JP2002144669A - ラミネート装置及び記録装置 - Google Patents

ラミネート装置及び記録装置

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JP2002144669A
JP2002144669A JP2000345027A JP2000345027A JP2002144669A JP 2002144669 A JP2002144669 A JP 2002144669A JP 2000345027 A JP2000345027 A JP 2000345027A JP 2000345027 A JP2000345027 A JP 2000345027A JP 2002144669 A JP2002144669 A JP 2002144669A
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sheet
recording
laminating
drying
roller
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Hiroshi Sonobe
啓 園部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱乾燥されるシートから発生する蒸気によ
り、水滴が再度シートに付着することを防止可能なラミ
ネート装置及びこれを備えた記録装置を提供する。 【解決手段】 シートにラミネート処理を行うラミネー
ト装置において、シートのラミネート処理を行うための
ラミネート手段6と、前記ラミネート手段6よりもシー
ト搬送方向上流側に設けられ、シートを加熱乾燥させる
加熱ローラ51と、前記加熱ローラ51にシートを押圧する
ための加圧ローラ52a,52bと、前記加熱ローラ51によ
って加熱されるシートの搬送幅外側から鉛直下方へ配置
され、前記シートから蒸発した蒸気を冷却するための冷
却側板とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシートにラミネート
処理を行うラミネート装置及びこれを備えた複写機、プ
リンタおよび通信機器等の各種情報機器に搭載あるいは
接続される記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、構造が簡単
で、小型・安価なことから、近年多方面で広く使われて
いる。しかし、インク滴をシート表面に塗布するだけの
構造であるため、記録後、水分により画像が流れたり、
紫外線により退色する場合があり、長期間の保存には適
さない場合があった。また、画質の面で、銀円写真に対
して平滑性や光沢性、対向性の面で若干劣っていた。
【0003】上記の問題点に対し、インクジェット方式
により記録された画像の表面に平滑性や光沢性を付与
し、銀塩写真並の画質にするため、さらに長期間保存の
問題点を解決するために、記録シート表面に対し、樹脂
フィルムに塗布されたコーティング材を加熱溶融して記
録シートに転写し、転写後冷却しコーティング材を硬化
させ、樹脂フィルムのみを剥す方法(ラミネート処理)
によって、記録表面にラミネート層を形成し長期保存を
可能にする方法がラミネート装置として実用化されてい
る。
【0004】しかし、インクジェット方式の記録精度は
記録シートの送り精度に大きく依存しているため、記録
中の記録シートを同時にラミネート装置に通すことは、
記録シート送り精度の低下、ひいては記録精度の低下を
招くおそれがある。さらに、インクジェット記録装置で
記録されたシートには、インク中に含まれる水分が大量
にシート表面に含まれるため、この水分が乾燥する前に
ラミネート処理を行うと以下のような不具合を生じる。
【0005】(1)定着ローラの温度低下
【0006】記録シートを定着ローラに通して加熱する
場合、インクに含まれる水分が気化し、その気化熱で定
着ローラの熱量が奪われ、記録シートの加熱に必要な熱
量(温度)が不足し、十分な定着が行えない場合があ
る。
【0007】(2)記録シートの比熱増大
【0008】インクに含まれる水分の比熱は、記録シー
トの比熱よりも大きいため、インクを大量に打ち込まれ
た記録シートの比熱は大きくなる。このため、記録シー
トを定着に必要な温度にするための熱量が不足し、十分
な定着が行えない場合がある。
【0009】(3)水蒸気の発生
【0010】ラミネートのために記録シートを定着部で
加熱すると、インクに含まれる水分が気化する。この状
態でラミネート材で記録シート表面を覆うと、行き場を
失った水蒸気が記録シートとコーティング材の境界面に
挟まれ、記録シートとラミネート材が密着することを妨
