場合には、本発明の目的とする微細なオレ
ンジ色系顔料を得ることが困難となる。
【0038】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末の隠
蔽力は、600cm/g未満が好ましく、より好まし
くは500cm/g以下である。隠蔽力が600cm
/g以上の場合には、隠蔽力が高すぎるため、これを
芯粒子として用いて得られた微細なオレンジ色系顔料も
また隠蔽力が高くなり好ましくない。
【0039】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末の耐
薬品性は、後述する評価方法で、耐酸性はΔE値が
3.0以下が好ましく、より好ましくは2.5以下であ
り、耐アルカリ性はΔE値が3.0以下が好ましく、
より好ましくは2.5以下である。耐酸性及び耐アルカ
リ性のΔE値が3.0を超える場合には、本発明の目
的とする耐薬品性に優れた微細なオレンジ色系顔料を得
ることが困難となる。
【0040】本発明における含水酸化鉄微粒子粉末は、
180℃以上の耐熱性を有していることが好ましく、よ
り好ましくは185℃以上である。得られる微細なオレ
ンジ色系顔料の耐熱性を考慮すれば、含水酸化鉄微粒子
に耐熱処理を施した含水酸化鉄微粒子粉末が好ましく、
含水酸化鉄微粒子表面にアルミニウム化合物を処理した
含水酸化鉄微粒子粉末の場合には、その耐熱温度は24
0℃程度であり、含水酸化鉄微粒子内部にアルミニウム
を含有している含水酸化鉄微粒子粉末の場合には245
℃程度であり、含水酸化鉄微粒子表面にアルミニウムと
鉄からなる複合含水酸化物層を有する含水酸化鉄微粒子
粉末の場合には250℃程度である。
【0041】本発明におけるアルコキシシランから生成
するオルガノシラン化合物(以下、「オルガノシラン化
合物」という。)は、化1で表わされるアルコキシシラ
ンから生成するオルガノシラン化合物である。
【0042】
【化1】
【0043】アルコキシシランとしては、具体的には、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デ
シルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0044】有機赤色顔料の付着効果及び脱離率を考慮
すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成
するオルガノシラン化合物が好ましく、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン及びフェニルト
リエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が
より好ましい。
【0045】本発明におけるポリシロキサンは、化2で
表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリ
シロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン
又はこれらの混合物を用いることができる。
【0046】
【化2】
【0047】
【化3】
【0048】
【化4】
【0049】有機赤色顔料の付着効果及び脱離率を考慮
すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有する
ポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び
末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリ
シロキサンが好ましい。
【0050】オルガノシラン化合物又はポリシロキサン
の被覆量は、オルガノシラン化合物被覆含水酸化鉄微粒
子粉末、又は、ポリシロキサン被覆含水酸化鉄微粒子粉
末に対してSi換算で0.02〜5.0重量%であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.03〜4.0重量%
であり、更により好ましくは0.05〜3.0重量%で
ある。
【0051】0.02重量%未満の場合には、含水酸化
鉄微粒子粉末100重量部に対して1重量部以上の有機
赤色顔料を付着させることが困難である。
【0052】5.0重量%を超える場合には、含水酸化
鉄微粒子粉末100重量部に対して有機赤色顔料を1〜
30重量部付着させることができるため、必要以上に被
覆する意味がない。
【0053】本発明における有機赤色顔料は、キナクリ
ドンレッド等のキナクリドン系顔料、パーマネントレッ
ド等のアゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ系顔料
及びペリレンレッド等のペリレン系顔料を用いることが
できる。耐熱性及び耐光性を考慮した場合、キナクリド
ン系顔料を用いることが好ましい。
【0054】有機赤色顔料の付着量は、含水酸化鉄微粒
子粉末100重量部に対して1〜30重量部である。
【0055】1重量部未満の場合及び30重量部を超え
る場合には、本発明の目的とする微細なオレンジ色系顔
料を得ることが困難となる。より好ましくは3〜25重
量部である。
【0056】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の粒
子形状や粒子サイズは、芯粒子である含水酸化鉄微粒子
の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似
する粒子形態を有している。
【0057】即ち、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料は、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未
満、好ましくは0.008〜0.096μm、より好ま
しくは0.01〜0.092μmである。
【0058】微細なオレンジ色系顔料の平均長軸径が
0.1μm以上の場合には、粒子サイズが大きいため、
隠蔽力が高くなり、該微細なオレンジ色系顔料を用いて
得られた塗膜や樹脂組成物は、十分な透明性を有さな
い。平均長軸径が0.005μm未満の場合には、粒子
の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやす
いため、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難とな
る。
【0059】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の形
状は、針状又は直方体状である。
【0060】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の軸
比は20以下が好ましく、より好ましくは2〜15、更
により好ましくは2〜10である。軸比が20を超える
場合には、粒子の絡み合いが多くなり、ビヒクル中や樹
脂組成物中への分散性が悪くなったり粘度が増加する場
合がある。
【0061】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の平
均短軸径は、0.0025μm以上で0.05μm未満
が好ましく、より好ましくは0.004〜0.048μ
mであって、更に好ましくは0.005〜0.046μ
mである。0.0025μm未満の場合には、粒子の微
細化による分子間力の増大により凝集をおこしやすいた
め、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難となる。
平均短軸径が0.05μm以上のものは、工業的に得る
ことが困難である。
【0062】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の粒
子径の幾何標準偏差値は、1.8以下であることが好ま
しい。1.8を超える場合には、存在する粗大粒子によ
ってビヒクル中や樹脂組成物中への均一な分散が困難と
なる。ビヒクル中や樹脂組成物中への均一な分散を考慮
すれば、好ましくは1.7以下である。工業的な生産性
を考慮すれば、微細なオレンジ色系顔料の粒子径の幾何
標準偏差値の下限値は1.01であり、1.01未満の
ものは工業的に得られ難い。
【0063】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料のB
ET比表面積値は50〜300m/gが好ましく、よ
り好ましくは70〜280m/g、更により好ましく
は80〜250m/gである。BET比表面積値が5
0m/g未満の場合には、オレンジ色系顔料が粗大で
あるため、隠蔽力が高くなり、該微細なオレンジ色系顔
料を用いて得れらた塗膜や樹脂組成物は、十分な透明性
を有さない。BET比表面積値が300m/gを超え
る場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により
凝集を起こしやすいため、ビヒクル中や樹脂組成物中へ
の分散性が低下する。
【0064】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の有
機赤色顔料の脱離率は15%以下が好ましく、より好ま
しくは12%以下である。有機赤色顔料の脱離率が15
%を超える場合には、脱離した有機赤色顔料によりビヒ
クル中や樹脂組成物中での均一な分散が阻害される場合
があると共に、脱離した部分の含水酸化鉄微粒子粉末の
色相が粒子表面に現れるため、均一な色相を得ることが
困難となる。
【0065】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の色
相は、L値が25〜80、a値が+10〜+10
0、b値が+30〜+100及びh値が30〜60°
の範囲のものである。
【0066】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の耐
熱性は、芯粒子粉末である含水酸化鉄微粒子粉末の耐熱
