JP2002144554A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JP2002144554A JP2001259694A JP2001259694A JP2002144554A JP 2002144554 A JP2002144554 A JP 2002144554A JP 2001259694 A JP2001259694 A JP 2001259694A JP 2001259694 A JP2001259694 A JP 2001259694A JP 2002144554 A JP2002144554 A JP 2002144554A
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宣幸 松本
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陽一 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリードや白もやを低減しつつも、カラーイ
ンクに添加する金属イオンの全体量をできるだけ低く抑
える。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッド1は、第1の
インクとしてのブラックインクを吐出するブラックイン
ク用ノズル列Bk1と、カラーインクを吐出する複数の
カラーインク用ノズル列C1〜C3とを有している。ブ
ラックインク用ノズル列Bk1によるブラック印字との
印字間隔が一番短いカラーインク用ノズル列C1にはブ
ラックインクと一番高い相互反応性を示すカラーインク
が導入され、次にその印字間隔が短いノズル列C2には
相互反応性が次に高いカラーインクが導入され、その印
字間隔が一番長いノズル列C3には相互反応性が一番低
いカラーインクが導入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を吐出して画像を記録するインクジェット記録ヘッドお
よびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録ヘッドお
よびインクジェット記録装置の分野では、特に普通紙に
対する印字濃度、印字品位、耐水性、および耐光性等の
堅牢性の優れた黒色画像を形成するために顔料を含有す
るブラックインクを用いたり、また、ブラックインクで
印字された画像領域とカラーインクで印字された画像領
域との境界部に生じる滲み(以下、「ブリード」とい
う。)や、カラーインクとの境界部のブラック画像領域
内に発生する白い不均一な画像乱れ(以下、「白もや」
という。)を防止するインクセットを用いることが知ら
れている。
【0003】代表的な技術として、特開平6−1068
41号公報、特開平9−11850号公報、特開平11
−334101号公報、特開平11−343441号公
報、米国特許第5428383号、米国特許第5488
402号、および米国特許第5976230号には、ブ
ラックインクとカラーインクとからなるインクセットで
あって、カラーインクの少なくとも1つのインクがブラ
ックインクと相互反応性を示し、他のインクがブラック
インクと非反応性を示す、ブリードを低減させることの
できるインクセット、およびこれを用いたインクジェッ
ト記録方法が記載されている。特に、ブラックインクに
よる印字領域と、ブラックインクと非反応性を示すカラ
ーインクによる印字領域との境界における滲みを防止す
るため、ブラックインク印字領域に反応性を有するカラ
ーインクの印字を重ねて行う印字方法(以下、「アンダ
ープリンティング」という。)が開示されている。
【0004】アンダープリンティングにおいて用いられ
る、ブラックインクおよびこれに相互反応性を示すカラ
ーインクとしては、親水性基を有する黒色色材を含むブ
ラックインクと、金属イオンからなる反応剤を含む相互
反応性カラーインクとの組み合わせが知られている。こ
れらのインクを記録媒体上に塗布して混合させ、親水性
基と金属イオンとを反応させると、黒色色材の沈殿が生
じる。これにより、黒色色材が、ブラックインクの印字
領域に隣接する非反応性カラーインクの印字領域に移動
することが防がれるので、ブラックインクの印字領域と
非反応性カラーインクの印字領域との間に生じるブリー
ドが低減される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によって、上記のようなアンダープリンティ
ングを行うインクジェット記録ヘッドおよびインクジェ
ット記録装置について、以下のような間題点が新たに明
らかになった。
【0006】第1の問題点は、カラーインクに高い濃度
の金属イオンを含ませてブラックインクとの相互反応性
を高めた場合には、ブリードや白もやを低減する観点か
らは好ましいものの、記録ヘッドのインク吐出面に付着
したインクミスト中に含まれる金属イオンによってイン
ク吐出面が劣化しやすくなったり、インク中に添加物さ
れる金属イオンの濃度が高くなることでインクの粘度が
増し、インクの吐出安定性が低下してしまうことであ
る。これを防止するためには、ブリードや白もやを低減
しつつも、カラーインクに添加する金属イオンの全体量
をできるだけ低く抑える必要がある。
【0007】また、第2の問題点は、反応性インク中に
含まれる金属イオンの凝集物が、記録ヘッドのインク吐
出面をワイピングするためにインクジェット記録装置に
設けられたワイパの先端表面に堆積することで、ワイパ
による記録ヘッドの回復性能が低下してしまうことであ
る。ワイパをクリーニングしてワイパのワイピング性能
を回復させるためのワイパークリーニング手段を備える
ことは公知であるが、このような手段によっても一度凝
固した凝集物を取り除くのは困難であり、そのための機
能を付加するとワイパークリーニング手段のコストが高
くなってしまう。
【0008】また、第3の問題点は、インクを吐出する
記録ヘッドの吐出口列のレイアウトによっては、ブリー
ド白もやを低減するためには、印字速度が低下してしま
う場合があるということである。
【0009】そこで本発明は、ブリードや白もやを低減
しつつも、カラーインクに添加する金属イオンの全体量
をできるだけ低く抑えることができるインクジェット記
録ヘッドを提供することを目的とする。さらには、記録
速度の低下を防止しつつブリードや白もやの低減を実現
することができるインクジェット記録ヘッドを提供する
ことを目的とする。
【0010】また、本発明は、反応性インク中に含まれ
る金属イオンの凝集物がワイパの先端表面に堆積するこ
とを防止することができるインクジェット記録装置を提
供することを目的とする。さらには、記録速度の低下を
防止しつつブリードや白もやの低減を実現することがで
きるインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録ヘッドは、3種以上の
複数種のインクを吐出するために複数の吐出口列を有
し、該複数種のインクのうち、第1のインクと該第1の
インク以外のインクのうちの少なくとも1種のインクと
は相互に反応性を示すインクであるインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記第1のインク用の吐出口列による
印字との印字間隔が相対的により短い吐出口列に、該吐
出口列よりも前記印字間隔が相対的により長い吐出口列
に導入される前記インクが示す前記相互反応性と同等で
あるか相対的により高い前記相互反応性を示す前記イン
クが導入されるように構成されていることを特徴とす
る。
【0012】上記本発明のように構成されたインクジェ
ット記録ヘッドによれば、第1のインク以外のインク用
の各吐出口列に導入されるインクの、第1のインクとの
相互反応性は、第1のインク用の吐出口列による印字と
の印字間隔が最も短いインクを吐出する吐出口列に導入
されるインクが一番高く、その印字間隔が長くなるにつ
れて低くなる。このように、第1のインク以外のインク
用の各吐出口列に導入するインクの相互反応性を第1の
インクによる印字との印字間隔が長くなる順に低くする
ことにより、反応性インク中の反応剤(金属イオン)の
濃度を全体として低くするとともに、ブリードや白もや
の低減を図ることが可能となり、印字画像の高品位化と
記録ヘッドの高信頼性化とを両立させることが可能とな
る。
【0013】また、本発明の他のインクジェット記録ヘ
ッドは、3種以上の複数種のインクを吐出するために複
数の吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、第1の
インクと該第1のインク以外のインクのうちの少なくと
も1種のインクとは相互に反応性を示すインクであるイ
ンクジェット記録ヘッドにおいて、前記第1のインク用
の吐出口列との距離が相対的により短い吐出口列に、該
吐出口列よりも前記距離が相対的により長い吐出口列に
導入される前記インクが示す前記相互反応性と同等であ
るか相対的により高い前記相互反応性を示す前記インク
が導入されるように構成されていることを特徴とする。
【0014】上記本発明の他のインクジェット記録ヘッ
ドによれば、第1のインク以外のインク用の各吐出口列
に導入されるインクの、第1のインクとの相互反応性
は、第1のインク用の吐出口列との距離が最も短い吐出
口列に導入されるインクが一番高く、その距離が長くな
るにつれて低くなる。このように、第1のインク以外の
インク用の各吐出口列に導入するインクの相互反応性を
第1のインクを吐出する吐出口列との距離が長くなる順
に低くすることにより、反応性インク中の反応剤(金属
イオン)の濃度を全体として低くするとともに、ブリー
ドや白もやの低減を図ることが可能となり、印字画像の
高品位化と記録ヘッドの高信頼性化とを両立させること
が可能となる。
【0015】さらに、前記第1のインクはブラックイン
クであり、前記第1のインク以外のインクはカラーイン
クである構成としてもよい。
【0016】さらには、前記複数の吐出口列のうち、前
記第1のインク用の吐出口列によるブラック印字との印
字間隔が最も短い吐出口列にのみ、前記ブラックインク
と相互反応性を示す前記カラーインクが導入されるよう
に構成されていてもよい。
【0017】加えて、前記相互反応性を示すカラーイン
クは金属イオンを含有している構成としてもよい。
【0018】また、前記金属イオンは、Mg2+、C
2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd
3+、Y3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多
価金属陽イオンである構成としてもよい。
【0019】さらに、前記相互反応性を示すカラーイン
クは、該カラーインクの全重量に対して0.1〜15重
量%の金属塩を含む構成としてもよい。
【0020】さらには、前記ブラックインクは塩を含有
し、色材として黒色顔料が用いられている構成としても
よい。
【0021】また、本発明のインクジェット記録装置
は、3種以上の複数種のインクを吐出するために複数の
吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、第1のイン
クと該第1のインク以外のインクのうちの少なくとも1
種のインクとは相互に反応性を示すインクであるインク
ジェット記録ヘッドを搭載し、該インクジェット記録ヘ
ッドからインクを吐出して記録媒体に前記インクを付着
させることで記録を行うように構成されたインクジェッ
ト記録装置において、前記インクジェット記録ヘッド
は、前記第1のインク用の吐出口列による第1のインク
の印字との印字間隔が相対的により短い吐出口列に、該
吐出口列よりも前記印字間隔が相対的により長い吐出口
列に導入される前記インクが示す前記相互反応性と同等
であるか相対的により高い前記相互反応性を示す前記イ
ンクが導入されるように構成されていることを特徴とす
る。
【0022】また、本発明の他のインクジェット記録装
置は、3種以上の複数種のインクを吐出するために複数
の吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、第1のイ
ンクと該第1のインク以外のインクのうちの少なくとも
1種のインクとは相互に反応性を示すインクであるイン
クジェット記録ヘッドを搭載し、該インクジェット記録
ヘッドからインクを吐出して記録媒体に前記インクを付
着させることで記録を行うように構成されたインクジェ
ット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッド
は、前記第1のインク用の吐出口列との距離が相対的に
より短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記距離が相対
的により長い吐出口列に導入される前記インクが示す前
記相互反応性と同等であるか相対的により高い前記相互
反応性を示す前記インクが導入されるように構成されて
いることを特徴とする。
【0023】さらに、前記第1のインクはブラックイン
クであり、前記第1のインク以外のインクはカラーイン
クである構成としてもよい。
【0024】さらには、前記複数の吐出口列のうち、前
記第1のインク用の吐出口列によるブラック印字との印
字間隔が最も短い吐出口列にのみ、前記ブラックインク
と相互反応性を示す前記カラーインクが導入されるよう
に構成されていてもよい。
【0025】加えて、前記相互反応性を示すカラーイン
クは金属イオンを含有している構成としてもよい。
【0026】また、前記金属イオンは、Mg2+、C
2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd
3+、Y3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多
価金属陽イオンである構成としてもよい。
【0027】さらに、前記相互反応性を示すカラーイン
クは、該カラーインクの全重量に対して0.1〜15重
量%の金属塩を含む構成としてもよい。
【0028】さらには、前記ブラックインクは塩を含有
し、色材として黒色顔料が用いられている構成としても
よい。
【0029】また、本発明のさらに他のインクジェット
記録装置は、上記本発明のインクジェット記録ヘッドを
搭載し、該インクジェット記録ヘッドからインクを吐出
して記録媒体に前記インクを付着させることで記録を行
うように構成され、前記インクジェット記録ヘッドのイ
ンク吐出面に当接するワイパを移動させて前記インク吐
出面をクリーニングするワイピング手段を備えたインク
ジェット記録装置において、前記ワイパは、前記インク
吐出面の前記第1のインク用の吐出口列以外の複数の吐
出口列の部分をワイピングする際に、前記第1のインク
用の吐出口列による印字との印字間隔が相対的により短
い吐出口列の順にワイピングを行うように構成されてい
ることを特徴とする。
【0030】上記本発明のインクジェット記録装置によ
れば、反応剤(金属イオン)の濃度が比較的高いインク
が導入された吐出口列から反応剤の濃度が比較的低いイ
ンクが導入された吐出口列へ順次ワイピングが行われる
ので、ワイパに先に染み込んだ反応剤の濃度が比較的高
いインクは、その後に染み込む反応剤の濃度が比較的低
いインクによって薄められ、ワイパの少なくとも先端部
(記録ヘッドの吐出口形成面に当接する部分)では反応
剤の濃度が低くなり、反応剤の凝集物がワイパの先端表
面に堆積することが容易に防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱し
ない限り、下記の実施例により限定されるものではな
い。
【0032】<インクジェット記録装置の構成について
>図1は、後述する本発明の液体吐出ヘッド(以下、
「記録ヘッド」ともいう。)を装着して適用することの
できるインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図
である。
【0033】図1において、符号101はインクジェッ
ト記録ヘッドである。この記録ヘッド101は、駆動モ
ータ102の正逆回転に連動して駆動力伝達103およ
び104を介して回転するリードスクリュー105の螺
旋溝106に対して係合するキャリッジ107上に搭載
されており、駆動モータ102の動力によってキャリッ
ジ107とともにガイド108に沿って矢印aおよびb
方向に往復移動される。図示しない記録媒体搬送装置に
よってプラテン109上を搬送されるプリント用紙P
(記録媒体)の紙押さえ板110は、キャリッジ移動方
向にわたってプリント用紙Pをプラテン109に対して
押圧する。
【0034】上記のリードスクリュー105の一端の近
傍には、フォトカプラ111および112が配設されて
いる。これらはキャリッジ107のレバー107aのこ
の域での存在を確認して駆動モータ102の回転方向切
り替え等を行うためのホームポジション検知手段であ
る。図において、符号113は上述のインクジェット記
録ヘッド101の吐出口のある前面を覆うキャップ部材
114を支持する支持部材である。また、符号115は
キャップ部材114の内部にヘッド101から空吐出等
されて溜まったインクを吸引するインク吸引手段であ
る。この吸引手段115によりキャップ内開口部116
を介してヘッド101の吸引回復が行われる。符号11
7はクリーニングワイパであり、符号118はワイパ1
17を移動させる移動部材であり、ワイパ117および
移動部材118は本体支持体119に支持されている。
上記のワイパ117はこの形態に限らず、他の周知のク
リーニングワイパであってもよい。符号120は吸引回
復操作にあたって、吸引を開始するためのレバーであ
り、キャリッジ107と係合するカム121の移動に伴
って移動し、駆動モータ102からの駆動力がクラッチ
切り替え等の公知の伝達手段で移動制御される。上記記
録ヘッド101に設けられた発熱体(不図示)に信号を
付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりする
インクジェット記録制御部は装置本体側に設けられてお
り、ここには図示しない。
【0035】上述の構成を有するインクジェット記録装
置100は、図示しない記録媒体搬送装置によりプラテ
ン109上を搬送されるプリント用紙P(記録媒体)に
対し、記録ヘッド101がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動しながら記録を行う。
【0036】<液体吐出ヘッドの構成について>図2は
本発明の液体吐出ヘッドの1つの実施の形態を液流路方
向で切断した断面図で示すとともに、液流路内の特徴的
な現象を(a)〜(f)の工程に分けて示したものであ
る。
【0037】本形態の液体吐出ヘッドでは、液体を吐出
するための吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エ
ネルギーを作用させる発熱体52が平滑な素子基板51
に設けられており、素子基板51上に発熱体52に対応
して液流路10が配されている。液流路10は吐出口1
8に連通していると共に、複数の液流路10に液体を供
給するための共通液室13に連通しており、吐出口18
から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液室1
3から受け取る。符号Mは吐出液が形成するメニスカス
を表し、メニスカスMは、吐出口18及びそれに連通す
る液流路10の内壁によって発生する毛細管力によって
通常負圧である共通液室13の内圧に対して、吐出口1
8近傍でつり合っている。
【0038】液流路10は、発熱体52を備えた素子基
板51と天板50が接合されることで構成されており、
発熱体52と吐出液との接する面の近傍領域には、発熱
体52が急速に加熱されて吐出液に発泡を生じさせる気
泡発生領域11が存在する。この気泡発生領域11を有
する液流路10に可動部材31の少なくとも一部が発熱
体52と対面するように配されている。この可動部材3
1は吐出口18に向かう下流側に自由端32を有すると
共に、上流側に配置された支持部材34に支持されてい
る。特に本形態では、上流側へのバック波及び液体の慣
性力に影響する、気泡の上流側半分の成長を抑制するた
め、自由端32が気泡発生領域11の中央付近に配され
ている。そして可動部材31は気泡発生領域11で発生
する気泡の成長に伴い、支持部材34に対して変位可能
である。この変位するときの支点33は支持部材34に
おける可動部材31の支持部となっている。
【0039】気泡発生領域11の中央上方にはストッパ
(規制部)64が位置していて、気泡の上流側半分の成
長を抑制するために可動部材31の変位をある範囲で規
制している。共通液室13から吐出口18への流れにお
いて、ストッパ64を境に上流側に、液流路10と比較
して相対的に流路抵抗の低い低流路抵抗領域65が設け
られている。この領域65における流路構造は上壁がな
かったり流路断面積が大きいことなどで、液の移動に対
し流路から受ける抵抗を小さくしている。
【0040】以上の構成により、変位した可動部材31
とストッパ64との接触によって、気泡発生領域11を
有する液流路10が吐出口18を除いて、実質的に閉じ
た空間になるという従来にない特徴的なヘッド構造を提
案している。
【0041】次に、本形態の液体吐出ヘッドの吐出動作
について詳しく説明する。
【0042】図2(a)では、発熱体52に電気エネル
ギー等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱
体が熱を発生する前の状態を示す。ここで重要なこと
は、可動部材31が、発熱体52の発熱によって発生す
る気泡に対し、この気泡の上流側半分に対面する位置に
設けられており、かつ、可動部材31の変位を規制する
ストッパ64が気泡発生領域11の中央上方に設けられ
ていることである。つまり、液流路構造と可動部材の配
置位置とによって、気泡の上流側半分が可動部材31に
押え込まれるようになっている。
【0043】図2(b)では、気泡発生領域11内を満
たす液体の一部が発熱体52によって加熱され、膜沸騰
に伴う気泡40がほぼ最大に成長した状態を示す。この
とき、気泡40の発生に基づく圧力波が液流路10内に
伝播し、それに伴い液体は気泡発生領域の中央領域を境
に下流側及び上流側に移動し、上流側においては気泡4
0の成長に伴う液の流れにより可動部材31が変位し、
下流側においては吐出口18から吐出滴66が吐出しつ
つある。ここで、上流側すなわち共通液室13方向への
液体の移動は、液体の移動に対し流路からの抵抗が下流
側に比較して低くなっていて液体流動がしやすい領域で
ある低流路抵抗領域65によって大きな流れとなるが、
可動部材31はストッパ64に接近または接触するまで
変位すると、それ以上の変位が規制されるため、上流方
向への液体の移動もそこで大きく制限される。それに伴
い気泡40の上流側への成長も可動部材31で制限され
る。これにより、流路の気泡発生領域よりも上流側にお
ける最大流路抵抗を形成し、気泡の上流側の成長を略一
定化している。この構成により、吐出液滴の形成をより
安定したものにでき、かつ、応答周波数依存特性自体を
改善できるようにしている。
【0044】また、この時、上流方向への液体の移動力
は大きいため、可動部材31は上流方向へ引っ張られた
形の応力を大きく受けている。さらに、可動部材31で
成長を制限された気泡40の一部は、液流路10を形成
する両側壁と可動部材31の側部との僅かな間隙を通
り、可動部材31の上面側に隆起している。この隆起し
た気泡を本明細書では「隆起気泡(41)」と呼ぶこと
とする。
【0045】この状態において、可動部材31に対して
吐出口側への液流路の全体形状は、上流側から下流側に
向かって広がってゆく構造となっている。
【0046】本形態においては、気泡40の吐出口側の
部分と吐出口との間は液流に対しまっすぐな流路構造を
保っている「直線的連通状態」となっている。これは、
より好ましくは、気泡の発生時に生じる圧力波の伝播方
向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方向とが直線的に
一致させることで、吐出滴66の吐出方向や吐出速度等
の吐出状態をきわめて高いレベルで安定化させるという
理想状態を形成することが望ましい。本発明では、この
理想状態を達成、または近似させるための一つの定義と
して、吐出口18と発熱体52、特に気泡の吐出口側に
影響力を持つ発熱体の吐出口側(下流側)とが直接直線で
結ばれる構成とすればよく、これは、流路内の流体がな
い状態であれば、吐出口の外側から見て発熱体、特に発
熱体の下流側が観察することが可能な状態である。
【0047】一方、前述したように気泡40の上流側の
部分は可動部材31の変位がストッパ64によって規制
されているため、上流側への液流の慣性力によって可動
部材31を上流側へ凸形状に湾曲させ応力をチャージさ
せるまでにとどまった状態で小さなサイズになってい
る。この部分全体としては、ストッパ部及び液流路仕切
壁53と可動部材31と支点33とで上流側の領域に進
入する量をほとんど無にしている。(ただし、可動部材
31と液流路仕切壁53との間隙で10μm以下のスペ
ースに対する部分隆起気泡は許容する。)これによっ
て、上流側への液流を大幅に規制し、隣接したノズルへ
の流体クロストークや、後述する高速リフィルを阻害す
る供給路系における液の逆流や圧力振動を防止する。
【0048】図2(c)では、前述した膜沸騰の後に気
泡内部の負圧が液流路内の下流側への液体の移動に打ち
勝って、気泡40の収縮が開始された状態を示す。この
時点では、気泡成長による液体の上流方向への力が大き
く残るため、気泡40の収縮開始後一定の間は可動部材
31は未だストッパ64に接触された状態であり、気泡
40の収縮の多くは吐出口18から上流方向への液移動
力を生じさせる。図2(b)の状態で、可動部材31は
上流側へ凸形状に湾曲した応力チャージ状態であったた
め、図2(c)では、可動部材自身としては応力を開放
する側すなわち上流側から液流を引き戻し上流方向に対
し凹形状になろうとする力が発生する。このため、ある
時点から前述した上流方向への液の移動力にこの上流方
向からの可動部材の引き戻し力が打ち勝ってわずかなが
らに上流側から吐出口側への流れを生じさせ始め、可動
部材31も撓みが減じ、上流方向に凹形状への変位が始
まる。すなわち、一時的に液流路内の液体がトータルと
して吐出口方向に一方的に向う流れが生じるという、気
泡40の上流側と下流側でのアンバランス状態が発生す
るのである。
【0049】その直後のタイミングでは、液流路内全体
としては、いまだ変位した可動部材31とストッパ64
との接触によって、気泡発生領域11を有する液流路1
0が吐出口18を除いて、実質的に閉じた空間になって
いるため、気泡40の収縮エネルギーは全体バランスと
して吐出口18近傍の液体を上流方向へ移動させる力と
して強く働く。したがって、メニスカスMはこの時点で
吐出口18から液流路10内に大きく引き込まれ、吐出
液滴66と繋がっている液柱を強い力ですばやく切り離
すことになる。その結果、図2(d)に示すように、吐
出口18の外側にとり残される液滴すなわちサテライト
(副滴)67が少なくなる。
【0050】図2(d)では、消泡工程がほぼ終了し吐
出液滴66とメニスカスMが分断された状態を示す。低
流路抵抗領域65では液体の上流方向の移動力に対し可
動部材31の反発力と気泡40の消泡による収縮力によ
って、可動部材31の下方変位とそれに伴う低流路抵抗
領域65での下流方向への流れとが開始され、可動部材
31とストッパ64との近接または接触状態が開放し始
める。これに伴い低流路抵抗領域65での下流方向への
流れは流路抵抗が小さい為、急速に大きな流れとなって
ストッパ64部分を介し液流路10へ流れ込む。これに
より、メニスカスMを液流路10内へと急速に引き込む
流れが急に低下するため、メニスカスMは吐出口18か
ら外側に残った、または吐出口18方向に凸になってい
る液柱部分をできるだけ分離させず取り込みながら比較
的低速で発泡前の位置へ戻り始める。特に、メニスカス
Mの復帰の流れと上流からのリフィルとが合流すること
で吐出口18〜ヒータ2間で流速がほとんどゼロの領域
を形成することでメニスカスの収束性が良い。これはイ
ンクの粘度や表面張力にもよるが、本発明によれば、こ
の液柱が分離しサテライトとなって印字物に付着し画品
位を低下させたり、オリフィス近傍に付着し吐出方向に
悪影響を及ぼしたり、吐出不良を引き起こしたりするも
のを激減させることができる。
【0051】また、メニスカスM自身も大きく液流路内
に引き込まれる以前に復帰を開始するので、液移動速度
自体はそれほど大きくなくても短時間で復帰を果たすた
め、メニスカスのオーバーシュート、すなわち吐出口1
8で停止せず吐出口18の外側への凸形状となる量を低
減し、オーバーシュートに引き続いて発生する吐出口1
8を収束点とした減衰振動現象を極めて短時間で終了さ
せることができる。この減衰振動現象も印字品位に悪影
響を及ぼすため、本発明は安定的な高速印字を可能とし
ている。
【0052】また、前述した可動部材31とストッパ6
4の間の部分を介した液流路10への流れ込みは図2
(d)に示すように天板50側の壁面での流速を高める
ため、この部分での微少泡などの残留も極めて少なく、
吐出の安定性に寄与している。
【0053】一方、吐出滴66に対し直後に存在するサ
テライト67の中には図2(c)における急速なメニス
カス引き込みによって吐出滴と極めて近接しているもの
もあり、吐出滴66の飛翔の後方に生じる空気の渦によ
り吐出滴に引き寄せられる力を受ける現象、いわゆるス
リップストリーム現象が発生する。
【0054】この現象について詳しく説明する。旧来か
らの液体吐出ヘッドでは吐出口から液体が吐出された瞬
間に液滴が球体を形成することはなく、先端に球状部を
持つ液柱に近い状態で吐出される。そして、尾引きの部
分が主滴とメニスカスの両方に引っ張られてメニスカス
より切り離されたときに尾引きの部分からサテライトド
ットが形成され、主滴と共に被記録体へ飛翔することが
知られている。サテライトドットは主滴よりも後から飛
翔するため、メニスカスにも引っ張られていた分だけ吐
出速度が低く、その着弾位置が主滴とずれて、印字品位
が劣化してしまう。本発明による液体吐出ヘッドでは、
前述のようにメニスカスを後退させる力が旧来の液体吐
出ヘッドよりも大きいため、主滴が吐出した後の尾引き
部分を引っ張る力が強く、尾引き部分とメニスカスを切
り離す力が強くなってこの切り離すタイミングも早くな
る。したがって、尾引き部分から形成されるサテライト
ドットが小さくなり、また主滴とサテライトドットとの
距離が短くなる。さらに、尾引き部分がいつまでもメニ
スカスに引っ張られ続けないため、吐出速度が低下せ
ず、吐出滴66の後方でいわゆるスリップストリーム現
象によりサテライト67が引き寄せられる。
【0055】図2(e)では図2(d)の状態がさらに
進んだ状態を示す。サテライト67はさらに吐出滴66
に近接し同時に引き寄せられ、スリップストリーム現象
による引き力も増大する。一方、上流側から吐出口18
方向への液体移動は、気泡40の消泡工程完了と可動部
材31の変位オーバーシュートで初期位置より下方に変
位することで上流側からの液体の引き込みと吐出口18
方向への液体の押し出し現象を生じさせる。しかも、ス
トッパ64が存在する液流路の断面積拡大によって吐出
口18方向への液流れが増大し、メニスカスMの吐出口
18への復帰が加速する。この事により、本形態におけ
るリフィル特性は飛躍的に向上する。
【0056】また、気泡の消滅時に発生するキャビテー
ション発生時は可動部材31の下方変位によって消泡点
と吐出口18が区分されるため、キャビテーションによ
る衝撃波が吐出口18に直接伝達されず可動部材31に
多く吸収されるため、キャビテーションによる衝撃波が
メニスカスに到達してメニスカスからマイクロドットと
呼ばれる微小液滴が発生するがほとんどなくなるため、
マイクロドットが印刷物に付着して画品位を低下させた
り、吐出口18近傍に付着して吐出を不安定にさせたり
する現象が激減するのである。
【0057】さらに、消泡によるキャビテーション発生
ポイントも可動部材31により支点33側にずれるた
め、ヒータ2に対するダメージが少なくなる。また、可
動部材31とヒーター2間での増粘インクの強制的な移
動を引き起こし、この閉域から排除することで吐出耐久
性が向上する。同時に、同現象によりこの領域でのヒー
タへのこげの付着も少なくなる為、吐出安定性が向上す
る。
【0058】図2(f)では、図2(e)の状態がさら
に進み、サテライト67が吐出滴66にとり込まれた状
態を示す。この吐出滴66とサテライト67の合体は他
の実施形態でも吐出毎に必ずしも起きる現象ではなく、
条件によって起きる場合と起きない場合がある。しか
し、サテライトの量を少なくとも減少または消滅させる
ことで、主滴とサテライトドットとの着弾位置が被記録
体上で殆どずれず印字品位に与える影響が極めて小さく
なる。すなわち、画像のシャープネスを高め印字品位を
向上させるとともに、ミストとなって印字媒体や記録装
置内を汚すなどの弊害を低減することができる。
【0059】一方、可動部材31はそのオーバーシュー
トの反動で再びストッパ64の方向への変位を生じる。
これは可動部材31の形状及びヤング率、液流路内の液
体の粘度、比重で決まる減衰振動により収束し、最終的
には初期位置で停止する。
【0060】可動部材31の上方変位によって共通液室
13側から吐出口18方向への液体の流れは制御され、
メニスカスMの動きは吐出口近傍ですみやかに収束す
る。よって、メニスカスのオーバーシュート現象など
の、吐出状態を不安定にし印字品位を低下する要因を大
きく低減することができる。
【0061】なお、本発明が適用されるのは上記のよう
な構成の液体吐出ヘッドに限られず、例えば、発熱体上
に発生した気泡が吐出口を介して大気中に連通するよう
に構成された液体吐出ヘッドや、吐出エネルギー発生手
段としてピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いた液体
吐出ヘッドにも適用することが可能である。
【0062】<記録ヘッドの吐出口列の構成について>
図3〜図5は、本発明を具現化する各種記録ヘッドの吐
出口列の構成例を示す概略図である。なお、各図とも、
記録用紙の印字面に対して記録ヘッドを透視した状態で
示されている。 (1)記録ヘッド1 図3に示すように、記録ヘッド1は、第1のインクとし
てのブラックインク用の吐出口列Bk1と、カラーイン
ク用の吐出口列C1,C2,C3とが、副走査方向に並
列に配置されている。各吐出口列C1,C2,C3は、
互いに異なる色のカラーインクを吐出するようにされて
おり、主走査方向に一列に並べられている。ブラック用
の吐出口列Bk1の幅は、3つのカラー用の吐出口列C
1,C2,C3が一列に並べられた長さとほぼ同じ長さ
を有している。
【0063】このように構成された記録ヘッド1は、ブ
ラックの印字速度と記録ヘッドの製造コストとを優先さ
せたインクジェット記録ヘッドの代表的な形態である。 (2)記録ヘッド2 図4に示すように、記録ヘッド2は、第1のインクとし
てのブラックインク用の吐出口列Bk2およびカラーイ
ンク用の吐出口列C4,C5,C6が副走査方向に並列
に配置されている。各吐出口列Bk2,C4,C5,C
6は、互いに同じ幅を有している。
【0064】このように構成された記録ヘッド2は、ブ
ラック、カラー共に印字速度を重視したインクジェット
記録ヘッドの代表的な形態である。 (3)記録ヘッド3 図5に示すように、記録ヘッド3は、第1のインクとし
てのブラックインク用の吐出口列Bk3およびカラーイ
ンク用の5つの吐出口列C7〜C11が副走査方向に並
列に配置されている。カラーインク用の吐出口列C7〜
C11は互いに同じ幅を有しているのに対し、ブラック
インク用の吐出口列Bk3は、これらのカラーインク用
吐出口列C7〜C11のほぼ2倍の幅を有している。
【0065】このような記録ヘッド3の構成によれば、
ブラックの印字速度を向上できることに加え、C7とC
ll、C8とClOにそれぞれ同色のインクを用いるこ
とにより、記録ヘッド3の走査方向が往復いずれの方向
であっても記録用紙上へ吐出するカラーインクの色順序
を同じにすることができる。すなわち、記録ヘッド3が
図示a方向に走査されるときにはC7,C8,C9の順
にカラーインクの吐出を行い、記録ヘッド3が図示b方
向に走査されるときにはC11,C10,C9の順にカ
ラーインクの吐出を行うことで、記録用紙上へ吐出する
カラーインクの色順序を同じにすることができる。
【0066】この記録ヘッド3によれば、往方向走査時
と復方向走査時とで記録用紙上へ吐出するカラーインク
の色順序が異なる他の記録ヘッド(例えば図4の記録ヘ
ッド2)とは異なり、走査方向を切り替える毎に記録用
紙上でのインク同士の重ね合わせ順序が異なることで発
色に違いが生じることがなくなるので、良好な往復印字
が可能になり、カラー印字の高速化を図ることができ
る。
【0067】記録ヘッド3を用いて記録媒体上に印字を
行う際に、ブラック印字のみを行う場合には、ブラック
吐出口列Bk3の全幅を駆動して印字動作の高速化を図
る。一方、ブラック印字とカラー印字とを混在させて行
う場合には、ブラック吐出口列Bk3のうち、各カラー
用ノズルC7〜C11よりも排紙方向に関して上流側の
半幅分の部分(図5におけるA部分)のみを用いて、カ
ラー印字に先行してブラック印字を行い、ブラック印字
領域を形成する。そして、記録媒体を排紙方向にブラッ
ク吐出口列Bk3の半幅分だけ搬送し、先のブラック印
字領域に対してカラー印字を行う。
【0068】<インクについて> (1)ブラックインクについて ブラックインク中の黒色顔料としては、例えばカーボン
ブラックが好適に用いられる。そして、カーボンブラッ
クをインク中で分散させる形態としては、自己分散型の
形態であっても、分散剤による形態であってもよい。
【0069】(自己分散型カーボンブラック)自己分散
型のカーボンブラックとしては、例えば、少なくとも1
つの親水性基(アニオン性基やカチオン性基)がイオン
性基としてカーボンブラック表面に直接、若しくは他の
原子団を介して結合しているカーボンブラックが挙げら
れる。これを用いることによって、カーボンブラックを
分散させるための分散剤の添加が削減あるいは不要とな
る。
【0070】アニオン性基を表面に直接もしくは他の原
子団を介して結合しているカーボンブラックの場合、表
面に結合されている親水性基の例として、例えば、−C
OO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、
−PO3(M2)2等を挙げることができる。なお上記式
中、「M2」は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム
又は有機アンモニウムを表わす。これらの中で特に、−
COO(M2)、−SO3(M2)がカーボンブラック
表面に結合してアニオン性に帯電せしめた自己分散型カ
ーボンブラックは、インク中での分散性が良好な為、本
発明において特に好適に用い得るものである。ところで
上記親水性基中、「M2」として表わしたもののうち、
アルカリ金属の具体例としては、例えばLi、Na、
K、RbおよびCs等が挙げられ、また有機アンモニウ
ムの具体例としては例えばメチルアンモニウム、ジメチ
ルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアン
モニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニ
ウム、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニ
ウム、トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。そ
してM2をアンモニウム或いは有機アンモニウムとした
自己分散型カーボンブラックを含む本実施例のインク
は、記録画像の耐水性をより向上させることができ、こ
の点において特に好適に用いることのできるものであ
る。これは当該インクが記録媒体上に付与されると、ア
ンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響による
ものと考えられる。ここでM2をアンモニウムとした自
己分散型カーボンブラックは、例えばM2がアルカリ金
属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を
用いてM2をアンモニウムに置換する方法や酸を加えて
H型とした後に水酸化アンモニウムを添加してM2をア
ンモニウムにする方法等が挙げられる。
【0071】アニオン性に帯電している自己分散型カー
ボンブラックの製造方法としては、例えばカーボンブラ
ックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げら
れ、この方法によってカーボンブラック表面に−COO
Na基を化学結合させることができる。
【0072】ところで上記した様な種々の親水性基は、
カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい。或い
は他の原子団をカーボンブラック表面と該親水性基との
間に介在させ、該親水性基をカーボンブラック表面に間
接的に結合させても良い。ここで他の原子団の具体例と
しては例えば炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐
鎖状のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン
基、置換もしくは未置換のナフチレン基が挙げられる。
ここでフェニレン基およびナフチレン基の置換基として
は例えば炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキ
ル基が挙げられる。また他の原子団と親水性基の組合わ
せの具体例としては、例えば−C24COO(M2)、
−Ph−SO3(M2)、−Ph−COO(M2)等
(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
【0073】ところで本発明において上記した自己分散
型カーボンブラックの中から2種若しくはそれ以上を適
宜選択したインクの色材に用いてもよい。またインク中
の自己分散型カーボンブラックの添加量としてはインク
全重量に対して、0.1〜15重量%、特には1〜10
重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とするこ
とで自己分散型カーボンブラックはインク中で十分な分
散状態を維持することができる。更にインクの色調の調
製等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加え
て染料を色材として添加してもよい。
【0074】(通常のカーボンブラック)またブラック
インク用の色材としては、自己分散型でない、通常のカ
ーボンブラックを用いることもできる。このようなカー
ボンブラックとしては例えば、ファーネスブラック、ラ
ンプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラッ
ク等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン
(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴ
ァン5250、レイヴァン5000ULTRA−、レイ
ヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン15
00、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイ
ヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン117
0、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラ
ックパールズ(Black Pearls)L、リーガ
ル(Regal)400R、リーガル330R、リーガ
ル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Mo
narch)700、モナク800、モナク880、モ
ナク900、モナク1000、モナク1100、モナク
1300、モナク1400、ヴァルカン(Valca
n)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラ
ック(Color Black)FW1、カラーブラッ
クFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックF
W18、カラーブラックFW200、カラーブラックS
150、カラーブラックS160、カラーブラックS1
70、プリンテックス(Printex)35、プリン
テックスU、プリンテックスV、プリンテックス140
U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(S
pecial Black)6、スペシャルブラック
5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4
(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、N
o.40、No.47、No.52、No.900、N
o.2300、MCF−88、MA600、MA7、M
A8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用するこ
とができるが、これらに限定されるものではなく従来公
知のカーボンブラックを使用することが可能である。ま
た、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタ
ンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
【0075】そしてこのような通常型のカーボンブラッ
クをブラックインクの色材として用いる場合には、これ
を水性媒体に安定して分散させるために分散剤をインク
中に添加することが好ましい。分散剤としては例えばイ
オン性基を有し、その作用によってカーボンブラックを
水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に
用いられ、そのような分散剤としては、例えば分散剤と
して具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アク
リル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエス
テル共重合体、あるいは、これらの塩等が挙げられる。
この中で重量平均分子量が1000から30000の範
囲のものが好ましく、更に好ましくは3000から15
000の範囲である。
【0076】(ブラックインクが有する塩について)ブ
ラックインク中に、塩を共存させることによって、記録
媒体の種類によって画像品質が大きく変化することがな
く、また濃度の極めて高い、高品位の画像を安定的に形
成することのできるインクとすることができる。
【0077】また、インク中に塩を共存させることで、
同一ドキュメント内のブラック領域内に、ブラックイン
クのみで形成した部分とカラーインクとブラックインク
との混合によって形成した部分とが混在した場合にも、
ブラックの画像濃度が互いに異なることがなく、視覚的
に違和感のない画像を形成することが可能となる。
【0078】本発明に係るブラックインクが有する塩と
しては、(M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph
−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、
(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3および(M
1)2CO3から選ばれる少なくとも一つを用いることが
好ましい。ここで、「M1」はアルカリ金属、アンモニ
ウムまたは有機アンモニウムを表し、Phはフェニル基
を表す。そしてアルカリ金属の具体例としては例えばL
i、Na、K、Rb、Cs等が挙げられ、また有機アン
モニウムの具体例としては例えばメチルアンモニウム、
ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチ
ルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルア
ンモニウム、トリメタノールアンモニウム、ジメタノー
ルアンモニウム、トリメタノールアンモニウム、エタノ
ールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムおよびト
リエタノールアンモニウム等が挙げられる。そして上記
した塩の中でも硫酸塩(例えば硫酸カリウム等)、安息
香酸塩(例えば安息香酸アンモニウム)は自己分散型カ
ーボンブラックとの相性が良く、具体的には記録媒体に
付与したときの固液分離効果が特に優れるためか、種々
の記録媒体に特に優れた品質のインクジェット記録画像
を形成することができる。
【0079】本発明にかかるブラックインク中の色材、
例えば自己分散型カーボンブラックの含有量としては、
インク全重量に対して、0.1〜15重量%、特には1
〜10重量%の範囲とすることが好ましい。また塩の含
有量としてはインク全重量に対して0.05〜10重量
%、特には0.1〜5重量%の範囲とすることが好まし
い。ブラックインク中の色材および塩の含有量を上記の
範囲とすることでより一層優れた効果を享受できる。
【0080】(ブラックインクにおける水性媒体)本発
明に係るブラックインクに用いられる水性媒体の例とし
ては、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合
溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの
乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が
2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポ
リエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等
の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチ
レングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジ
エチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、ト
リエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価ア
ルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げ
られる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもある
いは混合物としても使用することができる。水としては
脱イオン水を使用することが望ましい。
【0081】本発明に係るブラックインク中に含有され
る水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、イン
ク全重量に対して、好ましくは3〜50wt%の範囲が
好適である。又、インクに含有される水の含有量はイン
ク全重量に対して好ましくは50〜95重量%の範囲で
ある。
【0082】(インク特性;特にインクジェット吐出特
性、記録媒体への浸透性について)本発明に係るブラッ
クインクは、筆記具用インクやインクジェット記録用イ
ンクに用いる事ができる。インクジェット記録方法とし
ては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐
出する記録方法、およびインクに熱エネルギーを加えて
インクの発泡により液滴を吐出する記録方法があり、そ
れらの記録方法に本発明のインクは特に好適である。と
ころで本発明に係るブラックインクをインクジェット記
録用に用いる場合には、該インクはインクジェットヘッ
ドから吐出可能である特性を有する事が好ましい。イン
クジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液
体の特性としては、例えばその粘度を1〜15cps、
表面張力が25mN/m(dyne/cm)以上、特に
は粘度を1〜5cps、表面張力が25〜50mN/m
(dyne/cm)とすることが好ましい。
【0083】またインクの記録媒体への浸透性を表わす
尺度として、ブリストウ法によって求められるKa値が
ある。即ち、インクの浸透性を1m2あたりのインク量
Vで表わすと、インク滴を吐出してから所定時間tが経
過した後におけるインクの記録媒体への浸透量V(ml
/m2=μm)は、下記に示すブリストウの式によって
示される。
【0084】V=Vr+Ka(t−tw)1/2 ここでインク滴が記録媒体表面に付着した直後には、イ
ンクは記録媒体表面の凹凸部分(記録媒体の表面の荒さ
の部分)において吸収されるのが殆どで、記録媒体内部
へは殆ど浸透していない。その間の時間がコンタクトタ
イム(tw)、コンタクトタイムに記録媒体の凹凸部に
吸収されたインク量がVrである。そしてインクが付着
した後、コンタクトタイムを越えると、該コンタクトタ
イムを越えた時間、即ち(t−tw)の1/2乗べきに
比例した分だけ記録媒体への浸透量が増加する。Kaは
この増加分の比例係数であり、浸透速度に応じた値を示
す。そしてKa値はブリストウ法による液体の動的浸透
性試験装置(例えば、東洋精機製作所製の動的浸透性試
験装置S)等を用いて測定可能である。そして前記した
本発明の各実施態様にかかるインクにおいて、このKa
値を1.5未満とすることは記録画像品質をより一層向
上させるうえで好ましく、更に好ましくは0.2以上
1.5未満である。即ちKa値が1.5未満である場合
に、インクの記録媒体への浸透過程の早い段階で固液分
離が起こり、フェザリングが極めて少ない高品質な画像
を形成することができると思われる。なお本発明におけ
るブリストウ法によるKa値は、普通紙(例えばキヤノ
ン株式会社製の、電子写真方式を用いた複写機やページ
プリンタ(レーザビームプリンタ)やインクジェット記
録方式を用いたプリンタ用として用いられるPB紙や電
子写真方式を用いた複写機用の紙であるPPC用紙等)
を記録媒体として用いて測定した値である。また測定環
境としては通常のオフィス環境、例えば温度20〜25
℃、湿度40〜60%を想定している。
【0085】そして、上記したような特性を担持させら
れる好ましい水性媒体の組成としては、例えばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、チオジグリコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピル
アルコール、およびアセチレンアルコールを含むものと
する事が好ましい。 (2)カラーインクについて 本発明に係るカラーインクに用いることのできる色材と
しては、公知の染料や顔料を用いることができる。染料
としては例えば酸性染料、直接染料、等を用いることが
できる。たとえばアニオン性染料としては、既存のもの
でも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有す
るものであれば、たいていのものを用いることができ
る。またこれらのうちいずれかを混合して用いることも
可能である。
【0086】アニオン性染料の具体例を以下に挙げる。
【0087】イエロー用の色材 C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、
28、33、39、44、50、58、85、86、8
7、88、89、98、100、110、132 C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、
23、25、29、36、38、40、42、44、7
6、98、99 C.I.リィアクティブイエロー 2、3、17、2
5、37、42 C.I.フードイエロー 3 レッド用の色材 C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、
