JP2001011339A - 鉄系黒色複合顔料及びその製造法、該鉄系黒色複合顔料を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合顔料で着色したゴム・樹脂組成物 - Google Patents

鉄系黒色複合顔料及びその製造法、該鉄系黒色複合顔料を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合顔料で着色したゴム・樹脂組成物

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JP2001011339A JP2000117567A JP2000117567A JP2001011339A JP 2001011339 A JP2001011339 A JP 2001011339A JP 2000117567 A JP2000117567 A JP 2000117567A JP 2000117567 A JP2000117567 A JP 2000117567A JP 2001011339 A JP2001011339 A JP 2001011339A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子表面から脱離するカーボンブラックが少
ないことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性
に優れており、且つ、少ないカーボンブラック量で、カ
ーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度
に比べて同等又は遜色のない黒色度を有している黒色顔
料を得るとともに、当該黒色顔料を含んでいることによ
って耐酸性に優れた塗膜を形成する塗料や耐老化性に優
れたゴム・樹脂組成物を得る。 【解決手段】 黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化
鉄粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されてお
り、該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボン
ブラックが付着している平均粒子径0.082〜1.0
5μmの鉄系黒色複合粒子粉末であって、上記カーボン
ブラックの付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含
水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部
であることを特徴とする鉄系黒色複合顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラックが少ないことにより、ビヒクル中や樹
脂組成物中への分散性が優れており、且つ、少ないカー
ボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを
使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色
度を有している鉄系黒色複合顔料を提供するとともに、
耐酸性に優れた塗膜を形成する塗料や耐老化性に優れた
樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラック微粒子粉末やマグネタ
イト粒子粉末は、代表的な黒色顔料であり、塗料用、印
刷インク用、化粧品用、ゴム・樹脂組成物用等の着色剤
として古くから汎用されている。
【0003】カーボンブラック微粒子粉末は、各種黒色
顔料の中では最も黒色度が優れており、カーボンブラッ
ク微粒子粉末を用いて得られた塗膜や樹脂組成物は耐酸
性や耐老化性にも優れているが、一方、カーボンブラッ
ク微粒子粉末は粒子サイズが平均粒子径0.005〜
0.05μm程度の微粒子粉末であるため、ビヒクル中
や樹脂組成物中への分散が困難であり、また、かさ密度
が0.1g/cm3程度とかさ高い粉末であるため、取
り扱いが困難で、作業性が悪いものであった。また、発
ガン性等の安全、衛生面からの問題も指摘されている。
【0004】即ち、カーボンブラック微粒子粉末は、使
用量が多量になるほど黒色度も優れる傾向にあるが、使
用量を多量にするとビヒクル中や樹脂組成物中への分散
が益々困難となって作業性が悪くなり、また、安全、衛
生上からも好ましくない。
【0005】一方、マグネタイト粒子粉末は、カーボン
ブラック微粒子粉末に比べ、適当な粒子サイズ、殊に、
平均粒子径0.08〜1.0μm程度を有しているため
ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が優れており、取
り扱いやすいものであり、しかも、無害であるという特
徴を有しているが、一方、黒色度は未だ不十分であり、
マグネタイト粒子粉末を用いて得られた塗膜や樹脂組成
物の耐酸性や耐老化性も不十分であった。
【0006】また、マグネタイト粒子粉末は磁性を有し
ているため、磁気的な凝集を生じやすいので、ビヒクル
中や樹脂組成物中への分散性改良の点から、磁性を有さ
ない鉄系黒色粒子粉末としてマンガン含有へマタイト粒
子粉末やマンガン含有含水酸化鉄粒子粉末が知られてい
るが、これらは黒色度の点においてマグネタイト粒子粉
末よりも劣るものである。
【0007】近年、着色剤としての黒色顔料の諸特性向
上が望まれており、カーボンブラック微粒子粉末の有利
な特性とマグネタイト粒子粉末及びマンガン含有黒色ヘ
マタイト粒子粉末等の黒色酸化鉄粒子粉末やマンガン含
有黒色ゲータイト粒子粉末等の黒色含水酸化鉄粒子粉末
の有利な特性とを兼ね備えた黒色顔料が強く要求されて
いる。
【0008】即ち、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散
が困難であり、取り扱い性等の作業性が悪く、更に安
全、衛生上の問題があるカーボンブラック微粒子粉末の
使用量を少量にしても、カーボンブラック微粒子粉末の
みを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない
黒色を有しており、且つ、ビヒクル中や樹脂組成物中へ
の分散性が優れている黒色顔料が強く要求されている。
そして、このような黒色顔料を含んでいることによっ
て、耐酸性に優れた塗膜を形成する塗料や耐老化性に優
れた樹脂組成物が強く要求されている。
【0009】これらの要求に応えて、カーボンブラック
微粒子粉末とマグネタイト粒子粉末とを複合化して両者
の優れた特徴をあわせもつ黒色顔料を得ることが種々試
みられており、例えば、1)水溶液中から析出したマグ
ネタイト粒子を含む水懸濁液中にカーボンブラック微粒
子粉末を含む水性分散液を添加した後、混合攪拌してマ
グネタイト粒子粉末の粒子表面にカーボンブラック微粒
子粉末を吸着させる方法(特公昭50−13300号公
報)、2)糖蜜等の高分子量有機物質を溶解した鉄含有
廃スラッジとカーボンブラック微粒子粉末を含む熱ガス
とをスプレー反応器中に温度450〜850℃で導入
し、鉄塩からマグネタイト粒子粉末を生成すると同時に
該マグネタイト粒子粉末の粒子表面に糖蜜を結合促進剤
としてカーボンブラック微粒子粉末を結合させる方法
(特開昭49−48725号公報)、3)鉄塩水溶液に
カーボンブラックを懸濁させた後アルカリを添加してカ
ーボンブラック微粒子粉末と四三酸化鉄とを共沈させる
ことにより表面がカーボンブラック微粒子粉末で被覆さ
れている共沈物を得る方法(特公昭55−39580号
公報)、4)微小板状粒子の粒子表面にカーボンブラッ
ク微粒子粉末等が被着されているとともに、該カーボン
ブラック微粒子粉末等をアニオン性又はカチオン性の界
面活性剤、非イオン性の界面活性剤及び有機官能性のポ
リシロキサンで固定化する方法(特開平6−14555
6号公報、特開平7−316458号公報)等が知られ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】カーボンブラック微粒
子粉末の有利な特性と黒色酸化鉄粒子粉末や黒色含水酸
化鉄粒子粉末の有利な特性を兼ね備えた黒色顔料は、現
在最も要求されているところであるが、前出公知の方法
による場合には、これらの諸特性を十分満足する黒色顔
料は得られていない。即ち、前出公知の1)の方法によ
る場合には、後出の比較例6に示す通りカーボンブラッ
クの脱離率が高く、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散
に際してカーボンブラック微粒子粉末が脱離するため、
ビヒクル中や樹脂組成物中での均一な分散が困難である
とともに、得られる塗料や樹脂組成物の黒色度が十分改
善できない。
【0011】前出公知の2)の方法による場合には、カ
ーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合に比べ同
等又は遜色のない黒色度を得るためには、カーボンブラ
ック微粒子粉末をマグネタイト粒子粉末100重量部に
対して280重量部程度と多量に使用する必要がある。
前出公知の3)の方法による場合も、同様にカーボンブ
ラック微粒子粉末のみを使用した場合に比べ同等又は遜
色のない黒色度を得るためには、カーボンブラック微粒
子粉末をマグネタイト粒子粉末100重量部に対して1
00〜400重量部程度添加する必要があり、しかも、
共沈物の表面に付着しているカーボンブラック微粒子粉
末は脱離しやすいものである。前出公知の4)の方法に
よる粒子粉末は、黒色度が劣っており、しかも、カーボ
ンブラック微粒子粉末が脱離しやすいものであり、この
方法によって得られた粒子粉末は黒色顔料とは言い難
い。
【0012】そこで、本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラックが少ないことにより、ビヒクル中や樹
脂組成物中への分散性に優れており、且つ、少ないカー
ボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを
使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色
度を有している黒色顔料を得るとともに、当該黒色顔料
を含んでいることによって耐酸性に優れた塗膜を形成す
る塗料や耐老化性に優れたゴム・樹脂組成物を得ること
を技術的な課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0014】即ち、本発明は、黒色酸化鉄粒子粉末又は
