JP2002146080A - ポリオレフィン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂押出発泡体およびその製造方法

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JP2002146080A
JP2002146080A JP2001250637A JP2001250637A JP2002146080A JP 2002146080 A JP2002146080 A JP 2002146080A JP 2001250637 A JP2001250637 A JP 2001250637A JP 2001250637 A JP2001250637 A JP 2001250637A JP 2002146080 A JP2002146080 A JP 2002146080A
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JP2001250637A
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Seiji Takahashi
誠治 高橋
Naochika Kogure
直親 小暮
Taku Kitahama
卓 北浜
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Original Assignee
JSP Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】製品物性が均質であって、高発泡倍率であり、
気泡径の均一な肉厚なポリオレフィン系樹脂連続気泡押
出発泡体を提供する。 【解決手段】本発明の連続気泡押出発泡体は、50%以
上の連続気泡率を有する押出発泡体であって、その基材
樹脂が、エチレン系アイオノマー樹脂からなる成分
(A)4.5〜75重量部および融点が120℃を超え
るポリオレフィン系樹脂からなる成分(B)0.5〜3
0重量部と、エチレン−プロピレンゴム、スチレン系エ
ラストマー、融点が120℃以下のポリエチレン系樹脂
の群から選択される1種または2種以上の重合体、から
なる成分(C)20〜95重量部とからなる混合重合体
(ただし、成分(A)+成分(B)+成分(C)=10
0重量部)を主成分とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッション材、包
装材、吸音材、吸水材、防振材、工業用各種フィルター
等に用いられるポリオレフィン系樹脂連続気泡押出発泡
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、合成樹脂からなる連続気泡発
泡体としてウレタンフォーム、フォームラバー、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体フォームなどが知られている。
これらの発泡体は、柔軟で加工性が良いことから、洗浄
用スポンジ、緩衝材、クッション材、吸音材、工業用各
種フィルターなどの用途において使用されてきた。しか
し、これらの連続気泡押出発泡体は、耐酸、耐アルカリ
等の耐薬品性、耐候性などが劣っているため用途が限定
されていた。更に、ウレタンフォームやフォームラバー
は原料へのリサイクルが困難なものであり、エチレン−
酢酸ビニル共重合体フォームは製造時の臭気が激しいこ
とが問題となっていた。
【0003】一方、ポリオレフィン系樹脂は、耐薬品
性、耐候性において非常に優れており、またリサイクル
性にも優れている。従って、ポリオレフィン系樹脂から
なる連続気泡押出発泡体であれば、上記問題を解決する
ことができる。
【0004】そこで、従来から連続気泡のポリオレフィ
ン系樹脂発泡体を開発することが試みられてきた。例え
ば、独立気泡のポリオレフィン系樹脂発泡体に針穴加工
を行ない連続気泡発泡体とする技術が知られている。し
かしながら、単にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂を基材とする独立気泡の発泡体に針穴加工を行なって
得られた連続気泡のポリオレフィン系樹脂発泡体は、圧
縮永久歪が大きく、長期間の使用に耐え得る十分な緩衝
性を有しないものであった。
【0005】また、例えば、特公昭60−55290号
では低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合物
を使用する方法や特開2000−7817号には低流動
性と高流動性の低密度ポリエチレンの混合物を基材樹脂
として使用して連続気泡押出発泡体を得る方法が報告さ
れているが、十分な厚み、幅、発泡倍率を有するものは
得られておらず、実用性において不充分である。また、
ポリオレフィン系樹脂とアイオノマー樹脂等からなる連
続気泡の発泡体も知られている。例えば、特開平10−
279724号には、ポリオレフィン系樹脂0〜50重
量部に対して、高価なアイオノマー樹脂を100〜50
重量部使用した発泡体が開示されている。しかし連続気
泡発泡体の押出発泡を上記配合で行なうと、押出圧力が
高いのでダイにおける発熱が激しく、高発泡倍率、高厚
みの良好な連続気泡押出発泡体を得ることが困難である
という問題があり、さらに連続気泡押出発泡体を得るこ
とができるように押出発泡時に調整される溶融樹脂の設
定温度(以下、発泡温度という)範囲が狭く安定した製
造が難しいという問題もあった。また特開昭59−19
6384号は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
してアイオノマー樹脂60〜150重量部を使用するも
のが開示されているが、例えば窓枠などのシーリング材
の芯材として使用される断面積が0.1cm2程度の小
さなロッド状の発泡体である。
【0006】先に、本発明者等は、融点の異なる2種類
または3種類以上のポリオレフィン系樹脂混合物を基材
樹脂として使用する連続気泡押出発泡体を提案した。す
なわち、ポリオレフィン系樹脂からなる成分と、エチレ
ン−α,β不飽和カルボン酸共重合体(ただし、アイオ
ノマーを除く)、オレフィン系エラストマー、スチレン
系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体からな
る群から選択される一種または二種以上の重合体からな
る成分から構成される混合重合体または前記混合重合体
に熱可逆的架橋ポリマーを加えたものを主成分とする連
続気泡押出発泡体を提案した(特願2000−2317
9号)。
【0007】上記の樹脂配合では連続気泡発泡体が安定
して得られる発泡温度範囲は狭く、発泡温度より高過ぎ
ると発泡体が収縮し、望まれる倍率や厚みを有すものが
得られ難い。一方、発泡温度よりも低過ぎると独立気泡
率が高くなり所望の連続気泡発泡体が得られない。ま
た、高発泡倍率の連続気泡発泡体を得ようとすると、発
泡体の気泡膜が薄くなり押出発泡時に連続気泡化した気
泡膜の保形が困難となり良好な発泡体が得られ難い。こ
のように従来の技術においては、製品物性が均質なもの
を安定して製造することや、高発泡で連続気泡率が高い
ポリオレフィン系樹脂連続気泡押出発泡体、特に均一な
物性を有する厚物製品を安定的に製造することが難い点
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みなされたもので、製品物性が均質で、高発泡倍率で
あり気泡径の均一な連続気泡押出発泡体、特に厚物の連
続気泡押出発泡体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン系樹脂連続気泡押出発泡体に関する。すなわち、
(1)50%以上の連続気泡率を有する押出発泡体であ
って、その基材樹脂が、エチレン系アイオノマー樹脂か
