WO2007037062A1

WO2007037062A1 - シート剥離装置及びシート剥離方法

Info

Publication number: WO2007037062A1
Application number: PCT/JP2006/314666
Authority: WO
Inventors: Atsumi Ihara
Original assignee: Ai & Di Co., Ltd.
Priority date: 2005-09-27
Filing date: 2006-07-25
Publication date: 2007-04-05
Also published as: EP1930270A1; JP3947559B2; EP1930270A4; US20090266486A1; JPWO2007037062A1

Abstract

　【課題】　市販されている粘着テープも使用できる、シートをカード本体から剥離する剥離装置及び方法を提供する。　【課題手段】　シート剥離装置１０は、カード１を搬送経路Ｐに沿って送るとともに接着剤の接着力を低下させるヒートローラ対２０や、シートを粘着させる剥離用粘着テープ４０を供給するとともにカード１を搬送経路Ｐに沿って送る送りローラ対３０等を有する。粘着テープ４０は、送りローラ対の一方のローラ３０Ａを介してシート５に当てたられた後、巻き取りローラ４３で巻き取られる。本発明によれば、接着剤の接着力を予め弱めておくことにより、入手しやすい市販の粘着テープなどを使用した場合であっても、カード本体からシートを剥離することができる。

Description

シート剥離装置及びシート剥離方法

技術分野

[0001] 本発明は、 IDカード等のカード本体に接着剤を介して貼られているシートをカード本体から剥離する装置及び方法に関する。

背景技術

[0002] 学生証や会員カードなど、身分証明用の IDカードには、カードの所有者に関する個別情報が記録された ICカードが広く使用されている。このような ICカードには、内蔵されて!ヽる記録媒体に所有者の個人情報等が記録されてヽるとともに、カードの一面には所有者の写真や住所などの目視可能な画像や文字情報が印刷されて、る。

[0003] このような IDカードは、有効期限切れになったり、卒業や脱会して不要になった場合、以前は廃棄されることが一般的であった。しかし、 ICカードは高価なため、上述のように不要になった場合や、あるいは印刷ミスが生じた場合に廃棄することは、費用的な負担が重!、とともに、ゴミ問題にお、ても好ましくな、。

[0004] そこで、目視可能な写真や文字が印刷されたシートを予め準備し、このシートを IC カードの一面にホットメルト接着剤などで貼り付け、不要になったカード力もシートを剥がすことによって、カード本体を再使用する方法がとられることがある。この方法において、カード本体力もシートを剥がす装置が開示されている（例えば、特許文献 1 参照)。この装置においては、熱硬化性接着剤をプリコートした剥離用シートを準備し、剥離用シートの接着剤側を剥がされるシートに接するように重ねる。そして、剥離用シート側力も加熱ローラを押し当てて、ホットメルト接着剤を溶かし、シートとカード本体の接着力を低下させる。その後、熱硬化性接着剤でシートを剥離用シートに接着させ、剥離用シートとともにシートをカード本体力も剥離する。

[0005] 特許文献 1 :特許第 3403517号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] この方法においては、剥離用シートとして、引張強度の大きい榭脂製のロールシートの一面に熱硬化性接着剤がプリコートされた特殊なシートを準備する必要がある。

[0007] 本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、市販されている粘着テープも使用できる、シートをカード本体力も剥離する剥離装置及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明のシート剥離装置は、カード本体、及び、該カード本体上に接着剤を介して接着されたシートを有するカードから前記シートを剥がすシート剥離装置であって、前記カードを送るカード送り機構と、前記接着剤の接着力を低下させる接着力低下手段と、剥離用粘着テープの供給手段と、前記接着力低下手段を出たカード上のシート表面に前記粘着テープを当ててシートに粘着テープを粘着させる手段と、シートを粘着したテープを前記カード本体力遠ざける手段と、シートを粘着したテープを回収するテープ回収手段と、を具備することを特徴とする。

[0009] 本発明によれば、接着剤の接着力を予め弱めておくことにより、入手しやすい市販の粘着テープなどを使用した場合であっても、カード本体力シートを剥離することができる。このため、 ICカードからシートを剥離する作業を楽に機械的に行うことができ、 ICカードの再使用化を促進できる。