げる。すなわち十分な定着が行えない場合がある。
【0011】このような問題点は、インクジェット記録
装置で記録された記録物に限らず、高温高湿環境下に放
置された他の方法で記録された記録物に対しラミネート
を施す場合でも、シート自身が吸湿することにより同様
の問題が生じることがある。
【0012】上記問題に対して加熱ローラと加圧ローラ
の一対のローラで記録後のシートを挟み、ニップ間で紙
を加熱し水分を水蒸気としてあらかじめ飛ばすことが考
えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発生し
た水蒸気はニップ内から逃げられないためニップの上
流、下流側に噴出し機内に拡散、結露が生じ、特に下流
側においては排出に至るシート搬送ガイドなどに結露し
た水滴が再びシートに付着して画像を乱すなどの障害が
起こるおそれがある。
【0014】本発明は上記課題を解決するものであり、
その目的は、加熱乾燥されるシートから発生する蒸気に
より、水滴が再度シートに付着することを防止可能なラ
ミネート装置及びこれを備えた記録装置を提供するもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、シートにラミネート処
理を行うラミネート装置において、シートのラミネート
処理を行うためのラミネート手段と、前記ラミネート手
段よりもシート搬送方向上流側に設けられ、シートを加
熱乾燥させる加熱ローラと、前記加熱ローラにシートを
押圧するための押圧部材と、前記加熱ローラによって加
熱されるシートの搬送幅外側から鉛直下方へ配置され、
前記シートから蒸発した蒸気を冷却するための冷却部材
と、を備えたことを特徴とする。
【0016】上記構成にあっては、シートを加熱して発
生した蒸気は加熱ローラとシートの間を通って冷却部材
へと逃げ、ここで冷却されて水滴となって冷却部材を伝
わって下方へと排出される。このため、蒸発した水蒸気
がシートに再度付着することがなく、シート表面に密着
したラミネート処理を行うことができる。よって、記録
装置にあっては高品位の画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施形態に係るラ
ミネート装置を備えた記録装置として、インクジェット
記録装置を例示して説明する。
【0018】〔第1実施形態〕図1乃至図3を参照して
第1実施形態におけるラミネート装置を備えたインクジ
ェット記録装置について説明する。尚、図1はインクジ
ェット記録装置の模式説明図であり、図2はシートの加
熱工程を示す説明図、図3はラミネートする転写シート
の断面説明図である。
【0019】{全体構成}図1において、シートカート
リッジ1の内部にロール状に巻かれている記録紙Sは、
搬送ローラ2等の搬送手段によって精度良く間欠送りさ
れ、記録手段3によりその表面に画像が形成される。
尚、本実施形態では搬送して記録するシートとしてロー
ル紙を使用しているが、記録シートはロール紙に限ら
ず、カット紙であってもよく、またプラスチックシート
等の紙以外の材質であってもよい。
【0020】記録後の記録紙Sはカッター4で所定長さ
に切断されて乾燥手段5へ送られ、記録紙Sの過剰水分
が除去される。そして、この記録紙Sがラミネート装置
としての定着手段6へ送られ、記録面にラミネートフィ
ルムが転写され、画像定着されるとともに表面に光沢が
付与される。その後、記録紙Sは冷却手段7で冷却さ
れ、分離手段を構成する分離ローラ8でラミネートベー
スフィルムと分離されて排出ローラ9によって排出トレ
イ10へ排出される。次に前記各部の構成について具体的
に説明する。
【0021】{記録手段}本実施形態にあっては記録手
段としてシリアル型のインクジェット記録方式を用いて
いる。すなわち、インクジェット記録ヘッドが図示しな
いキャリッジに搭載され、このキャリッジがロール紙搬
送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に往復移
動可能であり、この移動と同期して記録ヘッドからイン
クを画信号に応じて吐出することにより、記録紙Sにイ
ンク像を記録するものである。そのため、記録ヘッドは
微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の
一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある
液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネル
ギー発生手段を備えている。
【0022】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用
いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱さ
せ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発
生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する
発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体
を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等が
ある。
【0023】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列すること
ができるために高解像度の記録をすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段とし
て用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、高
密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利
である。
【0024】尚、本実施形態ではインクの吐出構成とし
て、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、その熱エ
ネルギーによってインクに生ずる膜沸騰を利用してイン
クに生ずる気泡の成長、収縮により、インクを吐出口か
ら吐出して記録を行うように構成している。
【0025】記録終了後、記録紙Sは後端がカッター4
を通過する位置まで早送りされてカットされる。カット
された記録紙Sは不図示の搬送系により乾燥手段5に搬
送される。同時に、ロール側の記録紙Sは記録準備位置
まで搬送ローラ2および記録紙ロールの逆回転により引
き戻される。
【0026】本実施形態におけるインクジェット記録装
置では、前述したようにインクジェット記録ヘッドでイ
ンクを打ち込まれた記録紙に、ラミネート手段としての
定着手段6によって透明な樹脂をコーティングすること
により、光沢に富み耐候性に優れる記録紙を制作するこ
とができる。しかし、インクには多量の水分が含まれて
いるため、インクを大量に打ち込まれた記録紙を記録直
後にラミネートするには、記録紙を乾燥しなければなら
ない。そのために設けられたのが乾燥手段5である。
【0027】{乾燥手段}本実施形態では短時間で記録
紙を乾燥させるために乾燥手段5を設けている。すなわ
ち、インクを大量に打ち込まれた記録紙をコーティング
する前に、記録紙中のインクに含まれる水分をラミネー
ト可能に強制的に蒸発させるものである。
【0028】乾燥手段5は、図2(a)に示すように、中
空のステンレスの表面にシリコンゴムを被覆した乾燥加
熱ローラ51の軸の端部101,102が本体の底板103にネジ
止めされた冷却部材としての側板104,105に固定された
軸受106,107に嵌合して回転可能となっている。
【0029】また、図2(b)に示すように、側板104,10
5にはそれぞれ前記乾燥加熱ローラ51の軸受106,107を
中心とする円の半径方向であって、鉛直方向に対して斜
め下方45度の角度で長い長穴120a,120bが穿設されて
いる。この長穴120a,120bに押圧部材としての2本の
乾燥加圧ローラ52a,52bの軸端に取り付けられた軸受
が圧入された軸受ホルダ108,109が前記長穴方向にスラ
イド可能に取り付けられている。
【0030】側板104,105に設けられた前記長穴120
a,120bの一端には圧縮コイルバネ110,111の端部を
保持する突起121a,121bが形成されており、これにセ
ットされたバネ110,111が前記軸受ホルダ108,109を乾
燥加熱ローラ51の軸中心方向に付勢している。その結
果、乾燥加熱ローラ51に対して2本の乾燥加圧ローラ52
a,52bが加圧され、シートが乾燥加熱ローラ51に押圧
される。そして、図示しない駆動機構によって前記乾燥
加熱ローラ51が駆動回転するとともに、乾燥加圧ローラ
52a,52bが従動回転して記録紙を搬送し、中空の乾燥
加熱ローラ51の中空部に配設された乾燥ヒータ53(図1
参照)による加熱によって記録紙を乾燥させる。
【0031】尚、図1において、54はスイッチバックフ
ラップであり、上面に記録されてカットされた記録紙を
記録面を上面にして排出すべくスイッチバック搬送ロー
ラ対71を用いて実現するものである。
【0032】前述の如く、カッター4でカットされた記
録紙は搬送ローラ2により搬送され、図1の実線状態に
あるスイッチバックフラップ54により下方に方向を変え
