JP2000136319A - 微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 - Google Patents
微細な黄色複合含水酸化鉄顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料及び樹脂組成物Info
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Abstract
いる微細な黄色複合含水酸化鉄顔料、並びに該微細な黄
色複合含水酸化鉄顔料を用いた塗料及び樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 透明性と耐熱性とがともに優れている微
細な黄色複合含水酸化鉄顔料とは、粒子内部にAl換算
で0.05〜50重量%のアルミニウムを含有してお
り、且つ、粒子表面にFe及びAlからなる複合含水酸
化物が被着されている平均長軸径0.005μm以上で
0.1μm未満のゲータイト微粒子からなる。
Description
もに優れている微細な黄色複合含水酸化鉄顔料を提供す
るものである。
ることから黄色顔料として広く知られており、塗料、印
刷インキ、プラスチック、フィルム、建材及び化粧品の
着色等、多くの用途を持つものである。
0.1μm未満の粒子からなるものは、塗膜にした時に
可視光領域の光に対して透明な塗膜を得ることができる
ため、透明性を呈する黄色含水酸化鉄顔料として知られ
ている。
微粒子からなる黄色含水酸化鉄顔料(以下、「微細な黄
色含水酸化鉄顔料」という。)は、微粒子であるため、
ビヒクル中や樹脂組成物中における分散性が劣ってお
り、塗膜や樹脂組成物にした時に十分な透明性を呈する
ものでなく、また、耐熱性に劣っているものである。
子であるため、粉体の表面エネルギーが高く凝集を起こ
しやすいために、ビヒクル中への分散は困難なものであ
り、これを塗布して得られた塗膜は、粒子が凝集して粗
大な粒子となるために十分な透明性を有さないものであ
る。
ヒクル中や樹脂中での分散性を改良することはもちろ
ん、顔料自体の透明性を向上させることが強く要求され
ている。
2Oで示される通り、結晶水を有しており、加熱温度を
上げていくと、一般に200℃前後で脱水が開始し、や
がて230℃程度の温度で赤褐色のヘマタイト(α−F
e2O3)に変態するため、元来、耐熱性に劣ったもの
であるが、殊に、微粒子である場合には、比表面積が大
きいことから、脱水開始温度は更に低下する傾向にあ
り、このため、通常200℃以上の高温度で成形加工さ
れているポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィ
ン、スチレン重合体、ポリアミド、ABS等の熱可塑性
樹脂に微細な黄色含水酸化鉄顔料を使用することは困難
であり、耐熱性の向上が強く要求されている。
や耐熱性などの耐久性を向上させるため、平均粒子径が
300Å以下の水和金属酸化物のゾルに、界面活性剤を
加えるか、或いは、アルミニウムイオンを加えた状態で
界面活性剤を加えてゾルを凝集させて、透明性金属酸化
物を得る手段(特公平6−2562号公報)や、耐熱性
を向上させるため黄色酸化鉄粒子にAlOOHを固溶さ
せる手段(特公昭55−8462号公報、特公昭59−
17050号公報)が試みられている。
もに優れた微細な黄色含水酸化鉄顔料は、現在、最も要
求されているところであるが、これら諸特性を満たす微
細な黄色含水酸化鉄顔料は、未だ提供されていない。
酸化物粒子表面を酸化アルミニウムで被覆することが記
載されているが、後出比較例8に示す通り、透明性は改
善されているが、耐熱性については十分とは言い難いも
のである。
れている黄色酸化鉄顔料は、AlOOHが固溶している
ため、耐熱性には優れているが、後出比較例9に示す通
り、透明性については十分といえるものではない。
もに優れている微細な黄色含水酸化鉄顔料を得ることを
技術的課題とする。
りの本発明によって達成できる。
0.05〜50重量%のアルミニウムを含有しており、
且つ、粒子表面にFe及びAlからなる複合含水酸化物
が被着されている平均長軸径0.005μm以上で0.
