JP4132520B2 - 保護材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護材に関し、主として開口枠、柱、手すり等の建築用養生材として使用される保護材に関するもので、特には鴨居等の水平または柱等の垂直に架設された部分に装着させるのに適した保護材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長手方向に連続する割れ目を有する筒状熱可塑性樹脂発泡体は、開口枠、柱、手すり等の建築用養生材、ケガ防止用緩衝材、水道管の保護材、緩衝包装材等の部材として各分野に広く使用されている。用途のひとつとして、図7に示したように、建築中の柱1,鴨居2等の表面保護を目的として、それらを覆い柱1,鴨居2等から連続する壁3,4に側縁5a,5aを挟持させて保持させる筒状の樹脂発泡体の建築用養生材5が挙げられる。
このような保護材に関する従来の技術としては、例えば、特開平11−236766号公報に開示されたものがある。この技術は、図8に示したように、軸方向と垂直方向の断面が略円弧状を成す、気泡を含んだ合成樹脂製保護材6であり、割れ目を形成する側縁6a,6aを柱等の両側面に当接させて保護材6を鴨居7等に挟持させるようにしている。
しかし、このような保護材6では、該保護材6を柱,鴨居7等に挟持させた場合には、時間が経つにしたがい、保護材6が柱,鴨居7等から外れる場合がある。例えば、保護材6を鴨居7等の水平な部分に挟持させた場合には、時間が経つにしたがい、図8に示したように、自重によって一部(端部等)6aが鴨居7等からはずれる虞がある。
このような問題を解消するためには、材質等を変えて剛性を高めればよいが、すると、クッション性の低下を招来する。
【0003】
また、他の従来技術として、特開平11−152904号公報に開示されたものがある。この技術は、両端に他の部分よりも肉厚が厚い部分を形成し、その両端面を柱等の両側面に当接させて保護材を柱に挟持させるようにしている。
しかし、このような保護材でも、十分な剛性が得られず、保護材を水平な箇所または垂直な箇所に挟持させた場合には、時間が経つにしたがい自重によって一部(端部等)が被保護物からはずれる虞がある。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決すべく、鴨居等の水平な箇所や柱等の垂直な箇所に挟持させた場合にも、はずれる虞れがない保護材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1の保護材は、長手方向に連続する割れ目を有する筒状熱可塑性樹脂発泡体であって、長手方向に対して垂直な断面において、前記割れ目を形成する両側縁部が割れ目の内側に巻き込まれており、前記筒状熱可塑性樹脂発泡体から得られる長さ1.6mの筒状熱可塑性樹脂発泡体試験片を、前記割れ目を上にして片側20cmの部分を支持台上に固定し、室温23℃,相対湿度50%の条件下における片持ち梁試験により求められる2時間経過後の垂れ下がり量が0.8m以内であることを特徴としている。
【0006】
この発明の保護材によれば、保護材が被保護材から脱落することなく確実に被保護材を挟持することができる。垂れ下がり量が0.8mより大きいと、保護材の自重で保護材が被保護材から脱落する虞がある。
【0007】
また、本発明に係る請求項2の保護材は、請求項1に記載の保護材であって、筒状熱可塑性樹脂発泡体の長手方向に対して垂直な断面において、一方の側縁部先端から他方の側縁部先端までの断面中心線長さLに対して、各両側縁部の割れ目の内側に巻き込まれる部分の断面中心線長さの合計が0.15L以上であることを特徴としている。
【0008】
この発明の保護材によれば、上記特定の内側に巻き込まれた部分によって、鴨居等の水平な箇所や柱等の垂直な箇所に挟持させた場合における脱落方向の剛性が特に高く、保護材の挟持力がより一層高まり、保護材の被保護物からの脱落が防止される。
【0009】
また、本発明に係る請求項3の保護材は、請求項1または2に記載の保護材であって、筒状熱可塑性樹脂発泡体がみかけ密度0.02〜0.2g/cmの筒状ポリエチレン系樹脂発泡体であることを特徴としている。
【0010】
この発明の保護材によれば、取付け作業が容易で、かつ十分なグリップ力および緩衝性が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る保護材の一実施の形態を示した部分斜視図である。