温度に対して+5〜+40℃程度向上し、好ましくは2
10℃以上、より好ましくは215℃以上である。
【0067】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の着
色力は、後述する評価方法で115%以上が好ましく、
より好ましくは120%以上である。
【0068】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の隠
蔽力は、600cm/g未満が好ましく、より好まし
くは500cm/g以下である。隠蔽力が600cm
/g以上の場合には、隠蔽力が高すぎるため、該微細
なオレンジ色系顔料を用いて得られた塗膜や樹脂組成物
は十分な透明性を有さない。
【0069】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の耐
薬品性は、後述する評価方法で、耐酸性はΔE値が
1.5以下が好ましく、より好ましくは1.3以下であ
り、耐アルカリ性はΔE値が1.5以下が好ましく、
より好ましくは1.3以下である。
【0070】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料は、
必要により、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面をあらか
じめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる
少なくとも1種からなるの中間被覆物で被覆しておいて
もよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、含水酸化
鉄微粒子粉末の粒子表面からの有機赤色顔料の脱離をよ
り低減することができると共に、若干、耐熱性が向上す
る。
【0071】中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が
被覆された含水酸化鉄微粒子粉末に対してAl換算、S
iO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で
0.01〜20重量%が好ましい。
【0072】0.01重量%未満である場合には、有機
赤色顔料の脱離率の低減効果が得られない。0.01〜
20重量%の被覆量により、有機赤色顔料の脱離率低減
効果が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以
上に被覆する意味がない。
【0073】中間被覆物で被覆されている本発明に係る
微細なオレンジ色系顔料は、中間被覆物で被覆されてい
ない本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の場合とほぼ
同程度の粒子サイズ、幾何標準偏差値、BET比表面積
値、色相(L値、a値、b値、h値)、着色力、
隠蔽力及び耐薬品性を有している。また、微細なオレン
ジ色系顔料の脱離率は中間被覆物を被覆することによっ
て向上し、脱離率は12%以下が好ましく、より好まし
くは10%以下である。また、耐熱性は、耐熱処理を施
していない芯粒子粉末を用いた微細なオレンジ色系顔料
に対して+5〜+30℃程度向上する。
【0074】次に、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料を配合した塗料について述べる。
【0075】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料を配
合した塗料は、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好
ましく、より好ましくは1.3以下である。塗膜にした
場合には、光沢度は75〜110%、好ましくは80〜
110%であり、塗膜の耐熱温度は220℃以上、好ま
しくは225℃以上であり、耐薬品性のうち耐酸性はΔ
G値で12%以下が好ましく、より好ましくは10%以
下であり、耐アルカリ性はΔG値で12%以下が好まし
く、より好ましくは10%以下であり、色相はL値が
30〜85、a値が+10〜+100、b値が+3
0〜+100及びh値が30〜60°であり、塗膜の透
明性は線吸収係数が0.05μm−1以下であることが
好ましい。
【0076】本発明に係る粒子表面が中間被覆物によっ
て被覆された微細なオレンジ色系顔料を配合した塗料
は、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下が好ましく、よ
り好ましくは1.3以下である。塗膜にした場合、光沢
度は80〜115%、好ましくは85〜115%であ
り、塗膜の耐熱温度は230℃以上、好ましくは235
℃以上であって、耐薬品性のうち耐酸性はΔG値で12
%以下が好ましく、より好ましくは10%以下であり、
耐アルカリ性はΔG値で12%以下が好ましく、より好
ましくは10%以下であり、色相はL値が30〜8
5、a値が+10〜+100、b値が+30〜+1
00及びh値が30〜60°であり、塗膜の透明性は線
吸収係数が0.05μm−1以下であることが好まし
い。
【0077】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料を配
合した水系塗料は、貯蔵安定性がΔE値で1.5以下
が好ましく、より好ましくは1.3以下である。塗膜に
した場合には、光沢度は70〜110%、好ましくは7
5〜110%であり、塗膜の耐熱温度は220℃以上、
好ましくは225℃以上であり、耐薬品性のうち耐酸性
はΔG値で12%以下が好ましく、より好ましくは10
%以下であり、耐アルカリ性はΔG値で12%以下が好
ましく、より好ましくは10%以下であり、色相はL
値が30〜85、a値が+10〜+100、b値が
+30〜+100及びh値が30〜60°であり、塗膜
の透明性は線吸収係数が0.05μm 以下であるこ
とが好ましい。
【0078】本発明に係る粒子表面が中間被覆物によっ
て被覆された微細なオレンジ色系顔料を配合した水系塗
料は、貯蔵安定性がΔEで1.5以下が好ましく、より
好ましくは1.3以下である。塗膜にした場合、光沢度
は75〜115%、好ましくは80〜115%であり、
塗膜の耐熱温度は230℃以上、好ましくは235℃以
上であって、耐薬品性のうち耐酸性はΔG値で12%以
下が好ましく、より好ましくは10%以下であり、耐ア
ルカリ性はΔG値で12%以下が好ましく、より好まし
くは10%以下であり、色相はL値が30〜85、a
値が+10〜+100、b値が+30〜+100及
びh値が30〜60°であり、塗膜の透明性は線吸収係
数が0.05μm−1以下であることが好ましい。
【0079】本発明に係る塗料中における微細なオレン
ジ色系顔料の配合割合は、塗料構成基材100重量部に
対して0.5〜100重量部の範囲で使用することがで
き、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.
0〜80重量部、更に好ましくは1.0〜50重量部で
ある。
【0080】塗料構成基材としては、微細なオレンジ色
系顔料、樹脂、溶剤と共に、必要により、消泡剤、体質
顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が
配合される。
【0081】樹脂としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等を用いることができ
る。水系塗料用としては、通常使用される水溶性アルキ
ッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、
水溶性ウレタンエマルジョン樹脂等を用いることができ
る。
【0082】溶剤としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるトルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテ
ート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコー
ル、脂肪族炭化水素等及びこれらの混合物を用いること
ができる。
【0083】水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料で
通常使用されるブチルセロソルブ、ブチルアルコール等
とを混合して使用することができる。
【0084】消泡剤としては、ノプコ8034(商品
名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォ
ーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247
(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以
上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム0
8(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、い
ずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することがで
きる。
【0085】次に、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料を用いて着色した樹脂組成物について述べる。
【0086】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料を用
いて着色した樹脂組成物の目視観察による分散状態は、
後述評価法による4又は5、好ましくは5であり、樹脂
組成物の耐熱温度は210℃以上、好ましくは215℃
以上であって、色相はL値が30〜85、a値が+
10〜+100、b値が+30〜+100及びh値が
30〜60°であり、塗膜の透明性は線吸収係数が0.