1μm未満のゲータイト微粒子からなることを特徴とす
る微細な黄色複合含水酸化鉄顔料である。
Alからなる複合含水酸化物の表面にAl換算で0.1
〜20重量%のアルミニウムの水酸化物が被覆されてい
る上記記載の微細な黄色複合含水酸化鉄顔料である。
0.05〜50重量%のアルミニウムを含有している平
均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満である
ゲータイト微粒子粉末の水分散液に、アルミニウム化合
物と第一鉄塩化合物とを添加・混合した後、酸素含有ガ
スを通気して、前記粒子内部にアルミニウムを含有して
いるゲータイト微粒子の粒子表面にFe及びAlからな
る複合含水酸化物を被着させることを特徴とする上記記
載の微細な黄色複合含水酸化鉄顔料の製造法である。
合含水酸化鉄顔料を用いることを特徴とする塗料であ
る。
合含水酸化鉄顔料を用いることを特徴とする樹脂組成物
である。
りである。
化鉄顔料について述べる。
料は、粒子内部にAl換算で0.05〜50重量%のア
ルミニウムを含有しており、且つ、粒子表面にFe及び
Alからなる複合含水酸化物が被着されているゲータイ
ト微粒子からなり、当該ゲータイト微粒子粉末の平均長
軸径は0.005μm以上で0.1μm未満である。
料の粒子形状は、軸比(平均長軸径/平均短軸径)(以
下、「軸比」という。)が2以上の針状である。ここで
「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状や米
粒状などを含む意味である。
は、粒子の中心部から粒子表面に至るまでアルミニウム
が実質的に均一に含有されていることが好ましい。
がゲータイト微粒子粉末に対して0.05重量%未満の
場合には、十分な透明性と耐熱性を有する黄色複合含水
酸化鉄顔料を得ることができない。50重量%を超える
場合には、得られた黄色複合含水酸化鉄顔料は、十分な
透明性と耐熱性を有しているが、効果が飽和するため必
要以上に含有させる意味がない。得られる黄色複合含水
酸化鉄顔料の透明性と耐熱性及び生産性を考慮すると、
粒子内部に含有されているアルミニウム量は、ゲータイ
ト微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜40重量%が
好ましく、より好ましくは0.2〜30重量%である。
らなる複合含水酸化物中のアルミニウムの含有量は、粒
子内部にアルミニウムを含有しているゲータイト微粒子
粉末に対してAl換算で0.1〜10重量%が好まし
く、鉄の含有量は、粒子内部にアルミニウムを含有して
いるゲータイト微粒子粉末に対してFe換算で0.1〜
30重量%が好ましい。当該複合含水酸化物中のアルミ
ニウム含有量及び鉄の含有量のそれぞれが下限値未満の
場合には、本発明の目的である透明性や耐熱性向上の効
果が得られない。アルミニウム含有量及び鉄の含有量が
上限値を超える場合には、透明性と耐熱性の改良効果が
ほぼ飽和するため必要以上に含有させる意味がない。得
られる黄色複合含水酸化鉄顔料の透明性と耐熱性を考慮
すれば、複合含水酸化物中のアルミニウム含有量は、粒
子内部にアルミニウムを含有しているゲータイト微粒子
粉末に対してAl換算で0.5〜10重量%がより好ま
しく、鉄の含有量はアルミニウムを含有しているゲータ
イト微粒子粉末に対してFe換算で0.1〜20重量%
がより好ましい。
粒子粉末の粒子表面に被着されているFe及びAlから
なる複合含水酸化物中のAlとFeの原子比は2:1〜
1:20の範囲が好ましく、より好ましくは1:1〜
1:10の範囲である。複合含水酸化物中のAlとFe
の原子比が上記範囲外の場合には、Fe及びAlからな
る複合含水酸化物のゲータイト微粒子粉末の粒子表面へ
の密着性が低下し、その結果、十分な分散性や耐熱性が
得られない。
料の平均長軸径は、0.005μm以上で0.1μm未
満である。通常、平均長軸径が0.1μm未満になる
と、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒク
ル中や樹脂組成物中における分散が困難となり、得られ
る塗膜の光沢度や樹脂組成物の分散性は悪化する傾向に
あるが、本発明に係る微細な黄色複合含水酸化鉄顔料を
塗料や樹脂組成物に用いた場合には、これに反し、高い
塗膜光沢度、例えば80%以上を示し、樹脂組成物は高
い分散性、例えば後出の評価法による4又は5を示す。
は、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒク
ル中や樹脂組成物中における分散が困難となり、該黄色
複合含水酸化鉄顔料を用いて得られた塗膜や樹脂組成物
は、十分な透明性を有しているとは言い難い。平均長軸
径が0.1μm以上の場合には、ビヒクル中や樹脂組成
物中への分散性は良いが、粒子が粗大となって着色力が
上がり、該黄色複合含水酸化鉄顔料を用いて得られた塗
膜や樹脂組成物は、十分な透明性を有さない。
得られる塗膜や樹脂組成物の透明性を考慮すれば、平均
長軸径は0.01〜0.096μmが好ましく、より好
ましくは0.01〜0.092μmである。
料は、平均短軸径は0.0025μm以上で0.05μ
m未満が好ましく、より好ましくは0.005〜0.0
48μmであって、更に好ましくは0.005〜0.0
46μmである。また、軸比は、20以下が好ましく、