スイッチバック搬送ローラ対71で矢印A方向に搬送され
る。
【0033】搬送ローラ2の近傍に記録紙後端が来ると
スイッチバックフラップ54を図1の点線の状態に不図示
の駆動系で切り替えてスイッチバック搬送ローラ対71を
逆転させ、不図示のガイドで矢印B方向へ搬送して乾燥
手段5に記録紙を送り込む。
【0034】乾燥加熱ローラ51と乾燥加圧ローラ52aと
に挟持せしめられた記録紙はシートガイド55に案内され
て乾燥加圧ローラ52bのニップ位置に送られる。このと
き、記録面は180℃の乾燥加熱ローラ51の表面と接触
し、急激に水分が沸点を超えて気化する。水が気化する
と体積が1200倍程度に膨張し、その圧力で水蒸気は乾燥
加熱ローラ51の表面と記録面との間を押し広げて逃げよ
うとする。ところが乾燥加圧ローラ52a,52bはそれを
妨げるため水蒸気はローラの軸方向(図1の図面表裏方
向)に進む。この水蒸気は乾燥加熱ローラ51の温度とニ
ップの圧力によって高温の気体(水蒸気)で進んでい
く。
【0035】図2(a)に示すように、水蒸気は乾燥部側
板104,105に衝突すると乾燥部側板表面で冷却されて水
滴に戻り、そこで結露する。すなわち、乾燥部側板10
4,105は底板103にネジ止めされており、その温度は外
気の温度、例えば25℃程度に対して内部の乾燥加熱ロー
ラ51の輻射熱などで上昇するが、約50℃程度であるため
に水蒸気は水に戻る。乾燥側板104,105はこのように水
蒸気を冷却する機能を有するものであり、その温度は10
0℃以下であれば水蒸気冷却効果をもたらすことができ
る。前記乾燥側板104,105の乾燥手段5に対向する部分
には鉛直方向に深さ、巾が0.5mmの溝条122が施されてい
る。そのため、結露した水はこの溝条に沿って下に流
れ、図2(b)に示すインクジェットの廃インク吸収体112
に吸収される。尚、実験によると約7割の水蒸気がここ
で水分として回収でき、水蒸気が記録紙へ再度付着する
ことはなかった。
【0036】上記のように、乾燥手段5によって急激に
水分蒸発が行われるために記録紙に含まれる水分量が少
なくなり、定着手段6において記録紙を高温にしても水
蒸気の発生が少なく、気泡の発生が防げる。また、定着
手段6で高温にしても気化熱で奪われる熱エネルギーが
少なく、記録紙を定着ローラに近い温度まで加熱でき、
ラミネート層を変性させるに十分な熱エネルギーを供給
できる。言い換えると、同量の熱エネルギーを与えるの
であれば、定着ローラをより低い温度で使用できる。さ
らに、記録紙の比熱(熱容量)が小さくなるために、記
録紙を定着ローラに近い温度まで加熱でき、ラミネート
層を変性さすに十分な温度を維持できる。
【0037】また、乾燥ニップ通過後の記録紙の蒸気発
生が少なくなるため、定着ニップで封止するとき水蒸気
の閉じ込めが無くなり、記録紙と転写シートの密着性を
損なわなくなる。
【0038】さらに、記録紙が高温になっているため
に、定着手段6において記録紙が短時間で定着ローラに
近い温度になり、ニップを通過する短い時間でラミネー
ト層を変性させるに十分な温度を確保できる。言い換え
ると、記録紙を同じ温度まで上昇させるのであれば、定
着ローラをより低い温度で使用できる。
【0039】{定着手段}前記の如くして乾燥手段で水
分が蒸発した記録紙は定着手段6においてラミネート定
着処理される。次にこの定着手段(ラミネート手段)の
構成について具体的に説明する。
【0040】乾燥ニップ5eを通過をした記録紙は、定
着搬送系を通り、先端が転写シート62に当接する。転写
シート62は、図3に示すように、ベース材621上に表層
材層622および粘着層623が製膜されており、記録紙Sに
粘着層623を圧接、加熱することにより記録紙Sと一体
化し、これを冷却手段7によって冷却後、ベース材621
を剥離することによって記録紙表面を粘着層623を介
し、表層材層622でコーティングするものである。
【0041】転写シート62は巻出しロール63から、表面
にシリコン系あるいはフッ素系の表面処置がされた定着
加熱ローラ65と、表面がシリコンゴム製でフッ素系チュ
ーブで覆われている定着加圧ローラ66からなる定着ニッ
プ67を介して巻取りロール68に巻き取られる。69は中空
の定着加熱ローラ65の中空部に挿入され、定着加熱ロー
ラ65を加熱する定着ヒータである。巻取りロール68は転
写シート62を巻上げる方向の回転駆動が可能であると同
時に、転写シート62を巻き戻す方向に対して所定トルク
での回転規制かかかる構造となっている。これとは逆
に、巻出しロール63は転写シート62を巻き戻す方向の回
転駆動が可能であると同時に、転写シート62を巻き上げ
る方向に対し所定トルクでの回転規制かかかる構造とな
