JP4175121B2 - オーバーコート装置及びオーバーコート装置付きインクジェット記録装置 - Google Patents

オーバーコート装置及びオーバーコート装置付きインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式により画像が形成された記録物の画像面上に、該画像を保護する保護層を設けるためのオーバーコート装置及び該オーバーコート装置を備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
インクジェット方式は、記録ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルからインクの液滴を吐出させ、紙などの記録媒体に付着させて画像を形成する記録方式である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、画質の点では、銀塩写真に匹敵する高レベルに達しているが、画像堅牢性の点では、未だ銀塩写真に及ばないのが実状である。画像堅牢性の向上は、インクジェット記録技術のデジタル写真サービスや商業印刷用途等への拡大に伴い、近年ますます重要視されるようになっている。
【0003】
また、画像堅牢性、光沢等を高め得る記録技術として、画像の形成された画像面上に、支持体上に透明フィルムを設けてなる画像保護フィルム(転写シート)の該透明フィルムを熱転写することにより、画像を透明フィルム(保護層)で被覆する熱転写型オーバーコート処理が知られている。熱転写型オーバーコート処理は、銀塩写真に匹敵する高画質、高画像堅牢性を達成できる可能性を秘めた技術として、インクジェット記録分野でも注目されており、保護層の材質や構成あるいは形成方法等に関する種々の改良技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また特許文献4には、保護層を形成するための転写装置を備え、該転写装置によりインクジェット画像面上に保護層を形成するようになしたインクジェット用プリンタが開示されている。
【0004】
しかし、インクジェット記録後に上記の熱転写型オーバーコート処理を行うとなると、記録ヘッド等のインクジェット記録に必要な装置とは別に、フィルムの転写装置が必要になるため、印刷コストが飛躍的にアップするという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェット方式により画像が形成された記録物の画像面に対し、効率よくオーバーコート処理を行うことができ、銀塩写真に匹敵する高画質及び高画像堅牢性を備えた記録物を低コストで提供できるオーバーコート装置及び該オーバーコート装置を備えたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開昭60−189486号公報
【特許文献2】
特開2000−52637号公報
【特許文献3】
特開2000−233474号公報
【特許文献4】
特開2000−153677号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のオーバーコート装置は、インクジェット方式により画像が形成された複数の記録物を、それぞれ間隔を置いて並列に搬送し、複数の該記録物それぞれの画像面上に、該画像を保護する保護層を設けるオーバーコート装置であって、それぞれ間隔を置いて並列に搬送されてきた複数の上記記録物上に、複数の該記録物を被覆可能な幅を有する被転写層を支持体上に設けた転写シートを、複数の該記録物の上記各画像面を被覆するように供給する転写シート供給手段と、複数の該記録物と該転写シートとを加熱圧着させる加熱圧着手段と、加熱圧着後に該転写シートから上記支持体を剥離する剥離手段とを備えており、上記加熱圧着手段は、一対の圧着部材からなり、複数の上記記録物と上記転写シートとを、一対の該圧着部材間を通過させるようになしてあり、且つ一対の該圧着部材のうち、複数の該記録物と接触する圧着部材の表面に、上記間隔に対応する溝が設けてあり、複数の上記記録物と上記転写シートとが一対の上記圧着部材間を通過するときに、該転写シートの上記被転写層における上記間隔に対応する部分が、一対の該圧着部材のうち、複数の該記録物と接触する圧着部材に接触しないようになされていることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記オーバーコート装置を備えたインクジェット記録装置であって、複数の記録媒体をそれぞれ間隔を置いて並列に搬送し、記録ヘッドよりインクを吐出して複数の該記録媒体それぞれに画像を形成し、複数の記録物を作成した後、上記オーバーコート装置により、複数の該記録物それぞれの画像面上に、該画像を保護する保護層を設けることを特徴とするものである。即ち、本発明のインクジェット記録装置は、複数の記録媒体をそれぞれ間隔を置いて並列に搬送し、記録ヘッドよりインクを吐出して複数の該記録媒体それぞれに画像を形成するインクジェット記録部と、複数の該画像上それぞれに保護層を同時に形成する保護層形成部とを備え、該保護層形成部が上記オーバーコート装置からなることを特徴とする。