らなる成分(A)4.5〜75重量部および融点が12
0℃を超えるポリオレフィン系樹脂からなる成分(B)
0.5〜30重量部と、エチレン−プロピレンゴム、ス
チレン系エラストマー、融点が120℃以下のポリエチ
レン系樹脂の群から選択される1種又は2種以上の重合
体からなる成分(C)20〜95重量部とからなる混合
重合体(ただし、成分(A)+成分(B)+成分(C)
=100重量部)を主成分とすることを特徴とするポリ
オレフィン系樹脂押出発泡体に関する。
【0010】(2)上記の融点が120℃を超えるポリ
オレフィン系樹脂からなる成分(B)が、ポリプロピレ
ン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン、密度940kg
/m 3以上のポリエチレン系樹脂の群から選択される1
種又は2種以上の混合樹脂であることを特徴とする上記
(1)記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡体に関す
る。
【0011】また、上記の押出発泡体は密度が15〜2
00kg/m3、厚みが0.5〜10mmのシート状発泡
体である上記(1)または(2)記載のポリオレフィン
系樹脂押出発泡体に関する。
【0012】また、上記の押出発泡体は密度が15〜1
00kg/m3、厚みが10〜200mmの板状発泡体で
ある上記(1)または(2)記載のポリオレフィン系樹
脂押出発泡体に関する。
【0013】さらには、上記の押出発泡体は密度が15
〜100kg/m3、押出方向に対して直交する垂直断面
の面積が少なくとも0.7cm2の長尺状発泡体である
上記(1)または(2)記載のポリオレフィン系樹脂押
出発泡体に関する。
【0014】さらに本発明は、上記の50%以上の連続
気泡率を有するポリオレフィン系樹脂押出発泡体の製造
方法に関する。すなわち、(3)エチレン系アイオノマ
ー樹脂からなる成分(A)4.5〜75重量部および融
点が120℃を超えるポリオレフィン系樹脂からなる成
分(B)0.5〜30重量部と、エチレン−プロピレン
ゴム、スチレン系エラストマー、融点が120℃以下の
ポリエチレン系樹脂の群から選択される1種または2種
以上の重合体からなる成分(C)20〜95重量部とか
らなる混合重合体(ただし、成分(A)+成分(B)+
成分(C)=100重量部)を主成分とする混合物を押
出機内で発泡剤と共に混練してなる発泡性溶融混合物
を、100℃〜140℃の温度範囲から選択される温度
にて低圧帯域に押出すことを特徴とする50%以上の連
続気泡率を有するポリオレフィン系樹脂押出発泡体の製
造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン系樹脂押
出発泡体は50%以上の連続気泡率を有するポリオレフ
ィン系樹脂押出発泡体(以下、連続気泡押出発泡体とい
う)であって、該連続気泡押出発泡体は、基材樹脂とし
て、エチレン系アイオノマー樹脂からなる成分(A)
4.5〜75重量部および融点が120℃を超えるポリ
オレフィン系樹脂からなる成分(B)0.5〜30重量
部と、エチレン−プロピレンゴム、スチレン系エラスト
マー、融点が120℃以下のポリエチレン系樹脂の群か
ら選択される1種又は2種以上の重合体からなる成分
(C)20〜95重量部とからなる混合重合体(ただ
し、成分(A)+成分(B)+成分(C)=100重量
部)を主成分とするものである。
【0016】本発明の連続気泡押出発泡体を構成する基
材樹脂の主成分である混合重合体は、成分(A)4.5
〜75重量部および成分(B)0.5〜30重量部と、
成分(C)20〜95重量部(但し、成分(A)+成分
(B)+成分(C)=100重量部)とからなり、安定
して連続気泡押出発泡体を製造することができる。ま
た、より高い発泡倍率、幅広、高厚みの発泡体を得ると
いう観点から、また押出発泡時の樹脂の粘度に起因する
発熱を抑制する観点から、成分(A)5重量部以上、5
0重量部未満、および成分(B)が1〜30重量部と、
成分(C)20〜90重量部であることが好ましく、さ
らにより優れた気泡の均一性、圧縮残留歪をより小さく
する観点からは成分(A)10〜45重量部および成分
(B)が1〜15重量部と、成分(C)40〜70重量
部(但し、成分(A)+成分(B)+成分(C)=10
0重量部)とからなることが特に好ましい。
【0017】本発明において、上記の成分(A)が4.
5重量部未満の場合は、発泡体が得られる樹脂の押出温
度では独立気泡の発泡体となり、押出温度をより高くし
て連続気泡の発泡体を得ようとしても目的の発泡体を得
ることはできない。一方、成分(A)が75重量部を超
える場合は、ダイ内における発熱が激しく、高厚み、高
発泡倍率の連続気泡押出発泡体を得ることは困難であ
る。
【0018】また、成分(B)が0.5重量部未満の場
合は、発泡体を構成している気泡の保形効果が小さくな
り均一な物性を有する肉厚、高発泡倍率の連続気泡押出
発泡体を得ることが困難になり、特に、厚物発泡体の場
合は気泡の均一性が失われ巨大気泡が発生する。一方、
成分(B)が30重量部を超える場合は、発泡性を阻害
することになり良好な連続気泡押出発泡体を得ることが
できない。
【0019】成分(C)が20重量部未満の場合は、発
泡温度付近における溶融張力の弱い成分の量が少ないこ
とにより連続気泡押出発泡体を得ることが困難となる。
一方、成分(C)が95重量部を超える場合は、成分
(A)が4.5重量部未満の場合と同様に独立気泡の発
泡体となり易く、連続気泡押出発泡体を得ることは困難
となる。
【0020】本発明の連続気泡押出発泡体は、連続気泡
率が50%以上である。連続気泡率が50%未満の場合
は、繰り返し応力に対する復元性、クッション性、柔軟
性、吸音性、吸水性、通気性といった連続気泡押出発泡
体が示す特有の機能の発現効果が少なくなり、機能およ
び物性の面において連続気泡の発泡体とは言い難くな
る。尚、本明細書における連続気泡押出発泡体の連続気
泡率とは、発泡体の一部のみの値ではなく、発泡体全体
における平均値をいう。従って、連続気泡押出発泡体の
一部分において本発明で特定する連続気泡率を下回る部
分があっても、発泡体全体の平均値が本発明で特定する
連続気泡率以上であればよい。
【0021】連続気泡押出発泡体特有の性質である繰り
返し応力に対する復元性、クッション性、柔軟性、吸音
性、吸水性、通気性が特に優れるという観点からは、連
続気泡率が70%以上、さらに80%以上であることが
好ましく、連続気泡率が70%以上になると、手で触っ
た感触が極めて柔らかく連続気泡率が70%未満のもの
とは明らかに異なるものとなる。
【0022】本明細書における連続気泡率の測定は、A
STM D−2856−70(手順C)に準じて次の様に
行なわれる。エアピクノメーターを使用して測定試料の
真の体積Vx(cm3)を求め、測定試料の外寸から見
掛けの体積Va(cm3)を求め、式(1)により連続
気泡率(%)を計算する。尚、真の体積Vxとは、測定
試料中の樹脂の体積と独立気泡部分の体積との和であ
る。
【0023】
【数1】 連続気泡率(%)={(Va−Vx)/(Va−W/ρ)}×100 (1) Wは測定試料の重量(g)、ρは発泡体を構成する基材
の密度(g/cm3)である。
【0024】測定試料は、連続気泡押出発泡体の形状に
従って以下の通り調整する。発泡体形状がシート状の場
合は、縦40mm、横25mmのシート状サンプルを複
数枚切り出し、切り出したサンプルを重ね合せて厚み約
25mmとしたものを測定試料とする。
【0025】発泡体形状が板状の場合は、縦25mm、
横25mm、厚み40mmの直方体サンプルを切り出
し、切り出したサンプルを測定試料とする。尚、厚みが
40mmの直方体サンプルを切り出せない場合は、重ね
合せて所定の厚みに調整して測定試料とする。また板状
発泡体の場合、発泡体の部分部分において連続気泡率が