05μm−1以下であることが好ましい。
【0087】本発明に係る粒子表面が中間被覆物によっ
て被覆された微細なオレンジ色系顔料を用いて着色した
樹脂組成物の目視観察による分散状態は、後述評価法に
よる4又は5、好ましくは5であり、樹脂組成物の耐熱
温度は215℃以上、好ましくは220℃以上であっ
て、色相はL値が30〜85、a値が+10〜+1
00、b値が+30〜+100及びh値が30〜60
°であり、塗膜の透明性は線吸収係数が0.05μm
−1以下であることが好ましい。
【0088】本発明に係る樹脂組成物中における微細な
オレンジ色系顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対
して0.01〜50重量部の範囲で使用することがで
き、樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましく
は0.05〜45重量部、更に好ましくは0.1〜40
重量部である。
【0089】本発明に係る樹脂組成物における構成基材
としては、微細なオレンジ色系顔料と周知の熱可塑性樹
脂と共に、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
【0090】樹脂としては、天然ゴム、合成ゴム、熱可
塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、スチレン重合体、ポリアミド等)等を用い
ることができる。
【0091】添加剤の量は、微細なオレンジ色系顔料と
樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添
加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が
低下する。
【0092】本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と微
細なオレンジ色系顔料をあらかじめよく混合し、次に、
混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用
を加えて、微細なオレンジ色系顔料の凝集体を破壊し、
樹脂組成物中に微細なオレンジ色系顔料を均一に分散さ
せた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
【0093】次に、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料の製造法について述べる。
【0094】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料は、
含水酸化鉄微粒子粉末とアルコキシシラン又はポリシロ
キサンを混合し、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面をア
ルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆し、次
いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンによって被
覆された含水酸化鉄微粒子粉末と有機赤色顔料を混合す
ることによって得ることができる。
【0095】含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面へのアル
コキシシラン又はポリシロキサンによる被覆は、含水酸
化鉄微粒子粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサン
とを機械的に混合攪拌したり、含水酸化鉄微粒子粉末に
アルコキシシラン又はポリシロキサンを噴霧しながら機
械的に混合攪拌すればよい。添加したアルコキシシラン
又はポリシロキサンは、ほぼ全量が含水酸化鉄微粒子粉
末の粒子表面に被覆される。
【0096】なお、被覆されたアルコキシシランは、そ
の1部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコ
キシシランから生成するオルガノシラン化合物として被
覆されていてもよい。この場合においてもその後の有機
赤色顔料の付着に影響することはない。
【0097】含水酸化鉄微粒子粉末とアルコキシシラン
又はポリシロキサンとの混合攪拌や前記有機赤色顔料と
粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラ
ン化合物又はポリシロキサンが被覆されている含水酸化
鉄微粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、
粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好まし
く、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装
置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレ
ード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。
本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効
果的に使用できる。
【0098】上記ホイール型混練機としては、具体的
に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソ
ンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマ
ル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リ
ングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マル
チマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラ
ーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記
ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等があ
る。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー
等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エ
クストルーダー等がある。
【0099】混合撹拌時における条件は、含水酸化鉄微
粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキ
サンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は1
9.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、
好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg
/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(1
5〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好
ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すれ
ばよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好まし
くは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800
rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0100】アルコキシシラン又はポリシロキサンの添
加量は、含水酸化鉄微粒子粉末100重量部に対して
0.15〜45重量部が好ましい。0.15重量部未満
の場合には、目的とする微細なオレンジ色系顔料を得ら
れるだけの有機赤色顔料を付着させることが困難であ
る。0.15〜45重量部の添加量により、含水酸化鉄
微粒子粉末100重量部に対して有機赤色顔料を5〜3
0重量部付着させることができるので、45重量部を超
えて必要以上に添加する意味がない。
【0101】次いで、アルコキシシラン又はポリシロキ
サンを被覆した含水酸化鉄微粒子粉末に有機赤色顔料を
添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン被覆又はポリ
シロキサン被覆に有機赤色顔料を付着させる。必要によ
り更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0102】有機赤色顔料は、少量ずつを時間をかけな
がら、殊に5〜60分間程度をかけて添加するのが好ま
しい。
【0103】混合攪拌時における条件は、有機赤色顔料
が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960
N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜
1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好
ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/
cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜9
0分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹
拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000
rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処
理条件を適宜調整すればよい。
【0104】有機赤色顔料の添加量は、含水酸化鉄微粒
子粉末100重量部に対して1〜30重量部である。有
機赤色顔料の添加量が上記範囲外の場合には、目的とす
る微細なオレンジ色系顔料が得られない。
【0105】乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通
常40〜200℃が好ましく、より好ましくは60〜1
50℃である。処理時間は10分〜12時間が好まし
く、30分〜3時間がより好ましい。
【0106】得られた微細なオレンジ色系顔料の被覆に
用いられたアルコキシシランは、これらの工程を経るこ
とにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0107】含水酸化鉄微粒子粉末は、必要により、ア
ルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合撹拌に先立
って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニ
ウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物よ
り選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し
ておいてもよい。
【0108】中間被覆物による被覆は、含水酸化鉄微粒
子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化
合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪
拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にp
H値を調整することにより、前記含水酸化鉄微粒子粉末
の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウム
の酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選
ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次
いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更
に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0109】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0110】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用
できる。
【0111】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0112】粒子の平均長軸径、平均短軸径は、いずれ
も電子顕微鏡写真を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に
拡大した写真に示される粒子350個の長軸径、短軸径
をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0113】軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で
示した。
【0114】粒子の長軸径の粒度分布は、下記の方法に
より求めた値で示した。
【0115】即ち、上記拡大写真に示される粒子の長軸
径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子
の実際の長軸径と個数から、統計学的手法に従って、対
数正規確率紙上に、横軸に長軸径を、縦軸に所定の長軸
径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ
下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから
粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当
する長軸径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フル
イ下84.13%における長軸径/積算フルイ下50%
における長軸径(幾何平均径)に従って算出した値で示
した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子の長軸径の
粒度分布が優れていることを意味する。
【0116】比表面積値は、BET法により測定した値
で示した。
【0117】含水酸化鉄微粒子粉末及び含水酸化鉄微粒
子粉末の粒子内部や粒子表面に存在しているAl量、S
i量、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面に被着されてい
るアルミニウムと鉄からなる複合含水酸化物中に含有さ
れているAl量及びオルガノシラン化合物又はポリシロ
キサンに含有されているSi量のそれぞれは、「蛍光X
線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)
を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通
則」に従って測定した。
【0118】尚、含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面を被
覆しているケイ素の酸化物、ケイ素の水酸化物及びオル
ガノシラン化合物に含有されるSi又はポリシロキサン
に含有されるSiの各Si量は、処理工程後の各段階で
Si量を測定し、その測定値から処理工程前の段階で測
定したSi量を差し引いた値で示した。
【0119】含水酸化鉄微粒子の粒子表面に被着させた
アルミニウムと鉄からなる複合含水酸化物層中のFe量
は、下記の方法により、濾液中のAl量及びFe量から
求めたFeに対するAl量の重量比と前記蛍光X線分析
より求めた複合含水酸化物層中のAl重量%とから、数
1に従って算出した値で示した。
【0120】即ち、含水酸化鉄微粒子粉末0.25gを
100mlの三角フラスコに秤り取り、イオン交換水3
3.3mlを加え、60℃に加温したウォータバス中
で、マグネチックスターラーを用いて20分間攪拌し、
分散懸濁液とした。次いで、12Nの塩酸を16.7m
l加え、更に20分間攪拌して、含水酸化鉄微粒子の粒
子表面に被着されているアルミニウムと鉄からなる複合
含水酸化物の最外表面から粒子の内部方向に向けて、含
水酸化鉄微粒子の表面までの距離の中央部位までの組成
が実質的に均一である部分を酸溶解した(数多くの実験
結果に基づいて確認している)。この酸溶解懸濁液を
0.1μmのメンブランフィルターを用いて吸引濾過を
行い、得られた濾液中のAl量(ppm)及びFe量
(ppm)のそれぞれを誘導プラズマ発光分光分析装置
SPS4000(セイコー電子工業株式会社製)を用い
て測定した。
【0121】
【数1】 Fe重量%=Al重量%/Feに対するAlの重量比
【0122】微細なオレンジ色系顔料に付着している有
機赤色顔料の付着量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置
EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用
いて炭素量を測定することにより求めた。
【0123】微細なオレンジ色系顔料に付着している有
機赤色顔料の脱離率(%)は、下記の方法により求めた
値で示した。有機赤色顔料の脱離率が0%に近いほど、
微細なオレンジ色系顔料の粒子表面からの有機赤色顔料
の脱離量が少ないことを示す。
【0124】微細なオレンジ色系顔料3gとエタノール
40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分
散を行った後、120分静置し、沈降速度によって微細
なオレンジ色系顔料と脱離した有機赤色顔料とを分離し
た。次いで、この微細なオレンジ色系顔料に再度エタノ
ール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った
後120分静置し、微細なオレンジ色系顔料と脱離した
有機赤色顔料を分離した。この微細なオレンジ色系顔料
を80℃で1時間乾燥させ、有機赤色顔料の量を測定
し、下記数2に従って求めた値を有機赤色顔料の脱離率
(%)とした。
【0125】
【数2】有機赤色顔料の脱離率(%)={(Wa−W
e)/Wa}×100 Wa:微細なオレンジ色系顔料の有機赤色顔料付着量 We:脱離テスト後の微細なオレンジ色系顔料の有機赤
色顔料付着量
【0126】含水酸化鉄微粒子粉末、有機赤色顔料及び
微細なオレンジ色系顔料の色相は、試料0.5gとヒマ
シ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペース
ト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加
え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm
(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片
(塗膜厚み:約30μm)を作製し、 該塗布片につい
て、多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験
機株式会社製)Multi−spectro−colo
ur−Meterを用いて、L値、a値及びb
を測定した。
【0127】なお、h値は上記測定で得られたa値及
びb値を用い、下記数3に従って求めることができ
る。
【0128】
【数3】h=tan−1(b/a) (a
>0,b≦0 の場合) h=180+tan−1(b/a) (a<0の
場合) h=360+tan−1(b/a) (a>0,
<0 の場合)
【0129】含水酸化鉄微粒子粉末及び微細なオレンジ
色系顔料の耐熱性は、熱分析装置SSC5000(セイ
コー電子工業株式会社製)を用いて被測定粒子粉末の示
差走査熱量測定(DSC)を行い、得られた該DSCチ
ャート上に示されるピークを形成する2つの変曲点のう
ち、最初の変曲点を構成する2つの曲線のそれぞれにつ
いて接線を引き、両接線の交点に対応する温度を読み取
って、その温度で示した。
【0130】微細なオレンジ色系顔料の着色力は、下記
に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメ
ルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6
mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作
製し、 該塗布片について、多光源分光測色計(MSC−
IS−2D、スガ試験機株式会社製)Multi−sp
ectro−colour−Meterを用いてL
を測定し、その差をΔL値とした。
【0131】次いで、各微細なオレンジ色系顔料の標準
試料として、各微細なオレンジ色系顔料と同様の割合で
有機赤色顔料と含水酸化鉄粒子粉末とを単に混合した混
合顔料を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色
エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL値を測色
し、その差をΔLs値とした。
【0132】得られた各微細なオレンジ色系顔料のΔL
値と標準試料のΔLs値を用いて下記数4に従って
算出した値を着色力(%)として示した。
【0133】
【数4】着色力(%)=100+{(ΔLs−Δ
)×10}
【0134】原色エナメルの作製:上記試料粉体10g
とアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配
合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlの
ガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで4
5分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを
追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、
原色エナメルを作製した。
【0135】展色エナメルの作製:上記原色エナメル1
2gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノア
ルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカー
で15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0136】含水酸化鉄微粒子粉末及び微細なオレンジ
色系顔料の隠蔽力は、上記で得られた原色エナメルを用
いて、JIS K 5101 8.2のクリプトメータ
ー法に従って得られた値で示した。
【0137】含水酸化鉄微粒子粉末及び微細なオレンジ
色系顔料の耐酸性は、試料粉体10gを5%の硫酸に1
0分間浸漬し、次いで、試料を硫酸水溶液中から取り出
して水洗した後乾燥させ、前述と同様の方法で塗膜を作
製し、L値、a値及びb 値を測色し、下記数5に
従って算出した色差ΔE値によって示した。ΔE
が小さいほど、耐酸性に優れていることを示す。
【0138】含水酸化鉄微粒子粉末及び微細なオレンジ
色系顔料の耐アルカリ性は、試料粉体10gを1%の苛
性ソーダ水溶液に15分間浸漬し、次いで、試料を苛性
ソーダ水溶液中から取り出して水洗した後乾燥させ、前
述と同様の方法で塗膜を作製し、L値、a値及びb
値を測色し、下記式に従って算出した色差ΔE値に
よって示した。ΔE値が小さいほど、耐アルカリ性に
優れていることを示す。
【0139】
【数5】ΔE値=((ΔL+(Δa
(Δb1/2 ΔL値:試料粉体の酸又はアルカリ浸漬処理前後のL
値の差 Δa値:試料粉体の酸又はアルカリ浸漬処理前後のa
値の差 Δb値:試料粉体の酸又はアルカリ浸漬処理前後のb
値の差
【0140】微細なオレンジ色系顔料を用いて得られた
溶剤系塗料及び水系塗料の各塗膜の色相は、後述する処
方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm
×70mm×150mm)(JIS G−3141)に
150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成すること
によって得られた測定用塗布片を用い、微細なオレンジ
色系顔料を用いて着色した樹脂組成物の色相は、後述す
る処法によって作製した着色樹脂プレートを用いて、該
塗布片及び該プレートを、それぞれ、多光源分光測色計
(MSC−IS−2D、スガ試験機株式会社製)Mul
ti−spctro−colour−Meterを用い
てL値、a値及びb値の測定を行った。
【0141】尚、h値は上記測定で得られたa値及び
値の測定を用い、上記数2に従って求めた。
【0142】塗膜の光沢度は、上記測定用塗布片を「グ
ロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社
製)を用いて入射角60°の時の光沢度で示した。光沢
度が高いほど、微細なオレンジ色系顔料を配合した塗料
の分散性が優れていることを示す。
【0143】微細なオレンジ色系顔料を用いて得られた
溶剤系塗料及び水系塗料の各塗膜の透明性は、後述する
処法によって調製した塗料を厚さ100μmのクリアベ
ースフィルムに150μm(6mil)の厚さで塗布し
て得られた塗膜について、樹脂組成物の透明性は後述す
る組成から成る樹脂プレートについて、「自記光電分光
光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用
いて測定した光透過率から、下記数6によって定義され
る線吸収係数で示した。線吸収係数は値が小さいほど光
を透しやすく透明性が高いことを示す。
【0144】
【数6】 線吸収係数(μm−1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−) FT:測定に用いた塗膜の厚み又は樹脂プレートの厚み
(μm)
【0145】微細なオレンジ色系顔料を用いて得られた
溶剤系塗料及び水系塗料の各塗膜の耐熱性は、後述する
処法によって調製した塗料を透明ガラス板(0.8mm
(厚)×70mm(幅)×150mm(長さ))に15
0μm(6mil)の厚さで塗布し、その塗布板を電気
炉に入れ、電気炉の温度を種々変化させて各温度におい
て15分間熱処理を行い、塗布板の各温度における熱処
理前後での色相(L値、a値、b値)を標準白色
板をバックにして、多光源分光測色計(MSC−IS−
2D、スガ試験機株式会社製)Multi−spect
ro−colour−Meterを用いてそれぞれ測定
した。熱処理前の測色値を基準に下記数7で示されるΔ
値を求め、片対数グラフを用いて横軸に加熱温度
を、縦軸にΔE値をプロットし、ΔE値がちょうど
1.5となるときの温度を塗膜の耐熱温度とした。
【0146】樹脂組成物の耐熱性は後述する処法によっ
て作製した樹脂プレートを5cm角に裁断し、ホットプ
レスにかけ、ホットプレス温度を種々変化させて、各温
度において98MPa(1トン/cm)の荷重をかけ
ながら10分間熱処理を行い、樹脂プレートの各温度に
おける熱処理前後での色相(L値、a値、b値)
の変化をそれぞれ測定し、熱処理前の測色値を基準に下
記数7で示されるΔE を求め、片対数グラフを用いて
横軸に加熱温度を、縦軸にΔE値をプロットし、ΔE
値がちょうど1.5となるときの温度を樹脂組成物の
耐熱温度とした。
【0147】
【数7】ΔE値=((ΔL+(Δa
(Δb1/2 ΔL値:塗膜又は樹脂プレートの熱処理前後のL
の差 Δa値:塗膜又は樹脂プレートの熱処理前後のa
の差 Δb値:塗膜又は樹脂プレートの熱処理前後のb
の差
【0148】塗料の貯蔵安定性は、後述する処法によっ
て調製した塗料をクリアベースフィルムに150μm
(6mil)の厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜のL
値、a値及びb値と、該塗料を25℃において1
週間静置して得られた塗料をクリアベースフィルムに塗
布、乾燥して製造した塗膜のL値、a値及びb
を測定し、下記数8に従って得られたΔE値で示し
た。
【0149】
【数8】ΔE値=((ΔL+(Δa
(Δb1/2 ΔL値: 比較する塗布膜の静置前後のL値の差 Δa値: 比較する塗布膜の静置前後のa値の差 Δb値: 比較する塗布膜の静置前後のb値の差
【0150】塗膜の耐酸性は、上記耐熱性の評価と同様
の方法で塗布板を作製し、光沢度を測定しておく。次
に、1000mlのビーカーに5重量%硫酸水溶液を入
れ、上記塗布板を糸でつるして約120mmの深さまで
浸漬し、25℃で24時間静置する。
【0151】次に、塗布板を硫酸水溶液中から取り出し
て流水で静かに洗い、水を振り切った後、塗布板の中心
部分の光沢度を測定する。そして硫酸水溶液への浸漬前
後の光沢度変化(ΔG値)を測定し、これの大小で耐酸
性を評価した。ΔG値が小さいほど、耐酸性に優れてい
ることを示す。
【0152】塗膜の耐アルカリ性は、上記耐熱性の評価
と同様の方法で塗布板を作製し、光沢度を測定してお
く。次に、1000mlのビーカーに1%苛性ソーダ水
溶液を入れ、上記塗布板を糸でつるして約120mmの
深さまで浸漬し、25℃で24時間静置する。
【0153】次に、塗布板を苛性ソーダ水溶液中から取
り出して流水で静かに洗い、水を振り切った後、塗布板
の中心部分の光沢度を測定する。そして硫酸水溶液への
浸漬前後の光沢度変化(ΔG値)を測定し、これの大小
で耐アルカリ性を評価した。ΔG値が小さいほど、耐ア
ルカリ性に優れていることを示す。
【0154】塗料粘度については、後述する処法によっ
て調製した塗料の25℃における塗料粘度をE型粘度計
(コーンプレート型粘度計)EMD−R(株式会社東京
計器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1
における値を求めた。
【0155】微細なオレンジ色系顔料の樹脂組成物への
分散性は、後述する処法によって作製して得られた着色
樹脂プレート表面における未分散の凝集粒子の個数を目
視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態
が良いことを示す。
【0156】 5: 未分散物認められず、 4: 1cm当たり1個以上5個未満、 3: 1cm当たり5個以上10個未満、 2: 1cm当たり10個以上50個未満、 1: 1cm当たり50個以上。
【0157】<微細なオレンジ色系顔料の製造>ゲータ
イト微粒子粉末(粒子形状:針状、平均長軸径0.07
10μm、平均短軸径0.0081μm、軸比8.8、
幾何標準偏差値1.38、BET比表面積値159.8
/g、アルミニウムの含有量0.83重量%、L
値51.6、a値31.4、b値61.7、h値6
3.0°、耐酸性1.92、耐アルカリ性1.75、隠
蔽力152cm/g、耐熱性245℃)11.0kg
をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会
社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシ
ラン(商品名:TSL8123:GE東芝シリコーン株
式会社製)220gを200mlのエタノールで混合希
釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッ
ジランナーを稼動させながら上記ゲータイト微粒子粉末
に添加し、441N/cm(45Kg/cm)の線荷重
で30分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速
度は22rpmで行った。
【0158】次に、有機赤色顔料A(種類:キナクリド
ンレッド、粒子形状:粒状、平均長軸径0.58μm、
隠蔽力480cm/g、L値37.0、a値5
1.9、b値20.6、h値21.6°、耐熱性48
8℃)1100gを、エッジランナーを稼動させながら
10分間かけて添加し、更に441N/cm(45Kg
/cm)の線荷重で30分間、混合攪拌を行い、メチル
トリエトキシシラン被覆の上に有機赤色顔料Aを付着さ
せた後、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を
行い、微細なオレンジ色系顔料を得た。なお、このとき
の撹拌速度は22rpmで行った。
【0159】得られた微細なオレンジ色系顔料は、平均
長軸径が0.0720μm、平均短軸径が0.0084
μm、軸比が8.6の針状粒子粉末であった。幾何標準
偏差値は1.38、BET比表面積値は162.1m
/g、L値は35.2、a 値は49.8、b値は
40.2、h値は38.9°、着色力は129%、隠蔽
力は161cm/gであり、耐薬品性のうち、耐酸性
はΔE値で1.09、耐アルカリ性はΔE値で1.
