JP2002145883A - ヒドロピリジン誘導体酸付加塩 - Google Patents
ヒドロピリジン誘導体酸付加塩Info
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Abstract
集抑制作用、保存安定性等が改善された、血栓又は塞栓
によって引き起こされる疾病の予防薬又は治療薬として
有用な化合物及び該化合物を含有する医薬を提供する。 【解決手段】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピ
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの酸付
加塩。
Description
性、代謝活性化及び血小板凝集抑制作用を有し、血栓又
は塞栓によって引き起こされる疾病の治療薬又は予防薬
として有用な、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロ
ピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの
酸付加塩(特に、塩酸又はマレイン酸塩)を含有する医
薬に関する。
ジン誘導体として、例えば、EP−542411号公報
(特開平6-411239号公報)に、アデノシン二リ
ン酸(以下、ADPと省略する)受容体拮抗剤である、
2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその類縁体が、
優れた血小板凝集抑制作用等を有し、抗血栓剤又は抗塞
栓剤として有用であることが記載されている。
血小板凝集抑制作用を有する化合物の開発を目指し、種
々のヒドロピリジン誘導体の薬理活性について、長年に
亘り、鋭意研究を行った結果、2−アセトキシ−5−
(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジン酸付加塩(特に、塩酸又はマレイン酸塩)
が優れた経口吸収性、代謝活性化及び血小板凝集抑制作
用を有し、毒性が弱く、更に、優れた保存及び取扱安定
性を有するため、医薬[好適には、血栓又は塞栓によっ
て引き起こされる疾病(更に好適には、血栓症又は塞栓
症)の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)]として有用
であることを見出し、本発明を完成するに至った。
する、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカル
ボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テ
トラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの酸付加塩
(特に、塩酸又はマレイン酸塩)、それらの製法、及
び、それらを含有する医薬[好適には、血栓又は塞栓に
よって引き起こされる疾病の予防薬又は治療薬(特に、
治療薬)、更に好適には、血栓症又は塞栓症の予防薬又
は治療薬(特に、治療薬)]を提供する。
シ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオ
ロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ
[3,2−c]ピリジンの酸付加塩(塩酸又はマレイン
酸塩)に関し、また、本発明の医薬は、有効成分とし
て、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボ
ニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テト
ラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの酸付加塩(塩
酸又はマレイン酸塩)を含有する。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの酸付加塩の酸部分は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、
リン酸のような無機酸又は、トリフルオロ酢酸、マレイ
ン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸のよう
な有機酸であり得、好適には、塩酸又はマレイン酸であ
る。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの塩酸塩は、下記構造を有する化合物である。
−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)
−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]
ピリジン マレイン酸塩は、下記構造を有する化合物で
ある。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの酸付加塩は、分子内に不斉炭素原子を有し、R配
位、S配位である立体異性体が存在するが、その各々、
或はそれらの任意の割合の化合物のいずれも本発明に包
含される。そのような立体異性体は、例えば、光学分割
された原料化合物を用いて合成するか又は合成した2−
アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2
−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロ
チエノ[3,2−c]ピリジンの酸付加塩を、所望によ
り通常の光学分割又は分離法を用いて光学分割すること
ができる。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの酸付加塩は、大気中に放置したり、又は再結晶する
ことにより、水分を吸収し、吸着水がついたり、水和物
になる場合が有るが、そのような水を含む酸付加塩も本
発明に包含される。
(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジンの酸付加塩は、EP−542411号公報
(特開平6−41139号公報)に記載された方法に従
って、合成される2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
を、不活性溶媒中又は溶媒不存在下(好適には、不活性
溶媒中)、酸[好適には、塩酸、塩化水素(ガス)又は
マレイン酸、更に好適には、濃塩酸又はマレイン酸、最
も好適には、濃塩酸]に加えるか、または、酸[好適に
は、塩酸、塩化水素(ガス)又はマレイン酸、更に好適
には、濃塩酸又はマレイン酸、最も好適には、濃塩酸]
を、不活性溶媒中又は溶媒不存在下(好適には、不活性
溶媒中)、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピル
カルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7
−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンに、一度
に又は二乃至数度に分けて滴下若しくは添加し、反応さ
せることにより、製造される。本方法において、必要に
応じて、種晶を添加することができる。
物質をある程度溶解するものであれば特に限定はない
が、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リ
グロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水
素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロ
ベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコー
ルジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メ
チルエチルケトン又はジエチルケトンのようなケトン
類;酢酸エチル、酢酸プロピル又は酢酸ブチルのような
エステル類;酢酸又はプロピオン酸のようなカルボン酸
類;或いは、アセトニトリル又はプロピオニトリルのよ
うなニトリル類であり得、塩酸塩の場合、好適には、エ
ーテル類、ケトン類、エステル類、カルボン酸類又はニ
トリル類であり、更に好適には、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸又はアセトニトリルであり、特に好適には、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸又はアセトンであ
り、最も好適には、アセトンである。他方、マレイン酸
塩の場合、好適には、エーテル類、ケトン類、エステル
類又はニトリル類であり、更に好適には、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル又はアセトニトリルであり、特に好適には、
テトラヒドロフラン、ジオキサン又はアセトンであり、
最も好適には、アセトンである。
するが、通常−20℃乃至100℃であり、好適には0
℃乃至70℃である。また、塩酸塩の場合、更に好適に
は、30℃乃至60℃であり、最も好適には、40℃乃至
55℃である。
よって変化するが、通常5分間乃至10時間であり、好
適には10分間乃至5時間である。
態様は、マレイン酸をアセトンに溶解させ、0乃至70
℃で、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカル
ボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テ
トラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンを添加して、
同温度で、1時間乃至3時間反応させる方法である。
態様は、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカ
ルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−
テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンをアセトン
に溶解させ、0乃至70℃(好適には、35℃乃至60
℃)で、濃塩酸の必要量(通常、チエノピリジン体に対
して、等モル)の半分を2分間乃至10分間かけて滴下
し、必要に応じて、種晶を添加し、同温度で、30分間
乃至2時間反応させ、さらに、濃塩酸の残りの必要量を
30分間乃至2時間かけて滴下し、同温度で、1時間乃
至3時間反応させる方法である。
−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベン
ジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2
−c]ピリジンの酸付加塩は、常法に従って反応混合物
から採取される。例えば、反応終了後、析出した結晶を
濾取するか、又は、反応終了後、溶媒を留去することに
より目的化合物が得られる。得られた目的化合物は必要
ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラ
フィー等によって更に精製することができる。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの酸付加塩は、優れた経口吸収性、代謝活性化及び血
小板凝集抑制作用を有し、毒性が弱く、更に、優れた保
存及び取扱安定性を有するため、医薬[好適には、血栓
又は塞栓によって引き起こされる疾病の予防薬又は治療
薬(特に、治療薬)、更に好適には、血栓症又は塞栓症
の予防薬又は治療薬(特に治療薬)]として有用であ
る。また、上記医薬は、好適には、温血動物用であり、
更に好適には、ヒト用である。
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ンの酸付加塩を、上記疾患の治療薬又は予防薬として使
用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許
容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又
は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与すること
ができる。
白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖
誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、
α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロ
ースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキス
トラン;プルランのような有機系賦形剤;及び、軽質無
水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ
珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐
酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのよ
うな炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系
賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ス
テアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;ビー
