JPS6047362B2 - 炭化けい素含有成形物の製造方法 - Google Patents

炭化けい素含有成形物の製造方法

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JPS6047362B2
JPS6047362B2 JP51067245A JP6724576A JPS6047362B2 JP S6047362 B2 JPS6047362 B2 JP S6047362B2 JP 51067245 A JP51067245 A JP 51067245A JP 6724576 A JP6724576 A JP 6724576A JP S6047362 B2 JPS6047362 B2 JP S6047362B2
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国男 大原
辰彦 静木
昌寛 杉野
秀幸 三田村
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炭化けい素含有成形物の新規な製造方法に関
する。
本発明によれば、通常の成形設備に簡単な焼成設備を追
加するのみで簡単に炭化けい素含有成形物を得ることが
できる。 炭化けい素成形物、特に繊維またはフィルム
は比強度、比弾性率、耐熱性、化学安定性、熱伝導率な
どに極めてすぐれた特性を有しており、新しい工業材料
として期待されている。
特に金属類、プラスチックあるいはセラミック材料と複
合させる強化用繊維としての利用が大いに期待されてい
る。しかしながら非常に高価であるため、その工業的利
用が遅れているのが現状である。 従来の炭化けい素含
有繊維としてはポリシランーからポリカルポジランを得
てこれを焼成したもの、二酸化けい素を主成分とする繊
維を炭素と反応させて表面を炭化けい素としたもの、お
よび炭化けい素ウィスカ−が知られている。
これらはいずれも合成工程が複雑であつたり、繊維化ま
たは−フィルム化などの成形が困難であつたり特殊な装
置が必要であつたりして、工業的な大量生産には適当で
ない。 これに対して本発明は、上述のような従来法の
欠点を解消したものであつて、有機けい素化合物または
その重合体およびポリアクリロニトリル系重合体から主
として成る成形物を約200〜4000Cに加熱し、次
いで不活性雰囲気において約600〜2500℃で焼成
することを特徴とする炭化けい素含有成形物の製造法で
あり、通常のポリアクリロニトリル系成形物の製造設備
と炭化設備により容易に炭化けい素含有成形物が得られ
る。
本発明の特徴は焼成前の前駆体の強度が大きく、熱処理
工程の操業性が良好なことである。この前駆体は連続し
た形で容易に得られ好操業性下に延伸処理ができ、それ
により強度を大きくすることができる。そうして連続し
た成形物とすることによつて、特別の装置がなくても熱
処理炉へ連続供給することが可能となり、熱処理の操業
性も良好であり、炭化けい素を含有する連続成形物例え
ばフィラメントやフィルムを得ることができる。 本発
明で用いる有機けい素化合物としては主にオルガノクロ
ルシランから誘導されるもの挙げられる。
(1)主鎖がけい素とヘテロ原子(場合によつては さ
らに炭素原子)からなる有機けい素化合物、 たとえば
ポリシロキサン、ポリシラザン、ポリ シルチアン、ポ
リシルフエニレンシロキサン、 ポリフェニレンオキシ
シロキサン、ポリメタン口キサンなどのように一般にシ
リコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂など
として知られたもの、(2)主鎖がけい素原子のみから
なる有機けい素化合物、たとえばオクタメチルトリシラ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシランおよびこれからな
るポリシラン(3)主鎖が炭素とけい素おみから構成さ
れる有機けい素化合物、たとえばポリシルメチレン、ポ
リシルフエニレンなど、(4)けい素を含む原子団が炭
素骨格重合体の側鎖(ペンダントクループ)として存在
するもの、たとえば(トリメチルビニルシラン)、ポリ
(p−トリメチルシリルスチレン)など、が使用できる
これらの有機けい素化合物は、そのまま重合用モノマー