より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下であ
る。また、BET比表面積値は50〜300m2/gが
好ましく、より好ましくは70〜280m2/g、更に
好ましくは、80〜250m2/gである。長軸径の幾
何標準偏差値は1.8以下が好ましく、より好ましくは
1.7以下であり、下限値は1.01である。
には、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒ
クル中や樹脂組成物中における分散が困難となる。平均
短軸径が0.05μm以上のものは、工業的に得ること
が困難である。
合には、粒子が粗大となって着色力が上がり、該複合含
水酸化鉄顔料を用いて得られた塗膜や樹脂組成物は、十
分な透明性を有さない。BET比表面積値が300m2
/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の
増大により、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散が
困難となる。
る場合には、存在する粗大粒子のため、ビヒクル中や樹
脂組成物中における均一な分散が困難となる。工業的な
生産性を考慮すると、長軸径の幾何標準偏差値の下限値
は1.01である。
の絡み合いが多くなり、ビヒクル中や樹脂組成物中にお
ける分散性が悪くなったり、ビヒクル中での粘度が増加
したりすることがある。
料の耐熱温度は260℃以上が好ましく、より好ましく
は263℃以上、更により好ましくは266℃以上であ
る。
料は、必要により、更にその表面がアルミニウムの水酸
化物で被覆されていても良い。表面がアルミニウムの水
酸化物で被覆されている黄色複合含水酸化鉄顔料は、ア
ルミニウムの水酸化物が耐熱性に優れていることから、
耐熱性がより向上する。
Al換算で、粒子の全重量に対して0.01〜20重量
%が好ましい。0.01重量%未満である場合には、被
覆による耐熱性向上効果がほとんど無く、20重量%を
超える場合には、被覆効果が飽和するため必要以上に添
加する意味がない。耐熱性及び生産性を考慮すれば、
0.05〜15重量%がより好ましい。
なる複合含水酸化物が被着され、更に、その表面にアル
ミニウムの水酸化物が被覆されている微細な黄色複合含
水酸化鉄顔料の平均長軸径、平均短軸径、軸比、BET
比表面積値及び幾何標準偏差値の各諸特性は、アルミニ
ウムの水酸化物が被覆されていない場合の前記各諸特性
とほぼ同程度である。また、耐熱性がより向上したもの
であり、耐熱温度は263℃以上が好ましく、より好ま
しくは266℃以上、更により好ましくは269℃以上
である。
化鉄顔料の製造法について述べる。
るゲータイト微粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と、水酸化
アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液、又は水酸化アル
カリ・炭酸アルカリ水溶液とを用いて得られる鉄の水酸
化物や炭酸鉄等の鉄含有沈殿物を含む懸濁液に空気等の
酸素含有ガスを通してゲータイト微粒子を生成させるに
あたり、空気等の酸素含有ガスを通気する前にアルミニ
ウム化合物を存在させておくことにより、粒子内部にア
ルミニウムを実質的に均一に含有しているゲータイト微
粒子粉末を得ることができる。
素含有ガスを通気する前に存在させておくことが肝要で
あり、具体的には、第一鉄塩水溶液、水酸化アルカリや
炭酸アルカリ水溶液、鉄含有沈殿物を含む懸濁液のいず
れかの溶液中に添加すればよいが、第一鉄塩水溶液に添
加することが好ましい。
ルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸アルカリや、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、
硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用すること
ができ、アルミニウム化合物の添加量は、第一鉄塩水溶
液中のFeに対し、Al換算で0.5〜350mol%
が好ましい。0.5mol%未満である場合には、本発
明の目的とする透明性や耐熱性向上の効果が得られな
い。350mol%を超える場合には、効果がほぼ飽和
に達するため、必要以上に添加する意味がない。
るゲータイト微粒子粉末の粒子表面へのFe及びAlか
らなる複合含水酸化物の被着は、アルミニウムを含有し
ているゲータイト微粒子粉末を含む水懸濁液に、アルミ
ニウム化合物と第一鉄塩水溶液を添加、混合した後、酸
素含有ガスを通気することにより行う。Fe及びAlか
らなる複合含水酸化物の生成を考慮すれば、懸濁液のp
H値を5以下又は10以上に維持しながら酸素含有ガス
を通気することが好ましい。水懸濁液中のアルミニウム
を含有しているゲータイト微粒子粉末の濃度は、5〜1
50g/l程度に調整すればよい。生産性を考慮すれ
ば、10〜120g/l程度が好ましく、より好ましく
は、20〜100g/l程度である。
子内部に含有させる時に使用する前記各アルミニウム化
合物を使用することができ、その添加量は、粒子内部に
アルミニウムを含有しているゲータイト微粒子粉末に対
し、Al換算で0.1〜10重量%である。0.1重量