ズワックス、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピ
ン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フ
マル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラ
ウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;
及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合
剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げ
ることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋
カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロ
ース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメ
チルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンの
ような化学修飾された澱粉・セルロース類;上記澱粉誘
導体を挙げることができる。)、乳化剤(例えば、ベン
トナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化
物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム
のような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムの
ような陽イオン界面活性剤;及び、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界
面活性剤を挙げることができる。)、安定剤(例えば、
メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ
安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアル
コール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール
類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールの
ようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及
び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤
(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を
挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周
知の方法で製造される。
が、経口投与の場合には、1回当り下限0.1mg(好適
には、1mg)、上限1000mg(好適には、500mg)
を、静脈内投与の場合には、1回当り下限0.01mg
(好適には、0.1mg)、上限500mg(好適には、2
50mg)を成人に対して、1日当り1乃至7回症状に応
じて投与することができる。
を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範
囲は、これらに限定されるものではない。 実施例1 2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン 塩酸塩(A結晶) 参考例1で得られた2−アセトキシ−5−(α−シクロ
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン(10g)を、アセトン(150ml)に溶解させ、室
温(25℃)で攪拌下、36%濃塩酸(2.71g)を
滴下し、少量の種晶(別途製造したA結晶)を加えた
後、同温度で90分間攪拌した。析出した結晶を濾取
し、少量のアセトンで洗浄した後、減圧下、50℃で4
時間乾燥させ、標記化合物(8.1g,収率74%)を
白色結晶(A結晶)として得た。
2 - 0.99 (1H, m), 1.05 - 1.16 (2H, m), 1.23 - 1.34
(1H, m), 1.84 - 1.95 (1H, m), 2.26 (3H, s), 3.07
- 3.23 (2H, m), 3.57 - 4.39 (4H, m), 6.04 (1H, s),
6.45 (1H, brs), 7.37 - 7.57 (3H, m), 7.66 - 7.75
(1H, m)。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン マレイン酸塩 マレイン酸(4.43g)をアセトン(60ml)に溶解
させ、次いで、参考例1で得られた2−アセトキシ−5
−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベン
ジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2
−c]ピリジン(15.0g)を加え、室温(25℃)
で2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、少量のアセ
トンで洗浄した後、減圧下、50℃で4時間乾燥させ、
標記化合物(17.1g,収率92%)を白色結晶とし
て得た。
- 0.97 (1H, m), 1.02 - 1.09 (2H,m), 1.14 - 1.23 (1
H, m), 1.94 - 2.03 (1H, m), 2.25 (3H, s), 3.00 -
3.09(2H, m), 3.33 - 3.50 (2H, m), 3.88 (1H, d, J=1
4.9Hz), 4.05 (1H, d, J=14.9Hz), 5.70(1H, s), 6.25
(2H, s), 6.40 (1H, s), 7.30 - 7.42 (2H, m), 7.45 -
7.52 (1H, m), 7.56 - 7.66 (1H, m)。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン 塩酸塩(B1結
晶) 参考例1で得られた2−アセトキシ−5−(α−シクロ
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン(10g)を、アセトン(100ml)に溶解させ、4
0℃で攪拌下、36%濃塩酸(2.71g)を1分間で
滴下し、同温で60分間攪拌した(濃塩酸滴下後、約1
0分より結晶が析出し始めた。)。析出した結晶を濾取
し、アセトン(20ml)で洗浄した後、減圧下、60℃
で2時間乾燥させ、標記化合物(9.72g,収率89
%)を白色結晶(B1結晶)として得た。本B1結晶