[0010] 本発明においては、前記接着剤がホットメルト系であり、前記接着力低下手段が

、ヒータで加熱されるヒートローラであることが好まし!/、。

[0011] 接着剤としてホットメルト系の接着剤を使用すると、加熱により接着剤の接着力を低下できる。

[0012] 本発明のシート剥離方法は、カード本体上に接着剤を介して接着されたシートを剥がすシート剥離方法であって、前記接着剤の接着力を低下させ、前記シート表面に粘着テープを当てて該粘着テープに前記シートを粘着し、シートを粘着した前記粘着テープを前記カード本体力も遠ざけて、該シートを剥がすことを特徴とする。

[0013] 本発明のシート剥離装置においては、前記接着剤がホットメルト系であり、前記接着力低下手段が、前記カード本体上に設置されたシートの上面を加熱するヒータであることとしてもよい。

[0014] この場合、ヒータがシートの上面に面で接触して同面を加熱するので、カード本体に加わる熱量を少なくすることができ、剥離時のカード本体の変形を抑制できる。

[0015] 本発明のシート剥離装置においては、前記テープ回収手段が前記テープを巻き取る巻き取りローラであり、前記粘着テープを非透明とすれば、粘着テープに粘着されたシートに表示されている個人情報等が見えなくなり、個人情報保護の点で有利である。

[0016] 本発明のシート剥離装置においては、前記テープ回収手段が前記テープを巻き取る巻き取りローラであり、前記シートを粘着したテープに長手方向に多数のスリツトを入れるスリツターを有することが好まし、。

[0017] この場合、巻き取りローラ力もシートが粘着された粘着テープを巻き剥がそうとすると、スリットに沿ってテープが切断され、シュレッダをかけた後のようにバラバラになる。このため、個人情報を読み取ることが不能となり、個人情報保護の点でさらに有利である。

[0018] 本発明のシート剥離方法においては、前記粘着テープが非透明であり、前記シートを粘着したテープに長手方向に多数のスリットを入れることが好ましい。

[0019] 本発明のシート剥離装置においては、前記テープ回収手段が、前粘着テープに粘着したシートを前記カード本体から引き剥がす剥離ローラを含むことが好ましい。

[0020] 巻き取りローラでシートを剥離する力を加える場合、同ローラに巻き取られる粘着テープの長さが長くなつて巻き取られたロール状テープの径が大きくなると、強い力の巻き取り力が必要となる。そこで、剥離ローラでシートをカード本体力も剥離する力を与え、シートが粘着した粘着テープを巻き取りローラで巻き取る。この場合、剥離ローラには粘着テープが巻き取られないので、シートを剥離する力は常に変化しない。

[0021] 本発明のシート剥離装置においては、前記剥離ローラが、前記スリツターを兼ねることとすれば、部品点数が少なくなり、装置構成を簡単にできる。

発明の効果

[0022] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、市販の粘着テープを使用して、カード本体力シートを剥離できる装置及び方法を提供できる。このため、シートを剥離する作業をより日常的に行うことができ、 ICカードの再使用化を促進できる。

発明を実施するための形態 [0023] 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

まず、 ICカードにシートを貼ったカードを IDカードとして用いた例について説明する図 3は、 IDカードの構成例を説明する図であり、図 3 (A)は平面図、図 3 (B)は分解斜視図、図 3 (C)は側断面図である。

カード 1は、図 3 (B)、（C)に示すように、カード本体 3と、同カード本体 3の一面に塗布された接着剤層 7と、同接着剤層 7を介してカード本体 3に接着されたシート 5とからなる三層構造を有する。

[0024] このカード 1は、学生証や、会員証、社員証など、所有者の個人情報 (住所、学生（会員、社員)番号、所属、生年月日など)が記録されて、個人の証明を行う IDカードとして使用される。さらに、例えば、生協や学生食堂、社員食堂などを利用したときの履歴ゃ、電子マネーの蓄積、セキュリティーキーコードなどを更新、記録することもできる。