黒色含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該粒子粉末の粒
子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた
1種又は2種以上が被覆されている黒色酸化鉄粒子粉末
又は黒色含水酸化鉄粒子粉末のいずれかの粒子表面にポ
リシロキサンが被覆されており、該ポリシロキサン被覆
の少なくとも1部にカーボンブラックが付着している平
均粒子径0.082〜1.05μmの鉄系黒色複合粒子
粉末であって、上記カーボンブラックの付着量が前記黒
色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重
量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする鉄
系黒色複合顔料である。
【0015】また、本発明は、平均粒子径0.08〜
1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末、必要により、該粒子粉末の粒子表面にアルミニ
ウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸
化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上
が被覆されている黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化
鉄粒子粉末とポリシロキサンとを混練機を用いて混合攪
拌して前記粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンを被覆
させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
粒子粉末100重量部に対して平均粒子径0.005〜
0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末を1〜30
重量部の割合で添加し、混練機を用いて混合攪拌する
か、又は、必要により更に、乾燥することにより前記ポ
リシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラック
を付着させることを特徴とする前記鉄系黒色複合顔料の
製造法である。
【0016】また、本発明は、前記いずれかの鉄系黒色
複合顔料を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする
塗料である。
【0017】また、本発明は、前記いずれかの鉄系黒色
複合顔料を用いて着色したことを特徴とするゴム・樹脂
組成物である。
【0018】本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通
りである。
【0019】先ず、本発明に係る鉄系黒色複合顔料につ
いて述べる。
【0020】本発明に係る鉄系黒色複合顔料は、芯粒子
粉末である黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されており、該
ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラッ
クが付着している平均粒子径0.082〜1.05μm
の鉄系黒色複合粒子粉末からなる。
【0021】芯粒子粉末は、マグネタイト粒子粉末及び
マンガン含有ヘマタイト粒子粉末に対して5〜40重量
%のマンガンを含有するマンガン含有ヘマタイト粒子粉
末等の黒色酸化鉄粒子粉末、又は、マンガン含有ゲータ
イト粒子粉末に対して5〜40重量%のマンガンを含有
するマンガン含有ゲータイト粒子粉末等の黒色含水酸化
鉄粒子粉末である。
【0022】得られる鉄系黒色複合顔料のビヒクル中や
樹脂組成物中における分散性及び黒色度を考慮すれば、
非磁性であるため磁気的な凝集が生じにくいことから、
マンガン含有ヘマタイト粒子粉末が好ましい。
【0023】黒色酸化鉄粒子及び黒色含水酸化鉄粒子に
は各種形状の粒子があり、球状、粒状、八面体状、六面
体状、多面体状等の粒状粒子、針状、紡錘状、米粒状等
の針状粒子及び板状粒子等がある。
【0024】黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒
子粉末の粒子サイズは、上記粒状粒子粉末の場合、平均
粒子径が0.080〜1.0μm、好ましくは0.09
8〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.4
8μmであって、球形度(平均最長径と平均最短径の
比)(以下、「球形度」という。)が1.0以上2.0
未満、好ましくは1.0〜1.8、より好ましくは1.
0〜1.5である。
【0025】上記針状粒子粉末の場合、平均粒子径(平
均長軸径)が0.08〜1.0μm、好ましくは0.0
98〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.
48μmであって、軸比(平均長軸径と平均短軸径の
比)(以下、「軸比」という。)が2〜20、好ましく
は3〜15、より好ましくは3〜10である。
【0026】上記板状粒子粉末の場合、平均粒子径(平
均板面径)が0.08〜1.0μm、好ましくは0.0
98〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.
48μmであり、板状比(平均板面径と平均厚みの比)
(以下、「板状比」という。)が2〜50、好ましくは
3〜20、より好ましくは3〜10である。
【0027】平均粒子径が1.0μmを超える場合に
は、得られる鉄系黒色複合粒子が粗大となり、着色力が
低下する。平均粒子径が0.08μm未満の場合には、
粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こし
やすいため、黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒
子粉末の粒子表面へのポリシロキサンによる均一な被覆
処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難
となる。
【0028】針状粒子粉末の場合、軸比が20を超える
と粒子の絡み合いが多くなり、黒色酸化鉄粒子粉末及び
黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのポリシロキサン
による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一
な付着処理が困難となる。
【0029】板状粒子粉末の場合、板状比が50を超え
ると粒子間のスタッキングが多くなり、黒色酸化鉄粒子
粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのポリシ
ロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックに
よる均一な付着処理が困難となる。
【0030】黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒
子粉末のBET比表面積値は1.0〜200m2/g、
好ましくは2.0〜150m2/g、より好ましくは、
2.5〜100m2/gである。BET比表面積値が
1.0m2/g未満の場合には、黒色酸化鉄粒子粉末及
び黒色含水酸化鉄粒子粉末が粗大であったり、粒子相互
間で焼結が生じた粒子となっており、得られる鉄系黒色
複合粒子もまた粗大粒子となり、着色力が低下する。B
ET比表面積値が200m2/gを超える場合には、粒
子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしや
すいため、黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面へのポリシロキサンによる均一な被覆処
理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難と
なる。
【0031】黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒
子粉末の粒子径の幾何標準偏差値は1.8以下が好まし
く、より好ましくは1.7以下である。幾何標準偏差値
が1.8を超える場合には、存在する粗大粒子によって
均一な分散が阻害されるため、黒色酸化鉄粒子粉末及び
黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのポリシロキサン
による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一
な付着処理が困難となる。幾何標準偏差値の下限値は
1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ
難い。
【0032】黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末の黒色度は、マグネタイト粒子粉末の場合、通常
*値の下限値が18.0を超え、上限値は25.0、
好ましくは24.0である。マンガン含有ヘマタイト粒
子粉末の場合、通常L*値の下限値が18.0を超え、
上限値は28.0、好ましくは26.0である。マンガ
ン含有ゲータイト粒子粉末の場合、通常L*値の下限値
が18.0を超え、上限値は30.0、好ましくは2
8.0である。
【0033】L*値が上記上限値を超える場合には、黒
色度が十分とは言い難く、本発明の目的とする黒色度に
優れた鉄系黒色複合顔料を得ることが困難となる。
【0034】本発明に係る鉄系黒色複合顔料の粒子形状
や粒子サイズは、芯粒子である黒色酸化鉄粒子や黒色含
水酸化鉄粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、
芯粒子にほぼ相似する粒子形態を有し、芯粒子よりも若
干大きい粒子サイズを有している。
【0035】即ち、本発明に係る鉄系黒色複合顔料は、
粒状の黒色酸化鉄粒子や黒色含水酸化鉄粒子を芯粒子と
した場合には、粒子サイズが平均粒子径0.082〜
1.05μm、好ましくは平均粒子径0.1〜0.7μ
m、より好ましくは平均粒子径0.1〜0.5μmであ
って、球形度が1.0以上2.0未満、好ましくは1.