は、実施例1で得られたA結晶よりも、さらに優れた保
存安定性を示した。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン 塩酸塩(B2結
晶) 参考例1で得られた2−アセトキシ−5−(α−シクロ
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン(50g)を、アセトン(750ml)に溶解させ、4
0℃で攪拌下、36%濃塩酸(6.78g)を5分間で
滴下し、実施例3で得られたB1結晶(0.1g)を種
晶として加え、同温度で60分間攪拌した。さらに36
%濃塩酸(6.10g)を60分間で滴下し、同温度で
120分間攪拌した。析出した結晶を濾取し、アセトン
(100ml)で洗浄した後、減圧下、70℃で3時間乾
燥させ、標記化合物(47.8g,収率92%)を白色
結晶(B2結晶)として得た。本B2結晶は、実施例3
で得られたB1結晶よりも、さらに優れた保存安定性を
示した。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン マレイン酸塩 マレイン酸(932g)をアセトン(15L)に溶解さ
せ、次いで、40℃に加温した。次いで、参考例1で得
られた2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカル
ボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テ
トラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(3000
g)を加え、室温で2時間攪拌した。析出した結晶を濾
取し、アセトン(4L)で洗浄した後、減圧下、60℃
で8時間乾燥させ、標記化合物(3538g,収率90
%)を白色結晶として得た。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン 塩酸塩(B2結
晶) 参考例1で得られた2−アセトキシ−5−(α−シクロ
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン(50g)を、アセトン(750ml)に溶解させ、5
5℃で攪拌下、36%濃塩酸(6.78g)を5分間で
滴下し、実施例3で得られたB1結晶(0.1g)を種
晶として加え、同温度で60分間攪拌した。さらに36
%濃塩酸(6.08g)を60分間で滴下し、同温度で
120分間攪拌した。析出した結晶を濾取し、アセトン
(100ml)で洗浄した後、減圧下、70℃で3時間乾
燥させ、標記化合物(46.2g,収率89%)を白色
結晶(B2結晶)として得た。
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジン (a)シクロプロピル 2−フルオロベンジル ケトン 金属マグネシウム(7.2g)に、無水ジエチルエーテ
ル(60ml)を加え、撹拌しながら、2 −フルオロベ
ンジルブロマイド(30ml)のジエチルエーテル(30
ml) 溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液
を、シクロプロピルシアニド(18.2ml)のジエチル
エーテル(120ml)溶液に、100分間かけて滴下
し、室温で30分間撹拌した後、更に還流下で1時間攪
拌した。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水
溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を、水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し
た後、有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ
た。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)を用い
て精製することにより、標記化合物(23g,溶媒を含
む)を黄色液体として得た。
- 0.98 (2H, m), 1.03 - 1.17 (2H, m), 1.92 - 2.06
(1H, m), 3.86 (2H, s), 7.10 - 7.30 (4H, m)。
ル−2−フルオロベンジル)−2−オキソ−2,4,
5,6,7,7a−ヘキサヒドロチエノ[3,2−c]
ピリジン 上記(a)で得られたシクロプロピル 2 −フルオロ
ベンジル ケトン(8.7g)を、四塩化炭素(80m
l)に溶解させ、N−ブロムコハク酸イミド(9.6g)
及び過酸化ベンゾイル(0.5g)を加えた後、還流下
で6時間撹拌した。反応終了後、反応液にトルエンを加
え、析出した固体を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:トルエン)を用いて精製し、α−シクロ
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイド
(8.5g)を黄色液体として得た。
ボニル−2−フルオロベンジルブロマイド(6.0g)
を、ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解させ、EP
−192535号公報(特開昭61−246186号公
報)に記載の方法に従い合成された2−オキソ−2,
4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジン塩酸塩(4.8g)及び炭酸水素カリウム
(7.0g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に
水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で
洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾
燥させた。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/
酢酸エチル=3/1)を用いて精製した後、ジイソプロ
ピルエーテルを用いて結晶化させることにより、標記化
合物(2.6g,収率35%)を、淡褐色結晶として得
た。
- 0.96 (2H, m), 0.99 - 1.14 (2H, m), 1.83 - 2.01
(1H, m), 2.02 - 2.17 (1H, m), 2.25 - 2.45及び2.47
- 2.62 (計2H, 各m), 2.85及び3.10 (計2H, 各d, J=12.
0Hz), 3.88 - 4.01及び4.03- 4.16 (計2H, 各m), 4.85
及び4.89 (計1H, 各s), 6.03及び6.06 (計1H, 各s),7.1
0 - 7.45 (4H, m)。
C,65.23 ; H,5.48 ; N,4.23;実測値 : C,65.09 ; H,5.