バラツク場合があるため、該発泡体全体の連続気泡率の
バラツキ方が把握できるように、該発泡体の各部分から
均等に測定試料を切り出し(少なくとも10個以上)、
切り出した各々の測定試料の連続気泡率の算術平均をも
って連続気泡押出発泡体の連続気泡率とする。
【0026】発泡体形状が長尺状の場合は、縦25m
m、横25mm、厚み40mmの直方体サンプルを切り
出し、切り出したサンプルを測定試料とする。尚、縦、
横、及び/又は厚みが所定の寸法の直方体サンプルを切
り出せない場合は、複数の直方体サンプルを重ね合せた
り、並べる等して所定の寸法に調整して測定試料とす
る。また、板状発泡体と同様に長尺発泡体は、発泡体の
部分部分において連続気泡率がバラツク場合があるた
め、板状発泡体と同様に各部分から切り出した測定試料
の算術平均値をもって連続気泡押出発泡体の連続気泡率
とする。
【0027】本発明の連続気泡押出発泡体の基材樹脂の
主成分は、エチレン系アイオノマー樹脂からなる成分
(A)と、融点が120℃を超えるポリオレフィン系樹
脂からなる成分(B)と、エチレン−プロピレンゴム、
スチレン系エラストマー、融点120℃以下のポリエチ
レン系樹脂の群から選択される1種又は2種以上の重合
体からなる成分(C)とから構成される混合重合体であ
る。尚、本発明において、混合重合体が基材樹脂の主成
分であるとは、混合重合体が連続気泡押出発泡体を構成
する基材中に少なくとも50重量%を超え、好ましくは
75重量%以上混合されていることを意味する。
【0028】上記成分(A)、(B)および(C)との
混合重合体からなる基材樹脂の主成分と共に混合して基
材樹脂を構成することができるものとしては、本発明の
目的、効果を阻害しない範囲で従来公知の樹脂またはゴ
ムなどが混合でき、中でも加熱することにより架橋構造
が弱まる、いわゆる熱可逆的架橋構造を有する、エチレ
ン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合
体、エチレン−ブテン−1共重合体等の変性ポリオレフ
ィン重合体と水酸基末端ポリブタジエン水添物、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチルグラフトエチレン−ブテン
−1共重合体、低分子量ポリオレフィンポリオール等の
水酸基含有重合体との重合体組成物を混合させたものは
圧縮弾性が向上し、圧縮残留歪も小さな優れた連続気泡
押出発泡体となるため特に好ましい。
【0029】本発明における基材樹脂の上記成分(A)
を構成するエチレン系アイオノマー樹脂とは、エチレン
単量体とアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、桂皮酸などのα,β不飽和カルボン
酸との共重合体の金属塩架橋物である。この金属塩とし
ては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、典型金属
塩、または遷移金属塩等が挙げられる。該重合体の金属
塩架橋物は分子間を金属イオンのイオン結合力により一
種の架橋構造を形成することにより常温では架橋高分子
のような物性を示し、押出成形可能な高温では無架橋の
高分子のような加工性を示す。
【0030】このようなエチレン系アイオノマー樹脂と
して具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、またはエ
チレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで
架橋したアイオノマー樹脂が挙げられる。尚、エチレン
系アイオノマー樹脂は単独のものに限らず、2種類以上
のエチレン系アイオノマー樹脂を混合したものであって
もよい。
【0031】本発明に使用される上記のエチレン系アイ
オノマー樹脂の中和度は通常10〜90モル%であり、
特に30〜90モル%のものが好ましい。またケン化度
は、50モル%以上、特に70〜100モル%ものが好
ましい。中和度、ケン化度をこのように調整することに
より混合重合体中での他の成分との混練性が良好なもの
となる。
【0032】尚、中和度およびケン化度は、赤外分光分
析で測定される。具体的には、赤外分光分析の測定結果
として得られる不飽和カルボン酸エステルの単量体単位
のモル数(a)、不飽和カルボン酸金属塩の単量体単位
のモル数(b)、不飽和カルボン酸の単量体単位のモル
数(c)から、下記式(2)、(3)によって求められ
る。
【0033】
【数2】 中和度(モル%)={b/(b+c)}×100 (2)
【0034】
【数3】 ケン化度(モル%)={(b+c)/(a+b+c)}×100 (3)
【0035】本発明における基材樹脂を構成する融点1
20℃を超えるポリオレフィン系樹脂からなる成分
(B)は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリブテン系樹脂等が挙げられ、これらのうち、高
密度ポリエチレンなどの密度940kg/m3以上のポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および/また
は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましく、特に、密
度940kg/m3以上のポリエチレン系樹脂および/
またはポリプロピレン系樹脂、さらには、密度940k
g/m3以上のポリエチレン系樹脂が好ましい。上記成
分(B)により、押出発泡時の発泡温度範囲を広げ安定
して良好な連続気泡押出発泡体を製造することができる
ようになる。
【0036】上記の成分(B)を構成する融点が120
℃を超えるポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体
やエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン等との共
重合体であって、エチレン成分が50重量%以上含有さ
れているものをいい、具体的には高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチ
レン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−グリシ
ジルメタクリレート等のうち融点が120℃を超えるも
のが挙げられる。尚、ポリエチレン系樹脂は単独に限ら
ず2種類以上のポリエチレン系樹脂を混合したものであ
ってもよい。
【0037】上記成分(B)を構成する融点が120℃
を超えるポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンの単独
重合体やプロピレンと他のモノマー成分との共重合体で
あって、プロピレン成分が50重量%以上含有されてい
るものをいう。該共重合体は、ランダム共重合体でもブ
ロック共重合体でもグラフト共重合体でも良く、共重合
体を構成する他のモノマー成分としてはエチレン、1-ブ
テン、イソブチレン、1-ペンテン、3−メチル−1−ブ
テン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1
−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられ
る。尚、ポリプロピレン系樹脂は単独のものに限らず、
プロピレン−エチレンランダム共重合体とプロピレン−
エチレンブロック共重合体との混合物など2種類以上混
合したものであってもよい。
【0038】尚、本発明において成分(B)は、ポリエ
チレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン樹脂
等を単独で用いるだけでなく、2種類以上混合して用い
てもよい。
【0039】本発明における基材樹脂を構成する成分