%未満である場合には、本発明の目的とする分散性改良
の効果や耐熱性向上の効果が得られない。10重量%を
超える場合には、効果がほぼ飽和に達するため、必要以
上に添加する意味がない。また、添加したものはほぼ全
量が被着される。
一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄等の第一鉄塩を使用する
ことができ、その添加量は、粒子内部にアルミニウムを
含有しているゲータイト微粒子粉末に対し、Fe換算で
0.1〜30重量%である。0.1重量%未満である場
合には、本発明の目的とする分散性改良の効果や耐熱性
向上の効果が得られない。30重量%を超える場合に
は、本発明の目的とする効果が飽和に達するため、必要
以上に添加する意味がない。また、添加したものはほぼ
全量が被着される。
溶液の割合は、本発明の目的である分散性改良の効果や
耐熱性向上の効果を考慮すれば、Al/Feの原子換算
で2:1〜1:20の範囲が好ましく、より好ましくは
1:1〜1:10の範囲である。
溶液は、そのほとんどがFe及びAlからなる複合含水
酸化物としてアルミニウムを含有しているゲータイト微
粒子の粒子表面に被着されるため、該Fe及びAlから
なる複合含水酸化物におけるFe及びAlの割合は、添
加時の割合とほぼ同程度である。
加順序は、いずれが先でもまた、同時でもよい。
気)を液中に通気することにより行い、また、当該通気
ガスや機械的操作等により攪拌しながら行なう。
ミニウムの水酸化物を被覆させることができる。
覆は、常法によれば良い。即ち、粒子表面にFe及びA
lからなる複合含水酸化物が被着されている黄色複合含
水酸化鉄粒子粉末を含む水分散液のpH値を4以下又は
10以上に調整した後、アルミニウム化合物を添加、攪
拌し、次いで、分散液のpH値を5〜9の範囲に再調整
して、Fe及びAlからなる複合含水酸化物の上にアル
ミニウムの水酸化物を被覆させた後、濾別、水洗、乾燥
することにより得ることができる。
ルカリ水溶液、又は酸水溶液を使用すれば良い。
の各アルミニウム化合物を使用することができる。
がアルミニウムの水酸化物となって、被着されたFe及
びAlからなる複合含水酸化物の上に被覆される。
化鉄顔料を用いた塗料について述べる。
料を用いた塗料は、塗膜にした場合、光沢度は80%以
上、好ましくは85%以上であって、塗膜の耐熱温度は
255℃以上、好ましくは258℃以上であり、塗膜の
透明性は線吸収係数が0.05μm−1以下、好ましく
は0.03μm−1以下である。
なる微細な複合含水酸化物が被着され、更に、その表面
にアルミニウムの水酸化物が被覆されている微細な黄色
複合含水酸化鉄顔料を用いた塗料は、塗膜にした場合、
光沢度は80%以上、好ましくは85%以上であって、
塗膜の耐熱温度は258℃以上、好ましくは262℃以
上であり、塗膜の透明性は線吸収係数が0.05μm
−1以下、好ましくは0.03μm−1以下である。
塗料構成基材との配合割合は、黄色複合含水酸化鉄顔料
を塗料構成基材100重量部に対し0.5〜100重量
部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを
考慮すれば、好ましくは1.0〜80重量部、更に好ま
しくは1.0〜50重量部である。
より添加される消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活
性剤、硬化促進剤、助剤等からなる。
用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等、並びに、水系塗料用
として、通常使用される水溶性アルキッド樹脂、水溶性
メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタンエ
マルジョン樹脂等を用いることができる。
用されるトルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチ
ルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪酸炭
化水素等、並びに、水系塗料用溶剤として通常使用され
る水、ブチルセロソルブ、ブチルアルコール等を用いる
ことができる。
品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフ
ォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー382
(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SN
デフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノ
プコ株式会社製)アンチホーム08(商品名)、エマル
ゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社
製)等の市販品を用いることができる。
化鉄顔料を用いた樹脂組成物について述べる。
料を用いた樹脂組成物は、樹脂組成物の耐熱温度が21
0℃以上、好ましくは213℃以上を有しており、透明
性は線吸収係数で0.06μm−1以下、好ましくは
0.05μm−1以下であって、分散状態は後出の評価
法による3以上、好ましくは4、更に好ましくは5を有