55 ; N,4.20。
プロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン 上記(b)で得られた5−(α−シクロプロピルカルボ
ニル−2−フルオロベンジル)−2−オキソ−2,4,
5,6,7,7a−ヘキサヒドロチエノ[3,2−c]
ピリジン(2.6g)を、ジメチルホルムアミド(10m
l)及び無水酢酸(5ml)の混合溶媒に溶解させ、氷冷
攪拌下、水素化ナトリウム(60%鉱油分散,0.35
g)を加え、同温で30分間撹拌した後、室温で3時間
撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで抽出し、
抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥させた。減圧下溶媒を留去し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出溶媒:トルエン/酢酸エチル=3/1)を用いて精製
した後、ジイソプロピルエーテルより結晶化することに
より、標記化合物(1.88g,収率65%)を、白色
結晶として得た。
- 0.95 (2H, m), 0.99 - 1.16 (2H, m), 2.27 (3H,
s), 2.21 - 2.34 (1H, m), 2.70 - 2.95 (4H, m), 3.47
(1H,d, J=15.0Hz), 3.57 (1H, d, J=15.0Hz), 4.83 (1
H, s), 6.27 (1H, s), 7.10 -7.55 (4H, m)。
C,64.32 ; H,5.40 ; N,3.75,実測値 : C,64.46 ; H,5.
39 ; N,3.73。 試験例1 イヌ血漿中代謝物濃度 被験化合物を、雄性ビーグル犬(体重約10kg、加商お
よび日本農産工業株式会社)に経口投与した後、血漿中
代謝物濃度を測定した。なお、比較対照の代謝物は、
(2Z)−[1−[α−シクロプロピルカルボニル−2
−フルオロベンジル]−4−メチルチオ−3−ピペリジ
ニリデン]酢酸(以下、S−メチル体と省略する。)と
した。S−メチル体は、ヒト、イヌ及びラットにおける
2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル
−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒ
ドロチエノ[3,2−c]ピリジンの血漿中主代謝物で
あり、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカル
ボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テ
トラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの薬理活性代
謝物からさらに一過程代謝を受けて生成するため、活性
代謝物生成量の指標になることが、既に報告されている
[三共研究所年報,第51巻,第1頁(1999年)[A
nnu. Rep. Sankyo Res. Lab., 51, 1 (1999)]]。
に充填した被験化合物(10mg/kg)を経口投与した。
投与後15、30、45、60、90及び120分に、
上腕伏在静脈よりヘパリン処理した注射筒を用いて、1
回あたり3mlを採血した。得られた全血を直ちに遠心分
離し、血漿を得、得られた血漿を測定まで−30℃で凍
結保存した。解凍した血漿(0.5ml)に、内部標準物
質として1μg/ml濃度の2−ヒドロキシアセトフェノン
(0.25ml)、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH
4.5,0.25ml)及びメタノール(0.5ml)を加
え、20±3℃で攪拌した。これにイソプロピルアルコ
ール/クロロホルム(1/9)混液(8ml)を加えた
後、振盪し、S−メチル体及び内部標準物質を溶媒相に
抽出した。抽出液を低速遠心(1500g、15分間)
により水相と溶媒相に分離させ、下層の溶媒相の適当量
を、窒素ガスを用いて乾固させた。これをHPLC移動
相(0.25ml)に再溶解させた。別に、既知量のS−
メチル体をイヌコントロール血漿に加え、同様に抽出操
作を行った。この試料中のS−メチル体と内部標準物質
の面積比をy軸に、添加したS−メチル体濃度をx軸に
して検量線を作成した。試料中S−メチル体濃度をこの
検量線から算出し定量した。
ルコール/水/トリフルオロ酢酸(10/12/78/0.0
1)。
論的パラメータとして、生体内生成量の指標となる血漿
中濃度−時間曲線下面積値をAUC、最高血漿中濃度を
Cmaxと、各々省略した。また、表中、「塩酸塩」
は、実施例1の2−アセトキシ−5−(α−シクロプロ
ピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
塩酸塩を示し、「フリー体」は、2−アセトキシ−5−
(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジンを示す。
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンを塩酸
塩にすることにより、AUC及びCmaxが何れも向上
することを示している。 試験例2 血小板凝集抑制作用(給餌) 試験には、雄性ビーグル犬(体重約10kg、加商および
日本農産工業株式会社)を1群5又は6頭として用い
た。血小板凝集は、ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロ
ジー,第168巻,第178頁(1963年)[J. Phys
iol., 168, 178 (1963)]に記載のBornらの方法を一部修
正し、自動血小板凝集測定装置(PAM−6C、メバニ
クス株式会社)を用いて測定した。
側皮静脈より血液5.4mlを、3.8%(w/v)クエ
ン酸ナトリウム(0.6ml)を抗凝固剤として採血し
た。得られたクエン酸加血液を遠心し(240g、20
分間)、多血小板血漿(platelet-rich plasma、以下、
PRPと省略する。)及び乏血小板血漿(platelet-poo
rplasma、以下、PPPと省略する。)を分離した。P