っている。すなわち、転写シート62には巻き上げ、巻き
戻し、いずれの方向にも張力が働き、シワの発生を防止
している。転写シート62の幅は記録紙Sよりわすかに広
くなっており、双方の幅方向位置が多少ずれても記録紙
全面を覆うことができる。
【0042】記録紙Sはまず転写シート62に当接した
後、定着ニップ67で転写シート62と共に挿入され、加
圧、加熱される。記録紙Sをまず転写シート62に当接す
ることにより、記録紙先端が折れ曲がり、折り畳まった
状態で加圧、加熱されることが防止される。記録紙Sは
その後、冷却手段7で冷却され、分離手段を構成する分
離ローラ8で曲率分離された後、排出ローラ9によって
排出トレイ10に排出される。
【0043】定着手段6の後方には分離部がある。
【0044】定着加熱ローラ65,定着加圧ローラ66から
なる定着手段で記録紙に転写シート62の粘着層623を溶
着したのちにたとえばアルミニウムのような熱伝導性の
良い材質からなる冷却手段7で記録紙と転写シート62の
双方を冷却する。
【0045】冷却することにより軟化した粘着層を十分
な剥離強度を有する温度に下げ、ついで転写シートから
ベース材621のみを分離する。半径5mm以下の曲率の小さ
い分離ローラ8に記録紙・転写シートが搬送されると記
録紙の先端はその剛性のため曲率に倣うことができな
い。つまり真っ直ぐ進もうとし、転写シートとの間に剥
離が生じる。この時各界面の接着力は、記録紙/粘着層
623 > 粘着層623/表層材層622 >>表層材層622 /
ベース材621、の関係になっており、ベース材621だけが
分離ローラ8を介して巻取りロール68に巻き取られる。
【0046】一方、記録紙は粘着層623、表層材層622を
のせたまま排出ローラ9によって排出トレイ10に排出さ
れる。すなわち、転写シートから粘着層623、表層材層6
22を記録紙に転写し、表面のインク層を保護する保護膜
が形成されて排出されることとなる。
【0047】〔第2実施形態〕前述した実施形態では、
乾燥手段として加熱ローラに加圧ローラによって記録紙
を押圧する例を挙げたが、本発明はこれに限定されるこ
とはない。
【0048】次に第2実施形態として、図4及び図5を
参照して乾燥手段として平板ヒータを用いたラミネート
装置を例に挙げて説明する。尚、図4はラミネート装置
の断面模式説明図であり、図5は乾燥手段の構成説明図
である。そして、ラミネート装置の定着、冷却、分離部
の構成は前述した第1実施形態と同様であるため、その
説明を省略する。また、同じ機構には同じ番号を付す。
【0049】装置にインクジェットプリンタなどで記録
された記録紙を図4の矢印D方向から乾燥手段に挿入す
る。すなわち、ピックアップローラ対76は記録紙をニッ
プし、乾燥手段79に送りこむ。乾燥手段79は記録用紙乾
燥のための平板ヒータ77と、記録用紙と直接接触する面
がテフロン(登録商標)コーティングされた2mm厚のア
ルミ製プラテン78と、表面がシリコンゴム製の乾燥加圧
前ローラ80、乾燥加圧後ローラ81とからなる。
【0050】図5に示すように、平板ヒータ77により加
熱されたプラテン78に対し、加圧バネ113,114で乾燥加
圧前ローラ80、乾燥加圧後ローラ81は加圧されている。
アルミ製プラテン78は約140℃に保持される。記録紙は
乾燥加圧前ローラ80にニップされた後にシートガイド82
とプラテン78間の約1mmの隙間を通過し、加熱されて乾
燥加圧後ローラ81に至るまで記録紙に含まれている水分
を急激に蒸発する。
【0051】前記加熱部では第1実施形態と同様な状況
が生じている。すなわち、加熱されている部位では、水
が気化すると体積が1200倍程度に膨張し、その圧力で水
蒸気はプラテン78表面と記録面との間を押し広げて逃げ
ようとする。ところが乾燥加圧前ローラ80、乾燥加圧後
ローラ81はそれを妨げるため水蒸気はローラの軸方向
(図4の図面表裏方向)に進む。この水蒸気はアルミ製プ
ラテン78の温度とニップ圧力によって高温の気体(水蒸
気)で進んでいく。
【0052】水蒸気は乾燥部側板104,105に衝突すると
乾燥部表面で水滴に戻り結露する。この乾燥部側板10
4,105の乾燥域に対向する部分には第1実施形態と同様
に鉛直方向に小さな溝条122が施されている。そのた
め、結露した水はこの溝条122に沿って下に流れインク
ジェットの廃インク吸収体112に吸収される。
【0053】本実施形態の乾燥手段を用いた場合、プラ
テン78の熱容量が小さいため、平板ヒータ77に通電後、
短い時間で乾燥ニップを所望の温度に制御することが可
能である。つまり、ウォームアップ時間の短い機器が実
現できる。
【0054】
【発明の効果】本発明は前述のように構成したために、