している。
なる複合含水酸化物が被着され、更に、その表面にアル
ミニウムの水酸化物が被覆されている微細な黄色複合含
水酸化鉄顔料を用いた樹脂組成物は、樹脂組成物の耐熱
温度が213℃以上、好ましくは216℃以上を有して
おり、透明性は線吸収係数で0.06μm−1以下、好
ましくは0.05μm−1以下であって、分散状態は後
出の評価法による3以上、好ましくは4、更に好ましく
は5を有している。
顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01
〜50重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物
のハンドリングを考慮すれば、好ましくは0.05〜4
5重量部、更に好ましくは、0.1〜40重量部であ
る。
塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、スチレン重合体、ポリアミド等)等を用い
ることができ、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合でき
る。
樹脂との総和に対して50重量%以下であれば良い。添
加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が
低下する。
黄色複合含水酸化鉄顔料をあらかじめよく混合し、次
に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断
作用を加えて、微細な黄色複合含水酸化鉄顔料の凝集体
を破壊し、樹脂中に微細な黄色複合含水酸化鉄顔料を均
一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使
用する。
次の通りである。
顕微鏡写真(×30,000)を縦方向及び横方向にそ
れぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個に
ついて、長軸径及び短軸径をそれぞれ測定し、その平均
値で示した。
比を計算することによって求めた。
法により求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示さ
れる粒子の長軸径を測定した値を、その測定値から計算
して求めた粒子の実際の粒子の長軸径と個数から、統計
学的手法に従って、対数正規確率紙上の横軸に粒子の長
軸径を、縦軸に所定の長軸径区間のそれぞれに属する粒
子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットし
た。そしてこのグラフから粒子の累積個数が50%及び
84.13%のそれぞれに相当する長軸径の値を読み取
り、幾何標準偏差値=(積算フルイ下84.13%にお
ける長軸径)/(積算フルイ下50%における長軸径
(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準
偏差値が1に近いほど、粒子の長軸径の粒度分布が優れ
ていることを意味する。
示した。
いるAl量、ゲータイト微粒子の粒子表面に被着されて
いるFe及びAlからなる複合含水酸化物中に含有され
ているAl量及び被着されているFe及びAlからなる
複合含水酸化物の表面に被覆されているアルミニウムの
水酸化物のそれぞれのAl量は、「蛍光X線分析装置3
063M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JI
S K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定
した。
Fe及びAlからなる複合含水酸化物中のAl/Fe原
子比は下記の方法により求めた値で示した。
を100mlの三角フラスコに秤り取り、イオン交換水
33.3mlを加え、60℃に加温したウォータバス中
で、マグネチックスターラーを用いて20分間攪拌し、
分散懸濁液とした。次いで、12Nの塩酸を16.7m
l加え、更に20分間攪拌して、アルミニウムを含有し
ているゲータイト微粒子の表面に被着されているFe及
びAlからなる複合含水酸化物の最外表面から粒子の内
部方向に向けて、アルミニウムを含有しているゲータイ
ト微粒子の表面までの距離の中央部位までの組成が実質
的に均一である部分を酸溶解した(数多くの実験結果に
基づいて確認している)。この酸溶解懸濁液を0.1μ
mのメンブランフィルターを用いて吸引濾過を行い、得
られた濾液中のAl量(ppm)及びFe量(ppm)
のそれぞれを誘導プラズマ発光分光分析装置SPS40
00(セイコー電子工業(株)製)を用いて測定した。
Fe量は、上記濾液中のAl量及びFe量から求めたF
eに対するAl量の重量比と前記蛍光X線分析より求め
た上記複合含水酸化物中のAl重量%とから、下記式に
従って算出した値で示した。 Fe重量%=Al重量%/Feに対するAlの重量比
析装置SSC5000(セイコー電子工業(株)製)を
用いて被測定物の示差走査熱量測定(DSC)を行な
い、得られたDSCチャート上に示されるピークを形成
する2つの変曲点のうち、最初の変曲点を構成する2つ
の曲線のそれぞれについて接線を引き、両接線の交点に
対応する温度を読み取って、その温度で示した。
明性は、後述する処法によって調製した塗料を厚さ10
0μmのクリアベースフィルムに塗布して得られた塗布