RP中の血小板数を、自動血球測定装置(K-1000、シス
メックス株式会社)で測定した後、PPP添加によって
3x108/mlに調整した。キュベットに分注したPRP(2
40μl)を、自動血小板測定装置にセットし、1分間
の予備加温(37℃)後、10μlのADP(終濃度2
0μM)を添加し、血小板凝集を惹起した。血小板凝集
を10分間測定し、最大凝集率を求め、投与前値とし
た。
に充填した被験化合物をイヌに経口投与した。投与2及
び4時間後に採血し、PRPを用いて血小板凝集を測定
し、最大凝集率を求めた。被験化合物の凝集抑制率
(%)は、投与前値との比較から算出した。結果を表2
及び表3に示す。
−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−
2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒド
ロチエノ[3,2−c]ピリジン 塩酸塩を示し、「フ
リー体」は、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピ
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンを示
し、「マレイン酸塩」は、実施例2の2−アセトキシ−
5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベ
ンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,
2−c]ピリジンマレイン酸塩を示す。
日本農産工業株式会社)を1群3頭として用いた。血小
板凝集は、ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロジー,第
168巻,第178頁(1963年)[J. Physiol., 16
8, 178 (1963)]に記載のBornらの方法を一部修正し、自
動血小板凝集測定装置(PAM−6C、メバニクス株式
会社)を用いて測定した。
5.4mlを、3.8%(w/v)クエン酸ナトリウム
(0.6ml)を抗凝固剤として採血した。得られたクエ
ン酸加血液を遠心し(240g、20分間)、多血小板
血漿(platelet-rich plasma、以下、PRPと省略す
る。)及び乏血小板血漿(platelet-poor plasma、以
下、PPPと省略する。)を分離した。PRP中の血小
板数を、自動血球測定装置(K-1000、シスメックス株式
会社)で測定した後、PPP添加によって3x108/mlに調
整した。キュベットに分注したPRP(240μl)
を、自動血小板測定装置にセットし、1分間の予備加温
(37℃)後、10μlのADP(終濃度20μM)を添
加し、血小板凝集を惹起した。血小板凝集を10分間測
定し、最大凝集率を求め、投与前値とした。
合物をイヌに経口投与した。投与2時間及び4時間後に
採血し、PRPを用いて血小板凝集を測定し、最大凝集
率を求めた。被験化合物の凝集抑制率(%)は、投与前
値との比較から算出した。結果を表4に示す。
2の2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボ
ニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テト
ラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン マレイン酸塩
を示し、「フリー体」は、2−アセトキシ−5−(α−
シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−
4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピ
リジンを示す。
に対する抑制作用は、2−アセトキシ−5−(α−シク
ロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,
5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
ン 塩酸塩及びマレイン酸塩の方が、2−アセトキシ−
5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベ
ンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,
2−c]ピリジンよりも強く、2−アセトキシ−5−
(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジン 塩酸塩及びマレイン酸塩が、2−アセト
キシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フル
オロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ
[3,2−c]ピリジンよりも、更に優れた薬理活性を
有することを示している。 製剤例1 ハードカプセル剤 50mgの粉末状の2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
塩酸塩、128.7mgのラクトース、70mgのセルロー
ス及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを混合し、
60メッシュのふるいを通した後、この粉末を250mg
の3号ゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とする。 製剤例2 錠剤 50mgの粉末状の2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
塩酸塩、124mgのラクトース、25mgのセルロース及
び1mgのステアリン酸マグネシウムを混合し、打錠機に
より打錠して、1錠200mgの錠剤とする。この錠剤は
必要に応じてコーティングを施すことができる。 製剤例3 ハードカプセル剤 50mgの粉末状の2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
マレイン酸塩、128.7mgのラクトース、70mgのセ