乾燥手段で蒸発した水蒸気がシートに再度付着すること
がなく、シート表面に密着したラミネート処理を行うこ
とができる。よって、記録装置にあっては高品位の画像
を得ることができる。
【0055】また、装置を設置した近くの壁に結露が生
じてカビの発生、または溶剤によっては臭いの発生が生
じることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の模式説明図である。
【図2】シートの加熱工程を示す説明図である。
【図3】ラミネートする転写シートの断面説明図であ
る。
【図4】ラミネート装置の断面模式説明図である。
【図5】乾燥手段の構成説明図である。
【符号の説明】
S …記録紙 1 …シートカートリッジ 2 …搬送ローラ 3 …記録手段 4 …カッター 5 …乾燥手段 6 …定着手段 7 …冷却手段 8 …分離ローラ 9 …排出ローラ 10 …排出トレイ 51 …乾燥加熱ローラ 52a,52b …乾燥加圧ローラ 53 …乾燥ヒータ 54 …スイッチバックフラップ 55 …シートガイド 62 …転写シート 63 …巻出しロール 65 …定着加熱ローラ 66 …定着加圧ローラ 67 …定着ニップ 68 …巻取りロール 69 …定着ヒータ 76 …ピックアップローラ対 77 …平板ヒータ 78 …プラテン 79 …乾燥手段 80 …乾燥加圧前ローラ 81 …乾燥加圧後ローラ 82 …シートガイド 101,102 …端部 103 …底板 104,105 …側板 106,107 …軸受 108,109 …軸受ホルダ 110,111 …バネ 112 …廃インク吸収体 113,114 …加圧バネ 120a,120b …長穴 121a,121b …突起 122 …溝条 621 …ベース材 622 …表層材層 623 …粘着層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートにラミネート処理を行うラミネー
    ト装置において、 シートのラミネート処理を行うためのラミネート手段
    と、 前記ラミネート手段よりもシート搬送方向上流側に設け
    られ、シートを加熱乾燥させる加熱ローラと、 前記加熱ローラにシートを押圧するための押圧部材と、 前記加熱ローラによって加熱されるシートの搬送幅外側
    から鉛直下方へ配置され、前記シートから蒸発した蒸気
    を冷却する冷却部材と、 を備えたことを特徴とするラミネート装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却部材は前記加熱ローラを保持す
    る側板であることを特徴とするラミネート装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却部材の重力方向に溝条に設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却部材は100℃以下の壁体である
    ことを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
  5. 【請求項5】 記録手段によってシートに記録を行う記
    録装置において、 前記記録手段による記録位置よりもシート搬送方向下流
    側に請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のラミ
    ネート装置を備えたことを特徴とする記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    てインクを吐出して記録することを特徴とする請求項5
    に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記ラミネート装置の冷却部材の下方に
    インク吸収体を配置したことを特徴とする請求項6記載
    の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    て電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する熱エ
    ネルギーを利用してインクを吐出することを特徴とする
    請求項6に記載の記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7559856B2 (ja) 2019-02-15 2024-10-02 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、記録システム

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