【0009】
本発明のオーバーコート装置によれば、複数の記録物をそれぞれ間隔を置いて並列に搬送し、加熱圧着処理時において転写シートの被転写層がローラ等の圧着部材に接触しないようになしてあるので、該圧着部材の表面に該被転写層を付着させずに、これらの記録物をまとめてオーバーコート処理することができ、銀塩写真に匹敵する高画質及び高画像堅牢性を備えた保護層付き記録物を低コストで効率よく製造することができる。また、本発明のオーバーコート装置は、加熱圧着処理後、上記圧着部材の表面に上記被転写層が付着することがないので、該表面のクリーニング作業等が軽減され、メンテナンス性に優れる。また、本発明のインクジェット記録装置によれば、1パスで上記保護層付き記録物を製造できるので、製造作業がより一層効率的になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオーバーコート装置について、該オーバーコート装置を備えた本発明のインクジェット記録装置の好ましい実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(プリンタ)の概略側面図であり、図2は、図1に示すプリンタ1の要部の概略斜視図である。このプリンタ1は、複数(本実施形態では3つ)の記録媒体P1,P1,P1をそれぞれ間隔tを置いて並列に搬送し、複数(本実施形態では3つ)の記録ヘッド23,23,23よりインクを吐出してそれぞれに画像を形成するインクジェット記録部2と、このようにして同時に作製された複数の記録物P2,P2,P2のそれぞれの画像上に、該画像を保護する保護層を同時に形成するオーバーコート装置(保護層形成部)3とを備える。また、オーバーコート装置3に対して記録媒体P1の搬送方向下流側には、長尺のシートを単位長さに切断するカッター4と、単位長さに切断された複数のカットシートをストックする排紙トレイ5が設けられている。
【0012】
インクジェット記録部2は、図示しないモータにより駆動される紙送りロール21によって、ロール状に巻き取られたロール形態の3つの記録媒体P1をプラテン22位置にそれぞれ繰り出し、3つの記録ヘッド23より各記録媒体P1の被記録面に各色インクを吐出させて所望のインクジェット画像を形成し、3つの記録物P2を同時に作製した後、これらをオーバーコート装置(保護層形成部)3へと搬送するものである。各記録ヘッド23は、インクタンクが一体的に設けられたカートリッジタイプのもので、キャリッジ(図示せず)上に搭載されている。該キャリッジは、通常のシリアルスキャン型のインクジェット記録装置と同様に、記録媒体P1の搬送方向と直交する方向に配置されたガイドレール(図示せず)上に摺動可能に保持されると共に、キャリッジモータ(図示せず)によって駆動されるタイミングベルト(図示せず)に連結されており、記録ヘッド23を該方向に主走査させるようになしてある。
【0013】
記録ヘッド23自体は、この種のインクジェット記録装置における記録ヘッドと同様に構成されており、インクを吐出する複数のノズル、インク供給路、該インク供給路の一部に設けられるエネルギー作用部、該エネルギー作用部にあるインクに作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段(何れも図示せず)等を備える。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いる方式のものや、発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によってインクを加熱して吐出させる方式のもの等があり、何れの方式も使用できる。
【0014】
オーバーコート装置3について説明する。
オーバーコート装置3は、インクジェット記録部2から、それぞれ間隔tを置いて並列に搬送されてきた複数の記録物P2,P2,P2上に、複数の該記録物P2,P2,P2を被覆可能な幅を有する被転写層CSをこれと同一幅の支持体BS上に設けてなる転写シートSを、複数の該記録物P2,P2,P2の各画像面を被覆するように供給する転写シート供給手段31と、複数の該記録物P2,P2,P2と該転写シートSとを加熱圧着させる加熱圧着手段32と、加熱圧着後に該転写シートSから上記支持体BSを剥離する剥離手段33とを備える。
【0015】
転写シート供給手段31は、供給ローラ311と、該供給ローラ311に巻回された転写シートSと、角度調整ローラ312とを備える。供給ローラ311は、フィルム供給時にロール状に巻かれた転写シートSの回転中心となるローラであり、図示しないモータにより任意の回転量、回転方向に回転可能になしてある。角度調整ローラ312は、その中心軸が記録物P2の搬送方向と直交する状態を維持したまま上下左右にある程度可動可能に配置されており、必要に応じ該角度調整ローラ312を可動させて適当な位置に配置させることにより、繰り出された転写シートSの記録物P2への供給角度を適宜調整できるようになっている。
【0016】
加熱圧着手段32は、上記転写シート供給手段31から搬送されてくる転写シートSの上方に位置する円筒状の上ローラ321と、該上ローラ321と対向するように配置され、搬送されてくる複数の記録物P2,P2,P2と接触する円筒状の下ローラ322とからなる一対の圧着部材を備える。上ローラ321及び下ローラ322は、それぞれ、ローラの中心軸が記録物P2の搬送方向に対して直交するように配置されており、両ローラの間隔は任意に設定可能で、両ローラを圧接させてニップ部(挟持部)を形成できるようになしてある。上記転写シート供給手段31で作製された複数の記録物P2,P2,P2と転写シートSとの積層体は、このニップ部を通過して、次の剥離手段33へ搬送される。
【0017】
上ローラ321及び下ローラ322は、いずれも、中空円筒状のローラ本体の内部にヒーターなどの加熱源が配置された構成のいわゆるヒートローラである。両ローラは、図示しないモータにより任意の回転量、回転方向に回転可能になしてあり、ニップ部を通過するシート状物を搬送する搬送ローラとしての役割も果たす。ローラ本体の形成材料としては、アルミニウム、炭素鋼、ステンレスなどが挙げられる。また、加熱源は、加熱対象となる記録物の熱変形(特に、記録物が樹脂被覆紙を含むものである場合、熱により該樹脂被覆紙が変形するおそれがある)を防止する観点から、80〜120℃、特に80〜110℃の加熱温度を発現できるものが好ましい。
【0018】
上ローラ321の表面は、シート状物の搬送に必要な搬送トルク及びニップ幅を確保すると共に、被転写層CSを画像面上に密着性良く圧着させる観点から、弾性体層で被覆することもできる。この場合、弾性体層の厚みは5mm程度が好ましく、弾性体層を形成する弾性体の硬度は、JIS−K6253(あるいはASTM−D2240)で規定される測定方法でHA50度程度が好ましい。弾性体としては、シリコンゴム、天然ゴム、合成天然ゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム等が好ましく用いられる。なかでもシリコンゴムは、ロール表面の離型性、加工性、コスト等の点に優れ、本発明に好ましく用いられる。
【0019】
図3は、下ローラ322の斜視図である。下ローラ322の表面には、複数の記録物P2,P2,P2間の間隔tに対応する2つの溝が設けてある。このような溝を設けることにより、図4に示すように、複数の記録物P2,P2,P2と転写シートSとの積層体が、一対のローラ321,322間を通過する際に、該転写シートSの被転写層CSにおける間隔tに対応する部分(記録物P2と接触しない部分)が、下ローラ322の表面に接触しないので、ローラが汚れる、記録物のエッジ部分がきれいにコートできない等の被転写層がローラ表面に接着することによる種々の弊害を防止できる。溝の深さは、このような目的を達成できるように適宜調節すればよいが、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.5〜20mmである。また、溝の断面の形状は、本実施形態のようなコ字状断面(図4参照)の他、V字状断面、台形状断面等でもよい。
【0020】
尚、被加熱圧着物(記録物、転写シート)の熱融着の防止などの観点から、上ローラ321及び/又は下ローラ322のローラ表面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂を塗布するなどして離型処理を施したり、ローラ表面の金属部分にセラミックやクロム等を溶射したりしてもよい。
【0021】
剥離手段33は、上記支持体BSの剥離角度を調整する角度調整ロール331と、剥離された支持体BSを巻き取る巻き取りロール332とを備える。角度調整ロール331は、上記角度調整ロール312と同様に、上下左右にある程度可動可能に配置されており、剥離角度を適宜調整できるようになっている。巻き取りロール332は、図示しないモータにより任意の回転量、回転方向に回転可能になしてある。
【0022】
上述の如き構成のプリンタ1によるインクジェット記録及びオーバーコート処理について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0023】
インクジェット記録は、ロール状に巻き取られた記録媒体P1,P1,P1を、間隔tを置いて並列にプラテン22位置へそれぞれ搬送し、ホストコンピュータなどから入力された画像情報に基づき、記録ヘッド23,23,23より各色インクを吐出して所望の画像を形成することにより行われる。出力する画像内容は各記録媒体毎に設定可能であり、同一内容の複数の記録物を同時に作製することもできるし、内容が異なる複数の記録物を同時に作製することもできる。こうして作製された複数の記録物P2,P2,P2は、間隔tを維持したまま並列にオーバーコート装置3へ搬送される。
【0024】
オーバーコート装置3では、先ず、転写シート供給手段31により、走行中の複数の該記録物P2,P2,P2の各画像面上に、ロール状態から繰り出された転写シートSが、該各画像面と被転写層CSとが対向するように供給される。こうして重ね合わされた複数の該記録物P2,P2,P2と転写シートSとの積層体は、図4に示すように、圧接させた上ローラ321と下ローラ322(加熱圧着手段32)との間のニップ部を通されて、加熱加圧される。このときの加熱温度及び圧力(上ローラ321と下ローラ322との間のニップ圧)は、転写シート及び記録物の形成材料などを考慮して、被転写層CSが画像面上に密着性良く圧着されるように適宜調整すればよい。例えば、記録物が、樹脂被覆紙上にシリカなどの無機顔料を主体とするインク受容層を設けた構成のものである場合、該樹脂被覆紙の熱による変形を防止する観点から、加熱温度は80〜120℃が好ましく、80〜110℃がさらに好ましい。これにより転写シートSは、接着性を帯びた被転写層CSを介して複数の記録物P2,P2,P2の各画像面上に圧着される。このとき、上述したように、下ローラ322の表面には、複数の記録物P2,P2,P2の各間隔tに対応して溝が設けられているので、被転写層CSが下ローラ322に接着するおそれがない。
【0025】
加熱圧着手段32を通過後、温度が低下して転写シートSが各画像面上にしっかりと固着したところで、剥離手段33により、該転写シートSから支持体BSを引き剥がす。このとき、被転写層CSにおける各間隔tに対応する部分は、上記加熱加圧時に押圧されていないので、支持体BSと共に引き剥がされ、巻き取り回収される。
【0026】
このようにして製造された長尺シートの保護層付き記録物P3,P3,P3は、それぞれ、排紙口付近に設けられたカッター4,4,4により所望の長さにカットされ、排紙トレイ5上にそれぞれ排紙される。
【0027】
本発明で使用する転写シートについて以下に説明する。
上記転写シートは、上述したように、支持体上に被転写層を設けてなるもので、該被転写層を記録物の画像面上に加熱圧着させた後の該被転写層の該支持体に対する接着力をA1とし、該被転写層の該画像面に対する接着力をA2とした場合、A2がA1よりも大(A2>A1)となるようになしてあり、被転写層のみを画像面上に転写できるようになっている。A2>A1の関係は、被転写層を構成する樹脂の適切な選択に依るところが大きく、必要に応じ、支持体の該被転写層が設けられる面をシリコーン離型処理してもよい。
【0028】
上記支持体としては、耐熱性のあるものが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好ましく用いられる。支持体の厚みは、好ましくは4〜100μm、更に好ましくは6〜50μmである。必要に応じ、静電気による埃の付着を防止するために、支持体を帯電防止処理してもよい。
【0029】
上記被転写層は、記録物の画像面上に転写されて保護層となる層であり、樹脂からなる。該樹脂としては、記録物(記録媒体)との密着性に優れ、透明性が高く、熱や光で変色し難く、化学的・物理的バリヤ性に優れた塗膜を形成し得る樹脂が好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が30〜120℃である樹脂が好ましい。また、被転写層の表面硬度が、JIS−K5600に準拠した鉛筆硬度試験で鉛筆硬度2H以上となるように、樹脂を選択することが好ましい。
【0030】
上記樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、シラノール変性PVA、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、ウレタン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエチレン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、水性アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、アクリルスチレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸エステル等が挙げられる。水不溶性の樹脂については、エマルジョンとして市販されているものを用いることもできる。
【0031】
上記被転写層は、単層構造としてもよく、また、組成の異なる2層以上の多層構造としてもよい。また、上記被転写層の厚みは、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは3〜20μmである。2μm未満では均一な厚みにし難く、画像保護効果に劣るおそれがあり、30μm超では透明性が低くなるおそれがある。尚、被転写層の透明性は、一般に、高い方が好まれるが、使用する樹脂の種類を適宜選択したり、シリカ、コロイダルシリカ等の無機微粒子を添加する等により、マット調にすることもできる。
【0032】
上記転写シートは、上記樹脂の1種又は2種以上を水等の適当な溶媒に溶解又は分散させた塗布液を、公知の塗工装置を用いて上記支持体上に塗布し、乾燥させて上記被転写層を形成することにより製造される。該塗布液には、必要に応じ、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS)等の各種添加剤を添加することもできる。
【0033】
尚、本発明に適用可能な記録媒体及びインクは、特に制限されず、インクジェット記録に通常用いられるものであれば、問題なく本発明に使用できる。特に、記録媒体として、インク受容層を有するもの、とりわけ、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物、γ型酸化アルミニウム等の無機系超微粒子顔料を主成分とする、いわゆる空隙型インク受容層を有する記録媒体を用い、インクとして、顔料インクを用いると、画質及び画像堅牢性の一層の向上が図れるため好ましい。
【0034】
本発明は、上記実施形態に制限されず、オーバーコート処理する記録物の数、装置を構成する各部の具体的構成、形状等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、加熱圧着手段32として、一対の円筒状のヒートローラ(上ローラ321、下ローラ322)を採用したが、複数の記録物と接触するローラである下ローラ322に代えて、図5に示す板状体323を用いても良い。この板状体323の表面には、下ローラ322と同様に、間隔tに対応する溝が設けてあるので、上ローラ321と板状体323とを組み合わせて一対の圧着部材(加熱圧着手段)として用いても、前記実施形態と同様の効果が奏される。また、一対の圧着部材のうち、転写シートと接触する圧着部材は、上ローラ321のようなヒートローラに制限されず、サーマルヘッドでもよい。
【0035】
また、加熱圧着手段による加熱温度の安定性を高めるため、上記加熱圧着手段32(上ローラ321、下ローラ322)の手前(記録媒体の搬送方向上流側)の任意の位置に、転写シートSを予備加熱するためのプレヒートローラ、及び記録物P2を予備加熱するためのプレヒートローラをそれぞれ配置することもできる。
【0036】
また、加熱圧着手段としては、上記実施形態のようないわゆるヒーターロール式のものに制限されず、例えば図6(a)に示すようなシリンダーシェル型(間接予熱兼用型)や、図6(b)に示すような赤外線外部加熱式のものでもよい。シリンダーシェル型の加熱圧着手段は、加熱源を内蔵していない通常のローラ対(一対の圧着部材)323,324と、該ローラ対及び該ローラ対の直後の搬送路を加熱する加熱源(ヒーター)325とを備えるもので、熱安定性に優れる。また、赤外線外部加熱式の加熱圧着手段は、ローラ対323,324と、該ローラ対を収容するケース326と、該ケース326内に該ローラ対と共に収容される赤外線発生手段327とを備えるもので、加熱温度の立ち上がり及び加熱性能に優れる。該赤外線発生手段327としては、例えば、石英管やハロゲンヒーターなどが挙げられる。
【0037】
また、本発明のインクジェット記録装置における記録ヘッドは、上記実施形態のようなインクタンクが一体的に設けられたカートリッジタイプのみならず、記録ヘッドとは別体のインクタンクからチューブなどを介してインクを供給するタイプのものでもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット方式により画像が形成された記録物に対し、効率よくオーバーコート処理を行うことができ、銀塩写真に匹敵する高画質及び高画像堅牢性を備えた保護層付き記録物を低コストで提供することができる。また、本発明のオーバーコート装置は、加熱圧着処理後、圧着部材の表面に被転写層が付着することがなく、メンテナンス性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェット記録装置の概略側面図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の要部の概略斜視図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置における加熱圧着手段の一部(下ローラ322)の斜視図である。
【図4】図1に示すインクジェット記録装置における加熱圧着手段による加熱圧着処理時の様子を説明する図である。
【図5】加熱圧着手段の別の実施形態の一部の斜視図である。
【図6】加熱圧着手段の他の実施形態の概略側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 インクジェット記録部
21 給紙ローラ
22 プラテン
23 記録ヘッド
3 オーバーコート装置
31 転写シート供給手段
32 加熱圧着手段(一対の圧着部材)
321 上ローラ
322 下ローラ
323 板状体
33 剥離手段
4 カッター
5 排紙トレイ
P1 記録媒体
P2 記録物
P3 保護層付き記録物
S 転写シート
S 支持体
S 被転写層

Claims (5)

  1. インクジェット方式により画像が形成された複数の記録物を、それぞれ間隔を置いて並列に搬送し、複数の該記録物それぞれの画像面上に、該画像を保護する保護層を設けるオーバーコート装置であって、
    それぞれ間隔を置いて並列に搬送されてきた複数の上記記録物上に、複数の該記録物を被覆可能な幅を有する被転写層を支持体上に設けた転写シートを、複数の該記録物の上記各画像面を被覆するように供給する転写シート供給手段と、複数の該記録物と該転写シートとを加熱圧着させる加熱圧着手段と、加熱圧着後に該転写シートから上記支持体を剥離する剥離手段とを備えており、
    上記加熱圧着手段は、一対の圧着部材からなり、複数の上記記録物と上記転写シートとを、一対の該圧着部材間を通過させるようになしてあり、且つ一対の該圧着部材のうち、複数の該記録物と接触する圧着部材の表面に、上記間隔に対応する溝が設けてあり、
    複数の上記記録物と上記転写シートとが一対の上記圧着部材間を通過するときに、該転写シートの上記被転写層における上記間隔に対応する部分が、一対の該圧着部材のうち、複数の該記録物と接触する圧着部材に接触しないようになされていることを特徴とするオーバーコート装置。
  2. 一対の上記圧着部材が一対のローラからなり、一対の該ローラのうち、複数の上記記録物と接触するローラの表面に、上記間隔に対応する溝が設けてあることを特徴とする請求項1記載のオーバーコート装置。
  3. 一対の上記圧着部材がローラと板状体とからなり、複数の上記記録物と接触する該板状体の表面に、上記間隔に対応する溝が設けてあることを特徴とする請求項1記載のオーバーコート装置。
  4. 上記溝の深さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項の何れかに記載のオーバーコート装置。
  5. 請求項1〜の何れかに記載のオーバーコート装置を備えたインクジェット記録装置であって、
    複数の記録媒体をそれぞれ間隔を置いて並列に搬送し、記録ヘッドよりインクを吐出して複数の該記録媒体それぞれに画像を形成し、複数の記録物を作成した後、上記オーバーコート装置により、複数の該記録物それぞれの画像面上に、該画像を保護する保護層を設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
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