(C)は、エチレン−プロピレンゴム、スチレン系エラ
ストマー、融点120℃以下のポリエチレン系樹脂の群
から選択される1種又は2種以上の重合体からなる。
【0040】上記成分(C)を構成する融点120℃以
下のポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合
体やエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン等との
共重合体であって、エチレン成分が50重量%以上含有
されているものをいい、具体的には,低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、エチレン−無水マレイン酸共重
合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ビニルア
ルコール、エチレン−グリシジルメタクリレート、エチ
レン−α、β不飽和カルボン酸共重合体(ただし、アイ
オノマーを除く)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
うち融点120℃以下ものが挙げられる。これらポリエ
チレン系樹脂の中でも低密度ポリエチレン、エチレン−
α、β不飽和カルボン酸共重合体(ただし、アイオノマ
ーを除く)、エチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ま
しい。なお、該ポリエチレン系樹脂は単独に限らず2種
類以上を混合して使用することもできる。
【0041】上記成分(C)におけるエチレン−α,β
不飽和カルボン酸共重合体のα,β不飽和カルボン酸成
分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸、桂皮酸やこれらのアルキルエス
テル等が挙げられ、汎用性の面からアクリル酸、メタク
リル酸、及びこれらのアルキルエステルが好ましい。
【0042】上記成分(C)におけるエチレン−α,β
不飽和カルボン酸共重合体とは、上記α,β不飽和カル
ボン酸成分にエチレンを共重合させたものである。具体
的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル
酸エチル共重合体等が挙げられる。尚、上記エチレン−
α,β不飽和カルボン酸共重合体中のα,β不飽和カル
ボン酸成分の含有率は、2〜50重量%、特に10〜4
0重量%であることが好ましい。
【0043】上記成分(C)におけるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体としては、好ましくは酢酸ビニル含有量が
5〜50重量%のものであり、前記成分(A)の樹脂と
の粘度差が適度であることから、押出工程において安定
して連続気泡率50%から100%の範囲内の目的とす
る特定の連続気泡率を有する押出発泡体を得ることがで
きる。
【0044】本明細書において、上記成分(B)を構成
するポリオレフィン系樹脂、上記成分(C)を構成する
ポリエチレン系樹脂の融点は、JIS K7121(1
987)に基づいて熱流束DSC曲線により一定の熱処
理を行った試験片から求められるピークの頂点温度とす
る。なお、二つ以上のピークが現れる場合は、ピーク面
積の最も大きな主ピークの頂点温度を融点とする。また
上記成分(B)のポリエチレン系樹脂の密度は、JIS
K7112(1980)により求められる。
【0045】上記成分(C)を構成するエチレン−プロ
ピレンゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体や
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が挙げられ
る。
【0046】上記成分(C)を構成するスチレン系エラ
ストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレ
ン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合
体、SBSの水添物、SISの水添物等が挙げられる。
【0047】また、本発明において基材樹脂には、収縮
防止剤、気泡調節剤、耐候剤、紫外線吸収剤、紫外線反
射剤、赤外線吸収剤、赤外線反射剤、難燃剤、滑材、着
色剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、無機充填剤、
ゴム等の各種添加剤を必要に応じて適宜配合することが
できる。
【0048】本発明においては特に上記添加剤の中で
も、収縮防止剤を基材樹脂100重量部に対して0.1
〜15重量部添加することが、良好な発泡体、特に高発
泡倍率、高い厚みの発泡体を得ることができるので好ま
しい。
【0049】収縮防止剤としては、炭素数10以上、好
ましくは15〜25の脂肪酸と水酸基3〜7個を有する
多価アルコールとのエステル、炭素数10以上、好まし
くは炭素数15〜25の脂肪酸アミン、炭素数10以
上、好ましくは炭素数15〜25の脂肪酸アミド等が挙
げられる。
【0050】上記収縮防止剤の炭素数10以上の脂肪酸
としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、
モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などが挙げられ、
水酸基3〜7個を有する多価アルコールとしては、グリ
セリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エリトリッ
ト、アラビット、キシリット、マンニット、ソルビッ
ト、ソルビタン等が挙げられる。尚、収縮防止剤は、2
種以上の収縮防止剤を混合して使用してもよい。
【0051】収縮防止剤の具体例としては、モノステア
リン酸グリセライド、モノベヘン酸グリセライド、ジス
テアリン酸グリセライド、トリステアリン酸グリセライ
ド、ポリオキシエチレンミリスチルアミン、ポリオキシ
エチレンパルミチンアミン、ポリオキシエチレンステア
リルアミン、ラウリル酸アミド、ミリスチン酸アミド、
パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられ
る。
【0052】また、上記気泡調節剤としては、タルク、
シリカ、クレー等の無機質系微粉末状物、酒石酸水素ナ
トリウム、コハク酸水素カリウム、クエン酸ナトリウ
ム、クエン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、シュウ酸ナトリウムなどの多価カルボン酸のアル
カリ金属塩等の炭酸塩又は重炭酸塩等が挙げられ、基材
100重量部に対して、0.01〜10重量部添加する
ことが好ましい。
【0053】本発明の連続気泡押出発泡体の製造におい
て使用される発泡剤としては、物理発泡剤、分解型発泡
剤のいずれも使用できるが、発泡倍率の高い連続気泡押
出発泡体を得るには物理発泡剤を使用することが好まし
い。物理発泡剤としては例えば、プロパン、ノルマルブ
タン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、
ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の
脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化
水素、1,1,1,2-テトラフロロエタン、1,1-ジフロロエタ
ン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチ
ルエーテル等のエーテル系のもの、二酸化炭素、窒素、
水などの無機系のもの等が挙げられる。分解型発泡剤と
しては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。上記し