04であり、耐熱性は254℃、有機赤色顔料の脱離率
は7.0%であり、メチルトリエトキシシランから生成
したオルガノシラン化合物の被覆量はSi換算で0.3
0重量%であった。
【0160】電子顕微鏡写真観察の結果、有機赤色顔料
Aがほとんど認められないことから、有機赤色顔料Aの
ほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオル
ガノシラン化合物被覆に付着していることが認められ
た。
【0161】<微細なオレンジ色系顔料を含む溶剤系塗
料の製造>250mlのガラスビンに前記微細なオレン
ジ色系顔料5gと塗料組成基材を下記割合で配合して3
mmφガラスビーズ160gとともにペイントシェーカ
ーで120分間混合分散し、ミルベースを作製した。 微細なオレンジ色系顔料 9.9 重量部、 メラミン樹脂(スーパーペッカミン J−820−60 :商品名:大日本インキ化学工業株式会社製) 19.8 重量部、 アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60EL :商品名:大日本インキ化学工業株式会社製) 39.6 重量部、 キシレン 29.7 重量部、 ブタノール 1.0 重量部。
【0162】得られた溶剤系塗料の塗料粘度は3,11
9cP、塗料の貯蔵安定性は、ΔE 値で0.95であ
った。
【0163】上記溶剤系塗料をクリアベースフィルムに
150μm(6mil)の厚みで塗布、乾燥して得られ
た塗膜の光沢度は82.2%、色相はL値が36.
0、a 値が49.5、b値が40.6、h値が3
9.4°、線吸収係数は0.0202μm−1であっ
た。
【0164】次いで、上記溶剤系塗料を透明ガラス板
(0.8mm(厚)×70mm(幅)×150mm(長
さ))に150μm(6mil)の厚みで塗布して得ら
れた塗膜の耐酸性はΔG値で8.5%、耐アルカリ性は
ΔG値で8.0%であった。
【0165】次に、塗膜の耐熱温度を求めるため、上記
溶剤系塗料を用いて同様にして塗布板を5枚用意し、そ
れぞれ210℃、230℃、250℃、270℃及び2
90℃に加熱されたギヤオーブン中に入れ、15分間熱
処理した後に取り出し、塗布板の色相値を測定し、熱処
理前の色相値を基準としてΔE値を求め、熱処理温度
とΔE値との関係からΔE値が1.5となる温度を
求めたところ、259℃であった。
【0166】<微細なオレンジ色系顔料を含む水系塗料
の製造>250mlのガラスビンに前記微細なオレンジ
色系顔料5gと塗料組成基材を下記割合で配合して3m
mφガラスビーズ160gとともにペイントシェーカー
で120分間混合分散し、ミルベースを作製した。 微細なオレンジ色系顔料 10.1 重量部、 水溶性メラミン樹脂 9.3 重量部、 (商品名:S−695:大日本インキ化学工業株式会社製) 水溶性アルキッド樹脂 40.7 重量部、 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製) 消泡剤 0.2 重量部、 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製) 水 28.2 重量部、 ブチルセロソルブ 11.5 重量部。
【0167】得られた水系塗料の塗料粘度は3,209
cP、貯蔵安定性はΔE値で0.92であった。
【0168】上記水系塗料をクリアベースフィルムに1
50μm(6mil)の厚みで塗布、乾燥して得られた
塗膜の光沢度は78.8%、色相はL値が36.1、
値が49.4、b値が40.2、h値が39.1
°、線吸収係数は0.0215μm−1であった。
【0169】次いで、上記水系塗料を透明ガラス板
(0.8mm(厚)×70mm(幅)×150mm(長
さ))に150μm(6mil)の厚みで塗布して得ら
れた塗膜の耐酸性はΔG値で8.7%、耐アルカリ性は
ΔG値で8.1%であった。
【0170】次に、塗膜の耐熱温度を求めるため、上記
水系塗料を用いて同様にして塗布板を5枚用意し、それ
ぞれ210℃、230℃、250℃、270℃及び29
0℃に加熱されたギヤオーブン中に入れ、15分間熱処
理した後に取り出し、塗布板の色相値を測定し、熱処理
前の色相値を基準としてΔE値を求め、熱処理温度と
ΔE値との関係からΔE値が1.5となる温度を求
めたところ、256℃であった。
【0171】<樹脂組成物の製造>上記微細なオレンジ
色系顔料0.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP
8D(日本ゼオン株式会社製)49.5gとを秤量し、
これらを100mlポリビーカーに入れ、スパチュラで
よく混合して混合粉末を得た。
【0172】得られた混合粉末にステアリン酸カルシウ
ムを1.0g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロ
ールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混
合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一
体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから
剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
【0173】次に、表面研磨されたステンレス板の間に
上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレ
ス内に入れ、98MPa(1トン/cm)の圧力で加
圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得た。得ら
れた着色樹脂プレートの色相はL値が36.2、a
値が49.9、b値が40.6、h値が39.1°、
分散状態は5、線吸収係数は0.0211μm−1であ
った。
【0174】次に、樹脂組成物の耐熱温度を求めるた
め、着色樹脂プレートを5cm角に裁断した試験片5枚
を用意し、それぞれ185℃、200℃、215℃、2
30℃及び245℃に加熱されたホットプレス中に入
れ、98MPa(1トン/cm)の荷重を掛けなが
ら、10分間熱処理した後に取り出して樹脂プレートの
色相値を測定し、熱処理前の色相値を基準としてΔE
値を求め、熱処理温度とΔE 値との関係からΔE
が1.5となる温度を求めたところ、229℃であっ
た。
【0175】
【作用】本発明において最も重要な点は、含水酸化鉄微
粒子粉末の粒子表面がアルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆さ
れていると共に、該被覆に有機赤色顔料が付着している
微細なオレンジ色系顔料は、耐薬品性及び着色力に優
れ、且つ、耐熱性が向上した無害なオレンジ色系顔料で
あるという事実である。
【0176】本発明においてオレンジ色を呈する顔料が
得られる理由としては、黄色のフィルムに赤い透明フィ
ルムを重ねるとオレンジ色を呈するのと同じ原理で、隠
蔽力が弱い有機赤色顔料によって黄色を呈する含水酸化
鉄微粒子粉末を被覆することによって、オレンジ色に見
えるものと考えている。
【0177】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料が耐
薬品性に優れている理由としては、芯粒子粉末である含
水酸化鉄微粒子粉末が耐薬品性に優れていると共に、粒
子粉末に付着させた有機赤色顔料もまた耐薬品性に優れ
たものを選ぶことによって、粒子全体の耐薬品性がより
向上したものと考えている。
【0178】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料が着
色力に優れている理由としては、無機顔料の中では着色
力に優れる含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面にオルガノ
シラン化合物又はポリシロキサン被覆を介して有機赤色
顔料を強固に固定化して複合化できたことによって、着
色力に優れた顔料とすることができたものと考えてい
る。
【0179】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料の耐
熱性が優れている理由としては、本来耐熱性に劣る含水
酸化鉄微粒子粉末を耐熱性に優れたオルガノシラン化合
物又はポリシロキサンによって被覆し、更に、該被覆上
に耐熱性に優れている有機赤色顔料を固定化することに
よって、微細なオレンジ色系顔料の耐熱性が向上したも
のと考えている。
【0180】また、本発明に係る微細なオレンジ色系顔
料は、有害な元素及び化合物を含有していないので、衛
生面や安全性に優れ、また、環境汚染防止に配慮した顔
料である。
【0181】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示す。
【0182】芯粒子1〜4:芯粒子粉末として表1に示
す特性を有する含水酸化鉄微粒子粉末を用意した。
【0183】
【表1】
【0184】芯粒子5:芯粒子1の針状ゲータイト微粒
子粉末20kgと水150lとを用いて、針状ゲータイ
ト微粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた針状ゲー
タイト微粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を、水
酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整した後、
該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整
した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、こ