0〜1.8、より好ましくは1.0〜1.5であり、針
状の黒色酸化鉄粒子や黒色含水酸化鉄粒子を芯粒子とし
た場合には、平均粒子径(平均長軸径)が0.082〜
1.05μm、好ましくは0.1〜0.7μm、より好
ましくは0.1〜0.5μmであって、軸比が2〜2
0、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10であ
り、板状の黒色酸化鉄粒子や黒色含水酸化鉄粒子を芯粒
子とした場合には、平均粒子径(平均板面径)が0.0
82〜1.05μm、好ましくは0.1〜0.7μm、
より好ましくは0.1〜0.5μmであって、板状比が
2〜50、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜1
0である。
【0036】鉄系黒色複合顔料の平均粒子径が0.08
2μm未満の場合には、粒子の微粒子化による分子間力
の増大により凝集を起こしやすくなり、ビヒクル中や樹
脂組成物中における分散が困難となる。平均粒子径が
1.05μmを超える場合には、大粒子化に伴い着色力
が低下する。
【0037】鉄系黒色複合顔料の粒子形状が針状の場
合、軸比が20を超えると粒子の絡み合いが多くなり、
ビヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難となる。
【0038】鉄系黒色複合顔料の粒子形状が板状の場
合、板状比が50を超えると粒子間のスタッキングが多
くなり、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難
となる。
【0039】鉄系黒色複合顔料のBET比表面積値は
1.0〜200m2/gであり、好ましくは2.0〜1
50m2/g、より好ましくは、2.5〜100m2/g
である。BET比表面積値が1.0m2/g未満の場合
には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼
結が生じた粒子となっており、ビヒクル中や樹脂組成物
中での分散性に悪影響を与えるので好ましくない。BE
T比表面積値が200m 2/gを超える場合には、粒子
の微細化による分子間力の増大により、ビヒクル中や樹
脂組成物中における分散が困難となる。
【0040】鉄系黒色複合顔料の粒子径の幾何標準偏差
値は、1.8以下であることが好ましい。幾何標準偏差
値が1.8を超える場合には、存在する粗大粒子のた
め、ビヒクル中や樹脂組成物中における均一な分散が困
難となる。ビヒクル中や樹脂組成物中における均一分散
を考慮すれば、1.7以下が好ましい。工業的な生産性
を考慮すれば、幾何標準偏差値の下限値は1.01であ
り、1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0041】鉄系黒色複合顔料の黒色度は、芯粒子とし
てマグネタイト粒子を用いた場合、上限値がL*値で1
8.0であり、好ましくは17.5である。芯粒子とし
てマンガン含有ヘマタイト粒子を用いた場合、上限値が
*値で18.5であり、好ましくは18.0である。
芯粒子としてマンガン含有ゲータイト粒子を用いた場
合、上限値がL*値で19.0であり、好ましくは1
8.5である。L*値が上記上限値を超える場合には、
明度が高くなり、黒色度が十分とはいえない。黒色度の
下限値はL*が15.0である。
【0042】鉄系黒色複合顔料のカーボンブラックの脱
離率は20%以下が好ましく、より好ましくは10%以
下である。カーボンブラックの脱離率が20%を超える
場合には、塗料や樹脂組成物の製造時において、脱離し
たカーボンブラックによりビヒクル中や樹脂組成物中で
の均一な分散が阻害される場合がある。
【0043】鉄系黒色複合顔料におけるポリシロキサン
は、化1で表わされるポリシロキサン、化2で表わされ
る変成ポリシロキサン、化3で表わされる末端変成ポリ
シロキサンまたはこれらの混合物を用いることができ
る。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】カーボンブラック微粒子粉末の付着効果及
び脱離率を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサ
ン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリ
シロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カル
ボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0048】ポリシロキサンの被覆量は、ポリシロキサ
ン被覆黒色酸化鉄粒子粉末又はポリシロキサン被覆黒色
含水酸化鉄粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.
0重量%であることが好ましい。より好ましくは、0.
03〜4.0重量%、更により好ましくは0.05〜
3.0重量%である。
【0049】0.02重量%未満の場合には、黒色度の
優れた鉄系黒色複合顔料を得ることが困難である。
【0050】5.0重量%を超える場合には、得られる
鉄系黒色複合顔料の黒色度を改良できる程度にカーボン
ブラックを黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面に十分付着させることができるため、必
要以上に添加する意味がない。
【0051】カーボンブラックの付着量は、黒色酸化鉄
粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対
して1〜30重量部である。
【0052】1重量部未満の場合には、カーボンブラッ
クの付着量が不十分であり、十分な黒色度を有する鉄系
黒色複合顔料を得ることが困難となる。
【0053】30重量部を超える場合には、得られる鉄
系黒色複合顔料は十分な黒色度を有しているが、カーボ
ンブラックの付着量が多いため、カーボンブラックが脱
離しやすくなり、その結果、鉄系黒色複合顔料のビヒク
ル中や樹脂組成物中への分散性が低下する。
【0054】カーボンブラックの付着厚みは、0.04
μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以
下、更に好ましくは0.02μm以下である。
【0055】本発明に係る鉄系黒色複合顔料は、必要に
より、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末
の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、ア
ルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸
化物から選ばれた1種又は2種以上(以下、「アルミニ
ウムの水酸化物等による被覆」という。)で被覆してお
いてもよく、アルミニウムの水酸化物等で被覆しない場
合に比べ、鉄系黒色複合顔料のビヒクル中や樹脂組成物
中への分散性がより向上する。
【0056】アルミニウムの水酸化物等の被覆量は、ア
ルミニウムの水酸化物等が被覆された黒色酸化鉄粒子粉
末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対してAl換算、Si
2換算、又はAl換算量とSiO2換算量との総和で
0.01〜50重量%が好ましい。
【0057】0.01重量%未満である場合には、鉄系
黒色複合顔料のビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改
良効果が得られない。
【0058】50重量%を超える場合には、鉄系黒色複
合顔料のビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良効果
が十分に得られるため、必要以上に被覆する意味がな
い。
【0059】アルミニウムの水酸化物等で被覆されてい
る本発明に係る鉄系黒色複合顔料は、アルミニウムの水
酸化物等で被覆されていない本発明に係る鉄系黒色複合
顔料の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何標準偏差
値、BET比表面積値、黒色度L*値及びカーボンブラ
ックの脱離率を有している。
【0060】次に、本発明に係る鉄系黒色複合顔料の製
造法について述べる。
【0061】本発明における芯粒子粉末である粒状マグ
ネタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ
水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コロイドを含
む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する、所謂、
湿式法により得られる。
【0062】粒状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末
は、上記湿式法により生成した粒状マグネタイト粒子粉
末を全Feに対して8〜150原子%のマンガン化合物
で被覆した粒状マグネタイト粒子粉末又は粒状マグネタ
イト粒子粉末を生成する上記湿式法においてマンガンの
存在下で反応させて全Feに対して8〜150原子%の
マンガンを含有する粒状マグネタイト粒子粉末を生成
し、次いで濾別、水洗、乾燥して得られた粒状マンガン
含有マグネタイト粒子粉末のいずれかを、空気中750
〜1000℃で加熱処理することにより得られる。
【0063】針状マグネタイト粒子粉末や紡錘状マグネ
タイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ水
溶液、炭酸アルカリ水溶液又は水酸化アルカリ水溶液・
炭酸アルカリ水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄
コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈殿物のいずれかを含む懸
濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する、所謂、湿式
法により針状ゲータイト粒子粉末や紡錘状ゲータイト粒
子粉末を生成し、該針状ゲータイト粒子粉末を濾別、水
洗後、還元性雰囲気下、300〜500℃で加熱還元処
理することにより得られる。
【0064】針状又は紡錘状のマンガン含有ヘマタイト
粒子粉末は、後出の方法により得られる全Feに対して
8〜150原子%のマンガンを含有する針状又は紡錘状
のゲータイト粒子粉末を空気中400〜800℃で加熱
脱水処理することにより得ることができる。
【0065】本発明における針状又は紡錘状のマンガン
含有ゲータイト粒子粉末は、針状又は紡錘状ゲータイト
粒子を生成する前記湿式法において、マンガンの存在下
で反応させて全Feに対して8〜150原子%のマンガ
ンを含有させることにより得られる。
【0066】黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末のポリシロキサンによる被覆は、黒色酸化鉄粒子
粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とポリシロキサンとを
機械的に混合攪拌したり、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色
含水酸化鉄粒子粉末にポリシロキサンを噴霧しながら機
械的に混合攪拌すればよい。添加したポリシロキサン
は、ほぼ全量が黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
粒子粉末の粒子表面に被覆される。
【0067】ポリシロキサンを均一に粒子表面に被覆す
るためには、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐして
おくことが好ましい。
【0068】黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末とポリシロキサンとの混合攪拌やカーボンブラッ
ク微粒子粉末と粒子表面にポリシロキサンが被覆されて
いる黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末と
の混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断
力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん
断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホ
イール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、
ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施に
あたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用でき
る。
【0069】上記ホイール型混練機としては、具体的