膜について、樹脂組成物の透明性は後述する組成から成
る樹脂プレートについて、「自記光電分光光度計UV−
2100」((株)島津製作所製)を用いて測定した光
透過率から、次式によって定義される線吸収係数で示し
た。線吸収係数は値が小さいほど光を透しやすく透明性
が高いことを示す。 線吸収係数(μm−1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−)
調製した塗料を透明ガラス板(0.8mm(厚)×70
mm(幅)×150mm(長さ))に塗布し、その塗布
板を電気炉に入れ、電気炉の温度を種々変化させて各温
度において15分間熱処理を行い、塗布板の各温度にお
ける熱処理前後での色相(L*値、a*値、b*値)を
標準白色板をバックにして、ポータブル分光色彩計 カ
ラーガイド45/0(ビックケミー・ジャパン(株)
製)を用いてJIS Z 8729に定めるところに従
ってそれぞれ測定した。熱処理前の測色値を基準に下記
式で示されるΔE *を求め、ΔE*値がちょうど1.5
となるときの温度を塗布膜の耐熱温度とした。
樹脂プレートをホットプレスにかけ、ホットプレス温度
を種々変化させて、各温度において1トン/cm2の荷
重をかけながら10分間熱処理を行い、樹脂プレートの
各温度における熱処理前後での色相(L*値、a*値、
b*値)の変化をそれぞれ測定し、熱処理前の測色値を
基準に下式で示されるΔE*を求め、ΔE*値がちょう
ど1.5となるときの温度を樹脂組成物の耐熱温度とし
た。
*値)2+(Δb*値)2)1/2 ΔL*値: 比較する試料の熱処理前後のL*値の差 Δa*値: 比較する試料の熱処理前後のa*値の差 Δb*値: 比較する試料の熱処理前後のb*値の差
よって調整した塗料を用いて得られた塗布膜について、
塗布面の光沢度の大小によって調べた。
D」(スガ試験機(株)製)を用いて20°光沢を測定
して求めた。光沢値が高いほど、ビヒクル中における黄
色複合含水酸化鉄顔料の分散性が良いことを示す。
て調製した塗料の25℃のおける塗料粘度をE型粘度計
(コーンプレート型粘度計)EMD−R((株)東京計
器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1に
おける値で示した。
成物表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により
判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いこ
とを示す。 5: 未分散物認められず、 4: 1cm2当たりに1個以上5個未満、 3: 1cm2当たりに5個以上10個未満、 2: 1cm2当たりに10個以上50個未満、 1: 1cm2当たりに50個以上。
硫酸第一鉄水溶液と硫酸アルミニウム水溶液と炭酸ナト
リウム水溶液とを用いて得られた、アルミニウムを含有
した針状ゲータイト微粒子粉末(平均長軸径0.071
0μm、平均短軸径0.0108μm、軸比6.6、B
ET比表面積値180.5m2/g、Al含有量0.8
3重量%、幾何標準偏差値1.33、耐熱性245℃)
のスラリーを、プレスフィルターを用いて濾別し、通水
しながら十分水洗した。
いて再度水に邂逅し、懸濁液中のアルミニウムを含有し
たゲータイト微粒子粉末を45g/lに調整した。得ら
れたpH値が6.5の該懸濁液20lに0.5mol/
lの酢酸アルミニウム水溶液667ml(アルミニウム
を含有したゲータイト微粒子粉末に対してAl換算で
1.0重量%に相当)及び1.4mol/lの硫酸第一
鉄溶液476ml(添加した時のAl/Feの原子比=
1/2)を加え、毎分65lの空気を吹き込みながら8
0℃まで加熱昇温した後、pH値を4.3に維持しなが
ら3時間保持し、アルミニウムを含有したゲータイト微
粒子粉末の粒子表面にFe及びAlからなる複合含水酸
化物を被着させた。
通水しながら十分水洗して湿ケーキを得た。湿ケーキの
一部を120℃で24時間乾燥させた後、自由粉砕機M
−2型((株)奈良機械製作所製)で解砕し、黄色複合
含水酸化鉄顔料を得た。得られた黄色複合含水酸化鉄顔
料は平均長軸径0.0712μm、平均短軸径0.01
11μm、軸比6.4、BET比表面積値171.4m
2/g、耐熱性276℃であった。複合含水酸化物の被
着量はアルミニウムを含有したゲータイト微粒子粉末に
対して、Al換算で0.98重量%、Fe換算で4.0
5重量%であった。
の製造>250mlのガラスビンに前記黄色複合含水酸
化鉄顔料5gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3
mmφガラスビーズ160gとともにペイントシェーカ
ーで120分間混合分散し、ミルベースを作製した。 黄色複合含水酸化鉄顔料 9.9 重量部、 メラミン樹脂(スーパーペッカミン J−820−60:商品名:大日本イン キ化学工業(株)製) 19.8 重量部、 アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60EL:商品名:大日本インキ 化学工業(株)製) 39.6 重量部、 キシレン 29.7 重量部、 ブタノール 1.0 重量部。
(厚)×70mm(幅)×150mm(長さ))に塗布
して得られた塗膜の光沢度は91%、線吸収係数は0.