のスラリー中に5.0mol/lのアルミン酸ナトリウ
ム溶液5444ml(針状ゲータイト微粒子粉末に対し
てAl換算で5重量%に相当する)を加え、30分間保
持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。こ
の状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕
して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆され
ている針状ゲータイト微粒子粉末を得た。
【0185】このときの製造条件を表2に、得られた表
面処理済み針状ゲータイト微粒子粉末の諸特性を表3に
示す。
【0186】芯粒子6〜8:芯粒子2〜4の各含水酸化
鉄微粒子粉末を用い、表面被覆物の種類及び量を種々変
化させた以外は、前記芯粒子5と同様にして粒子表面が
被覆物で被覆されている含水酸化鉄微粒子粉末を得た。
【0187】このときの製造条件を表2に、得られた表
面処理済み含水酸化鉄微粒子粉末の諸特性を表3に示
す。
【0188】
【表2】
【0189】
【表3】
【0190】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化
物を表わす。
【0191】有機赤色顔料A及びB:有機赤色顔料とし
て表4に示す諸特性を有する有機赤色顔料を用意した。
【0192】
【表4】
【0193】実施例1〜8、比較例1〜5:アルコキシ
シラン、ポリシロキサン、シリコン化合物による被覆工
程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理
の線荷重及び時間、有機赤色顔料の付着工程における有
機赤色顔料の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷
重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の
形態と同様にして微細なオレンジ色系顔料を得た。
【0194】このときの製造条件を表5に、得られた微
細なオレンジ色系顔料の諸特性を表6に示す。
【0195】
【表5】
【0196】
【表6】
【0197】実施例9〜16、比較例6〜10:微細な
オレンジ色系顔料の種類を種々変化させた以外は、前記
発明の実施の形態と同様にして塗料を得た。
【0198】得られた塗料の諸特性及び塗膜の諸特性を
表7に示す。
【0199】
【表7】
【0200】実施例17〜24、比較例11〜15:微
細なオレンジ色系顔料の種類を種々変化させた以外は、
前記発明の実施の形態と同様にして水系塗料を得た。
【0201】得られた水系塗料の諸特性及び塗膜の諸特
性を表8に示す。
【0202】
【表8】
【0203】実施例25〜32、比較例16〜20:微
細なオレンジ色系顔料の種類を種々変化させた以外は、
前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物を得た。
【0204】このときの製造条件及び得られた樹脂組成
物の諸特性を表9に示す。
【0205】
【表9】
【0206】
【発明の効果】本発明に係る微細なオレンジ色系顔料
は、無害であって、耐薬品性及び耐熱性が向上し、しか
も、該微細なオレンジ色系顔料を用いることによって、
優れた透明性を有する塗料及び樹脂組成物を得ることが
できるので、樹脂、塗料及び印刷インキ等の着色顔料と
して好適である。
【0207】本発明に係る塗料及び樹脂組成物は、耐熱
性及び耐薬品性に優れ、且つ、無害である微細なオレン
ジ色系顔料を用いることから、環境汚染を配慮し、且
つ、透明性に優れたオレンジ色系塗料及び樹脂組成物と
して好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/12 C09C 3/12 C09D 7/12 C09D 7/12 201/00 201/00 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC021 BB031 BB121 BB171 BB181 BC021 BD041 CL001 EQ016 EU036 EU106 FB296 FD096 GH01 4J037 AA15 CA12 CA23 CA24 CB23 CB30 CC28 DD05 DD07 DD09 EE03 EE28 FF06 FF09 FF22 FF25 4J038 CG141 DA041 DA111 DA161 DB001 DD001 DD121 DG031 KA06 KA08 NA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化鉄微粒子粉末の粒子表面がアル
    コキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポ
    リシロキサンによって被覆されていると共に、該被覆に
    有機赤色顔料が付着している平均長軸径0.005μm
    以上で0.1μm未満の微細な複合含水酸化鉄微粒子粉
    末からなり、前記有機赤色顔料の付着量が前記含水酸化
    鉄微粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部であ
    ることを特徴とする微細なオレンジ色系顔料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の含水酸化鉄微粒子粉末の
    粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アル
    ミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化
    物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によ
    って被覆されていることを特徴とする微細なオレンジ色
    系顔料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の微細なオレンジ色系顔料を塗料構成基材中に配合した
    ことを特徴とする塗料。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の微細なオレンジ色系顔料を用いて着色したことを特徴
    とする樹脂組成物。
JP2000350232A 1999-12-10 2000-11-16 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5177333B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350232A JP5177333B2 (ja) 2000-11-16 2000-11-16 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
US09/731,987 US6440561B2 (en) 1999-12-10 2000-12-08 Iron oxide hydroxide composite particles, pigment, paint and resin composition
DE60034296T DE60034296T2 (de) 1999-12-10 2000-12-08 Eisenoxidhydroxid Kompositteilchen, Pigment, Farbe und Harzzusammensetzung
EP00310958A EP1106657B1 (en) 1999-12-10 2000-12-08 Iron oxide hydroxide composite particles, pigment, paint and resin composition.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350232A JP5177333B2 (ja) 2000-11-16 2000-11-16 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002146231A true JP2002146231A (ja) 2002-05-22
JP5177333B2 JP5177333B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=18823499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000350232A Expired - Fee Related JP5177333B2 (ja) 1999-12-10 2000-11-16 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5177333B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143897A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Nippon Paint Marine Kk 防食用塗料組成物、塗装鋼板及び船舶内タンク
JP2009052030A (ja) * 2007-07-27 2009-03-12 Seiren Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット着色方法および屋外用着色物