[0025] カード本体 3は、一般的な ICカードを使用できる。このような ICカードは、例えば、 A BSや PET等の樹脂で作製され、記録媒体として ICチップ ICを内蔵している。 ICチップ IC内のメモリに、所有者の住所、学生 (会員、社員)番号、所属、生年月日などの個人情報が記録されている。また、他に、電子マネーの蓄積、セキュリティ—キーコードなどの情報が更新、記録される。カード本体 3の裏面には、また、別の記録媒体として磁気テープ MTが貼り付けられている。この磁気テープ MTにも、生年月日、住所、学生 (会員、社員)番号などの個人情報が記録されている。

[0026] シート 5には、所有者の写真、住所、学生 (会員、社員)番号、所属、生年月日などの、目視可能な画像や文字が印刷されている。なお、このような画像や文字は、シート 5の裏側の面 (接着剤層 7の側の面)又は表側の面の、ずれに印刷してもよ!/、。裏側の面に印刷することにより、印刷面を傷や経時変化力保護することができる。ただし、裏側の面に印刷する場合は、シートとして透明なものを使用し、これらの画像や文字を鏡像反転させた画像や文字を、シートの裏側の面に印刷する必要がある。本実施例（図 3)には、シート 5の裏面 (接着剤層 7の側の面）に画像や文字が印刷されているカード 1を示した力シート 5の表面に画像や文字が印刷されているカードでもよいことはもちろんである。

[0027] シート 5は、カード本体 3の一面に接着剤層 7で貼り付けられている。この接着剤は、常温下では高い接着力を有するが、所定温度へ昇温した場合には接着力が低下する特性を有する。つまり、常温環境下で、シート 5をカード本体 3の一面にシールのように貼り付けることができる。そして、所定温度に昇温すると、接着剤の接着力が低下してシート 5をカード本体 3から剥がすことができる。所定温度としては、カード本体 3のチップ ICに悪影響を与えることがなぐまた、日常生活においてほとんど存在しておらず、日常生活中に昇温によりシート 5がカード本体 3から剥がれるようなこともないような温度が好ましい。このような接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤と呼ばれるものを使うことができる。

[0028] つまり、このカード 1が不要になった場合には、所定温度に昇温することにより、シート 5をカード本体 3から簡単に剥離することができる。そして、カード本体 3の記録媒体に記録されている情報を初期化して書き換えることにより、不要になった場合に力ード本体 3を再使用することができる。

[0029] 図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係るシート剥離装置の構成を説明する側面図である。

シート剥離装置 10は、カード 1を、カード入口プレート 11 (図の右側）からカード出口プレート 13 (図の左側）へ送る水平面上の搬送経路 Pを有する。この搬送経路 Pに沿って、上流（図の右側)から下流（図の左側）に向けて、カード 1を搬送経路 Pに沿つて送るとともに接着剤の接着力を低下させるヒートローラ対 20A、 20Bや、シート 5 を粘着させる剥離用粘着テープ 40を供給するとともにカード 1を搬送経路 Pに沿って送る送りローラ対 30A、 30B等が配置されている。粘着テープ 40は、後述するように、送りローラ対の一方のローラ 30Aを介してシート 5に当てられた後、巻き取りローラ 4 3で巻き取られる。

[0030] カード入口プレート 11は、搬送経路 P上を水平に延びており、同プレート 11上に力ード 1が長手方向に載せられる。カード入口プレート 11の下流には、搬送経路 Pを上下方向力も挟むように一対のヒートローラ 20A、 20Bが配置されている。各ヒートローラは反対方向に同速度 (一例で約 0. 5mZ分)で駆動されおり、カード 1の先端が口ーラ間に達すると、カード 1は、搬送経路 P上を図の右側から左側へ搬送される。各ヒートローラ 20A、 20Bは、図示せぬ減速機付きモータで回転速度可変に駆動される。また、ヒートローラ 20A、 20B間の間隔は、カード 1の厚さに応じて適宜調整される。

[0031] 各ヒートローラ 20A、 20Bは而ォ熱ゴムで作製されており、各々アルミ製のヒータケ一ス 21A、 21B内に回転可能に保持されている。ヒートローラ 20は、搬送経路に面する以外の外周面力 Sヒータケース 21に覆われている。ヒータケース 21A、 21B内にはプレート状のヒータ 25Α、 25Βが収容されている。ヒータ 25が加熱されると、熱はヒートローラ 20に直接伝わる力ヒータケース 21を介してヒートローラ 20に伝わり、同ローラ 2 0が所定の温度に加熱される。一例として、ヒートローラ 20は 95〜140°Cの範囲に加熱可能である。上下のヒータケース 21A、 21Bは、搬送経路 Pを挟んでスぺーサ 27 により隔てられている。