に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソ
ンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマ
ル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リ
ングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マル
チマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラ
ーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記
ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等があ
る。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー
等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エ
クストルーダー等がある。
【0070】混合撹拌時における条件は、黒色酸化鉄粒
子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にポリシ
ロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重
は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/c
m)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜15
0Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/c
m(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120
分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調
整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、
好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜
800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0071】ポリシロキサンの添加量は、黒色酸化鉄粒
子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対し
て0.15〜45重量部が好ましい。0.15重量部未
満の場合には、得られる鉄系黒色複合顔料の黒色度を改
良できる程度に黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
粒子粉末の粒子表面にカーボンブラックを十分付着させ
ることが困難である。45重量部を超える場合には、得
られる鉄系黒色複合顔料の黒色度を改良できる程度に黒
色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表
面にカーボンブラックを十分付着させることができるた
め、必要以上に添加する意味がない。
【0072】次いで、ポリシロキサンが被覆されている
黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に、カ
ーボンブラック微粒子粉末を添加し、混合攪拌してポリ
シロキサン被覆にカーボンブラックを付着させる。必要
により更に、乾燥を行ってもよい。
【0073】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末は、市販のファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク等を使用することができ、具体的には、#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950、M
A100、MA7、#1000、#2400B、#3
0、MA77、MA8、#650、MA11、#50、
#52、#45、#2200B、MA600等(商品
名:三菱化学株式会社(製))シースト9H、シースト
7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シ
ーストFM等(商品名、東海カーボン株式会社
(製))、Raven 1250、Raven 86
0、Raven 1000、Raven 1190UL
TRA(商品名:コロンビヤン・ケミカルズ・カンパニ
ー(製))、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラ
ックEC600JD(商品名:ケッチェンブラック・イ
ンターナショナル株式会社(製))、BLACK PE
ARLS−L、BLACK PEARLS 1000、
BLACK PEARLS 4630、VULCAN
XC72、REGAL 660、REGAL 400
(商品名:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・
インク(製))等が使用できる。
【0074】ポリシロキサンとの親和性を考慮すれば、
MA−100、MA7、#1000、#2400B、#
30、BLACK PEARLS−L及びBLACK
PEARLS 4630が好ましい。
【0075】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末の平均粒子径は0.005〜0.05μm程度、よ
り好ましくは0.010〜0.035μm程度である。
【0076】0.005μm未満の場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱い
が困難となる。
【0077】0.05μmを超える場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末の粒子サイズが大きいため、ポリシ
ロキサン被覆へ均一に付着させるために非常に大きな機
械的せん断力が必要となり、工業的に不利となる。
【0078】カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつ
を時間をかけながら、殊に5〜60分程度をかけて添加
するのが好ましい。
【0079】混合攪拌時における条件は、カーボンブラ
ックがポリシロキサン被覆に均一に付着するように、線
荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/
cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜1
50Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/
cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜12
0分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜
調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rp
m、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは1
0〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよ
い。
【0080】カーボンブラック微粒子粉末の添加量は、
黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100
重量部に対して1〜30重量部である。1重量部未満の
場合には、カーボンブラックの付着量が不十分であり、
十分な黒色度を有する鉄系黒色複合顔料が得られない。
30重量部を超える場合には、得られる鉄系黒色複合顔
料は十分な黒色度を有しているが、カーボンブラックの
付着量が多くなるため粒子表面からカーボンブラックが
脱離しやすくなり、その結果、ビヒクル中や樹脂組成物
中への分散性が低下する。
【0081】乾燥を行う場合の加熱温度は、通常40〜
200℃が好ましく、より好ましくは60〜150℃で
あり、加熱時間は、10分〜12時間が好ましく、30
分〜3時間がより好ましい。
【0082】黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒
子粉末は、必要により、ポリシロキサンとの混合攪拌に
先立って、あらかじめ、粒子表面をアルミニウムの水酸
化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケ
イ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上で被覆して
おいてもよい。
【0083】アルミニウムの水酸化物等による被覆は、
黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末を分散
して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素
化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することに
より、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整す
ることにより、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸
化鉄粒子粉末の粒子表面に、アルミニウムの水酸化物、
アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の
酸化物から選ばれる1種又は2種以上を被着し、次い
で、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、
脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0084】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ナトリウム
等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0085】アルミニウム化合物の添加量は、黒色酸化
鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対してAl換
算で0.01〜50重量%である。0.01重量%未満
である場合には、鉄系黒色複合顔料のビヒクル中や樹脂
組成物中への分散性改良効果が得られるだけの十分な量
のアルミニウムの水酸化物等を粒子表面に被覆すること
が困難である。50重量%を超える場合には、被覆効果
が飽和するため必要以上に添加する意味がない。
【0086】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ等が使用できる。
【0087】ケイ素化合物の添加量は、黒色酸化鉄粒子
粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対してSiO2換算
で0.01〜50重量%である。0.01重量%未満で
ある場合には、鉄系黒色複合顔料のビヒクル中や樹脂組
成物中への分散性改良効果が得られるだけの十分な量の
ケイ素の酸化物等を粒子表面に被覆することが困難であ
る。50重量%を超える場合には、被覆効果が飽和する
ため、必要以上に添加する意味がない。
【0088】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合には、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含
水酸化鉄粒子粉末に対し、Al換算量とSiO2換算量
との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
【0089】次に、本発明に係る塗料について述べる。
【0090】本発明に係る塗料は、溶剤系塗料を用いて
塗膜を形成した場合、塗膜中に存在するカーボンブラッ
ク量が少ないにもかかわらず、L*値が15.0〜1
9.0、好ましくは15.0〜18.5、より好ましく
は15.0〜18.0であり、カーボンブラック微粒子
粉末のみを使用した塗料を用いて形成した塗膜の黒色度
に比べて同等又は遜色のない黒色度を有している。ま
た、光沢度は85%以上、好ましくは87%以上、より
好ましくは88%以上であって、耐酸性はΔG値が1
0.0以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは
9.0以下であって、ΔL*値が1.0以下、好ましく
は0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
【0091】本発明に係る塗料は、水系塗料を用いて塗
膜を形成した場合、塗膜中に存在するカーボンブラック
量が少ないにもかかわらず、L*値が15.0〜19.