0210μm−1であった。
記塗料を用いて同様にして塗布板を5枚用意し、それぞ
れ210℃、230℃、250℃、270℃及び290
℃に加熱されたギヤオーブン中に入れ、15分間熱処理
した後に取り出し、塗布板の色相値を測定し、熱処理前
の色相値を基準としてΔE*値を求め、熱処理温度とΔ
E*値との関係からΔE*値が1.5となる温度を求め
たところ、272℃であった。
成物の製造>黄色複合含水酸化鉄顔料0.5gとポリ塩
化ビニル樹脂粉末(103EP8D:商品記号:日本ゼ
オン(株)製)49.5gとを秤量し、これらを100
ccポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合して混
合粉末を得た。
ムを1.0g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロ
ールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混
合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一
体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから
剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレ
ス内に入れ、1トン/cm2の圧力で加圧成形して厚さ
1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プ
レートの線吸収係数は0.0430μm−1、分散状態
は4であった。
着色樹脂プレートを5cm角に裁断した試験片5枚を用
意し、それぞれ185℃、200℃、215℃、230
℃及び245℃に加熱されたホットプレス中に入れ、1
トン/cm2の荷重を掛けながら、10分間熱処理した
後に取り出して樹脂プレートの色相値を測定し、熱処理
前の色相値を基準としてΔE*値を求め、熱処理温度と
ΔE*値との関係からΔE*値が1.5となる温度を求
めたところ、220℃であった。
>得られた黄色複合含水酸化鉄顔料のうち450gを、
純水10lに攪拌機を用いて邂逅し、さらにホモミック
ラインミル(特殊機化工業(株)製)を3回通して黄色
複合含水酸化物粒子粉末のスラリーを得た。
粉末を含むスラリーを横形SGM(マイティーミル:井
上製作所(株)製)を用いて、軸回転数2000rpm
において5回パスさせた。得られたスラリー中の黄色複
合含水酸化鉄粒子粉末の325mesh(目開き44μ
m)における篩残分は0%であった。
ラリーの濃度を40g/lに調整し、スラリーを10l
採取した。このスラリーを攪拌しながら60℃まで加熱
し、6.5Nの水酸化ナトリウム溶液を加えてスラリー
のpH値を10.5に調整した。
のアルミン酸ナトリウム溶液148ml(黄色複合含水
酸化鉄粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当
する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH
値を8.0に調整し、この状態で30分間保持した。次
いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面にAlの水酸
化物により被覆されている黄色複合含水酸化鉄顔料を得
た。
長軸径0.0712μm、平均短軸径0.0112μ
m、軸比6.4、BET比表面積値172.1m2/
g、幾何標準偏差値は1.33、耐熱性281℃であっ
た。粒子表面に被覆されたアルミニウムの水酸化物量は
Al換算で0.98重量%であった。
にAl換算で0.05〜50重量%のアルミニウムを含
有しており、且つ、粒子表面にFe及びAlからなる複
合含水酸化物が被着されているゲータイト微粒子からな
る微細な黄色複合含水酸化鉄顔料は、透明性と耐熱性と
がともに優れているという事実である。
料の透明性が向上する理由については、本発明者は、屈
折率が小さく、油やワニスと練った場合に透明性で被塗
面を隠さないような顔料、即ち、体質顔料の一つである
アルミニウムの含水酸化物がゲータイト微粒子内部に含
有されていることにより粒子自体の透明性が向上するこ
とに加えて、粒子表面に被着されているFe及びAlか
らなる複合含水酸化物が最外層にあることによってビヒ
クル中や樹脂組成物中での分散性が向上するので、塗料
や樹脂組成物の透明性がより向上するものと考えてい
る。
鉄顔料の分散性が改良される理由については未だ明らか
ではないが、塗布膜とした時の光沢度が上がることや塗
料化時における塗料粘度が低下すること等から、最外層
がアルミニウムを有する化合物であるため、ビヒクルと
の相溶性が良いことによるものと考えている。
ータイト微粒子内部にアルミニウムを含有していること
と、Fe及びAlからなる複合含水酸化物が緻密な層を
形成しやすく、しかも、Feを有していることから、同
じくFeを有しているゲータイト微粒子粉末の粒子表面
に密着して被着されることによるものと考えている。
酸化物を被覆した場合、耐熱性がより向上する理由につ
いて、アルミニウムの水酸化物が耐熱性に優れていると
ともに、アルミニウムの水酸化物の下層にアルミニウム
が含有されていることから上層のアルミニウムの水酸化
物がより密着して被覆されることによるものと考えてい
る。尚、この場合、透明性は、アルミニウムの水酸化物
による被覆をしていない場合と同程度であり、アルミニ
ウムの水酸化物による被覆は粒子表面にFe及びAlか
らなる複合含水酸化物が被着されているアルミニウムを
含有しているゲータイト微粒子粉末の粒子の透明性を妨
げるものではない。
含有しているゲータイト微粒子として、表1に示される
ゲータイト微粒子1乃至ゲータイト微粒子4を準備し
た。
るゲータイト微粒子の種類、水懸濁液中のゲータイト微