溶液または重合体溶液に加えてもよいが、成形用溶媒と
して水系のものを使用する時は、該溶媒に乳化剤を用い
て分散させてから添加するのが好ましい。
本発明で用いるポリアクリロニトリル系重合体としては
アクリロニトリル残基が8唾量%以上ものが好ましい。
他の共重合成分としてアクリロニトリルと共重合可能な
ものであればなんでもよいが、好ましい単量体としては
、例えばアクリル酸またはアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2
−ヒドロキシー3−クロルプロピル、アクリル酸2,3
ージブロモプロピル、アクリル酸トリブロモフェニル、
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−メト
キシエチル、アクリル酸メトキシポリオキシエチレン、
アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアクリル
酸エステル類、メタクリル酸さたは上記されたアクリル
酸エステルに相当するメタクリル酸エステル類、2−オ
キシメチルアクリル酸メチル、2−オキシメチルメタク
リル酸メチル等のアクリル酸エステル誘導体、イタコン
酸またはそのエステル誘導体、アリルアミンまたはその
誘導体、ジアリルアミンまたはその誘導体、2−シアン
ー1−メチルーアリルホスホン酸ジメチル、2−シアン
ーアリルホスホン酸ジメチル、2−エトキシカルボニー
ルーアリルホスホン酸ジメチル等の含リン単量体、スチ
レンまたはp−スチレンスルホン酸ソーダ、クロルメチ
ルスチレン、1−メチルスチレン等のスチレン誘導体、
酢酸ビニル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド
、ジアセトアクリルアミド、メチルビニルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトン、メタクリロニトリル、シアン
化ビニリデン、1−シアノビニルアセテート、2−オキ
シメチルアクリロニトリル、2−アセチルアミノメチル
アクリロニトリル、2−メトキシメチルアクリロニトリ
ル、2−(1−オキシエチル)アクリロニトリル、2ー
エトキシメチルアクリロニトリル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル、アリルスルホン酸ソーダ、メタクリルスルホ
ン酸ソーダ、アリルアルコール、メタリルアルコール等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。重合
体の分子量は好ましくは3万〜30万の範囲であり、更
に詳しくポリアクリロニトリル系重合体および有機けい
素化合物主としてなる固形分中の有機けい素化合物の比
率および成形時の全濃度によつて異なるが、成形時の粘
度が50〜10000ポ”イズとなるよう設定するのが
好ましい。
例えば固形分濃度1唾量%で溶液成形する場合の好まし
い分子量は、有機けい素化合物の比率が1〜3鍾量%の
時には3〜10万、該比率が30〜7呼量%の時には5
〜15万、70〜95重量%の時には10〜30万であ
る。固形分中の有機けい素化合物のは最終成形物の目的
に応じて決めればよいや、大体1〜95重量%とするの
が好ましく、更に5〜8喧量%が好ましい。
焼成後の炭化けい素の含有量を多くする場・合、成形の
可能な限り有機けい素化合物の量を多くすることが必要
である。本発明の前駆体成形物の成形法には特に限定な
いが、アクリロニトリルを主体とする単量体を溶液重合
する際に、予めまたは重合の途中もしくは・重合終了後
有機けい素化合物を添加分散させるか、アクリロニトリ
ル系重合体の溶剤にアクリロニトリル系重合体と有機け
い素化合物を分散溶解させるかして原液を得て、これを
通常の乾式もしくは湿式法で成形する方法、アクリロニ
トリル系j重合体粉末と有機けい素化合物をよく混合し
、適当に水を加えて溶融押出成形する方法(特開昭48
一4983鰐明細書に記載された方法に準する)などが
可能である。
上記アクリロニトリル系重合体用溶剤として、例えば乾
式成形する場合にはジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、エチルメチルスルホン、スルホラン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、ヘキサメチルホスホリルアミド、エチレンカー