5、好ましくは15.0〜19.0、より好ましくは1
5.0〜18.5であり、カーボンブラック微粒子粉末
のみを使用した塗料を用いて形成した塗膜の黒色度に比
べて同等又は遜色のない黒色度を有している。また、光
沢度は、80%以上、好ましくは83%以上、より好ま
しくは85%以上であって、耐酸性はΔG値が10.0
以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以
下であって、ΔL*値が1.0以下、好ましくは0.9
以下、より好ましくは0.8以下である。
【0092】本発明に係る塗料中に配合されている鉄系
黒色複合顔料は、塗料構成基材100重量部に対して
1.0〜100重量部である。塗料のハンドリングを考
慮すれば、好ましくは2.0〜100重量部、更に好ま
しくは5.0〜100重量部である。
【0093】上記塗料構成基材としては、樹脂及び溶剤
とともに、必要により消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、
界面活性剤、硬化促進剤、助剤等である。
【0094】溶剤系塗料の場合の樹脂は、通常使用され
ているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等である。
【0095】水系塗料の場合の樹脂は、通常使用されて
いる水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶
性アクリル樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂等で
ある。
【0096】溶剤系塗料の溶剤は、通常使用されている
トルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテ
ート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪族炭化水素等
である。
【0097】水系塗料の溶剤は、水に加えて水系塗料で
通常使用されているブチルセロソルブ、ブチルアルコー
ル等である。
【0098】消泡剤は、ノプコ8034(商品名)、S
Nデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5
013(商品名)、SNデフォーマー247(商品
名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いず
れもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品
名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花
王株式会社製)等である。
【0099】次に、本発明に係るゴム・樹脂組成物につ
いて述べる。
【0100】本発明に係るゴム・樹脂組成物は、ゴム・
樹脂組成物中に存在するカーボンブラック量が少ないに
もかかわらず、L*値が15.0〜21.0、好ましく
は15.0〜20.5、より好ましくは15.0〜2
0.0であり、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用
したゴム・樹脂組成物の黒色度に比べて同等又は遜色の
ない黒色度を有している。また、ゴム・樹脂組成物中で
の分散性は、目視観察より、4又は5が好ましく、より
好ましくは5である。耐老化性は、190℃で90分間
加熱した際の変色部分の割合が15%以下、好ましくは
10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0101】本発明に係るゴム・樹脂組成物中に配合さ
れている鉄系黒色複合顔料は、構成基材100重量部に
対して0.5〜200重量部の範囲であり、ゴム・樹脂
組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0
〜150重量部、更に好ましくは2.5〜100重量部
である。
【0102】上記ゴム・樹脂組成物の構成基材は、ゴム
又は周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、
可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添
加剤である。
【0103】添加剤は、鉄系黒色複合顔料とゴム又は樹
脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加
剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低
下する。
【0104】本発明に係るゴム・樹脂組成物は、ゴム又
は樹脂原料と鉄系黒色複合顔料をあらかじめよく混合
し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強い
せん断作用を加えて、鉄系黒色複合顔料の凝集体を破壊
し、ゴム又は樹脂中に鉄系黒色複合粒子粉末を均一に分
散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用す
る。
【0105】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0106】黒色酸化鉄粒子粉末、黒色含水酸化鉄粒子
粉末、カーボンブラック微粒子粉末及び鉄系黒色複合顔
料の各粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×2
0000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大し
た写真に示される粒子約350個について定方向径をそ
れぞれ測定し、その平均値で示した。
【0107】球形度は、平均最長径と平均最短径との比
で示し、軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示
し、板状比は平均板面径と平均厚みとの比で示した。
【0108】粒子径(長軸径)の幾何標準偏差値は、下
記の方法により求めた値で示した。即ち、上記拡大写真
に示される粒子径を測定した値を、その測定値から計算
して求めた粒子の実際の粒子径と個数から、統計学的手
法に従って、対数正規確率紙上の横軸に粒子径を、縦軸
に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数
( 積算フルイ下) を百分率でプロットした。そしてこの
グラフから粒子の累積個数が50%及び84.13%の
それぞれに相当する粒子径の値を読み取り、幾何標準偏
差値=(積算フルイ下84.13%における粒子径)/
(積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に
従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近い
ほど、粒子径(長軸径)粒度分布が優れていることを意
味する。
【0109】比表面積値は、BET法により測定した値
で示した。
【0110】黒色酸化鉄粒子粉末、黒色含水酸化鉄粒子
粉末及び鉄系黒色複合顔料の粒子内部や粒子表面に存在
するMn量、Al量、及びSi量並びに鉄系黒色複合顔
料に被覆されているポリシロキサンに含有されるSi量
のそれぞれは、「蛍光X線分析装置3063M型」(理
学電機工業(株) 製)を使用し、JIS K0119の
「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0111】鉄系黒色複合顔料に付着しているカーボン
ブラックの量は「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA
−2200型」((株) 堀場製作所製)を用いて炭素量
を測定することにより求めた。
【0112】鉄系黒色複合顔料に付着しているカーボン
ブラックの付着厚みは、「透過型電子顕微鏡JEM−2
010」(日本電子株式会社(製))を用いて加速電圧
200kVの条件下で撮影した電子顕微鏡写真を10倍
に拡大した写真(×5,000,000)に写っている
粒子の表面に付着しているカーボンブラックの平均的な
厚み部分を測定することにより求めた。
【0113】鉄系黒色複合顔料に付着しているカーボン
ブラックの脱離率(%)は、下記の方法により求めた値
で示した。カーボンブラックの脱離率が0%に近いほ
ど、粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少ない
ことを示す。
【0114】鉄系黒色複合顔料3gとエタノール40m
lを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行
った後、120分静置し、比重差によって鉄系黒色複合
顔料と脱離したカーボンブラックを分離した。次いで、
この鉄系黒色複合顔料に再度エタノール40mlを加
え、更に20分間超音波分散を行った後120分静置
し、鉄系黒色複合顔料と脱離したカーボンブラックを分
離した。この鉄系黒色複合顔料を100℃で1時間乾燥
させ、前述の「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−
2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量
を測定し、下記式に従って求めた値をカーボンブラック
の脱離率とした。
【0115】カーボンブラックの脱離率(%)=[(W
a−We)/Wa]×100 Wa:鉄系黒色複合顔料のカーボンブラック付着量 We:脱離テスト後の鉄系黒色複合顔料のカーボンブラ
ック付着量
【0116】黒色酸化鉄粒子粉末、黒色含水酸化鉄粒子
粉末及び鉄系黒色複合顔料のそれぞれの黒色度は、試料
0.5gとヒマシ油0.7mlとをフーバー式マーラー
で練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカ
ー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙
上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて
塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、 該
塗料片について、多光源分光測色計MSC−IS−2D
(スガ試験機(株)製)を用いて測定を行い、JIS
Z 8729に定めるところに従って表色指数L*値で
示した。
【0117】塗料の黒色度は、後述組成の塗料を塗布し
て得られた塗布膜の黒色度を、ゴム・樹脂組成物の黒色
度は、後述組成からなる樹脂プレートの黒色度を、それ
ぞれ多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機
(株)製)を用いて測定を行い、JIS Z 8729
に定めるところに従って表色指数L*値で示した。
【0118】ここでL*値は、明度を表わし、L*値が小
さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0119】塗料ビヒクル中への分散性は、発明の実施
の形態と同様にして作製した塗膜の光沢度を測定するこ
とにより評価を行った。
【0120】光沢度は、「グロスメーター UGV−5
D」(スガ試験機(株)製)を用いて20°光沢度を測
定して求めた。光沢度が高いほど、粒子粉末の塗料ビヒ
クル中への分散性が良いことを示す。
【0121】塗料粘度については、後述の処方によって
調製した塗料の25℃における塗料粘度をE型粘度計
(コーンプレート型粘度計)EMD−R((株)東京計
器製)を用いて、ずり速度D=1.92sec-1におけ
る値を求めた。
【0122】樹脂組成物中への分散性は、 得られた樹脂
組成物表面における未分散の凝集粒子の個数を目視によ
り判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良い
ことを示す。
【0123】 1: 1cm2当たりに50個以上 2: 1cm2当たりに10個以上50個未満 3: 1cm2当たりに5個以上10個未満 4: 1cm2当たりに1個以上5個未満 5: 未分散物認められず
【0124】耐酸性は、下記のようにして求めた。
【0125】黒色顔料を用いて得られた塗料を冷間圧延
鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS
G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製
造した塗膜を有する試料片を用意し、光沢度及び黒色度
を測定した。
【0126】次に、1000mlのビーカーに5重量%
硫酸水溶液を入れ、上記試料片を糸でつるして、約12
0mmの深さまで浸し25℃で24時間静置した。
【0127】次に、試料片を酸液から取り出して流水で
静かに洗い、水を振り切った後、試料片の中心部分の光
沢度及び黒色度を測定した。そして、試料片の酸液への
浸漬前後の光沢度変化(ΔG)、及び黒色度変化(ΔL
*値)を測定し、これの大小で耐酸性を評価した。ΔG
及びΔL*値がともに小さいほど耐酸性に優れているこ
とを示す。
【0128】耐老化性は、黒色顔料を練り込んだ着色樹
脂プレート(縦1.5cm×横1.5cm×厚み1m
m)を190℃で加熱したときに、変色して樹脂が劣化
した部分の面積Sと加熱前の着色プレートの表面積S0
(1.5×1.5=2.25cm2)との比S/S0を5
%刻みで定量することにより求めた。
【0129】即ち、(S/S0)×100が0%のとき
は劣化が無い状態を示し、(S/S0)×100が10
0%のときは樹脂が完全に劣化した状態を示す。
【0130】<鉄系黒色複合顔料の製造>図1の電子顕
微鏡写真(×20000)に示すマンガン含有黒色ヘマ
タイト粒子粉末(粒子形状:粒状、球形度1.3、平均
粒子径0.30μm、幾何標準偏差値1.46、BET
比表面積値3.6m2/g、Mn含有量13.3重量
%、黒色度L*値22.6)20kgを、凝集を解きほ
ぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、更
に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品名、特殊
機化工業(株) 製)を3回通してマンガン含有黒色ヘマ
タイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0131】続いて、このマンガン含有黒色ヘマタイト
粒子粉末を含むスラリーを横形サンドグラインダー「マ
イティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所
(株) 製)を用いて、軸回転数2000rpmにおいて
5回パスさせて、マンガン含有黒色ヘマタイト粒子粉末
を含む分散スラリーを得た。
【0132】得られたマンガン含有黒色ヘマタイト粒子
粉末を含む分散スラリーの325mesh(目開き44
μm)における篩残分は0%であった。この分散スラリ
ーを濾別、水洗して、マンガン含有黒色ヘマタイト粒子
粉末のケーキを得た。このマンガン含有黒色ヘマタイト
粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した後、乾燥粉末1
1.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品
名、(株)松本鋳造鉄工所製)に投入して、294N/
cm(30Kg/cm)で30分間攪拌を行い、粒子粉
末の凝集を軽く解きほぐした。
【0133】次に、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン(商品名:TSF484:東芝シリコーン(株)製)
110gを、エッジランナーを稼動させながら粒子の凝
集を解きほぐした上記マンガン含有黒色ヘマタイト粒子
粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線
荷重で60分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌
速度は22rpmで行った。
【0134】次に、図2の電子顕微鏡写真(×2000
0)に示すカーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:粒
状、粒子径0.022μm、幾何標準偏差値1.68、
BET比表面積値134m2/g、黒色度L*値16.
6)550gを、エッジランナーを稼動させながら10
分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/c
m)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、メチルハイド
ロジェンポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着
させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間乾燥を行
い、鉄系黒色複合顔料を得た。なお、この時の攪拌速度
は22rpmで行った。
【0135】得られた鉄系黒色複合顔料は、図3の電子
顕微鏡写真(×20000)に示す通り、粒子径が0.
31μm、球形度が1.3の粒状粒子であった。幾何標
準偏差値は1.46であり、BET比表面積値は8.9
2/g、Mn含有量は12.6重量%、黒色度L*値は
18.2、カーボンブラック脱離率は6.4%であり、
メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量はSi換
算で0.41重量%であった。付着しているカーボンブ
ラック量はC換算で4.76重量%(マンガン含有黒色
ヘマタイト粒子粉末100重量部に対して5重量部に相
当する)、粒子表面のカーボンブラックの付着厚みは
0.0023μmであった。図3に示す電子顕微鏡写真
には、カーボンブラックがほとんど認められないことか
ら、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン被覆に付着していることが認められ
た。
【0136】比較のため、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンを被覆することなく、マンガン含有黒色ヘマタ
イト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末とを同様に
エッジランナーで混合攪拌して得られた混合粒子粉末の
電子顕微鏡写真(×20000)を図4に示す。図4の
電子顕微鏡写真に示される通り、カーボンブラックがマ
ンガン含有黒色ヘマタイト粒子の粒子表面に付着してお
らず、両粒子粉末が別々に混在していることが認められ
た。
【0137】<溶剤系塗料の製造>上記鉄系黒色複合顔
料10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記
割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともに1
40mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェ
ーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0138】 鉄系黒色複合顔料 12.2重量部 アミノアルキッド樹脂 19.5重量部 (アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製) シンナー 7.3重量部
【0139】上記ミルベースを用いて、下記割合となる
ようにアミノアルキッド樹脂を配合してペイントシェー
カーで更に15分間混合分散して、鉄系黒色複合顔料を
含む塗料を得た。
【0140】 ミルベース 39.0重量部 アミノアルキッド樹脂 61.0重量部 (アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製)
【0141】得られた溶剤系塗料の塗料粘度は702c
Pであった。
【0142】この塗料を用いて製造した塗膜の光沢度は
91%、塗膜の黒色度L*値は18.6であった。塗膜
の耐酸性テストに基づく光沢度変化ΔG値は6.1%、
明度変化ΔL*値は0.7であった。
【0143】<水系塗料の製造>上記鉄系黒色複合顔料
7.62gと水溶性アルキド樹脂等とを下記割合で3m
mφガラスビーズ90gとともに140mlのガラスビ
ンに添加し、次いでペイントシェーカーで45分間又は
90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0144】 鉄系黒色複合顔料 12.4重量部 水溶性アルキド樹脂 9.0重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 4.8重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 4.8重量部 ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0145】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合
分散し水系塗料を得た。
【0146】 ミルベース 30.4重量部 水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 水溶性メラミン樹脂 12.6重量部 (商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 9.1重量部 ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0147】得られた水系塗料の塗料粘度は798cP
であった。
【0148】この塗料を用いて製造した塗膜の光沢度は
86%、塗膜の黒色度L*値は18.8であった。塗膜
の耐酸性テストに基づく光沢度変化ΔG値は、5.3
%、明度変化ΔL*値は0.7であった。
【0149】<樹脂組成物の製造>前記鉄系黒色複合顔
料2.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D
(日本ゼオン(株)製)47.5gとを秤量し、これら
を100mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混
合して混合粉末を得た。
【0150】得られた混合粉末にステアリン酸カルシウ
ムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロ
ールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混
合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一
体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから
剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
【0151】次に、表面研磨されたステンレス板の間に
上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレ
ス内に入れ、98000kPa(1トン/cm2)の圧
力で加圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得
た。得られた着色樹脂プレートの黒色度L*値は17.
9、分散状態は5であった。
【0152】着色樹脂プレートを1.5cm角に裁断し
た試験片3枚を190℃に加熱されたギヤオーブン中に
入れ、30分毎に1枚ずつ取り出し、樹脂劣化の状態を
調べた所、30分後の樹脂劣化程度(S/S0×10
0)は0%、60分後の樹脂劣化程度は0%、90分後
の樹脂劣化程度は5%であった。
【0153】
【作用】本発明において最も重要な点は、黒色酸化鉄粒
子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該黒
色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表
面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、
ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種
又は2種以上の化合物が被覆されている黒色酸化鉄粒子
粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にポリシロ
キサンが被覆されており、該ポリシロキサン被覆の少な
くとも1部にカーボンブラックが付着している平均粒子
径0.082〜1.05μmの鉄系黒色複合粒子粉末で
あって、上記カーボンブラックの付着量が前記黒色酸化
鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に
対して1〜30重量部である鉄系黒色複合顔料は、粒子
表面から脱離するカーボンブラックが少ないことによ
り、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性に優れてお
り、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラ
ック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同
等又は遜色のない黒色度が得られるという事実である。
【0154】本発明に係る鉄系黒色複合顔料の粒子表面
から脱離するカーボンブラックが少ない理由について、
本発明者は、カーボンブラックが付着しているポリシロ
キサンが有している各種官能基が、黒色酸化鉄粒子粉末
又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面へ強固に結合す
るためと考えている。
【0155】本発明に係る鉄系黒色複合顔料のビヒクル
中や樹脂組成物中における分散性が優れている理由につ
いて、本発明者は、鉄系黒色複合顔料の粒子表面から脱
離するカーボンブラックが少ないことに起因して、カー
ボンブラックによって系内の分散が阻害されないととも
に、鉄系黒色複合顔料の粒子表面にカーボンブラックが
付着していることにより粒子表面に凹凸が生じ、粒子相
互間の接触が抑制されるためと考えている。
【0156】本発明に係る鉄系黒色複合顔料の黒色度が
優れている理由について、本発明者は、微粒子であるこ
とに起因して、通常は凝集体として挙動するカーボンブ
ラックが、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子
粉末の粒子表面にポリシロキサンを介して均一且つ緻密
に付着されているため、カーボンブラックによって芯粒
子の色が打ち消され、カーボンブラック本来の色が発揮
されたことによるものと考えている。
【0157】そして、上記鉄系黒色複合顔料を配合した
塗料を用いて形成された塗膜は耐酸性が優れており、ま
た、上記鉄系黒色複合顔料を配合して得られた樹脂組成
物は耐老化性が優れているという事実である。
【0158】本発明に係る塗料を用いて形成された塗膜
の耐酸性及び樹脂組成物の耐老化性が優れている理由に
ついて、本発明者は、耐酸性や耐老化性に優れているカ
ーボンブラックを、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸
化鉄粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンを介して付着
させたことにより、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸
化鉄粒子粉末が本来有している酸化しやすく表面活性が
高いという特性が打ち消され、カーボンブラック本来の
特性が発揮されたことによるものと考えている。
【0159】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0160】芯粒子1〜7 公知の製造方法で得られた各種の黒色酸化鉄粒子粉末及
び黒色含水酸化鉄粒子粉末を準備し、上記発明の実施の
形態と同様にして凝集が解きほぐされた黒色酸化鉄粒子
粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末を得た。
【0161】これら黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸
化鉄粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0162】
【表1】
【0163】芯粒子8 芯粒子1の凝集が解きほぐされた粒状マンガン含有黒色
ヘマタイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、
発明の実施の形態と同様にして粒状マンガン含有黒色ヘ
マタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた粒状
マンガン含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含む再分散スラ
リーのpH値を水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.
5に調整し、次いで、該スラリーに水を加えスラリー濃
度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加
熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/l
のアルミン酸ナトリウム溶液2722ml(粒状マンガ
ン含有黒色ヘマタイト粒子粉末に対してAl換算で0.