粒子粉末の濃度、Fe及びAlからなる複合含水酸化物
の被着工程におけるpH値、アルミニウム化合物の種類
及び添加量、第一鉄塩水溶液の種類及び添加量、反応温
度、維持pH値、空気量、反応時間を種々変化させた以
外は、前記発明の実施の形態と同様にしてFe及びAl
からなる複合含水酸化物の被着処理を行った。
色複合含水酸化鉄顔料の諸特性を表3に示す。
の種類、アルミニウムの水酸化物による被覆工程におけ
る水懸濁液中の黄色複合含水酸化鉄粒子粉末の濃度、ア
ルミニウム化合物添加前の懸濁液のpH値、添加するア
ルミニウム化合物の種類及び添加量、懸濁液の最終pH
値を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同
様にして粒子表面にFe及びAlからなる複合含水酸化
物が被着され、更に、その表面がアルミニウムの水酸化
物により被覆されている黄色複合含水酸化鉄顔料を得
た。
Fe及びAlからなる複合含水酸化物が被着され、更
に、その表面にアルミニウムの水酸化物で被覆されてい
る黄色複合含水酸化鉄顔料の諸特性を表5に示す。
類、ゲータイト微粒子粉末の粒子内部におけるアルミニ
ウムの有無及び含有量、Fe及びAlからなる複合含水
酸化物の被着処理の有無及びAl/Feの原子比、アル
ミニウムの水酸化物による表面処理の有無及び被覆量を
種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様に
して黄色含水酸化鉄粒子粉末を得た。
酸化鉄粒子粉末の諸特性を表6に示す。
水酸化鉄)2mol/lの硝酸第二鉄水溶液2lに2m
ol/lの炭酸ナトリウム水溶液をpH値が3になるま
で加えて透明な陽性の水和酸化物ゾルを調整し、これに
0.05mol/lの硝酸アルミニウムを500ml加
えた。次いで、これに0.2mol/lのドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を1150ml加えて
水和酸化鉄と酸化アルミニウムの複合ゾルを凝集させ
た。得られた複合ゾルを濾過し、沈殿物を0.01〜
0.02mol/lのアンモニア水で洗浄、濾過を繰り
返してpH値を6.5〜7.0にした後、更に60〜7
0℃の温水24lにて2回洗浄、濾過を行った。次い
で、乾燥・粉砕し、酸化アルミニウムを含む透明性含水
酸化鉄粒子粉末を得た。
水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表6に示す。
含水酸化鉄)Fe2(SO4)3として濃度60g/l
の硫酸第二鉄水溶液500ml中に50g/lの苛性ソ
ーダ水溶液をpH値が12になるまで加え、室温におい
て23時間熟成後Al2O3として291g/lのアル
ミン酸ソーダ水溶液19.4ml及びSiO2として2
0g/lのケイ酸ソーダ水溶液6.7mlを添加した後
ステンレス製のオートクレーブに仕込み、180℃で1
時間水熱処理を行った。尚、この時のpH値は約13で
あった。水熱処理後、オートクレーブより内容物を取り
出し、濾液の電気伝導度が100μs/cm以下になる
まで水洗した後、120℃の乾燥機中で4時間乾燥さ
せ、粉砕してAlOOH固溶黄色酸化鉄粒子粉末を得
た。
末の諸特性を表6に示す。
色複合含水酸化鉄顔料の種類を種々変化させた以外は、
発明の実施の形態と同様にして、塗料及び塗布膜を製造
した。
表7及び表8に示す。
色複合含水酸化鉄顔料の種類を種々変化させた以外は、
発明の実施の形態と同様にして、黄色複合含水酸化鉄顔
料を用いた樹脂組成物を製造した。
性を表9及び表10に示す。
顔料は、前出実施例に示した通り、透明性と耐熱性とが
ともに優れているので、微細な黄色着色顔料として好ま
しいものである。
化鉄顔料を用いた塗料及び樹脂組成物は、黄色複合含水
酸化鉄顔料の透明性と耐熱性とがともに優れていること
から、透明性及び耐熱性に優れた塗料及び樹脂組成物で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 粒子内部にAl換算で0.05〜50重
量%のアルミニウムを含有しており、且つ、粒子表面に
Fe及びAlからなる複合含水酸化物が被着されている
平均長軸径0.005μm以上で0.1μm未満のゲー
タイト微粒子からなることを特徴とする微細な黄色複合
含水酸化鉄顔料。 - 【請求項2】 被着されているFe及びAlからなる複
合含水酸化物の表面にAl換算で0.1〜20重量%の
アルミニウムの水酸化物が被覆されている請求項1記載
の微細な黄色複合含水酸化鉄顔料。 - 【請求項3】 粒子内部にAl換算で0.05〜50重
量%のアルミニウムを含有している平均長軸径が0.0
05μm以上で0.1μm未満であるゲータイト微粒子
粉末の水分散液に、アルミニウム化合物と第一鉄塩化合
物とを添加・混合した後、酸素含有ガスを通気して、前
記粒子内部にアルミニウムを含有しているゲータイト微
粒子の粒子表面にFe及びAlからなる複合含水酸化物
を被着させることを特徴とする請求項1記載の微細な黄
色複合含水酸化鉄顔料の製造法。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の微細な黄色
複合含水酸化鉄顔料を用いることを特徴とする塗料。 - 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の微細な黄色
複合含水酸化鉄顔料を用いることを特徴とする樹脂組成
物。
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JP2004511612A (ja) * | 2000-10-09 | 2004-04-15 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 複合粒子 |
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