ボネート等の有機系溶剤が、湿式成形する場合には上記
有機溶剤のほかに濃厚塩化亜鉛水溶液、濃厚口タン塩水
溶液、濃厚硝酸等の無機系溶剤が挙げられる。
成形用溶液の分散安定性を向上するために適当な乳化剤
、分散剤を使用しても差支えない。有機けい素化合物の
混合にあたつては、オンレーターあるいはスタティック
ミキサーなどを用いて気泡を混入することなくよく混合
するのが好ましい。ここで得られた溶液はアクリロニト
リル系重合体の成形方法に準じて湿式成形、乾式成形あ
るいはエアギャップ成形により成形を行う。アクリロニ
トリル系重合体の溶剤としてジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等を用いる場合は溶剤回収の面で乾
式法が有利であり、ジメチルスルホキシドを用いる場合
には、凝固溶としてジメチルスルホキシド水溶液、無機
塩水溶液、脂肪族アルコール等を用いて湿式成形あるい
はエアギャップ成形を行えばよい。更に濃厚塩化亜鉛水
溶液、濃厚口タン塩水溶液あるいは濃厚硝酸を用いる場
合には、凝固浴としてこれらの塩類の約20〜30%の
濃度の水溶液を用いて湿式成形あるいはエアギャップ成
形を行えばよい。その他紡糸に関する各条件は通常のポ
リアクリロニトリル系成形物に準じて選択すればよい。
いずれの方法によつても連続した形に成形することがで
き、通常の延伸によりその強度を上げることができる。
なおこれまで有機けい素化合物含有ポリアクリル系重合
体を成形することについて述べて来たが、ポリアクリル
系重合体をまず成形し、その後有機けい素化合物を含有
せしめることも可能てある。
必要により媒体中に溶解または分散した有機けい素化合
物を塗布したり、またはその中に成形物を含浸させれば
よいが、いずれも成形物中に均一に分散させることは困
難であり、ほぼ純粋な炭化けい素成型物を得るために成
形前に混合しておくのがよい。かくして得られた有機け
い素化合物含有成形物は酸化性雰囲気下、例えば空気中
、約200〜400℃、より好ましくは250〜350
℃での処理により不融化される。
またこの工程を不活性雰囲気下で行なつてもよい。次に
不活性雰囲気下で約600〜2500℃、より好ましく
は900〜2000℃て焼成される。不融化に先立つて
各種の酸化剤または耐炎剤を成形物中に含浸させてもよ
い。この不融化、焼成のためには公知のポリアクリロニ
トリル成形物炭化用炉を使用でき、この不融化工程を省
略していきなり焼成工程を通すと、製品が柔軟性を失つ
てもろくなつたり、また繊維の楊合は単糸同士が融着し
たりして使用時のトラブルの原因となる。200゜C以
下では不融化が不充分であり、400℃以上では有機け
い素化合物含有成形物が燃焼したり、形がくずれてしま
つたりする。
酸化性雰囲気で行う楊合、空気が最も安価に用いられる
が、少量の塩化水素を混用すれば炭化収率が増大するの
で好ましい。
不融化の時間は少なくとも5分間行うのが好ましく、ま
た焼成時間は3分ないし2Cj1T1間であるのが好ま
しい。また不活性雰囲気としてはアルゴンまたは窒素が
用いられる。また不融化およびそれに続く焼成工程にお
いて繊維に約0.001〜3y/d位の張力をかけてお
くことが繊維の強度を上げるために好ましい。更に焼成
のための触媒、例えばアルミニウム、鉄、ニッケル、コ
バルト、タングステン、マンガン、カリウム、インジユ
ウム、モリブデンなどの単体またはハロゲン化物を導入
してもよい。これらの導入は不融化処理前がよく、予め
紡糸原液中に存在させるか、紡糸工程もしくは繊維化後
にそれらの溶液もしくは分散液を繊維と接触させて行う
。本発明により炭化けい素含有成形物が、これまでに知
られている方法に比較して驚く程簡単かつ安価に得られ
、金属、セラミックス、プラスチックの強化繊維、各種
の耐熱素材、発熱あるいは発光体としての電気用途、そ
の硬さを利用した研磨材、その低摩擦係数を利用した摺
動材、その外に特殊吸着として単独もしくは他の素材と
複合することにより広範囲の用途に使用することができ
る。
j 以下実施例によつて本発明を説明するが、これによ
り本発明を限定するものではない。