また、上下のヒータケース 21A、 21Bには、カード搬送経路 Pを挟んで、ヒートローラ対 20A、 20B力ら、同ヒートローラ対の下流に配置されている送りローラ対 30A、 30 Bの近くまで延びる延長部 22A、 22Bが形成されて、る。

[0032] ヒートローラ対 20の下流には、カード搬送経路 Pを上下方向から挟むように一対の送りローラ 30A、 30Bが配置されている。ヒートローラ対 20と送りローラ対 30間の間隔は、カード 1の長手方向の長さよりも短い。各送りローラ 30は、ヒートローラ対 20の回転速度と同じ速度で反対方向に駆動されており、カード 1の先端がローラ間に達すると、カード 1は搬送経路 P上を図の右側から左側へ搬送される。各送りローラ 30も、図示せぬ減速機付きモータで駆動される。また、送りローラ 30A、 30B間の間隔も、カード 1の厚さに応じて適宜調整される。

[0033] 送りローラ対 30の下流には、カード出口プレート 13が設けられている。カード出口プレート 13は、搬送経路 P上 (カード挿入プレートと同じレベル）を延びている。また、送りローラ対 30の内の上方のローラ 30Aの下流には、ブレード 50が配置されている。ブレード 50は、カード搬送経路 Pから同経路に直交する上方に立設されている。ブレード 50の下端とカード排出プレート 13の上流側端部の間には、カード 1が通過可能なスキマ (搬送経路 P)が開、て、る。

[0034] なお、ブレード 50の下端 50aは鋭角となるように折り返されている。また、カード排出プレート 13の上流側端部 13aも、搬送経路 Pに対して下方に折り返されて！/、る。

[0035] 剥離用粘着テープ 40はロール状で、供給ローラ 41に取り付けられており、供給口ーラ 41は装置に回転可能に保持されている。このような粘着テープ 40は市販の製品 (例えば、 TM373、住友スリーェム社製)を使用できる。粘着テープ 40は、粘着面を図の下側として、この供給ローラ 41から、送りローラ対 30の上方のローラ 30A、及び、ブレードの下端 50aを介して、巻き取りローラ 43に巻き取られる。ここで、粘着テープ 40は、ブレードの下端 50aから搬送経路 Pに対してほぼ直角に近い角度で上方に巻き取られる。巻き取りローラ 43は、テープ 40を送りローラ対 30からブレード下端 50 aまで送る速度力カード 1の送り速度と同じとなるように、モータで駆動される。

[0036] 次に、このシート剥離装置 10において、カード本体 3からシート 5を剥離する方法を説明する。

図 2は、シート剥離プロセスを説明する図である。

まず、ヒータ 25を作動させて、ヒートローラ対 20を所定の温度に加熱しておく。この際、カード 1のシート 5に接する側のヒートローラ 20Aの加熱のみでも良い場合もある。ヒートローラ対 20が加熱された後、図 2 (A)に示すように、カード 1 (接着剤層は図示省略）をシート 5を上にして長手方向にカード入口プレート 11上に置き、ヒートローラ対 20間に差し込む。そして、モータに駆動されてヒートローラ対 20が回転し、カード 1が先端から同ローラ対 20間に送られる。カード 1がヒートローラ 20間を通過すると、カード 1が加熱されてシート 5をカード本体 3に接着している接着剤が軟ィ匕し、シート 5とカード本体 3との接着力が弱くなる。

[0037] シート 5の接着力が弱められたカード 1は、ヒートローラ対 20から送りローラ対 30に送られる。各ローラ対間においても、ヒータケース 21の延長部 22が搬送経路 Pの両側に延びてカード 1を加熱した状態に保っているので、接着剤が再硬化するようなことがない。

[0038] カード 1の先端が送りローラ対 30間に達すると、上側の送りローラ 30Aの下面に沿つて送られた粘着テープ 40の粘着面に、カード 1のシート 5が粘着する。そして、図 2 (B)に示すように、カード 1の先端がブレードの下端 50aに達すると、粘着テープ 40 は上方に引っ張られて巻き取りローラ 43に巻き取られる。一方、カード本体 3は、ブレードの下端 50aと排出プレートの上流端 13aとの間、及び、送りローラ 30A、 30Bの間に挟まれて搬送経路 P上でほぼ水平に保持されている。このため、既に接着力が弱められているシート 5は、カード本体 3から離れて粘着テープ 40に粘着したまま上方に剥ぎ取られ、巻き取りローラ 43に巻き取られる。

[0039] カード本体 3はある程度の剛性を有するとともに、ブレード 50で押えられているので、シート 5が粘着テープ 40に粘着されて上方に引っ張られても、カード本体 3はカード出口プレート 13から浮き上がらずに、搬送経路 P上でほぼ水平に保たれる。そして、シート 5が完全に剥離されたカード本体 3が完全にプレート 13上に送り出される。

[0040] 図 4は、本発明の第 2の実施の形態に係るシート剥離装置の構成を説明する側面図である。

この例のシート剥離装置 60も、カード 1を、カード入口プレート 11 (図の右側）から力ード出口プレート 13 (図の左側）へ送る水平面上の搬送経路 Pを有する。この搬送経路 Pに沿って、上流（図の右側）から下流（図の左側）に向けて、送りローラ対 70、ヒータプレート組立体 80、送りローラ 96、剥離用粘着テープ 40を供給するブレード 100、送りプレート対 105、送りローラ対 107等が配置されている。さらに、この例のシート剥離装置 60は、粘着テープ 40に粘着したシート 5をカード本体 3から引き剥がす剥離ローラ 113を備える。なお、図 1のシート剥離装置と同じ作用'効果を有する部品'部材は図 1と同じ符号を付し、説明を省略する。

[0041] カード入口プレート 11の下流には、搬送経路 Pを上下方向から挟むように一対の送りローラ 70A、 70Bが配置されている。下送りローラ 70Bは一定の速度（一例で約 0. 5mZ分)で駆動されており、カード 1の先端がローラ 70間に達すると、カード 1は、搬送経路 P上を図の右側力左側へ搬送される。各ローラ 70A、 70B間の間隔は、力ード 1の厚さに応じて適宜調整される。送りローラ対 70の下流には、搬送経路 Pを上下方向力挟むように、ヒータプレート組立体 80が配置されて!、る。

[0042] 図 5は、ヒータプレート組立体の構造を説明する図であり、図 5 (A)は正面断面図、図 5 (B)は上面図である。

ヒータプレート組立体 80は、上側のヒータプレート 81と下側の下プレート 82からなる。ヒータプレート 81は、図 5 (B)に示すように、カード搬送方向に対して横長の形状である。図 5 (A)に示すように、ヒータプレート 81と下プレート 82間にはヮッシャ 83が介されており、両プレート 81、 82間に搬送経路 Pが形成されている。

[0043] ヒータプレート 81の上面には、板状ヒータ 84が埋設されている。板状ヒータ 84は、長さはカードの長さ (長手方向長さ）よりも短ぐ幅はカードの幅 (短手方向長さ)よりも広い。板状ヒータ 84の上面は、同ヒータ 84よりも一回り大きいヒータ押え板 85で覆われている。このヒータ押え板 85は、四隅でヒータプレート 81にボルト 86で取り外し可能に固定されている。さらに、板状ヒータ 84は、ヒータ押え板 85の上力もボルト 87でヒータプレート 81に対して押えられており、板状ヒータ 84とヒータプレート 81との密着性を向上させている。このボルト 87には、センサやヒータ給電線（図示されず）が取り付けられている。

[0044] ヒータプレート 81は、下プレート 82に対して上方に変位可能に支持されている。つまり、ヒータプレート 81は、下プレート 82に四隅でロッド 88によって支持されている。各ロッド 88は、図 5 (A)に示すように、ヒータプレート 81とヮッシャ 83を貫通して、下プレート 82を貫通しており、下端にはヮッシャ 89を介してナット 90が螺合している。各口ッド 88の上端には、ナット 91が螺合している。このナット 91の下面とヒータプレート 81 の上面との間には、ヮッシャ 92、 93を介してパネ 94が介装されている。このパネ 94 により、ヒータプレート 81がナット 91に対して下方に付勢されている。

[0045] ヒータプレート 81と下プレート 82間の搬送経路 Pに搬送されるカード本体の厚さが、ヮッシャ 83の厚さよりも厚い場合、ヒータプレート 81はパネ 94の付勢力に抗して上方に移動可能である。このように、カード本体の厚さに応じてヒータプレート 81と下プレート 82との間の搬送経路 Pの高さが調整される。

[0046] 再び図 4を参照して説明する。ヒータプレート組立体 80の下流には、送りローラ 96 ( 例えば、シリコンゴム製）が配置されている。送りローラ 96は一定の速度（一例で約 0 . 5mZ分)で駆動されている。この送りローラ 96と前述の搬送ローラ対 70間の距離は、カードの長さ (長手方向長さ)よりもやや短く設定されている。この送りローラ 96には、斜め後上方力もブレード 100が当接している。ブレード 100は、やや厚めの横長のプレート状の部材であり、先端面（当接面） 100aは斜めになつている。この先端面 100aは搬送経路 Pにほぼ平行となって送りローラ 96に当接している。先端面 100a の上流端は鈍角のアール状であり、下流端は鋭角のアール状となって!/、る。

[0047] ブレード 100及び送りローラ 96の下流には、カード搬送プレート対 105が設けられている。カード搬送プレート対 105は、搬送経路を挟む上下一対のプレート 105A、 1 05B力らなる。

[0048] カード搬送プレート対 105の下流には、送りローラ対 107が配置されている。送り口ーラ対 107力上下の送りローラ 107A、 107B力らなる。下送りローラ 107Bは一定の速度（一例で約 0. 5mZ分)で駆動されている。送りローラ 96と、送りローラ対 107 間の距離は、カードの長手方向長さよりやや短く設定されている。この送りローラ対 1 97の下流にはカード出口プレート 13が配置されている。

[0049] ロール状の剥離用粘着テープ 40は供給ローラ 41に取り付けられている。この粘着テープ 40としては市販の非透明な製品を使用できる。供給ローラ 41は、ケーシング 6 1に回転可能かつ取り外し可能に保持されている。粘着テープ 40は、粘着面を図の下側として、この供給ローラ 41から、ガイドローラ 111を介して繰り出され、ブレード 1 00の先端面 110aに巻かれた後、剥離ローラ 113を介して、巻き取りローラ 43に巻き取られる。巻き取りローラ 43はケーシング 61に取り外し可能に取り付けられており、モータで回転駆動される。

[0050] 剥離ローラ 113は、粘着テープ 40の粘着面が粘着しにくい材料 (例えば、テフロン

(登録商標)やシリコンゴム)で作製され、ブレード先端面 100aの下流端よりも後方の区間内を、搬送経路 P方向（図の左右方向）に移動可能となるようにケーシング 61に取り付けられており、モータで回転駆動される。例えば、剥離ローラ 113を搬送経路下流方向（図の左方向）に移動させると、ブレード先端面 100aの下流端力も粘着テープ 40の進む角度が大きくなり、上流方向（図の右方向）に移動させると、同角度が小さくなる (鋭角になる)。この角度が小さいほど剥離力が大きい。この角度、すなわち、剥離ローラ 113の位置は、カード本体の材質 (PETや塩ィ匕ビニル）によって変えることができる（剥離ローラ 113の移動機構については説明を省略する)。巻き取り口ーラ 43及び剥離ローラ 113は、粘着テープ 40を送る速度力カード 1の送り速度（一例で約 0. 5mZ分)と同じとなるように駆動されている。

[0051] 剥離ローラ 113の、粘着テープ 40が当てられる部分には、補助ローラ 115が押圧されている。補助ローラ 115は、 L字型のリンクプレート 116を介してケーシング 61に取り付けられている。リンクプレート 116は、ほぼ中央 116aで、ケーシング 61に取り付けられた回転軸 117に回動可能に取り付けられて、る。リンクプレート 116の一端 116b は、引きパネ 118で引かれるように付勢されている。補助ローラ 115は、リンクプレート 116の他方の端部 116cに回転可能に取り付けられている。リンクプレート 116が引きパネ 118で引かれて回転軸 117を中心にして図の時計方向に回転しょうとする力で、補助ローラ 115が剥離ローラ 113に押圧されている。このような構成により、前述のように剥離ローラ 113を移動させた場合も、補助ローラ 115が剥離ローラ 113に押圧される。