ルロース及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを混
合し、60メッシュのふるいを通した後、この粉末を2
50mgの3号ゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とす
る。 製剤例4 錠剤 50mgの粉末状の2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン
マレイン酸塩、124mgのラクトース、25mgのセルロ
ース及び1mgのステアリン酸マグネシウムを混合し、打
錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。この
錠剤は必要に応じてコーティングを施すことができる。
シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−
4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピ
リジンのピリジン酸付加塩(特に、塩酸又はマレイン酸
塩)が優れた経口吸収性、代謝活性化及び血小板凝集抑
制作用を有し、毒性が弱く、更に、優れた保存及び取扱
安定性を有するため、医薬[好適には、血栓又は塞栓に
よって引き起こされる疾病(更に好適には、血栓症又は
塞栓症)の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)]として
有用である。
Claims (19)
- 【請求項1】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピ
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの酸付
加塩。 - 【請求項2】酸付加塩が塩酸塩又はマレイン酸塩である
請求項1に記載の2−アセトキシ−5−(α−シクロプ
ロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの
酸付加塩。 - 【請求項3】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピ
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの塩酸
塩。 - 【請求項4】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピ
ルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンのマレ
イン酸塩。 - 【請求項5】請求項1乃至4より選択される一の請求項
に記載の塩化合物を有効成分として含有する医薬。 - 【請求項6】医薬が、温血動物用の血栓又は塞栓によっ
て引き起こされる疾病の予防薬又は治療薬である請求項
5に記載の医薬。 - 【請求項7】医薬が、ヒト用の血栓症又は塞栓症の予防
薬又は治療薬である請求項5に記載の医薬。 - 【請求項8】医薬が、ヒト用の血栓症又は塞栓症の治療
薬である請求項5に記載の医薬。 - 【請求項9】酸を不活性溶媒に溶解させ、2−アセトキ
シ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオ
ロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ
[3,2−c]ピリジンを加え、必要に応じて、種晶を
添加して、反応することによる2−アセトキシ−5−
(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−
c]ピリジンの酸付加塩の製法。 - 【請求項10】不活性溶媒がアセトンであり、酸がマレ
イン酸である請求項9の酸付加塩の製法。 - 【請求項11】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロ
ピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンを
不活性溶媒に溶解させ、酸を一度に又は二乃至数度に分
けて滴下若しくは添加し、必要に応じて、種晶を添加し
て、反応させることによる2−アセトキシ−5−(α−
シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−
4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピ
リジンの酸付加塩の製法。 - 【請求項12】不活性溶媒がアセトンであり、酸が濃塩
酸である請求項11の酸付加塩の製法。 - 【請求項13】2−アセトキシ−5−(α−シクロプロ
ピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンを
不活性溶剤に溶解させ、加温して、濃塩酸の必要量の半
分を滴下し、必要に応じて、種晶を添加して同温度で、
反応させ、さらに、濃塩酸の残りの必要量を滴下し、同
温度で、さらに反応させることによる2−アセトキシ−
5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベ
ンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,
2−c]ピリジンの塩酸塩の製法。 - 【請求項14】加温温度が35乃至60℃である請求項
13に記載の塩酸塩の製法。 - 【請求項15】加温温度が40乃至55℃である請求項
13に記載の塩酸塩の製法。 - 【請求項16】濃塩酸の必要量の半分の滴下時間が2分
間乃至10分間である請求項13乃至15に記載の塩酸
塩の製法。 - 【請求項17】濃塩酸の必要量の半分の滴下後の反応時
間が30分間乃至2時間である請求項13乃至16に記
載の塩酸塩の製法。 - 【請求項18】濃塩酸の残りの必要量の滴下時間が15
分間乃至2時間である請求項13乃至17に記載の塩酸
塩の製法。 - 【請求項19】濃塩酸の残りの必要量の滴下後の反応時
間が1時間乃至3時間である請求項13乃至18に記載
の塩酸塩の製法。
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