なお実施例において最終成形物中の組成は全炭素量、全
窒素、全金属元素量、灰分量およびX線回折図を参考し
て決定した。
実施例1 ジメチルホルムアミド冗部、ジメチルポリシロキサン〔
信越化学社製KF96(100c.s)〕15部および
分子量約10のポリアクリロニトリル15部を505C
で数時間攪拌下で混合し、粘度が約300ポイズの分散
液を得た。
この粘稠液を200〜250℃の熱風紡糸筒中に紡出し
、固化した糸を60TrL/Minの速度で巻きとり、
スチーム加圧下、125℃で約3倍延伸し、乾燥してジ
メチルシリコールオイル含有ポリアクリロニトリル繊維
を得た。この繊維の強度は4.1tIC111伸度10
%であつた。この繊維を約0.05f/dの外力下20
0〜350゜Cの加熱空気中で約1時間処理し、次に同
じ外力下窒素雰囲気中で徐々に昇温し、1300℃で約
1時間処理すると炭化けい素約5呼量%、炭素約5踵量
%からなる繊維を得た。この繊維の強度は20t1d、
弾性率2500tIdであつた。実施例2 60%塩化亜鉛水溶液270部に、環状ポリシランであ
るドデカメチルシクロヘキサシランw部を分散し、次に
アクリロニトリル18部とアクリル酸メチル2部を加え
、更に触媒として2,2″−アゾビスー(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.15部を加え、50℃で6時
間攪拌しつつ重合を行つた。
得られた粘稠液のドデカメチルシクロヘキサシランおよ
び重合体の全濃度は29.5%であつた。この粘稠液を
脱泡後0℃の30%塩化亜鉛水溶液中に紡出し、得られ
た繊維を水洗後熱水中で約3倍延伸し、乾燥した。この
繊維の強度は5.7;TIC!t1伸度は17%であつ
た。この繊維を窒素中、約0.02〜0.05y/dの
外力下約250〜300′Cで約1時間処理し、次に同
じ外力下窒素雰囲気中1300℃で約1時間焼成し、炭
化けい素約30重量%、炭素含有量約冗重量%からなる
繊維を得た。
この繊維の強度は20t.ICIt1弾性率は2000
tICT11であつた。実施例3〜6 ジメチルスルホキシド3(1)部にメチルハイドロジエ
ンポリシロキサン(信越化学製品KF99)およびアク
リロニトリルを第1表に示した量だけ加え、次に窒素雰
囲気下触媒として2,2″−アゾビスー(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)をアクリロニトリルに対して1重
量%加え50゜Cで約6時間攪拌しつつ重合を行つた。
かくして得られた溶液を脱泡後約50%ジメチルスルホ
キシド水溶液を凝固浴として紡糸し、水洗し、スチーム
下で約3倍延伸し、更に乾燥してそれぞれのメチルハイ
ドロジエンポリシロキサン含有ポリアクリロニトリル繊
維を得た。これらの繊維を空気中0.03f/dの外力
下約250〜3509で1時間処理し、次にアルゴン雰
囲気中同じ外力下約1000℃で3吟焼成し、更に15
00℃で1時間焼成した。
これにより得た繊維の大体の組成および糸質を延伸後で
熱処理前の繊維の性質と共に第2表に示した。実施例7
、8 有機けい素化合物が異るほかは実施例6と同様にして炭
化けい素含有繊維を得た。
用いた有機けい素化合物及びその量を第3表に、焼成前
後の糸質、焼成後の繊維のおよびその組成を第4表に示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 有機けい素化合物およびポリアクリロニトリル系重
    合から主として成る成形物を約200〜400℃に加熱
    し、次いで不活性雰囲気において約600〜2500℃
    で焼成することを特徴とする炭化けい素含有成形物の製
    造方法。
JP51067245A 1976-06-08 1976-06-08 炭化けい素含有成形物の製造方法 Expired JPS6047362B2 (ja)

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JPS58156579A (ja) * 1982-03-12 1983-09-17 ソニー株式会社 シリコンカ−バイド−炭素系複合成型体およびその製造方法
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