23、24、31、39、46、62、75、79、8
0、83、89、95、197、201、218、22
0、224、225、226、227、228、22
9、230 C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、1
8、26、27、32、35、42、51、52、8
0、83、87、89、92、106、114、11
5、133、134、145、158、198、24
9、265、289 C.I.リィアクティブレッド 7、12、13、1
5、17、20、23、24、31、42、45、4
6、59 C.I.フードレッド 87、92、94 ブルー用の色材 C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、4
1、76、77、80、86、90、98、106、1
08、120、158、163、168、199、22
6 C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、2
3、25、29、40、43、59、62、74、7
8、80、90、100、102、104、117、1
27、138、158、161 C.I.リィアクティブブルー 4、5、7、13、1
4、15、18、19、21、26、27、29、3
2、38、40、44、100 ブラック用色材 C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、3
1、32、51、62、71、74、112、113、
154、168、195 C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、1
10、115、156 C.I.フードブラック1、2 (溶剤)上記したようなカラーインク用の色材を含むイ
ンク溶媒または分散媒としては例えば水、或いは水と水
溶性有機溶媒が挙げられる。そして水溶性有機溶媒とし
ては前記ブラックインクにて記載したのと同様なものが
挙げられる。また該カラーインクをインクジェット法
(例えばバブルジェット(登録商標)法等)で記録媒体
に付着せしめる場合には、前述したように優れたインク
ジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度、表
面張力を有するように調製する事が好ましい。
【0088】(色材の含有量)ここに記載するカラーイ
ンク中の色材の含有量は、例えばインクジェット記録に
用いる場合には該インクが優れたインクジェット吐出特
性を備え、また所望の色調や濃度を有するように適時選
択すれば良いが、目安としては例えばインク全重量に対
して3〜50wt%の範囲が好ましい。またブラック画
像の視覚的な均一性を重視する場合には、先に述べた様
にカラーインク中の染料の濃度を、カラーインクの重量
の10wt%以下とすることが特に好ましい。またイン
クに含有される水の量はインク全重量に対して50〜9
5wt%の範囲が好ましい。
【0089】(カラーインクの浸透性)上記したような
カラーインクに関して、Ka値を例えば5以上のインク
とする事は記録媒体上に高品質なカラー画像を形成する
事ができ、好ましい。即ちこのようなKa値を有するイ
ンクは記録媒体への浸透性が高い為、例えばイエロー、
マゼンタおよびシアンから選ばれる少なくとも2つの色
の画像を隣接して記録するような場合でも隣接する画像
間で色のにじみ(ブリーディング)を抑える事ができ、
またこれらのインクを重ね打ちして2次色の画像を形成
する場合でも各々のインクの浸透性が高い為、隣接する
異なる色の画像との間でブリーディングを有効に抑える
事ができる。カラーインクのKa値をこのような値に調
製する方法としては、例えば界面活性剤の添加、グリコ
ールエーテル等の浸透性溶剤の添加等の従来公知の方法
が適用できる。もちろん添加量は適時選択すれば良い。
【0090】次に、本実施例で調製したインクについて
説明する。なお、以下の記載で、部,%とあるものは、
特に断らない限り重量基準である。
【0091】はじめに、顔料分散体1の調製について説
明する。
【0092】(顔料分散体1)比表面積が230m2
gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラ
ック10gとp−アミノ−N−安息香酸3.41gとを
水72g中に良く混合した後、これに硝酸1.62gを
滴下して、70℃で撹拌した。ここに、数分後、5gの
水に1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を更
に加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを濾紙
(アドバンティス社製の東洋遽紙No.2)で濾過し、
濾取した顔料粒子を十分に水洗いし、90℃のオーブン
で乾燥させ、更に、この顔料に水を足して顔料濃度10
重量%の顔料水溶液を作製した。以上の方法により、カ
ーボンブラックの表面に、以下のような構成の親水性基
を導入した。
【0093】
【化1】
【0094】次に、上記の顔料分散体1を用い、以下の
成分割合でブラックインク1を調製した。
【0095】 (ブラックインク1) ・顔料分散体1 : 30部 ・安息香酸アンモニウム : 1部 ・トリメチロールプロパン : 6部 ・グリセリン : 6部 ・ジエチレングリコール : 6部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)) :0.2部 ・水 : 残部 上記のように調製されたブラックインクは、黒色色材で
あるカーボンブラックの表面に上記のような親水性基が
導入されているため、黒色色材が高い分散性を有してい
る。このブラックインクに対して、後述する金属イオン
からなる反応剤を含む相互反応性カラーインクを混合さ
せると、黒色色材の親水性基と金属イオンとが反応し、
黒色色材の沈殿が生じる。これにより、黒色色材が、ブ
ラックインクの印字領域に隣接する非反応性カラーイン
クの印字領域に移動することが防がれるので、ブラック
インクの印字領域と非反応性カラーインクの印字領域と
の間に生じるブリードが低減される。
【0096】また、以下の成分を混合して各色のカラー
インク(イエローインク1、マゼンダインク1、シアン
インク1)を調製した。調製の際には、十分に撹拌して
成分を水に溶解させた後、富士フィルム社製のポアサイ
ズ3.0μmのミクロフィルターにて加圧濾過した。
【0097】 (イエローインク1) ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)) :1.0部 ・トリメチロールプロパン : 6部 ・グリセリン : 6部 ・2−ピロリドン : 6部 ・CIアシッドイエロー23 : 3部 ・水 : 残部 (マゼンタインク1) ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 :1.0部 (川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)) ・トリメチロールプロパン : 6部 ・グリセリン : 6部 ・2−ピロリドン : 6部 ・CIアシッドレッド52 : 3部 ・水 : 残部 (シアンインク1) ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)) :1.0部 ・トリメチロールプロパン : 6部 ・グリセリン : 6部 ・2−ピロリドン : 6部 ・CIアシッドブルー9 : 3部 ・水 : 残部 上記のシアンインク1に対して下記の表1に示す量の硝
酸マグネシウムを添加し、シアンインク2,3を作成し
た。ただし、硝酸マグネシウムの添加量にあわせて水分
量を調整し、他の成分の濃度が元のシアンインク1と異
ならないようにした。
【0098】
【表1】
【0099】なお、本実施例では反応性カラーインクに
添加する金属塩として硝酸マグネシウムを用い、反応性
カラーインク中に金属イオンとしてマグネシウム2価イ
オン(Mg2+)を溶融させているが、反応性カラーイン
ク中に溶融させる金属イオンには、これの他にも、Ca
2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、N
3+、Y3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの
多価金属陽イオンを用いることができる。
【0100】また、上記では反応性カラーインク中に
0.30重量%または0.45重量%の金属塩(硝酸マ
グネシウム)を含ませているが、反応性カラーインク中
に含ませる金属塩の濃度は0.1〜15重量%の範囲で
あればよい。
【0101】<ブリード・白もやの評価について>図3
に示した記録ヘッド1の各吐出口列に、上記の各種イン
クを下記の表2に示す組み合わせ1〜5となるように導
入し、キヤノン社製のインクジェットプリンタ(BJF
800)の改造機を用いて、記録用紙に図6に示す3つ
の評価用の画像を記録した。
【0102】
【表2】
【0103】このとき、ブラックインクは600×60
0dpi格子の吐出密度で1液滴当たり30ngの吐出
量で吐出させ、カラーインクは1200×600dpi
格子の吐出密度で1液滴当たり6.5ngの吐出量で吐
出させた。また、このとき、ブラック印字領域には、以
下の表3に示すデューティ[%]でカラーインクをアン
ダープリントした。
【0104】
【表3】
【0105】なお、ブラックとカラーとを混在させて印
字する際には、1回の紙送りの幅は1つのカラー吐出口
列の幅の分だけであるので、ブラック印字には、ブラッ
ク吐出口列Bk1のうち、排紙方向(主走査方向)の上
流側から1つのカラー吐出口列の幅の分だけ(図3中の
B部分)のみを用いた。
【0106】また、記録用紙には、各国に流通する数種
類の普通紙(キヤノン社製PB用紙、キヤノン社製Br
illiant White Paper、Union
Camp社製Great White Inkjet、H
ammermill社製Jet Print、Xero
x社製Xerox 4024、Hewlett Pack
ard社製Bright White Inkjet P
aper、Aussdat Rey社製Rey Jet)
を用い、各記録用紙に上記の条件で図6に示す3つのパ
ターンをそれぞれ記録した。そして、それらのうち、各
条件ごとに最もレベルが低いと判断した記録用紙のサン
プルを用いて評価を行った。
【0107】評価基準は、 ○:ブリード・白もやの両方がほとんど気にならず実用
上問題ないレベル ◎:ブリード・白もやの両方が気にならないレベル とした。
【0108】表4に評価結果を示す。
【0109】
【表4】
【0110】上述したように、カラーインクに高い濃度
の金属塩を含ませてブラックインクとの相互反応性を高
めることは、ブリードや白もやを低減する観点からは好
ましいものの、記録ヘッドのインク吐出面に付着したイ
ンクミスト中に含まれる金属イオンによってインク吐出
面が劣化しやすくなったり、インク中に添加される金属
塩の濃度が高くなることでインクの粘度が増し、インク
の吐出安定性が低下してしまうため、信頼性の観点から
は好ましくない。そのため、相互反応性インク中の金属
イオン濃度をより低くしつつ、ブリードや白もやの低減
を図ることができる形態が好ましい。