た発泡剤は、2種類以上混合して使用することができ、
また、気泡径の調整等も兼ねて分解型発泡剤を物理発泡
剤に併用することもできる。
【0054】本発明の連続気泡押出発泡体は、好ましく
は密度15〜200kg/m3のものであり、シート状
発泡体、板状発泡体、長尺状発泡体等として使用するこ
とができる。本発明の連続気泡押出発泡体がシート状発
泡体である場合は、密度が15〜200kg/m3、さら
に、15〜60kg/m3、厚みが0.5〜10mmのシ
ート状発泡体であることが好ましい。またシート状発泡
体の幅は45cm以上、特に90cm以上のものが好ま
しく、幅の上限は190cm程度である。かかる構成の
シート状発泡体は、従来のポリオレフィン系樹脂発泡シ
ートにはない優れた柔軟性を有し、包装用材料に好適な
ものである。また、製袋加工、熱成形等の加工も可能で
あり、袋、果物トレー等の容器としても使用することが
できる。また、他のポリプロピレン系樹脂発泡シート、
ポリスチレン系樹脂発泡シート等の保形性を有する素材
を積層一体化した積層シートを抜き加工して得られる仕
切り材、該積層シートを熱成形して得られる高い緩衝性
等を有する果物包装材や精密機械物品等の包装容器等、
多種多様の用途で使用できる。
【0055】本発明の連続気泡押出発泡体が板状発泡体
である場合は、密度が15〜100kg/m3、厚みが1
0〜200mmであることが好ましい。また、板状発泡
体の幅は少なくとも8cm、さらに25cm以上のもが
好ましく、幅の上限は150cm程度である。かかる構
成の板状発泡体は、衝撃吸収パッド、吸音材、クッショ
ン材等に好適なものであり、特に主流のクッション材と
して使用されている軟質ウレタン連泡発泡体と比較する
と、緩やかな圧縮変形を示すものであり、この特性は上
記クッション材等の用途において、特筆すべき優れた性
質である。この板状発泡体は、抜き加工、切削加工によ
り用途に応じた所望の形状に加工することができる。
【0056】本発明の連続気泡押出発泡が長尺状発泡体
である場合は、密度が15〜100kg/m3、押出方向
に対して直交する垂直断面の面積が、少なくとも0.7
cm 2、さらに1〜900cm2であることが好ましい。
かかる構成の長尺状発泡体は、筒型形状のものは長手方
向に切れ目を形成することにより、パイプ、柱等の緩衝
保護材として使用することができ、柱形状のものは該発
泡体特有の回復遅延性を生かし、パッキン材、シール材
等の埋込み材として使用することができる。また、多数
の長尺状発泡体の側面同士を結合することにより、大き
な容積のクッション材等を容易に得ることができる。
【0057】本発明において、連続気泡押出発泡体の厚
み、密度の測定は次のようにして行われる。すなわち、
連続気泡押出発泡体の厚みは、該発泡体の厚みを幅方向
の端部から他方の端部まで等間隔に10点測定し、それら
10点の相加平均値とする。また、連続気泡押出発泡体の
密度は、縦5cm×横5cm×発泡体厚み、の試験片の
重量(g)を測定し、次に試験片の外形寸法から試験片
の体積(cm3)を求め、試験片の重量(g)をその体
積で除することにより求められた値をkg/m3に単位換
算する。
【0058】本発明の連続気泡押出発泡体は、上記基材
樹脂と、必要に応じて添加するタルク等の気泡調整剤、
収縮防止剤等とを押出機に供給し加熱溶融、混練し、更
に発泡剤を供給して発泡性溶融樹脂混合物とした後、押
出樹脂温度、押出ダイ内部圧力、吐出量等を調整して、
押出機先端に取り付けたダイから低圧域に押出して発泡
させることにより得ることができる。なお、成分
(A),(B),(C)などを混合して得られる基材樹
脂の調整は、各成分をドライブレンドする方法、スクリ
ューフィーダー等を使用して各成分を各々押出機原料供
給口から投入して押出機中で混合する等それ自体公知の
方法が採用できる。
【0059】また、目的とする発泡体の形状に応じて、
押出機先端に取り付けるダイを選択することにより、シ
ート状発泡体、板状発泡体、長尺状発泡体などの各種形
状の連続気泡押出発泡体を製造することができる。例え
ば、環状ダイを取り付ければシート状の発泡体を得るこ
とができ、フラットダイを取り付ければ板状の発泡体を
得ることができ、長尺物の断面形状に合せた孔を有する
ダイを取り付ければ柱状もしくは筒状の長尺状発泡体を
得ることができ、多孔ダイを取り付ければ紐状もしくは
多数の長尺状発泡体側面が融着された押出方向に対して
直交する広い垂直断面を有する発泡体を得ることがで
き、異形ダイを取り付ければ種々の異なる断面形状の発
泡体を製造することができる。
【0060】また、必要に応じて押出機とダイの間もし
くはダイ内にアキュームレーターを設置してもよい。ア
キュームレーターを設置することにより、吐出速度を飛
躍的に増大させることができるので、小さな押出機であ
っても、高発泡倍率、高厚みの本発明発泡体、特に板
状、長尺状の発泡体を得ることができる。
【0061】本発明において、連続気泡率が50%以上
である連続気泡押出発泡体は、上記基材、発泡剤等を押
出機に供給し、加熱溶融混練して発泡性溶融樹脂混合物
とした後、押出樹脂温度を適正な発泡温度範囲内に調節
することによって形成することができる。すなわち、押
出樹脂温度が適正な発泡温度範囲内に調節された発泡性
溶融樹脂混合物は、発泡剤の発泡力に抗する粘弾性を有
し、均一に発泡し、気泡膜が形成される段階において、
融点120℃以下のポリオレフィン系樹脂等の前記成分
(C)が、前記の成分(A)+成分(B)の伸びに追従
できず、前記成分(A)+成分(B)に比べ軟化点が低
く、粘弾性の低下している成分(C)に起因して気泡膜
が破れ、一様に連続気泡化する。その際、成分(C)に
起因する気泡膜の破壊が発生しても成分(A)の十分な
粘弾性により、気泡形状自体は維持される。そして、本
発明においては、基材樹脂中にさらに成分(B)を含有
するため、成分(B)の発泡後の結晶化による溶融粘度
向上効果が、発泡体を構成する気泡の剛性を向上させる
ことに繋がり、そのことが成分(A)の気泡形状維持機
能を補助する結果となり、安定して連続気泡押出発泡体
が得られる押出発泡時の発泡温度範囲が広がるものと考
えられる。
【0062】具体的な押出樹脂温度は、100〜140
℃、さらに110〜130℃の範囲内で調節することが
好ましい。押出樹脂温度が、100℃未満の場合は、発
泡時の上記成分(A)および成分(C)の弾性力が強す
ぎるため、高発泡倍率の連続気泡押出発泡体を得ること
ができない虞がある。一方、押出樹脂温度が、140℃
を超える場合は、得られる発泡体が収縮し易く、発泡体
中に巨大気泡が発生し易いなどの問題が生じる虞れがあ
る。
【0063】また、連続気泡押出発泡体の連続気泡率
は、前述の基材樹脂中の成分(C)の重合体の選択や成
分(C)の重合体に滑剤を添加する等の方法により、成
分(C)の粘度を調節することにより調整することがで
きる。
【0064】以上の通り、50%以上の連続気泡率を有
する押出発泡体を得る方法について説明したが、本発明
においては、連続気泡率が50%以上の連続気泡押出発
泡体を製造した後、該発泡体を針で刺すなどの針穴加工
や、加熱膨張或いは圧縮などによって気泡膜を破壊する
方法などの2次加工により発泡体の連続気泡率を更に高
めることもできる。
【0065】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。使用した樹脂又は重合体の密度、メルトフロー
レイト、融点を表1に示す。尚、表1のメルトフローレ
イト(MFR)はJIS K7210(1976)に従
い、JIS K7210(1976)の条件4にて測定
した値である。
【0066】
【表1】 (注) アイオノマー:エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エ
ステルターポリマーの金属塩架橋物。 HDPE :高密度ポリエチレン。 LLDPE :直鎖状低密度ポリエチレン。 PP :ポリプロピレンホモポリマー。 LDPE :低密度ポリエチレン。 EMMA :エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(エチ
レン含有量75%)。 VLDPE :直鎖状超低密度ポリエチレン。 EMAA :エチレン−メタクリル酸共重合体(エチレン
含有量92%)。
【0067】実施例1 「樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部と「樹脂
G」57重量部が配合された混合樹脂100重量部とベ
ースレジン100重量部に対して、クエン酸ナトリウム
5重量部、タルク10重量部を配合したポリエチレンベ
ースの気泡調整剤マスターバッチを2重量部とステアリ
ン酸モノグリセライド12重量部を配合したポリエチレ
ンベースの収縮防止剤マスターバッチを10重量部を配
合した原料を、口径50mmの第1押出機と口径65m
mの第2押出機がクロスバーで連結された押出機に供給
して加熱、混練して溶融樹脂とした後、さらに物理発泡
剤としてイソブタンを混合樹脂100重量部に対して8
重量部の割合で押出機内の樹脂中に圧入混練して発泡性
溶融物とした。次いで、押出機内で溶融混練された溶融
物をスリット間隔3mm、スリット幅30mmのフラッ
トダイスから押出し板状の連続気泡押出発泡体を得た。
得られた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚
み、幅をそれぞれ測定し、その結果を表2にそれぞれ示
した。また、表中に示した発泡体断面の気泡の均一性、
製造安定性は、以下の基準に従って評価し、表2に示し
た。
【0068】[気泡の均一性の評価] ○……発泡体断面の中央部に巨大気泡、気泡の潰れ、の
いずれも観察されず、気泡形状が均一なもの。 △……発泡体断面の気泡形状が不均一なもの。 ×……発泡体断面の中央部に巨大気泡、または気泡の潰
れが観察されるもの。
【0069】[製造安定性の評価] ○……発泡温度が3℃以上の温度範囲において密度の変
化が5kg/m3未満、連続気泡率の変化が5%以下のも
の。 ×……発泡温度が3℃以内の温度範囲において密度の変
化が5kg/m3以上、または連続気泡率の変化が5%を
超えるもの。 また、表中の平均気泡径は、発泡体の押出し方向または
幅方向の垂直断面より得られた写真に基づき、厚み方向
に発泡体全厚みに亘る直線を引き、該直線と交わる気泡
数(個)を数え、得られた気泡数(個)で発泡体厚み
(mm)を割り算出することにより求めた値である。
【0070】
【表2】
【0071】実施例2「 樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部および「樹
脂H」57重量部が配合された混合樹脂100重量部と
した以外は実施例1と同じ条件で押出し板状連続気泡押
出発泡体を得た。得られた発泡体の密度、連続気泡率、
平均気泡径、厚み、幅をそれぞれ測定し、また発泡体断
面の気泡の均一性、製造安定性を前記により評価しその
結果を表3にそれぞれ示した。
【0072】
【表3】
【0073】実施例3「 樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部とした以外は実施例1
と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得
られた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、
幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、
製造安定性を前記により評価しその結果を表4にそれぞ
れ示した。
【0074】
【表4】
【0075】実施例4 「樹脂A」29重量部と、「樹脂B」5重量部,「樹脂
F」38重量部および「樹脂I」28重量部が配合され
た混合樹脂100重量部とベースレジン100重量部に
対して、クエン酸ナトリウム5重量部、タルク10重量
部を配合したポリエチレンベースの気泡調整剤マスター
バッチを2重量部とステアリン酸モノグリセライド12
重量部を配合したポリエチレンベースの収縮防止剤マス
ターバッチを10重量部を配合した原料を、口径50m
mの第1押出機と口径65mmの第2押出機がクロスバ
ーで連結された押出機に供給して加熱、混練して溶融樹
脂とした後、さらに物理発泡剤としてイソブタンを混合
樹脂100重量部に対して5.8重量部の割合で押出機
内の樹脂中に圧入混練して発泡性溶融物を押出機と連結
したアキュムレーターに充填した後、口径90mmのア
キュムレーターから発泡性溶融物を射出するとともに、
スリット間隔3mm、スリット幅90mmのフラットダ
イスから押出し板状の連続気泡押出発泡体を得た。得ら
れた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅
をそれぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製
造安定性を前記により評価しその結果を表5にそれぞれ
示した。
【0076】
【表5】
【0077】実施例5「 樹脂A」33.3重量部と、「樹脂B」16.7重量
部,「樹脂F」25重量部および「樹脂I」25重量部
が配合された混合樹脂100重量部とした以外は実施例
1と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。
得られた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚
み、幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一
性、製造安定性を前記により評価しその結果を表6にそ
れぞれ示した。
【0078】
【表6】
【0079】実施例6「 樹脂A」40重量部と、「樹脂B」3重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部として、イソブタンを
混合樹脂100重量部に対して8.7重量部の割合で押
出機内の樹脂中に圧入混練した以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表7にそれぞれ示し
た。
【0080】
【表7】
【0081】実施例7「 樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部として、イソブタンを
混合樹脂100重量部に対して8.7重量部の割合で押
出機内の樹脂中に圧入混練した以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表8にそれぞれ示し
た。
【0082】
【表8】
【0083】実施例7は、発泡温度が5℃以上の温度範
囲において、密度の変化が5kg/m3未満、連続気泡
率の変化が5%以下であり、製造安定性に優れており、
後述の比較例3にみられるような発泡体断面中央部に気
泡の潰れは認められず、気泡の均一性に優れているもの
である。また、比較例3と同量の発泡剤でも実施例7が
発泡効率が高く密度の低い連続気泡押出発泡体が得られ
ることが分る。
【0084】実施例8「 樹脂A」38重量部と、「樹脂C」5重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部として、イソブタンを
混合樹脂100重量部に対して8.7重量部の割合で押
出機内の樹脂中に圧入混練した以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表9にそれぞれ示し
た。
【0085】
【表9】
【0086】実施例9「 樹脂A」38重量部と、「樹脂D」5重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部として、イソブタンを
混合樹脂100重量部に対して8.7重量部の割合で押
出機内の樹脂中に圧入混練した以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表10にそれぞれ示し
た。
【0087】
【表10】
【0088】実施例10「 樹脂A」38重量部と、「樹脂E」5重量部,「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂I」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部として、イソブタンを
混合樹脂100重量部に対して8.7重量部の割合で押
出機内の樹脂中に圧入混練した以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表11にそれぞれ示し
た。
【0089】
【表11】
【0090】実施例11「 樹脂A」29重量部と、「樹脂B」5重量部、「樹脂
F」37重量部および「樹脂G」29重量部が配合され
た混合樹脂100重量部とした以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表12にそれぞれ示し
た。
【0091】
【表12】
【0092】実施例12「 樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部、「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂J」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部とした以外は実施例1
と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得
られた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、
幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、
製造安定性を前記により評価しその結果を表13にそれ
ぞれ示した。
【0093】
【表13】
【0094】実施例13「 樹脂A」38重量部と、「樹脂B」5重量部、「樹脂
F」28.5重量部および「樹脂K」28.5重量部が
配合された混合樹脂100重量部とした以外は実施例1
と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得
られた発泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、
幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、
製造安定性を前記により評価しその結果を表14にそれ
ぞれ示した。
【0095】
【表14】
【0096】比較例1「 樹脂A」43重量部と、「樹脂G」57重量部を混合し
た混合樹脂100重量部とした以外は実施例1と同じ条
件で押出し板状連続気泡押出発泡体を得た。得られた発
泡体の密度、連続気泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれ
ぞれ測定し、また発泡体断面の気泡の均一性、製造安定
性を前記により評価しその結果を表15にそれぞれ示し
た。
【0097】
【表15】
【0098】比較例1は、発泡温度が3℃以上の温度範
囲において、密度の変化が5kg/m3未満、連続気泡
率の変化が5%以下のものであるが、実施例1ではその
温度範囲は5℃以上に広がっており、実施例1の方が製
造安定性に優れていることが認められる。また、比較例
1で得られた発泡体は製品としては使用可能ではある
が、発泡体断面の極く一部に気泡の不均一な部分が観察
されるため、実施例1のものの方が気泡の均一性に優れ
ている。
【0099】比較例2「 樹脂A」43重量部と、「樹脂F」28.5重量部と
「樹脂I」28.5重量部を混合した混合樹脂100重
量部とした以外は実施例1と同じ条件で押出し板状連続
気泡押出発泡体を得た。得られた発泡体の密度、連続気
泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれぞれ測定し、また発
泡体断面の気泡の均一性、製造安定性を前記により評価
しその結果を表16にそれぞれ示した。
【0100】
【表16】 (表中「--」は測定せず)
【0101】比較例2は、発泡温度が3℃以内の温度範
囲において、密度の変化が5kg/m3以上であり、製
造安定性に欠け発泡温度が117℃以上で得られたもの
は発泡体断面の中央部に気泡の潰れが観察された。これ
に対して実施例3は、発泡温度が5℃以上の温度範囲に
おいて密度の変化が5kg/m3未満、連続気泡率の変
化が5%以下であり、製造安定性に優れていることが認
められる。
【0102】比較例3「 樹脂A」43重量部と、「樹脂F」28.5重量部と
「樹脂I」28.5重量部を混合した混合樹脂100重
量部とし、イソブタンを混合樹脂100重量部に対して
8.7重量部の割合で押出機内の樹脂中に圧入混練した
以外は実施例1と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発
泡体を得た。得られた発泡体の密度、連続気泡率、平均
気泡径、厚み、幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の
気泡の均一性、製造安定性を前記により評価しその結果
を表17にそれぞれ示した。
【0103】
【表17】 (表中「--」は測定せず)
【0104】比較例3は、発泡温度が3℃の温度範囲に
おいて、密度の変化が5kg/m3以上であり、製造安
定性に欠け発泡温度が120℃以上で得られたものは発
泡体断面の中央部に気泡の潰れが観察された。これに対
して実施例7は、発泡温度が5℃以上の温度範囲におい
て密度の変化が5kg/m3未満、連続気泡率の変化が
5%以下であり、製造安定性に優れており、発泡体断面
の中央部に気泡の潰れは観察されないものであった。
【0105】比較例4「 樹脂A」34重量部と、「樹脂F」37重量部と「樹脂
G」29重量部を混合した混合樹脂100重量部とした
以外は実施例1と同じ条件で押出し板状連続気泡押出発
泡体を得た。得られた発泡体の密度、連続気泡率、平均
気泡径、厚み、幅をそれぞれ測定し、また発泡体断面の
気泡の均一性、製造安定性を前記により評価しその結果
を表18にそれぞれ示した。
【0106】
【表18】 (表中「--」は測定せず)
【0107】比較例4は、発泡温度が3℃以内の温度範
囲において、密度の変化が5kg/m3を超えるもので
あり、製造安定性に欠け発泡温度が117℃以上で得ら
れたものは発泡体断面に気泡の不均一な部分が観察され
た。これに対して実施例11は、発泡温度が3℃以上の
温度範囲において密度の変化が5kg/m3未満、連続
気泡率の変化が5%以下であり、製造安定性に優れてお
り、発泡体断面の気泡は均一性に優れている。
【0108】比較例5「 樹脂A」43重量部と、「樹脂F」28.5重量部と
「樹脂J」28.5重量部を混合した混合樹脂100重
量部とした以外は実施例1と同じ条件で押出し板状連続
気泡押出発泡体を得た。得られた発泡体の密度、連続気
泡率、平均気泡径、厚み、幅をそれぞれ測定し、また発
泡体断面の気泡の均一性、製造安定性を前記により評価
しその結果を表19にそれぞれ示した。
【0109】
【表19】
【0110】比較例5は、発泡温度が3℃以内の温度範
囲において、密度の変化が5kg/m3以上であり、製
造安定性に欠け発泡温度が119℃以上で得られたもの
は発泡体断面の中央部に気泡潰れが観察された。これに
対して実施例12は、発泡温度が3℃以上の温度範囲に
おいて密度の変化が5kg/m3未満、連続気泡率の変
化が5%以下であり、製造安定性に優れており、発泡体
断面の気泡は均一性に優れている。
【0111】比較例6 「樹脂B」5重量部と「樹脂F」67重量部及び「樹脂
H」28重量部とが混合された混合樹脂100重量部と
し、ダイスを4mmφのロッドダイスとした以外は実施
例1と同条件で押出してロッド形状の連続気泡押出発泡
体を得ようとしたが、発泡体は得られなかった。
【0112】以下に、実施例6〜9、比較例3で得られ
た発泡体の圧縮強度を表20に、実施例6〜10、比較
例3で得られた発泡体の圧縮残留歪率、繰返圧縮残留歪
率を表21、表22にそれぞれ示す。尚、圧縮強度、圧
縮残留歪の試験方法は次の通りである。
【0113】[圧縮強度]JIS Z0234(197
6)A法に準じて静的圧縮試験を行った。試験片の大き
さは、縦50mm×横50mm×発泡体の厚みとし、荷
重速度を10mm/分として、試験片厚みの80%まで
圧縮した後、荷重速度と同じ速度で圧縮を解除し、圧縮
応力が0Paとなった時点で測定を終了し、応力−歪曲
線を得た。得られた該曲線より5%圧縮時の荷重、及び
25%圧縮時の荷重を読み取り、5%圧縮強度及び25
%圧縮強度を算出した。
【0114】[圧縮残留歪率]試験雰囲気条件を23
℃、相対湿度50%とした以外はJIS K6401
(1980)に準じて、圧縮残留歪試験を行った。試験
片の大きさは、縦50mm×横50mm×発泡体の厚み
とし、試験片の50%まで圧縮したまま22時間放置し
た後、圧縮を解除し30分経過後、24時間経過後の試
験片の厚みを測定し、残留歪率を算出した。
【0115】[繰返圧縮残留歪率]試験雰囲気条件を2
3℃、相対湿度50%とした以外はJIS K6401
(1980)に準じて、繰返圧縮残留歪試験を行った。
試験片の大きさは、縦50mm×横50mm×発泡体の
厚みとし、60回/分の速さで、試験片の厚みの50%
に連続80000回繰り返し圧縮した後、圧縮を解除し
30分経過後、24時間経過後の試験片の厚みを測定し
残留歪率を算出した。
【0116】
【表20】
【0117】
【表21】
【0118】
【表22】
【0119】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡
体は、50%以上の連続気泡率を有する泡押出発泡体で
あって、その基材樹脂が、エチレン系アイオノマー樹脂
からなる成分(A)4.5〜75重量部および融点が1
20℃を超えるポリオレフィン系樹脂からなる成分
(B)0.5〜30重量部と、エチレン−プロピレンゴ
ム、スチレン系エラストマー、融点が120℃以下のポ
リエチレン系樹脂の群から選択される1種又は2種以上
の重合体からなる成分(C)20〜95重量部とからな
る混合重合体(ただし、成分(A)+成分(B)+成分
(C)=100重量部)を主成分とすることを特徴とす
るものである。本発明において、上記構成を有する基材
樹脂を使用することにより、高い発泡倍率を有し、厚み
の厚い連続気泡押出発泡体、あるいは幅広の連続気泡押
出発泡体において、気泡径が均一で、機械的物性におい
て部分的なバラツキの少ない良好なものとなる。また、
本発明の方法において、上記構成の基材樹脂、特に成分
(B)の融点が120℃を超えるポリオレフィン系樹脂
を特定量、成分(A),(C)に対して加えることによ
り、押出発泡時の温度範囲が広がり、安定して良好な連
続気泡押出発泡体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08L 53/02 // B29K 21:00 B29K 21:00 23:00 23:00 105:04 105:04 B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 北浜 卓 栃木県鹿沼市さつき町10−3株式会社ジェ イエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA17 AA25 AA31 AA32 AA98 AB03 CA22 DA02 DA13 DA33 DA37 DA40 DA57 4F207 AA03 AA10 AA11 AA13 AA45 AB02 AG20 AH03 AH43 AH46 AR02 AR06 KA01 KA11 KM15 4J002 BB033 BB05W BB053 BB06W BB07W BB08W BB09W BB093 BB103 BB15W BB153 BB23X BC04W BP01W CD193 GD05 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50%以上の連続気泡率を有する押出発
    泡体であって、その基材樹脂が、エチレン系アイオノマ
    ー樹脂からなる成分(A)4.5〜75重量部および融
    点が120℃を超えるポリオレフィン系樹脂からなる成
    分(B)0.5〜30重量部と、エチレン−プロピレン
    ゴム、スチレン系エラストマー、融点が120℃以下の
    ポリエチレン系樹脂の群から選択される1種又は2種以
    上の重合体からなる成分(C)20〜95重量部とから
    なる混合重合体(ただし、成分(A)+成分(B)+成
    分(C)=100重量部)を主成分とすることを特徴と
    するポリオレフィン系樹脂押出発泡体。
  2. 【請求項2】 融点が120℃を超えるポリオレフィン
    系樹脂からなる成分(B)が、ポリプロピレン系樹脂、
    直鎖状低密度ポリエチレン、密度940kg/m3以上
    のポリエチレン系樹脂の群から選択される1種または2
    種以上の混合樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    のポリオレフィン系樹脂押出発泡体。
  3. 【請求項3】 密度が15〜200kg/m3、厚みが
    0.5〜10mmのシート状発泡体である請求項1また
    は2に記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡体。
  4. 【請求項4】 密度が15〜100kg/m3、厚みが1
    0〜200mmの板状発泡体である請求項1または2に
    記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡体。
  5. 【請求項5】 密度が15〜100kg/m3、押出方向
    に対して直交する垂直断面の面積が少なくとも0.7c
    2の長尺状発泡体である請求項1または2に記載のポ
    リオレフィン系樹脂押出発泡体。
  6. 【請求項6】 エチレン系アイオノマー樹脂からなる成
    分(A)4.5〜75重量部および融点が120℃を超
    えるポリオレフィン系樹脂からなる成分(B)0.5〜
    30重量部と、エチレン−プロピレンゴム、スチレン系
    エラストマー、融点が120℃以下のポリエチレン系樹
    脂の群から選択される1種または2種以上の重合体から
    なる成分(C)20〜95重量部とからなる混合重合体
    (ただし、成分(A)+成分(B)+成分(C)=10
    0重量部)を主成分とする混合物を押出機内で発泡剤と
    共に混練してなる発泡性溶融混合物を、100℃〜14
    0℃の温度範囲から選択される温度にて低圧帯域に押出
    すことを特徴とする50%以上の連続気泡率を有するポ
    リオレフィン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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