この保護材10は、長手方向に対して垂直な断面形状が略楕円形状を成しており、両側縁部11,12が中心方向へ向けて曲折されており、その断面における中心線cの図1の両側縁部11,12におけるa点からb点までの長さとa点からb点までの長さとの合計長さが、図1において一点鎖線で示した一方のb点から他方のb点までの中心線cの全長Lに対して、0.15L以上の長さに設定されている。なお、点aおよび点aは、割れ目に対する接線d上の両側縁部接点p,pを通り中心線cへ降ろした接線dの垂線と中心線cとの交点であり、点b,bは中心線cの端部の点である。また、符号13は、保護材10に形成された割れ目である。
【0012】
そして、このように形成された保護材10は、図2に示したように、その両側縁部11,12の先端で柱,鴨居等の棒状の被保護物Sの両側面を挟持する。
【0013】
このようにして、被保護材Sを挟持した保護材10では、点aから点bまでの距離および点aから点bまでの距離が長く、側縁部11,12の変位が大きいため、形状回復力が大きく働いて、それだけ反力が大きくなり、挟持力が高くなる。
【0014】
また、図3は、本発明に係る保護材の他の実施の形態を示している。
この保護材20は、両側縁部21,22が内方へ向けて渦巻き状に曲折されており、その断面における中心線cの図3におけるa点からb点までの長さとa点からb点までの長さとの合計長さが、図3において一点鎖線で示した一方のb点から他方のb点までの中心線cの全長Lに対して、0.15L以上の長さに設定されている。なお、点aおよび点aは、割れ目に対する接線d上の両側縁部接点pまたはpを通り中心線cへ降ろした接線dの垂線と、接点pまたはpと最短距離にある中心線cとの交点であり、点bおよび点bは中心線cの端部の点である。また、符号23は保護材20に形成された割れ目である。
【0015】
そして、このように形成された保護材20は、図4に示したように、柱,鴨居等の棒状の被保護部材Sの上面に側縁部部21,22の先端を当接させて被保護部材Sを挟持する。
【0016】
このようにして、被保護材Sを挟持した保護材20では、点aから点bまでの距離および点aから点bまでの距離が長く、形状回復力が大きいため、両側縁部21,22が保護材20をより強く被保護材Sに引き付けるため、保護材20がより強固に被保護材Sを保持する。
【0017】
上記の通り本発明を具体的に図面に従って説明したが、本発明の保護材の被保護材に対する挟持状態は、被保護材の形状により変化するため、一種類の保護材に対して数通りの取付け方法が存在する。よって、保護材の取付け方法は上述の態様に限定されるものではない。
【0018】
また、本発明の特定の断面形状を有する保護材は、特に片持ち梁試験による2時間経過後の垂れ下がり量が0.8m以内のものである。該垂れ下がり量が0.8m以内、好ましくは0.7m以内であることにより、保護材取付け時に柱,鴨居等から保護材が脱落することを防止できる。保護材が脱落するか否かは、保護材の自重,曲げ剛性,保護材の被保護材に対するグリップ力に大きく左右され、保護材として要求される緩衝性を維持しつつ、自重は軽く曲げ剛性は大きく、且つグリップ力を大きくする設計が望まれるが、実際には自重,曲げ剛性およびグリップ力に係わる熱可塑性樹脂発泡体の因子は複雑である。そして、本発明者等が見いだした該発泡体の断面形状および片持ち梁試験結果により特定される保護材が実用面において保護材の脱落防止と緩衝性とのバランスがとれた良好なものであった。
なお、本発明保護材の片持ち試験における垂れ下がり量の調整は、保護材を構成している、基材,発泡倍率,連続気泡率,発泡体気泡形状,発泡体気泡径,断面形状,断面積等を該保護材の緩衝性が維持される範囲内で制御することで調整できる。
【0019】
さらに、本発明の保護材は断面形状において、各両側縁部の割れ目の内側に巻き込まれる部分の断面中心線長さの合計が0.15L以上(但し、Lは該断面における一方の側縁部先端から他方の側縁部先端までの断面中心線長さ)、特に0.26L以上であることにより保護材のグリップ力,曲げ剛性をより一層向上させることができるため好ましい。
【0020】
これらの保護材10,20の基材樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ゴム成分を含有したポリスチレン系樹脂や、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
上記の中でもポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂やゴム成分を含有したポリスチレン系樹脂は、本発明の保護材に可撓性,圧縮歪回復性,柔軟性を付与する上で最も好適な樹脂である。
上記ポリオレフィン系樹脂について詳述すると、本明細書においては、オレフィン成分を50モル%以上含有する樹脂であり、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したエチレン系アイオノマー系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、本発明では、上記ポリオレフィン系樹脂にスチレン等のビニルモノマーをグラフト重合させたグラフト変性ポリオレフィン系樹脂も使用できる。
【0021】
上記ポリオレフィン系樹脂は、過酸化物や放射線等により架橋して用いても、無架橋のまま用いても良いが、生産工程が簡易で、リサイクルの可能な無架橋のものが好ましい。
【0022】
また、上記ゴム成分を含有したポリスチレン系樹脂としては、基材樹脂にブレンドまたは共重合によりゴム成分を含有させたものが用いられる。
ゴム成分を含有したポリスチレン系樹脂としては、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン系エラストマー、ポリスチレンにゴム成分を混合したもの等が挙げられる。上記ゴム成分の含有量は、1〜45重量%が好ましい。ゴム成分が1重量%よりも少ないと、保護材に柔軟性および弾力性を充分に付与できない虞がある。また、ゴム成分が45重量%よりも多いと、押出発泡時の気泡膜の形成が不完全となり、独立気泡率が低下させてしまう虞れがある。これらの観点より、上記スチレン系樹脂の中のゴム成分(ジエン成分)含有量は、3〜35重量%がより好ましい。
【0023】
本発明の保護材は押出発泡法により得ることができる。
保護材を製造する場合、押出発泡に用いられる添加剤として、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、気泡調整剤、収縮防止剤、導電性付与剤等が挙げられる。
結晶核剤としては、例えば、芳香族カルボン酸のアルミニウム塩、ジベンジリデンソルビトール、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムが挙げられる。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、酸化珪素、シリカのような無機粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムのような高級脂肪酸の金属塩、クエン酸、炭酸水素ナトリウムのような加熱により分解しガスを発生させる化学発泡剤が挙げられる。
収縮防止剤としては、炭素数16〜25の高級脂肪酸と水酸基3〜7個を有する多価アルコールとのエステルや高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
また保護材10,20は、目的や用途に応じて黒色、灰色、茶色、黄色、赤色、桃色、緑色、青色等の着色顔料や染料を添加し着色することができる。
上記添加剤を添加する場合、これらの分散性を考慮して、マスターバッチ法を採用することが好ましい。
気泡調整剤,収縮防止剤および着色顔料、染料の各々の添加量は、通常、樹脂100重量部あたり、0.001〜5重量部である。その他、公知の添加剤の必要量を添加してもよいことは従来と変わりない。
【0024】
保護材10,20における押出し時の発泡剤として、化学発泡剤や物理発泡剤を単独または混合して使用する。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が使用でき、物理発泡剤としては、プロパン,ノルマルブタン,イソブタン,ノルマルペンタン,イソペンタン,ネオペンタンのような飽和脂肪族炭化水素類、シクロペンタン,シクロヘキサンのような飽和脂環式炭化水素類、1−クロロ−1,1−ジクロロエタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−クロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、ジメチルエーテルのようなエーテル類、アセトンのようなケトン類、メタノール,エタノールのようなアルコール類等を使用することができる。また物理発泡剤としては、二酸化炭素,窒素,水等も使用できる。また、イソブタン、ノルマルブタンおよび1,1,1,2−テトラクロロエタンとの混合発泡剤等も好ましく使用することができる。
【0025】
保護材10,20の成形方法としては、例えば、押出機として2台の押出機を直列に連結した形式のタンデム押出機を用い、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて収縮防止剤と気泡調整剤とを第1の押出機に供給し、第1の押出機の途中より発泡剤を注入して発泡性溶融物とし、第2の押出機中でこの溶融物を発泡適正温度まで冷却し、押出機先端に取り付けた目的断面形状と略相似形のダイスリップより低圧下に押出して筒状発泡体(保護材10,20)を得る。その際、ダイスリップから押出した直後に円柱状の冷却装置の側面部を通過させる等の手段にて側縁部11,12、21,22が互いに融着しないように隔離することが好ましい。なお、冷却装置は、内部に水路等を形成してそこに冷却水を流し、それによって冷却されることがさらに好ましい。
【0026】
保護材10,20を押出成形する場合に、押出速度に対して引取り速度を速くするほど表面凹凸は減少して表面状態は良化する傾向にある。ただし、引取り速度を速くするほど保護材10,20の長手方向に対する垂直断面の面積が小さくなるので、これらの点を考慮して引取り速度は設定される。
【0027】
また、長手方向に対して垂直な断面における保護材10,20の外郭形状としては、円形であってもかまわないが、円形よりも例えば、図1または図3のような偏平状(略楕円形状)であることが好ましい。偏平状にしたものは嵩張らないため、例えば、段ボール梱包等の一定の体積内に収容する保護材10,20の本数が大幅に増え、1本あたりの物流コストや保管スペースが低減できる。
【0028】
外郭形状を偏平状にする場合には、長手方向に垂直な断面において保護材10,20の中心を通る外径の最大外径(長軸)の長さが保護材10,20の中心を通る外径の最小外径(短軸)の長さの1.3〜5.0倍であることが好ましい。上記長軸/短軸比が1.3より小さいと、物流コストの低減効果が小さい。一方、上記長軸/短軸比が5.0よりも大きいと偏平過ぎて被保護材Sを被覆固定する際に作業性が悪くなる虞がある。
本発明における筒状とは、長手方向に対して垂直な断面形状において中空部を有しておればよく外郭形状は問わない。なお、具体的な外郭形状としては、真円形状,略円形状,楕円形状,略楕円形状、またはC形状が挙げられる。
【0029】
なお、本発明に係る保護材10,20では、長手方向に対して垂直な断面において、該断面の中心を通る最大外径の方向と平行する部分(例えば中央部14,24)が平らであることが好ましい。この理由として平らな部分があることでより物流コスト、保管スペースの低減ができる。また転がり難く、撓み難いことから作業現場での取り扱いもよりよくなる。さらに柱等の平面部がある被保護材Sに面接触し易くなり、作業空間にあまり突出することがなく作業上有利である。
【0030】
この保護材10,20の長手方向に対して垂直な断面における端部(側縁部11,12または側縁部21,22の端部)は、リップを通して得られたままの状態、即ち、押出発泡後に切断されて形成されたものではなく、切断による開放気泡を持たない(当該両側縁部先端には押出発泡形成時の表皮が形成される)ことが好ましい。切断によって形成された端部は、被保護材Sと接触するとその表面を傷つけてしまう場合がある。したがって、そのような開放気泡を持たない保護材を用いれば、表面が傷つき易い被保護材であっても傷つきを防止でき安心して使用できる。
【0031】
本発明において、連続する割れ目としては、図1の保護材10の両側縁部11,12、図3の保護材20の両側縁部21,22により形成される割れ目13,23が直線状となる方が取付け,取り外しの際の作業性がよい。
【0032】
本発明の保護材10,20は、長手方向の長さが1.6〜4.0mであることが好ましく、1.6〜2.0mであることがより好ましい。長過ぎるものは輸送時および保管時に取扱い難く、短過ぎるものは被保護材に取付ける場合に複数個取付けなければならなくなり、作業性をやや悪化させる。また保護材10,20の中央部14,24における厚みは3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。また、それ以外の箇所(ただし、保護材の長手方向に対して垂直な方向の両端部から10mmまでのところは除く)においては厚みは2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましい。いずれも厚みが薄いと被保護材に固定する際のグリップ力に劣るものとなる虞がある。
【0033】
本発明において保護材10,20を被保護材Sに固定した状態としては、例えば、点接触、線接触、面接触された状態が挙げられ、線接触または面接触が好ましい。
【0034】
本発明において、保護材10,20を構成する発泡体のみかけ密度としては、基材樹脂により違い、例えば、ゴム成分を含有したポリスチレン系樹脂では、0.013〜0.10g/cmが好ましく、ポリプロピレン系樹脂では、0.015〜0.15g/cm、ポリエチレン系樹脂では、0.02〜0.20g/cmが好ましい。保護材のみかけ密度の測定方法としては、JIS A6767に準じて測定を行った。保護材を構成する各発泡体のみかけ密度がいずれも各密度範囲の上限を越えると、被保護材に固定する際にグリップ力が大き過ぎて、取付け作業性が劣るようになり、緩衝性も低下する。逆に、各密度範囲の下限を下回ると、被保護材に固定する際にグリップ力に劣り、充分な固定が行なえない虞がある。
【0035】
本発明において、保護材10,20を構成する発泡体の連続気泡率としては、40%以下が好ましく、25%以下がさらに好ましい。
連続気泡率が高まると、被保護材に固定する際にグリップ力に劣り、充分な固定が行なえない虞があるとともに、緩衝性も劣るようになるため、厚み増加が必要になるので好ましくない。
連続気泡率とは、発泡体を25mm±1mmの長さに切断し、厚みはそのままとし、幅は測定装置のサンプルカップに変形なしに収容され得る最大のサイズとし(サンプルカップに収容される試料は少なくとも6250mmでなければならず、1枚の試料でこの体積に満たない場合にはその体積を上回るように複数枚を同時に使用する)、この試料をASTM D−2856−70(手順C)に準じて空気比較式比重計により、測定試料における発泡体の真の体積の割合を求め、連続気泡率を計算して得た。見掛けの体積は、試料の外寸から求められる見掛けの体積:Va(cm)である。測定される発泡体の真の体積:Vx(cm)は、発泡体を構成する樹脂の容積と、発泡体内の独立気泡部分の気泡全容積との和である。よって連通化した気泡の体積(連続気泡率)は、下記に示す式より求められる。但し、測定される発泡体の重量:W(g)、測定される発泡体の基材樹脂の密度:ρ(g/cm)とする。
連続気泡率(%)=(Va−Vx)×100/(Va−W/ρ)
【0036】
本発明において保護材10,20を構成する発泡体の平均気泡径としては、0.05〜2.5mmが好ましく、0.4〜2.0mmがより好ましい。平均気泡径を0.05mm未満とするには、通常、気泡調整剤を多く入れる必要がありコストアップになり、剛性面でも不十分となる虞がある。平均気泡径が2.5mmよりも大きいと、発泡体の表面状態の凸凹が大きくなったり、靱性が劣ってしまう虞がある。
この平均気泡径の測定方法としては、測定用サンプルは、発泡体の押出方向に垂直な任意の断面において中央部分14,24における厚み方向の気泡数:N(個)と、その中央部における厚み:L(mm)を測定し、次式により平均気泡径を計算した。
平均気泡径(mm)=(L/N)
【0037】
上記本発明の保護材10,20の用途としては、開口枠、柱、手すり等の建築用養生材、以外にも例えば、ケガ防止用緩衝材、水道管の保護材、緩衝包装材等として使用される。
【0038】
【実施例】
実施例1:
低密度ポリエチレン樹脂(密度0.915g/cm、融点107℃、MI=4.7g/10min)をバレル内径90mmを有するスクリュー型押出機の供給部に1時間当たり50kgの速度で投入し同時に樹脂100重量部あたり1.7重量部の割合で気泡調整剤(タルク)を、さらに1.4重量部の割合で収縮防止剤(ステアリン酸モノグリセライド)を供給した。次いで、押出機に備えた混合部に発泡剤(イソブタン)を上記樹脂100重量部に対し6.5重量部の割合で注入し、上記の樹脂と発泡剤とを混合し、押出機先端とダイスの間の樹脂温度を106℃まで冷却した後に押出した。押出された発泡体はダイス直後に、冷却装置を兼ねたマンドレルによって側縁部11,12が融着しないように隔離し、かつ冷却し、バキュームコンベアで搬送させつつ発泡体外側表面を冷風により強く冷却し、その後ロールで押さえながら切断機で1700mmの長さに断裁した。その後、室温23℃、相対湿度50%の条件下で72時間養生後、図1の形状の保護材10を得た。
得られた保護材10のみかけ密度は、0.046g/cmで、長手方向に対して垂直な断面において保護材10の中心を通る外径の最大外径(長軸)の長さと保護材10の中心を通る外径の最小外径(短軸)の長さとの長軸/短軸比が1.8であり、短軸の長さは50mmであった。また、保護材10の中央部14の厚さは10mm、側縁から15mmの位置の厚さはそれぞれ6mm、一方の側縁部先端から他方の側縁部先端までの断面中心線長さLが210mm、各側縁部11,12の割れ目の内側に巻き込まれる部分の断面中心線長さの合計が60mmであった。
【0039】
片持ち梁試験:
この保護材10を1600mmの長さに切断し、割れ目13が上方に向くようにして図5(a),(b)に示したように、その片側200mmを重りWによって支持台上にしっかりと固定し、図5に示すように、2時間経過後の先端の垂れ下がり量Hを測定し、その結果を表1に示した。
【0040】
比較例1,2:
押出機先端に取り付けたダイス形状を変更した以外は、実施例1と同様の配合,同様の押出条件にて押出発泡を行ない、長さ1700mmに切断し、その後、室温23℃,相対湿度50%の条件下で72時間養生した後、実施例1の保護材とほぼ同じ断面積の図6(a)および図6(b)に示した断面形状の保護材A,Bを得た。
なお、保護材Aは、みかけ密度が0.045g/cm,長軸長さ/短軸長さが2.4であり、短軸の長さが37mmであった。さらに、保護材Aの中央部の厚さは10mm,側縁端部から15mm部分の厚さはそれぞれ6mm,重なり部の長さWは40mmであった。また、保護材Bは、みかけ密度が0.042g/cm,Xの長さが120mm,Yの長さが25mm,Zの長さが40mmであった。さらに、保護材Bの中央部14の厚さは10mm,側縁端部から15mmの部分の厚さは6mmであった。
得られた保護材A,Bについて、上記実施例と同様な片持ち梁試験を行なった結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0004132520
【0042】
この表1からも明らかなように、保護材10は他の形状の保護材A,Bに比べ、剛性が高いことが分かる。
【0043】
この表1からも明らかなように、保護材10は他の形状の保護材A,Bに比べ、剛性が高いことが分かる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の保護材では、長手方向に連続する割れ目を有する筒状熱可塑性樹脂発泡体であって、長手方向に対して垂直な断面において、前記割れ目を形成する両側縁部が割れ目の内側に巻き込まれており、前記筒状熱可塑性樹脂発泡体から得られる長さ1.6mの筒状熱可塑性樹脂発泡体試験片を、前記割れ目を上にして片側20cmの部分を支持台上に固定し、室温23℃,相対湿度50%の条件下における片持ち梁試験により求められる2時間経過後の垂れ下がり量が0.8m以内であることを特徴としている。
したがって、この発明の保護材によれば、保護材が被保護材から脱落することなく確実に被保護材を挟持することができる。
【0045】
また、請求項2の保護材では、求項1に記載の保護材であって、筒状熱可塑性樹脂発泡体の長手方向に対して垂直な断面において、一方の側縁部先端から他方の側縁部先端までの断面中心線長さLに対して、各両側縁部の割れ目の内側に巻き込まれる部分の断面中心線長さの合計が0.15L以上であることを特徴としている。
したがって、この発明の保護材によれば、上記特定の内側に巻き込まれた部分によって、鴨居等の水平な箇所や柱等の垂直な箇所に挟持させた場合における脱落方向の剛性が特に高く、保護材の挟持力がより一層高まり、保護材の被保護物からの脱落が防止される。
【0046】
また、請求項3の保護材では、請求項1または2に記載の保護材であって、筒状熱可塑性樹脂発泡体がみかけ密度0.02〜0.2g/cmの筒状ポリエチレン系樹脂発泡体であることを特徴としている。
したがって、この発明の保護材によれば、取付け作業が容易で、かつ十分なグリップ力および緩衝性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保護材の一実施の形態を示した部分斜視図である。
【図2】図1の保護材を被保護材に挟持させた状態を示した保護材の長手方向に対する垂直断面図である。
【図3】本発明に係る保護材の他の実施の形態を示した部分斜視図である。
【図4】図3の保護材を被保護材に挟持させた状態を示した保護材の長手方向に対する垂直断面図である。
【図5】本発明に係る保護材の片持ち梁試験を示した図であり、図5(a)は、その試験方法を示し、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
【図6】比較例として示される他の保護材の長手方向に対する垂直断面図である。
【図7】従来から使用されている保護材の使用態様の一例を示した斜視図である。
【図8】従来から使用されている保護材を鴨居等の水平な被保護材に装着させた場合における数時間経過後の保護材の状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
10 保護材
11,12 側縁部
13 割れ目
14 中央部
20 保護材
21,22 側縁部
23 割れ目
24 中央部

Claims (3)

  1. 長手方向に連続する割れ目を有する筒状熱可塑性樹脂発泡体であって、長手方向に対して垂直な断面において、前記割れ目を形成する両側縁部が割れ目の内側に巻き込まれており、前記筒状熱可塑性樹脂発泡体から得られる長さ1.6mの筒状熱可塑性樹脂発泡体試験片を、前記割れ目を上にして片側20cmの部分を支持台上に固定し、室温23℃,相対湿度50%の条件下における片持ち梁試験により求められる2時間経過後の垂れ下がり量が0.8m以内であることを特徴とする保護材。
  2. 筒状熱可塑性樹脂発泡体の長手方向に対して垂直な断面において、一方の側縁部先端から他方の側縁部先端までの断面中心線長さLに対して、各両側縁部の割れ目の内側に巻き込まれる部分の断面中心線長さの合計が0.15L以上であることを特徴とする請求項1に記載の保護材。
  3. 筒状熱可塑性樹脂発泡体がみかけ密度0.02〜0.2g/cmの筒状ポリエチレン系樹脂発泡体であることを特徴とする請求項1または2に記載の保護材。
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