【0111】表4に示す本実施例の結果から、条件1お
よび条件4の場合にブリードおよび白もやについて良好
な結果が得られることがわかる。ここで、条件1および
条件4の場合の記録ヘッドの構成は、吐出口列C1から
吐出されるインク中に含まれる金属イオンの濃度が一番
高く、次に吐出口列C2、そして吐出口列C3の順に高
くなっている。なお、隣接する吐出口列同士では金属イ
オン濃度が同じである場合もあるが、排紙方向(主走査
方向)の下流側の吐出口列の金属イオン濃度が上流側の
ものよりも高くはなっていない。
【0112】このように、各カラーインク吐出口列C
1,C2,C3から吐出される各インク中に含まれる金
属イオンの濃度は、ブラックインク吐出口列Bk1のう
ちのインク吐出部分(B部分)によるブラック印字との
印字間隔がより短いほど高くなっている。これにより、
反応性インク中の金属イオン濃度を全体として低くでき
るとともに、ブリードや白もやの低減を図ることがで
き、印字画像の高品位化と記録ヘッドの高信頼性化とを
両立させることが可能となる。
【0113】さらに、条件2、3、5においても、印字
方法を変えることにより、ブリードおよび白もやに対し
て、非常に良好な結果を得られることも解った。
【0114】その一つの方法として、金属イオン濃度が
高い反応性インクを必ずBkインクよりも先に被記録媒
体に付与するために、先に紙送りを行い、金属イオン濃
度が高い反応性インクを付与した後、紙送りを戻し、B
kインクによる記録を行うような記録方法によっても、
ブリードおよび白もやを低減できる。例えば、その他の
条件を条件3と同じにして、この印字方法を適応する
と、まず記録ヘッドの吐出口列C3が記録領域に記録で
きるまで記録媒体を送り、吐出口列C3による記録(B
k領域への塗布も含む)を行う。その後紙送りを逆転
し、記録ヘッドの吐出口列Bk1のB部分および吐出口
列C1で記録し、その後紙送りを行い、吐出口列C2で
記録する。この場合を条件6とする。その評価結果を表
5に示す。表5に示したように、ブリードおよび白もや
に対しては良好な結果が得られているものの、このよう
な記録方法では記録速度が条件3に対して非常に遅くな
ることが解る。
【0115】
【表5】
【0116】また別の印字方法として、2パス記録以上
のマルチパス記録を行うものがある。ここでマルチパス
記録とは、記録領域に対して、各色のノズル列がn回ス
キャンして画像を形成するいわゆるマルチパス記録、分
割記録のスキャン回数を記録パス数とし、パス数が増え
ると、それに合わせて、1スキャンあたりの記録デュー
ティを減らし、n回で画像が完成するように各スキャン
で補完しながら記録を行う記録方法である。このような
方法では1スキャンでの記録媒体へのインクの総付与量
が少なく、各スキャンで付与されたのインクの記録媒体
へのインクの定着が1パス記録時よりも向上するため、
ブリードおよび白もやが低減できる。他の条件は条件3
と同様にしてこのようなマルチパス記録(4パス記録)を
行った場合を条件7として、評価結果を表5に示してあ
る。表に示したように、ブリードおよび白もやに対して
は良好な結果が得られているものの、このような記録方
法では記録速度が条件3に対して非常に遅くなることが
解る。
【0117】以上の結果のように、ブリードおよび白も
やを低減することが、記録方法によっては可能なことが
解る。しかしながら、いずれの場合も記録速度が低下し
てしまう。すなわち、本発明におけるヘッド構成、すな
わち各カラーインク吐出口列C1,C2,C3から吐出
される各インク中に含まれる金属イオンの濃度は、ブラ
ックインク吐出口列Bk1のうちのインク吐出部分(B
部分)によるブラック印字との印字間隔がより短いほど
高くなるようなヘッド構成を用いることにより、記録速
度の低下を防ぎつつ、良好なブリードおよび白もやが実
現できるのである。
【0118】なお、本実施例では、各吐出口列C1,C
2,C3にそれぞれ硝酸Mgの添加量が異なるシアンイ
ンクを導入する例を用いて説明したが、インクの色はこ
れに限定されるものではなく、各吐出口列C1,C2,
C3から吐出される各インク中に含まれる金属イオンの
濃度が、ブラック印字との印字間隔がより短いほど高く
なるように構成されているのであれば、用いられるイン
クの色は任意である。
【0119】例えば、上記の記録ヘッド1を用い、吐出
口列Bk1にブラックインク1を導入し、吐出口列C1
にシアンインク3(金属イオン濃度:0.075%)を
導入し、吐出口列C2にマゼンダインク1(金属イオン
濃度:0%)を導入し、吐出口列C3にイエローインク
1(金属イオン濃度:0%)を導入した場合には、各カ
ラーインク中の金属イオン濃度は上記の条件1と同様の
条件となり、表4に示す条件1の場合の結果と同様に良
好な結果を得られた。
【0120】また、本発明が適用できるのは図3に示し
た構成の記録ヘッド1に限られず、例えば図4に示した
構成の記録ヘッド2においては、ブラック吐出口列Bk
2によるブラック印字との印字間隔(ブラック吐出口列
Bk2からの距離)は吐出口列C4,C5,C6の順に
短いので、吐出口列に導入されるインク中の金属イオン
濃度は吐出口列C4,C5,C6の順に高くなっていれ
ばよい。
【0121】また、図5に示した構成の記録ヘッド3に
おいては、図5の矢印a方向に走査している間にカラー
印字を行う場合にはブラック吐出口列Bk3のA部分に
よるブラック印字との印字間隔が吐出口列C7,C8,
C9の順により短く、矢印b方向に走査している間にカ
ラー印字を行う場合にはブラック吐出口列Bk3のA部
分によるブラック印字との印字間隔が吐出口列C11,
C10,C9の順により短いので、各吐出口列に導入さ
れるインク中の金属イオン濃度が、吐出口列C7,C
8,C9の順、かつ吐出口列C11,C10,C9の順
に高くなっていればよい。つまり、両外側の吐出口列の
インク中の金属イオン濃度を一番高くし、内側の吐出口
列に向かうにつれてインク中の金属イオン濃度が低くな
るようにすればよい。
【0122】さらには、本実施例ではBkとカラー間で
のブリード、白もやについて説明を行ったが、色の組み
合わせはこれに限ったものでは無いことは言うまでも無
い。また反応性を本実施例では金属イオン濃度と顔料に
よる反応の場合について説明を行ったが、互いに反応性
を有する場合に本発明のヘッド構成、記録装置を適応で
きることは、言うまでも無い。
【0123】また、本実施例では各インクの吐出口列が
一つのヘッドユニット内に構成されている場合を示した
が、本発明の意図するところによれば、インク吐出口列
が別ヘッドユニットになっていても、差し支えなく、イ
ンクジェット記録装置として、吐出口列がこのような構
成になり、被記録媒体へ記録がなされればよいことは言
うまでもない。
【0124】<記録ヘッドのインク吐出口面のワイピン
グについて>次に、図7を参照し、記録ヘッドのインク
吐出面をワイピングする方法について説明する。
【0125】図7(a)では図1に示した記録ヘッド1
を例として用いており、各カラーインク吐出口列に導入
されるインク中の金属イオン濃度は、吐出口列C1,C
2,C3の順に高くなっている。
【0126】記録ヘッド1のインク吐出面のワイピング
は、記録装置に備えられたワイパ4を図7(a)に示す
ような方向に移動させることにより行う。このとき、ワ
イパ4は、カラーインク吐出口列をC1,C2,C3の
順に通過していく。このとき、各ノズルからワイパ4へ
インクがしみ出し、ワイパ4にC1インク、C2イン
ク、C3インクの順にインクが染み込む。その結果、ワ
イパ4に先に染み込んだ金属イオン濃度が比較的高いイ
ンクは、その後に染み込む金属イオン濃度が比較的低い
インクによって薄められ、ワイパ4の少なくとも先端部
(記録ヘッドのインク吐出面に当接する部分)では金属
イオン濃度が低くなり、添加物の凝集物が発生すること
が抑えられる。
【0127】このように、金属イオン濃度が比較的高い
インクが導入された吐出口列から金属イオン濃度が比較
的低いインクが導入された吐出口列へ順次ワイピングを
行うことにより、ワイパ4の少なくとも先端部に染み込
んだ金属イオンの濃度を低くすることができ、金属イオ
ンの凝集物がワイパの先端表面に堆積することを容易に
防止することができる。
【0128】なお、本発明のワイピング方法を適用でき
るのは図3に示した構成の記録ヘッド1に限られない。
例えば、図4に示した構成の記録ヘッド2において、カ
ラーインク吐出口列に導入されるインク中の金属イオン
濃度が吐出口列C4,C5,C6の順に高くなっている
場合には、図7(b)に示すように、図面の左方から右
方へワイパを移動させて吐出口列Bk2,C4,C5,
C6の順にワイピングを行うことにより、ワイパ4の少
なくとも先端部に染み込んだ金属イオンの濃度を低く
し、金属イオンの凝集物がワイパの表面に堆積すること
を容易に防止することができる。
【0129】また、図5に示した構成の記録ヘッド3に
おいて、カラーインク吐出口列に導入されるインク中の
金属イオン濃度が吐出口列C7,C8,C9の順、かつ
C11,C10,C9の順に高くなっている場合には、
まず、図面の左方から右方へワイパを移動させて吐出口
列Bk3,C7,C8,C9の順にワイピングを行い、
次に吐出口列C11,C10,C9の順にワイピングを
行うことにより、ワイパ4の少なくとも先端部に染み込
んだ金属イオンの濃度を低くし、金属イオンの凝集物が
ワイパの表面に堆積することを容易に防止することがで
きる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録ヘッドおよびそれを搭載したインクジェット
記録装置は、第1のインク用の吐出口列による印字との
印字間隔が相対的により短い吐出口列に、該吐出口列よ
りも印字間隔が相対的により長い吐出口列に導入される
インクが示す相互反応性と同等であるか相対的により高
い相互反応性を示すインクが導入されるように構成さ
れ、あるいは、第1のインク用の吐出口列との距離が相
対的により短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記距離
が相対的により長い吐出口列に導入されるインクが示す
相互反応性と同等であるか相対的により高い相互反応性
を示すインクが導入されるように構成されているので、
反応性インク中の反応剤(金属イオン)の濃度を全体と
して低くするとともに、ブリードや白もやの低減を図る
ことができる。
【0131】また、本発明のインクジェット記録装置
は、ワイパが、インク吐出面の第1のインク用の吐出口
列以外の複数の吐出口列の部分をワイピングする際に、
第1のインク用の前記吐出口列による印字との印字間隔
が相対的により短い吐出口列の順にワイピングを行うよ
うに構成されているので、ワイパの少なくとも先端部
(記録ヘッドのインク吐出面に当接する部分)では反応
剤の濃度が低くなり、反応剤の凝集物がワイパの先端表
面に堆積することを容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用するこ
とのできるインクジェット記録装置の一例を示す概略斜
視図である。
【図2】本発明の液体吐出ヘッドの1つの実施の形態を
液流路方向で切断した断面図で示すとともに、液流路内
の特徴的な現象を(a)〜(f)の工程に分けて示した
ものである。
【図3】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構