US8109622B2 (en) 2006-03-10 2012-02-07 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink cartridge, inkjet recording method, and inkjet recording apparatus
US8242201B2 (en) 2005-12-22 2012-08-14 Ricoh Company, Ltd. Pigment dispersion, recording ink, ink cartridge, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
JP2014028889A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Nippon Pigment Co Ltd 自動車アンダーフード部品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59223757A (ja) * 1983-05-24 1984-12-15 Dainichi Seika Kogyo Kk 複合顔料組成物
JPS63113081A (ja) * 1985-07-29 1988-05-18 Shiseido Co Ltd 改質粉体
JPH07157685A (ja) * 1993-12-03 1995-06-20 Toda Kogyo Corp 耐老化性顔料粉末の製造法
JP2000136319A (ja) * 1998-08-28 2000-05-16 Toda Kogyo Corp 微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59223757A (ja) * 1983-05-24 1984-12-15 Dainichi Seika Kogyo Kk 複合顔料組成物
JPS63113081A (ja) * 1985-07-29 1988-05-18 Shiseido Co Ltd 改質粉体
JPH07157685A (ja) * 1993-12-03 1995-06-20 Toda Kogyo Corp 耐老化性顔料粉末の製造法
JP2000136319A (ja) * 1998-08-28 2000-05-16 Toda Kogyo Corp 微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143897A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Nippon Paint Marine Kk 防食用塗料組成物、塗装鋼板及び船舶内タンク
JP4550556B2 (ja) * 2004-11-19 2010-09-22 日本ペイントマリン株式会社 防食用塗料組成物、塗装鋼板及び船舶内タンク
US8242201B2 (en) 2005-12-22 2012-08-14 Ricoh Company, Ltd. Pigment dispersion, recording ink, ink cartridge, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
US8383700B2 (en) 2005-12-22 2013-02-26 Ricoh Company, Ltd. Pigment dispersion, recording ink, ink cartridge, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus
US8109622B2 (en) 2006-03-10 2012-02-07 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink cartridge, inkjet recording method, and inkjet recording apparatus
JP2009052030A (ja) * 2007-07-27 2009-03-12 Seiren Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット着色方法および屋外用着色物
JP2014028889A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Nippon Pigment Co Ltd 自動車アンダーフード部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5177333B2 (ja) 2013-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6638618B2 (en) Black composite iron oxide pigment, and paint and resin composition using the same
JP4678099B2 (ja) 有機無機複合顔料並びに該有機無機複合顔料を用いた塗料及び該有機無機複合顔料を用いた樹脂組成物
EP1184426B1 (en) Composite particles, process for producing the same, and pigment, paint and resin composition using the same
JP2003055591A (ja) インクジェット用インクの着色材及びインクジェット用インク並びに水性顔料分散体、有機無機複合粒子粉末
US6440561B2 (en) Iron oxide hydroxide composite particles, pigment, paint and resin composition
JP3654413B2 (ja) 鉄系黒色複合粒子粉末及びその製造法、該鉄系黒色複合粒子粉末を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合粒子粉末で着色したゴム・樹脂組成物
JP5288085B2 (ja) 有機無機複合粒子粉末の製造法、該有機無機複合粒子粉末からなる有機無機複合顔料並びに該有機無機複合顔料を用いた塗料及び樹脂組成物、該有機無機複合顔料を含む顔料分散体及びマスターバッチペレット
JP4900545B2 (ja) 鉄系黒色複合顔料及びその製造法、該鉄系黒色複合顔料を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合顔料で着色したゴム・樹脂組成物
JP2000351914A (ja) 鉄系黒色複合粒子粉末及びその製造法、該鉄系黒色複合粒子粉末を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合粒子粉末で着色したゴム・樹脂組成物
JP4862977B2 (ja) 微細な緑色系顔料並びに該微細な緑色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP2002146231A (ja) 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP6072461B2 (ja) 有機無機複合粒子粉末
JP4446133B2 (ja) 微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP2003327866A (ja) インクジェット用インクの黒色着色材及びインクジェット用インク並びに水性顔料分散体
JP4407789B2 (ja) 改質カーボンブラック粒子粉末及びその製造法、当該改質カーボンブラック粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JP4862976B2 (ja) 緑色系顔料並びに該緑色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP2001172526A (ja) 黄色顔料並びに該黄色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP3894295B2 (ja) 複合粒子粉末及び該複合粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JP3552015B2 (ja) 非磁性黒色顔料粉末、該非磁性黒色顔料粉末を用いた非磁性黒色塗料並びに該非磁性黒色顔料粉末を用いた黒色ゴム・樹脂組成物
JP2002138217A (ja) オレンジ色系顔料並びに該オレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP3894292B2 (ja) 黒色複合粒子粉末及び該黒色複合粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JP2001181533A (ja) 緑色系顔料並びに該緑色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP4438925B2 (ja) 改質カーボンブラック粒子粉末及びその製造法、当該改質カーボンブラック粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JP4003026B2 (ja) 耐熱性黄色顔料並びに該耐熱性黄色顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP2002363428A (ja) 着色プラスチック製フィルム、該着色プラスチック製フィルムからなる買物袋及びごみ袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5177333

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees