JP2002145959A - アクリロニトリル系重合体 - Google Patents

アクリロニトリル系重合体

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JP2002145959A
JP2002145959A JP2000350011A JP2000350011A JP2002145959A JP 2002145959 A JP2002145959 A JP 2002145959A JP 2000350011 A JP2000350011 A JP 2000350011A JP 2000350011 A JP2000350011 A JP 2000350011A JP 2002145959 A JP2002145959 A JP 2002145959A
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Hideto Kakita
秀人 柿田
Mitsuo Hamada
光夫 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素繊維等の炭素材料の原料に適した熱酸化
反応性の安定したアクリロニトリル系重合体を提供す
る。 【解決手段】 KBr錠剤法で測定された赤外吸収スペ
クトルにおいて、カルボキシル基の炭素−酸素二重結合
に起因する吸収の吸光度Daとシアノ基の炭素−窒素三
重結合に起因する吸収の吸光度Dbとから算出される吸
光度比Da/(Da+Db)をxとし、熱流束型示差走
査熱量計で100ml/分の空気気流中、230℃で測
定された等温発熱曲線における発熱ピーク出現時間tp
(分)の逆数1/tpをyとした場合に、xは0.1〜
0.6であり、かつ、xおよびyが下記式(1)を満た
すアクリロニトリル系重合体である。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組成によって熱酸化
反応性が大きく変動せず安定な、炭素材料の原料に適し
たアクリロニトリル系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル系重合体は、従来、主
にアクリル繊維用原料として生産されてきたが、アクリ
ロニトリル系重合体から製造された炭素繊維、いわゆる
PAN系炭素繊維は特に強度特性が優れることから、炭
素繊維原料としての使用が増加している。最近では、全
炭素繊維の90%以上がPAN系炭素繊維である。ま
た、その他に、アクリロニトリル系重合体を原料とした
二次電池用炭素電極材料、炭素フィルム等の開発も進ん
でいて、アクリロニトリル系重合体を利用した技術の今
後の伸びが期待されている。アクリロニトリル系重合体
から炭素繊維を製造する場合には、アクリロニトリル系
重合体を紡糸して得られたアクリル繊維、すなわち炭素
繊維用前駆体を酸化雰囲気中、200〜400℃で耐炎
化処理し耐炎化繊維とする。ついで、この耐炎化繊維を
不活性ガス雰囲気中、800〜2000℃で炭化処理し
て炭素繊維を製造する。また、こうして得られた炭素繊
維をさらに高温の不活性ガス中で処理し、黒鉛繊維とす
る場合もある。
【0003】このような製造工程中、炭素繊維用前駆体
を熱酸化する耐炎化工程はアクリロニトリル系重合体の
酸化および環化に起因する発熱を伴うため暴走しやす
い。この工程において反応が暴走してしまうと最終的に
得られる炭素繊維の物性が悪化する。また、耐炎化処理
時間を短縮すると、表層は耐炎化が進行するものの内部
は生焼けの状態となり、やはり最終的に得られる炭素繊
維の物性を低下させてしまう。このため、耐炎化工程に
は1時間程度の時間をかけて、これらの反応を十分に制
御しながら安定に行う必要があった。このように耐炎化
工程は炭素繊維の物性を左右することから重要な工程で
あるが、長時間を要するために効率的ではなかった。そ
のため、イタコン酸やアクリル酸等のアクリロニトリル
モノマー以外の酸コモノマーを含むアクリロニトリル系
重合体を前駆体として使用し、熱酸化反応性を高め、耐
炎化工程を短縮化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに酸コモノマーを含むアクリロニトリル系重合体を前
駆体として使用すると、耐炎化工程に要する時間を短縮
できるものの、アクリロニトリル系重合体中の酸コモノ
マーの種類や酸コモノマーの使用量が若干異なるだけで
熱酸化反応性が大きく変化する場合があった。そのた
め、重合反応で得られたアクリロニトリル系重合体の組
成が反応バッチによって若干異なるだけでも、熱酸化反
応性が大きく変動し、耐炎化工程を安定に行えない場合
があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、組成によって熱酸化反応性が大きく変動せず熱酸化
反応性が安定な、炭素繊維等の炭素材料の原料に適した
アクリロニトリル系重合体を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリロニトリ
ル系重合体は、KBr錠剤法で測定された赤外吸収スペ
クトルにおいて、カルボキシル基の炭素−酸素二重結合
に起因する吸収の吸光度をDaとし、シアノ基の炭素−
窒素三重結合に起因する吸収の吸光度をDbとして算出
された吸光度比Da/(Da+Db)が0.1〜0.6
であり、さらに、熱流束型示差走査熱量計で100ml
/分の空気気流中、230℃で測定された等温発熱曲線
における発熱ピーク出現時間tp(分)の逆数1/tp
と、前記吸光度比Da/(Da+Db)とが、下記式
(1)の関係を満たすことを特徴とする。
【数2】 (式中、x=Da/(Da+Db)、y=1/tpであ
る。) 上記アクリロニトリル系重合体は、単量体単位としてア
クリロニトリルと、さらにイタコン酸またはアクリル酸
とを含み、すべての単量体単位のなかでアクリロニトリ
ルの割合が最も大きく、次いでイタコン酸またはアクリ
ル酸の割合が大きいことが好ましい。また、アクリロニ
トリルが96〜99.8モル%で、イタコン酸またはア
クリル酸が0.2〜4モル%であることが好ましい。ま
た、上記アクリロニトリル系重合体は、レドックス系開
始剤を使用した水系懸濁重合法で製造されたものか、ま
たは、有機溶媒中、有機アゾ系開始剤を使用した重合法
で製造されたポリアクリロニトリルホモポリマーを、加
水分解して得られたものであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアクリロニトリル系重合体は、KBr錠剤法で
測定された赤外吸収スペクトルにおいて、カルボキシル
基の炭素−酸素二重結合に起因する1735cm-1付近
の吸収の吸光度Daと、シアノ基の炭素−窒素三重結合
に起因する2240cm-1付近の吸収の吸光度Dbから
算出された吸光度比Da/(Da+Db)が0.1〜
0.6である。KBr錠剤法とは、固体の測定試料を臭
化カリウムとともに乳鉢等ですりつぶした後、圧縮成形
機等で錠剤状に成形し、これを測定する方法である。
【0008】吸光度比Da/(Da+Db)が0.1未
満では、アクリロニトリル系重合体の熱酸化反応性が低
すぎて、例えばこの重合体から炭素繊維を製造する場
合、この重合体からなる繊維状の前駆体の耐炎化処理に
要する時間が長くなり、炭素繊維の生産性が低下する場
合がある。一方0.6を超えるとこのアクリロニトリル
系重合体の熱酸化反応性が高すぎて、前駆体の耐炎化処
理中に酸化反応および環化反応が暴走してしまう場合が
あり、また、最終的に得られる炭素繊維の物性が低下す
る場合がある。
【0009】また、本発明のアクリロニトリル系共重合
体は、熱流束型示差走査熱量計を使用して100ml/
分の空気気流中、230℃で保持した場合に測定される
等温発熱曲線において、tp(分)に発熱ピークを有す
る。すなわち、発熱ピーク出現時間がtp(分)であ
る。熱流束型示差走査熱量計で、測定試料と標準試料を
一定温度で保持した場合に両者に温度差が生じると、こ
れを打ち消すために測定試料または標準試料のどちらか
の周囲の熱流が増加したり、抑制されたりする。ここで
等温発熱曲線とは、この両者の熱流速度差Δqを保持時
間に対してプロットしたものである。そして、測定試料
が発熱し、この発熱に起因するピークの頂点が観測され
た時間を発熱ピーク出現時間という。ここでは、アクリ
ロニトリル系重合体粉末4mgをアルミニウム製オープ
ン容器に入れた後、ステンレス製メッシュカバーで蓋を
して、これを流量100ml/分の乾燥空気気流中、2
30℃に保持して等温発熱曲線を測定する。また、アク
リロニトリル系重合体粉末には、380メッシュの篩を
通過したものを使用する。
【0010】そして本発明のアクリロニトリル系共重合
体においては、等温発熱曲線における発熱ピーク出現時
間tp(分)の逆数1/tpと、上記吸光度比Da/
(Da+Db)との間に下記式(1)の関係を有する。
【数3】 (式中、x=Da/(Da+Db)、y=1/tpであ
る。) Da/(Da+Db)と1/tpの間にこのような関係
があるアクリロニトリル系重合体は、組成によって熱酸
化反応性が大きく変動せず熱酸化反応性が安定である。
よって、炭素繊維を製造する際の耐炎化工程や、その他
の炭素材料を製造する際の熱酸化反応を安定に行うこと
ができる。1/tpがこのような範囲未満の場合には、
熱酸化反応性が低すぎるため、この重合体を紡糸して得
られた繊維状の前駆体を耐炎化処理すると、処理に要す
る時間が長くなり、炭素繊維の生産性が低下する場合が
あり、このような範囲を超えると、熱酸化反応性が高す
ぎて、前駆体の耐炎化処理中に酸化反応および環化反応
が暴走してしまう場合がある。
【0011】本発明のアクリロニトリル系重合体はアク
リロニトリルの他にコモノマーとして、アクリロニトリ
ルと共重合可能な酸コモノマーを含むことができる。酸
コモノマーを含むと、アクリロニトリル系重合体の熱酸
化反応性が高まり、炭素繊維製造時の耐炎化工程やその
他の炭素材料製造時の熱酸化反応に要する時間を短縮す
ることができる。酸コモノマーとしては特に制限はな
く、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられるが、イタコン
酸、アクリル酸が好ましい。また、アクリロニトリル系
重合体を構成するすべての単量体単位のなかでアクリロ
ニトリルの割合が最も大きく、次いでイタコン酸または
アクリル酸の割合が大きいことが好ましい。さらに好ま
しくは、アクリロニトリルが96〜99.8モル%で、
イタコン酸またはアクリル酸が0.2〜4モル%であ
る。イタコン酸またはアクリル酸が0.2モル%未満で
は、熱酸化反応性が低い場合があり、また、この重合体
を紡糸して炭素繊維用前駆体を製造する際に、このアク
リロニトリル系重合体の溶液が不安定になる場合があ
る。一方、4モル%を超えると、耐炎化工程で繊維同士
が融着する場合や、最終的に得られる炭素繊維等の炭素
材料の物性が低下する場合がある。
【0012】このようなアクリロニトリル系重合体は懸
濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等の種々の方法で製
造できるが、重合開始剤としてレドックス系開始剤を使
用し、かつ、水系懸濁重合法で製造することが好まし
い。レドックス系開始剤としては、過酸化水素と第一鉄
塩、過硫酸塩と亜硫酸塩または糖類、有機過酸化物とア
ミン系化合物等が組み合わされたものが挙げられる。具
体的には、反応容器に水とモノマーを添加し、さらに重
合開始剤として上記に例示したようなレドックス系開始
剤を加え、55〜60℃の温度で120分程度保持し
て、重合反応を行う。その後、通常の方法で反応液を後
処理して、アクリロニトリル系重合体の粉末を得る。
【0013】その他には、有機溶媒中、有機アゾ系開始
剤を使用してアクリロニトリルホモポリマーを製造し、
このアクリロニトリルホモポリマーを加水分解する方法
でも製造できる。アクリロニトリルホモポリマーを加水
分解することによって、シアノ基の少なくとも一部がカ
ルボキシル基となり、酸コモノマーとしてアクリル酸を
含有するアクリロニトリル系重合体となる。この場合使
用する有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が使用で
き、特に制限はない。また、有機アゾ系開始剤として
は、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等が使用できる。
【0014】こうして製造されたアクリロニトリル系重
合体は、カルボキシル基の炭素−酸素二重結合に起因す
る吸収の吸光度Daと、シアノ基の炭素−窒素三重結合
に起因する吸収の吸光度Dbとから算出された吸光度比
Da/(Da+Db)が0.1〜0.6で、かつ、等温
発熱曲線における発熱ピーク出現時間tp(分)の逆数
1/tpと前記吸光度比Da/(Da+Db)とが上記
式(1)を満すので、酸コモノマーの種類や割合が少々
変動しても熱酸化反応性が安定である。
【0015】得られたアクリロニトリル系重合体を、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキサイド等の有機溶媒に溶解し、乾湿式紡糸法や
湿式紡糸法等の通常の方法で紡糸することによって、炭
素繊維用前駆体を製造できる。ついで、この炭素繊維用
前駆体を酸化雰囲気中、200〜300℃で処理する耐
炎化処理を行って、耐炎化繊維とすることができる。そ
の後、この耐炎化繊維を不活性ガス中、800〜200
0℃で処理する炭化工程を行って炭素繊維を製造するこ
とができる。さらにこの炭素繊維を不活性ガス中、25
00〜2800℃程度の高温で処理することによって、
黒鉛繊維を製造することもできる。
【0016】また、このようなアクリロニトリル系重合
体は、炭素繊維以外の炭素材料への使用にも適してい
る。例えばアクリロニトリル系重合体の粉末またはフィ
ルムを耐炎化処理し、ついで炭化工程を行う方法で電極
用炭素材料を製造できる。その他には、アクリロニトリ
ル系重合体をジメチルスルホキシド等の溶媒に溶解した
後フィルム化し、必要に応じて一軸延伸、二軸延伸等の
加工をし、ついで、耐炎化処理、炭化処理を行うことに
よって、炭素フィルムを製造できる。
【0017】このようなアクリロニトリル系重合体は、
熱酸化反応性が安定していて組成変動の影響をほとんど
受けない。したがって、重合反応で得られたアクリロニ
トリル系重合体の組成が反応バッチによって若干異なっ
ても熱酸化反応性が大きく変動せず、反応の暴走等のト
ラブルが発生することなく耐炎化工程を安定に行える。
こうして得られた耐炎化繊維は、その後の工程である炭
化処理も安定に行うことができるため、物性のばらつき
が少ない高品質の炭素繊維とすることができる。また、
その他の炭素材料を製造する工程における熱酸化反応や
耐炎化処理等も安定に行うことができる。したがって、
このようなアクリロニトリル系重合体を使用すると、優
れた物性を有する炭素繊維、電極用炭素材料、炭素フィ
ルム等の炭素材料を安定に、かつ、効率的に製造でき
る。
【0018】
【実施例】以下の実施例および比較例により、本発明を
さらに詳しく説明する。 [実施例1〜7]容量2リットルのバッチ式重合容器
に、水1867g、モノマー133gを添加して、水/
モノマーの重量比を14/1に保ち、過硫酸アンモニウ
ム1.5g、50wt%亜硫酸水素アンモニウム水溶液
4.6g、1.0%硫酸水溶液18g、30ppm硫酸
鉄水溶液1.3gを加え、温度55℃、120分の重合
時間で表1に示すようなアクリロニトリル−イタコン酸
共重合体を製造した。これらの極限粘度はいずれも1.
8であった。これらのポリマーを熱流束型示差走査熱量
計で100ml/分の空気気流中、230℃に保ち、得
られた等温発熱曲線における発熱ピーク出現時間tp
(分)の逆数1/tpを表1に示す。また、これらのポ
リマーの赤外吸収スペクトルから算出した吸光度比Da
/(Da+Db)も表1に示す。
【0019】なお、各種測定は以下のようにして行っ
た。 (1)共重合体の組成:1H−NMR法(日本電子GS
X−400型超伝導FT−NMR)で測定した。 (2)重合体の極限粘度η:25℃のジメチルホルムア
ミド溶液で測定した。 (3)等温DSC発熱曲線:380メッシュの篩を通過
した重合体粉末4mgを正確に秤量し、アルミニウム製
オープン型試料容器に入れ、ステンレス製メッシュカバ
ーで押さえた状態で、100ml/分の流量の乾燥空気
気流中で230℃にて測定した。熱流束型示差走査熱量
計はセイコー電子工業製DSC220Cを使用した。 (4)赤外吸収スペクトル:試料1mgを100mgの
臭化カリウム粉末に均一に混合した後、これを錠剤に賦
型し日本分光製FT−IR7300により測定した。
【0020】[実施例8]容量2リットルのバッチ式重
合容器に、ジメチルスルホキシドを溶媒として、溶媒/
モノマーの重量比を5/1として、開始剤2,2’−ア
ゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)をモノマーに対して0.4wt%添加して、温度6
0℃、120分の重合時間でアクリロニトリルホモポリ
マーを製造した。得られたポリマーの極限粘度は1.8
であった。実施例1と同様にして得られたこのポリマー
の等温発熱曲線における発熱ピーク出現時間tp(分)
の逆数1/tp(=y)は、0.277(1/分)であ
った。また、実施例1と同様にして得られたこのポリマ
ーの赤外吸収スペクトルから算出した吸光度比Da/
(Da+Db)は0.411であった。
【0021】[比較例1〜4]容量2リットルのバッチ
式重合容器に、ジメチルスルホキシドを溶媒として、溶
媒/モノマーの重量比を5/1として、開始剤2,2’
−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)をモノマーに対して0.4wt%添加して、温
度60℃、120分の重合時間で表2に示すようなアク
リロニトリル−イタコン酸共重合体を製造した。これら
の極限粘度はいずれも1.8であった。得られたこれら
のポリマーの等温発熱曲線における発熱ピーク出現時間
tp(分)の逆数1/tp(=y)は、アクリロニトリ
ル系重合体の組成が若干異なるだけで、大きく変動し
た。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明のアクリロニ
トリル系重合体は、熱酸化反応性が組成の影響をほとん
ど受けず、安定であるため、耐炎化繊維、炭素繊維、二
次電池用炭素電極材料、炭素フィルム等の炭素材料を製
造する際の工程安定性が優れ、優れた品質を有し、工業
的価値の高い炭素材料を効率よく安定に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 9/22 D01F 9/22 Fターム(参考) 4J011 KA04 KB14 KB22 KB29 4J100 AJ02Q AJ08Q AM02P CA01 CA04 DA22 EA05 FA03 FA19 FA21 JA11 4L035 MB03 4L037 CS03 PA55

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 KBr錠剤法で測定された赤外吸収スペ
    クトルにおいて、カルボキシル基の炭素−酸素二重結合
    に起因する吸収の吸光度をDaとし、シアノ基の炭素−
    窒素三重結合に起因する吸収の吸光度をDbとして算出
    された吸光度比Da/(Da+Db)が0.1〜0.6
    であり、 さらに、熱流束型示差走査熱量計で100ml/分の空
    気気流中、230℃で測定された等温発熱曲線における
    発熱ピーク出現時間tp(分)の逆数1/tpと、前記
    吸光度比Da/(Da+Db)とが、下記式(1)の関
    係を満たすことを特徴とするアクリロニトリル系重合
    体。 【数1】 (式中、x=Da/(Da+Db)、y=1/tpであ
    る。)
  2. 【請求項2】 単量体単位としてアクリロニトリルと、
    さらにイタコン酸またはアクリル酸とを含み、すべての
    単量体単位のなかでアクリロニトリルの割合が最も大き
    く、次いでイタコン酸またはアクリル酸の割合が大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクリロニトリル系
    重合体。
  3. 【請求項3】 アクリロニトリルが96〜99.8モル
    %で、イタコン酸またはアクリル酸が0.2〜4モル%
    であることを特徴とする請求項2に記載のアクリロニト
    リル系重合体。
  4. 【請求項4】 レドックス系開始剤を使用した水系懸濁
    重合法で製造されたことを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載のアクリロニトリル系重合体。
  5. 【請求項5】 有機溶媒中、有機アゾ系開始剤を使用し
    た重合法で製造されたポリアクリロニトリルホモポリマ
    ーを、加水分解して得られたことを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載のアクリロニトリル系重合
    体。
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