成例を示す概略図である。
【図4】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構
成例を示す概略図である。
【図5】本発明を具現化する記録ヘッドの吐出口列の構
成例を示す概略図である。
【図6】記録用紙に記録した評価用の画像を示す図であ
る。
【図7】記録ヘッドのインク吐出面をワイピングする方
法について説明するための図である。
【符号の説明】
1,2,3,101 インクジェット記録ヘッド 4 ワイパ 10 液流路 11 気泡発生領域 13 共通液室 18 吐出口 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 支持部材 40 気泡 41 隆起気泡 50 天板 51 素子基板 52 発熱体 53 液流路仕切壁 64 ストッパ 65 低流路抵抗領域 66 吐出滴 67 サテライト 100 インクジェット記録装置 102 駆動モータ 103,104 駆動力伝達 105 リードスクリュー 106 螺旋溝 107 キャリッジ 107a レバー 108 ガイド 109 プラテン 110 紙押さえ板 111,112 フォトカプラ 113 支持部材 114 キャップ部材 115 インク吸引手段 116 キャップ内開口 117 クリーニングブレード 118 移動部材 119 本体支持体 120 レバー 121 カム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 陽一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井手 大策 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA16 EE16 FC02 HA22 JB04 JB08 2H086 BA53 BA55 BA59 4J039 BA04 BA30 BA32 BA37 BA38 BA39 BE01 EA19 EA41 EA47 GA24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3種以上の複数種のインクを吐出するた
    めに複数の吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、
    第1のインクと該第1のインク以外のインクのうちの少
    なくとも1種のインクとは相互に反応性を示すインクで
    あるインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記第1のインク用の吐出口列による印字との印字間隔
    が相対的により短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記
    印字間隔が相対的により長い吐出口列に導入される前記
    インクが示す前記相互反応性と同等であるか相対的によ
    り高い前記相互反応性を示す前記インクが導入されるよ
    うに構成されていることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
  2. 【請求項2】 3種以上の複数種のインクを吐出するた
    めに複数の吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、
    第1のインクと該第1のインク以外のインクのうちの少
    なくとも1種のインクとは相互に反応性を示すインクで
    あるインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記第1のインク用の吐出口列との距離が相対的により
    短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記距離が相対的に
    より長い吐出口列に導入される前記インクが示す前記相
    互反応性と同等であるか相対的により高い前記相互反応
    性を示す前記インクが導入されるように構成されている
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1のインクはブラックインクであ
    り、前記第1のインク以外のインクはカラーインクであ
    る、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記複数の吐出口列のうち、前記第1の
    インク用の吐出口列によるブラック印字との印字間隔が
    最も短い吐出口列にのみ、前記ブラックインクと相互反
    応性を示す前記カラーインクが導入されるように構成さ
    れている、請求項3に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記相互反応性を示すカラーインクは金
    属イオンを含有している、請求項3または4に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記金属イオンは、Mg2+、Ca2+、C
    2+、Co2+、Ni 2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+
    およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多価金属陽
    イオンである、請求項5に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記相互反応性を示すカラーインクは、
    該カラーインクの全重量に対して0.1〜15重量%の
    金属塩を含む、請求項5または6に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ブラックインクは塩を含有し、色材
    として黒色顔料が用いられている、請求項3から7のい
    ずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 3種以上の複数種のインクを吐出するた
    めに複数の吐出口列を有し、該複数種のインクのうち、
    第1のインクと該第1のインク以外のインクのうちの少
    なくとも1種のインクとは相互に反応性を示すインクで
    あるインクジェット記録ヘッドを搭載し、該インクジェ
    ット記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に前記イ
    ンクを付着させることで記録を行うように構成されたイ
    ンクジェット記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッドは、前記第1のインク用
    の吐出口列による第1のインクの印字との印字間隔が相
    対的により短い吐出口列に、該吐出口列よりも前記印字
    間隔が相対的により長い吐出口列に導入される前記イン
    クが示す前記相互反応性と同等であるか相対的により高
    い前記相互反応性を示す前記インクが導入されるように
    構成されていることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  10. 【請求項10】 3種以上の複数種のインクを吐出する
    ために複数の吐出口列を有し、該複数種のインクのう
    ち、第1のインクと該第1のインク以外のインクのうち
    の少なくとも1種のインクとは相互に反応性を示すイン
    クであるインクジェット記録ヘッドを搭載し、該インク
    ジェット記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に前
    記インクを付着させることで記録を行うように構成され
    たインクジェット記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッドは、前記第1のインク用
    の吐出口列との距離が相対的により短い吐出口列に、該
    吐出口列よりも前記距離が相対的により長い吐出口列に
    導入される前記インクが示す前記相互反応性と同等であ
    るか相対的により高い前記相互反応性を示す前記インク
    が導入されるように構成されていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記第1のインクはブラックインクで
    あり、前記第1のインク以外のインクはカラーインクで
    ある、請求項9または10に記載のインクジェット記録
    装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の吐出口列のうち、前記第1
    のインク用の吐出口列によるブラック印字との印字間隔
    が最も短い吐出口列にのみ、前記ブラックインクと相互
    反応性を示す前記カラーインクが導入されるように構成
    されている、請求項11に記載のインクジェット記録装
    置。
  13. 【請求項13】 前記相互反応性を示すカラーインクは
    金属イオンを含有している、請求項11または12に記
    載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記金属イオンは、Mg2+、Ca2+
    Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y
    3+およびAl3+から選ばれる少なくとも1つの多価金属
    陽イオンである、請求項13に記載のインクジェット記
    録装置。
  15. 【請求項15】 前記相互反応性を示すカラーインク
    は、該カラーインクの全重量に対して0.1〜15重量
    %の金属塩を含む、請求項13または14に記載のイン
    クジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 前記ブラックインクは塩を含有し、色
    材として黒色顔料が用いられている、請求項11から1
    5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から8のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッドを搭載し、該インクジェッ
    ト記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に前記イン
    クを付着させることで記録を行うように構成され、前記
    インクジェット記録ヘッドのインク吐出面に当接するワ
    イパを移動させて前記インク吐出面をクリーニングする
    ワイピング手段を備えたインクジェット記録装置におい
    て、 前記ワイパは、前記インク吐出面の前記第1のインク用
    の吐出口列以外の複数の吐出口列の部分をワイピングす
    る際に、前記第1のインク用の吐出口列による印字との
    印字間隔が相対的により短い吐出口列の順にワイピング
    を行うように構成されていることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
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