5重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢
酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30
分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面
がアルミニウムの水酸化物により被覆されている粒状マ
ンガン含有黒色ヘマタイト粒子粉末を得た。
【0164】この時の主要製造条件を表2に、得られた
粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されてい
る粒状マンガン含有黒色ヘマタイト粒子粉末の諸特性を
表3に示す。
【0165】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物を表わし、Sはケイ素の酸
化物を表わす。
【0166】芯粒子9〜14 芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類及び
添加量を種々変えた以外は芯粒子8と同様にして表面処
理済芯粒子粉末を得た。
【0167】この時の主要処理条件を表2に、得られた
表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0168】
【表2】
【0169】
【表3】
【0170】実施例1〜42、比較例1〜11 芯粒子の種類、ポリシロキサン被覆工程におけるポリシ
ロキサン添加の有無、種類及び添加量、エッジランナー
処理条件、カーボンブラックの付着工程におけるカーボ
ンブラック微粒子粉末の種類及び添加量、エッジランナ
ーによる処理条件を種々変えた以外は、前記発明の実施
の形態と同様にして鉄系黒色複合顔料を得た。実施例1
〜42の各実施例で得られた鉄系黒色複合顔料は、電子
顕微鏡観察の結果、カーボンブラックがほとんど認めら
れないことから、カーボンブラックのほぼ全量がポリシ
ロキサン被覆に付着していることが認められた。
【0171】使用したカーボンブラック微粒子粉末A乃
至Cの諸特性を表4に示す。
【0172】
【表4】
【0173】この時の主要処理条件及び得られた鉄系黒
色複合顔料の諸特性を表5乃至表10に示す。
【0174】
【表5】
【0175】
【表6】
【0176】
【表7】
【0177】
【表8】
【0178】
【表9】
【0179】
【表10】
【0180】比較例12(特公昭50−13300号記
載の方法) 芯粒子3のマグネタイト粒子粉末(ブラック酸化鉄)を
含む水懸濁液(マグネタイト粒子粉末68.3gを含有
する懸濁液1000ml)を調整し、冷水で5回洗浄し
た。
【0181】次に、カーボンブラック微粒子粉末Bの水
性分散液(乾燥カーボンブラックB1.75gを含有す
る5gの水分散液)を冷水で500mlに希釈した。
【0182】このカーボンブラック微粒子粉末の懸濁液
を攪拌しながら、上記マグネタイト粒子粉末を含む水懸
濁液に5分間に亘って添加し、添加完了後、混合懸濁液
を更に10分間に亘って攪拌を続け、次いで放置した。
【0183】約4時間後、得られた黒色沈殿物を常法に
より、水で濾別洗浄を5回繰り返した後、100℃で空
気中で乾燥した。
【0184】得られた黒色粒子粉末のカーボンブラック
脱離率は50.2%、黒色度L*値は20.2であり、
芯粒子粉末であるマグネタイト粒子粉末の黒色度とほと
んど変わらない値であった。
【0185】<溶剤系塗料の製造>実施例43〜84、
比較例13〜33黒色顔料の種類を種々変えた以外は、
前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を製造し
た。
【0186】この時の主要製造条件及び得られた塗膜の
諸特性を表11乃至表13に示した。
【0187】
【表11】
【0188】
【表12】
【0189】
【表13】
【0190】<水系塗料の製造> 実施例85〜126、比較例34〜54 黒色顔料の種類を種々変えた以外は、前記発明の実施の
形態と同様にして水系塗料を製造した。
【0191】この時の主要製造条件及び得られた塗膜の
諸特性を表14乃至表16に示した。
【0192】
【表14】
【0193】
【表15】
【0194】
【表16】
【0195】<樹脂組成物の製造> 実施例127〜168、比較例55〜75 黒色顔料の種類を種々変えた以外は、前記発明の実施の
形態と同様にして着色樹脂プレートを製造した。
【0196】この時の主要製造条件及び得られた着色樹
脂プレートの諸特性を表17乃至19に示す。
【0197】
【表17】
【0198】
【表18】
【0199】
【表19】
【0200】
【発明の効果】本発明に係る鉄系黒色複合顔料は、粒子
表面から脱離するカーボンブラックが少ないことによ
り、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散性に優れて
おり、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブ
ラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて
同等又は遜色のない黒色度を有しているので、塗料用、
印刷インク用、化粧品用、ゴム・樹脂成形物用等の黒色
顔料として好ましいものである。
【0201】上記鉄系黒色複合顔料を用いて得られる本
発明に係る塗料は、これを用いて塗膜を形成した場合、
少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子
粉末のみを使用した塗料を用いて形成した塗膜の黒色度
に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているととも
に、得られた塗膜の耐酸性が優れているので、黒色塗料
として好適である。
【0202】上記鉄系黒色複合顔料を用いて得られる本
発明に係るゴム・樹脂組成物は、少ないカーボンブラッ
ク量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場
合のゴム・樹脂組成物の黒色度に比べて同等又は遜色の
ない黒色度を有しているとともに、耐酸性が優れている
ので、黒色のゴム・樹脂組成物として好ましいものであ
る。
【0203】そして、本発明に係る鉄系黒色複合顔料
は、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が優れてお
り、取り扱いやすく作業性に優れているので、工業的及
び経済的に有利である。
【0204】また、カーボンブラック微粒子粉末の使用
量が少ないので、安全上、衛生上からも好ましいもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で使用した粒状マンガン含
有黒色ヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡
写真(×20000)である。
【図2】 発明の実施の形態で使用したカーボンブラッ
ク微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20
000)である。
【図3】 発明の実施の形態で得られた鉄系黒色複合顔
料の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)で
ある。
【図4】 比較のために示したマンガン含有黒色ヘマタ
イト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末との混合粒
子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×2000
0)である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
    粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されてお
    り、該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボン
    ブラックが付着している平均粒子径0.082〜1.0
    5μmの鉄系黒色複合粒子粉末であって、上記カーボン
    ブラックの付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含
    水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部
    であることを特徴とする鉄系黒色複合顔料。
  2. 【請求項2】 黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
    粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化
    物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
    素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、
    上層としてポリシロキサンが被覆されており、該ポリシ
    ロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付
    着している平均粒子径0.082〜1.05μmの鉄系
    黒色複合粒子粉末であって、上記カーボンブラックの付
    着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子
    粉末100重量部に対して1〜30重量部であることを
    特徴とする鉄系黒色複合顔料。
  3. 【請求項3】 平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色
    酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とポリシロ
    キサンとを混練機を用いて混合攪拌して上記黒色酸化鉄
    粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にポリ
    シロキサンを被覆させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又
    は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して平均粒
    子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒
    子粉末を1〜30重量部の割合で添加し、混練機を用い
    て混合攪拌するか、又は、必要により更に、乾燥するこ
    とにより前記ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカ
    ーボンブラックを付着させることを特徴とする請求項1
    記載の鉄系黒色複合顔料の製造法。
  4. 【請求項4】 粒子表面にアルミニウムの水酸化物、ア
    ルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸
    化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆されている平
    均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又
    は黒色含水酸化鉄粒子粉末とポリシロキサンとを混練機
    を用いて混合攪拌して上記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色
    含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンを被覆
    させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄
    粒子粉末100重量部に対して平均粒子径0.005〜
    0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末を1〜30
    重量部の割合で添加し、混練機を用いて混合攪拌する
    か、又は、必要により更に、乾燥することにより前記ポ
    リシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラック
    を付着させることを特徴とする請求項2記載の鉄系黒色
    複合顔料の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の鉄系黒色
    複合顔料を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする
    塗料。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2に記載の鉄系黒色
    複合顔料を用いて着色したことを特徴とするゴム・樹脂
    組成物。
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