[0052] 次に、このシート剥離装置 60において、カード本体 3からシート 5を剥離する方法を説明する。

まず、板状ヒータ 84を作動させて、ヒータプレート 81を所定の温度に加熱しておく。ヒータプレート 81が加熱された後、カード 1をシート 5を上にして長手方向にカード入口プレート 11上に置き、送りローラ 70間に差し込む。カード 1は送りローラ対 70で、ヒータプレート糸且立体 80に送られる。同糸且立体 80において、カード 1がヒータプレート 8 1と下プレート 82間の搬送経路 Pを通過すると、カード 1の上面（シート 5)がヒータプレート 81で加熱されて、シート 5をカード本体 3に接着している接着剤が軟ィ匕し、シート 5とカード本体 3との接着力が弱くなる。

[0053] シート 5の接着力が弱められたカード 1は、ブレード 100と送りローラ 96の間に送られる。カード 1の先端がブレード 100と送りローラ 96との間に達すると、ブレード先端面 100aに巻かれた粘着テープ 40の粘着面に、カード 1のシート 5が粘着する。そして、カード 1の先端がブレード先端面 100aの下流端に達すると、カード 1の後部（上流部）は、ヒータプレート 81と下プレート 82との間に挟まれているので搬送経路 P上でほぼ水平に保たれている力既に接着力が弱められているシート 5は粘着テープ 4 0に粘着したまま剥離ローラ 113によって上方に引つ張られ、カード本体 3から剥ぎ取られる。シート 5が粘着した粘着テープ 40は、剥離ローラ 113を介して巻き取りローラ 43に巻き取られる。この際、シート 5は、主に剥離ローラ 113の回転によってカード本体 5から剥ぎ取られる。 [0054] 例えば、巻き取りローラ 43の回転でシート 5をカード本体 3から引き剥がす場合、卷き取りローラ 43に巻き取られる粘着テープ 40の長さが長くなつて、巻き取られた粘着テープ 40の厚さが厚くなる（ロール状のテープ巻き取り体の径が大きくなる）と、シート 5を引き剥がすために、大きい駆動力が必要になる。そこで、剥離ローラ 113を駆動して、剥離ローラ 113と補助ローラ 115でシートを挟んで粘着テープ 40を引つ張ってシート 5をカード本体 3から引き剥がし、その後で粘着テープ 40を巻き取りローラ 43 へ送る。剥離ローラ 113には粘着テープ 40が巻き付かないので、シート 5を剥離する力は常に変化しない。このため、巻き取りローラ 43へ巻き取られた粘着テープ 40の長さが長くなつても、巻き取りローラ 43の駆動力を大きくする必要がない。

[0055] カード本体 3はある程度の剛性を有するとともに、ブレード 100で押えられているので、シート 5が粘着テープ 40に粘着されて上方に引っ張られても、カード本体 3は搬送経路 P上でほぼ水平に保たれたまま、送りプレート対 105に送られる。そして、シート 5が完全に剥離されたカード本体 3が送りプレート対 105から送りローラ対 107に送られて、プレート 13上に送り出される。一方、粘着テープ 40に粘着されたシート 5に記載されている個人情報などの事項は、粘着テープ 40が非透明であるので、読み取ることができない。

[0056] 図 6は、本発明の第 3の実施の形態に係るシート剥離装置の剥離ローラと補助ローラの構造を説明する図である。

この例のシート剥離装置は、図 4のシート剥離装置とほぼ同様の構成である力剥離ローラと補助ローラの構造が異なる。この例の剥離ローラ 113'の幅方向中央部には、図に示すように、周方向に延びる短い刃 123が、周方向に並んで埋設されている。一方、補助ローラ 115'の、剥離ローラ 113'の各刃 123に対向する部分には、周方向に溝 125が形成されている。つまり、両ローラ 113 115'が押圧された状態では、刃 123は溝 125に入り込む。なお、刃 123と溝 125は、逆のローラに設けられてちょい。

[0057] このような剥離ローラ 113'及び補助ローラ 115'を使用することにより、シート 5が粘着した粘着テープ 40がこれらのローラ間を通過する間に、刃 123によって長さ方向に切れ目が入れられる。このため、いったん巻き取りローラ 43に巻き取られたシート 5 が粘着された粘着テープ 40を巻き剥がそうとすると、テープ 40は切れ目で切断され、シュレッダを通した後のようにバラバラになる。このため、シート 5に表示された個人情報を読み取り難くなる。

図面の簡単な説明

[図 1]本発明の実施の形態に係るシート剥離装置の構成を説明する側面図である。

[図 2]シート剥離プロセスを説明する図である。

[図 3]IDカードの構成例を説明する図であり、図 3 (A)は平面図、図 3 (B)は分解斜視図、図 3 (C)は側断面図である。

[図 4]本発明の第 2の実施の形態に係るシート剥離装置の構成を説明する側面図である。

[図 5]ヒータプレート組立体の構造を説明する図であり、図 5 (A)は正面断面図、図 5 ( B)は上面図である。

[図 6]本発明の第 3の実施の形態に係るシート剥離装置の剥離ローラと補助ローラの構造を説明する図である。

符号の説明

1 IDカード 3 カード本体

5 シート 7 接着層

10 シート剥離装置 11 入口プレート

13 出口プレート 20 ヒートローラ

21 ヒータケース 22 延長部

25 ヒータ 27 スぺーサ

41 供給ローラ 43 巻き取りローラ

50 ブレード

60 シート剥離装置 61 ケーシング

70 送りローラ 80 ヒータプレート糸且立体

81 ヒータプレート 82 下プレート

83、 89、 92、 93 ヮッシャ 84 板状ヒータ

85 押え板 86、 87 ボル卜 88 ロッド、 90、 91 ナツ卜

94 ノネ 96 送りローラ

100 ブレード 105 カード搬送プレート

107 送りローラ 111 ガイドローラ

113 剥離ローラ 115 補助ローラ

116 リンクプレート 118 引きパネ

123 刃 125 溝

Claims

請求の範囲

[1] カード本体上に接着剤を介して接着されたシートを剥がすシート剥離装置であって前記カードを送るカード送り機構と、

前記接着剤の接着力を低下させる接着力低下手段と、

剥離用粘着テープの供給手段と、

前記接着力低下手段を出たカード上のシート表面に前記粘着テープを当ててシートに粘着テープを粘着させる手段と、

シートを粘着したテープを前記カード本体力遠ざける手段と、

シートを粘着したテープを回収するテープ回収手段と、

を具備することを特徴とするシート剥離装置。

[2] 前記接着剤がホットメルト系であり、

前記接着力低下手段が、ヒータで加熱されるヒートローラであることを特徴とする請求項 1記載のシート剥離装置。

[3] カード本体上に接着剤を介して接着されたシートを剥がすシート剥離方法であって前記接着剤の接着力を低下させ、

前記シート表面に粘着テープを当てて該粘着テープに前記シートを粘着し、シートを粘着した前記粘着テープを前記カード本体力遠ざけて、該シートを剥がすことを特徴とするシート剥離方法。

[4] 前記接着剤がホットメルト系であり、

前記接着力低下手段が、前記カード本体上に設置されたシートの上面を加熱するヒータであることを特徴とする請求項 1記載のシート剥離装置。

[5] 前記テープ回収手段が前記テープを巻き取る巻き取りローラであり、

前記粘着テープが非透明であることを特徴とする請求項 1、 2又は 4記載のシート剥離装置。

[6] 前記テープ回収手段が前記テープを巻き取る巻き取りローラであり、

前記シートを粘着したテープに長手方向に多数のスリットを入れるスリツターを有することを特徴とする請求項 1、 2、 4又は 5記載のシート剥離装置。

[7] 前記粘着テープが非透明であり、

前記シートを粘着したテープに長手方向に多数のスリットを入れることを特徴とする請求項 3記載のシート剥離方法。

[8] 前記テープ回収手段が、前粘着テープに粘着したシートを前記カード本体から引き剥がす剥離ローラを含むことを特徴とする請求項 1、 2、 4、 5及び 6いずれか 1項記載のシート剥離装置。

[9] 前記剥離ローラが、前記スリツターを兼ねることを特徴とする請求項 7記載のシート剥離装置。